JPH0525605Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は手術用縫合糸の保持用パツケージに関
するものである。

（従来の技術） 外科手術用縫合糸は、片針付き、両端針付き、
針なしを問わず通常所定長さに切断した状態でパ
ツケージ内に収納され、更に該パツケージを合成
フイルムやアルミニウム箔あるいはこれらの複合
シート材料によつて形成された包装袋内に収容さ
れて密封シールされ、所要時に包装袋を開封した
のち縫合糸パツケージを取り出し、パツケージを
開口して縫合糸の始端また針部から抜き出して使
用される。

したがつて縫合糸パツケージは、縫合糸を絡み
合うことなく収容し、開口が容易であり、始端ま
たは針部から円滑に抜き出すことができるという
条件を具備していることが必要となる。このため
従来からかかる条件を満足するべく、例えば特開
昭58−149750号公報、特開昭59−228845号公報、
特開昭60−148550号公報にみられるように改善さ
れた種々な縫合糸パツケージが提案されている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら上記した従来の縫合糸パツケージ
は、少なくとも３片以上の折り畳みパネルよりな
り、これらの折り畳みパネルを縫合糸を巻回した
のち所定の手順でもつて折り畳んでパツケージと
なしているものである。例えば特開昭60−148550
号公報記載の縫合糸パツケージにあつては、長方
形状の縫合糸保持パネル、針保持パネル、針カバ
ーパネル、縫合糸カバーパネル、およびサイドパ
ネルという５つのパネルが折目線を介して連設さ
れてなり、縫合糸保持パネルに形成された４個の
開口にピンを突出させて縫合糸を巻回したのち、
針保持パネル上の２つの切り込みに縫合糸の縫合
針接合部付近および縫合針をそれぞれ嵌入して、
縫合糸カバーパネルを折り曲げ、次に針保持カバ
ー上に針カバーパネルを折り曲げたのち、該針保
持パネルを縫合糸パネル上に折り曲げ、しかるの
ちサイドパネルをその上に折り重ねることによつ
て形成された構造をなしている。

したがつて針付き縫合糸を絡むことなく収容で
き、使用時にはカバーパネルを開いて針を露出さ
せ、その針を抜き出すことによつて容易に縫合糸
を取り出すことができるという利点を有している
が、多くの折り曲げパネルを具備しているためパ
ツケージの形成に多くの手間を要し、また切り込
みから針を外す手数を要すると共に縫合糸の縫合
針接合部付近に折りぐせがつくという点において
必ずしも満足し得るものではない。

本考案は表裏２枚の最小のパネルでもつて形成
され、パツケージの形成が簡単にして、かつ前記
した縫合糸用パツケージとしての各条件を完備し
た縫合糸保持用のパツケージを提供するものであ
る。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、縫合糸保持用のパツケージを熱接着
可能な１枚のパネルを２つ折りするか、もしくは
熱接着可能な２枚のパネルを重ね合せてシールす
ることによつて形成し、その下側部分に下縁およ
び両側縁が閉じられ、上下に１〜２対の穴を有す
るところのパツケージ主体の1/2以上の大きさを
占める袋部を形成して該袋部内に８の字状に巻回
された縫合糸を収容保持させ、上側部分の表裏の
パネル間に縫合針または縫合糸の端部を挟持さ
せ、上側部分と下側部分との境界域の表パネル側
に横方向のミシン目線を設けて該表パネルの上側
部分を破断開口片となすとともに該開口片の破断
開始側の裏パネルの上側部分の一側部を切除し、
上記表パネルの上側部分の一側部を該切断端縁か
ら外方に突出せしめて破断用つまみ部となし、さ
らに上記袋部の上部の少なくとも１方側位置と破
断開口片の上部位置にポイント接着を施してなる
ものである。

本考案に適用される熱接着性パネルとしては、
比較的硬い適当なプラスチツクシート材料、例え
ば、ポリエチレンフイルムシート等、あるいは内
面側となる面に例えばポリエチレン樹脂やポリプ
ロピレン樹脂等の薄膜が形成された比較的硬い上
質紙が望ましく、パツケージ全体の形状が縦長で
あつて、縫合糸を巻回収容する袋部を形成してい
る下側部分と縫合針または縫合糸の端部を保持す
る上側部分との大きさの比は、２：１〜３：１程
度が適当である。

（作用） 熱接着性のパネルは、裏パネルの面に縫合糸を
巻回保持させたのちの該裏パネルへの表パネルの
接合、即ちパツケージの形成を極めて容易にし、
スポツト的なポイント接着と相俟つて縫合糸およ
び縫合針を的確に保持して、パツケージの取扱い
中における内部縫合糸の乱れを防止する。そして
裏パネルの上側部分の一端縁の１部切除は破断開
口片のつまみを容易にし、確実迅速な開口が達成
される。また袋部上部の少なくとも１方側のポイ
ント接着部は、縫合糸や針付縫合糸を収容した場
合における縫合糸の移動、拡張（ばらけ拡がるこ
と）あるいは縫合針の移動を規制し、開口後の円
滑な引き出しを助成する。

（実施例） 以下本考案の実施例を示した図面にもとづいて
説明すると、第１図は包装用カバーに収容された
完成されたパツケージの正面図、第２図は縫合糸
取り出しのために開口した状態を示したパツケー
ジの正面図、そして第３図は第１図のパツケージ
の展開図を示しているものである。

本考案によるパツケージのパネルは内面側にポ
リエチレン樹脂がコーテイングされた硬質厚手の
紙材料によつて作られ、第１図乃至第８図に示し
ているように、折目線を介して連設された略々長
方形状の表パネル１と裏パネル２とを重ね合せ熱
接着することによつて、パツケージ主体３が形成
されている。該パツケージ主体３には、下縁およ
び一側縁を熱接着４，４することにより形成され
た袋部５を備え、表裏パネル１，２の該袋部５相
当部分の上下に縫合糸巻回用のピンが挿入される
各１対の穴６，６，７，７を有している。尚、該
穴は上下１対でもよく、パツケージ全体の形状、
縫合糸の太さと長さにより適宜選択できるが、縫
合糸のもつれやよじれを少なくするためには、上
下各１対の穴を設けるのが望ましい。また、該穴
の形状を縦方向に細長くすることにより、該穴に
挿通するピンの間隔を適宜調節して、長さの異な
る縫合糸を巻回収容することができる。表パネル
１の袋部上部位置には横方向のミシン目線８が設
けられ、該ミシン目線８の上側部分が破断開口片
９となつている。１０は該ミシン目８の始端に形
成されたＶ字状切込みである。該破断開口片９と
重なつている裏パネル２の上側部分の上記Ｖ字状
切込み１０側の側縁は内側に向つて斜めに裁断切
除され、表パネル１の上記破断開口片９の一側部
をその切除端縁１１から外方に突出させて破断開
口時のつまみ部９′となしている。更に本考案に
おいては、第１図に示しているように、上記した
袋部５の上部片側と破断開口片９の上部にスポツ
ト的にポイント熱接着１２，１３が施され、この
部分において表裏のパネル１，２が接合されてい
る。そして縫合糸１４は上部袋部５内においても
８の字に巻回された状態で収納保持され、縫合針
１５または縫合糸の引出し端部は、表裏パネル
１，２の上側部分の間に挟持されている。両端針
付縫合糸の場合は、２本の縫合針は共に表裏パネ
ル１，２の上側部分の間に挟持される。

縫合糸１４は次のようにしてパツケージ内に収
容される。まず裏パネル２の袋部相当位置に設け
た穴６，７にピン（図示せず）を挿通し、このピ
ンを利用して所定長に切断された縫合糸１４を普
通は２つ折りした状態で８の字状に巻回して始端
の縫合針１５および終端１４′を裏パネル２の上
側部分１６上に位置させ、次いで表パネル１の穴
６，７を上記ピンに嵌入して裏パネル２と重ね合
せ、しかるのち縁部の熱接着４，４とポイント接
着１２，１８を行ない、接着されたパツケージを
ピンから取り出すことによつて第１図に示したご
とき、パツケージを得ることができる。

なお上記実施例においては、表パネル１と裏パ
ネル２が折目線１７を介して連設されたパツケー
ジ材料を用いた態様を示しているが、第５図の
イ，ロのごとく、表パネル１と裏パネル２とが分
離されたパツケージ材料を使用し、所望の三辺を
熱接着４，４することによつても第４図のごとく
本考案の縫合糸保持用のパツケージとなすことが
でき、また針なし縫合糸を収容する場合は、第６
図に示したごとく、縫合糸の引出し端部１５′，
１５′を上側部分間に挟持させるとよい。１８は
包装用カバーを示している。

（考案の効果） 以上、詳記した通り、本考案による縫合糸保持
用のパツケージは、熱接着付可能な略々長方形状
の表パネル１と裏パネル２とが重ね合されてパツ
ケージ主体３が形成され、該パツケージ主体３の
下側部分に、下縁および両側縁が閉じられたとこ
ろの袋部５が形成されて該袋部５に縫合糸巻回用
のピンが挿入される上下１〜２対の穴６，７が設
けられ、表パネル１の該袋部５の上部位置に横方
向のミシン目線８が設けられ該表パネル１の上側
部分に破断開口片９が形成され、該表パネル１の
上側部分と重なる裏パネル２の上側部分１６の該
開口片９の破断開始側の端部が切除されて破断開
口片９の一側部がその切除端縁１１から外方に突
出され、さらに該袋部５の上部の少なくとも１方
側位置と該破断開口片９の上部位置にスポツト的
なポイント接着１２，１３が施されて表裏のパネ
ル１，２が接合され、上記袋部５内に縫合糸１４
が８の字状に巻回されて収納保持され、上記表裏
パネル１，２の上側部分の間に縫合糸針１５また
は縫合糸の端部１５′が挟持されてなるものであ
り、パツケージ主体３は表裏各１枚のパネル１，
２によつて構成され、熱接着手段によつて形成さ
れるから、縫合糸の収容並びにパツケージの形成
が極めて容易であり経済的である。そして収容さ
れた縫合糸およびその取り出し端部もしくは縫合
針は、パツケージ主体３の縁部の熱接着４，４並
びにポイント接着１２，１３による表裏パネル
１，２の接合効果によつて的確に挾圧保持され、
移送中や管理のための移動等によつて遊動するこ
とがない。また使用に際しては、破断開口片９の
破断開始側に破断開口片９のみからなるつまみ部
９′を有しているから、該つまみ９′を持つてミシ
ン目線８の方向に破断すれば、直ちに縫合針１５
または縫合糸１４の端部１５′が現れ、現れた縫
合針１５また縫合糸１４の端部１５′をつまんで
上方に引き出せば、抵抗少なく円滑に取り出すこ
とができ、また袋部５内の巻回された縫合糸１４
から延びる縫合糸１４の端部あるいは縫合針接合
部付近は袋部５から大きく屈曲することなく収容
されているため、取り出した縫合糸には曲りクセ
がないなど実用上好都合な多くの効果を発揮す
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示したものであつて、
第１図は包装用カバーに収容されたパツケージの
正面図、第２図は破断開口片を開いた状態のパツ
ケージの正面図、第８図は第１図の展開図、第４
図はパツケージの他の実施例を示した正面図、第
５図のイ，ロは第４図のパツケージにおける表裏
のパネルを示し、そして第６図は定長の針なし縫
合糸を収容した正面図である。 １……表パネル、２……裏パネル、３……パツ
ケージ主体、４……熱接着、５……袋部、６，７
……穴、８……ミシン目線、９……破断開口片、
１１……切除端縁、１２，１３……ポイント接
着、１４……縫合糸、１５……縫合針。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 熱接着可能な略々長方形状の表パネルと裏パ
   ネルとが重ね合されてパツケージ主体が形成さ
   れ、該パツケージ主体の下側部分に、下縁およ
   び両側縁が閉じられた袋部が形成されて該袋部
   に縫合糸巻回用のピンが挿入される上下１〜２
   対の穴が設けられ、表パネルの該袋部の上部位
   置に横方向のミシン目線が設けられて該表パネ
   ルの上側部分に破断開口片が形成され、該表パ
   ネルの破断開口片と重なる裏パネルの上側部分
   の該開口片の破断開始側の端部が切除されて該
   破断開口片の一側部がその切除端縁から外方に
   突出され、さらに該袋部の上部の少なくとも１
   方側位置と該破断開口片の上部位置にスポツト
   的なポイント接着が施されて表裏のパネルが接
   合され、上記袋部内に縫合糸が８の字状に巻回
   されて収容保持され、上記表裏パネルの上側部
   分の間に縫合針または縫合糸の端部が挟持され
   ていることを特徴とする縫合糸保持用パツケー
   ジ。 (2) 縫合糸が両端縫合針付縫合糸である実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の縫合糸保持用パツ
   ケージ。 (3) パツケージ主体が１枚のパネルを２つ折りし
   て熱接着して形成された実用新案登録請求の範
   囲第１項または第２項記載の縫合糸保持用パツ
   ケージ。