JPH039739B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、縫合糸の包装方法に関する。さらに
詳しくは、針付縫合糸の包装方法に関する。

〔従来の技術〕

外科用の針付縫合糸は、輸送中あるいは貯蔵中
に糸がもつれたり針先が傷んだりしないように、
台紙に固定して包装されるが、このとき針は台紙
に設けたスリツトに挿入して固定するのが一般的
である。ところが、比較的大きな針の付いた縫合
糸の場合には針をスリツトに挿入しにくく、使用
するときも取り出しにくい。また、取り出す際に
針先が台紙に当つて傷み、切れ味が低下すること
がしばしばある。さらに、通常は針の大きさに関
係なく１種類の台紙を使用することが多いが、こ
のことは上述した問題をいつそう深刻にしてい
る。

〔発明が解決しようとする問題点〕

本発明の目的は、針の大きさに関係なく取出し
の容易な縫合糸の包装方法を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、１種類の台紙で大小の
針を好ましく包装することのできる包装方法を提
供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、縫合糸保持パネルと、該縫合糸保持
パネルの１つの長辺に沿つて折り曲げ可能に接続
されている針保持パネルと、該針保持パネルの縫
合糸保持パネル接続側とは反対側に折り曲げ可能
に接続されている針カバーパネルとを有する縫合
糸包装用台紙に針付縫合糸を包装するに際し、比
較的小さな針のついた縫合糸の場合は、針の先端
部を針保持パネルに設けたスリツトにパネルの裏
側から挿入するとともに、針カバーパネルを表側
方向に折り畳んで針を固定し、比較的大きな針の
付いた縫合糸の場合は、針をスリツトには挿入せ
ずに針保持パネルの裏側に載置するとともに、針
カバーパネルを裏側方向に折り畳んで針保持パネ
ルと針カバーパネルで針を挟んで固定して、縫合
糸を包装するようにしたことを特徴とする針付縫
合糸の包装方法である。

〔作用〕

本発明においては、比較的小さな針の場合には
従来のようにスリツトに針を挿入するので小さな
針でも確実に固定できる。一方、比較的大きな針
の場合には単にパネルで挾むだけでも針が大きい
ので確実に固定でき、取出しも容易であるので針
を傷めることもない。

〔実施例〕

第１図は、本発明に使用する縫合糸包装用台紙
の好ましい例についての展開図である。台紙は基
本的には縫合糸保持パネル１と、それに折り曲げ
可能に接続されている針保持パネル２及び針カバ
ーパネル３より構成されている。また、縫合糸保
持パネル１には縫合糸カバーパネル４、サイドラ
ベル５及びサイドパネル６が折り曲げ可能に接続
されている。各パネルの接続部は折り曲げ易いよ
うにミシン目などで折り線１６，１７，１８及び
１９がつけられており、折り線１６は縫合糸収納
空間を確保するために図示するようなカセツト折
りにするのが好ましい。針保持パネル２には、比
較的小さな針を挿入保持するためスリツト９が設
けられており、図の裏面方向より針を挿入する。
また、針保持パネルには糸を通すために凹部１１
が設けられている。

第２図以降にこの台紙を使用して縫合糸を包装
する手順を示す。第２〜６図は比較的小さな針の
付いた縫合糸を包装する場合の手順である。第２
図に示すように、針２３の先端部を図面の裏側方
向からスリツト９に挿入して糸を凹部１１に通
し、縫合糸保持パネル１上に糸を巻き取る。縫合
糸保持パネル１には長円形の開口７，７と円形の
開口８，８が設けられており、これらの開口に縫
合糸を巻き付けるための４本のピン２０が挿入さ
れ、パネル面より突き出て、図示するように縫合
糸を巻き付けるために使用される。開口７，７が
長円形になつているのは、ピンを移動させて縫合
糸の巻き取り長さを調整するためである。縫合糸
のピン２０への巻き付けが終了したなら、第３図
に示すように針カバーパネル３と縫合糸カバーパ
ネル４を折りたたみピン２０を抜き取る。針カバ
ーパネルは針をスリツト９に挿入した時点ですぐ
に折りたたんでもよい。針カバーパネル３は折り
たたんでも指を離すと折り曲げ部の復元力で開い
てしまうので、図に示す例では、針保持パネルに
スリツト１０を設けるとともに針カバーパネルに
突起１３を設けて、折りたたんだ際に突起１３を
スリツト１０に挿し込んで固定するようになつて
いる。また、切込み１２及び１４によつても固定
できるようになつている。次いで針保持パネル２
とサイドラベル５及びサイドパネル６を折りたた
んで（第４図）、アルミニウム箔などで形成され
た袋２１に封入する（第５図）。縫合糸を取り出
すときには、袋２１の切込み２２より横方向に破
ると、第６図に示すように袋と一緒にサイドラベ
ル５が開き、針の基部が露出するのでこの部分を
つかんでただちに取り出すことができる。

次に、比較的大きな針の付いた縫合糸を包装す
る場合には、第７図に示すように針を針保持パネ
ル２の裏側に載置し、針カバーパネル３を上述の
場合とは逆に裏側に折りたたんで針を保持する
（第８図）。このとき、針カバーパネル３を固定す
るために針保持パネルと針カバーパネルには折り
たたんだ際の位置がややずれるようにそれぞれ切
込み１２及び１４が設けられている。そして切込
み同志を互いに引つ掛けると針カバーパネルは折
りたたんだ状態で固定される。次いで、上述した
ように縫合糸を縫合糸保持パネル上に巻き取り、
縫合糸カバーパネル４を折りたたみ、さらに針保
持パネル２を折りたたむ（第９図）。このとき図
からもわかるように、針カバーパネル３の左上端
部を切り落とした形状にしておくと、針の基部が
露出しやすいので、後で針を取り出すときに便利
である。最後にサイドラベル５及びサイドパネル
６を折りたたみ、袋に封入する。縫合糸を取り出
すときには、第１０図に示すように、袋２１を破
ると針の基部が露出するので、ただちに取り出す
ことができる。しかもこのとき、針はスリツトに
挿入されていないので取り出し易く、針先を傷め
ることがない。

〔発明の効果〕

本発明によれば、１種類の台紙を使用するだけ
で針の大きさに関係なく縫合糸を好ましく包装す
ることができる。また、縫合糸を使用する際の針
の取り出しが容易で針先を傷めることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に使用する縫合糸包装用台紙
の展開正面図である。また第２〜６図は、比較的
小さな針の付いた縫合糸に本発明を適用した場合
の包装手順を示す正面図である。第７〜１０図
は、比較的大きな針の付いた縫合糸に本発明を適
用した場合の包装手順を示す正面図である。 １……縫合糸保持パネル、２……針保持パネ
ル、３……針カバーパネル、４……縫合糸カバー
パネル、５……サイドラベル、６……サイドパネ
ル、９……スリツト、２３……針。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 縫合糸保持パネル１と、該縫合糸保持パネル
   の１つの長辺に沿つて折り曲げ可能に接続されて
   いる針保持パネル２と、該針保持パネルの縫合糸
   保持パネル接続側とは反対側に折り曲げ可能に接
   続されている針カバーパネル３とを有する縫合糸
   包装用台紙に針付縫合糸を包装するに際し、比較
   的小さな針の付いた縫合糸の場合は、針の先端部
   を針保持パネルに設けたスリツト９にパネルの裏
   側から挿入するとともに、針カバーパネル３を表
   側方向に折り畳んで針を固定し、比較的大きな針
   の付いた縫合糸の場合は、針をスリツト９には挿
   入せずに針保持パネル２の裏側に載置するととも
   に、針カバーパネル３を裏側方向に折り畳んで針
   保持パネルと針カバーパネル３で針を挟んで固定
   して、縫合糸を包装するようにしたことを特徴と
   する針付縫合糸の包装方法。