以下、図面に基づき、本発明を代表する各種実施の形態を説明する。
図1〜図13は、本発明の実施の形態に係る遊技機を示している。
本実施の形態に係る遊技機1は、遊技盤2に形成された遊技領域3に遊技球を発射して遊技を行うものであり、遊技内容が互いに異なる第1遊技と第2遊技の2種類の遊技を実行可能であり、それぞれの遊技における別々のプロセスを経て、各プロセスごとに実行結果として遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるものである。以下、遊技機1として、パチンコ機を採用した場合を例に説明する。
先ず、遊技機1全体の概要を説明する。
図1は、遊技機1の全体を示す正面図である。遊技機1は、発射された遊技球が移動し遊技を進行させるための複数の役物が配された遊技領域3を形成する遊技盤2と、遊技領域3の前面側を覆うガラス板4が固定され周囲に装飾ランプ・LEDやスピーカー等を取り付けたガラス枠5を有している。
ガラス枠5には、遊技盤2の遊技領域3を視認できる略円形の開口部が設けられ、該開口部を覆うようにガラス板4が固定されている。また、ガラス枠5の下方には、遊技球を貯留するための上受け皿6と、該上受け皿6から溢れた球を受け入れる下受け皿7、遊技者が遊技球の発射操作を行うためのハンドル8等が設けられている。
図2は、遊技盤2に形成された遊技領域3を拡大して示す正面図である。遊技領域3は遊技盤2の前面側に略円形に形成され、前記ハンドル8の操作により発射された遊技球を誘導するガイドレール9に囲まれ、さらに前面側は前記ガラス板4によって覆われている。遊技領域3には、複数の役物や装飾装置であるランプ・LED等が配されている。ここで複数の役物には、本遊技機1において実行できる遊技内容の異なる2種類の遊技の中心的役割を果たす所要の役物の他、全ての遊技に共通する役物がある。
本遊技機1で実行できる2種類の遊技は、所要の役物として第1始動入賞口21、特別図柄表示装置(第1表示装置)29、第1大入賞口23等を用いて実行される「第1遊技」と、所要の役物として第2始動入賞口22、第2大入賞口24、特別入賞部26等を用いて実行される「第2遊技」とが用意されている。複数の役物は複数の役物群に分けられており、役物群ごとに所要の役物を含む役物群として構成され、構成された各役物群は、遊技内容の異なる遊技にそれぞれ関連付けられている。
第1遊技については、第1始動入賞口21、特別図柄表示装置29、第1大入賞口23等を含む役物群が関連付けられており、言い換えれば、これらの所要の役物を含む役物群によって第1遊技は実行される。第1遊技に関連付けられた役物群(以下「第1役物群」という。)は、第1遊技における遊技状態に応じて、それぞれ第2遊技に関連付けられた役物群とは区別して制御される。
一方、第2遊技については、第2始動入賞口22、第2大入賞口24、特別入賞部26等を含む役物群が関連付けられており、言い換えれば、これらの所要の役物を含む役物群によって第2遊技は実行される。第2遊技に関連付けられた役物群(以下「第2役物群」という。)は、第2遊技における遊技状態に応じて、それぞれ第1遊技に関連付けられた役物群とは区別して制御される。また、第2役物群には、普通図柄表示装置(第2表示装置)30と、遊技領域3の左右両側に配された一対の普通図柄作動ゲート31a,31bも含まれている。
2種類の遊技に共通する役物(以下「共通役物」という。)としては、遊技領域3内に発射された遊技球の落下方向に変化を与える風車10や数多の遊技釘(図示せず)、それに遊技領域3の左右両側に配された一対の袖入賞口32a,32b、同じく一対の落とし入賞口33a,33bがある。これらの共通役物は、言い換えれば、何れの遊技に関連付けても良く、あるいは、特に各遊技に関連する所要の役物と密接な関係にあるような場合(例えば、第1始動入賞口21への遊技球の入賞に影響が大きい遊技釘等。)には、密接な関係にある遊技に適宜関連付けて分類してもかまわない。
前記各種の入賞口の内部には、図4に示すように、第1始動入賞口スイッチ121、第2始動入賞口スイッチ122、右袖入賞口スイッチ132a、左袖入賞口スイッチ132b、右落とし入賞口スイッチ133a、左落とし入賞口スイッチ133b等の各入賞口スイッチが設置されている。特に、第1大入賞口23の内部には、第1カウントスイッチ123が設置され、第2大入賞口24の内部には、第2カウントスイッチ124と特別入賞部通過検出スイッチ125が設置されている。また、右普通図柄作動ゲート31aの内部には、右ゲートスイッチ131aが設置され、左普通図柄作動ゲート31bの内部には、左ゲートスイッチ131bが設置されている。
前記各種の入賞口に遊技球が入賞すると、前記各入賞口スイッチによって入賞球が検出され、入賞球が検出される度に、各入賞口ごとに割り当てられた所定数の賞球の払い出しが行われる。本実施の形態では、第1始動入賞口21、第2始動入賞口22には、それぞれ5個、右袖入賞口32a、左袖入賞口32b、右落とし入賞口33a、左落とし入賞口33bには、それぞれ8個、第1大入賞口23、第2大入賞口24には、それぞれ15個と賞球数が割り当てられている。ただし、前記普通図柄作動ゲート31a,31bは通過ゲートであり、遊技球が通過しても賞球の払い出しは行われない。なお、遊技領域3の最下部には、何れの役物にも入らず落下した遊技球を外部に排出するアウト口34が設けられている。
次に、遊技領域3内における主な役物の構成について詳細に説明する。
第1始動入賞口21は、一般に始動チャッカーと称される入賞口である。第1始動入賞口21に遊技球が入賞することが、第1遊技のプロセスが開始される所定の始動条件であり、特別図柄表示装置29で特別図柄の変動表示が実行されるための「第1始動条件」として設定されている。第1始動入賞口21の内部にある第1始動入賞口スイッチ121によって遊技球の入賞が検出されると、乱数値が取得され、該乱数値に基づき特別図柄の変動表示が実行され、所定時間が経過すると確定停止することになる。
第2始動入賞口22も、一般に始動チャッカーと称される可変入賞口である。第2始動入賞口22に遊技球が入賞することが、第2遊技のプロセスが開始される所定の始動条件であり、第2大入賞口24が開閉動作を開始するための「第2始動条件」として設定されている。第2始動入賞口22の内部にある第2始動入賞口スイッチ122によって遊技球の入賞が検出されると、第2大入賞口24の各可動片24aが所定時間開いた状態に作動するように設定されている。
第2始動入賞口22は、遊技球が入賞可能な状態と入賞不能な状態とに変化して、第2始動入賞口22に対する遊技球の入賞を制限する入賞制限手段を備えている。すなわち、図2に示すように、第2始動入賞口22の左右両端には、入賞制限手段である一対の可動片22a,22aが揺動可能に設けられている。各可動片22aは、普通電動役物ソレノイド134(図4参照)によって開閉動作する。第2始動入賞口22は各可動片22aの開閉動作により、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不能な閉状態とに作動する普通電動役物である。
第2始動入賞口22の各可動片22aは、普通図柄表示装置30における普通図柄の変動表示の表示結果に基づき作動する。図2に示すように、普通図柄表示装置30は、上下に設けた2つのLEDの点灯によって普通図柄の変動表示を行い、上下2つのLEDのうち、上側の「○」型が「当たり」、下側の「−」型が「ハズレ」と割り当てられている。普通図柄の変動表示の表示結果が「当たり」に相当すると、第2始動入賞口22の各可動片22aが、通常の閉状態から開状態に所定時間だけ1回ないし2回作動する。なお、普通図柄の変動表示としては、LEDの点灯以外にも7セグメント表示器を用いたり、後述する可変表示装置40の一部に表示するように構成しても良い。
普通図柄表示装置30では、第1遊技および第2遊技における始動条件とは別の始動条件として、一対の普通図柄作動ゲート31a,31bにあるゲートスイッチ131a,131bの何れかで遊技球の通過が検出されると、普通図柄の変動表示のための乱数値が取得され、該乱数値に基づいて普通図柄の変動表示が行われる。普通図柄表示装置30の上下のLEDの交互点滅によって普通図柄の変動表示は開始され、所定時間が経過して停止すると上下何れか一方の点灯表示となり、遊技者は表示結果を目視により確認することができる。
普通図柄表示装置30における普通図柄の変動表示中に、左右何れかのゲートスイッチ131a,131bによって遊技球の通過が検出された場合は、普通図柄の変動表示の乱数値を獲得するが保留とされ、現在進行中の普通図柄の変動表示が終了した後、保留されていた乱数値が順次消化される。普通図柄表示の保留球数は、例えば上限値4個であり、普通図柄表示装置30の傍らにある普通図柄保留LED30aの点灯によって報知されるようになっている。
図2に示すように、第2大入賞口24は第2遊技におけるメイン役物であり、遊技球を受け入れる遊技者に有利な第1状態と、遊技球を受け入れない遊技者に不利な第2状態とに開閉作動する一対の可動片24a,24aを有している。第2大入賞口24のケース体内部において、底部をなす遊技球通過口25の中央には、ケース体内部に入賞した遊技球のうちの何れか1個が入賞することで、特別な入賞として認識するための特別入賞部26が設けられている。また、第2大入賞口24のケース体の後正面には、後述する可変表示装置40が一体に設けられている。
第2遊技においては、前記第2始動入賞口22への遊技球の入賞に基づき、第2大入賞口24の各可動片24aを短時間(例えば0.3秒を1回)開放する。この時、第2大入賞口24のケース体内部に入った遊技球が特別入賞部26を通過すると、これを条件として所定のラウンド回数(例えば16ラウンド)だけ、第2大入賞口24の各可動片24aを繰り返し開閉させるように設定されている。
このような第2大入賞口24の各可動片24aの一連の作動が、第2遊技のプロセスにおける実行結果として、遊技者が有利となる遊技球の獲得を容易とする「第2特別遊技状態」である。第2特別遊技状態の各ラウンドごとにおける各可動片24aの動作は、例えば、所定時間が経過するまで、または所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するまで、継続して第1状態に維持するように設定しても良く、あるいは第1状態ないし第2状態に開閉(例えば0.5秒開放し0.3秒閉鎖する動作を18回繰り返す等)するように設定しても良い。また、各ラウンドごとに特別入賞部26に遊技球が入賞することが、次ラウンドに移行する継続条件として設定されている。
図2に示すように、前記可変表示装置40は、液晶ユニットからなる表示画面41を有している。表示画面41は、特別図柄の変動表示(表示遊技)の表示結果に関わる識別情報42等の各種画像を変動表示するものである。なお、表示画面41は液晶ユニット以外にも、各種画像を表示可能なものであれば良く、他に例えば、CRT(陰極線管)表示器、有機ELディスプレー表示器等を採用して構成してもかまわない。
第1遊技においては、第1始動入賞口21への遊技球の入賞に基づき特別図柄表示装置29で特別図柄の変動表示が開始される。この特別図柄の変動表示に伴って可変表示装置40上で表示遊技が開始され、表示画面41内には、左側の第1図柄、右側の第2図柄、中央の第3図柄と3つの識別情報42が並ぶように表示され、各列ごとに識別情報42は例えばスクロール変動する。変動開始から所定時間が経過すると、各列ごとに1つずつ任意の識別情報42が確定停止する。なお、表示遊技中には、識別情報42の変動表示に合わせて、各種画像としてキャラクタや背景等を表示しても良い。
表示遊技の表示結果として、表示画面41内で確定停止した識別情報42が、予め定められた特定の組み合わせ(例えば「333」等と全て同一種類に揃った状態)となった場合が「特定表示態様(大当たり)」と定められている。また、特定表示態様が確定する前に、特定表示態様になる識別情報42の組み合わせのうち、1つの識別情報42を除く他の識別情報42が特定表示態様になる組み合わせとなり、前記1つの識別情報42が未確定である状態が「リーチ態様」に相当する。
表示遊技の表示結果が最終的に特定表示態様に確定すると、後述する第1大入賞口23が所定時間に亘り繰り返し開閉するように設定されている。このような第1大入賞口23の一連の作動が、第1遊技のプロセスにおける実行結果として、遊技者が有利となる遊技球の獲得を容易とする「第1特別遊技状態」である。一方、表示遊技の表示結果が、最終的に特定表示態様に確定しなかった場合は、「外れ表示態様(ハズレ)」に該当し、第1特別遊技状態は発生しない。なお、表示遊技に用いる識別情報42は、0〜9の数字や記号等の単純な図柄に限定されるものではなく、例えば特定のキャラクタを模したものを用いても良い。
また、表示遊技の表示結果が、識別情報42のうち確変図柄(例えば図柄「1」、「3」、「5」、「9」)の何れかで全て同一種類に揃う特定表示態様(確率変動大当たり)に確定した場合には、高確率状態を伴う第1特別遊技状態が発生することになる。すなわち、確変図柄で揃った特定表示態様(確率変動大当たり)が確定すると、これに基づき発生した第1特別遊技状態が終了した後、第1特別遊技状態が発生する確率が高確率に変化する。
このように、通常の遊技状態(低確率状態)に比べて、特定表示態様に確定する大当たり確率が高まった遊技状態が、高確率状態(または「確変状態」ともいう。)である。また、高確率状態中には、表示遊技に係る変動時間が短縮される時間短縮状態(または「時短状態」ともいう。)も併せて発生するように設定しても良い。
一方、表示遊技の表示結果が、識別情報42のうち非確変図柄(例えば偶数図柄「0」、「2」、「4」、「6」、「8」)の何れかで全て同一種類に揃う特定表示態様(非確率変動大当たり)に確定した場合には、高確率状態を伴わない第1特別遊技状態が発生することになる。ここで、非確変図柄で揃った特定表示態様(非確率変動大当たり)が確定すると、これに基づき発生した第1特別遊技状態が終了した後、所定回数(例えば100回)を限度に、次回以降の表示遊技に係る変動時間が短縮されるように設定しても良い。
図2に示すように、遊技領域3において第1大入賞口23の側方には、前述した可変表示装置40における表示遊技の元となる特別図柄の変動表示を行うための特別図柄表示装置29が設けられている。特別図柄表示装置29は、可変表示装置40で実行される表示遊技の表示結果の元となる大当たり判定結果、および確率変動大当たりまたは非確率変動大当たりの区別が可能な特別図柄を変動表示して確定停止するためのものであり、例えば7セグメントLED等を利用して構成されている。
特別図柄の変動表示中あるいは第1特別遊技状態の発生中に、第1始動入賞口21に遊技球が入賞した場合には、特別図柄の変動表示に係る乱数値が保留として取得され、現在進行中の特別図柄の変動表示あるいは第1特別遊技状態が終了した後、保留されていた乱数値が順次消化されるようになっている。特別図柄の変動表示に係る乱数値の保留球数は、例えば最大で4個と設定されており、実際の保留球数は、特別図柄表示装置29の周囲に設けられた4個のLEDから成る特別図柄保留LED29aによって、遊技者が目視で確認できるように報知される。なお、可変表示装置40の上側にも、特別図柄の変動表示に対応する表示遊技の保留球数を表示する特別図柄保留LED43が設けられている。
図2に示すように、第1大入賞口23は一般にはアタッカーと称されるものであり、第1大入賞口ソレノイド135(図4参照)の作動によって、遊技球が入賞できる開状態(第1状態)と、遊技球が入賞できない閉状態(第2状態)とに変化するように構成されている。なお、第1大入賞口23の入賞口を開閉する扉は、その下端を揺動中心として前方に傾倒することで開くようになっている。
前記特別図柄表示装置29で大当たり判定結果を表示した後、第1大入賞口ソレノイド135は、第1大入賞口23の扉の開閉動作を行うために作動する。すなわち、第1大入賞口23は、前記表示遊技の表示結果が特定表示態様となった場合に、「第1特別遊技状態」を形成するように開閉制御される。ここで第1特別遊技状態は、第1大入賞口23の扉が開いて遊技球が入賞し易い開状態となり、所定時間(例えば30秒)の経過または遊技球の所定個数(例えば10個)の入賞により扉が閉鎖されて入賞し難い閉状態となる動作を、所定回数(例えば15回)を上限に繰り返す状態である。
次に、遊技機1の制御に用いられる各種制御基板について説明する。
遊技盤2の背面側には、各機能別の制御基板が配設されている。図4に示すように制御基板には、遊技全体の動作を管理し制御する主制御基板100と、該主制御基板100からの指示情報をパラレル通信により受信して賞球や貸球の払い出し動作の制御を行う払出制御基板200と、表示制御や音声制御を行う演出制御基板300が設けられている。
前記制御基板は、さらに、発射モータ401による遊技球の発射を制御する発射制御基板400と、各制御基板に所定の電力を供給する電源基板500と、前記主制御基板100からの賞球払出信号を外部出力するための枠用外部端子板600と、CRカードユニットbと接続するための遊技機等貸出装置接続端子板700と、外部機器と接続して盤用外部情報(大当たり1、大当たり2、時短中、図柄確定、始動入賞口入賞、ガラス開放の各信号)を出力するための盤用外部端子板800が設けられている。
各制御基板のうち主制御基板100および演出制御基板300は、図5に示すように、全体として制御手段2000を構成する。制御手段2000は、第1遊技および第2遊技のプロセスを、それぞれの始動条件の成立に基づき実行する基本的な機能の他、本発明の根幹に関わる機能として、確率モード変更手段2100と、確率モード抽選手段2110と、第1遊技中断処理手段2200と、第2遊技優先処理手段2300と、第1遊技再開処理手段2400とを有している。
本遊技機1では、遊技内容が互いに異なる第1遊技(旧1種の表示遊技に相当)と第2遊技(旧2種の羽根物に相当)の2種類の遊技を実行可能であり、制御手段2000により、主ゲームとしては第1遊技が行われ、副ゲームとして第2遊技が行われる。第1遊技では、表示遊技のプロセスを経て、特別図柄の変動表示の表示結果が当たり(表示遊技の表示結果が特定表示態様)に確定すると、プロセスの実行結果として遊技者に有利な第1特別遊技状態が発生する。第2遊技では、羽根物のプロセスを経て、第2大入賞口24の各可動片24aが開閉動作し、第2大入賞口24内部に入賞した遊技球が特別入賞部26を通過すると、プロセスの実行結果として遊技者に有利な第2特別遊技状態が発生する。
本遊技機1では、制御手段2000により、第2遊技が実行される割合(確率)を変えることができるように設定されている。第2遊技の第2始動条件をなす第2始動入賞口22は、前述した入賞制限手段である一対の可動片22a,22aを備えており、各可動片22aが開状態に作動した場合のみ、第2始動条件が成立し得るようになっている。従って、各可動片22aの開閉動作を制御することにより、第2遊技が実行される割合(確率)を調整することができる。要するに、各可動片22aが開状態となる割合が多ければ、第2遊技の動作も多くなり、各可動片22aが開状態となる割合が少なければ、第2遊技の動作も少なくなる。
入賞制限手段が入賞可能な状態に作動する条件として、各可動片22aが開状態に作動する条件は、前述したように、普通図柄表示装置30において普通図柄の変動表示の表示結果が当たりに相当することであり、各可動片22aが開状態に作動する確率は、普通図柄の変動表示の表示結果が当たりに相当する確率によって定められる。このような確率は、前記第1遊技における特別遊技状態が発生する確率よりも高く設定された「高確率モード」と、該高確率モードよりも低い確率に設定される「低確率モード」とが予め用意されている。
高確率モードと低確率モードの組み合わせは、「高確率モード」>「第1遊技において特別遊技状態が発生する確率」、かつ「高確率モード」>「低確率モード」の2つの条件を満たせば良いため、「高確率モード」>「低確率モード」>「第1遊技において特別遊技状態が発生する確率」と、「高確率モード」>「第1遊技において特別遊技状態が発生する確率」>「低確率モード」の2つのバリエーションが考えられる。
本実施の形態における高確率モードと低確率モードは、図6(b)に示すように、それぞれ2/3(高確率モード)と1/800(低確率モード)と1種類ずつ確率が設定されている。もちろん各モードごとに複数の確率を用意しても良い。例えば1つの高確率モードに対して、互いに確率が異なる複数の低確率モードを用意することもできる。各低確率モードは、高確率モードに比べて低い値であれば、「第1遊技において特別遊技状態が発生する確率」よりも高い値でも良いことは言うまでもない。
高確率モードの比較対照である「第1遊技において特別遊技状態が発生する確率」は、具体的には、前記特別図柄の変動表示(表示遊技)の表示結果が当たり(特定表示態様)に確定する確率と同義である。特別図柄の変動表示の表示結果が当たりに確定する確率は、普通図柄の変動表示に関する高確率モードと低確率モードとは別に、前述したように、通常の低確率状態と、該低確率状態よりも高く設定された高確率状態とがある。本実施の形態では、高確率状態と低確率状態は、図6(a)に示すように、それぞれ1/72(高確率状態)と1/360(低確率状態)と1種類ずつ確率が設定されており、何れも普通図柄の変動表示における高確率モード(2/3)よりも低い値となっている。
本遊技機1の遊技状態は、特別図柄(特図)と普通図柄(普図)の遊技状態の組み合わせにより、図6(a),(b)に示すように、特図の状態が低確率状態(1/360)で通常変動(通常の変動時間)、かつ普図の状態が低確率モード(1/800)で通常変動となる「遊技状態A」と、特図の状態が高確率状態(1/72)で通常または時短変動、かつ普図の状態が低確率モード(1/800)で通常変動となる「遊技状態B」と、特図の状態が低確率状態(1/360)で通常変動、かつ普図の状態が高確率モード(2/3)で時短変動となる「遊技状態C」との3種類に区分される。
図5に示す確率モード変更手段2100は、遊技状態を高確率モードおよび低確率モードの何れか一方に変更する機能である。詳しくは後述するが、確率モード変更手段2100は、前記特別遊技状態が終了した時に所定の変更条件の成立に基づき、遊技状態を高確率モードおよび低確率モードの何れか一方に変更するように設定されている。なお、高確率モードおよび低確率モードの何れか一方への変更に伴って、他の遊技状態(特図の当たり確率、各可動片22aの動作条件(開放1回または開放2回)等)も、特別遊技状態が終了した後に変更されるようになっている。
確率モード抽選手段2110は、第2遊技において第2特別遊技状態となる旨の判定がなされた時に、遊技状態を低確率モードとするか高確率モードとするかを抽選する機能である。ここで、第2特別遊技状態となる旨の判定がなされた時とは、具体的には、第2大入賞口24のケース本体内に入った遊技球が特別入賞部26を通過し、特別入賞部通過検出スイッチ125によって検出された時である。前記確率モード変更手段2100は、確率モード抽選手段2110により高確率モードとする旨の抽選がなされた場合は、所定の変更条件の成立として、前記高確率モードとするようにも設定されている。
第1遊技中断処理手段2200は、第1遊技の実行中、すなわち特別図柄の変動表示中に、第2始動入賞口22に遊技球が入賞して第2遊技の始動条件が成立した時に、特別図柄の変動表示をプロセス途中で中断する機能である。第1遊技中断処理手段2200は、特別図柄の変動表示をプロセス途中で中断する時に、該変動表示を実行していた制御プログラムにおける制御途中プログラムの値を取得し記憶するように設定されている。
また、第1遊技中断処理手段2200は、特別図柄の変動表示中(第1遊技の実行中)に、第2始動入賞口22に遊技球が入賞して第2遊技の始動条件が成立した時に、特別図柄の変動表示の制御プログラムの実行をプロセス途中で中断する一方、表示遊技における識別情報の可変表示を通常とは異なる表示態様にて継続するように設定されている。ここで表示遊技における可変表示の継続は、単なる物理的動作の継続を意味するものであり、可変表示に関する内部制御処理は中断されている状態となる。なお、詳しい可変表示の通常とは異なる表示態様については後述する。
第2遊技優先処理手段2300は、特別図柄の変動表示(第1遊技)の中断中に第2遊技を実行する機能である。すなわち、特別図柄の変動表示の実行中に第2始動入賞口22に遊技球が入賞した時に、前記第1遊技中断処理手段2200による特別図柄の変動表示の中断に代わって、第2遊技優先処理手段2300により第2遊技が実行されるように設定されている。また、第2遊技優先処理手段2300は、第2遊技の実行中に第1始動口21に遊技球が入賞した場合に、該第1始動口21への入賞に基づき取得される乱数値を所定数まで保留する機能も有している。
第1遊技再開処理手段2400は、第2遊技が終了した時に、特別図柄の変動表示(第1遊技)をプロセス途中で中断した処理がある場合に、該中断したプロセス途中から第1遊技を再開する機能である。第1遊技再開処理手段2400は、第2遊技が終了した後、前記第1遊技中断処理手段2200が取得し記憶した前記制御途中プログラムの値から第1遊技の制御プログラムを実行して、前記中断したプロセス途中から第1遊技を再開するように設定されている。
以下に、遊技機1の作用について説明する。
先ず、第1役物群を構成する第1始動入賞口21、特別図柄表示装置29、第1大入賞口23、および可変表示装置40により実行される第1遊技の内容について説明する。第1遊技における制御および手順であるプロセスは、制御手段2000によって実行される。第1遊技のプロセスは、第1始動入賞口21への遊技球の入賞(正確には乱数値の取得)に基づき開始され、プロセスの実行結果として遊技者に有利な第1特別遊技状態が発生し得る。なお、特別図柄表示装置29における特別図柄の変動表示と、可変表示装置40における表示遊技に関しては、後者を代表して説明する。
遊技中に第1始動入賞口21に遊技球が入賞すると、第1始動入賞口スイッチ121によって検出されて主制御基板100に検出信号が出力される。この検出信号に基づき主制御基板100は、表示遊技の表示結果や停止図柄を定める乱数値を取得し、該乱数値に基づき演出制御基板300は、可変表示装置40における表示遊技の内容を制御する。図2において表示遊技が開始されると、可変表示装置40の表示画面41に、左側の第1図柄、右側の第2図柄、中央の第3図柄と3つの識別情報42が並ぶように表示され、各識別情報42はスクロール変動を開始する。
変動開始から所定時間が経過すると、第1図柄、第2図柄、第3図柄の順で変動が停止する。第3図柄が未だ変動中に、第1図柄と第2図柄とが同一の種類に停止した場合、リーチ態様に相当する。全ての識別情報42が停止した後、表示遊技の表示結果が特定表示態様に確定すると、主制御基板100は第1大入賞口ソレノイド135を駆動する制御データを出力する。この制御データに基づき、第1大入賞口ソレノイド135は駆動し、第1大入賞口23が所定回数(例えば15回)を限度に繰り返し開閉する第1特別遊技状態が発生する。
第1特別遊技状態の発生中は、第1大入賞口23内に配置された第1カウントスイッチ123により、入賞した遊技球が計数される。第1カウントスイッチ123で計数されたデータの合計数が所定個数(例えば10個)に到達するか、所定時間(例えば30秒)が経過すると、主制御基板100からの出力データが変更され、第1大入賞口ソレノイド135の駆動が停止し、1回のラウンドが終了する。その後、未だ所定回数(例えば15回)に到達していない場合には、さらに第1大入賞口ソレノイド135の駆動が繰り返されることになる。
次に、第2役物群を構成する第2始動入賞口22、第2大入賞口24、特別入賞部26等を用いて実行される第2遊技の内容について説明する。第2遊技における制御および手順であるプロセスは、制御手段2000によって実行される。第2遊技のプロセスは、第2始動入賞口22への遊技球の入賞に基づき開始され、プロセスの実行結果として遊技者に有利な第2特別遊技状態が発生し得る。
第2遊技においては、左右何れかの普通図柄作動ゲート31a,31bを遊技球が通過して、ゲートスイッチ131a,131bにより検出されると、主制御基板100は、普通図柄表示装置30の普通図柄の変動表示を実行するための乱数値を取得し、該乱数値に基づき普通図柄の変動表示を一定時間行う。普通図柄の変動表示の表示結果が当たりの場合には、第2始動入賞口22の各可動片22aを開放動作させる普通電動役物ソレノイド134の制御データが主制御基板100から一定時間出力される。これにより、第2始動入賞口22は開状態に所定時間だけ1ないし2回作動し、遊技球が入賞可能な状態となる。
第2始動入賞口22が開状態にある時に遊技球が入賞すると、第2始動入賞口スイッチ122によって検出されて主制御基板100に検出信号が出力される。この検出信号に基づき主制御基板100は、第2大入賞口ソレノイド136を駆動する制御データを出力する。この制御データに基づき、第2大入賞口24の各可動片24aが短時間だけ1回開放する。
第2大入賞口24の開放動作中に、第2大入賞口24のケース本体内に入った遊技球が、構造等の振り分けにより特別入賞部26に入賞すると、該特別入賞部26にある特別入賞部通過検出スイッチ125によって検出され、主制御基板100に検出信号が出力される。この検出信号に基づき主制御基板100は、第2大入賞口ソレノイド136を駆動する制御データを出力する。この制御データに基づき、第2大入賞口24の各可動片24aが所定回数を限度に繰り返し開閉する第2特別遊技状態が発生する。第2特別遊技状態の発生中は、第2大入賞口24内に配置された第2カウントスイッチ124により、入賞した遊技球が計数される。
第2カウントスイッチ124で計数されたデータの合計数が所定個数に到達するか、所定時間が経過すると、主制御基板100からの出力データが変更され、第2大入賞口ソレノイド136の駆動が停止し、1回のラウンドが終了する。その後、未だ最大ラウンド回数に到達していない場合には、さらに第2大入賞口ソレノイド136の駆動が繰り返されることになる。各ラウンドごとに少なくとも1個の遊技球が特別入賞部26に入賞することが、次ラウンドに継続するための条件となる。ただし、この条件を省いてラウンド継続が途中で終了してしまう事態(いわゆるパンク)を設定しなくても良い。
以上のように本遊技機1では、第1遊技と第2遊技の2種類の遊技を実行することが可能であり、遊技機1の遊技状態に応じて、第2遊技が実行される割合(確率)を変えることができる。本実施の形態では、主ゲームとしては第1遊技が行われ、副ゲームとして第2遊技が行われるようになっている。本遊技機1の遊技状態は、図6(a),(b)に示すように、「遊技状態A」と、「遊技状態B」と、「遊技状態C」との3種類に区分される。
遊技状態Aでは、普通図柄(普図)の変動表示の表示結果が当たりとなる確率(1/800)、および表示遊技の表示結果が特定表示態様となる確率(1/360)が、それぞれ非常に低い値に設定される。また、普通図柄の変動表示に関しては、変動時間が30秒と長く、普通図柄の変動表示の表示結果が当たりの場合には、第2始動入賞口22の各可動片22aは0.3秒だけ開放して閉じる動作が1回行われる。
遊技状態Bは、一般的な遊技機の高確率状態に相当するものであり、表示遊技に関する高確率状態は一般的な遊技機と変わらないが、普通図柄の変動表示に関する確率および動作は前記遊技状態Aと同一であり、非常に低い値に設定されており、第1遊技に関する確率だけが高確率状態となる。
遊技状態Cは、第1遊技に関する低確率状態は前記遊技状態Aと同一であるが、普通図柄の変動表示に関する確率は高確率モード(2/3)に設定されている。また、普通図柄の変動表示に関しては、変動時間が5秒と短くなり(時短変動)、普通図柄の変動表示の表示結果が当たりの場合、第2始動入賞口22の各可動片22aは2秒開放して閉じる動作が2回繰り返される。このような遊技状態Cでのみ、第2遊技が頻繁に実行されることになる。
このように、遊技状態Aは通常の遊技状態であり、遊技状態Bでは、特別図柄だけに関して高確率となり、遊技状態Cでは、普通図柄に関してだけ高確率となる。言い換えれば遊技状態Cでは、第2始動入賞口22の各可動片22aが入賞可能な状態に作動する確率は高確率モードとなり、主として第2遊技が実行されることになる。また、遊技状態A、Bでは、第2始動入賞口22の各可動片22aが入賞可能な状態に作動する確率は低確率モードとなり、ほとんど第1遊技が実行されることになる。
ところで、前述したように、第1遊技において表示遊技の表示結果が特定表示態様となる確率は1/360であるのに対して、第1始動入賞口21に遊技球が入賞する確率は1/10に設計されており、設計上は遊技球を10個発射する度に表示遊技が1回実行されることになる。従って、第1特別遊技状態が発生する確率は、設計上は、確率1/360に確率1/10を乗じて算出される1/3600となる。なお、これらの数値は、遊技機の仕様により異なる設計的事項である。
一方、第2遊技の場合は、第2始動入賞口22が入賞制限手段である各可動片22aを有しており、各可動片22aが閉状態にある場合では、遊技球が入賞しない構造となっている。各可動片22aは、前述したように普通図柄の変動表示の表示結果が当たりとなった場合に、通常の閉状態から開状態に所定時間だけ1ないし2回作動する。また、普通図柄の当たり確率は、図6(b)に示すように、遊技状態A,Bにおいては低確率モードである1/800に設定されている。
ここで、普通図柄作動ゲート31a,31bを遊技球が通過する確率を1/5に設定した場合、設計上は遊技球を5個発射する度に普通図柄の変動表示の権利を得ることができる。従って、低確率モードで第2始動入賞口22が開状態に作動する確率は、設計上は、確率1/800に確率1/5を乗じて算出される1/4000となる。すなわち、遊技球を4000個発射して初めて、第2始動入賞口22が開状態に作動する計算となる(実際には、普通図柄の変動時間を考慮すると、40000個位となる。)。
また、第2始動入賞口22への遊技球の入賞に基づき、第2大入賞口24の各可動片24aが開いた際に、第2大入賞口24内に入賞した遊技球が特別入賞部26を通過する確率が1/5に設計されている場合では、第2特別遊技状態が発生する確率は、設計上は、確率1/4000に確率1/5を乗じて算出される1/20000となる。すなわち、遊技球を20000個発射して初めて、第2特別遊技状態が発生する権利を得られる計算となる。なお、これらの数値は、遊技機の仕様により異なる設計的事項である。
さらに、普通図柄の当たり確率は、図6(b)に示すように、遊技状態Cにおいては高確率モードでは2/3に設定されている。従って、高確率モードで第2始動入賞口22が開状態に作動する確率は、設計上は、確率2/3に確率1/5(普通図柄作動ゲート31a,31bを遊技球が通過する確率)を乗じて算出される2/15となる。
ここで、第2始動入賞口22が開状態に作動した際に、第2始動入賞口22に遊技球が入賞する確率を1/1(2秒間の開放を2回することで実現できる。)と設定した場合では、第2大入賞口24の各可動片24aが動作する確率は、確率2/15に確率1/1を乗じて算出される2/15となる。かかる第2大入賞口24の各可動片24aが動作する確率2/15は、表示遊技が実行される確率、すなわち第1始動入賞口21に遊技球が入賞する確率1/10よりも高くなる。ただし実際には、特別図柄の変動時間や普通図柄の変動時間等を考慮することは言うまでもない。
以上のように、遊技状態Aおよび遊技状態Bの場合には、第2遊技はほとんど実行されることはない。従って、遊技状態Aおよび遊技状態Bでは、第1遊技が主に実行されることになる。言い換えれば、遊技状態Cとならない限り、第2遊技が実行されることはなく、遊技状態が遊技状態Cに変更された場合に、遊技者は第2遊技を行うことができるようになる。
次に、本遊技機1における遊技状態の移行処理について説明する。
本遊技機1の遊技状態は、図5に示す確率モード変更手段2100により、第1遊技と第2遊技の何れかにおける特別遊技状態が終了した時に、所定の変更条件の成立に基づき、高確率モードおよび低確率モードの何れか一方に変更される。これにより、第2遊技の特別遊技状態の発生に関して、第1遊技の特別遊技状態が発生する確率を基準とした全く新たな確率状態を備えることになり、遊技者は各確率モードに応じて2つの異なる遊技をそれぞれ充分に楽しむことができる。
図7は、特別遊技状態の終了時における遊技状態の移行処理を示すフローチャートである。本処理では、先ず特別遊技状態の発生の有無を判断して(ステップS101)、特別遊技状態が発生した場合は(ステップS101;Y)、該特別遊技状態が第1遊技の特別遊技状態か、第2遊技の特別遊技状態かを判断する(ステップS102)。なお、特別遊技状態が発生しない場合は(ステップS101;N)、そのまま処理を終了する。
第1遊技の特別遊技状態である場合は(ステップS102;Y)、該第1遊技の特別遊技状態を発生させる処理(特賞中処理)を実行し(ステップS103)、第2遊技の特別遊技状態である場合は(ステップS102;N)、該第2遊技の特別遊技状態を発生させる処理(特賞中処理)を実行する(ステップS104)。そして、特別遊技状態が終了した後(ステップS105;Y)、該特別遊技状態が第1遊技の特別遊技状態であったか、第2遊技の特別遊技状態であったかを判断する(ステップS106)。
本実施の形態では、第1遊技の特別遊技状態が終了した場合は(ステップS106;Y)、該特別遊技状態の発生の起因となった特定表示態様を構成する当たり図柄の種類に基づいて、確率モード変更手段2100により遊技状態は変更される。これにより、遊技者は表示遊技の表示結果を見ることで、事前に遊技状態がどの状態となるか容易に確認することができる。具体的には、図6(c)に示すように、当たり図柄の種類は識別情報「0」〜「9」の10種類あり、それぞれ遊技状態A,B,Cの何れかが対応付けられている。なお、新たに変更される遊技状態が、今までの遊技状態と同一であれば、遊技状態の変更はなく元の遊技状態がそのまま維持されることになる。
詳しくは、当たり図柄が確変図柄(特図高確率図柄)である「1」、「3」、「5」、「9」の何れかであった場合には(ステップS107;Y)、特別図柄の状態だけが高確率状態となる遊技状態Bに変更される(ステップS108)。一方、当たり図柄が確変図柄(特図高確率図柄)でない場合には(ステップS107;N)、当たり図柄が普通図柄に関して高確率モードとなる表示態様をなす普図高確率図柄「7」に該当するか否かを判断する(ステップS109)。
ここで、普図高確率図柄「7」に該当した場合には(ステップS109;Y)、所定の変更条件の成立として、普通図柄の状態だけが高確率モードとなる遊技状態Cに変更される(ステップS110)。一方、普図高確率図柄「7」に該当しなかった場合には(ステップS109;N)、当たり図柄が非確変図柄である「0」、「2」、「4」、「6」、「8」の何れかに相当することになり、特別図柄の状態が低確率状態、かつ普通図柄の状態も低確率モードである通常の遊技状態Aに変更される(ステップS112)。
また、第1遊技ではなく第2遊技の特別遊技状態が終了した場合は(ステップS106;N)、確率モード抽選手段2110による抽選結果に基づいて、確率モード変更手段2100により遊技状態は変更される(ステップS111)。ここで確率モード抽選手段2110による抽選は、第2大入賞口24のケース本体内に入った遊技球が特別入賞部26に入賞し、特別入賞部通過検出スイッチ125によって検出された時に実行される。
確率モード抽選手段2110による抽選結果が、普通図柄に関して高確率モードとする普図高確率当選であった場合は(ステップS111;Y)、確率モード変更手段2100により、所定の変更条件が成立したとして、遊技状態が普通図柄の状態だけが高確率モードとなる遊技状態Cに変更される(ステップS110)。一方、普図高確率当選でなかった場合は(ステップS111;N)、特別図柄の状態が低確率状態、かつ普通図柄の状態も低確率モードである通常の遊技状態Aに変更される(ステップS112)。なお、新たに変更される遊技状態が、今までの遊技状態と同一であれば、遊技状態の変更はなく元の遊技状態がそのまま維持されることになる。
図8は、遊技状態の移行処理に関する別の例を示すフローチャートである。本処理では、前述した図7に示すフローチャートと、ステップS201からステップS205までの処理は共通しているが、その後の処理が多少異なっている。本処理では、特別図柄における普図高確率図柄「7」を定めることなく、特別図柄の高確率状態の決定以外は、全て抽選によって遊技状態を決定するようになっている。
すなわち、特別遊技状態が終了した後(ステップS205;Y)、当たり図柄が確変図柄(特図高確率図柄)であるか否かを判断する(ステップS206)。ここで確変図柄は、例えば「7」を含めた奇数図柄「1」、「3」、「5」、「7」、「9」と定めれば良い。当たり図柄が確変図柄(特図高確率図柄)の何れかであった場合には(ステップS206;Y)、特別図柄の状態だけが高確率状態となる遊技状態Bに変更される(ステップS207)。
一方、当たり図柄が確変図柄(特図高確率図柄)でない場合は(ステップS206;N)、確率モード抽選手段2110による抽選結果に基づいて、確率モード変更手段2100により遊技状態は変更される(ステップS208)。ここで当たり図柄が確変図柄(特図高確率図柄)でない場合には、第1遊技ではなく第2遊技の特別遊技状態が終了した場合も含まれる。また、確率モード抽選手段2110による抽選は、第2遊技では、第2大入賞口24のケース本体内に取り込まれた遊技球が特別入賞部26に入賞し、特別入賞部通過検出スイッチ125によって検出された時に実行され、第1遊技では、表示遊技の停止図柄の抽選時あるいは該抽選により代行するようにしても良い。
確率モード抽選手段2110による抽選結果が、普通図柄に関して高確率モードとする普図高確率当選であった場合は(ステップS208;Y)、確率モード変更手段2100により、所定の変更条件が成立したとして、遊技状態が普通図柄の状態だけが高確率モードとなる遊技状態Cに変更される(ステップS209)。一方、普図高確率当選でなかった場合は(ステップS208;N)、特別図柄の状態が低確率状態、かつ普通図柄の状態も低確率モードである通常の遊技状態Aに変更される(ステップS210)。なお、新たに変更される遊技状態が、今までの遊技状態と同一であれば、遊技状態の変更はなく元の遊技状態がそのまま維持されることになる。
さらに、確率モード変更手段2100は、高確率モード(遊技状態Cに相当)から低確率モード(遊技状態Aに相当)に変更する条件として、前記第1遊技が実行されて第1特別遊技状態となるか否かが判定された回数が所定回数に達したことを条件として、該条件の成立により高確率モードから低確率モードに変更するように設定されている。ここで「第1特別遊技状態となるか否かが判定された回数」とは、具体的には例えば、いわゆるスタート回数であり、詳しくは、第1始動入賞口21への入賞に基づく乱数値の取得ないし該乱数値が判定された回数が該当する。
本実施の形態では、表示遊技は低確率状態、かつ普通図柄は高確率モードである遊技状態Cは、特別遊技状態の終了後、特別図柄の変動表示の回数が所定回数として100回まで維持されるように定められている。すなわち、遊技機1が遊技状態Cに設定された場合、その後、特別図柄の変動表示の回数が100回に到達するか、あるいは前述した図7、図8に示すように、特別遊技状態が発生して終了するまでの間は、第2遊技が実行される確率の高い高確率モードである遊技状態Cが続くことになる。
また、確率モード変更手段2100により、高確率モード(遊技状態Cに相当)から低確率モード(遊技状態Aに相当)に変更する別の条件として、例えば、第2遊技が実行されて、第2特別遊技状態となるか否かが判定された回数が所定回数に達したことに設定しても良い。ここで「特別遊技状態となるか否かが判定された回数」とは、具体的には第2大入賞口24が作動した回数であり、詳しくは、第2始動条件の成立に基づき第2大入賞口24が開き、かつ実際に第2大入賞口24に遊技球が入った回数が該当する。かかる回数が例えば100回に達した時に、高確率モード(遊技状態Cに相当)から低確率モード(遊技状態Aに相当)に変更するようにしても良い。
さらに、確率モード変更手段2100により、高確率モード(遊技状態Cに相当)から低確率モード(遊技状態Aに相当)に変更する別の条件として、例えば、第2遊技の始動条件が成立し得る状態となった回数が所定回数に達したことに設定しても良い。ここで「第2遊技の始動条件が成立し得る状態となった回数」とは、入賞制限手段である各可動片22aの変化により第2始動入賞口22に遊技球が入賞可能な状態となった回数であり、具体的には普通図柄表示装置30における変動表示の表示結果が当たりとなった回数が該当する。
あるいは、本実施の形態では、第1遊技における特別図柄の変動表示の確率に関して、低確率状態と高確率状態とがあるので、前記確率モード変更手段2100により、特別図柄に関する高確率状態から低確率状態への変更に合わせて、普通図柄に関しても高確率モードから低確率モードに変更するようにしても良い。この場合には、遊技状態の種類として、特別図柄の高確率状態と普通図柄の高確率モードが組み合わされた遊技状態と、特別図柄の低確率状態と普通図柄の低確率モードが組み合わされた遊技状態とを用意することになる。これにより、第1遊技における確率状態の変更と第2遊技における確率モードの変更とをリンクさせることで、遊技の興趣を高めることができる。
次に、遊技機1における具体的な制御の詳細について説明する。
本遊技機1では、第1遊技と第2遊技をそれぞれ実行可能であるが、第1遊技のプロセスである特別図柄の変動表示中に、第2始動入賞口22に遊技球が入賞して第2遊技の始動条件が成立した時は、特別図柄の変動表示を途中で中断して、第2遊技のプロセスを優先して実行し、第2遊技が終了した時に、中断した特別図柄の変動表示処理がある場合には、該中断した途中から特別図柄の変動表示を再開する処理を行う。
図9は、第1遊技と第2遊技の実行の関連性を含む遊技全体の制御を示すフローチャートである。図9に示す処理は、図5に示す制御手段2000によって実行される。先ず最初に、遊技領域3に発射された遊技球が第1始動入賞口21に入賞したか否か、すなわち第1始動条件の成立の有無を判断する(ステップS301)。
第1始動入賞口21に入賞した場合は(ステップS301;Y)、第1始動入賞口21への入賞に基づき取得した乱数値の保留球数が、最大値であるか否かを判断する(ステップS302)。第1始動入賞口21に入賞していない場合は(ステップS301;N)、次述する第1特別遊技状態(特賞)の発生中であるか否かの判断(ステップS304)に移行する。
保留球数が最大値である場合は(ステップS302;Y)、今回の第1始動条件の成立による乱数値を放棄し、保留球数が最大値でない場合は(ステップS302;N)、乱数値(大当たり判定用乱数)を記憶する(ステップS303)。続いて、特別遊技状態(特賞)の発生中であるか否かを判断する(ステップS304)。特別遊技状態(特賞)の発生中である場合は(ステップS304;Y)、そのまま処理を終了する。
特別遊技状態(特賞)の発生中でない場合は(ステップS304;N)、第2大入賞口24が動作中であるか否かを判断する(ステップS305)。第2大入賞口24が動作中である場合は(ステップS305;Y)、後述する特別入賞部26に入賞したか否かの判断(ステップS334)に移行する。第2大入賞口24が動作中でない場合は(ステップS305;N)、遊技球が第2始動入賞口22に入賞したか否か、すなわち第2始動条件が成立したか否かを判断する(ステップS306)。
第2始動入賞口22に入賞した場合は(ステップS306;Y)、後述する特別図柄の変動表示中であるか否かの判断(ステップS332)に移行する。第2始動入賞口22に入賞していない場合は(ステップS306;N)、特別図柄の変動表示中であるか否かを判断する(ステップS307)。特別図柄の変動表示中である場合は(ステップS307;Y)、後述する第2始動入賞口22に入賞したか否かの判断(ステップS318)に移行する。特別図柄の変動表示中でない場合は(ステップS307;N)、変動処理制御値が記憶されているか否かを判断する(ステップS308)。ここで変動処理制御値とは、特別図柄の変動表示(表示遊技)をプロセス途中で中断した時に第1遊技中断処理手段2200により取得ないし記憶されるものであり、特別図柄の変動表示を実行していた制御プログラムにおける制御途中プログラムの値である。
変動処理制御値の記憶がある場合は(ステップS308;Y)、この値から制御プログラムを実行して、前記中断したプロセス途中から特別図柄の変動表示(表示遊技)を再開する(ステップS310)。ここでの再開は、第1遊技再開処理手段2400により制御される。その後、後述する第2始動入賞口22に入賞したか否かの判断(ステップS318)に移行する。変動処理制御値の記憶がない場合は(ステップS308;N)、現時点における保留球数の有無を判断する(ステップS309)。保留球数がなく「保留球数=0」であれば(ステップS309;Y)、そのまま処理を終了する。保留球数があり「保留球数=0」でなければ(ステップS309;N)、高確率状態の発生(確率変動機能作動)中であるか否かを判断する(ステップS311)。
確率変動機能作動中である場合は(ステップS311;Y)、高確率状態における高い大当たり確率により大当たり判定を行う(ステップS312)。確率変動機能作動中でない場合は(ステップS311;N)、低確率状態における低い大当たり確率により大当たり判定を行う(ステップS313)。その後、大当たり判定の結果を判断する(ステップS314)。
大当たりである場合は(ステップS314;Y)、特定表示態様(大当たり)となる図柄の組み合わせの停止図柄を設定する(ステップS315)。大当たりでない場合は(ステップS314;N)、外れ表示態様(ハズレ)となる図柄の組み合わせの停止図柄を設定する(ステップS316)。続いて、特別図柄の変動開始時処理を実行する(ステップS317)。
また、前記中断したプロセス途中から特別図柄の変動表示(表示遊技)を再開した後(ステップS310)、再び、遊技球が第2始動入賞口22に入賞したか否か、すなわち第2始動条件が成立したか否かを判断する(ステップS318)。第2始動入賞口22に入賞した場合は(ステップS318;Y)、後述する変動処理制御値を取得し記憶する処理(ステップS333)に移行する。第2始動入賞口22に入賞していない場合は(ステップS318;N)、特別図柄の変動表示に係る変動時間が経過したか否かを判断する(ステップS319)。
変動時間が経過していない場合は(ステップS319;N)、そのまま処理を終了する。変動時間が経過している場合は(ステップS319;Y)、特別図柄の変動表示を停止する(ステップS320)。続いて、特別図柄のうち停止図柄の表示時間が経過したか否かを判断する(ステップS321)。停止図柄の表示時間が経過していない場合は(ステップS321;N)、そのまま処理を終了する。停止図柄の表示時間が経過している場合は(ステップS321;Y)、停止図柄の組み合わせが大当たり(特定表示態様)に相当するか否かを判断する(ステップS322)。
停止図柄の組み合わせが大当たりに相当する場合は(ステップS322;Y)、後述するが第1特別遊技状態を発生させる処理(ステップS327)に移行する。停止図柄の組み合わせが大当たりに相当しない場合は(ステップS322;N)、特別図柄に関して確率変動機能の作動(高確率状態の発生)中であるか否かを判断する(ステップS323)。ここで確率変動機能の作動中であれば、遊技状態は、図6に示す遊技状態Bに該当していることになる。確率変動機能の作動中でなければ、遊技状態は、図6に示す遊技状態Aまたは遊技状態Cに該当する。
特別図柄に関して確率変動機能の作動中である場合は(ステップS323;Y)、そのまま処理を終了する。確率変動機能の作動中でない場合は(ステップS323;N)、特別図柄の変動表示が、予め設定された所定回数分だけ終了したか否かを判断する(ステップS324)。特別図柄の変動表示が所定回数分だけ未だ終了していない場合は(ステップS324;N)、そのまま処理を終了する。特別図柄の変動表示が所定回数分だけ終了した場合は(ステップS324;Y)、普通図柄の変動表示に係る変動時間を短縮する時間短縮機能の作動を停止する(ステップS325)。また、普図変動役物である第2始動入賞口22の開放動作を延長する開放延長機能の作動も停止する(ステップS326)。
すなわち、特別図柄の変動表示が所定回数分だけ終了した場合は、遊技状態は低確率モードになる。ここでは、高確率モードから低確率モードへの移行は、特別図柄の変動表示の回数(変動回数)によって変化するようにしている。なお、ステップS323とステップS324との間の処理として、遊技状態が遊技状態Aである場合は、予め変動回数が0にセットされたことになる。
また、前述した特別図柄の停止図柄の組み合わせが大当たりに相当するか否かの判断(ステップS322)において、停止図柄の組み合わせが大当たりに相当する場合は(ステップS322;Y)、第1特別遊技状態を発生させるべく第1大入賞口23の作動を開始し(ステップS327)、第1大入賞口23を開閉動作するラウンド回数を設定する(ステップS328)。この時、特別図柄に関する確率変動機能の作動を停止する(ステップS329)。
続いて、普通図柄の変動表示に係る変動時間を短縮する時間短縮機能の作動を停止する(ステップS330)。また、普図変動役物である第2始動入賞口22の開放動作を延長する開放延長機能の作動も停止する(ステップS331)。このように、第1特別遊技状態の発生中は、図6に示す遊技状態Aの確率値となる。
しかしながら、実際の遊技上では、第1特別遊技状態の発生中に普通図柄に関して、高確率モードでも低確率モードでも遊技に及ぼす影響は少ない。従って、前述したステップS330およびステップS331の代わりに、例えば、特別図柄の変動表示(表示遊技)の結果に応じて、あるいは特別入賞部26を遊技球が通過した時に行う、第2特別遊技状態の終了後の遊技状態(高確率モードか低確率モード)を定める抽選の結果に応じて、第1特別遊技状態の発生中における普通図柄の変動表示に関する確率(高確率モードか低確率モード)を定めるように設定しても良い。また、前述(段落0114参照)したように、確率の変更時点は、特賞終了後のみに行うようにしても良い。
また、前述した第2大入賞口24が動作中であるか否かの判断(ステップS305)において、第2大入賞口24が動作中である場合は(ステップS305;Y)、特別入賞部26に遊技球が入賞したか否かの判断(ステップS334)に移行する。また、前述した第2始動入賞口22に入賞したか否かの判断(ステップS306)において、第2始動入賞口22に入賞した場合は(ステップS306;Y)、特別図柄の変動表示中であるか否かを判断し(ステップS332)、特別図柄の変動表示中でない場合は(ステップS332;N)、特別入賞部26に遊技球が入賞したか否かの判断(ステップS334)に移行する。
また、特別図柄の変動表示中である場合は(ステップS332;Y)、該特別図柄の変動表示の中断に伴い、該特別図柄の変動表示を実行していた制御プログラムにおける制御途中プログラムの値である変動処理制御値を取得し記憶する(ステップS333)。かかる処理は、第1遊技中断処理手段2200により実行され、第2遊技優先処理手段2300により第2遊技が実行される。また、前述した第2始動入賞口22に入賞したか否かの判断(ステップS318)において、第2始動入賞口22に入賞した場合も(ステップS318;Y)、変動処理制御値を取得し記憶する(ステップS333)。その後、特別入賞部26に遊技球が入賞したか否かを判断する(ステップS334)。
特別入賞部26に入賞しなかった場合は(ステップS334;N)、後述する第2大入賞口24が動作中であるか否かの判断(ステップS341)に移行する。特別入賞部26に入賞した場合は(ステップS334;Y)、第2特別遊技状態を発生させる処理を実行する(ステップS335)。すなわち、先ず1ラウンドごとにおける第2大入賞口24の開閉回数を設定すると共に、ラウンド回数を設定する(ステップS336)。続いて、第2特別遊技状態の終了後における遊技状態を変更するための抽選を実行する(ステップS337)。かかる抽選は、前述したように特別入賞部26に遊技球が入賞した時、つまり第2特別遊技状態となる旨の判定がなされた時に、確率モード抽選手段2110により実行される。
続いて、特別図柄に関する確率変動機能の作動を停止する(ステップS338)。さらに、普通図柄の変動表示に係る変動時間を短縮する時間短縮機能の作動を停止する(ステップS339)。また、普図変動役物である第2始動入賞口22の開放動作を延長する開放延長機能の作動も停止する(ステップS340)。このように、第2特別遊技状態の発生中は、前述した第1特別遊技状態の発生中と同様に、図6に示す遊技状態Aの確率値となる。
なお、前述したステップS339およびステップS340の代わりに、例えば、特別図柄の変動表示(表示遊技)の結果に応じて、あるいは特別入賞部26を遊技球が通過した時に行う、第2特別遊技状態の終了後の遊技状態(高確率モードか低確率モード)を定める抽選の結果に応じて、第2特別遊技状態の発生中における普通図柄の変動表示に関する確率(高確率モードか低確率モード)を定めるように設定しても良い。また、前述(段落0114参照)したように、確率の変更時点は、特賞終了後のみに行うようにしても良い。
次に、第2大入賞口24が動作中であるか否を判断する(ステップS341)。第2大入賞口24が動作中でない場合は(ステップS341;N)、第2大入賞口24の開放動作を開始して(ステップS346)、そのまま処理を終了する。第2大入賞口24が動作中である場合は(ステップS341;Y)、第2大入賞口24の開放時間が経過したか否かを判断する(ステップS342)。第2大入賞口24の開放時間が経過している場合は(ステップS342;Y)、第2大入賞口24を閉鎖して(ステップS344)、第2大入賞口24の作動を終了する(ステップS345)。
第2大入賞口24の開放時間が経過していなければ(ステップS342;N)、第2大入賞口24に所定数の遊技球が入賞したか否かを判断する(ステップS343)。第2大入賞口24に未だ所定数の遊技球が入賞していない場合は(ステップS343;N)、そのまま処理を終了する。第2大入賞口24に所定数の遊技球が入賞している場合は(ステップS343;Y)、第2大入賞口24を閉鎖して(ステップS344)、第2大入賞口24の作動を終了する(ステップS345)。
以上のように、2種類の遊技を実行可能な本遊技機1では、一方の遊技のプロセス途中で他方の遊技の始動条件が成立し得るが、第1遊技における特別図柄の変動表示中に第2遊技の第2始動条件が成立した時には、第1遊技中断処理手段2200により、特別図柄の変動表示はプロセス途中で中断されることになる。ここでプロセス途中の中断とは、あくまで制御プログラムの実行による内部的な制御処理(内部制御)の中断を意図しており、可変表示装置40における識別情報の変動表示等の中断は含まない。
特別図柄の変動表示の中断中には、第2遊技優先処理手段2300により、中断した特別図柄の変動表示に代わって第2遊技が実行される。従って、第1遊技と第2遊技の各プロセスが同時期に重複することはなく、第1遊技の実行中に第2遊技の始動条件が成立した時には、第1遊技をプロセス途中で中断して、第2遊技のプロセスの実行を優先させる。これにより、2種類の遊技のうち高確率モードにおいては第2遊技が実行される頻度を高めることができる。
そして、優先して実行された第2遊技が終了した時に、特別図柄の変動表示をプロセス途中で中断した処理がある場合には、第1遊技再開処理手段2400により、特別図柄の変動表示は中断されていたプロセス途中から再開されることになる。これにより、第1遊技の実行がプロセス途中で消失することはなく、第1遊技の実行に係る利益を遊技者に対して補償することができると共に、それぞれの遊技における区切りや制御段階の進み具合を遊技者に明瞭に認識させることができる。
図10は、第2遊技から見た第1遊技への割り込み処理を簡略化して示すフローチャートである。本割り込み処理は、前述した図9の処理の一部を抜粋したものであり、簡単に言えば、第1遊技における特別図柄の変動表示に関するルーチンが実行されている時に、第2始動入賞口22に遊技球が入賞すると、第2遊技における第2大入賞口24を作動するサブルーチンが割り込むようになっている。
先ず最初に、遊技球が第2始動入賞口22に入賞したか否か、すなわち第2始動条件の成立の有無を判断する(ステップS401)。第2始動入賞口22に入賞していない場合は(ステップS401;N)、そのまま処理を終了する。第2始動入賞口22に入賞した場合は(ステップS401;Y)、特別遊技状態(特賞)の発生中であるか否かを判断する(ステップS402)。特別遊技状態(特賞)の発生中である場合は(ステップS402;Y)、そのまま処理を終了する。
特別遊技状態(特賞)の発生中でない場合は(ステップS402;N)、第2大入賞口24が動作中であるか否を判断する(ステップS403)。第2大入賞口24が動作中である場合は(ステップS403;Y)、そのまま処理を終了する。第2大入賞口24が動作中でない場合は(ステップS403;N)、特別図柄の変動表示中であるか否かを判断する(ステップS404)。特別図柄の変動表示中である場合は(ステップS404;Y)、変動表示の中断処理を行う(ステップS405)。特別図柄の変動表示中でない場合は(ステップS404;N)、変動表示の中断処理を行うことはない。
ここで変動表示の中断処理とは、前述したように制御プログラムの実行による内部的な制御処理(内部制御)の中断を意図しており、可変表示装置40における識別情報の変動表示等の中断は含まない。従って、第1遊技中断処理手段2200により、特別図柄の変動表示の中断であっても、可変表示装置40においては識別情報の可変表示を通常とは異なる表示態様で継続することができる。すなわち、内部制御処理は中断した上で、単なる物理的動作である識別情報の可変表示は継続すると良い。
それにより、遊技者に表示遊技に係る権利を失ったと誤解させる虞はなく、また、可変表示の中断時の識別情報の組み合わせに基づく無用の混乱を招く虞もない。ただし、通常とは異なる表示態様にて可変表示を継続することにより、本来の第1遊技のプロセスはあくまで中断中である旨を遊技者に明確に認識させることが可能となる。
ここで「通常とは異なる表示態様」とは、具体的には例えば、図示省略したが変動していた識別情報を縮小して、表示画面41の隅の方で変動させる表示態様等が考えられる。ただし、可変表示装置40が特別図柄表示装置29と同様に、例えば7セグメントLED1個から構成されている場合には、通常と同じ表示態様とならざるを得ない場合も考えられる。
さらに、第2遊技において第2大入賞口24が作動している時は、この第2大入賞口24の動作に応じた表示演出を表示画面41で行うようにしても良い。具体的には例えば、図3に示すように、表示画面41に第2大入賞口24の作動に関連した画像を表示したり、あるいは、文字情報として『チャンス』、『開くヨ』、『V入賞??%』等も合わせて、または単独で表示することもできる。
また、変動表示の中断処理において、第1遊技中断処理手段2200は、特別図柄の変動表示を実行していた制御プログラムにおける制御途中プログラムの値である変動処理制御値を取得し記憶する。これにより、第1遊技(変動表示)がプロセス途中で中断された場合、該第1遊技をプロセス途中から再開する際に、前記制御途中プログラムの値を読み出すことで、容易にプロセス途中から内部制御を再開することができる。
その後、前記第2始動入賞口22への遊技球の入賞に基づき、第2大入賞口24の各可動片24aを短時間(例えば0.3秒または2秒)だけ1回または2回開放する(ステップS406)。この時、第2大入賞口24のケース体内部に入った遊技球が特別入賞部26を通過したか否かを判断する(ステップS407)。
特別入賞部26を通過しなかった場合は(ステップS407;N)、変動中断処理があるか否か、すなわち前記変動処理制御値が記憶されているか否かを判断する(ステップS409)。特別入賞部26を通過した場合は(ステップS407;Y)、第2特別遊技状態を発生させる処理を実行し(ステップS408)、その後、変動処理制御値が記憶されているか否かを判断する(ステップS409)。
変動処理制御値の記憶がある場合は(ステップS409;Y)、この値から制御プログラムを実行して、前記中断したプロセス途中から特別図柄の変動表示(表示遊技)を再開する(ステップS410)。変動処理制御値の記憶がない場合は(ステップS409;N)、そのまま処理を終了することになる。
図11は、第1遊技から見た第2遊技の割り込み処理を簡略化して示すフローチャートである。本割り込み処理も、前述した図9の処理の一部を抜粋したものであり、簡単に言えば、特に割り込み処理を強調したもので、特別図柄の変動表示に関する処理中に、第1始動入賞口21に遊技球が入賞した際に第2大入賞口24が動作しているかの判断処理と、特別図柄の変動中に第2始動入賞口22に遊技球が入賞したかを監視する処理が追加されている。
先ず最初に、遊技球が第1始動入賞口21に入賞したか否か、すなわち第1始動条件の成立の有無を判断する(ステップS501)。第1始動入賞口21に入賞していない場合は(ステップS501;N)、そのまま処理を終了する。第1始動入賞口21に入賞した場合は(ステップS501;Y)、第1始動入賞口21への入賞に基づき取得した乱数値の保留球数が、最大値であるか否かを判断する(ステップS502)。
保留球数が最大値である場合は(ステップS502;Y)、今回の第1始動条件の成立による乱数値を放棄し、そのまま処理を終了する。保留球数が最大値でない場合は(ステップS502;N)、乱数値(大当たり判定用乱数)を記憶する(ステップS503)。続いて、特別遊技状態(特賞)の発生中であるか否かを判断する(ステップS504)。
特別遊技状態(特賞)の発生中である場合は(ステップS504;Y)、そのまま処理を終了する。特別遊技状態(特賞)の発生中でない場合は(ステップS504;N)、第2大入賞口24が動作中であるか否かを判断する(ステップS505)。第2大入賞口24が動作中である場合は(ステップS505;Y)、そのまま処理を終了する。第2大入賞口24が動作中でない場合は(ステップS505;N)、特別図柄の変動表示中であるか否かを判断する(ステップS506)。
特別図柄の変動表示中である場合は(ステップS506;Y)、そのまま処理を終了する。特別図柄の変動表示中でない場合は(ステップS506;N)、現時点における保留球数の有無を判断する(ステップS507)。保留球数がなく「保留球数=0」であれば(ステップS507;Y)、そのまま処理を終了する。保留球数があり「保留球数=0」でなければ(ステップS507;N)、乱数値(大当たり判定用乱数)を判定する(ステップS508)。
続いて、判定結果に基づく変動パターンの抽選を行い(ステップS509)、該抽選により決定された変動パターンに基づいて特別図柄の変動表示を開始する(ステップS510)。そして、遊技球が第2始動入賞口22に入賞したか否か、すなわち第2始動条件が成立したか否かを判断する(ステップS511)。
第2始動入賞口22に入賞していない場合は(ステップS511;N)、特別図柄の変動表示に係る変動時間が経過したか否かを判断する(ステップS512)。変動時間が経過していない場合は(ステップS512;N)、そのまま処理を終了する。変動時間が経過している場合は(ステップS512;Y)、特別図柄の変動表示を停止して停止図柄を確定表示する(ステップS513)。
第2始動入賞口22に入賞した場合は(ステップS511;Y)、特別図柄の変動表示を実行していた制御プログラムにおける制御途中プログラムの値である変動処理制御値を取得し記憶する(ステップS514)。その後、前記第2始動入賞口22への遊技球の入賞に基づき、第2大入賞口24の各可動片24aを短時間(例えば0.3秒または2秒)だけ1回または2回開放する(ステップS515)。この時、第2大入賞口24のケース体内部に入った遊技球が特別入賞部26に入賞したか否かを判断する(ステップS516)。
特別入賞部26に入賞しなかった場合は(ステップS516;N)、前記変動処理制御値に基づき制御プログラムを実行して、前記中断したプロセス途中から特別図柄の変動表示(表示遊技)を再開する(ステップS517)。特別入賞部26に入賞した場合は(ステップS516;Y)、第2特別遊技状態を発生させる処理を実行し(ステップS518)、その後、前記変動処理制御値に基づき、中断していた特別図柄の変動表示(表示遊技)を再開する(ステップS517)。
ここで、変動処理制御値の取得ないし記憶(ステップS514)から変動処理制御値に基づく特別図柄の変動表示(表示遊技)の再開(ステップS517)までに亘る期間では、前述したように特別図柄の変動表示に関しては、あくまで制御プログラムの実行による内部的な制御処理(内部制御)の中断であり、可変表示装置40において識別情報の変動表示を行ってもかまわない。
その後、再開された特別図柄の変動表示(表示遊技)に関して、特別図柄の変動表示に係る変動時間が経過したか否かを判断する(ステップS512)。変動時間が経過していない場合は(ステップS512;N)、そのまま処理を終了する。変動時間が経過している場合は(ステップS512;Y)、特別図柄の変動表示を停止して停止図柄を確定表示する(ステップS513)。
次に、普通図柄に関連した主な処理について説明する。
図12は、普通図柄表示処理および第2始動入賞口22の開放動作設定処理を示している。先ず最初に、遊技球が普通図柄作動ゲート31a,31bを通過したか否かを判断する(ステップS601)。普通図柄作動ゲート31a,31bを遊技球が通過した場合は(ステップS601;Y)、普通図柄の変動表示に係る乱数値の保留球数が、最大値であるか否かを判断する(ステップS602)。普通図柄作動ゲート31a,31bを遊技球が通過していない場合は(ステップS601;N)、次述する第2始動入賞口22が作動中であるか否かの判断(ステップS604)に移行する。
保留球数が最大値である場合は(ステップS602;Y)、今回の普通図柄作動ゲート31a,31bへの遊技球の通過による乱数値を放棄し、保留球数が最大値でない場合は(ステップS602;N)、乱数値(普通図柄当たり判定用乱数)を記憶する(ステップS603)。続いて、第2始動入賞口22が作動中であるか否かを判断する(ステップS604)。第2始動入賞口22が作動中である場合は(ステップS604;Y)、そのまま処理を終了する。第2始動入賞口22が作動中でない場合は(ステップS604;N)、普通図柄の変動表示中であるか否かを判断する(ステップS605)。
普通図柄の変動表示中である場合は(ステップS605;Y)、後述する普通図柄の変動表示に係る変動時間が経過したか否かの判断(ステップS614)に移行する。普通図柄の変動表示中でない場合は(ステップS605;N)、現時点における保留球数の有無を判断する(ステップS606)。保留球数がなく「保留球数=0」であれば(ステップS606;Y)、そのまま処理を終了する。保留球数があり「保留球数=0」でなければ(ステップS606;N)、遊技状態が高確率モード中であるか、すなわち遊技状態Cであるか否かを判断する(ステップS607)。
高確率モード中である場合は(ステップS607;Y)、高確率モード中(普通図柄高確率機能作動時)における普通図柄の当たり判定を行う(ステップS608)。高確率モード中でない場合は(ステップS607;N)、低確率モード中(普通図柄高確率機能未作動時)における普通図柄の当たり判定を行う(ステップS609)。続いて、普通図柄の変動時間の短縮機能が作動しているか否かを判断する(ステップS610)。
普通図柄の変動時間の短縮機能が作動している場合は(ステップS610;Y)、該短縮機能に応じた通常より短い普通図柄の変動時間を設定する(ステップS611)。普通図柄の変動時間の短縮機能が作動していない場合は(ステップS610;N)、通常の短い普通図柄の変動時間を設定する(ステップS612)。その後、普通図柄の変動表示を開始する(ステップS613)。
また、前述した普通図柄の変動表示中であるか否かの判断(ステップS605)において、普通図柄の変動表示中である場合は(ステップS605;Y)、普通図柄の変動表示に係る変動時間が経過したか否かを判断する(ステップS614)。変動時間が経過していない場合は(ステップS614;N)、そのまま処理を終了する。変動時間が経過している場合は(ステップS614;Y)、普通図柄の変動表示を停止する(ステップS615)。その後、普通図柄の変動表示の表示結果を判断する(ステップS616)。
普通図柄の変動表示の表示結果が第2始動入賞口22を作動させる当たりに相当する場合は(ステップS616;Y)、第2始動入賞口22の開放延長機能が作動中であるか否かを判断する(ステップS617)。一方、当たりに相当しない場合は(ステップS616;N)、そのまま処理を終了する。第2始動入賞口22の開放延長機能が作動中である場合は(ステップS617;Y)、該開放延長機能に応じた通常より長い第2始動入賞口22の作動時間を設定する(ステップS618)。第2始動入賞口22の開放延長機能が作動していない場合は(ステップS617;N)、通常の短い第2始動入賞口22の作動時間を設定する(ステップS620)。その後、第2始動入賞口22の開放を開始する(ステップS619)。
図13は、第2始動入賞口22の作動処理を示している。先ず最初に、第2始動入賞口22が作動中であるか否かを判断する(ステップS701)。第2始動入賞口22が作動中でない場合は(ステップS701;N)、そのまま処理を終了する。第2始動入賞口22が作動中である場合は(ステップS701;Y)、第2始動入賞口22の作動時間が経過したか否かを判断する(ステップS702)。
第2始動入賞口22の作動時間が経過した場合は(ステップS702;Y)、第2始動入賞口22の作動を停止して(ステップS704)、処理を終了する。第2始動入賞口22の作動時間が経過していない場合は(ステップS702;N)、第2始動入賞口22に所定数の遊技球が入賞したか否かを判断する(ステップS703)。第2始動入賞口22に所定数の遊技球が入賞していない場合は(ステップS703;N)、そのまま処理を終了する。第2始動入賞口22に所定数の遊技球が入賞した場合は(ステップS703;Y)、第2始動入賞口22の作動を停止して(ステップS704)、処理を終了する。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、前記第2遊技の内容に関しては、旧羽根物のプロセスの遊技に設定したが、他に例えば、旧羽根物のプロセスの遊技の代わりに、旧権利物に類するプロセスの遊技を用意しても良い。
また、前記遊技状態Cにおける普通図柄の高確率モードでは、普通図柄の変動表示の表示結果が当たりとなる確率を高確率(2/3)にするばかりでなく、普通図柄に関する全ての条件(抽選時間および開放動作)を遊技球が入賞し易い条件にしたが、何れか1つの条件だけを採用することにより、第2始動入賞口22に対して遊技球が入賞する確率(割合)を向上させるよう制御しても良い。
また、前記実施の形態では、普通図柄の高確率モードについて説明したが、該高確率モード状態の時に第2大入賞口24の開閉条件も変更するようにしても良い。例えば、高確率モードの時では、第2始動入賞口22への遊技球の入賞に基づく第2大入賞口24の開閉を、0.5秒の開放が2回行われるように設定する。このように、第2大入賞口24へ入賞する頻度(当たり頻度)が高くなるように設定したことで、遊技者に期待感を与えることができ、さらに通常の遊技状態とは確実に違いがある印象を与えることができる。