JP4522718B2 - 電気自動車の車体後部構造 - Google Patents

電気自動車の車体後部構造 Download PDF

Info

Publication number
JP4522718B2
JP4522718B2 JP2004038747A JP2004038747A JP4522718B2 JP 4522718 B2 JP4522718 B2 JP 4522718B2 JP 2004038747 A JP2004038747 A JP 2004038747A JP 2004038747 A JP2004038747 A JP 2004038747A JP 4522718 B2 JP4522718 B2 JP 4522718B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle body
suspension arm
cross member
vehicle
support bracket
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004038747A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005225451A (ja
Inventor
修一 小谷
慎吾 新井
Original Assignee
株式会社オーテックジャパン
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社オーテックジャパン filed Critical 株式会社オーテックジャパン
Priority to JP2004038747A priority Critical patent/JP4522718B2/ja
Publication of JP2005225451A publication Critical patent/JP2005225451A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4522718B2 publication Critical patent/JP4522718B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2300/00Indexing codes relating to the type of vehicle
    • B60G2300/13Small sized city motor vehicles

Landscapes

  • Body Structure For Vehicles (AREA)
  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • Vehicle Body Suspensions (AREA)
  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Description

本発明は、車体構造の技術分野に属する。
従来、電気自動車においては、車体構造は基本的にガソリンエンジン車とほぼ同じ一体型のモノコック構造であった(例えば、非特許文献1参照)。
例えば、電気自動車の車体後部構造においては、リアサスペンションアームは、一端をモノコックボディに支持された直線状の部材であり、サスペンションの上端部は、一体型のモノコックボディに固定されている。
一方、ガソリン車に比べ低出力の電気自動車に対応するためにモノコックボディの軽量化を行うと、サスペンションから大きな力を受けるサスペンションメンバ支持部の強度に不安が残る。
そのため、電気自動車にあっては、フレーム型ボディを用いることにより車体構造の剛性確保を図っている。
「自動車工学入門 216頁 図7−7 222頁図7−14」(黒田光彦 著 グランプリ出版 1994年9月30日発行)
しかしながら、上記従来技術にあっては、室内空間を確保しつつ小型化を図るため後輪の上部に車両後部を突出させて室内空間を確保しようとした場合、サスペンションアームが直線状であるため車体フレームとの間隔が狭くなる。操縦性、安定性を確保するため車高を下げた場合はさらに狭くなる。
これにより、バウンド時など車体が沈み込んだ際にサスペンションアームが車体後部フレームと干渉するおそれがある。
特に、ホイールインモータ型、またはサスペンションアーム上にモータを設けた電気自動車の場合、モータその他付属機器をサスペンションアーム上に設けるとモータ等と車体後部フレームとの間隔が更に狭くなるため、モータ等が車体フレームに接触するおそれが大きい。
接触を回避するためにはサスペンションアームを長くしてフレームとの間隔を広くとる必要があるが、これでは車両全長が長くなり軽量化の妨げとなる、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、車体が沈み込んだ際にもサスペンションアームがフレームと干渉するおそれが少なく、かつ車両全長の短縮による車体の軽量化を可能にする電気自動車の車体後部構造を提供することにある。
上述の目的を達成するために、本発明の電気自動車の車体後部構造では、車体下部の左右において車体前後方向に伸びるロア・サイド・メンバと、これらのロア・サイド・メンバの後端部を連結するリア・ロア・クロスメンバと、前記ロア・サイド・メンバの後端部または前記リア・ロア・クロスメンバの両端部から上方へ立ち上げた左右のリアピラと、前記リア・ロア・クロスメンバより上方位置で前記左右のリアピラ間を連結するアッパ・リア・クロスメンバと、を備えた電気自動車の車体後部構造であって、前記リア・ロア・クロスメンバに後輪を回転自在に支持すると共にホイールインモータもしくは駆動用モータを固定支持するリアサスペンションアームのリアサスペンションアーム支持部を設け、前記リアピラは、下端部が前記ロア・サイド・メンバに連結され、前記下端部から車体の後方に向けて立ち上がり、前記アッパ・リア・クロスメンバとの連結部よりも上方で車体前方に向けて湾曲する形状を有し、前記アッパ・リア・クロスメンバの両端部、または前記リアピラと前記アッパ・リア・クロスメンバとの連結部にリアサスペンションのショックアブソーバのロッドを支持するサスペンション上端側支持部を設け、前記リアサスペンションアームは、前記リア・ロア・クロスメンバのリアサスペンションアーム支持部に支持され、途中部分が両端部を結ぶ線よりも下方に位置するように湾曲した形状を有するリアサスペンションアームであり、前記サスペンション上端側支持部は、アッパ・リア・クロスメンバおよびリアピラにそれぞれ結合したサスペンション上端側支持ブラケットであり、前記サスペンション上端側支持ブラケットは、車体前後方向に沿う垂直平面部を有し、該垂直平面部は前記アッパ・リア・クロスメンバと結合することとした。
よって、本発明にあっては、サスペンションアームを下方に湾曲させることで、容積確保のため車体後部が後輪上方に突出している車体構造であっても、車体沈み込み時のフレームとの接触を回避し、車両全長の短縮と車体の軽量化を実現する電気自動車の車体後部構造を提供できる。また、1枚の板材から車体上部結合部の補強部材とリアサスペンションアームの上端支持部材、およびリアコンビネーションランプ取り付け部材を作成することが可能となり、加工が容易となる。また、部品点数の減少を可能とすることができ、コストダウンと組みつけの容易さを同時に実現できる。また、直交する複数の平面部により車体上部結合部にかかる力を受け持つことが可能となり、多方向の強度確保ができる。また、平面の組み合わせ構造であるため、軽量化も図ることができる。また、後輪の駆動にリアサスペンションアームに固定支持されたホイールインモータもしくはリアサスペンションアームに固定支持された駆動用モータを用いたことで、車体構造内部に駆動手段を設けない車体構造が可能となり、小型で軽量な車体構造を提供することができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、本発明の電気自動車の車体後部構造を用いた車体構造1の全体図である。
電気自動車の車体後部構造は、ロア・サイド・メンバ11と、リア・ロア・クロスメンバ12と、車両前方を前として左リアピラ13および右リアピラ14と、アッパ・リア・クロスメンバ15と、サスペンションアーム支持ブラケット20と、ショックアブソーバ上端支持ブラケット30と、を備える。
前記ロア・サイド・メンバ11は車体下部の左右において車体前後方向に伸び、これらのロア・サイド・メンバ11の後端部はリア・ロア・クロスメンバ12によって連結されている。
また、ロア・サイド・メンバ11の後端部とリア・ロア・クロスメンバ12の結合部はサスペンションアーム支持ブラケット20を介して結合される。
ロア・サイド・メンバ11、リア・ロア・クロスメンバ12、および左右のリアピラ13、14はこのサスペンションアーム支持ブラケット20を介して結合し、車体下部結合部Aを形成している。
以下では車体構造1の左側について説明するが、車体後部構造は左右対称のため、右側についても同様の構成である。
前記リア・ロア・クロスメンバ12は第1支持部12aを有し、サスペンションアーム支持ブラケット20は第2支持部21を有する。
後輪を回転自在に支持するリアサスペンションアームはこの第1、第2支持部12a,21により支持される。
前記左リアピラ13および右リアピラ14はサスペンションアーム支持ブラケット20に支持され、車体下部結合部Aから車体構造1の後方へ立ち上がる。
前記アッパ・リア・クロスメンバ15は、リア・ロア・クロスメンバ12より上方位置で左および右リアピラ13,14を連結する。
このアッパ・リア・クロスメンバ15と左および右リアピラ13,14は溶接により結合され、車体上部結合部Bを形成している。
この車体上部結合部Bの近辺にはリアサスペンションアーム60のショックアブソーバ40のロッドを支持するショック上端支持ブラケット30が設けられている。
このショックアブソーバ上端支持ブラケット30は1枚の板材をプレス加工して形成され、アッパ・リア・クロスメンバ15および左右のリアピラ13,14と溶接によって結合している。
前記左右のリアピラ13,14は、車体上部結合部Bよりも上、すなわちアッパ・リア・クロスメンバ15の上方で車体前方に向けて湾曲する形状を有しており、ロア・サイド・メンバ11の車両前方端部と結合している。
上述のように、左右のリアピラ13,14が車体下部結合部Aから車体構造1の後方へ立ち上がり、アッパ・リア・クロスメンバ15の上方で車体前方に向けて湾曲することで、車体後部の空間を確保している。
図2は、車体構造1の後部の斜視図、図3は、車体構造1の後部の側面図である。
リアサスペンションアーム60は前部が車体に連結し、後部が後輪70を回転可能に支持するトレーリングアーム型のA字型サスペンションアームである。
リアサスペンションアーム60は、その途中部分がその両端部を結ぶ線よりも下方に位置するように湾曲した形状を有する。
この湾曲部分に駆動用モータ80その他付属機器が設けられ、後輪70を駆動している。
上述のように、車体構造1は、後輪70の上方に左右のリアピラ13,14が突出することで、車体内部の容積確保を行っている。
また、リアサスペンションアーム60は、リア・ロア・クロスメンバ12における第1支持部12a、及びサスペンションアーム支持ブラケット20における第2支持部21により回転可能に支持されている。
図4は、リアサスペンションアーム60の上面図である。
リアサスペンションアーム60は、前部二股型のA字形サスペンションアームであり、上述のようにその途中部分がその両端部を結ぶ線よりも下方に位置するように湾曲した形状を有する。
前部は二股に分かれて第1被支持部61、第2被支持部62を形成し、後部は後輪支持部63を形成している。
第1被支持部61はリア・ロア・クロスメンバ12の第1支持部12aによって回転可能に支持される。第2被支持部62はサスペンションアーム支持ブラケット20の第2支持部21により回転可能に支持される。
第1、第2被支持部61,62から伸びたアームは後方へ伸びるにしたがって接近し、1つのアームとなってさらに後方に伸びる。
最後部において後輪支持部63が形成され、後輪70を回転可能に支持する。
前部の第1、第2被支持部61、62と後部の後輪支持部63をつなぐアーム本体64は中心部が下方に湾曲している。
上述のように、このアーム本体64上には駆動用モータ80が設けられ、後輪70を駆動する。また、強度確保及び軽量化のため、アーム本体64の断面はコ字形に形成されている(図6参照)。
後輪支持部63の上部には、ショックアブソーバ下端支持部65が設けられ、ショックアブソーバ40の下端部を支持する。
図5は、リアサスペンションアーム60の側面図である。
アーム本体64は、前後の両端部を結ぶ線よりも下方に位置するように湾曲した形状を有している。
これによりリアサスペンションアーム60全体が下方に湾曲した形状となる。
容積確保のため車体後部が後輪70上方に突出している車体構造1においては、車体フレームとサスペンションアームの間隔が狭くなる。
そのため、サスペンションアームを直線状とした場合、車体沈み込み時にフレームと接触することを回避するため、サスペンションアームを長くしてフレームとの間隔を広くとる必要がある。
特に、ホイールインモータ型、またはサスペンションアーム上にモータその他付属機器を設けた電気自動車の場合、接触回避のため、サスペンションアームを大幅に長くしてモータ等とフレームの間隔をより広くとる必要がある。
しかし、これでは車両全長が長くなり、車重の増加を招いてしまう。
そのため、本実施例では、両端部が下方に湾曲したリアサスペンションアーム60を用いる。
図3に示すように、アーム本体64の湾曲により、全長が同一のサスペンションアームであっても、湾曲しているサスペンションアームは直線状のアームに比べ車体構造1との間隔をより広くとることが可能となる。
また、駆動用モータ80をリアサスペンションアーム60上に搭載した場合、湾曲していないサスペンションアームに搭載するよりも、湾曲している分だけ駆動用モータ80を低い位置に搭載でき、フレームとの間隔に余裕を持たせることができる。
よって、サスペンションアームを長くしなくてもフレームとの間隔を広くとることができ、バウンド時など車体が沈み込んだときに、車載機器と車体構造が接触するおそれを回避しつつ、全長を短くしたサスペンションアームを提供することができる。
図6は、車体構造1に取り付けられたリアサスペンションアーム60の断面斜視図である。
リアサスペンションアーム60のアーム本体64は、軽量化のため、断面がコ字状に形成されている。
上述のように、リアサスペンションアーム60は、車体下部結合部Aのサスペンションアーム支持ブラケット20、及びリア・ロア・クロスメンバ12の第1支持部12aによって回転可能に支持される
図7は、車体構造1に取り付けられたリアサスペンションアーム60の上面図である。
リアサスペンションアーム60の第1、第2被支持部61,62にはブシュ66が嵌め込まれ、第1、第2支持部12a,21に回転可能に支持される。
ブシュ66により、リアサスペンションアーム60の位置決めと振動吸収を行っている。
上述のように、リアサスペンションアーム60が湾曲しているため、車体後部が後輪70上方に突出し、車体フレームとサスペンションアームの間隔が狭い車体構造1においても、車体沈み込み時におけるリアサスペンションアーム60の突出量を抑えることができる。
よって、リアサスペンションアーム60を長くとらずとも、車体の沈み込み時におけるリアサスペンションアーム60と車体構造1のフレームの干渉を回避することができる。
特に、駆動用モータ80をリアサスペンションアーム60上に搭載した場合、直線状のサスペンションアームよりも低い位置に駆動用モータ80を搭載することが可能となり、フレームとの距離に余裕を持たせて駆動用モータ80と車体構造1が接触するおそれを低減できる。
また、リアサスペンションアーム60の突出量を抑えることができることで、後部とランクルームの容積を増大させることが可能となる。
後輪70を駆動輪とせず、駆動用モータ80をリアサスペンション60に搭載しない場合、トランクルームの容積確保がより期待できる。
図8は、サスペンションアーム支持ブラケット20の斜視図である。
サスペンションアーム支持ブラケット20は1枚の板材をコの字型に形成して設けられ、平行かつ車体前後方向に沿う左右2つのアーム支持ブラケット垂直面部22,23と、垂直面部の上方に位置し接地方向に対し水平なアーム支持ブラケット水平面部24を有する。
ロア・サイド・メンバ11の後端部はこの平行な2つのアーム支持ブラケット垂直面部22,23の間でサスペンションアーム支持ブラケット20に連結する。
リア・ロア・クロスメンバ12は左右2つのアーム支持ブラケット垂直面部22,23に設けられた左右のリア・ロア・クロスメンバ連結部25,26に端部を嵌め込まれて連結される。
前記ロア・サイド・メンバ11とリア・ロア・クロスメンバ12はそれぞれサスペンションアーム支持ブラケット20と結合することにより連結される。
また、サスペンションアーム支持ブラケット20は第2支持部21によってリアサスペンションアームを支持する。
よって、サスペンションアーム支持ブラケット20は、ロア・サイド・メンバ11、リア・ロア・クロスメンバ12、左リアピラ13の連結、及びリアサスペンションアーム60の支持を行う。
連結及び支持によって受ける負荷はアーム支持ブラケット垂直面部22,23及びアーム支持ブラケット水平面部24からなる3つの平面部が受け持つことで強度を確保している。
図9は、車体左側の車体下部結合部Aの斜視図である。
上述のように、車体下部結合部Aにおいて、サスペンションアーム支持ブラケット20を介してロア・サイド・メンバ11、リア・ロア・クロスメンバ12、及び左リアピラ13が連結されている。
サスペンションアーム支持ブラケット20の車体前部方向には、サスペンションアーム支持ブラケット20と左リアピラ13の結合を補強する補強メンバ16が設けられている。
この補強メンバ16は、サスペンションアーム支持ブラケット20及び左リアピラ13と溶接され、両者の連結を補強する役割を果たす。
よって、サスペンションアーム支持ブラケット20は、ロア・サイド・メンバ11、リア・ロア・クロスメンバ12、左リアピラ13の連結、及びリアサスペンションアーム60の支持を行う。
図10は、ショックアブソーバ40を取り付けた際の車体上部結合部Bの斜視図である。
ショックアブソーバ上端支持ブラケット30は1枚の板材から形成され、車体接地方向に対して水平となる上端支持ブラケット水平面部31と、垂直となる上端支持ブラケット垂直面部32と、接地方向と垂直かつ車両前後方向に沿う平面である上端支持ブラケット連結面部33とからなり、これら3つの平面部を組み合わせて形成される。
また、これらの3平面部は直交するよう設けられている。
上述のように、ショックアブソーバ上端支持ブラケット30はアッパ・リア・クロスメンバ15及び左リアピラ13と結合し、ショックアブソーバ上端取り付け部31によりショックアブソーバ40の上端を固定する。
サスペンションの支持部材は車重を支え、走行時には車体の運動に伴って荷重を支えるため、サスペンションの支持部にかかる負荷は大きい。
とりわけ、車体のバウンド時などにはサスペンションの上端にかかる負荷は多大なものとなる。
そのため、ショックアブソーバ上端の支持を1つの部材のみで行う場合、すなわち本実施例1においてアッパ・リア・クロスメンバ15もしくは左リアピラ13のみに取り付けた場合、アッパ・リア・クロスメンバ15と左リアピラ13の結合部分は溶接結合であるため、強度的に不十分となる可能性がある。
よって、ショックアブソーバ上端支持ブラケット30をアッパ・リア・クロスメンバ15及び左リアピラ13の双方に結合することで、負荷の分散と補強を行っている。
また、サスペンション上端取り付け部材とリアコンビネーションランプ取り付け部材を共用化して部品点数の減少を図っている。
次に、作用を説明する。
[車両全長の短縮]
容積確保のため車体後部が後輪53上方に突出している車体構造1においては、車体フレームとサスペンションアームの間隔が狭くなり、サスペンションアームが大きく沈み込むとフレームと接触するおそれがある。
操縦性、安定性確保のため車高を下げた場合はより間隔が狭くなり、接触のおそれも増大する。
そのため、直線状のサスペンションアームでは、車体沈み込み時にフレームと接触することを回避するため、サスペンションアームを長くしてフレームとの間隔を広くとる必要がある。
特に、直線状のサスペンションアーム上に駆動用モータ80を設けた場合、駆動用モータ80と車体後部フレームとの間隔が狭くなり、バウンド時など車体が沈み込んだ際に駆動用モータ80とフレームと接触の可能性は大きい。
そのため、サスペンションアームを長くしてフレームとの間隔を広くとる必要があるが、これでは車両全長が長くなり軽量化の妨げとなる。
そのため、サスペンションアームを中心部が下方に湾曲したリアサスペンションアーム60とした。
これにより、フレームとの間隔に余裕ができ、サスペンションアームを長くすることなく接触を回避できる。
特に、本実施例1のように駆動用モータ80をリアサスペンションアーム60上に搭載する場合、湾曲している分だけ駆動用モータ80を低い位置に搭載できることで、駆動用モータ80と車体構造1の間隔を広くとることが可能となり、接触回避に有効である。
[後部トランクルームの容積拡大]
車体後部にトランクルームを設ける場合、車体沈み込み時にリアサスペンションアーム60の突出量が大きいと、トランクルームの容積を十分に確保することができず、利便性が劣ることとなる。
一方、本実施例においては、リアサスペンションアーム60が湾曲しているため、車体沈み込み時において、直線状のサスペンションアームを用いた場合に比べ突出量が少ない。
そのため、リアサスペンションアーム60上に駆動用モータ80を搭載する後輪駆動車(RR,4WD車)であっても、後部トランクルームの容積確保が容易となり、利便性が向上する。
とりわけ、前輪駆動車(FF車)の場合、駆動用モータ80が存在しないため、トランクルームの容積をより大きくとることが可能となる。
[サスペンション上端取り付け部の強度確保]
車体の沈み込みあるいはバウンド時には、ショックアブソーバ40が伸縮して衝撃を緩衝し、第1、第2支持部12a,21を回転中心としてリアサスペンションアーム60が回動する。
このとき、リアサスペンションアーム60の上端には多大な力がかかり、リアサスペンションアーム60の上端の支持をアッパ・リア・クロスメンバ15もしくは左リアピラ13のみに受け持たせた場合、両者の結合は溶接結合であるため、強度的に不十分となる可能性がある。
そのため、上端支持ブラケット水平面部31、左リアピラ13と結合する上端支持ブラケット垂直面部32、及びアッパ・リア・クロスメンバ15と結合する上端支持ブラケット連結面部33、の直交3平面部からなるショックアブソーバ上端支持ブラケット300を、アッパ・リア・クロスメンバ15と左リアピラ13に結合させる。
これにより、直交する3平面が田方向からの力を受け持つことで、ショックアブソーバ上端支持ブラケット30によって溶接によるアッパ・リア・クロスメンバ15と左リアピラ13の結合を補強し、車体上部結合部Bにおける結合部分の強度向上を図る。
次に効果を説明する。
実施例1の電気自動車の車体後部構造にあっては、次に列挙する効果を得ることができる。
(1)ロア・サイド・メンバ11と、リア・ロア・クロスメンバ12と、左リアピラ13と、の結合を行う車体下部結合部Aの結合部材としてサスペンションアーム支持ブラケット20を用い、左リアピラ13とアッパ・リア・クロスメンバ15との結合部である車体上部結合部Bの近辺に、リアサスペンションアーム60のショックアブソーバ40のロッドを支持するショックアブソーバ上端支持ブラケット30を設けた。
また、リアサスペンションアーム60は、その途中部分がその両端部を結ぶ線よりも下方に位置するように湾曲した形状を有することとした。
これにより、容積確保のため車体後部が後輪53上方に突出している車体構造1においても、サスペンションアームを長くせずとも車体フレームとの間隔を確保することが可能となる。
よって、操縦性、安定性確保のため車高を下げた場合であっても、車体が沈み込んだ際にサスペンションアームとフレームの干渉を回避しつつ、車両全長の短縮と車体の軽量化を実現する電気自動車の車体後部構造を提供することができる。
特に、モータその他付属機器をサスペンションアーム上に設ける電気自動車の場合、サスペンションアームの湾曲部分に駆動用モータその他付属機器を設けることで、車体が沈み込んだ際のモータ等とフレームの干渉を回避でき、車両全長の短縮と車体の軽量化に大きな効果がある。
また、リアサスペンションアーム60が湾曲しているため、車体沈み込み時にサスペンションアームの突出量を少なくすることが可能となる。
そのため、リアサスペンションアーム60上に駆動用モータ80を搭載する後輪駆動車(RR,4WD車)であっても、後部トランクルームの容積確保が容易となる。
とりわけ、前輪駆動車(FF車)の場合、駆動用モータ80が存在しないため、トランクルームの容積確保に顕著な効果をもたらすことができる。
(2) ショックアブソーバ上端支持ブラケット30はサスペンション上端を取り付ける上端支持ブラケット水平面部31と、左リアピラ13の固定部である垂直面部32と、アッパ・リア・クロスメンバ15を取り付ける上端支持ブラケット連結面部33と、を有し、上端支持ブラケット水平面部31は、上端支持ブラケット垂直面部32および上端支持ブラケット連結面部33と一体であり、上端支持ブラケット垂直面部32は、リアコンビネーションランプ50を取り付けるリアコンビネーションランプ固定部32aを有することとした。
これにより、1枚の板材から車体上部結合部の補強部材とリアサスペンションアーム60の上端支持部材、およびリアコンビネーションランプ取り付け部材を作成することが可能となり、加工が容易となる。また、部品点数の減少を可能とすることができ、コストダウンをと組み付けの容易さを同時に実現できる。
(3)上端支持ブラケット垂直面部32は上端支持ブラケット水平面部31から伸びて左リアピラ13と連結し、上端支持ブラケット連結面部33は、車体前後方向に沿う垂直平面であり、アッパ・リア・クロスメンバ15と結合することとした。

これにより、直交する複数の平面部により車体上部結合部Bにかかる力を受け持つことが可能となり、多方向の強度確保ができる。また、平面の組み合わせ構造であるため、軽量化も図ることができる。
(4) 後輪の駆動にホイールインモータを用いたことで、車体構造内部に駆動手段を設けない車体構造が可能となり、小型で軽量な車体構造を提供することができる。
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は実施例1に限定されるものではない。
実施例1の車体構造の全体図である。 実施例1の車体構造の後部の斜視図である。 実施例1の車体構造の後部の側面図である。 実施例1のリアサスペンションアームの上面図である。 実施例1のリアサスペンションアームの側面図である。 実施例1の車体構造に取り付けられたリアサスペンションアームの断面斜視図である。 実施例1の車体構造に取り付けられたリアサスペンションアームの上面図である。 実施例1のサスペンションアーム支持ブラケットの斜視図である。 実施例1の車体左側の車体下部結合部の斜視図である。 実施例1のショックアブソーバを取り付けた際の車体上部結合部の斜視図である
符号の説明
1 車体構造
11 ロア・サイド・メンバ
12 リア・ロア・クロスメンバ
12a 第1支持部
13 左リアピラ
14 右リアピラ
15 アッパ・リア・クロスメンバ
16 補強メンバ
20 サスペンションアーム支持ブラケット
21 第2支持部
22 アーム支持ブラケット左垂直面部
23 アーム支持ブラケット右垂直面部
24 アーム支持ブラケット水平面部
25 左リア・ロア・クロスメンバ連結部
26 右リア・ロア・クロスメンバ連結部
30 ショックアブソーバ上端支持ブラケット
31 上端支持ブラケット水平面部
31a ショックアブソーバ上端側支持部
32 アーム支持ブラケット垂直面部
33 アーム支持ブラケット連結面部
40 ショックアブソーバ
50 リアコンビネーションランプ
60 リアサスペンションアーム
61 第1被支持部
62 第2被支持部
63 後輪支持部
64 アーム本体
65 ショックアブソーバ下端支持部
70 後輪
80 駆動用モータ
A 車体下部結合部
B 車体上部結合部

Claims (1)

  1. 車体下部の左右において車体前後方向に伸びるロア・サイド・メンバと、
    これらのロア・サイド・メンバの後端部を連結するリア・ロア・クロスメンバと、
    前記ロア・サイド・メンバの後端部または前記リア・ロア・クロスメンバの両端部から上方へ立ち上げた左右のリアピラと、
    前記リア・ロア・クロスメンバより上方位置で前記左右のリアピラ間を連結するアッパ・リア・クロスメンバと、
    を備えた電気自動車の車体後部構造であって、
    前記リア・ロア・クロスメンバに後輪を回転自在に支持すると共にホイールインモータもしくは駆動用モータを固定支持するリアサスペンションアームのリアサスペンションアーム支持部を設け、
    前記リアピラは、下端部が前記ロア・サイド・メンバに連結され、前記下端部から車体の後方に向けて立ち上がり、前記アッパ・リア・クロスメンバとの連結部よりも上方で車体前方に向けて湾曲する形状を有し、
    前記アッパ・リア・クロスメンバの両端部、または前記リアピラと前記アッパ・リア・クロスメンバとの連結部にリアサスペンションのショックアブソーバのロッドを支持するサスペンション上端側支持部を設け、
    前記リアサスペンションアームは、前記リア・ロア・クロスメンバのリアサスペンションアーム支持部に支持され、途中部分が両端部を結ぶ線よりも下方に位置するように湾曲した形状を有するリアサスペンションアームであり、
    前記サスペンション上端側支持部は、アッパ・リア・クロスメンバおよびリアピラにそれぞれ結合したサスペンション上端側支持ブラケットであり、
    前記サスペンション上端側支持ブラケットは、車体前後方向に沿う垂直平面部を有し、該垂直平面部は前記アッパ・リア・クロスメンバと結合すること
    を特徴とする電気自動車の車体後部構造。
JP2004038747A 2004-02-16 2004-02-16 電気自動車の車体後部構造 Expired - Fee Related JP4522718B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004038747A JP4522718B2 (ja) 2004-02-16 2004-02-16 電気自動車の車体後部構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004038747A JP4522718B2 (ja) 2004-02-16 2004-02-16 電気自動車の車体後部構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005225451A JP2005225451A (ja) 2005-08-25
JP4522718B2 true JP4522718B2 (ja) 2010-08-11

Family

ID=35000486

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004038747A Expired - Fee Related JP4522718B2 (ja) 2004-02-16 2004-02-16 電気自動車の車体後部構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4522718B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI427010B (zh) * 2011-06-30 2014-02-21 Energy Control Ltd 電動車樑架結構
KR101325380B1 (ko) * 2011-09-27 2013-11-08 주식회사 포스코 전기 자동차의 언더 바디
DE102017119132B3 (de) * 2017-08-22 2018-10-31 Dr. Ing. H.C. F. Porsche Aktiengesellschaft Elektrofahrzeug
CN109177675B (zh) * 2018-10-26 2023-07-25 南京工程学院 一种移动机器人的悬挂系统

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1086840A (ja) * 1996-09-18 1998-04-07 Mitsubishi Motors Corp 車両のスペースフレーム構造
JPH10147153A (ja) * 1996-11-20 1998-06-02 Suzuki Motor Corp 電気自動車
JPH10250328A (ja) * 1997-03-17 1998-09-22 Nissan Motor Co Ltd リヤサスペンション構造
JP2002127971A (ja) * 2000-10-27 2002-05-09 Araco Corp 車両用簡易ボディ
JP2002337554A (ja) * 2001-05-16 2002-11-27 Mazda Motor Corp 車両の駆動装置配設構造
JP2003237380A (ja) * 2002-02-12 2003-08-27 Suzuki Motor Corp 小型電動車両

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1086840A (ja) * 1996-09-18 1998-04-07 Mitsubishi Motors Corp 車両のスペースフレーム構造
JPH10147153A (ja) * 1996-11-20 1998-06-02 Suzuki Motor Corp 電気自動車
JPH10250328A (ja) * 1997-03-17 1998-09-22 Nissan Motor Co Ltd リヤサスペンション構造
JP2002127971A (ja) * 2000-10-27 2002-05-09 Araco Corp 車両用簡易ボディ
JP2002337554A (ja) * 2001-05-16 2002-11-27 Mazda Motor Corp 車両の駆動装置配設構造
JP2003237380A (ja) * 2002-02-12 2003-08-27 Suzuki Motor Corp 小型電動車両

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005225451A (ja) 2005-08-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7644795B2 (en) Vehicle body structure of motorcycle
EP0765800B1 (en) Body frame for motorcycle
JP5240820B2 (ja) 小型フレーム車両のトレーリングアームマウンティング装置
JP4075744B2 (ja) 燃料タンクの取付構造
JP4193837B2 (ja) トレーリング・アーム式サスペンション構造及びアクスルキャリア
JP5928871B2 (ja) 車両前部の下部車体構造
US8590910B2 (en) Trailing arm mounting structure
JP6137488B2 (ja) 自動車のリヤサブフレーム構造
JP6052512B2 (ja) 自動車のリヤサブフレーム構造
JP3931962B2 (ja) サスペンション支持構造
JP6074510B2 (ja) 車両用リヤサスペンション取付構造の組付方法
JP5968971B2 (ja) 車体後部構造
JP2005206121A (ja) 自動車のフロントサスペンションメンバ構造
JP5552962B2 (ja) 電気自動車の車両後部構造
JP4522718B2 (ja) 電気自動車の車体後部構造
JP5161723B2 (ja) スタビライザ取付構造
JP6156649B2 (ja) 自動車のリヤサブフレーム構造
KR101509977B1 (ko) 표준형 크로스맴버
KR100643961B1 (ko) 차량의 쇽업소버 장착브라켓의 보강구조
KR102359712B1 (ko) 차량용 서브프레임
KR100821783B1 (ko) 차량용 서브 프레임
JP4479672B2 (ja) モータ付車両のリヤリジットサスペンション装置
JP2006248256A (ja) トレーリングアーム構造
JP2015155256A (ja) 自動車のリヤサブフレーム構造
CN110949519B (zh) 副车架结构

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070215

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090629

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090707

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090904

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100223

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100426

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100525

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100526

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4522718

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130604

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20170604

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees