JP2012232350A - 刃先交換式ラジアスエンドミル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 工具本体2の先端部3に第1のインサート12を固定する第1取付座4と、第2、第3のインサート13、14をそれぞれ固定する第2及び第3取付座を備えている。第1取付座4に装着される第1のインサート12を、第1の固定用ネジ9により固定する固定用ネジ穴8の向きは、第1取付座4となるインサート嵌合溝7が工具本体2の径方向に延びる向きと直交する方向に対して、工具本体2の回転方向とは逆方向に角度θ傾斜した方向に形成している。さらに、第1の固定用ネジ9を挿通させるために第1のインサート12に形成した傾斜ネジ挿通穴12jも角度θ傾斜させている。そして、第1取付座4に第1のインサート12を固定したときには、傾斜ネジ挿通穴12jの内周面部12kと第1の固定用ネジ9の外周面部9cとは角度θ傾斜した状態で密に係合するようにしている。
【選択図】 図4
Description
前記取付座は、
前記工具本体の先端部に前記軸線を含む該工具本体の径方向に形成されたスリット状のインサート嵌合溝からなり、前記インサート嵌合溝に挿入された第1のインサートを、前記第1のインサートを貫通して形成された傾斜ネジ挿通穴に、外周面に仕上げ加工を施した外周面部を備えた第1の固定用ネジを挿通させたネジ締結により固定するための第1取付座と、
前記インサート嵌合溝により、前記工具本体の先端部に形成された先端半体部の一方と他方にそれぞれ設けられた取付座であって、第2のインサートを着脱自在に固定用ネジにより固定する第2取付座と、第3のインサートを着脱自在に固定用ネジにより固定する第3取付座と、を備え、
平板状で、平面視で略四角形状をなす前記第1のインサートは、切れ刃として、その先端面部の中央部からそれぞれの側面部に向けて形成された底刃と、前記側面部のそれぞれに形成された外周刃と、前記底刃と前記外周刃とを繋ぐコーナR刃を有し、前記傾斜ネジ挿通穴の中心線は、前記平板状の平面に対して角度θ傾斜するとともに、その内周壁面は仕上げ加工を施した内周面部を有し、
平板状をなす前記第2及び第3のインサートは、切れ刃として、その先端面部に形成された底刃と、一方の側面部に形成された外周刃と、前記底刃と前記外周刃とを繋ぐコーナR刃を有し、
前記先端半体部は、一方の前記先端半体部の外表面から前記インサート嵌合溝内において前記軸線を介するように、他方の前記先端半体部の内部に達して形成されたネジ穴であって前記インサート嵌合溝が前記工具本体の径方向に延びる向きと直交する方向に対して、前記工具本体の回転方向とは逆方向に前記角度θ傾斜した方向に形成された第1インサート固定用ネジ穴を備え、
前記第1取付座に、前記第1のインサートを前記第1の固定用ネジによるネジ締結で固定したときには、
前記第1の固定用ネジの前記外周面部と前記傾斜ネジ挿通穴の前記内周面部とは密に係合していることを特徴としている。
前記軸線方向に対する前記工具本体に装着した前記インサートの最下点が、前記軸線と垂直に交わる同一平面上であって、前記第1のインサートの切れ刃に2ケ所、前記第2及び第3のインサートの切れ刃にそれぞれ1ケ所存在するようになされていることを特徴としている。
前記第2及び第3のインサートはその基体が超硬合金から構成されるとともに該第2及び第3のインサートの前記切れ刃は、前記基体に立方晶窒化硼素焼結体を含む硬質焼結体から形成された切れ刃を接合した構成からなっていることを特徴としている。
(1)第1のインサートの固定用ネジ挿通穴と工具本体の第1インサート固定用ネジ穴を、工具本体の正回転方向とは逆方向に傾斜させることによって、第2、第3のインサートをネジにより装着できるスペースを充分に設けることができるので、刃先交換式ラジアスエンドミルを4枚刃とすることが可能になる。その結果として、本発明は、従来の2刃タイプの刃先交換式ラジアスエンドミルに比べ、1刃当りの負荷が半分に低減される事により、送り速度Vfを2倍にアップでき、工具寿命も約2倍に向上するなど、切削工具1本当たりの切削性能を向上することができ、平面切削加工及び立ち壁の高速切削加工において高能率、高精度、且つ、工具寿命に優れる刃先交換式ラジアスエンドミルを提供することができる。
図1〜図3は、本発明の一実施形態を示す刃先交換式ラジアスエンドミル1について、切れ刃となるインサートを装着していないときの工具本体2の構成を示す図である。なお、図1は工具本体2の平面図、図2は工具本体2をその先端部から回転中心軸O(以下、「軸線O」という)方向へみたときに、工具本体2の先端部の構成を示す側面図、図3は図1に示す工具本体2を、軸線Oに対して90°異なる方向からみたときに、先端部の構成を示す正面図である。
なお、工具本体2の先端部3は、インサート嵌合溝7の形成により2分割された構成になり、以下の説明において、この2分割された先端部3の一方を先端半体部3a、他方を先端半体部3bとして説明する。
本発明において、第1インサート固定用ネジ穴8の向きが、この直線O2に対して傾斜する傾斜角度θは、20°≦θ≦40°の範囲に設定することが望ましい。なお、図2に示す11は、先端部3に形成した切屑排出の溝である。
図4〜図6は、本発明の実施形態となる刃先交換式ラジアスエンドミル1の構成を説明するための図であって、図1に示す工具本体2の第1取付座4に第1のインサート12を、第2取付座5に第2のインサート13を、第3取付座6に第3のインサート14を装着して固定したときの状態を示す図である。
続いて、第1のインサート12の構成を、図7〜図9を参照して説明する。図7は第1のインサート12について上面部の構成を示す図、図8は図7に示す第1のインサート12について、紙面の左側(切れ刃方向)から見たときの構成を示す側面図、図9は図7に示すA−A線における断面の形状を示す図である。
なお、図7に示す12pはすくい面であって、上面部12a(下面部12b)に対してその高さを若干低くした平面状をなしている。また、図7に示す直線O4は、平面視において第1のインサート12の高さYを2等分する直線であって、第1のインサート12を第1取付座4に装着して固定したときに軸線Oと一致する直線である。2つの底刃12c、12dのそれぞれの一方の端部は、この直線O4、又は直線O4の近傍まで形成され、かつ、2つの底刃12c、12dは直線O4に向かって角度αの中低勾配をなすように形成されている。
図7に示す第1のインサート12のA−A線(傾斜ネジ挿通穴12jの中心線を通り直線O4と直交する平面)の断面の状態を示す図9において、傾斜ネジ挿通穴12jの向き、すなわち、傾斜ネジ挿通穴12jの中心線を通る直線O8の向きは、第1のインサート12の断面の中心線O7に対して角度δほど傾斜させている。なお、図9に示す直線O7は、第1のインサート12の上面部12a(又は下面部12b)に対して直交する直線を示す。そして、傾斜ネジ挿通穴12jの内周面が直線O8に沿う向きも、角度δほど傾斜した方向に設けるとともに、傾斜ネジ挿通穴12jの内周面には仕上げ加工を施した内周面部12kを形成している。なお、角度δは、前記した角度θ、すなわち第1インサート固定用ネジ穴8の向きO3の傾斜角度と同じ角度、すなわち、20°≦δ≦40°内の適切な角度に設定する。
図10(a)は、上記した粉末のプレス成形により成形した第1のインサート12の成形体の素材を、焼結した後の断面形状を示している。この焼結した成形体は、厚さtを有している。粉末のプレス成形においては、金型のキャビティーの形状を適切に設計することにより、上記した角度δほど傾斜し、長さL(焼結後の長さ)を有する傾斜ネジ挿通穴12jを備えた第1のインサート12を成形することができる。
続いて、第1のインサート12の製造方法について説明する。超硬合金製の第1のインサート12は、例えば、次の手順(1)〜(5)により製造することができる。
続いて、第1の固定用ネジ9の構成について説明する。第1の固定用ネジ9は、第1取付座4となるインサート嵌合溝7に装着された第1のインサート12を、第1取付座4にネジ締結により固定するための締め付け部材である。第1のインサート12を第1取付座4に固定したときには、第1の固定用ネジ9が第1のインサート12に設けた傾斜ネジ挿通穴12j内に挿入される部分(図11に示す外周面部9c)は、傾斜ネジ挿通穴12j内の内周面部12kと密に係合する。このように、本発明の刃先交換式ラジアスエンドミル1においては、第1のインサート12を第1取付座4に固定したときに、傾斜ネジ挿通穴12jの内周面部12kと第1の固定用ネジ9の外周面部9cの全面とが密に係合するような構成にしたことにも特徴(以下、「第2の特徴」という)がある。
なお、以下の説明において、仕上げ加工を施した第1の固定用ネジ9の外周面部9cのことを単に「外周面部9c」と記載して説明する場合がある。
また、切れ刃が摩耗した第1のインサート12は、摩耗した切れ刃の部分を再研磨して再使用することも可能になるので、第1のインサート12の内周面部12kを高品位に仕上げ加工を施した方が第1のインサート12のコスト低減に貢献することができるからである。
第1の固定用ネジ9の製造は、例えば、次の方法により製造することができる。SKD61等の合金工具鋼製の棒材(線材)から、プレス加工、旋盤加工により外周面部9c、ネジ部9e等を形成した後に、ダイヤモンド(又はCBN)砥粒を有する砥石を用いた機械研磨加工等により、外周面部9cの全外周面に仕上げ加工を施す。なお、外周面部9cの外径(d2)は、第1のインサート12の内周面部12kの内径より3μm〜10μm程度と僅かに小さくする。これにより、第1のインサート12の内周面部12kに第1の固定用ネジ9の外周面部9cが挿入されたときに、両者は密に係合することになる。
続いて、第2取付座5に着脱自在に装着して固定される第2のインサート13の構成について説明する。図12は第2のインサート13について上面部の構成を示す平面図、図13は図12に示す第2のインサート13を紙面の左側(底刃側)から見たときの図、図14は図12に示す第2のインサート13を外周刃方向から見たときの図である。
なお、曲率半径r1の値は、第1のインサート12のコーナR刃12e(12f)と同じ曲率半径r1としている。そして、外周刃13gと底刃13cとは、コーナR刃13eのそれぞれの端部に繋がれている。従って、第2のインサート13は、底刃13cとコーナR刃13eと外周刃13gからなる一つ(1枚)の切れ刃を有するインサートとして構成されている。
また、図12に示す13pは第2のインサート13のすくい面であって、上面部13aに対してその高さを若干低くした平面状をなしている。
なお、第2及び第3のインサート13、14に形成する外周刃13g、14g(図6参照)は、第2取付座5、第3取付座6に装着したときに、軸線Oと平行になるように形成するか、あるいは軸線O方向(底刃13c(14c)方向)に、所定の角度傾斜させたテーパ形状とした切刃を備えているようにしてもよい。
さらに、第2のインサート13を第2取付座5に装着して固定したときには、図5又は図6に示すように、第2のインサート13(図6では第3のインサート14)の底刃13c(図6では第3のインサート14の底刃14c)は、軸線O上に位置しないようにする。第3のインサート14を第3取付座6に装着して固定したときも、上記第2のインサート13と同様な配置になる。
(2)第1のインサート12、第2のインサート13及び第3のインサート14が備えている切れ刃、特に底刃、コーナR刃の切削加工において従来の2刃タイプに比べ本発明は、1刃当りの負荷が半分に低減される事により、送り速度Vfを2倍にアップできたり、工具寿命も約2倍に向上するなど、切れ刃の摩耗も減り、長時間にわたって仕上げ加工面の精度を維持することができるようになる。これにより、本発明は、長寿命化を可能とした刃先交換式ラジアスエンドミルを提供することができるようになる。
超硬合金製の基体からなる第2のインサート13の刃部に相当する箇所(基体の上面部13aと下面部13bとがなす側面部)に、予め、切り欠き部を作製しておく。この切り欠き部は、超硬合金製の基体の金型成形時に作成しておくこともできる。なお、金型成形により成形した成形体を焼結した後に、この切り欠き部に立方晶窒化硼素焼結体からなる切れ刃を固着するため、この切り欠き部の焼き肌面の表面にダイヤモンド(又はCBN)砥粒を有する砥石などで仕上げ加工面を形成しておくことが好ましい。
底刃13c、コーナR刃13e、外周刃13gが連続した切れ刃をなすように予め所定の形状に成形された立方晶窒化硼素焼結体から、ワイーヤーカットによって、底刃13cとコーナR刃13eと外周刃13gとが連続した刃部を、1枚ずつ切り出す。
前記した第1の工程で作製した超硬合金製の基体の切り欠き部に、第2の工程で作製した立方晶窒化硼素焼結体からなる刃部を、ロウ材を用い接着し、熱処理を行って両者を強固に固着する。
続いて、最終工程として、ダイヤモンド砥石により、超硬合金製の基体に接着した刃部に仕上げ研削加工等を施す。
このような製造工程により、1枚の切れ刃として、底刃13c、コーナR刃13e及び外周刃13gを備えた第2のインサート13を製造することができる。
第2の固定用ネジ15の構成を図15に示している。第2の固定用ネジ15は、ネジ頭部15aと、円筒部15bと、ネジ部15cを備えている。第2のインサート13を、第2取付座5に装着して、この第2の固定用ネジ15の締付けにより固定したときには、第2の固定用ネジ15は第2のネジ挿通穴13jを挿通し、ネジ部15cは第2取付座5に設けたネジ穴にネジ込まれる。これにより、第2のインサート13は、第2取付座5に強固に固定される。第3のインサート14を第3取付座6に固定する機構も、上記した第2のインサート13と同様である。
続いて、工具本体2に第1、第2、第3のインサートを装着する操作の手順の概要について説明する。この操作手順は、例えば、次の手順により行うことができる。
第1のインサート12を工具本体2の先端部3に設けた第1取付座4(インサート嵌合溝7)に挿入し、第1の固定用ネジ9を用いて仮止めを行う(所定締め付けトルクの7割の値)。
第2のインサート13を工具本体2の先端部3に設けた第2取付座5に合わせて、第2の固定用ネジ15を用いて仮止めを行う(所定締め付けトルクの7割の値)。
第3のインサート14を工具本体2の先端部3に設けた第3取付座6に合わせて、第3の固定用ネジ16を用いて仮止めを行う(所定締め付けトルクの7割の値)。
先に仮止めした第1、第2、第3のインサート12、13、14について、これらの位置決め精度、すなわち、これらの切れ刃が先端部3から突出する長さが予め設定した所定の値になっているか否かを確認した後、上記した各固定用ネジ9、15、16を所定のトルク値まで増し締めを行って、各取付座に固定する。これにより、図4〜図6に示すように、工具本体2の取付座4、5及び6に、それぞれ第1、第2及び第3のインサート12、13、14を装着して固定することができる。
[第1のインサートの取付座への固定精度]
刃先交換式ラジアスエンドミルに装着されているインサートは、切削加工時間が多くなるにつれて切れ刃が摩耗し、切削精度が低下する。このため、例えば、切削加工時間の累計値が所定の時間に達すると、所定の切削加工精度が得られなくなる前に、これまで使用したインサートに代えて新しいインサートを工具本体の取付座に装着して固定した後に、切削加工を再開する。
また半径方向の位置精度に係る切れ刃の最外周点についても、立ち壁のような傾斜面加工において、高い精度が要求される。
インサートの切れ刃の位置決め位置に誤差が生じると、インサートを再装着する都度、切削加工の加工精度が低下して段差等が発生するからである。特に、金型などの仕上げ切削加工においては、この切れ刃の位置決めについて特に高い精度が要求される。
また、作製した第1のインサート12の内周面部12kの面粗さ(Rza)と、第1の固定用ネジ9の外周面部9cの面粗さ(Rzb)については、予め面粗さ測定装置によって測定した。
FpA値は、第2回〜第5回の試験で測定した最下点S1及びS2の軸線方向の座標値が、初回の最下点S1及びS2のそれぞれの座標値と比較したときに、その差の最大値の範囲を示している。同様に、FpR値は、初回の最下点G1及びG2のそれぞれの座標値と比較したときに、その差の最大値の範囲を示している。
また、表1に示す「評価」欄において、「◎」は固定位置の精度(FpA)の値が、4回ともFpA<5.0μm、FpR<5.0μmの場合を示し、「○」は1回でも精度(FpA)、(FpR)の値が5.0μm≦FpA<10.0μm内に含まれた場合を示し、「△」は1回でも精度(FpA)、(FpR)の値が 10.0μm以上の場合を示している。
一方、試料番号10〜12においては、固定位置の誤差(精度FpA、FpR)が10.0μmmを超えて(精度FpA、FpR)が劣った第1のインサートと第1の固定用ネジ9cとの組み合わせにおいては、それだけ固定位置の寸法精度のバラツキが大きくなるので、第1のインサートの固定位置の微調整のための操作と調整時間を必要とすることになる。
[被削材の切削加工試験]
本発明例及び従来例となる刃先交換式ラジアスエンドミルを試作して、3軸NC工作機械を用いて、傾斜角度が5°の傾斜面(平面)を有する被削材の立ち壁について切削加工を行って、その高能率加工性を評価する切削加工試験を実施した。この平面状の立ち壁の切削加工試験においては、試作した刃先交換式ラジアスエンドミルの第1、第2及び第3のインサートの底刃とコーナR刃を使用した切削加工を実施した。
以下に、この実験例2に係る切削加工試験の内容とその結果について説明する。
なお、本発明例及び従来例ともに、インサートの表面に被覆したコーティング膜の材質は、Ti−Al−Si−N系とし、その被膜の厚さは3μmにした。
試料番号A1とA3については、切削速度VcをVc=200m/min(切削条件1)、及びVc=565m/min(切削条件2)と高速度とした切削加工を行ったときに、第1のインサートの切れ刃の寸法変化が0.02mm、逃げ面摩耗幅(VBmax)が0.10mmに達したときにこのインサートは寿命に達したと判定し、この寿命(インサート工具寿命)に達するまでの被削材の切削長さ(インサート工具寿命L)を測定した。
切削速度Vc : 200m/min
加工方法 : 立ち壁(5°傾斜面)の等高線切削(仕上げ加工)
、乾式切削
回転数n : 2120min−1
送り速度Vf : 1060、2120mm/min
1刃当たりの送り量fz : 0.25mm/刃
軸方向切込み量ap : 0.1mm
径方向切込み量ae : 0.3mm
工具突き出し量 : 110mm
切削速度Vc : 565m/min
加工方法 : 立ち壁(5°傾斜面)の等高線切削(仕上げ加工)
、乾式切削
回転数n : 6000min−1
送り速度Vf : 3000、6000mm/min
1刃当たりの送り量fz : 0.25mm/刃
軸方向切込み量ap : 0.1mm
径方向切込み量ae : 0.3mm
工具突き出し量 : 110mm
切削速度Vc=200m/minの切削加工試験において、コーティング膜を被覆した超硬合金製インサートを装着した2枚刃からなる従来例となる試料番号A3は、インサートの工具寿命L(切削長)は400mであった。また、切削速度Vcを565m/minと高速度にした切削加工試験においては、インサートの工具寿命L(切削長)は250mであった。
(1)第1のインサート12に2つの切れ刃、第2と第3のインサート13、14にそれぞれ1つの切れ刃、計4枚刃を備えた刃先交換式ラジアスエンドミルとしたことにより、各切れ刃の切削加工負荷が分散され、高速の切削加工を行ってもインサートの耐摩耗性の向上が得られた。
4…第1取付座、5…第2取付座、6…第3取付座、
7…インサート嵌合溝、
7a、7b…側面壁、7b…底部、
8…第1インサート固定用ネジ穴、
9…第1の固定用ネジ、
9c…外周面部、9e…ネジ部、
10…ネジ穴、11…切屑排出溝、
12…第1のインサート、
12a…上面部、12b…下面部、12c、12d…底刃、
12e、12f…コーナR刃、12g、12h…外周刃、
12j…傾斜ネジ挿通穴、12k…仕上げ加工を施した内周面部、
12m…内周面部、12n…内周面部、12p…すくい面、
13…第2のインサート、
13a…上面部、13b…下面部、13c…底刃、13e…コーナR刃、
13g…外周刃、13j…第2のネジ挿通穴13j、13p…すくい面、
14…第3のインサート、
15…第2の固定用ネジ、16…第3の固定用ネジ、
O…軸線(回転中心軸)、
O1…インサート嵌合溝が工具本体の半径方向に向かう中心線、
O2…直線O1と直交する中心線、
O3…第1インサート固定用ネジ穴の向き、
O4…第1のインサートの回転中心軸(軸線Oと同じ)、
O5…第1のインサートの中心線、
O6…第1のインサートの直線O5と直交する中心線、
O7…第1のインサートの断面図の中心線、
O8…直線O7に対して傾斜したネジ挿通穴の中心線、
O9…O7と直交する直線、
R…工具本体の回転方向、
S1、S2、S3、S4…最下点、
G1、G2、G3、G4…最外周点、
r1、r3…コーナR刃の曲率半径、
θ…直線O2と直線O3とがなす角度、
δ…第1のインサートの傾斜ネジ挿通穴の傾斜角。
Claims (6)
- 軸線回りに回転する工具本体の先端部に取付座を設け、前記取付座に切れ刃を有するインサートを着脱自在に装着可能とした刃先交換式ラジアスエンドミルであって、
前記取付座は、
前記工具本体の先端部に前記軸線を含む該工具本体の径方向に形成されたスリット状のインサート嵌合溝からなり、前記インサート嵌合溝に挿入された第1のインサートを、前記第1のインサートを貫通して形成された傾斜ネジ挿通穴に、外周面に仕上げ加工を施した外周面部を備えた第1の固定用ネジを挿通させたネジ締結により固定するための第1取付座と、
前記インサート嵌合溝により、前記工具本体の先端部に形成された先端半体部の一方と他方にそれぞれ設けられた取付座であって、第2のインサートを着脱自在に固定用ネジにより固定する第2取付座と、第3のインサートを着脱自在に固定用ネジにより固定する第3取付座と、を備え、
平板状で、平面視で略四角形状をなす前記第1のインサートは、切れ刃として、その先端面部の中央部からそれぞれの側面部に向けて形成された底刃と、前記側面部のそれぞれに形成された外周刃と、前記底刃と前記外周刃とを繋ぐコーナR刃を有し、前記傾斜ネジ挿通穴の中心線は、前記平板状の平面に対して角度θ傾斜するとともに、その内周壁面は仕上げ加工を施した内周面部を有し、
平板状をなす前記第2及び第3のインサートは、切れ刃として、その先端面部に形成された底刃と、一方の側面部に形成された外周刃と、前記底刃と前記外周刃とを繋ぐコーナR刃を有し、
前記先端半体部は、一方の前記先端半体部の外表面から前記インサート嵌合溝内において前記軸線を介するように、他方の前記先端半体部の内部に達して形成されたネジ穴であって前記インサート嵌合溝が前記工具本体の径方向に延びる向きと直交する方向に対して、前記工具本体の回転方向とは逆方向に前記角度θ傾斜した方向に形成された第1インサート固定用ネジ穴を備え、
前記第1取付座に、前記第1のインサートを前記第1の固定用ネジによるネジ締結で固定したときには、
前記第1の固定用ネジの前記外周面部と前記傾斜ネジ挿通穴の前記内周面部とは密に係合していることを特徴とする刃先交換式ラジアスエンドミル。 - 前記第1取付座に前記第1のインサートを、前記第2取付座に前記第2のインサートを、前記第3取付座に前記第3のインサートを装着して固定したときに、
前記軸線方向に対する前記工具本体に装着した前記インサートの最下点が、前記軸線と垂直に交わる同一平面上であって、前記第1のインサートの切れ刃に2ケ所、前記第2及び第3のインサートの切れ刃にそれぞれ1ケ所存在するようになされていることを特徴とする請求項1に記載の刃先交換式ラジアスエンドミル。 - 前記第1のインサートは超硬合金から構成され、
前記2及び第3のインサートはその基体が超硬合金から構成されるとともに該第2及び第3のインサートの前記切れ刃は、前記基体に立方晶窒化硼素焼結体を含む硬質焼結体から形成された切れ刃を接合した構成からなっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の刃先交換式ラジアスエンドミル。 - 前記第1のインサートと前記2及び第3のインサートは、その基体が超硬合金から構成されるとともに、前記第1、前記2及び第3のインサートの前記切れ刃は、それぞれの前記基体に立方晶窒化硼素焼結体を含む硬質焼結体から形成された切れ刃を接合した構成からなっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の刃先交換式ラジアスエンドミル。
- 前記第1の固定用ネジの前記仕上げ加工を施した外周面部の表面粗さは、前記第1のインサートの前記傾斜ネジ挿通穴の前記仕上げ加工を施した前記内周面部の表面粗さより粗くなされていることを特徴とする請求項1に記載の刃先交換式ラジアスエンドミル。
- 前記角度θは、20°≦θ≦40°の範囲に設定されていることを特徴する請求項1に記載の刃先交換式ラジアスエンドミル。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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