JP2004188582A - 研削工具およびそれを用いた研削加工方法 - Google Patents

研削工具およびそれを用いた研削加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】各寸法箇所を1ヶ所づつ加工し仕上げることにより形状が複雑になる程加工時間が増加していたものを、一定の移動量のみですべて加工することで、加工時間の大幅な削減できる研削工具を提供する。
【解決手段】主軸部4を中心に回転させながら被研削物13に対して環状に研削加工を施すカップ状の研削部5を有する研削工具1であって、上記研削部5が環状加工部5aと、該環状加工部5aの先端に研削工具1の中心および/または外周に向かって径方向に突出した少なくとも1つ以上の環状の突出部5bとからなり、表面に砥粒層を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は被研削物に環状に研削加工を施すカップ状の研削部を有する研削工具および研削加工方法に関し、特にセラミックス等の硬質な脆性材に環状加工を施す研削加工工具、その研削加工方法に関する。
従来より、被研削物に環状に研削加工を施す研削工具として、カップ状の研削部を有する研削工具が用いられてきた。
例えば、図7(A)に示すように被研削物13に外径r、内径s、深さtからなる環状の溝を研削加工する場合には、図7(B)に示すような図7(A)の溝の外径rと同様の外径q、内径sに対して内径pのカップ状の研削部12を有する研削工具11を用いて深さtだけ研削加工すればよく、研削部12の主軸を中心に回転させることによって研削加工することができる(特許文献1参照)。
また、上記カップ状の研削部12を有する研削工具11には、図7(C)に示すように
主軸部のセンターに通し穴16が開いており、この通し穴16から研削液が通り、噴出した研削液は、研削部12の内側を伝わって研削部12の先端に伝わり、研削部12の外側へ研削液が通って抜けて行くという構造となっていた。
また、外径の大きなものを加工する場合には、研削液を研削部12に行き届かせるため、図7(D)に示すように、主軸部には通し穴16が形成され、この通し穴16の開口部16aに研削部12の回転につれ外部の空気を吸い込み空洞部内に導入する吸入羽根構造(不図示)が設けられ、さらに、空洞部に連通し研削部12の端面に開口するとともに、その途中で研削部12の内側に供給される研削液を空気と合流させ導出するガス通路17が形成されているものが提案されている(特許文献2参照)。
しかし、単に環状の溝を加工するだけの場合にはこのようなカップ状の研削部12を有する研削工具11を用いればよいが、例えば図3(C)のような特殊溝を加工するためには、次に記す内容の加工を行っていた。
まず、被研削物13を研削し、図4(A)に示すような長さa、厚みbのプレート形状に加工しておく。
次に図6(A)に示すような研削工具7を使用してM/C加工を行い、研削部8により図4(B)の内径c、外径d、深さeの環状の溝底面を粗加工する。
ここで図6(A)の研削工具7から図6(B)の研削工具9へ交換し、この研削部10を使用して円筒研削機にて図4(C)の形状を加工し、各寸法f〜jまでを1ヶ所づつ最終寸法へ加工する方法が用いられている。
特開2001−1268号公報 特開平05−69339号公報
しかしながら、上記従来の加工方法で図4(C)に示すような特殊形状の溝を加工する場合、各寸法箇所を1ヶ所づつ加工し、仕上げることにより形状が複雑な場合になるだけ、加工時間は増加していた。
また、従来は、図6(A)、(B)の2本の研削工具7、9を使用して、図4(C)の寸法f〜jを1ヶ所づつ加工していたことから、加工時間にかなりの時間を必要とした。
さらに、図6(B)の2本目の研削工具9を使用するに当たり、前もって図6(A)の1本目の研削工具7で粗加工を行なう作業や、それぞれの研削工具7、9を交換する作業があるため、さらに時間を要していた。
本発明は、上述した課題に鑑みなされたものであって、その目的は被研削物に特殊形状の溝を加工する際に、一定の移動量のみで各寸法を研削加工することで加工時間の大幅な削減を計ることにある。
本発明は、主軸部を中心に回転させながら被研削物に対して環状に研削加工を施すカップ状の研削部を有する研削工具であって、上記研削部が環状加工部と、該環状加工部の先端に研削工具の中心および/または外周に向かって径方向に突出した少なくとも1つ以上の環状の突出部とからなり、表面に砥粒層を形成したことを特徴とする。
また、上記主軸部に通し穴を設けるとともに、上記突出部のうち下方に形成された突出部に、幅が研削部の外周長に対して3〜6%、深さが突出部の厚みに対して15〜25%の複数のスリットを突出部の底面に開口するように等間隔に設けたことを特徴とする。
さらに、上記主軸部の通し穴と連通するとともに、先端が研削部に向かって開口する噴出し口を有し、噴出し口から上記研削部に研削液を供給する供給ノズルを有することを特徴とする。
またさらに、上記噴出し口が研削部方向に等間隔に4ヶ所以上有することを特徴とする。
さらにまた、上記主軸部の外径と研削部の外径の比が1:5以上であることを特徴とする。
さらに、上記研削工具を用いて研削加工を施す方法であって、上記主軸部を中心に回転させながら、その中心位置が研削部の外径に対して3〜6%の偏芯量で偏芯するように研削加工することを特徴とする。
またさらに、上記被研削物は脆性材からなることを特徴とする。
これにより、研削工具を回転させながら被研削物を加工するだけで、特殊形状の溝に対応する外側寸法、内側寸法、溝部幅寸法、溝部深さ寸法等の細部の寸法にあった形状の研削工具を、その一定の移動量を含めて外径、内径、幅、深さ等を設計することによって、所望の特殊形状の溝を容易に加工することができる。
本発明の研削工具によれば、研削部が環状加工部と、該環状加工部の先端に研削工具の中心および/または外周に向かって径方向に突出した少なくとも1つ以上の環状の突出部とからなり、表面に砥粒層を形成したことにより、研削部の回転動作のみで1本の研削工具で特殊形状の環状の溝を加工することができ、大きな時間削減がはかれる。
また、上記主軸部に通し穴を設けるとともに、上記突出部のうち下方に形成された突出部に、幅が研削部の外周長に対して3〜6%、深さが突出部の厚みに対して15〜25%の複数のスリットを突出部の底面に開口するように等間隔に設けたことから、通し穴部より研削液が注入され、更に外側よりも研削液が当てられることにより、加工時の摩擦熱に対しての冷却効果が計られ、通常の加工時間よりも早く加工をおこなうことができるとともに、研削工具の寿命、加工精度等を大幅に向上することができる。
さらに、上記主軸部の通し穴と連通するとともに、先端が研削部に向かって開口する噴出し口を有し、該噴出し口から研削部に研削液を供給する供給ノズルを有することから、研削加工時に加工部に集中して加工を補助する研削液を供給することが可能であるため、研削液が集中して供給できることから、砥粒層の切れ味が低下することなく持続できる。
またさらに、上記噴出し口が研削部方向に等間隔に4ヶ所以上有することにより、環状の研削部全体にわたって研削液が流れ、特に主軸部の外径と研削部の外径の比が1:5以上の研削部の外径が大きな研削工具においても、研削液が研削部まで確実に行き届き、研削液を供給しながら円滑な加工を行うことができ、研削工具の寿命の向上させることができる。
また、形状加工部の先端に研削工具の中心および/または外周に向かって径方向に突出した少なくとも1つ以上の環状の突出部を設けた構造にすることで、その加工時間を短縮でき効果が大きい。
また、上記研削工具を用いて研削加工を施す方法であって、上記主軸部を中心に回転させながら、その中心位置が研削部の外径に対して3〜6%の偏芯量で偏芯するように研削加工することにより、回転しながら加工される製品において内側、外側、底面形状を同時に加工でき、所望の特殊形状に加工することができる。
以下、本発明の最良の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の研削工具の一実施形態を示す図面であり、図1(A)は断面図、(B)は底面図、(C)は同図(A)の研削部を示す拡大断面図であり、主軸部4にアーム3を介してカップ状の研削部5が連設されており、主軸部4を中心に回転させながら被研削物に対して環状に研削加工を施すものであり、炭素工具鋼材等から成るものである。
本発明の研削工具1は、上記研削部5が環状加工部5aと、該環状加工部5aの先端に研削工具1の中心および/または外周に向かって径方向に突出した少なくとも1つ以上の環状の突出部5bとを有し、その表面に砥粒層を形成したことを特徴とするものである。
このように研削部5が環状加工部5aと突出部5bからなる場合、図1に示す研削工具1を用いて研削加工した際に、図4(C)に示すような各寸法f〜jを有する特殊形状の溝を詳細を後述するように主軸部4の中心を回転させながら、一定量偏芯させて回転させるだけで容易に加工することができる。
上記研削部5には、電着による砥粒層が形成されており、被研削物がセラミックス等の脆性材からなる場合においても高精度な加工を行うことができる。
また、上記突出部5bには、図1(B)、(C)に示すように幅wが研削部5の外周長Tに対して3〜6%、深さnが突出部5bの厚みmに対して15〜25%の複数のスリット6を突出部5aの底面に開口するように等間隔に設けることが好ましい。
これは、上記主軸部4に研削液を流す通し穴2を設けた場合、通し穴2を流れてきた研削液が開口部2aから噴出し、スリット6に伝わり、研削部5の外面、内面両側を研削液が循環することとなり、加工時の摩擦熱に対して冷却効果が計られ、また研削速度(時間)や精度、研削部5の寿命にも効果が得られる。
上記スリット6の幅wが研削部5の外周長Tに対して3%未満となると、通し穴2より研削液が入り込んでスリット6より研削液が外側へ抜けていくが、この研削液の流れが悪くなり、冷却効果が損なわれ、その結果研削工具1の主軸回転速度は遅くしなければならなくなり加工時間が長くなってしまう。一方、6%を超えると、加工時に被研削物を研磨する面が減少することにより加工時間が長くなり、また寸法精度も悪くなり品質が落ちることになる。
また、上記スリット6の深さnが突出部5bの厚みmの15%未満となると、研削液の流れが悪くなることにより、冷却効果が損なわれる、その結果、研削工具1の主軸回転速度は遅くしなければならなくなり加工時間が長くなってしまう。一方、25%を超えると、突出部5bの厚みが部分的に小さくなり、突出部5bの強度が低下して破損する恐れがある。
さらに、上記スリット6は、隣接するスリット6間の角度が30〜45°程度の間隔で8〜12個設けることが好ましく、これにより研削工具1の内側へ浸入した研削液はこのスリット6を通り外側へ放出され研削液は循環し、研削中の工具や製品を冷却することができる。
上記突出部5bの厚みmは、この研削工具1を用いて加工された特殊形状の溝を示す図4(C)に示す(寸法i−寸法j)の加工を施すために、この寸法と同じ寸法になるよう設計されており、また、突出量kは、図4(C)の(寸法f−寸法h)/2寸法の加工を施すためにこの寸法となるように設計されている。これを偏芯しながら加工を行なうことにより溝部の形状が成り立つ。
また、図1(C)の突出部5bの厚みmは、2mm以上とすることが好ましい。これは前述したようにスリット6を形成した場合に肉厚が薄くなり、強度が無くなり加工中、研削工具1が変形して加工精度が低下する恐れがあるためである。
さらに、図1(C)の突出部5bの長さkについても10mm以内とすることが好ましい。これも偏芯加工中に突出部5bの長さkが長すぎるために歪みが発生し研削工具1が変形する恐れがあるためである。
またさらに、アーム3には複数の通し穴を設けることにより、上記主軸部4の外部から供給された研削液がこの通し穴より研削部5の内面に流入し、研削部5の外面、内面両側への循環が強化され、加工時の摩擦熱に対する冷却効果、研削速度(時間)や精度、研削部5の寿命に対し更に効果を上げることもできる。
図2は本発明の研削工具の他の実施形態を示す図面であり、図2(A)、(C)は断面図、(B)は同図(A)の底面図、(D)は同図(B)の断面図である。
本発明の研削工具1では、図2に示すように、上記主軸部4の通し穴2と連通するとともに、先端が研削部5に向かって開口する噴出し口15を有し、該噴出し口15から研削部5に研削液を供給する供給ノズル14を有することが好ましい。
これによって、研削加工時に研削部5の突出部5bに集中して研削液を供給することができ、研削部5に電着されたダイヤモンド等の砥粒層の切れ味が低下することなく、加工時の回転数も通常、従来の約500rpmから、800rpmへ上げることが可能となり、短時間で高精度な加工を行うことができる。
特に、図2(C)、(D)に示すように、上記主軸部4の外径D4と研削部5の外径D5の比が1:5以上である研削工具に好適に用いることができる。
これによって、供給ノズル14のサイズを種々変更するだけで、研削工具1の外径が大きな場合でも研削液を研削部5の突出部5bに十分に供給することができ、加工精度を向上させることができる。
また、上記供給ノズル14は、噴出し口15が研削部5方向に等間隔に4ヶ所以上あることが好ましく、研削工具1自体が回転する構造となっているがそれに供給ノズル14を装着することにより供給ノズル14も回転し、環状の研削部5の周方向全面にわたって均一に研削液が供給され、円滑に研削加工することができる。一方、噴出し口15が4ヶ所未満となると、噴出し口15同志のなす角度は90°を超え、研削液を研削部5に確実に供給することができない。
なお、噴出し口15の数は、研削部5の外径によって種々変更することが望ましく、
外径が大きくなるほど、ノズル数を増やす必要がある。
また、上記供給ノズル14の噴出口15は、直径0.7〜1mmが好ましく、研削液が噴出す圧力を確保されることにより研削部5に加工屑が付着することなく、長期間円滑な加工を行うことができる。
さらに、上記各噴出し口15と研削部5の外径は、20〜50mmの距離に近接して設けることが好ましく、高い水圧で研削部5に研削液を供給することができ、円滑で高精度な加工を行うことができる。
また、供給ノズル14の噴出し口15の角度は、研削部5に30〜60°の角度とし、研削部5の加工粉を除去するようにする。
ここで、上記研削工具1を用いて被研削物に図4(C)に示すような特殊形状の溝を研削加工する方法について図3、4を用いて説明する。
先ず、図4(A)に示すような長さa、厚みbのプレート形状の被研削物を準備し、図3(A)に示すように被研削物に対して、研削工具1をその主軸部4を中心に回転させながら、図4(B)に示すような内径c、外径d、深さeの環状の溝を加工する。
このとき、研削工具1の外径は、上記内径c、外径dの寸法と一致し、被研削物13に形成した環状の溝の中心と研削工具1の中心とは同じ位置にて加工を行う。
次いで、研削工具1をその中心位置が一定の偏芯量で偏芯するように研削加工する。
これは、図3(B)に示すように研削工具1は回転しながら図4(C)の(寸法g−寸法f)/2の分だけ偏心して図3(C)の動きに従って加工する。このように偏心しながら径方向に移動した量だけ加工ができた時点で図4(C)のような形状の溝を得ることができる。
このとき、上記研削工具1の中心位置の偏心量uは、研削部5の外径dに対して3〜6%の偏芯量uで偏芯するように研削加工することが好ましく、偏芯量uが3%未満となると、突出部5bの形状を生かした加工をすることができず、6%を越えると偏心量uが多くなり加工時間が長くなるためである。
また、上記偏心量uは図4(C)の(寸法g−寸法f)/2の値、即ち環状の溝の開口幅を決定するものであり、そこから図1(C)のl−kの値、即ち研削部5の厚みを引いた値が偏芯量uとなることから、u=((g−f)/2)−(l−k)の式が成り立つ。従って、開口幅は偏芯量uと研削部の厚みを合わせた寸法に相当する。
このような研削加工方法を用いることで、図4(C)に示すような突出部を有する環状の溝を1本の研削工具1を用いて1回の加工で同時に加工できることになる。そのため、従来のように環状の溝と、突出した溝を2種類の研削工具を用いて加工する必要がないため、使用や交換作業等も不要になり、大きな時間削減を計ることができる。
なお、図1〜図3では研削部5が環状加工部5aと、該環状加工部5aの先端に研削工具1の中心に向かって径方向に突出した1つの突出部5bを有する実施形態を説明したが、図5(A)に示すように突出部5bが、研削工具1の中心および外周に向かって径方向に突出した突出部5bを有するものでもよく、その場合には上述と同様な加工を行うことで図5(B)に示すような特殊形状の溝を得ることができる。
図5(B)に示すような突出部を有する溝を形成する場合には、従来のように図6の研削工具を用いて加工する場合、先ず中心に向かって突出する部分を加工した後、外周に向かって突出する部分を同じ加工を行うことにより形成するため、時間も約2倍かかるが、図5(A)の研削工具1を用いることにより図3(C)のような中心を偏芯させて加工するだけで何通りもの特殊形状の溝を一度に加工することができる。
また、図5(C)、(D)に示すように突出部5bを複数備えるものでもよい。この場合にも上述と同様な加工を行なうことで図5(D)に示すような特殊形状の溝を得ることができる。
図5(D)に示すような2段の突出部を有する溝を形成する場合には、このような研削工具1を非常に有効に用いることができる。
これは、従来のように図1に示すような研削工具1を用いて図5(D)の形状の溝を加工する場合、1段目の突出部を加工した後、2段目の突出部を同じ加工を行うことにより加工するため、時間も約2倍かかるが、図5(C)の研削工具1を用いることにより図3(C)のような中心を偏芯させて加工するだけで何通りもの特殊形状の溝を一度に加工できることとなり、また、研削工具1の回転動作のみで特殊形状を加工できるため、研削工具を2種類使用する必要もなく、ダ付け替え作業が不要になることにより、大きな時間削減をすることができる。
また、上記図1、図5の研削工具1において、突出部5bが、研削工具1の中心および外周に向かって径方向に多段にわたって突出したものでもよく、また、突出部5bが環状加工部5aの中間部から突出することにより、上述と同様な加工を行うことでさまざまな特殊形状の溝を得ることができる。
このような、研削工具1は、SK材やSC材等の金属からなり、研削部5は、Niメッキと粒径#120〜200のダイヤモンド粒を表面に付着させてなる。
このような研削工具1を用いた場合には、上記被研削物13として、アルミナ、ジルコニア、炭化珪素、窒化珪素等のセラミックス、サーメット、ガラス等の脆性材からなる被研削物にも高精度な加工を施すことができる。
なお、本発明の研削工具1は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更は可能である。
図1に示す研削工具、図6に示す従来の研削工具を用いて図4(C)に示す環状の溝を加工する際の加工所要時間を比較した。
被研削物として湿式静水圧加圧成形法により作製した成形体を焼成し、得られたアルミナセラミックスを用いて、図4(C)に示す各寸法fがφ68.58mm、gがφ115.062mm、hがφ60.96mm、iが8.89mm、jが3.81mmの環状の溝を加工する。
先ず、本発明の研削工具として、図1に示すような各寸法kが3.81mm、lが10.24mm、mが5.08mm、nが1mmで、研削部の外径がφ98.25mmでSK材からなり、研削部5の表面に#120のダイヤモンド粒を電着したものを用いた。この研削工具1を用いて、図4(A)のように粗加工を行い、図4(C)の溝の内径fφ68.58mm、外径gφ115.062mm、深さi8.89mmの開口部を形成する。そして偏心量を16.811mmとして図4(B)に示すような加工を行い、図4(C)の突出部を加工した。
また、従来例として、先ず、図6(A)に示すような外径φ20mmの研削工具を用いて被研削物にM/C加工を施し、研削部8により図4(B)に示す内径cφ69.58mm、外径dφ114.062mm、深さe8.39mmの環状の溝を粗加工する。
次いで、図6(A)の研削工具から図6(B)の研削工具へ交換し、この研削部を使用して円筒研削機にて図4(C)の形状を加工し、各寸法f〜jまでを1ヶ所づつ最終寸法へ加工する方法が用いられている。
結果を表1に示す。
Figure 2004188582
表1の結果より、本発明の研削工具は、環状の溝を加工するのに1時間、突出部を加工するのに0.8時間で計1.8時間で加工することができた。
これに対し、従来の研削工具を用いた加工では、環状の溝を加工するのに1時間、環状の溝の内径、外径を最終寸法まで加工するのに1.4時間、突出部の径を加工するのに1.4時間の計3.8時間を要し、本発明の研削工具1より2時間も時間を要することが判った。
次いで、図1、2に示す研削工具を用いて図4(C)に示す環状の溝を加工する際の加工所要時間を比較した。
被研削物として、実施例1と同様に湿式静水圧加圧成形法により作製した成形体を焼成し、得られたアルミナセラミックスを用いて、各寸法fがφ68.58mm、gがφ115.062mm、hがφ60.96mm、iが8.89mm、jが3.81mmの環状の溝を加工する。
先ず、本発明の研削工具として、実施例1と同様な図1に示す各寸法kが3.81mm、lが10.24mm、mが5.08mm、nが1mmで、研削部の外径がφ98.25mmでSK材からなり、研削部5の表面に#120のダイヤモンド粒を電着してなる研削工具、また、図2(B)に示すようにこの研削工具に表2に示す如く数の噴出し口を均等に有する供給ノズルを取り付けた研削工具をそれぞれ用いた。
そして、この研削工具1を用いて、図4(A)のように粗加工を行い図4(B)の溝の内径fφ68.58mm、外径gφ115.062mm、深さi8.89mmの開口部を形成する。そして偏心量を16.811mmとして図4(B)に示すような加工を行い、図4(C)の突出部を加工する。
また、同様なアルミナセラミックスからなり、各寸法fがφ137.16mm、gがφ230.124mm、hがφ121.92mm、iが8.89mm、Jが3.81mmの環状の溝を、研削部5の表面に#120のダイヤモンド粒を電着したもの、各寸法kが3.81mm、Lが10.24mm、mが5.08mm、nが1.00mmで、研削部の外径がφ196.50mmでSK材からなり、研削部5の表面に#120のダイヤモンド粒を電着してなる研削工具、また、この研削工具に図2(D)に示すように表2に示す如く数の噴出し口を均等に有する供給ノズルを取り付けた研削工具をそれぞれ用いた。
そして、この研削工具1を用いて、図4(A)のように粗加工を行い図4(B)の溝の内径fφ137.16mm、外径gφ230.124mm、深さiが8.89mmの改後部を形成する。そして偏心量を16.811mmとして図4(B)に示すような加工を行い、図4(C)の突出部を加工する。
それぞれ加工の際は、研削部に供給ノズルより直接研削液を噴出しながら回転加工し、研削部に詰まった研削粉等の目詰まりを除去しながら加工を行った。なお、研削工具の回転数は約800rpmとした。
その結果を表2に示す。
Figure 2004188582
表2の結果より、本発明の研削工具は、供給ノズルを用いていない試料(No.1)では環状の溝を加工するのに1.8時間、供給ノズルを用いた試料(No.2〜4)では、1.2〜1.4時間となり加工所要時間を短縮することができた。
特に、外径の大きな溝を加工する場合には、供給ノズルを用いていない試料(No.5)では環状の溝を加工するのに3時間かかるのに対し、供給ノズルを用いた試料(No.6〜8)では、1.5〜2時間と2倍程度加工所要時間をより短縮することができた。
また、供給ノズルの噴出し口の数は、外径が98.25mmの工具試料を用いた場合には噴出し口が4個の場合で1.4時間、8個の場合で1.2時間、12個の場合で1.2時間となり、8個と12個の場合では加工時間は同じであった。
また、外径が196.5mmの工具試料の場合、8個で2.0時間、12個で、1.5時間、16個で1.5時間となり、12個と16個の場合でも加工時間は同じであった。また、外径が大きくなるのに比例して、それ以上に噴出し口の数を増やすことが有効であり、ある程度の径に対してノズル数を増加させすぎても、効果は変化が無いことを確認できた。
(A)は本発明の研削工具の一実施形態を示す断面図、(B)は底面図、(C)は同図(A)の部分拡大断面図である。 (A)は本発明の研削工具の他の実施形態を示す断面図、(B)は同図(A)の底面図、(C)は本発明の研削工具のさらに他の実施形態を示す断面図、(D)は同図(C)の底面図である。 (A)は本発明の研削工具を用いた初期加工状態を示す概略断面図、(B)は最終加工状態を示す概略断面図、(C)は研削工具の中心の研削加工時の軌道を示す概略図である。 (A)は本発明の研削工具を用いて研削加工を施す被研削物の断面図、(B)は同図(A)より初期加工を施した際の被研削物を示す断面図、(C)は最終加工を施した際の被研削物を示す断面図である。 (A)、(C)は本発明の研削工具の他の実施形態を示す断面図、(B)、(D)はそれぞれ同図(A)、(C)の研削工具を用いて研削加工を施した被研削物の断面図である。 (A)、(B)は従来の研削工具を示す平面図である。 (A)は従来の研削工具を用いて研削加工を施した被研削物を示す断面図、(B)は同図(A)の研削加工に用いた研削工具の研削部を示す平面図である。
符号の説明
1:研削工具
2:通し穴
2a:開口部
3:アーム
4:主軸部
5:研削部
5a:環状加工部
5b:突出部
6:スリット
7:研削工具
8:研削部
9:研削工具
10:研削部
11:研削工具
12:研削部
13:被研削物
14:供給ノズル
15:噴出し口
16:通し穴
16a:開口部
17:ガス通路

Claims (7)

  1. 主軸部を中心に回転させながら被研削物に対して環状に研削加工を施すカップ状の研削部を有する研削工具であって、上記研削部が環状加工部と、該環状加工部の先端に研削工具の中心および/または外周に向かって径方向に突出した少なくとも1つ以上の環状の突出部とからなり、表面に砥粒層を形成したことを特徴とする研削工具。
  2. 上記主軸部に通し穴を設けるとともに、上記突出部のうち下方に形成された突出部に、幅が研削部の外周長に対して3〜6%、深さが突出部の厚みに対して15〜25%の複数のスリットを突出部の底面に開口するように等間隔に設けたことを特徴とする請求項1に記載の研削工具。
  3. 上記主軸部の通し穴と連通するとともに、先端が研削部に向かって開口する噴出し口を有し、該噴出し口から研削部に研削液を供給する供給ノズルを有することを特徴とする請求項1または2に記載の研削工具。
  4. 上記噴出し口が研削部方向に等間隔に4ヶ所以上有することを特徴とする請求項3に記載の研削工具。
  5. 上記主軸部の外径と研削部の外径の比が1:5以上であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の研削工具。
  6. 請求項1または2に記載の研削工具を用いて研削加工を施す方法であって、上記主軸部を中心に回転させながら、その中心位置が研削部の外径に対して3〜6%の偏芯量で偏芯するように研削加工することを特徴とする研削加工方法。
  7. 上記被研削物が脆性材からなることを特徴とする請求項3に記載の研削加工方法。
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