JP2014054706A - 刃先交換式ドリル - Google Patents

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Abstract

【課題】 スリット状のインサート取付座に装着した切れ刃を備えたインサートを着脱自在に、かつ強固に固定することができる刃先交換式ドリルを提供する。
【解決手段】 ドリル本体の先端部には、インサートクランプネジを挿通するインサート固定用ネジ穴をインサート取付座がドリル本体の径方向に延びる向きと直交する方向に対して、ドリル本体の回転方向に角度θ傾斜した方向に形成し、インサートに形成したネジ挿通穴の中心線も厚さ方向に対して角度θ傾斜させている。インサート取付座にインサートを装着して固定したときには、インサートクランプネジの第2円柱部に形成した仕上げ外周面部と、インサートのネジ挿通穴に形成した仕上げ内周面部とを密に係合させている。また、インサートクランプネジの仕上げ外周面部の面粗さは、インサートの仕上げ内周面部の面粗さより粗くしている。
【選択図】 図7

Description

本発明は、ドリル本体の先端部に、切れ刃を備えたインサートを着脱自在に装着した刃先交換式ドリルに関するものである。
被削材の穴あけ加工に用いる工具として、ドリル本体の先端部からドリル本体の後方に向けて形成した溝部からインサート取付座に、切れ刃を備えた切削インサート(以下、単に「インサート」という)をねじ固定手段により着脱自在に装着可能としたドリル(以下、「刃先交換式ドリル」という)が実用化されている。このような刃先交換式ドリルについては、インサート取付座に装着したインサートが、穴の加工中において位置ズレを起こさないようなインサート装着手段を備えることが重要になる。
インサート取付座に装着したインサートが、穴の加工中において位置ズレを起こさないように、インサートを強固に装着して固定する手段を備え刃先交換式ドリルについては、既に多くの発明が提案されている。例えば、下記の特許文献1〜5に記載の発明が提案されている。
特許文献1(特許第4531981号公報)には、ホルダの先端部(溝脚部)に回転中心軸(Z軸)方向に形成されたスリット状溝に挿入した切削インサートを、クランプネジにより確実にクランプするクランプ機構を備えた穴ぐり工具に関する発明が提案されている。
特許文献1に記載されている切削インサートのクランプ機構は、ホルダ(4)の溝脚部(16)、(18)に設けたクランプネジ用の穴の中心軸を、回転中心軸(Z軸)と直交する面のX軸方向に対して傾斜させるとともに、切削インサートに設けた受容穴の中心軸もX方向に対して傾斜させて、切削インサート(6)を固定するようにしている。さらに、スリット状溝の底面(14)を第1のストッパ面(14c)とし、この底面(14)を起点としてZ軸方向に凹部(20)を形成し、凹部(20)には切削インサートが当接する第2のストッパ面(20a)を設けているとともに、凹部(20)の底部20dには、クランプスリット(34)を設けている。また、クランプネジ(8)が切削インサート(6)に設けた受容穴(36)に挿通するシャフト区域の外周面はテーパ状とし、切削インサート(6)に設けた受容穴(36)の内周面もこのテーパ状に対応させて先細りのテーパ形状にしている。
特許文献1に記載の穴ぐり工具は上記のようなクランプ機構を備えているのでクランプネジ(8)を締付けた組立て状態において、切削インサート(6)は、作用線が第1および第2のストッパ面(14c)、(20a)の方向を向いた押圧力を受ける。それと同時に切削インサート(6)は、クランプスリット(34)側面が互いに接近するにつれて溝脚部(16)、(18)に押圧される。このとき、溝脚部(16)、(18)は弾性的な変形を受け、この変形は、穴ぐり工具に激しい振動が起きた場合でさえホルダ(4)での切削インサート(6)の高い安定性と確実な固定をもたらす応力状態を惹起することが記載されている(段落0048の記載参照)。
特許文献2(特許第4178998号公報)には、ドリル本体の先端部を凹溝状のインサート取付座により二分された第一先端部と第二先端部を形成し、インサート取付座を交差する挿通孔に挿通させたクランプボルトを用いてこのインサート取付座の一対の内側面でインサートの一対の外側面を押圧するときの押圧力を、互いに均一になるようにしたスローアウェイ式ドリルに関する発明が提案されている。
この特許文献2に記載のスローアウェイ式ドリルは、上記した押圧力を、互いに均一になるようにするために、インサート取付座における軸線O方向の先端側を向く底面に、軸線O方向の後端側に向かって延びるスリットを設け、軸線O方向の先端側から見たときに、このスリットを、クランプボルトの頭部で押圧される第一先端部よりも、クランプボルト軸部がねじ込まれる第二先端部に近づくようにずらして配置した構成としている。
また、このスリットの延在方向と上記挿通孔の延在方向とのなす交差角が90゜となる状態からスリットの延在方向がドリル回転方向T後方側に向かって角度βだけ回転移動させられた状態となるように形成し、この角度βが0°<β≦15°の範囲に設定するとともに、チップ取付座の一対の内側面には、軸線O方向に沿って延びる複数のガイド溝を形成し、スローアウェイチップの一対の外側面には、このガイド溝と噛合可能な複数の凸部を形成した構成としている。
特許文献3(特開2005−193372号公報)には、ドリル本体(基体)の先端部に中心化溝(インサート取付座)を設けるとともに、中心化溝の底部からドリル本体の後方に向けて締付けスロット(スリット部)を形成し、この中心化溝に高精度に装着・固定する構成を備えたドリルプレート(インサート)に関する発明が提案されている。
このドリルプレートは、少なくとも1つの中心化面を備えているとともに、このドリルプレートを中心化溝内に取付スクリューで締付け結合した際に、中心化溝にこの中心化面と中心接触するように、中心化フィンを配置することにより、ドリルプレートに損傷を与えることなく高い動作トルクを伝導できるようにしたものである。
さらに、特許文献3に記載の発明においては、中心化溝を貫通するように設けたねじ孔であってドリルプレートを取付スクリューで締付け結合するための取付ボアのボア軸を、円周方向にオフセットした構成にすることにより、ドリルプレートを中心化溝の底部方向に移動させる(引き抜かせる)作用を生じさせることが記載されている(段落0089)。
特許文献4(実公昭57−25772号公報)には、切削屑のつまりを防止する構成を備えたブレード式の穴あけ工具に関する考案が提案されている。この特許文献4に記載の考案は、切刃チップをホルダーの相対する一対の挟持部の間に挿入して締付ボルトにより固定した穴あけ工具において、一方の挟持部の縁部を切刃チップの一方の側面に対しホルダーの回転方向へ鈍角をなすように切欠して一方の切削屑排出溝を形成すると共に、これと対称位置にある他方の挟持部の縁部を切刃チップの他方の側面に対しホルダーの回転方向へ鈍角をなすように切欠して他方の切削屑排出溝を形成し、締付ボルトをこの一方の挟持部の切欠した面と他方の挟持部の切欠した面とに略平行となるように傾斜させた構成とした穴あけ工具である。
このように、特許文献4に記載の考案は、挟持部の縁部を切刃チップの他方の側面に対しホルダーの回転方向へ鈍角をなすように切欠して切削屑排出溝を形成して切削屑排出溝の断面積を大きくすることにより、切削屑づまりを防止する穴あけ工具である。
特許文献5(特開2001−121339号公報)には、ドリルではないが、ホルダー本体に設けたチップポケットを大きく形成して切屑の排出性を向上させたスローアウェイエンドミルに関する発明が提案されている。
この特許文献5に提案されている発明は、ホルダー本体に形成されたチップ嵌合溝に嵌合されるチップ〈インサート〉の取付座に直交する位置に対して、周方向に所要の角度α傾斜した方向からクランプボルトがこのチップの挿通穴を挿通して、ホルダー本体の先端部に形成された両チップ挟持用半体にわたってねじ込まれるように構成したスローアウェイエンドミルである。
特許第4531981号公報 特許第4178998号公報 特開2005−193372号公報 実公昭57−25772号公報 特開2001−121339号公報
刃先交換式ドリルにおいては、前記したように、穴あけに使用したインサートの切れ刃が摩耗し、新しいインサートを再装着したときに、インサートがドリル本体のインサート取付座に高精度に装着して固定することができること、及び被削材への穴あけ加工中においてインサート取付座に固定したインサートが加工負荷により位置ズレを生じないような手段(インサートの固定手段)を設けることが重要になる。特に、各種の金型に寸法や穴あけ面の表面粗さの良い穴あけを要求される場合には、上記したインサート取付座にインサートを常に高精度な位置に装着できることと、穴あけ加工中にインサートが位置ズレを起こさないことが重要である。
上記した特許文献1(特許第4531981号公報)に記載の穴ぐり工具が備えているインサートの固定(クランプ)手段は、特許文献1に記載されている切削インサートのクランプ機構は、ホルダ(4)の溝脚部(16)、(18)に設けたクランプネジ用の穴の中心軸を、回転中心軸(Z軸)と直交する面のX軸方向に対して傾斜させるとともに、切削インサートに設けた受容穴の中心軸もX方向に対して傾斜させて、切削インサート(6)を固定するようにしている。
さらに、スリット状溝の底面(14)を第1のストッパ面(14c)とし、この底面(14)を起点としてZ軸方向に凹部(20)を形成し、凹部(20)には切削インサートが当接する第2のストッパ面(20a)を設けているとともに、凹部(20)の底部20dには、クランプスリット(34)を設けている。また、クランプネジ(8)が切削インサート(6)に設けた受容穴(36)に挿通するシャフト区域の外周面はテーパ状とし、切削インサート(6)に設けた受容穴(36)の内周面もこのテーパ状に対応させて先細りのテーパ形状にしている。
インサートの固定手段を上記のように構成すると、ホルダ(4)の溝脚部(16)、(18)を含む先端部の構成が複雑になるので、ホルダ(4)の各部を精度高く加工するためには機械加工の制御が複雑になって、加工時間の効率化を実施することが困難になる可能性がある。また、クランプネジ(8)のシャフト区域の外周面はテーパ状に加工する必要があるが、この精度の高いテーパ加工を実施するためにはクランプネジ(8)の機械加工も複雑になるという不具合がある。
特許文献2(特許第4178998号公報)に記載のスローアウェイ式ドリルは、ドリル本体の先端部を凹溝状のインサート取付座により二分された第一先端部と第二先端部を形成し、インサート取付座を交差する挿通孔に挿通させたクランプボルトを用いてこのインサート取付座の一対の内側面でインサートの一対の外側面を押圧するときの押圧力を、互いに均一にするために、インサート取付座における軸線O方向の先端側を向く底面に、軸線O方向の後端側に向かって延びるスリットを設け、軸線O方向の先端側から見たときに、このスリットを、クランプボルトの頭部で押圧される第一先端部よりも、クランプボルト軸部がねじ込まれる第二先端部に近づくようにずらして配置している。
しかしながら、このスローアウェイ式ドリルに装着されるインサート(チップ)は、クランプボルトが挿入される穴は、インサートの厚み方向に対して斜めに交差するように形成された切欠部(33)とされている。このため、インサートに設けた切欠部(33)にクランプボルトを挿通させることのみによって、インサートをインサート取付座に装着精度を高くして固定することは不可能である。このため、チップ取付座の一対の内側面には、軸線O方向に沿って延びる複数のガイド溝を形成し、スローアウェイチップの一対の外側面には、このガイド溝と噛合可能な複数の凸部を形成した構成を採用している。従って、特許文献2に記載のスローアウェイ式ドリルは、ドリル本体及びインサートの構成は、複雑になり、特に、これらドリル本体やインサートの仕上げ加工に手間を要するという不具合がある。
特許文献3(特開2005−193372号公報)に記載のドリルプレート(インサート)は、少なくとも1つの中心化面を備えているとともに、このドリルプレートを中心化溝内に取付スクリューで締付け結合した際に、中心化溝にこの中心化面と中心接触するように、中心化フィンを配置することにより、ドリルプレートに損傷を与えることなく高い動作トルクを伝導できるようにしたものである。
さらに、中心化溝を貫通するように設けたねじ孔であってドリルプレートを取付スクリューで締付け結合するための取付ボアのボア軸を、円周方向にオフセットした構成にすることにより、ドリルプレートを中心化溝の底部方向に移動させる(引き抜かせる)作用を生じさせるようにしている。
このような構成のドリルプレートにおいては、ドリルプレートを取付スクリューで締付け結合するための取付ボアのボア軸を、円周方向にオフセットした構成にすることのみによって、ドリルプレートを中心化溝内に強固に固定することは不可能である。
特許文献4(実公昭57−25772号公報)に記載の穴あけ工具は、切削屑排出溝の断面積を大きくするために、切刃チップを締付ボルトにより固定するための一方の挟持部の縁部を切刃チップの一方の側面に対しホルダーの回転方向へ鈍角をなすように切欠して一方の切削屑排出溝を形成している。さらに、これと対称位置にある他方の挟持部の縁部を切刃チップの他方の側面に対しホルダーの回転方向へ鈍角をなすように切欠して他方の切削屑排出溝を形成し、締付ボルトをこの一方の挟持部の切欠した面と他方の挟持部の切欠した面とに略平行となるように傾斜させた構成とした穴あけ工具である。しかし、切刃チップに形成した締付ボルト用の挿通穴は切刃チップの厚さ方向に形成され、締付ボルトをこの挿通穴内に斜め方向から挿入して切刃チップをホルダーに固定する構成とされているが、切刃チップを強固に固定するために、締付ボルト用の挿通穴の内周面と締付ボルトの外周面との係合状態については開示されていない。
特許文献5(特開2001−121339号公報)には、スローアウェイエンドミルについて、ホルダー本体に設けたチップポケットを大きく形成して切屑の排出性を向上させるために、ホルダー本体に形成されたチップ嵌合溝に嵌合されるチップ〈インサート〉の取付座に直交する位置に対して、周方向に所要の角度α傾斜した方向からクランプボルトがこのチップの挿通穴を挿通して、ホルダー本体の先端部に形成された両チップ挟持用半体にわたってねじ込まれる構成としている。しかし、特許文献4と同様に、チップを強固に固定するために、クランクボルト用の挿通穴の内周面とクランクボルトの外周面との係合状態については開示されていない。
本発明の目的は、ドリル本体の先端部に形成したスリット状の嵌合溝からなるインサート取付座に装着した一対の切れ刃を備えた一つのインサートを、ネジ締付け手段を用いて着脱自在に、かつ強固に固定することができ、また、インサートを交換するときに、このインサートをインサート取付座の所定の位置に精度高く固定することができる刃先交換式ドリルを提供することにある。
本発明の請求項1に記載の刃先交換式ドリルは、ドリル本体の回転軸線方向の先端部に開口し、前記回転軸線を含んで前記ドリル本体の後方に向かって形成され、前記ドリル本体の先端部を二分割するように一対の先端半体部を形成するスリット状のインサート嵌合溝からなるインサート取付座と、
切れ刃を有し、略平板形状をなしその一方の外側面部から他方の外側面部まで貫通するネジ挿通穴を形成したインサートと、
前記インサート嵌合溝と交差して前記一対の先端半体部に形成されたインサート固定用ネジ穴を備え、
前記インサート固定用ねじ穴に挿通されたインサートクランプネジにより前記インサートを前記インサート取付座に着脱自在に固定する刃先交換式ドリルであって、
前記インサートの前記ネジ挿通穴は、その中心線が前記インサートの厚さ方向に対して角度θほど傾斜するとともに、前記ネジ挿通穴の内周面には仕上げ加工を施した仕上げ内周面部を備え、
前記インサートクランプネジは、その外周面に仕上げ加工を施した仕上げ外周面部を備え、
前記インサート固定用ネジ穴は、前記ドリル本体の前記インサート嵌合溝が前記ドリル本体の径方向に延びる向きと直交する方向に対して、前記ドリル本体の回転方向に前記角度θ傾斜した方向に形成され、
前記インサート取付座に前記インサートを装着して、前記インサートを前記インサートクランプネジにより固定したときに、前記インサートの前記ネジ挿通穴の前記仕上げ内周面部と前記インサートクランプネジの前記仕上げ外周面部とは密に係合していることを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の刃先交換式ドリルに係り、前記インサートクランプネジの外周面に仕上げ加工を施した前記仕上げ外周面部の表面粗さは、前記インサートの前記ネジ挿通穴の前記内周面に仕上げ加工を施した前記仕上げ内周面部の表面粗さより粗くなされていることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の刃先交換式ドリルに係り、前記角度θは、20°≦θ≦40°の範囲に設定されていることを特徴としている。
本発明の刃先交換式ドリルは、次の効果を奏することができる。
(1)ドリル本体に形成したインサート固定用ネジ穴は、ドリル本体のインサート嵌合溝がドリル本体の径方向に延びる向きと直交する方向に対して、ドリル本体の回転方向に角度θ傾斜した方向に形成している。また、インサートに設けているネジ挿通穴は、その中心線がインサートの厚さ方向に対して角度θほど傾斜させている。
これにより、本発明の刃先交換式ドリルは、インサート取付座4に装着して固定したときには、インサート5は、インサート嵌合溝がドリル本体の径方向に延びる向きと直交する方向に対して、ドリル本体の回転方向に角度θ傾斜した方向からインサートクランプネジによるネジ締付けにより固定される。さらに、この角度θは「20°≦角度θ≦40°」の範囲に設定していること、及びインサートをインサート取付座に装着して固定したときには、インサートクランプネジの仕上げ外周面部とインサートのネジ挿通穴に形成した仕上げ内周面部とが密に密着した係合状態が確保される構成を備えている。
本発明の刃先交換式ドリルは、このような構成を備えているので、インサート取付座にインサートを強固に固定することが可能になるとともに、被削材への穴あけ加工中に発生する加工負荷により、インサートが予め設定されたインサート取付座への固定位置に対する位置ズレの発生を防止することができるようになる。
(2)上記(1)により、切れ刃の摩耗により使用済みになったインサートを、新規なインサートに交換するときに、この新規なインサートをインサート取付座4所定の位置に精度高く固定することが可能になる。
(a)は本発明に係る刃先交換式ドリルについて、その構成の一実施形態を示す斜視図、(b)は(a)に示すインサートの斜視図である。 図1(a)に示す刃先交換式ドリルについてインサートを装着していないときの状態を示す図であって、(a)は正面図、(b)は正面図を下側から見たときの側面図)、(c)は正面図を上側から見たときの側面図、(d)は回転軸線の前方から見た平面図である。 図1に示すインサートの構成を説明するための図であって、(a)はインサートの正面図、(b)は(a)に示すインサートをその先端部の前方方向から見た平面図、(c)は(a)に示す正面図を下方から見たときの側面図、(d)は(a)に示すA−A線における断面図である。 図1(a)に示す刃先交換式ドリルの構成を示す図であって、(a)は正面図、(b)は正面図を下側から見たときの側面図、(c)は正面図を上側から見たときの側面図、(d)は回転軸線の前方から見た平面図である。 図1(a)に示すインサートクランプネジの正面図である。 図2(a)に示すB−B線における断面図である。 図4(a)に示すC−C線における断面図である。
以下、図面に基づいて本発明に係る刃先交換式ドリルの実施形態について説明する。図1(a)は回転軸線O(以下、「軸線O」という)を中心として回転する本発明の刃先交換式ドリルについて、その構成の一例を示す斜視図、図1(b)は図1(a)に示すインサートの斜視図、図2(a)は図1(a)に示すドリル本体のインサート取付座にインサートを装着していないときの構成を示す正面図、(b)は同じくこの正面図を下側から見たときの側面図)、(c)は同じく正面図を上側から見たときの側面図、(d)は同じく軸線Oの前方からドリル本体の先端部を見た平面図である。
(刃先交換式ドリルの構成)
図1に示すように、刃先交換式ドリル1は、ドリル本体2と、ドリル本体2の後端側に、このドリル本体2と一体に形成されているシャンク部3と、ドリル本体2の先端部2aからドリル本体2の後方に向けて形成されたインサート取付座4に着脱自在に装着され、切れ刃を備えたインサート5と、インサート取付座4にインサート5をネジ締付けにより固定するためのインサートクランプネジ6から構成されている。ドリル本体2の外周面には、ドリル本体2の先端部2a近傍から所定のねじれ角をもって2つの切屑排出溝7、7が形成されている。ドリル本体2とシャンク部3は、SKD61等の合金工具鋼から製造されている。
インサート取付座4は、図2(a)〜(d)に示すように、ドリル本体2の先端部2aに開口し、さらに、ドリル本体2の径方向に延びてドリル本体2の外周面に開口するとともに、ドリル本体2の先端部2aから後方(シャンク部3方向)に向かって軸線Oを含んで所定の長さほど形成されたスリット状の嵌合溝8から構成されている。なお、軸線Oは、嵌合溝8がドリル本体2の外周面方向に開口する方向に対して直交している。
図2(b)に示すように、嵌合溝8(インサート取付座4)は、互いに平行な2つの内側面部8a及び内側面部8bと、底部となる底面部8cから構成され、内側面部8aと内側面部8bとの間の溝部の中間位置を軸線Oが底面部8cに向けて通るように、機械加工により形成されている。なお、以下の説明において、内側面部8aを一方の内側面部8a、内側面部8bを他方の内側面部8bと記載する場合がある。
ドリル本体2の先端部2aから軸線Oを含むようにスリット状の嵌合溝8を形成したことにより、ドリル本体2の先端部2aは底面部8cを基準位置として2つに分割された先端半体部9aと先端半体部9bが構成されることになる。そして、先端半体部9a、9bの一方の表面部から、嵌合溝8と交差して他方の先端半体部9b(又は9a)内に達するインサート固定用ジ穴10を形成している。このインサート固定用ジ穴10の向きについては図6に基づいて後述するが、ドリル本体2のインサート嵌合溝8がドリル本体2の径方向に延びる向きと直交する方向に対して、ドリル本体2の回転方向Rに角度θ傾斜した方向に形成している。
また、この他方の先端半体部9b(又は9a)内に達するインサート固定用ネジ穴10の内周面には、インサートクランプネジ6の雄ネジ部6dとネジ嵌合させるための雌ネジ部10c(図5、6参照)が刻設されている。
(インサートの構成)
続いて、切れ刃を備えているインサート5の構成例を、図1(b)及び図3を参照して説明する。なお、図3において(a)は図1(b)に示すインサート5の正面図、(b)は(a)に示すインサート5を先端部5aの前方向から見た平面図、(c)は(a)に示すインサート5の正面図を横側面部の前方から見たときの側面図、(d)は(a)に示すA−A線における断面図である。
インサート5は、例えば、炭化タングステン(WC)とコバルト(Co)を含む超硬合金(以下、「WC基超硬合金」という)から製造されている。インサート5は図3(c)に示すように厚さ(t)を有し、図3(a)〜(d)に示すように略平板形状をなし、平面状の外側面部5gと、この外側面部5gと対向する位置に配置された平面状の外側面部5hを備え、正面視では略5角形状をなしている。一対の外側面部5gと外側面部5hは平行になるように形成されている。
図3(a)に示す符号「5a」は、インサート5の先端部であってインサート5をドリル本体2のインサート取付座4(嵌合溝8)に装着したときにこの先端部5aは、軸線Oと交差する部位であって、刃先交換式ドリル1の軸線O方向の最下点になり、被削材に穴あけ加工を行うときに被削材と最初に接触する部分になる。
インサート5は、上記した一対の外側面部5gと外側面部5gとを繋ぐ側面部として、図3(a)に示すように、先端部5aから紙面の上下方向に傾斜して形成された傾斜側面部(逃げ面)5bと傾斜側面部(逃げ面)5cを備え、傾斜側面部5bの端部には横側面部5dが形成され、傾斜側面部5cの端部には横側面部5eが形成されている。さらに、横側面部5dと横側面部5eのそれぞれの端部には、これら端部どうしを繋ぐ底側面部5fが形成されている。なお、平面視において横側面部5dと横側面部5eとは、平行又はほぼ平行になるように形成されている。底側面部5fは、インサート5をインサート取付座4に装着したときに、嵌合溝8の底面部8cと密着する側面部になる。
なお、図3(a)に示す直線L1は、先端部5aを通り、横側面部5d又は横側面部5eに平行な直線であって、インサート5をドリル本体2のインサート取付座4に装着したときには、この直線L1はドリル本体2の軸線Oに一致するようになされる。
また、図3(a)、(d)に示すように、インサート5はその外側面部5gから外側面部5hに向けて貫通するネジ挿通穴5pを備えている。ネジ挿通穴5pは、インサート5をインサート取付座4に装着して固定するときに、インサートクランプネジ6を挿通させるための穴である。
本発明の刃先交換式のドリル1において、ドリルの先端角α、すなわち、インサート5の傾斜側面部5bと傾斜側面部5cとがなす角度αは、穴あけを行う被削材の材質に応じて適切な値に設定すればよいが、例えば、通常のドリルと同様に118°に設定してもよい。
続いて、被削材に穴あけ加工を行うためにインサート5が備えている切れ刃について説明する。ドリル本体2のインサート取付座4に装着するインサート5は、一対の切れ刃を備えている。この一対の切れ刃は、図1(a)(b)、図3(b)に示すように、インサート5の先端部5aの近傍であって一方の逃げ面となる傾斜側面部5bの端部の稜線部に沿って形成された切れ刃5i1と、他方の逃げ面となる傾斜側面部5cの端部の稜線部に沿って形成された切れ刃5i2とから構成されている。これら切れ刃5i1と切れ刃5i2は、図1(a)に示すように、傾斜側面部5b、5cの端部の稜線部であって刃先交換式ドリル1の回転方向Rの前方側に位置するように形成されている。
また、図3(b)に示すように、インサート5の先端部5aから外側面部5h、及び外側面部5g方向に向けてドリル本体2の心厚を薄くするために、凹状をなすシンニング5j、5kを形成している。そして、これらシンニング5j、5kと傾斜側面部5b、5cとの境界となる稜線部にはシンニング切れ刃5l、5mを形成している。これらシンニング切れ刃のうち、シンニング切れ刃5lは先端部5aから主切れ刃5i1の一方の端部と一体に繋がるように形成し、同様に、シンニング切れ刃5mは先端部5aから主切れ刃5i2の一方の端部と一体に繋がるように形成している。これらシンニング切れ刃5lと5mは、被削材に穴あけ加工を行うときに、インサート5の先端部5aとその近傍に作用する加工負荷を減少させる作用を行うために設けた切れ刃である。
なお、図3(b)に示す直線L2は、インサート5の先端部5aを通り、外側面部5h(外側面部5g)に直交する直線であり、直線L3はインサート5の先端部5aを通り、外側面部5h(外側面部5g)に平行な直線である。
図1(b)に示すように、切れ刃5i1の横側面部5d側の端部は外周コーナ部5n1を介してリーディングエッジ5q1に繋がっている。同様に、切れ刃5i2の横側面部5e側の端部は外周コーナ部5n2を介してリーディングエッジ5q2に繋がっている。
また、切れ刃5i1、5i2の回転方向Rの前面側には、図1(b)、図3(d)に示すように、切屑排出溝(すくい面)5r1、5r2となる緩やかな凹形状をなす曲面部が形成されている。そして、インサート取付座4にインサート5を装着して固定したときには、これら切屑排出溝5r1、5r2は、それぞれドリル本体2の外周面に形成した切屑排出溝7、7に連通する。なお、リーディングエッジ5q1(5q2)のドリル本体2側の端部から外周コーナ部5n1(5n2)近傍まで、所定の幅を有するマージン部(図示せず)を設けて、直進度の高い安定した穴加工ができるようにしている。
続いて、本発明の特徴の一つとなるインサート5が備えているネジ挿通穴5pの構成について説明する。
図3(d)は、インサート5の正面図を示す図3(a)においてネジ挿通穴5pを通るA−A線の断面図を示している。図3(d)に示す直線L5は、ネジ挿通穴5pの中心線L4の中点(O1)を通り、外側面部5g又は外側面部5hと直交する直線、すなわち、中点(O1)を通りインサート5の厚さ方向の直線を示し、直線L6はネジ挿通穴5pの中心線L4の中点(O1)を通り、直線L5と直交する直線、すわわち、外側面部5g又は外側面部5hと平行な直線を示す。
そして、インサート5に設けているネジ挿通穴5pは、その中心線L4を上記した直線L5と角度θ、すなわち、インサート5の厚さ方向と角度θをなすように傾斜させている。このことは、インサート5をインサート取付座4に装着したときに、ネジ挿通穴5pは、ドリル本体2のインサート嵌合溝8がドリル本体の径方向に延びる向きと直交する方向に対して、ドリル本体2の回転方向Rに角度θ傾斜した方向に配置されることを示している。
本発明の刃先交換式ドリルにおいて、この角度θは、20°≦角度θ≦40°の範囲に設定することが望ましい。
本発明の刃先交換式ドリル1において、インサート5をインサート取付座4に装着して固定したときに、インサート5に形成したネジ挿通穴5pの中心線L4がインサート5の厚さ方向となす傾斜角度θを、上記した「20°≦角度θ≦40°」の範囲に設定することが望ましい理由は、次の通りである。
ドリル本体2の先端部2aに嵌合溝8からなるインサート取付座4を設けて先端部2aが2分割された先端半体部9a、9bを形成し、このインサート取付座4にインサート5を装着してインサートクランプネジ6によりインサート5を強固に固定し、かつ、ドリル本体2の先端部2aの近傍により大きな空間(体積)を有するチップポケット(切屑排出溝)を形成させるためには、先端半体部9a、9bに形成する先端半体部9a、9bをインサート固定用ネジ穴10は、インサート嵌合溝8がドリル本体の径方向に延びる向きと直交する方向、すなわち、軸線Oに対して傾斜させることが望ましい。しかし、先端半体部9a、9bにインサート固定用ネジ穴10を形成するための十分なスペースを確保して先端半体部9a、9bの剛性を確保するためには、傾斜角度θは「20°≦角度θ≦40°」の範囲に設定することが好ましいからである。なお、角度θは、「20°≦角度θ≦30°」の範囲に設定することがより望ましい。
さらに、本発明の刃先交換式ドリル1においては、インサート5のネジ挿通穴5pの内周面には仕上げ加工を施した仕上げ内周面部5p1を設けていることに特徴がある。この仕上げ内周面部5p1はその内径がd1になるように仕上げ加工が施されている。この仕上げ内周面部5p1は、インサート5をインサート取付座4に装着するために、ネジ挿入穴5pにインサートクランプネジ6を挿通してインサートクランプネジ6の締付け操作を行ったときに、インサートクランプネジ6に設けている仕上げ加工を施した仕上げ外周面部6c1(図5参照)と密に係合させるために設けたものである。
(インサートの製造方法)
続いて、インサート5の製造方法について説明する。WC基超硬合金製のインサート5は、例えば、次の手順(1)〜(4)に基づいて製造することができる。
(手順1):
炭化タングステン粉末とコバルト粉末と、必要に応じて添加物を加えて作製した混合造粒粉末を、従来から広く採用されている金型を用いた粉末成形法などの製造技術を用いて、インサート5の成形体を成形する。この金型成形時において、ネジ挿通穴5pの原形となる傾斜穴を形成するようにする。なお、インサート5の成形体を焼結すると20%〜30%収縮するので、この原形となる傾斜穴の径は、ネジ挿通穴5pの径より大きくし、さらに、ネジ挿通穴5pの研削仕上げ代を加味した径を有するように、インサート5の成形体を金型成形により製造する。
(手順2):
続いて、金型成形により成形したインサート5の成形体を、所定の温度(1300℃〜1400℃程度)に加熱した加熱炉に装入して焼結(焼成)処理を行う。
(手順3):
続いて、焼結したインサート5の成形体に、3次元研削(研磨)加工機などを用いて必要とする各部位に仕上げ加工を行う。この仕上げ加工としては、例えば、下記(3a)、(3b)に記載の仕上げ加工を実施する。
(3a)上記ネジ挿通穴5pの内周面に、ダイヤモンド砥粒を有する砥石を用いた研削加工、バフ研磨加工、あるいはホーニング加工のいずれか又はこれらを併用した加工により、仕上げ加工を施した仕上げ内周面部5p1を形成する。この内周面の仕上げ加工は、ネジ挿通穴5pの内周面の全面にわたって行ってもよいが、ネジ挿通穴5pの中央部の内周面を含め、ネジ挿通穴5pの中心線L4の両方向に所定の長さにわたってその内周面の全面に仕上げ加工を実施するようにしてもよい。
上記した、ネジ挿通穴5pの中央部の内周面の全面を含め、ネジ挿通穴5pの中心線L4の両方向に所定の長さにわたって仕上げ加工を実施する場合には、インサート5の成形体を焼結したときの形状であって仕上げ加工を実施しない内周面(ネジ挿通穴5pの双方又は一方の開口部から中央部方向への所定の長さまでの内周面)の径は、仕上げ加工を施す内周面の径より大きくなるようにする。
この仕上げ内周面部5p1の形成においては、研削砥石の砥粒の材質、その粒度、及び加工処理時間を適切に設定することによって、仕上げ加工を施した仕上げ内周面部5p1の面粗さ(Rza)の値を、例えば、表面粗さ(Rz)で1.0μm以下になるようにする。
なお、上記仕上げ加工が完了した仕上げ内周面部5p1の内径d1は、例えば、刃先交換式ドリルの工具径(刃径)が20mmの場合には3.5mm、工具径が30mmの場合には5.0mmを目標値として設定するようにする。
(3b)焼結したインサート5の切れ刃5i1、5i2について、ダイヤモンド砥粒を有する回転砥石を用いて仕上げ加工を行う。また、焼結したインサート5の底側面部5fにも仕上げ加工を行う。
(手順4):
仕上げ加工が完了したインサート5について、ネジ挿通穴5pを除いた表面に、耐摩耗性と耐熱性を付与するための被膜をコーティングする。この被膜の材質は、例えば、Ti−Al系窒化物、Ti−Si系窒化物、Ti−B系窒化物などからなる被膜のいずれかとし、例えば、PVD法により被膜を形成する。
また、ドリル本体2にも上記と同様に、耐摩耗性を付与するための被膜をコーティングすることによって、本発明の刃先交換式ドリルの長寿命化に有効である。特に、ドリル本体2の表面に、耐摩耗性に加えて潤滑性も有するTi−B系窒化物をコーティングすることによって、切屑排出溝7における切屑との摩擦抵抗が低減され、好ましい。
(インサートクランプネジの構成)
続いて、インサートクランプネジ6の構成を図5を参照して説明する。図5は、インサートクランプネジ6の構成例を示す正面図である。インサートクランプネジ6は、インサート取付座4に装着したインサート5を、ネジ締め付けによりインサート取付座4に固定するためのネジ固定手段として使用される。
インサートクランプネジ6は、その上端部に頭部6aが形成され、頭部6aから下方に向かって(図5では紙面の左側に向かって)、第1円柱部6b、外径d2の第2円柱部6c、外周面にネジ山を刻設した雄ネジ部6dを備えている。第2円柱部6cの外周面の全表面は、仕上げ加工を施した仕上げ外周面部6c1とされている。なお、第1円柱部6bの外径は、第2円柱部6cの外径d2より若干小さくされている。
インサートクランプネジ6の第2円柱部6cの外周部の全表面に、仕上げ加工を施した仕上げ外周面部6c1を形成する方法は、前記したインサート5のネジ挿入穴5pの内周面に仕上げ加工を施した仕上げ内周面部5p1を形成する方法と同様の方法で実施すことができる。
そして、本発明の刃先交換式ドリル1においては、インサートクランプネジ6の仕上げ外周面部6c1の表面粗さを(Rzb)としたときに、この表面粗さ(Rzb)は、表面粗さ(Rz)で1.5μm〜3.5μm程度の仕上げ加工面を有するようにして、前記したインサート5のネジ挿通穴5pに形成した仕上げ内周面部5p1の表面粗さ(Rza)であるRz=1.0μmより粗くなるようにしていることに特徴がある。
(インサートクランプネジの製造方法)
インサートクランプネジ6の製造方法は、例えば、SKD61等の合金工具鋼製の棒材(線材)から、プレス加工及び旋盤加工により、頭部6a、第1円柱部6b、第2円柱部6c、外周面にネジ山を刻設した雄ネジ部6dを形成した後に、ダイヤモンド砥粒を有する砥石を用いた機械研磨加工等により、第2円柱部6cの全外周面に仕上げ加工を行う。なお、仕上げ加工を施した仕上げ外周面部6cの外径d2は、インサート5のネジ挿通穴5pであって仕上げ加工を施した仕上げ内周面部5p1の内径d1より3μm〜10μm程度と僅かに小さくする。これにより、インサート5のネジ挿通穴5pの仕上げ内周面部5p1内にインサートクランプネジ6の仕上げ外周面部6c1が挿入されたときに、これら仕上げ内周面部5p1と仕上げ外周面部6c1は密に係合して、互いに密着接触することになる。
本発明の刃先交換式ドリル1は、インサート5に設けたネジ挿通穴5p(ネジ挿通穴5pの中心線L4)は、前記したように、インサート5の厚さ方向に対して角度θほど傾斜させている。さらに、ネジ挿入穴5pの内周面には仕上げ加工を施した仕上げ内周面部5p1を設けている。この仕上げ内周面部5p1はその内径がd1になるように仕上げ加工が施されている。そして、インサート取付座4にインサート5を装着して、ネジ挿通穴5pにインサートクランプネジ6を挿通して所定のトルクでネジ締付けを行うと、ネジ挿通穴5pの仕上げ内周面部5p1とインサートクランプネジ6の仕上げ加工を施した仕上げ外周面部6c1とを、密に、かつ強固に係合させることができる。
上記したように、インサート取付座4にインサート5を装着して固定したときには、ネジ挿入穴5pの仕上げ内周面部5p1とインサートクランプネジ6の仕上げ外周面部6c1とは、密に、かつ強固に係合させることができる。これにより、本発明の刃先交換式ドリル1は、インサート5をインサート取付座4に装着して固定する操作を行うとき、例えば、インサート取付座4に未使用の新たなインサート5を装着するときに、このインサート5を予め設定したインサート取付座4の装着位置に対して高精度に装着することが可能になる。さらに、刃先交換式ドリル1を加工機に装着して被削材への穴あけ加工中において、加工負荷がインサート5に作用してもインサート5の装着位置のズレを防止することが可能になる、という効果を発揮することが可能になる。
なお、本発明の刃先交換式ドリル1において、上記した「インサートクランプネジ6の仕上げ外周面部6c1の表面粗さを、インサート5のネジ挿通穴5pに形成した仕上げ内周面部5p1の表面粗さより粗くする」という理由は、下記に基づくものである。
第1の理由は次の通りである。両者(仕上げ内周面部5p1と仕上げ外周面部6c1)の表面粗さを異にすることにより、インサート5をインサート取付座4に装着して固定するときに、インサートクランプネジ6のネジ締め締付けにより接触するインサート5の仕上げ内周面部5p1と、インサートクランプネジ6の仕上げ外周面部6c1との間に生じる摩擦力を低下させることができるので、インサートクランプネジ6の締付け操作を容易にすることができる。
第2の理由は次の通りである。鋼製からなるインサートクランプネジ6の仕上げ外周面部6c1に、高品位に研削加工やラップ加工等を行うと、このインサートクランプネジ6がコスト高になる。このため、インサートクランプネジ6の仕上げ外周面部9c1は適度な表面粗さを有するように研削加工を施した仕上げ加工面とし、WC基超硬合金製のインサート5に設けたネジ挿通穴5の仕上げ内周面部5p1を高品位に研削加工やラップ加工を施した仕上げ加工面を形成して、摩耗し難い超硬合金製のインサート5側に、密に係合させるための表面粗さの精度基準をおいた方が、被削材に対する加工精度向上等の日々の管理がやり易くなるからである。
(インサート取付座にインサートを固定したときの状態)
図4(a)〜(d)は、それぞれ図2(a)〜(c)に対応させて、ドリル本体1のインサート取付座4に一つのインサート5を装着して固定したときの状態を示す図面である。インサート取付座4に一つのインサート5を固定したときには、インサート5の先端部5aは軸線O上に沿ってインサート取付座4から突出させ、さらに、一対の切れ刃5i1、5i2、及び横側面部5d、5eの端部(リーディングエッジ5q1、5q2)もインサート取付座4から突出させる。
本発明の刃先交換式ドリルは、前記したようにドリル本体2の先端部に形成したインサート取付座4に、インサートクランプネジ6を用いてインサート5を固定したときの、インサート5のネジ挿通穴5pとインサートクランプネジ6との係合構造(係合状態)に特徴がある。以下、この係合構造の特徴を、図6及び図7を参照して説明する。
図6は、ドリル本体2のインサート取付座4にインサート5を装着していない状態を示す図であって、図2(a)のB−B線における断面図である。図7は、ドリル本体2のインサート取付座4にインサート5を装着してインサート5を固定しているときの図であって、図4(a)のC−C線における断面図である。
図6、図7において、直線L7は、軸線Oと交差し、インサート取付座4(嵌合溝8)がドリル本体2方向に延びる溝の中央部を通る直線であり、直線L8は、軸線Oと交差し、直線L7と直交する直線を示し、直線L9はインサート固定用ネジ穴10の中心線である。また、図6に示す円K1は、外周コーナ部5n1(5n2)の回転軌跡、図7に示す円K2は、リーディングエッジ5q1(5q2)の回転軌跡を示している。
インサート取付座4にインサート5を装着していない状態を示す図6において、インサート固定用ネジ穴10は、一方の先端半体部9aの外表面を開口部として、嵌合溝8と交差し、さらに、他方の先端半体部9aの内部に達するように延設されている。また、インサート固定用ネジ穴10はその中心線L9が、直線L8、すなわち、ドリル本体2のインサート嵌合溝8(インサート取付座4)がドリル本体2の径方向に延びる向きと直交する方向に対して、ドリル本体2の回転方向Rに角度θ傾斜した方向に形成されている。
さらに、先端半体部9a、9bに設けたインサート固定用ネジ穴10は、一方の先端半体部9aの表面にこのネジ穴10の開口部を設け、この開口部とその近傍の内周部は他の穴部10bの穴径より徐々に拡大した拡大穴部10aを形成している。また、他方の先端半体部9bに延設しているインサート固定用ネジ穴10の内周面には雌ネジ部10cを刻設している。この雌ネジ部10cは、インサートクランプネジ6に形成している雄ネジ部6dとネジ嵌合させるために設けられている。
続いて、インサート取付座4にインサート5を装着してインサートクランプネジ6を用いて固定したときに、インサート5のネジ挿入穴5pの仕上げ内周面部5p1と、インサートクランプネジ6の仕上げ外周面部6c1との係合状態を、図7を参照して説明する。
なお、インサート取付座4(嵌合溝8)へのインサート5の装着は、インサート5の一方の外側面部5gとインサート取付座4の内側面部8aとを対面させ、インサート5の他方の外側面部5hとインサート取付座4の内側面部8bとを対面させ、さらに、インサート取付座4の底面部8cを、インサート5の底側面部5fに当接させてこの底側面部5fを、インサート5をインサート取付座4に装着するときの基準面にする。
図7は、インサートクランプネジ6をインサート固定用ネジ穴10内に挿通させるとともに、インサートクランプネジ6をインサート8のネジ挿入穴5pに挿通させて、インサートクランプネジ6の雄ネジ部6dを他方の先端半体部9bに延設したインサート固定用ネジ穴10の雌ネジ部10cとネジ嵌合している状態を示している。このとき、インサートクランプネジ6の頭部6aは、インサート固定用ネジ穴10の拡大穴部10a内に没入した状態にしている。
図7において、インサート取付座4にインサート5を装着してインサート5を固定した状態においては、前記したように、インサート5のネジ挿入穴5pに形成した仕上げ内周面部5p1と、インサートクランプネジ6の仕上げ外周面部6c1とは密に密着した係合状態になっている。なお、図7においては、ネジ挿入穴5pの全内周面に仕上げ内周面部5p1を形成している例を示している。
本発明の刃先交換式ドリルにおいて、このように、仕上げ内周面部5p1と仕上げ外周面部6c1とが密に密着した係合状態になる理由は、下記の(理由1)〜(理由3)に基づく。
(理由1):
前記したように、インサート5の仕上げ内周面部5p1の内周面は、その表面粗さ(Rz)は1.0μm以下になるように仕上げ加工が施されている。また、インサートクランプネジ6の仕上げ外周面部6c1は、その表面粗さ(Rz)は1.5μm〜3.5μm程度になるように仕上げ加工面が施されている。
(理由2):
前記したように、仕上げ加工を施した仕上げ外周面部6c1の外径d2は、インサート5の仕上げ加工を施した仕上げ内周面部5p1の内径d1より3μm〜10μm程度と僅かに小さくしている。
(理由3):
上記(1)、(2)により、図7に示すようにインサート取付座4にインサート5を固定したときには、インサート5のネジ挿通穴5pの仕上げ内周面部5p1は、インサートクランプネジ6の仕上げ外周面部6c1と密に密着した係合状態、すなわち、両者間に隙間が生じたとしても最大10μm以下の極めて微小な隙間が生じた状態で係合していることになる。このように両者を密に係合した状態とすることにより、インサート5はインサート取付座4に強固に固定されることになる。
また、インサートクランプネジ6の仕上げ外周面部6c1の表面粗さを、インサート5の仕上げ内周面部5p1の表面粗さより粗くしているので、インサート5のネジ挿入穴5pにインサートクランプネジ6を挿通して、インサートクランプネジ6のネジ締付け操作を行うときに、インサート5の内周面部5p1内に、インサートクランプネジ6の仕上げ外周面部6c1が配置された状態にする操作を容易にすることが可能になる。
本発明の刃先交換式ドリルは上記した理由1〜3に基づいて、インサート取付座4に装着したインサート5を強固に、かつインサート取付座4の所定の位置に精度高く固定することが可能になる。これにより、切れ刃の摩耗により使用済みになったインサート5を、新規なインサート5に交換するときに、この新規なインサート5をインサート取付座4の所定の位置に精度高く固定することが可能になり、また、穴あけ加工中に発生する加工負荷によりインサート5の固定位置の位置ズレが発生することを防止できるようになる。
図7に示すように、インサート5のネジ挿入穴5pの全内周面を仕上げ内周面部5p1とし、インサートクランプネジ6の仕上げ外周面部6c1の全外周面が、インサート5の全仕上げ内周面部5p1と密に係合していない状態としても、上記(理由2)により、インサート取付座4に装着したインサート5をインサートクランプネジ6により強固に固定することが可能になる。
インサート取付座4に装着したインサート5をインサートクランプネジ6により強固に固定するためには、ネジ挿入穴5pの仕上げ内周面部5p1の全内周面がインサートクランプネジ6の仕上げ外周面部6c1と密に係合させるように、インサートクランプネジ6の第2円柱部6cネジ軸方向の長さを適切に設定すればよいが、図7に示すように、少なくともインサートクランプネジ6の仕上げ外周面部6c1の表面積の70%以上がネジ挿入穴5pの仕上げ内周面部5p1と密に係合させるようにすることが望ましい。
以上に説明したように、本発明は一対の切れ刃5j、5kを備えた一つのインサートをドリル本体2のインサート取付座4にインサートクランプネジ6のネジ締付けにより、強固に、かつ、インサート取付座4の所定の位置に精度高く固定することができる刃先交換式ドリルを提供することができる。
1:刃先交換式ドリル、
2:ドリル本体、
2a:ドリル本体の先端部、
3:シャンク部、
4:インサート取付座、
5:インサート、
5a:先端部、5b、5c:傾斜側面部、5d、5e:横側面部、5f:底側面部、
5g、5h:外側面部、5i1、5i2:切れ刃、5j、5k:シンニング、
5l、5m:シンニング切れ刃、5n1、5n2:外周コーナ部、
5p:ネジ挿通穴、5p1:仕上げ内周面部、
5q1、5q2:リーディングエッジ、5r1、5r2:切屑排出溝、
6:インサートクランプネジ、
6a:頭部、6b:第1円柱部、6c:第2円柱部、6c1:仕上げ外周面部、
6d:雄ネジ部、
7:切屑排出溝、
8:嵌合溝、
8a、8b:内側面部、8c:底面部、
9a、9b:先端半端部、
10:インサート固定用ネジ穴、
10a:拡大穴部、10b:穴部、10c:雌ネジ部、
d1:ネジ挿通穴に形成した仕上げ内周面部の内径、
d2:インサートクランプネジの第2円柱部(仕上げ外周面部)の外径、
L1:インサートの先端部5aを通り、横側面部5d又は横側面部5eに平行な直線、
L2:インサートの先端部5aを通り、外側面部5hに直交する直線、
L3:インサートの先端部5aを通り、外側面部5hに平行な直線、
L4:インサートのネジ挿通穴5pの中心線、
L5:ネジ挿通穴5pの中心線L4の中点O1を通り、外側面部5hに直交する直線、
L6:ネジ挿通穴5pの中心線L4の中点O1を通り、直線L5と直交する直線、
L7:軸線Oと交差し、インサート取付座4(嵌合溝8)がドリル本体2方向に延びる溝の中央部を通る直線、
L8:軸線Oと交差し直線L7と直交する直線、
L9:インサート固定用ネジ穴10の中心線、
O :刃先交換式ドリル(ドリル本体)の回転軸線(軸線)、
O1:インサートのネジ挿通穴5pの中心線L4の中点、
t:インサートの厚さ、
α:ドリルの先端角、
θ:インサートのネジ挿通穴が外側面部(又は外側面部)に対して傾斜する角度。

Claims (3)

  1. ドリル本体の回転軸線方向の先端部に開口し、前記回転軸線を含んで前記ドリル本体の後方に向かって形成され、前記ドリル本体の先端部を二分割するように一対の先端半体部を形成するスリット状のインサート嵌合溝からなるインサート取付座と、
    切れ刃を有し、略平板形状をなしその一方の外側面部から他方の外側面部まで貫通するネジ挿通穴を形成したインサートと、
    前記インサート嵌合溝と交差して前記一対の先端半体部に形成されたインサート固定用ネジ穴を備え、
    前記インサート固定用ねじ穴に挿通されたインサートクランプネジにより前記インサートを前記インサート取付座に着脱自在に固定する刃先交換式ドリルであって、
    前記インサートの前記ネジ挿通穴は、その中心線が前記インサートの厚さ方向に対して角度θほど傾斜するとともに、前記ネジ挿通穴の内周面には仕上げ加工を施した仕上げ内周面部を備え、
    前記インサートクランプネジは、その外周面に仕上げ加工を施した仕上げ外周面部を備え、
    前記インサート固定用ネジ穴は、前記ドリル本体の前記インサート嵌合溝が前記ドリル本体の径方向に延びる向きと直交する方向に対して、前記ドリル本体の回転方向に前記角度θ傾斜した方向に形成され、
    前記インサート取付座に前記インサートを装着して、前記インサートを前記インサートクランプネジにより固定したときに、前記インサートの前記ネジ挿通穴の前記仕上げ内周面部と前記インサートクランプネジの前記仕上げ外周面部とは密に係合していることを特徴とする刃先交換式ドリル。
  2. 前記インサートクランプネジの外周面に仕上げ加工を施した前記仕上げ外周面部の表面粗さは、前記インサートの前記ネジ挿通穴の前記内周面に仕上げ加工を施した前記仕上げ内周面部の表面粗さより粗くなされていることを特徴とする請求項1に記載の刃先交換式ドリル。
  3. 前記角度θは、20°≦θ≦40°の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の刃先交換式ドリル。
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