JPH0215817Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、輸液セツト、輸血セツト、注射器、
医療用手袋といつた医療用器具類などを収容し
て、エチレンオキサイドガスによる滅菌、オート
クレーブ等の高温滅菌を行なうようにした滅菌用
包装袋に関する。

従来の技術 従来、輸液セツト、輸血セツト、注射器、医療
用手袋等の医療用器具類は、事後汚染防止の見地
から包装袋に収納した後、その内部をエチレンオ
キサイドガスやオートクレーブ等によつて滅菌す
る必要があり、このためこれらの医療用器具類を
収容する包装袋としては、ガスや水蒸気を透過す
るフイルター材（不織布等の通気性シート）を包
装袋本体の中央部に長さ方向に沿つて形成した間
隙又は透孔を内側から覆つて貼着し、このフイル
ター材を通つてガスや水蒸気を包装袋本体内に導
入して滅菌するようにした包装袋が使用されてい
る。

第２図及び第３図は、このような包装袋の一例
を示すもので、この包装袋はガス不透過性の基材
フイルムよりなる包装袋本体１の一面幅方向ほぼ
中央部に長さ方向に沿つてその一端部から他端部
に連続して形成した間隔を内側から覆つて通気性
を有するフイイルター材３の両側端部を熱接着４
し、かつ包装袋本体１の下端部を前記フイルター
材３の下端部と共に熱接着５し、更にこの包装袋
本体１内に医療用器具類を収容した後、包装袋本
体１の上端部をフイルター材３の上端部と共に熱
接着６する構成を有するものである。そして、こ
のように医療用器具類を収容した包装袋を滅菌処
理する場合は、前記フイルター材３を通して脱気
した包装袋本体１内にエチレンオキサイドガス、
水蒸気等を流入させることにより、包装袋本体１
内及びこれに収容された医療用器具類を滅菌処理
するものである。

考案が解決しようとする問題点 しかし、第２図及び第３図の包装袋は、収容さ
れた医療用器具類などを取り出す場合は包装袋の
上部を幅方向に沿つて破り、開封するものである
が、フイルター材が包装袋本体の長さ方向に沿つ
て接着されているためフイルター材の接着部にお
いて開封し難いものであり、又長さ方向に引き裂
くと直線的に引き裂かれず、曲つて引き裂かれる
ため収容物が取り出し難いものであつた。

本考案は上記事情に鑑みなされたもので、開封
が容易な滅菌用包装袋を提供することを目的とす
る。

問題点を解決するための手段 即ち、本考案は上記目的を達成するため、ガス
不透過性の基材フイルムよりなる包装袋本体の一
面に長さ方向もしくは幅方向に沿つてその一端部
から他端部に連続して形成した間隙を内側から覆
つて通気性を有するフイルター材を配設すると共
に、このフイルター材の長さ方向両端部と両側端
部とをそれぞれ包装袋本体と熱接着してなる滅菌
用包装袋において、前記フイルター材の長さ方向
両端部と包装袋本体との熱接着部の少なくとも一
方に開封用ノツチを形成するようにしたものであ
る。

作 用 本考案の滅菌用包装袋は、前記フイルター材の
長さ方向両端部と包装袋本体との熱接着部の少な
くとも一方に開封用ノツチを形成したので、開封
する場合は、このノツチから前記熱接着部を引き
裂き、更に連続してフイルター材を引き裂くこと
により包装袋本体を開封することができる。この
場合、このように開封用ノツチを形成してあるた
め、開封操作が容易に行なわれると共に、このノ
ツチから前記熱接着部を簡単に破ることができ、
またフイルター材を破る時に引き裂き方向が側方
に曲つても、フイルター材の側端部は包装袋本体
と熱接着されており、この側部熱接着部がフイル
ター材の引き裂き方向がそれ以上側方に曲がるこ
とを阻止し、むしろこの側部熱接着部外側の包装
袋本体端縁部がフイルター材を引き裂く時の案内
となり、フイルター材を簡単かつ確実に引き裂
き、包装袋本体を開封し得るものである。

以下、本考案の一実施例につき第１図を参照し
て説明する。

実施例 第１図に示す実施例は、第２図及び第３図に示
した包装袋において、フイルター材３の長さ方向
下端部と包装袋本体１との下端熱接着部５ａにＶ
字状の開封用ノツチ７を形成してなるもので、そ
の他の構成は第２，３図の包装袋と同様であるた
め、第２，３図の包装袋と同一構成部分に同一の
参照符号を付し、その説明を省略する。

なお、本体１を構成するガス不透過性のフイル
ムとしては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、ポリプロピレン等の熱接着可能なプ
ラスチツクフイルム、又はこれら熱接着性を有す
るプラスチツクフイルムを最内層とし、必要によ
り、中間層としてアルミニウム箔等の金属層を積
層したプラスチツク複合フイルムが使用される。
また、フイルター材３は、通気性があればいずれ
のものでもよいが、特に紙、合成紙、不織布、例
えばポリエチレン繊維をスパンボンドしたものや
ポリエチレン繊維と紙パルプを混抄したもの等の
ポリエチレン不織布などが好適に用いられる。

上述した滅菌用包装袋は、その本体１内に医療
用器具類等を収容した後、本体１の上端開口部を
熱接着により封緘し、次いでエチレンオキサイド
ガス、水蒸気などを用いて滅菌処理を行うもので
ある。

また、この包装袋内に収容された収容物を取り
出す場合は、前記ノツチ７からこのノツチ７が形
成された熱接着部５ａを引き裂き、更にこれに連
続してフイルター材３を引き裂き、本体１を開封
し、その開封口から収容物を取り出すものであ
る。この場合、この包装袋にあつては、開封用ノ
ツチ７が形成されているので開封操作が容易であ
る上、このノツチ７から熱接着部５ａ、更にフイ
ルター材３を簡単に引き裂くことができ、また、
フイルター材３を引き裂くときにその引き裂き方
向が側方に曲がつていつても、フイルター材３の
側端部と本体１とを熱接着することにより形成さ
れた側部熱接着部４がそれ以上引き裂き方向が側
方に曲ることを確実に阻止し、しかもこの側部熱
接着部４の外側層をなす本体１の端縁部４ａが引
き裂き案内部となるのでフイルター材３を簡単か
つ確実に引き裂くことができるものである。

なお、上述した実施例は間隙２を本体１の長さ
方向に沿つて形成し、これに応じてフイルター材
３を長さ方向に沿つて配設したが、本考案はこれ
に制限されるものではなく、間隙２を幅方向に沿
つて形成し、フイルター材３を幅方向に沿つて配
設するようにしてもよく、また開封用ノツチ７の
形成箇所、個数も上記実施例に限定されず、その
他の構成についても本考案の要旨を逸脱しない範
囲で種々変更して差支えない。

考案の効果 本考案の滅菌用包装袋は、以上のように構成し
たから、開封が非常に容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す平面図、第２
図は従来の包装袋の平面図、第３図は第２図−
線に沿つた断面図である。 １……包装袋本体、２……間隙、３……フイル
ター材、７……開封用ノツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ガス不透過性の基材フイルムよりなる包装袋本
   体の一面に長さ方向もしくは幅方向に沿つてその
   一端部から他端部に連続して形成した間隙を内側
   から覆つて通気性を有するフイルター材を配置す
   ると共に、このフイルター材の長さ方向両端部と
   両側端部とをそれぞれ包装袋本体と熱接着してな
   る滅菌用包装袋において、前記フイルター材の長
   さ方向両端部と包装袋本体との熱接着部の少なく
   とも一方に開封用ノツチを形成したことを特徴と
   する滅菌用包装袋。