JP4522066B2 - 研削工具およびそれを用いた研削加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、環状の研削部を同時に被研削物の表面接触させて環状の溝を研削加工する研削工具および研削加工方法に関し、特にセラミックス等の硬質な脆性材に環状の溝を研削加工する削工および研削加工方法に関する。
来、被研削物に環状の溝を研削加工する研削工具として、状の研削部を有する研削工具が用いられてきた。
例えば、図7(A)に示すように被研削物13に外径r内径sおよび深さtからなる環状の溝を研削加工する場合には、図7(B)に示すような図7(A)の溝の外径rと同様の外径qおよび内径sと同様の内径pの状の研削部12を有する研削工具11を用いて深さtだけ研削加工すればよく、研削部12の主軸を中心に回転させることによって研削加工することができる(特許文献参照)。
また、環状の研削部12を有する研削工具11には、図7(C)に示すように主軸部のセンターに通し穴16が開いており、この通し穴16って噴出した研削液は、研削部12の内側を伝わって研削部12の先端に伝わり、研削部12の外側へ研削液が伝わるという構造となっていた。
また、外径の大きなものを研削加工する場合には、研削液を研削部12に行き届かせるため、図7(D)に示すように、主軸部には通し穴16が形成され、この通し穴16の開口部16aに研削部12の回転につれ外部の空気を吸い込み空洞部内に導入する吸入羽根構造(不図示)が設けられ、さらに、空洞部に連通し研削部12の端面に開口するとともに、その途中で研削部12の内側に供給される研削液を空気と合流させ導出するガス通路17が形成されているものが提案されている(特許文献2参照)。
しかし、単に環状の溝を研削加工するだけの場合にはこのような状の研削部12を有する研削工具11を用いればよいが、例えば図(C)のような特殊形状の溝を研削加工するためには、次に記す内容で研削加工なわれていた。
まず、被研削物13を研削し、図4(A)に示すような長さaおよび厚みbのプレート形状に加工しておく。
次に図6(A)に示すような研削部8を有する研削工具7を使用してM/C加工を行、図4(B)の外径d,内径cおよび深さeの環状の溝底面を粗加工する。
次に、図6(B)の研削部10を有する研削工具9を使用して円筒研削機にて各寸法f〜jとなるように研削加工することにより、被研削物に図4(C)のような特殊形状の溝を形成していた
特開2001−1268号公報 特開平05−69339号公報
しかしながら、上記従来の研削加工方法で図4(C)に示すような特殊形状の溝を研削加工する場合、図6(A),(B)の2本の研削工具7,9を使用して各箇を研削加工し仕上げなければならず、加工時間にかなりの時間を必要とした。
さらに、一つの研削機を用いて、例えば図6(B)の研削工具9を使用するに当たり、前もって図6(A)の研削工具7で粗加工を行なうときには、それぞれの研削工具79を交換する作業があるため、さらに時間を要していた。
本発明は、上述した課題に鑑みなされたものであって、その目的は、つの研削工具の回転動作のみで被研削物に特殊形状の環状の溝を研削加工する際の加工時間の大幅な削減をることにある。
本発明は、主軸部を中心に回転させながら環状の研削部を同時に被研削物の表面接触させて環状の溝を研削加工する研削工具であって、上記主軸部は通し穴を有し、上記主軸部にアームを介して研削部が連設されて上記アームと上記研削部とでカップ状となっており、上記研削部は、環状加工部と該環状加工部の先端に上記研削工具の中心および外の少なくとも一方に向かって径方向に突出した少なくとも1つ以上の環状の突出部とからなり、上記環状加工部および上記突出部の表面に砥粒層形成され、上記突出部のうち最下方に形成された突出部の底面に開口するように、幅が上記研削部の外周長に対して3〜6%、深さが上記突出部の厚みに対して15〜25%の複数のスリットを等間隔に設けたことを特徴とする。
また、上記主軸部の通し穴と連通するとともに、先端が上記研削部に向かって開口する噴出し口を有し、噴出し口から上記研削部に研削液を供給する供給ノズルを有することを特徴とする。
た、上記噴出し口を上記研削部方向に等間隔に4ヶ所以上有することを特徴とする。
た、上記主軸部の外径と上記研削部の外径の比が1:5以上であることを特徴とする。
さらに、上記研削工具を用いて被研削物に環状の溝を研削加工する方法であって、上記主軸部を中心に回転させながら、その中心位置が上記研削部の外径に対して3〜6%の偏芯量で偏芯するように、上記研削部を同時に上記被研削物の表面に接触させて研削加工することを特徴とする。
またさらに、上記被研削物は脆性材からなることを特徴とする。
これにより、研削工具を回転させながら被研削物を加工するだけで、特殊形状の溝に対応する外径,径,およびさ等の細部の寸法にあった形状の研削工具を、その一定の移動量を含めて外径内径,溝のおよび深さ等を設計することによって、所望の特殊形状の溝を容易に加工することができる。
本発明の研削工具によれば、主軸部を中心に回転させながら環状の研削部を同時に被研削物の表面に接触させて環状の溝を研削加工する研削工具であって、上記主軸部は通し穴を有し、上記主軸部にアームを介して研削部が連設されて上記アームと上記研削部とてカップ状となっており、上記研削部は、環状加工部と該環状加工部の先端に上記研削工具の中心および外の少なくとも一方に向かって径方向に突出した少なくとも1つ以上の環状の突出部とからなり、上記環状加工部および上記突出部の表面に砥粒層形成され、上記突出部のうち最下方に形成された突出部の底面に開口するように、幅が上記研削部の外周長に対して3〜6%、深さが上記突出部の厚みに対して15〜25%の複数のスリットを等間隔に設けたことにより、一つの研削工具の回転動作のみで研削物に特殊形状の環状の溝を加工することができ、大きな時間削減がれる。また、通し穴より注入された研削液が研削部の外面側にも行き届くこととなり、研削加工時の摩擦熱に対しての冷却効果が図られ、研削工具の長寿命化を図ることができる。また、研削加工時間を短縮することができるとともに、加工精度等を大幅に向上することができる。
また本発明の研削工具によれば、上記主軸部の通し穴と連通するとともに、先端が上記研削部に向かって開口する噴出し口を有し、該噴出し口から上記研削部に研削液を供給する供給ノズルを有することから、研削加工時加工部に研削加工を補助する研削液を十分に供給できることから、砥粒層の切れ味低下させることが少ないので研削加工を持続して行なうことができる。
らに、本発明の研削工具によれば、上記噴出し口を上記研削部方向に等間隔にヶ所以上有することにより、環状の研削部全体にわたって研削液が行き届くこととなり、特に主軸部の外径と上記研削部の外径の比が1:5以上であるときには、研削部の外径が大きな研削工具においても、研削液が研削部まで確実に行き届き、研削液を供給しながら円滑な加工を行うことができ、研削工具の寿命の向上させることができる。
また、本発明の研削加工方法によれば、上記構成の研削工具を用いて被研削物に環状の溝を研削加工する方法であって、上記主軸部を中心に回転させながら、その中心位置が上記研削部の外径に対して3〜6%の偏芯量で偏芯するように、上記研削部を同時に上記被研削物の表面に接触させて研削加工することにより、一つの研削工具の回転動作のみで所望の特殊形状の環状の溝に加工することができる。
以下、本発明の最良の実施形態を図面を参照して説明する。
本発明の研削工具の一実施形態を示す図面であり、図1(A)は断面図であり、(B)は同図(A)の底面図であり、(C)は同図(A)の研削部を示す拡大断面図である。この研削工具1は、主軸部4は通し穴2を有し、主軸部4にアーム3を介して研削部5が連設されて、アーム3と研削部5とでカップ状となっており、主軸部4を中心に回転させながら環状の研削部5を同時に被研削物の表面接触させて環状の溝を研削加工するものであり、炭素工具鋼材等から成るものである。
そして、研削部5は、環状加工部5aと環状加工部5aの先端に研削工具1の中心および外の少なくとも一方に向かって径方向に突出した少なくとも1つ以上の環状の突出部5bとからなり環状加工部5aおよび突出部5bの表面に砥粒層を形成したことを特徴とするものである。
このように研削部5が環状加工部5aと突出部5bからなる図1に示す研削工具1を用いて研削加工すれば、詳細を後述するように主軸部4中心回転させながら、一定量偏芯させて回転させるだけで、図4(C)に示すような各寸法f〜jの特殊形状の環状の溝を容易に研削加工することができる。
また、環状加工部5aおよび突出部5bの表面には、電着による砥粒層が形成されており、被研削物がセラミックス等の脆性材からなる場合においても高精度な加工を行うことができる。
また、突出部5bのうち最下方に形成された突出部の底面には、図1(B)および(C)に示すように幅wが研削部5の外周長Tに対して3〜6%、深さnが突出部5bの厚みmに対して15〜25%の複数のスリット6を開口するように等間隔に設けことを特徴とする
これは、主軸部4通し穴2を流れてきた研削液が開口部2aから噴出し、スリット6を有していることにより、研削部5の外面および内面両側研削液が行き届くこととなり、研削加工時の摩擦熱に対して冷却効果がられ、また研削速度(時間)や精度、研削部5の寿命にも効果が得られる。
リット6の幅wが研削部5の外周長Tに対して3%未満となると、通し穴2より研削液が入り込んでスリット6より研削液が研削部5の側へ抜けていくが、この研削液の流れが悪くなり、冷却効果が損なわれ、その結果研削工具1の主軸回転速度は遅くしなければならなくなり研削加工時間が長くなってしまう。一方、6%を超えると、研削加工時に被研削物を研磨する面が減少することにより研削加工時間が長くなり、また寸法精度も悪くなり品質が落ちることになる。
また、スリット6の深さnが突出部5bの厚みmの15%未満となると、研削液の流れが悪くなることにより、冷却効果が損なわれ、研削工具1の主軸回転速度は遅くしなければならなくなり研削加工時間が長くなってしまう。一方、25%を超えると、突出部5bの厚みが部分的に小さくなり、突出部5bの強度が低下して破損するおそれがある。
さらに、スリット6は、隣接するスリット6間の角度が30〜45°程度の間隔で8〜12個設けることが好ましく、これにより研削工具1の内側へ浸入した研削液はこのスリット6を通り外側へ放出され研削液は研削部5の両側に行き届くこととなり、研削加工中の研削工具や被研削物である製品を冷却することができる。
出部5bの厚みmは、この研削工具1を用いて図4(C)に示す特殊形状の溝を研削加工するために、寸法i−寸法jと同じ寸法になるよう設計されており、また、突出量kは、(寸法f−寸法h)/2となるように設計されている。このような寸法に設計された研削工具1を用いて一定量偏芯させて回転させながら研削加工を行なうことにより図4(C)に示す溝の形状が成り立つ。
また、図1(C)の突出部5bの厚みmは、2mm以上とすることが好ましい。これは前述したようにスリット6を形成した場合に肉厚が薄くなり、強度がくなり研削加工中、研削工具1が変形して研削加工精度が低下するおそれがあるためである。
さらに、図1(C)の突出部5bの長さkについても10mm以内とすることが好ましい。これも偏芯させながら研削加工を行なうとき、突出部5bの長さkが長すぎるために歪みが発生し研削工具1が変形するおそれがあるためである。
またさらに、アーム3には複数の通し穴を設けることにより、外部から供給された研削液がアーム3に設けられた通し穴より研削部5の内面に流入し、研削部5の外面および内面両側へ研削液が良好に行き届くこととなり、加工時の摩擦熱に対する冷却効果、研削速度(時間)や精度、研削部5の寿命に対しさらに効果を上げることもできる。
図2は本発明の研削工具の他の実施形態を示す図面であり、図2(A)および(C)は断面図であり、(B)は同図(A)の底面図であり、(D)は同図(B)の面図である。
本発明の研削工具1では、図2に示すように、主軸部4の通し穴2と連通するとともに、先端が研削部5に向かって開口する噴出し口15を有し、噴出し口15から研削部5に研削液を供給する供給ノズル14を有することが好ましい。
これによって、研削加工時に研削部5の突出部5bに良好に研削液を供給することができ、研削部5に電着されたダイヤモンド等の砥粒層の切れ味が低下することなく、研削加工時の回転数従来の約500rpmから800rpmへ上げることが可能となり、短時間で高精度な研削加工を行うことができる。
特に、図2(C)および(D)に示すように、主軸部4の外径D4と研削部5の外径D5の比が1:5以上である研削工具に好適に用いることができる。
これによって、研削工具1の外径が大きな場合でも、供給ノズル14のサイズを種々変更するだけで、研削液を研削部5の突出部5bに十分に供給することができ、加工精度を向上させることができる。
また、供給ノズル14噴出し口15が研削部5方向に等間隔に4ヶ所以上あることが好ましい。このような供給ノズル14を装着することにより、研削工具1自体が回転する構造となっているため供給ノズル14も回転し、環状の研削部5の周方向全面にわたって均一に研削液が供給され、円滑に研削加工することができる。一方、噴出し口15が4ヶ所未満となると、噴出し口15同志のなす角度は90°を超え、研削液を研削部5に確実に供給することができないおそれがある
なお、噴出し口15の数は、研削部5の外径によって種々変更することが望ましく、外径が大きくなるほど、噴出し口15の数を増やす必要がある。
また、供給ノズル14の噴出口15は、直径0.7〜1mmであることが好ましく、これにより研削液出す圧力確保され研削部5に加工屑が付着することなく、長期間円滑な加工を行うことができる。
さらに、各噴出し口15と研削部5の外径は、20〜50mmの距離に近接して設けることが好ましく、これにより高い水圧で研削部5に研削液を供給することができ、円滑で高精度な加工を行うことができる。
また、供給ノズル14の噴出し口15の角度は、研削部5に対して30〜60°の角度とし、研削部5の加工粉を除去するようにすることが好ましい
ここで、研削工具1を用いて被研削物に図4(C)に示すような特殊形状の溝を研削加工する方法について図3および図4を用いて説明する。
ず、図4(A)に示すような長さaおよび厚みbのプレート形状の被研削物を準備し、図3(A)に示すように被研削物に対して、研削工具1をその主軸部4を中心に回転させながら、図4(B)に示すような外径d,内径cおよび深さeの環状の溝を加工する。
このとき、研削工具1の突出部5bの寸法は、外径dおよび内径cの寸法と一致し、被研削物13に形成した環状の溝の中心と研削工具1の中心とは同じ位置にて加工を行う。
次いで、研削工具1をその中心位置が一定の偏芯量で偏芯するように研削加工する。
これは、図3(B)に示すように研削工具1は回転しながら図4(C)の(寸法g−寸法f)/2の分だけ偏心して図3(C)の動きに従って加工する。このように偏心しながら径方向に移動した量だけ加工ができた時点で図4(C)のような形状の溝を得ることができる。
このとき、研削工具1の中心位置の偏心量uは、研削部5の外径dに対して3〜6%の偏芯量uで偏芯するように研削加工することが好ましく、偏芯量uが3%未満となると、突出部5bの形状を生かした加工をすることができず、偏芯量uが6%を越えると偏心量uが多くなり加工時間が長くなる。
また、偏心量uは図4(C)の(寸法g−寸法f)/2の値、即ち環状の溝の開口幅を決定するものであり、そこから図1(C)のl−kの値、即ち研削部5の厚みを引いた値が偏芯量uとなることから、u=((g−f)/2)−(l−k)の式が成り立つ。従って、開口幅は偏芯量uと研削部の厚みを合わせた寸法に相当する。
このような研削加工方法を用いることで、図4(C)に示すような特殊形状(環状の溝に径の異なる環状の溝)の溝を一つの研削工具1の回転動作のみ研削加工できることになる。そのため、従来のように環状の溝と、径の異なる環状の溝を2種類の研削工具を用いて加工する必要がないため、交換作業等も不要になり、大きな時間削減をることができる。
なお、図1〜図3では研削部5が環状加工部5aと環状加工部5aの先端に研削工具1の中心に向かって径方向に突出した1つの突出部5bとからなる実施形態を説明したが、図5(A)に示すように突出部5bが、研削工具1の中心および外周に向かって径方向に突出した突出部5bであってもよく、その場合には上述と同様な研削加工を行うことで図5(B)に示すような特殊形状の溝を得ることができる。
図5(B)に示すような突出部5bを有する溝を形成する場合には、従来のように図6の研削工具を用いて研削加工する場合、中心に向かって突出する部分を加工した後、外周に向かって突出する部分を同じ加工を行うことにより形成するため、図5(A)の研削工具1を用いることにより図3(C)のよう中心を偏芯させて研削加工するだけで特殊形状の溝を一度に加工することができる本発明と比較して時間が約2倍かかる
また、図5(C)に示すように突出部5bを複数備えるものでもよい。この場合にも上述と同様な研削加工を行なうことで図5(D)に示すような特殊形状の溝を得ることができる。
図5(D)に示すような複数の径の異なる環状の溝を形成する場合には、このような研削工具1を非常に有効に用いることができる。
これは、従来のように図1に示すような研削工具1を用いて図5(D)の形状の溝を加工する場合、一つ目の径の異なる環状の溝研削加工した後、二つ目の径の異なる環状の溝研削加工しなければならないため、時間も約2倍かかるが、図5(C)の研削工具1を用いれば、図3(C)のような中心を偏芯させて加工するだけで図5(D)に示すような特殊形状の溝を一度に加工できることとなり、また、研削工具1の回転動作のみで特殊形状を加工できるため、研削工具を2種類使用する必要もなく、研削工具の交換作業が不要になることにより、大きな時間削減をすることができる。
また、研削工具1において、突出部5bが、研削工具1の中心および外周に向かって径方向に複数突出したものでもよ
このような、研削工具1は、SK材やSC材等の金属からなり、研削部5は、Niメッキが施され、粒径#120〜200のダイヤモンド粒を表面に付着させてなる。
このような研削工具1を用いた場合には、被研削物13として、アルミナジルコニア炭化珪素および窒化珪素等のセラミックスサーメットガラス等の脆性材からなる被研削物にも高精度な研削加工を施すことができる。
なお、本発明の研削工具1は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更は可能である。
図1に示す研削工具1および図6に示す従来の研削工具7および研削工具9を用いて図4(C)に示す環状の溝を研削加工する際の研削加工所要時間を比較した。
被研削物13として湿式静水圧加圧成形法により作製した成形体を焼成し、得られたアルミナセラミックスを用いて、図4(C)に示す各寸法fがφ68.58mmgがφ115.062mmhがφ60.96mmiが8.89mmおよびjが3.81mmとなる環状の溝を研削加工する。
ず、本発明の研削工具1は、SK材からなり、図1に示すような各寸法kが3.81mmlが10.24mmmが5.08mmおよびnが1mmで、研削部の外径がφ98.25mmでり、研削部5の表面に#120のダイヤモンド粒を電着した研削工具1を用いて、図4()の加工に続けて、偏心量を16.811mmとして研削加工を行い、図4(C)の形状で上記寸法となるように研削加工した。
また、従来例として、図6(A)に示すような外径φ20mmの研削部8を有する研削工具を用いて被研削物13にM/C加工を施し、図4(B)に示す内径であるφ69.58mm外径であるφ114.062mm深さである8.39mmの環状の溝を粗加工した
次いで、図6(B)に示す研削部10を有する研削工具9を使用して円筒研削機にて図4(C)の形状f〜j最終寸法となるように研削加工した
結果を表1に示す。
Figure 0004522066
表1の結果より、本発明の研削工具は、図4(B)に示す粗加工を施すのに時間、径の異なる環状の溝研削加工するのに0.8時間であり、計1.8時間で研削加工することができた。
これに対し、従来の研削工具7および研削工具9を用いた研削加工では、図4(B)に示す粗加工するのに時間、環状の溝の内径および外径を最終寸法まで加工するのに1.4時間、径の異なる環状の溝研削加工するのに1.4時間の計3.8時間を要し、本発明の研削工具1より2時間も時間を要することが判った。
次いで、図1および図2に示す研削工具を用いて図4(C)に示す環状の溝を研削加工する際の研削加工所要時間を比較した。
図1に示す研削工具1を用いて研削加工する被研削物13として、実施例1と同様に湿式静水圧加圧成形法により作製した成形体を焼成し、得られたアルミナセラミックスを用いる。そして、各寸法fがφ68.58mmgがφ115.062mmhがφ60.96mmiが8.89mmおよびjが3.81mmの環状の溝を研削加工する。
ず、本発明の研削工具1は、SK材からなり、実施例1と同様な図1に示す各寸法kが3.81mmlが10.24mmmが5.08mmおよびnが1mmであり、研削部の外径がφ98.25mmでり、研削部5の表面に#120のダイヤモンド粒を電着してなる研削工具1用いた。また、この研削工具1には、図2(D)に示すように、表2に示す如く数の噴出し口15を均等に有する供給ノズル14を取り付けた。
そして、この図1に示す形状の研削工具1を用いて、図4(の粗加工に続けて、偏心量を16.811mmとして研削加工を行い、図4(C)の形状で上記寸法となるように研削加工した
また、同様アルミナセラミックスからなり、寸法の大きな被研削物13を用意し、各寸法fがφ137.16mmgがφ230.124mmhがφ121.92mmiが8.89mmおよびjが3.81mmの環状の溝を研削加工した。これに用いた研削工具1はSK材からなり、各寸法kが3.81mmLが10.24mmmが5.08mmおよびnが1mmであり、研削部の外径がφ196.50mmでり、研削部5の表面に#120のダイヤモンド粒を電着してなる研削工具1である。また、この研削工具は、図2(D)に示すように表2に示す如く数の噴出し口15を均等に有する供給ノズル14を取り付けて研削加工を行なった。
そして、この研削工具1を用いて、図4(B)の粗加工に続けて、偏心量を16.811mmとして研削加工を行い、図4(C)の形状で上記寸法となるように研削加工した
それぞれ研削加工の際は、研削部に供給ノズル14の噴出し口15より直接研削液を噴出しながら回転加工し、研削部に詰まった研削粉等の目詰まりを除去しながら研削加工を行った。なお、研削工具の回転数は約800rpmとした。
その結果を表2に示す。
Figure 0004522066
表2の結果より、本発明の研削工具は、供給ノズル14を用いていない試料(No.1)では環状の溝を加工するのに1.8時間、供給ノズル14を用いた試料(No.2〜4)では、1.2〜1.4時間となり研削加工所要時間を短縮することができた。
特に、外径の大きな溝を加工する場合には、供給ノズル14を用いていない試料(No.5)では環状の溝を加工するのに3時間かかるのに対し、供給ノズル14を用いた試料(No.6〜8)では、1.5〜2時間となり研削加工所要時間をより短縮することができた。
また、供給ノズル14の噴出し口15の数は、外径がφ98.25mm研削工具を用いた場合には噴出し口15が4個で1.4時間個で1.2時間12個で1.2時間となり、8個と12個の場合では研削加工時間は同じであった。
また、外径がφ196.5mmの研削工具の場合、8個で2.0時間12個で1.5時間16個で1.5時間となり、12個と16個の場合で加工時間は同じであった。また、外径が大きくなるのに比例して、噴出し口15の数を増やすことが有効であり、ある程度の径に対して噴出し口15の数を増加させすぎても、効果は変化が無いことを確認できた。
(A)は本発明の研削工具の一実施形態を示す断面図であり、(B)は同図(A)の底面図であり、(C)は同図(A)の部分拡大断面図である。 (A)は本発明の研削工具の他の実施形態を示す断面図であり、(B)は同図(A)の底面図であり、(C)は本発明の研削工具のさらに他の実施形態を示す断面図であり、(D)は同図(C)の底面図である。 (A)は本発明の研削工具を用いた初期加工状態を示す概略断面図であり、(B)は途中の加工状態を示す概略断面図、(C)は研削工具の中心の研削加工時の軌道を示す概略図である。 (A)は本発明の研削工具を用いて研削加工を施す被研削物の断面図であり、(B)は同図(A)より初期加工を施した際の被研削物を示す断面図であり、(C)は最終加工を施した際の被研削物を示す断面図である。 (A)および(C)は本発明の研削工具の他の実施形態を示す断面図であり、(B)および(D)はそれぞれ同図(A)および(C)の研削工具を用いて研削加工を施した被研削物の断面図である。 (A)および(B)は従来の研削工具を示す平面図である。 (A)は従来の研削工具を用いて研削加工を施した被研削物を示す断面図であり、(B)〜(D)従来の研削工具の研削部を示す平面図である。
1:研削工具
2:通し穴
2a:開口部
3:アーム
4:主軸部
5:研削部
5a:環状加工部
5b:突出部
6:スリット
7:研削工具
8:研削部
9:研削工具
10:研削部
11:研削工具
12:研削部
13:被研削物
14:供給ノズル
15:噴出し口
16:通し穴
16a:開口部
17:ガス通路

Claims (6)

  1. 主軸部を中心に回転させながら環状の研削部を同時に被研削物の表面接触させて環状の溝を研削加工する研削工具であって、上記主軸部は通し穴を有し、上記主軸部にアームを介して研削部が連設されて上記アームと上記研削部とでカップ状となっており、上記研削部は、環状加工部と該環状加工部の先端に上記研削工具の中心および外の少なくとも一方に向かって径方向に突出した少なくとも1つ以上の環状の突出部とからなり、上記環状加工部および上記突出部の表面に砥粒層形成され、上記突出部のうち最下方に形成された突出部の底面に開口するように、幅が上記研削部の外周長に対して3〜6%、深さが上記突出部の厚みに対して15〜25%の複数のスリットを等間隔に設けたことを特徴とする研削工具。
  2. 上記主軸部の通し穴と連通するとともに、先端が上記研削部に向かって開口する噴出し口を有し、該噴出し口から上記研削部に研削液を供給する供給ノズルを有することを特徴とする請求項1に記載の研削工具。
  3. 上記噴出し口を上記研削部方向に等間隔にヶ所以上有することを特徴とする請求項に記載の研削工具。
  4. 上記主軸部の外径と上記研削部の外径の比が1:5以上であることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の研削工具。
  5. 請求項1に記載の研削工具を用いて被研削物に環状の溝を研削加工する方法であって、上記主軸部を中心に回転させながら、その中心位置が上記研削部の外径に対して3〜6%の偏芯量で偏芯するように、上記研削部を同時に上記被研削物の表面に接触させて研削加工することを特徴とする研削加工方法。
  6. 上記被研削物が脆性材からなることを特徴とする請求項に記載の研削加工方法。
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