JP4523311B2 - 細胞の搬送方法および培養方法 - Google Patents
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吉川,「骨髄間葉系細胞による培養真皮、培養骨−骨髄間葉系細胞による再生医療−」,バイオインダストリー,株式会社シーエムシー出版,2001年,第18巻,第7号,p.46−53
本発明は、搬送容器内に収容した接着性の細胞を含む液体内に、該細胞が付着可能な、生体親和性を有する基材を投入して、前記基材を前記液体と同等の比重を有する物質により構成し、細胞とともに液体内に浮遊させるとともに、細胞と容器内壁とを相対的に移動させつつ搬送する細胞の搬送方法を提供する。
この発明によれば、細胞を含む液体を基材を介して流通させることにより、基材に効率的に細胞を付着させることができる。
この発明によれば、細胞を容器内壁から浮遊した状態に維持すると、搬送される間に、網状部材の網目を通過するように流動させられる。これにより、細胞が網状部材に付着して成長を促進されることになる。
また、前記基材がマイクロキャリアからなることとしても同様である。
このようにすることで、搬送容器の容器内壁と細胞とが、同じ場所で接触状態に維持されることがなく、細胞の容器内壁への接着を防止することができる。これにより、搬送後の培養容器への移し替え時に、搬送容器からの細胞の剥離作業を行うことなく、速やかに移し替えることができる。
同様に、前記搬送容器内の液体を攪拌することにより、細胞と容器内壁とを相対的に移動させることとしてもよい。
この発明によれば、細胞を含む液体を搬送容器から培養容器に移し替えるときに、細胞を含む液体を多孔性部材上に投入すると、液体内部に含有されている赤血球が多孔性部材の貫通孔を貫通して培養容器の底面側に下降する。一方、細胞は基材に付着して成長しているので、貫通孔を通過しにくく、多孔性部材に付着する。多孔性部材の貫通孔を通して赤血球が底面側に下降しているので、細胞は、赤血球に阻害されることなく多孔性部材の上面に接着して成長する。また、多孔性部材に付着した細胞は、搬送中に既に基材に付着して成長を開始していたので、速やかに成長を継続して効率的に増殖することができる。
本実施形態に係る細胞の搬送方法は、病院等の医療機関において患者から採取された骨髄液Aを、培養機関へ搬送するための方法であって、図1に示されるように、採取された骨髄液Aを収容する搬送容器1内に、基材2を投入するとともに、搬送容器1内において、細胞が容器内壁1aに付着しないように保持しつつ搬送するものである。
基材2としては、例えば、ポリスチレンや脂質のような材質からなり、粒径10〜300μm程度のものが好ましい。このような材質からなる基材2は、骨髄液Aとほぼ同等の比重を有しているため、骨髄液A中に投入すると、液面に浮くことも沈むこともなく、浮遊状態に維持されるようになっている。
また、この基材2は、生体親和性を有しており、培養後に生体内に細胞とともに移植することが可能な材料である。また、この基材2は、細胞を付着させるのに適した表面状態を有している。
また、細胞を容器内壁1aに付着させないように保持する方法として、第2に、図2に示されるように、搬送容器1自体を、その中心軸線Bが略水平になるように配置するとともに、その中心軸線B回りに低速で回転させる方法が挙げられる。図中、符号3は、搬送容器1を載置して同一方向に同期回転させられるローラである。
骨髄液A内には、上述した基材2が同様に浮遊させられているので、細胞は基材2と接触する機会が多く、また、一旦接触すると基材2の表面に付着してその成長を開始することになる。なお、搬送容器1は、搬送時には、図示しない恒温容器内に配置されて、所定の培養条件、例えば、温度37℃に維持し、搬送容器1内部をCO2濃度5%に維持されるようになっている。
この場合に、揺動させることにより、細胞を含む液体Aを搬送容器1内部において流動させて、細胞が容器内壁1aに付着するのを防止するとともに、揺動を停止した静止状態に配することにより、内部に投入されている基材2への細胞の付着を促すようにしてもよい。揺動の停止時間は、タイマーによって予め設定してもよいが、搬送容器1内において細胞および基材2が沈降する状態をカメラ等で検出して画像処理することにより、その都度判断してもよい。図中符号6は、搬送容器1を固定状態に載置する載置台、符号7は、揺動アーム、符号8は揺動アームを回転可能に支持するベースを示している。
本実施形態に係る搬送方法の説明において、上述した第1の実施形態に係る搬送方法の説明と共通する構成要素に同一符号を付して説明を簡略化する。
本実施形態に係る搬送方法は、搬送容器10内に投入する基材11と、細胞と容器内壁10aとを相対的に移動させる方法とにおいて第1の実施形態に係る搬送方法と相違している。
また、本実施形態に係る搬送方法に使用される搬送容器10は、図5に示されるように、伸縮可能な蛇腹状部分12を備えている。この搬送容器10内に細胞を含む液体Aを収容して、搬送容器10の蛇腹状部分12を伸縮させることにより、内部の液体と容器内壁10aとが相対的に移動させられるようになっている。
本実施形態に係る培養方法は、上記各実施形態に係る搬送方法により搬送されてきた骨髄液と所定の培地との混合液Dを、以下の培養容器20に投入して所定の培養条件下に配するものである。図6は、例えば、第1の実施形態において説明した搬送容器1から移し替える場合について示している。
Medium:最小必須培地)、FBS(Fetal Bovine Serum:ウシ胎児血清)、抗生剤を所定の配合比率で混合したものである。また、成長因子、例えば、サイトカイン、濃縮血小板、BMP、FGF、TGF−β、IGF、PDGF、VEGF、HGFやこれらを複合させたもの等の成長に寄与する物質を混合することにしてもよい。また、エストロゲン等のホルモン剤や、ビタミン等の栄養剤を混合することにしてもよい。なお、ウシ胎児血清に代えてヒト血清を用いてもよい。
また、抗生剤としては、ペニシリン系抗生物質の他、セフェム系、マクロライド系、テトラサイクリン系、ホスホマイシン系、アミノグリコシド系、ニューキノロン系等任意の抗生物質を採用することができる。
その結果、細胞Eの増殖スピードを向上して、必要細胞数まで増殖させるのに要する時間を短縮することができるという効果がある。
B,C 軸線
E 細胞
1,10 搬送容器
1a,10a 容器内壁
2 基材
11 網状部材(基材)
21 培養容器
22 網状部材(多孔性部材)
Claims (6)
- 搬送容器内に収容した接着性の細胞を含む液体内に、該細胞が付着可能な、生体親和性を有する基材を投入して、前記基材を前記液体と同等の比重を有する物質により構成し、細胞とともに液体内に浮遊させるとともに、細胞と容器内壁とを相対的に移動させつつ搬送する細胞の搬送方法。
- 前記搬送容器を略水平な軸線回りに回転させることにより、細胞と容器内壁とを相対的に移動させる請求項1に記載の細胞の搬送方法。
- 前記搬送容器内の液体を攪拌することにより、細胞と容器内壁とを相対的に移動させる請求項1または請求項2に記載の細胞の搬送方法。
- 前記搬送容器の内壁に親水性処理が施されている請求項1から請求項3のいずれかに記載の細胞の搬送方法。
- 前記親水性処理が、前記搬送容器の内壁に酸化チタン光触媒製の薄膜を形成し、その表面に紫外線を照射することにより行われる請求項4に記載の細胞の搬送方法。
- 培養容器内の底面より高い位置に、赤血球より大きな貫通孔を有する多孔性部材を配置し、請求項1から請求項5のいずれかに記載の細胞の搬送方法により搬送された細胞を前記多孔性部材上に投入して培養する細胞の培養方法。
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