JP4522681B2 - スチレン系樹脂組成物の製法及び樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、耐衝撃性の改良されたスチレン系樹脂組成物の製造方法及び該方法で得られた耐衝撃性の改良されたスチレン系樹脂組成物に関する。
従来耐衝撃性の改良されたスチレン系樹脂、いわゆる耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)は、通常ジエン系ゴム成分をスチレンおよび重合溶媒に溶解し、塊状ラジカル重合でスチレンを重合し、いわゆるサラミ構造のゴム相を形成して製造されている。(例えば非特許文献1)一方ポリスチレンの重合方法として、通常工業的に実施されているラジカル重合以外に、例えば有機リチウム化合物を用いたアニオン重合による製造方法も知られている。(例えば特許文献1)アニオン重合法で得られるスチレン系樹脂は残留スチレンモノマー、スチレンダイマーやトリマーなどのオリゴマー成分が少ないが、アニオン重合法ではラジカル重合法と同様にして、ゴム成分をスチレンモノマーと溶媒の混合系に溶解後重合して、サラミ構造のゴムを有するHIPSを製造できず、低残留スチレンモノマー、オリゴマーの耐衝撃樹脂組成物の製造は容易でない。このような場合、ブレンドによる耐衝撃性改良も、スチレン系ブロック共重合体を混合する技術として公知である。(例えば特許文献2)しかし、この方法で高い耐衝撃値を達成するためには、ブロック共重合体の添加量を増やす必要があり、弾性率が低下する。またスチレン系樹脂と部分的または完全に架橋されたゴム状重合体との組成物が知られている。(例えば特許文献3)しかしこれらの組成物はゴム状重合体を40重量部以上含むエラストマー組成物であり、スチレン系樹脂の耐衝撃性改良を目的とはしていない。
実用ポリマーアロイ設計 井出文雄著 工業調査会(1996年刊) PP153−166 米国特許5,391,655号、米国特許5,089,571号公報 特公昭47−43618号公報 特開2001−316539、特開2001−316545、特開2001−316546号公報
本発明は、スチレン系樹脂を溶融混練によるブレンド法で、耐衝撃性を付与する新たな製造方法の提供と、それによって得られる耐衝撃性に優れたスチレン系樹脂組成物の提供を目的とする。さらにはアニオン重合によるスチレン系樹脂等の低残留スチレンモノマー、オリゴマーのスチレン系樹脂を用いた低残留スチレンモノマー、オリゴマーのスチレン系耐衝撃樹脂組成物の提供を目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、スチレン系樹脂と、エチレン・α−オレフィン共重合体からなるゴム状重合体または芳香族ビニル化合物と共役ジエンの共重合体であるエラストマー成分を、ラジカル開始剤と共に加熱溶融混練することにより、ゴム成分のモルフォロジーが制御可能となり、耐衝撃性が効率よく改良できることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は
(1)スチレンモノマーが90〜50重量%、α−メチルスチレンモノマーが10〜50重量%の共重合体であるスチレン系樹脂(スチレンと共役ジエンのブロック共重合体またはその部分水添物を除く)(A)95〜60重量%と、スチレン成分の含量が5〜60重量%のスチレンと共役ジエンのブロック共重合体またはその部分水添物であるエラストマー成分(B)5〜40重量%を、ラジカル開始剤(C)が(B)成分100重量部に対し0.05〜5重量部に相当する量と共に加熱溶融混練することを特徴とする曲げ弾性率が2,000〜2,800MPaで、シャルピー衝撃強さ(ノッチ付)が4〜15KJ/m ある耐衝撃性の改良されたスチレン系樹脂組成物の製造方法。
本発明の製造方法により、原料となるスチレン系樹脂の重合法に関わらず容易に、弾性率や耐熱性を大きく低下させないゴム成分の添加で耐衝撃性を付与することが可能となり、実用的な耐衝撃性スチレン系樹脂組成物を得ることが出来、また低残留スチレンモノマー、オリゴマーのスチレン系樹脂組成物を得ることが可能となる。
以下、本願発明について具体的に説明する。
本願発明におけるスチレン系樹脂(A)とは、スチレンまたは芳香族ビニル化合物を主成分とする重合体であり、好ましくはスチレンまたはスチレンとα−メチルスチレンの合計が80重量%以上の重合体であり、ポリスチレンまたは、スチレンとα−メチルスチレンの共重合体が好ましい。スチレン、α−メチルスチレン以外の共重合単量体成分としては、p−クロロスチレン,p−ブロモスチレン、2,4,5−トリブロモスチレン等のスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物系単量体、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド等マレイミド系単量体、(メタ)アクリル酸等の有機酸単量体等を例示できる。特に好ましい共重合体はスチレンが100〜50重量%、α−メチルスチレンが0〜50重量%からなる共重合体である。とりわけ耐熱性の良好なスチレン系樹脂組成物を得る場合には、スチレンが50〜90重量部、α−メチルスチレンが50〜10重量%からなる共重合体が好ましい。α−メチルスチレン共重合量の増加により、熱変形温度等の耐熱性が向上し、耐熱が要求される用途において、好ましく用いられるが、α−メチルスチレンが50重量%を超えると、樹脂の熱安定性が低下するために好ましくない。重合法は特に限定はされず、ラジカル開始剤を用いた、または用いない熱によるラジカル重合、有機リチウム化合物等を用いたアニオン重合、メタロセン化合物を用いた配位重合等、公知の重合法が用いられ、重合形態も塊状重合、溶液重合、またラジカル重合であれば、水を用いた懸濁重合等公知の何れの方法で得られたものでよい。特に本発明で好ましい重合法は、有機リチウム化合物を用いたアニオン重合法である。アニオン重合法により、スチレン系樹脂中の、残留スチレンモノマー、スチレンダイマー、トリマーの量の削減が容易となり好ましい。
アニオン重合法のプロセスは特に限定しない。一般には次の如きプロセスで実施される。例えば、モノマーおよび開始剤を全量反応槽に仕込んだ後に重合する完全バッチ重合法、反応槽に開始剤の一部あるいは全部を仕込んだ後、モノマーを追加仕込みしながら重合するセミバッチ重合法、完全攪拌状態の反応槽に原料系(モノマーおよび開始剤)を連続的に仕込み、一方で同量の生成系(ポリマー溶液)を取り出す完全攪拌の連続重合法、あるいはチューブ状反応槽の一端から反応原料系を仕込み、他端から生成系を取り出すプラグフローの連続重合法、あるいはこれらの直列結合プロセスが考えられる。
本発明に使用されるスチレン系樹脂は、完全攪拌の連続反応槽、次いでプラグフローの連続反応槽を結合した複合プロセスにより好ましく製造できる。完全攪拌の連続重合プロセスにおいて、得られるポリマーの分子量分布を広げ、次のプラグフローの連続重合プロセスで、残存するモノマーを効率的に転化することができる。分子量分布を広げることは樹脂の加工性改良に役立ち、モノマーの完全転化は樹脂中に混入するモノマー由来の低分子量成分を無くすことができる。
ここで言う完全攪拌は狭い意味に限定しない。開始剤が広い滞留時間分布をもち、これにより重合体の分子量分布が顕著に広くなる攪拌を意味する。具体的には、得られる重合体の分子量分布、即ち重量平均分子量と数平均分子量の比Mw/Mnが1.5以上となる攪拌条件を意味する。
本発明に使用されるスチレン系樹脂の製造に使用される有機リチウム化合物とは、炭素−リチウム結合を有する、いわゆるリチウムの有機金属化合物である。より具体的にはアルキルリチウム、アルキル置換フェニルリチウム化合物等が挙げられる。アルキルリチウムの好ましい例としてエチルリチウム、n−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、ベンジルリチウム等が挙げられる。
有機リチウム開始剤の使用量は得ようとする重合体の分子量に依存する。即ち、重合体の分子量はモノマー量と有機リチウム開始剤の組成比で基本的には決まる。単量体1Kg当たりの有機リチウム使用量は0.5〜200ミリモルの範囲が好ましく、さらに好ましくは1〜100ミリモル、特に好ましくは2〜20ミリモルの範囲である。
有機リチウム量をこの範囲より減らすと重合速度の低下を来したり、得られる重合体の分子量が著しく大きくなる等、好ましくない。また有機リチウム量をこの範囲以上に増やすことは、製造コストを増大させ、または得られる重合体の分子量を極端に低下させる等、やはり好ましくない。
有機リチウムを重合開始剤とする重合では、基本的に開始剤1分子で重合体1分子が生成するため、有機リチウムの使用量は目的とする重合体の分子量に依存する。しかしながら、活性水素を有する炭化水素を適切量添加することによって、活性点は移行を起こし、開始剤効率を一定量上げることができることも公知である。この様な目的に利用できる活性水素を有する炭化水素とは、具体的にはフェニル基あるいはアリル基に対するα位の炭素原子に水素原子が結合した炭化水素化合物である。好ましい具体例としてトルエン、エチルベンゼン、キシレン、テトラリン、プロピレン等を挙げることができる。
本発明に使用されるスチレン系樹脂において使用されるモノマーの主成分はスチレンまたは、スチレンとα−メチルスチレンの混合物である。しかし、スチレン以外に共重合可能な他のモノマーを含んでいても構わない。この例としてスチレン以外のビニル芳香族炭化水素類、共役ジエン類、メタアクリル酸エステル類等が挙げられる。これらの共重合モノマーの使用は樹脂の耐熱性、軟化温度、耐衝撃強度、剛性、加工性等を調整するのに有用である場合がある。
工業用原料あるいは市販のスチレン系モノマーには、対応するアセチレン類(スチレンの場合はフェニルアセチレン)が含まれている。フェニルアセチレンは、スチレンをモノマーとしてn−ブチルリチウムで重合を行う場合、n−ブチルリチウムを失活させたり、及び/又は連鎖移動剤として作用し、使用するn−ブチルリチウムの効率が低下したり、及び/又は低分子ポリマーを生成させる。本発明に使用されるスチレン系樹脂(A)を得るためには、上記フェニルアセチレン系化合物がスチレン系モノマーに対して200ppm未満であることが好ましい。より好ましくは150ppm未満、最も好ましくは100ppm未満である。200ppm以上のフェニルアセチレン類を含むスチレン系モノマーを用いた場合は、上記の問題が顕在化し、製品中の低分子成分等が増加して、成形加工時等の熱安定性が損なわれる。
本発明に使用されるスチレン系樹脂の重合方法としては、溶媒を含まない塊状重合であってもよい。しかし、一般には粘度を下げて攪拌や除熱を容易にするため、溶液での重合が好ましい。
基本的に、重合時に利用できる溶媒は有機リチウム開始剤に対して不活性で、モノマーおよび生成重合体を溶解できる炭化水素溶媒であって、重合時に液状を保ち、重合後の脱溶媒工程で揮発除去が容易な溶媒が好ましく利用できる。具体的にはC6〜C9の芳香族系溶媒、C5〜C9の脂環式炭化水素溶媒、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等、更にはC4〜C8の環状エーテル、例えばテトラヒドロフラン等が好ましく利用できる。特に好ましい重合溶媒は、これらの炭化水素溶媒の内の脂環式炭化水素溶媒である。
また、これらの溶媒の混合物、あるいはこれらの溶媒に、環状構造を有さない脂肪族炭化水素を一部含んでいても構わない。また、エーテル化合物や第3アミン化合物の添加は、有機リチウムのモノマーに対する重合活性を改善できる。
重合溶媒の使用量は、単量体1Kg当たり0.1〜3Kgの範囲が好ましく、さらに好ましくは0.5〜2.0Kg、特に好ましくは0.67〜1.5Kgの範囲である。重合溶媒の使用量が少ないと除熱や攪拌が難しくなり、重合溶媒使用量が多いと、重合後に除去すべき溶媒量が多くなり、熱的エネルギー使用量が増大して好ましくない。
重合温度は50〜120℃の範囲でが好ましく、さらに好ましくは60〜110℃、特に好ましくは70〜90℃の範囲である。重合温度が極度に低いと反応速度が低下して実用性がない。また、重合温度が極度に高いと、スチレン系低分子成分の生成量が増大し、また開始剤の分解により反応速度は低下してやはり好ましくない。更には110℃より高い温度では重合体が着色する場合があり、用途によってはやはり好ましくない。
本発明に使用されるスチレン系樹脂を重合する場合、原料系のモノマー濃度にもよるが、一般に重合時の溶液粘度は著しく高い。このため、通常の反応槽に付随するジャケットのみによる重合熱の除熱には困難を伴う場合が多い。設備の除熱能力を高める方法としては公知の方法が利用できる。例えば、反応槽中に除熱コイルを張り巡らしたり、反応槽ジャケットとは別に外部循環ジャケットを設けたり、あるいはリフラックスコンデンサーを設ける等の方法が好ましく利用できる。
反応槽内の圧力は系を液相に保つにたる十分な圧力が必要である。また、反応熱除去のためリフラックスコンデンサーを利用する場合、必要により減圧も利用できる。
本発明に使用されるスチレン系樹脂(A)を有機リチウム開始剤を用いたアニオン重合法によって製造した場合、重合後は重合体末端には炭素−リチウム結合が残る。これをこのまま残すと、仕上げ段階等で空気酸化または熱分解等を受け、得られるスチレン系樹脂の安定性低下や着色の原因となる場合がある。重合後は、重合体の活性末端、即ち炭素−リチウム結合を安定化させることが好ましい。例えば水、アルコール、フェノール、カルボン酸等の酸素−水素結合を有する化合物の添加、エポキシ化合物、エステル化合物、ケトン化合物、カルボン酸無水物、炭素−ハロゲン結合を有する化合物等も同様な効果を期待できる。これらの添加物の使用量は炭素−リチウム結合に当量から10倍当量程度が好ましい。余りに多いとコスト的に不利なだけでなく、残存する添加物の混入が障害になる場合も多い。
炭素−リチウム結合を利用して多官能化合物でカップリング反応させ、重合体分子量を増大、さらには重合体鎖を分岐構造化させることもできる。この様なカップリング反応に用いる多官能化合物は公知のものから選ぶことができる。多官能化合物とはポリハロゲン化合物、ポリエポキシ化合物、モノまたはポリカルボン酸エステル、ポリケトン化合物、モノまたはポリカルボン酸無水物、珪素あるいはスズのアルコキシ化合物等を挙げることができる。具体例としてはシリコンテトラクロライド、ジ(トリクロルシリル)エタン、1,3,5−トリブロモベンゼン、エポキシ化大豆油、テトラグリシジル1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、シュウ酸ジメチル、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、ピロメリット酸二無水物、ジエチルカーボネート等が挙げられる。
また、有機リチウム由来のアルカリ成分、例えば酸化リチウムや水酸化リチウムを酸性化合物の添加によって中和安定化させることもできる。この様な酸性化合物の例として炭酸ガス、ホウ酸、各種カルボン酸化合物等が挙げられる。これらの添加により、特に吸水白濁や耐着色性が改善できる場合がある。
本発明に使用されるスチレン系樹脂(A)は、その熱的あるいは機械的安定性、酸化防止性、耐候性、耐光性を改善するために、スチレン系樹脂に対して使用が公知の各種安定剤類を添加することができる。その例としてフェノール系安定剤、リン系安定剤、窒素系安定剤、イオウ系安定剤が挙げられる。
特開平7−292188号公報によればポリスチレンの安定化方法として、2,4,6−三置換フェノールの添加が特に有利であることが開示されている。2,4,6−三置換フェノールの好ましい例として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスト−ルテトラキス[3−(3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、n−オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドキシフェニル)プロピオネート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2[1−(2−ヒドロキシ3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、テトラキス[メチレン3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3,9ビス[2−{3−(t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキザ[5,5]ウンデカン、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−s−トリアジン−2,4,6(1H,2H,3H)−トリオン、1,1,4−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等が挙げられる。
これらの安定剤は重合体回収後に混合することもできる。しかし、混合が容易である点、および溶媒回収工程での重合体の劣化を抑えることができる点で、重合後の溶液段階での添加が特に好ましい。
重合終了後、未反応モノマーや溶媒は重合体から揮発除去、回収される。揮発除去には公知の方法が利用できる。揮発除去装置としては、例えば真空タンクにフラッシュさせる方法および押出機を用いてのベント口からの揮発除去等の方法が好ましく利用できる。溶媒の揮発性にもよるが、一般には温度を150〜300℃、好ましくは180〜260℃、真空度は0〜常圧、好ましくは100Pa〜50KPaにて溶媒や残存モノマー等の揮発性成分を揮発除去させる。揮発除去装置を直列に接続し、2段に並べる方法も効果的である。また、1段目と2段目の間に水を添加して2段目の揮発能力を高める方法も利用できる。
フラッシュタンクで揮発成分を除去後、残余の揮発成分を除去するため、更にベント付き押出し機を用いることもできる。溶媒等の揮発成分を脱揮除去されたスチレン系樹脂は公知の方法でペレット状に仕上げることができる。
スチレン系樹脂の重量平均分子量は、50,000〜1,000,000の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは100,000〜500,000である。重量平均分子量が50,000未満では樹脂の力学的性能が不充分となり、1,000,0000より大きい場合加工性が低下し、好ましくない。また、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比で定義される分子量分布(Mw/Mn)は、1.5〜5.0の範囲が好ましく、更に好ましくは1.7〜4.0、特に好ましくは2.0〜3.5である。分子量分布が1.5未満では樹脂の加工性に劣り、また分子量分布が5.0より大きくなると熱時剛性等が低下して好ましくない。
本願発明のスチレン系樹脂組成物における(A)成分のスチレン系樹脂は95〜60重量%、好ましくは95〜75重量%、更に好ましくは90〜80重量%であり、成分(B)のエラストマーは5〜40重量%、好ましくは5〜25重量%、更に好ましくは10〜20重量%である。95重量%を越えると、耐衝撃性の向上が不充分であり、また60重量%未満では、弾性率、耐熱性に低下が大きく好ましくない。
本願発明のエチレン・α−オレフィン共重合体は、エチレンと、炭素数が3〜20のα−オレフィン、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等からなる共重合体である。これらのα−オレフィンは単独で用いても良いし、2種以上組み合わせても良い。また、ラジカル開始剤との反応性を高めるために、1,3−ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン等の非共役ジエンを共重合していても良い。これらのなかで好ましいエチレン・α−オレフィン共重合体は、ラジカル開始剤との反応性より、メタロセン触媒で重合したエチレン・1−オクテン重合体や、エチレン−プロピレン−ジエン(EPDM)等を好ましく例示できる。
さらに本願発明で使用する芳香族ビニル化合物と共役ジエンの共重合体の、芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−tert−ブチルスチレン等が例示され、この中でスチレンが好ましく、共役ジエンとしてはブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が例示され、これらの1種または2種以上が選ばれるが、中でもブタジエン、イソプレンまたはこれらの組み合わせが好ましい。共重合体中の芳香族ビニル化合物の含量は5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%、更に好ましくは15〜40重量%であることが好ましい。5重量%未満ではスチレン系樹脂への分散性が不充分となり、60重量%を越えれば耐衝撃性付与の効果が不充分となり好ましくない。これらの共重合体の重量平均分子量は、3万〜100万、好ましくは5万〜50万が好ましい。特に加工性を重視する場合、メルトフローレート(MFR)は0.1〜100g/10分(200℃、5kg)の範囲にあることが好ましい。共重合体の構造は、ランダム、ブロック共重合何れの構造でも構わない。
本願発明で使用する(B)成分のブロック共重合体の製造方法としては、例えば特公昭36−19286号公報、特公昭43−17979号公報、特公昭46−32415号公報、特公昭49−36957号公報、特公昭48−2423号公報、特公昭48−4106号公報、特公昭56−28925号公報、特公昭51−49567号公報、特改昭59−166518号公報、特開昭60−186577号公報などに記載された方法が挙げられる。これらの方法で得られるブロック共重合体のポリマー構造(水添物については、水添前のポリマー構造)は一般式、
(A-B)n、A-(B-A)n、B-(A-B)n+1
[(A-B)n]m+1-X 、[(A-B)n-A]m+1-X
[(B-A)n]m+1-X 、[(B-A)n-B]m+1-X
(上式において、Aはビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックであり、一般にビニル芳香族炭化水素含有量が50重量%以上のビニル芳香族炭化水素単独重合体及び/又はビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなる共重合体である。
Bは共役ジエンを主体とする重合体であり、ビニル芳香族炭化水素含有量が50重量%未満の共役ジエン単独重合体及び/又はビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなる共重合体である。AブロックとBブロックとの境界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。Xは前述したカップリング剤の残基または多官能有機リチウム化合物等の開始剤の残基を示す。n及びmは1以上の整数、一般的には1〜5の整数である。)で表される線状ブロック共重合体、ラジアルブロック共重合体、或いはこれらのポリマー構造を有するブロック共重合体の任意の混合物が使用できる。
本発明において、Aブロック、Bブロックにおけるビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの共重合体中のビニル芳香族炭化水素は均一に分布していても、テーパー(漸減)状に分布していてもよい。また該共重合体中には、ビニル芳香族炭化水素が均一に分布している部分及び/又はテーパー状に分布している部分がブロック中にそれぞれ複数個共存してもよい。
本願発明で使用するブロック共重合体の水添物は、上記の水素添加前のブロック共重合体を水素添加することにより得られる。水添触媒としては、特に制限されず、従来から公知である(1)Ni、Pt、Pd、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に担持させた担持型不均一系水添触媒、(2)Ni、Co、Fe、Cr等の有機酸塩又はアセチルアセトン塩などの遷移金属塩と有機アルミニウム等の還元剤とを用いる、いわゆるチーグラー型水添触媒、(3)Ti、Ru、Rh、Zr等の有機金属化合物等のいわゆる有機金属錯体等の均一系水添触媒が用いられる。具体的な水添触媒としては、特公昭42-8704号公報、特公昭43-6636号公報、特公昭63-4841号公報、特公平1-37970号公報、特公平1-53851号公報、特公平2-9041号公報に記載された水添触媒を使用することができる。好ましい水添触媒としてはチタノセン化合物および/または還元性有機金属化合物との混合物があげられる。
本願発明のブロック共重合体の水添物において、共役ジエンに基づく不飽和二重結合の水添率は目的に合わせて任意に選択でき、特に限定されない。好ましい水添率は、ラジカル開始剤との反応性から90%を超えない、好ましくは5〜80%、特に好ましくは10〜70%にすることが推奨される。水添率が90%を超える、例えば水添率が93%以上の水添物を使用する場合、水添されていないブロック共重合体、あるいは水添率が90%を超えない水添物と併用して平均水添率が90%を超えないようにすることが好ましい。なお、共重合体中のビニル芳香族炭化水素に基づく芳香族二重結合の水添率については特に制限はないが、水添率を50%以下、好ましくは30%以下、更に好ましくは20%以下にすることが好ましい。水添率は、核磁気共鳴装置(NMR)により知ることができる。
本願発明においては、ラジカル開始剤(C)をスチレン系樹脂と、エチレン・α−オレフィン共重合体からなるゴム状重合体及び芳香族ビニル化合物と共役ジエンの共重合体から選ばれる少なくと1種のエラストマー成分とを共に溶融混練してラジカル開始剤でゴム成分を架橋させ、構造を形成させることが重要である。ラジカル開始剤としては有機過酸化物、有機アゾ化合物等があるが、有機化酸化物が好ましい。
有機化酸化物としては1、1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3、3、5−トリメチルシクロヘキサン、1、1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3、3、5−トリメチルシクロヘキサン、1、1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1、1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1、1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2、2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4、4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル−4、4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート等のパーオキシケタール類、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α、α´−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、α、α´−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2、5−ジメチル−2、5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2、5−ジメチル−2、5−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン等のジアルキルパーオキサイド類、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3、5、5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2、4−ジクロロベンゾイルパーオキサイドおよびm−トリオイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウリレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2、5−ジメチル−2、5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、およびクミルパーオキシオクテート等のパーキシエステル類、ならびに、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2、5−ジメチルヘキサン−2、5−ジハイドロパーオキサイドおよび1、1、3、3−テトラメチルブチルパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類が例示される。
有機過酸化物としては、スチレン系樹脂が軟化し、溶融混練が可能な温度で、適当な分解速度を有する必要があり、10時間半減温度が85〜150℃の範囲にあるものが好ましく、1、1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3、3、5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2、5−ジメチル−2、5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2、5−ジメチル−2、5−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシンが好ましく例示される。ラジカル開始剤の添加量は、(B)成分100重量部に対して、0.05〜5重量部、好ましくは0.05から1重量部であることが好ましい。0.05重量部未満では、ゴム成分の架橋が不充分となり、5重量部以上では架橋効果より、スチレン系樹脂の分解等が顕著になり好ましくない。特に多量のラジカル開始剤はスチレン系樹脂の分解も引き起こすので、効果のでる範囲でなるべく少量の使用に抑えることが好ましい。
本発明でいうスチレンダイマーは分子量が208であって、2,4−ジフェニル−1−ブテン、シス−1,2−ジフェニルシクロブタン、トランス−1,2−ジフェニルシクロブタン、1−フェニルテトラリンが挙げられる。またスチレントリマーは分子量312であって、2,4,6−トリフェニルー1−ヘキセン、1−フェニル−4−(1’−フェニルエチル)テトラリン(4種類の異性体を含む)、1,3,5−トリフェニル−シクロヘキサン等が挙げられる。本発明の樹脂組成物に含まれるスチレンモノマーは、好ましくは200ppm未満、スチレンダイマーとトリマーの合計は好ましくは1000ppm未満である。これらの量が多いと、例えば射出成形時に金型を汚染し、成形性の低下を起こすことがあり好ましくない。これらの、低スチレンモノマー、オリゴマーの組成物を得るためには、有機リチウム化合物等を用いたアニオン重合でえたスチレン系樹脂(A)を用いることにより達成が容易となる。
本願発明のスチレン系樹脂組成物を溶融混練する装置には特に制限はないが、単軸ないしは2軸等の押出機を使用することが好ましい。押出機等の溶融混練機に原材料を投入する手法に関しても特に制限はなく、押出機使用の場合も、1つないし複数の投入口から原料を一括してまたは分割して投入することが出来る。一括して投入する場合の原料のブレンドの仕方にも制約はないが、(C)成分を(B)成分と混合してから、(A)成分と混合し、投入することが好ましい。溶融混練温度は、スチレン系樹脂溶融混練可能な温度以上で、かつ300℃以下で実施することが可能である。好ましくは150〜250℃の範囲で溶融混練される。
本願発明で得られるスチレン系樹脂組成物は、成形品等として使用されるために、スチレン系樹脂組成物の弾性率を大きく低下させずに耐衝撃性を向上させることが必要であり、曲げ弾性率が2、000MPa以上、好ましくは2、000〜2,800MPaで、かつシャルピー衝撃強さ(ノッチ付)が4KJ/m以上、好ましくは4〜15KJ/mであることが必要である。
本願発明の耐衝撃性の改良されたスチレン系樹脂組成物には、必要に応じて(A),(B),(C)以外の相溶化剤等の各種成分、添加剤を目的に応じて添加することが出来る。
次に実施例によって本発明を説明する。
本願発明および実施例で用いた評価法をまず説明する。
(1)シャルピー衝撃強さ(ノッチ付):ISO179規格に従い、80mmx10mmx4mmの試験片を用いて測定した。
(2)曲げ弾性率:ISO178規格に従い、80mmx10mmx4mmの試験片で、2mm/minの条件で測定した。
(3)ビカット軟化温度:ISO306規格に従い、10mmx10mmx4mm試験片で、50℃/h、50Nの条件で測定した。
(4)樹脂組成物のメルトフローレイト:ISO1133規格に従い、200℃、5kgfの条件で測定した。
(5)トルエン不溶分:樹脂組成物(a)gにトルエン(a)x20ml加え、振とうする。その後遠心分離し、上清をデカンテーションし、不溶分を得る。不溶分を乾燥して、重量(b)gを秤量する。トルエン不溶分として(b)x100/(a)%を求め、架橋度の目安とした。
次に使用した樹脂材料を記載する。
スチレン系樹脂(A)
A−1:エー・アンド・エムスチレン(株)社製GPPS、HF77グレード。
A−2:2.8Lの完全混合型反応器内にスチレンとシクロヘキサンの35/65重量比の混合溶液を1.2L/hの速度で供給した。n−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液を、スチレンモノマーとn−ブチルリチウムのモル比が1510になる量と共に供給した。反応器内での平均滞留時間が約2時間になる様液面を制御し、また内温はシクロヘキサンが常に沸騰する様、反応器のジャケット温度を制御した。反応器内から出てきた重合
溶液は、内径16mmの配管を通じて約30分後にメタノールを微量添加し重合活性点を失活させ、更に失活後の重合溶液を240℃のフラッシュタンクで溶媒を脱揮してPS−2を得た。重量平均分子量Mw=31万で、分子量分布(Mw/Mn)=2.0であった。残留スチレンモノマーは、21ppm、ダイマーとトリマーの合計値は47ppmであった。
A−3;2.8Lの完全混合型反応器内にスチレンとα−メチルスチレンとシクロヘキサンが18/27/55の重量比の混合溶液を2.1L/hの速度で供給した。n−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液を、モノマーとn−ブチルリチウムのモル比が900になる量と共に供給した。反応器内での平均滞留時間が約1時間になる様液面を制御し、また内温はシクロヘキサンが常に沸騰する様、反応器のジャケット温度を制御した。反応器内から出てきた重合溶液にメタノールを微量添加し重合活性点を失活させ、溶媒を240℃のフラッシュタンクで脱揮して樹脂を得た。樹脂はα−メチルスチレンが42重量%からなる共重合体で、重量平均分子量Mw=13.1万で、分子量分布(Mw/Mn)=2.0、Tg=128℃(DSC測定)であった。
ゴム状重合体およびエラストマー(B)
B−1:エチレン・1−オクテン共重合体 デュポンダウエラストマー社製エンゲージ8180グレード(密度(ASTM D−192) 0.863g/cm、メルトインデックス(ASTMD1238,190℃、2.16Kg) 0.5g/10分)
B−2:エチレン・1−オクテン共重合体 デュポンダウエラストマー社製エンゲージ8150グレード(密度(ASTM D−192) 0.868g/cm、メルトインデックス(ASTMD1238,190℃、2.16Kg) 0.5g/10分)
B−3:スチレン系熱可塑性エラストマー 旭化成(株)社製タフプレン126グレード(スチレン/ブタジエン重量比=40/60)
B−4:スチレン系熱可塑性エラストマー 旭化成(株)社製タフプレン315グレード(スチレン/ブタジエン重量比=20/80)
B−5:水添スチレン系熱可塑性エラストマー 旭化成(株)社製タフテックH1043グレード(スチレン/ブタジエン重量比=67/33)
ラジカル開始剤(C)
C−1:2、5−ジメチル−2、5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン 日本油脂(株)社製パーヘキサ25B
C−2:ジ−t−ブチルパーオキサイド 日本油脂(株)社製パーブチルD
その他添加剤
D:ミネラルオイル エッソ社製 Crystol J−352
参考例1]
まず、B−1の15部とB−4の3部に対し液状のC−1を0.05部まぶした後、さらにA−1を85部ドライブレンドした。このブレンド物を押出機として30mm径の2軸押出機を用い、前段160℃に設定し、後段を210℃に設定して溶融混練した。
評価結果を表1に示す。
参考例2〜7、実施例1]
参考例1と同様にして、まずB成分に液状のC成分をまぶした後、A成分と必要に応じD成分とブレンドし、2軸押出機で溶融混練した。
ブレンド組成と評価結果を表1に示す。
また 参考例7の組成物について、ガスクロマトグラフを用いて、含有するスチレンモノマー量と、スチレンダイマーとトリマーの合計量を測定した結果は、それぞれ136ppm、504ppmであった。
[比較例1〜3]
C成分を用いない比較例を示す。表1に示すブレンド組成で、原材料をブレンド後、参考例1と同様に2軸押出機で溶融混練した。
評価結果を表1に示す。
表1から明らかなようにスチレン系樹脂にラジカル開始剤と共にゴム状重合体等を溶融混練することにより、弾性率を大きく低下させずに耐衝撃性を向上させることが可能になる。
本発明は、食品容器等の耐衝撃性スチレン系樹脂成形品用として有用である。

Claims (1)

  1. スチレンモノマー90〜50重量%、α−メチルスチレンモノマー10〜50重量%からなる共重合体であって、アニオン重合法で製造されたスチレン系樹脂(スチレンと共役ジエンのブロック共重合体またはその部分水添物を除く)(A)95〜60重量%と、スチレン成分の含量が5〜60重量%のスチレンと共役ジエンのブロック共重合体またはその部分水添物であるエラストマー成分(B)5〜40重量%を、ラジカル開始剤(C)が(B)成分100重量部に対し0.05〜5重量部に相当する量と共に加熱溶融混練することを特徴とする曲げ弾性率が2,000〜2,800MPaで、シャルピー衝撃強さ(ノッチ付)が4〜15KJ/m ある耐衝撃性の改良されたスチレン系樹脂組成物の製造方法。
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