JP2905202B2 - ドリル - Google Patents

ドリル

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JP2905202B2
JP2905202B2 JP20548198A JP20548198A JP2905202B2 JP 2905202 B2 JP2905202 B2 JP 2905202B2 JP 20548198 A JP20548198 A JP 20548198A JP 20548198 A JP20548198 A JP 20548198A JP 2905202 B2 JP2905202 B2 JP 2905202B2
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章雄 福井
和明 寺田
高裕 山田
晴康 豊田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、互いに別部材であ
る刃部材とシャンクとを固定して成るドリルに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ドリルには、刃部をシャンクと一体に形
成して成るものと、互いに別部材である刃部材とシャン
クとを固定して成るものとがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、後者の刃部
材とシャンクとが別部材である形式のドリルであって、
構造が簡単で製造が容易なものを得ることを課題として
為されたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段,作用および効果】上記課
題は、ドリルを下記各態様のものとすることによって解
決される。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項
に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形
式で記載する。各項に記載の技術的特徴およびそれらの
組合わせの可能性の理解を容易にするためであり、本明
細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下
のものに限定されると解釈されるべきではない。 (1)先端部に切刃が形成された平板状の刃部材と、そ
の刃部材と別部材であるシャンクとを固定して成るドリ
ルにおいて、前記刃部材を、それの幅方向の寸法が前記
シャンクの直径以下であり、かつ、その刃部材の軸方向
の寸法が幅方向の寸法の2倍以上であるものとする一
方、前記シャンクを、横断面形状が円である部材の先端
面に軸方向に延びかつ直径方向に貫通した貫通嵌合溝を
形成したものとし、その貫通嵌合溝に刃部材の基端部を
嵌合して固定し、その刃部材の両側の空間をそのまま軸
方向に延びる切屑排出溝としたことを特徴とするドリル
(請求項1)。上記刃部材は、全体が切刃形成に適した
材料から成るものとすることも、切刃形成部のみを他の
部分より硬度が高く、切刃の形成に適した材料から成る
ものとすることも可能である。前者の場合は、刃部材自
体の先端部に逃げ面を形成し、その逃げ面と平板の側面
から成るすくい面との交線を切刃とするのであり、後者
の場合は、平板に固着した硬度の高い材料の部分に逃げ
面とすくい面とを形成し、両者の交線を切刃とすること
になる。本態様におけるシャンクは、横断面形状が円で
ある部材の先端面に直径方向に貫通した貫通嵌合溝を形
成して成るものであるため、貫通していない溝を形成す
る場合に比較して、容易に形成することができる。非貫
通の嵌合溝は例えば放電加工等により形成する必要があ
るが、貫通嵌合溝は例えばすり割りフライス等により容
易に切削加工することができるのである。また、貫通嵌
合溝に刃部材の基端部が嵌合されるため、刃部材をシャ
ンクに容易にかつ強固に固定することができる。さら
に、シャンクの横断面形状は円である。すなわち、シャ
ンクの側面には、軸方向に延びた切屑排出用溝が形成さ
れていないのであり、その分安価に製造することができ
る。刃部材の基端部をシャンクの貫通嵌合溝に嵌合して
固定することによってドリルが構成されるのであるが、
このドリルにおいては、刃部材の両側の空間がそのまま
軸方向に延びる切屑排出溝とされる。そのため、刃部材
は勿論、シャンクにも切屑排出溝を形成する必要がなく
なり、製造が容易になってドリルのコストダウンを図る
ことができる。刃部材の幅方向の寸法がシャンクの直径
以下である場合には、刃部材によりあけられた穴にシャ
ンクが嵌入することはできず、形成可能な穴の深さは刃
部材のシャンクから突出した部分の長さによって決ま
る。そして、一般に、刃部材の軸方向の寸法を大きくす
るほどシャンクからの突出部の長さを長くすることが可
能となり、深い穴の加工が可能となるのであって、この
観点からすれば、刃部材の軸方向の寸法を幅方向の寸法
の3倍以上とすることが特に望ましい。 (2)前記刃部材の軸方向の寸法を幅方向の寸法の3倍
以上としたことを特徴とする(1) 項に記載のドリル(請
求項2)。 (3)前記刃部材と前記シャンクとが、互いに異なる材
料から成る(1) 項または(2) 項に記載のドリル。 例えば、刃部材の材料を超硬合金,セラミック,サーメ
ット等とし、シャンクの材料を特殊鋼,工具鋼等とする
ことができる。刃部材の材料は切削に耐え得る硬度を有
する材料とする必要があるが、シャンクの材料は刃部材
を保持し得る強度および剛性を有するものであればよ
い。このように、刃部材とシャンクとを互いに異なる材
料で製造すれば、刃部材やシャンクの材料を、それらに
それぞれ適した材料とすることができ、ドリル全体を同
一の材料で製造する場合より材料費を安くすることがで
きる。 (4)前記刃部材の基端部が前記シャンクにロー付けに
より固定された(1) 項ないし(3) 項のいずれか1つに記
載のドリル。刃部材の基端部とシャンクとをロー付けに
より固定すれば、刃部材をシャンクに簡単に十分な強度
で固定することができ、切削に伴う発熱によって刃部材
がシャンクから離脱する恐れもない。ただし、後述する
ようにドリルがクーラント供給穴を有するものである場
合には、切削により発生する熱がクーラントにより効果
的に運び去られるため、刃部材とシャンクとの固定箇所
の温度上昇が小さく、両者を半田付けや接着により固定
することも可能である。 (5)前記貫通嵌合溝の内面の少なくとも一部に、前記
刃部材の基端部と接触しない非接触部が設けられた(4)
項に記載のドリル。(4) 項に記載のドリルにおけるよう
に刃部材とシャンクとをロー付けする場合に、両者の材
料が(3) 項に記載のドリルにおけるように互いに異なっ
ていれば、これら材料の線膨張率の相違に起因して、刃
部材が破損する恐れがある。それに対して、本項に記載
のドリルのように、貫通嵌合溝の内面に非接触部を設け
れば、刃部材とシャンクとの固着面積をその分小さくす
ることができ、刃部材の破損を回避することができる。 (6)前記非接触部が、前記シャンクの少なくとも前記
貫通嵌合溝が形成された部分に、その貫通嵌合溝の幅よ
り大きい直径で軸方向穴が形成されたものである(5) 項
に記載のドリル。このように、シャンクに軸方向穴を形
成すれば、貫通嵌合溝の内面に容易に非接触部を設ける
ことができる。 (7)前記刃部材の基端部が前記シャンクに着脱可能に
固定された(1) 項ないし(6) 項のいずれか1つに記載の
ドリル。刃部材の基端部をシャンクにボルトやピン等で
着脱可能に固定すれば、刃部材が摩耗により使用不能と
なった場合に、刃部材のみを交換し、シャンクを繰返し
使用することが可能となる。 (8)前記シャンクの中心にそのシャンクを軸方向に貫
通するクーラント穴が形成され、そのクーラント穴の少
なくとも前記貫通嵌合溝と軸方向において重なり合う部
分およびその近傍部の直径が貫通嵌合溝の幅より大き
く、かつ、前記クーラント穴の直径のシャンクの直径に
対する比率が0.2〜0.6とされたことを特徴とする
(1) 項1ないし(7) 項のいずれか1つに記載のドリル
(請求項3)。クーラント穴にクーラント供給装置を接
続すれば、刃部材の側面とクーラント穴の内周面との間
の隙間から加工部(被加工物および切刃の周辺)にクー
ラントを供給することができる。刃部材に貫通穴を形成
しなくても、クーラントを加工部に供給することができ
るのである。クーラント穴は全長にわたって直径を一定
にしても、途中で変化させてもよい。直径を一定にすれ
ば一般にクーラント穴の形成が容易となるが、クーラン
ト穴の貫通嵌合溝と軸方向において重なり合う部分を小
径穴部、他の部分を大径穴部とする方がよい場合があ
る。例えば、シャンクが細い場合にはクーラント穴も細
くなるため、シャンクにそれを軸方向に貫通するクーラ
ント穴を形成することが容易ではなく、その観点からす
ればクーラント穴の直径は大きいほどよいのであるが、
シャンクの先端部においては、そのクーラント穴と共に
貫通嵌合溝が形成されるため強度が不足し易い。そこ
で、先端部の強度低下を極力回避しつつクーラント穴の
形成を容易にするために、クーラント穴の先端部を小径
穴部、他の部分を大径穴部とすることが望ましい場合が
生じるのである。逆に、クーラント穴の貫通嵌合溝と軸
方向において重なり合う部分およびその近傍部分を大径
穴部、他の部分を小径穴部とすることが望ましい場合も
ある。クーラント穴の形成さえ可能であれば、クーラン
ト穴の先端部を大径穴部としてその大径穴部の内周面と
刃部材の側面との間の隙間をクーラント噴射口として確
保しつつ、他の部分は小径穴部としてシャンク全体の剛
性を高く保つことが望ましいのである。なお、刃部材と
シャンクとがロー付けされる場合には、クーラント穴の
先端部が前記(6)項に記載のドリルにおける軸方向穴と
して機能する。このクーラント穴の、貫通嵌合溝と軸方
向において重なり合う部分の直径は貫通嵌合溝の幅(刃
部材の厚さ)より大きくする必要があるため、この部分
の直径のシャンクの直径に対する比率はシャンクの直径
に対する貫通嵌合溝の幅の比率も考慮して決める必要が
あるが、一般的には0.2〜0.5とすることが望まし
く、0.3〜0.4とすることがさらに望ましい。 (9)前記刃部材の前記貫通嵌合溝に嵌合された基端部
の軸方向の寸法の、刃部材全体の軸方向寸法に対する比
率が0.2〜0.3である(1) 項ないし(8) 項のいずれ
か1つに記載のドリル(請求項4)。切削抵抗がそれほ
ど大きくない場合には、刃部材の基端部の寸法をそれほ
ど大きくする必要はないが、切削抵抗が増すにつれて大
きくすることが必要となる。一般的には0.1〜0.5
とすることが望ましく、0.1〜0.4または0.2〜
0.3とすることが特に望ましい。
【0005】
【実施の形態】本発明の一実施形態であるドリルについ
て図面に基づいて詳細に説明する。図1において,ドリ
ルは、互いに別部材である刃部材10とシャンク12と
から成るものであり、刃部材10の材料は超硬合金であ
り、シャンク12の材料は特殊鋼である。
【0006】刃部材10は、超硬合金製の矩形の板材の
先端部に切刃を形成することによって製造されたもので
ある。板材は、それの厚みdがマージン幅と、幅wがシ
ャンク12の直径Dとそれぞれ同じ大きさであり、それ
の軸方向の長さLは幅wの2〜7倍のものである。板材
の先端部14が他の部分より幅が小さくされており、こ
の先端部14と他の部分との段部に面取り用切刃18が
形成されている。先端部14の幅は、被加工物に形成す
べき加工穴の直径とほぼ同じとされ、軸方向の長さは、
その加工穴の深さよりやや短めとされている。ただし、
加工穴が貫通穴である場合には、先端部14の長さは加
工穴の深さより長くされる。
【0007】また、平板の側面20の側方空間を切屑排
出溝として利用することが可能であるため、軸方向に延
びる溝を形成する必要がない。そのため、刃部材10の
製造工数が少なくて済み、ドリルのコストダウンを図る
ことができる。先端部14の先端には、外周側ほどシャ
ンク12に接近し、かつ、ドリルの回転方向と逆方向に
向かうに従ってシャンク12に接近する向きに傾斜した
逃げ面22が形成され、逃げ面22と側面20との交線
が切刃24とされる。また、両逃げ面22の交線である
チゼルエッジを小さくするためにシンニング26が施さ
れるが、本実施形態においてはチゼルエッジ0のクロス
シンニングとされている。
【0008】シャンク12は概して丸棒状を成し、それ
の先端面30から軸方向にすり割り溝32が形成されて
いる。すり割り溝32は、図2に示すように、円形であ
る先端面30の一直径上に、シャンク12の先端部を直
径方向に貫通する状態で形成されており、幅は刃部材1
0の厚みdとほぼ同じに(厳密には厚みdより僅かに大
きく)され、深さLd は刃部材10の軸方向の長さLの
およそ1/5とされている。このすり割り溝32に基端
部16が嵌合されることになるため、すり割り溝32の
深さLd が基端部16のシャンク12との嵌合部の長さ
となり、この嵌合部の長さLd の軸方向の長さLに対す
る比率(Ld /L)がおよそ1/5とされているのであ
る。
【0009】シャンク12には、また、軸方向に延びた
クーラント穴36が形成されている。クーラント穴36
は段付き形状を成しており、すり割り溝32が形成され
た部分およびその近傍部が、他の部分より大径の大径穴
部38とされている。図2に示すように、その大径穴部
38の直径Dh は、すり割り溝32の幅(刃部材10の
厚みd)より大きくされ(Dh >d)、大径穴部38の
軸方向の長さLh はすり割り溝32の深さLd より長く
されている(Lh >Ld )。その結果、クーラント穴3
6は、すり割り溝32と、それの底面および側面におい
て連通させられることになる。大径穴部38の直径Dh
のシャンク12の直径D(刃部材10の幅wと同じ)に
対する比率(Dh /D)は、本実施形態においては、約
0.5とされている。シャンク12の末端部にはトルク
伝達用の突起40が、このクーラント穴36の直径より
大きい厚みで形成されている。シャンク12の素材とし
て市販の丸棒を使用すれば製造費を低減し得る。
【0010】刃部材10は、基端部16においてシャン
ク12のすり割り溝32に嵌合され、ロー付けにより固
定されている。ロー付け後、刃部材10の幅方向の両端
面と、シャンク12のすり割り溝32の深さよりやや長
い部分の外周面とが円筒研削加工されている。このよう
に、基端部16には僅かな研削加工を施すのみでよいた
め、製造費を安くすることができる。また、刃部材10
がシャンク12に固定された状態において、刃部材10
の側面20と大径穴部38の内周面との間に隙間が形成
され、この隙間がクーラントの噴射口となる。
【0011】さらに、上述のように、大径穴部38の直
径Dh がすり割り溝32の幅dより大きく、軸方向の長
さLh が深さLd より長くされているため、刃部材10
がシャンク12に固定された状態において、刃部材10
のすり割り溝32に嵌合された部分の側面と末端面との
全体がすり割り溝32の内側面に接触させられ、ロー付
けされるわけではなく、すり割り溝32の底面と内側面
との各外周側の部分にのみロー付けされることとなる。
刃部材10の幅方向の中央部にはシャンク12に接触せ
ず、ロー付けされない非接触部が形成されることになる
のである。前述のように、刃部材10とシャンク12と
は異なる材料で製造されているため、ロー付け時にドリ
ルが加熱され、その後冷却されると、これらの間の線膨
張率の相違に起因して、刃部材10(硬度が高く脆い
方)の基端部16に図10に示すようにクラック46が
生じるおそれがある。それに対して、上記非接触部が形
成されていれば、線膨張係数の違いがシャンク12の弾
性変形により吸収されるため、破損が回避される。
【0012】上記構成のドリルによる被加工物の穴あけ
加工を説明する。シャンク12が図示しない工具ホルダ
を介してボール盤等工作機械の主軸に固定され、クーラ
ント穴が工具ホルダ内のクーラント通路を経てクーラン
ト供給装置に接続される。ドリルが回転させられ、主軸
と被加工物とが主軸の軸方向において相対的に接近させ
られれば、被加工物に加工穴が形成される。この際、被
加工物と刃部材10との切刃24近傍部である加工部に
は、クーラント穴36から刃部材10の側面20に沿っ
てクーラントが噴射される。一方、発生した切屑は逆向
きに刃部材10の側面に沿って流れ、加工穴の外部へ排
出される。このように、刃部材10にクーラント穴を設
けなくても加工部にクーラントを供給することができ、
切屑排出溝を形成しなくても切屑を排出することができ
るのである。
【0013】図3,4は、本実施形態のドリルを用いて
被加工物に加工穴を81個形成した後の、刃部材10の
先端の状態を工具顕微鏡で観察した結果を示す図であ
る。図3は、本ドリルを回転数5000rpm で回転しつ
つ送り速度150mm/minで前進させた場合におけるそれ
であり、図4は、回転数を2500rpm 、送り速度を7
5.4mm/minとした場合のそれである。図3,4から、
回転数5000rpm の場合も回転数2500rpm の場合
も、切刃24の周りには構成刃先50が形成されるが、
その構成刃先50の量が回転数5000rpm の場合の方
が多いことがわかる。また、傷52の状態から回転数5
000rpm の場合の方が、磨耗が大きいことがわかる
が、その場合においても穴あけ加工に悪影響を及ぼすほ
どではない。また、本ドリルによる加工穴の拡大代およ
び面粗さを調べた。その結果、通常のドリルと比較し
て、面粗さは多少大きいが、拡大代は殆ど同じであるこ
とがわかった。この実験により、本ドリルが穴あけ加工
に十分使用可能なものであり、加工精度にも殆ど問題が
ないことが確認された。
【0014】なお、上記実施形態においては、刃部材1
0が超硬合金製の平板から製造されたものであったが、
刃部材10の材料は、セラミックスであっても、サーメ
ックであっても、工具鋼に表面処理を施したもの等であ
っても、平板の先端部14に切刃用のボラゾン等を固着
したものであってもよい。また、刃部材10の基端面に
形成した中央突部をシャンク12の大径穴部38に丁度
嵌合して、刃部材10とシャンク12との位置決めを行
えば、刃部材10とシャンク12との中心を精度よく一
致させることができ、刃部材10の幅方向の端面を研削
加工することは不可欠ではなくなる。さらに、クーラン
ト穴36は、段付き形状のものとしなくても、全長に渡
って直径が一定のものとしてもよい。さらに、クーラン
ト穴36を省略することも可能である。
【0015】また、上記実施形態においては刃部材10
がシャンク12にロー付けにより着脱不能に固定されて
いたが、ボルトやピン等により着脱可能に固定すること
もできる。図5,6に示すドリルにおいては、刃部材1
0が、基端部16において、軸方向に並んだ2本のボル
ト70,72によりシャンク12に固定されている。ボ
ルト70,72は、刃部材10を貫通する部分とその両
側の一定長さの部分とには雄ねじが形成されておらず、
直径が正確に加工されており、同じく精度良く加工され
た刃部材10の嵌合穴73とシャンク部12の嵌合穴7
4,75とに嵌合されている。また、頭部76がシャン
ク12に形成された座ぐり穴78に収容されるととも
に、先端の雄ねじ部79によりシャンク12の雌ねじ穴
に螺合されることにより、シャンク12のすり割り溝3
2の両側壁部を互いに接近させ、刃部材10の基端部を
強固に挟ませている。以上により、刃部材10のシャン
ク12に対する軸方向と幅方向との相対移動が防止され
ている。ボルト70,72は、ボルトと位置決めピンと
が一体化された、所謂リーマボルトなのである。ボルト
70,72を外せば、刃部材10を外すことができ、新
しい刃部材10と交換することができる。
【0016】図7〜9に示すドリルにおいては、刃部材
10が軸方向に並んだ2本のピン80,82と、それら
ピン80,82の間のボルト84とによってシャンク1
2に固定されている。ピン80,82は雄ねじ部86,
88を有するものであり、雄ねじ部86,88がシャン
ク12の雌ねじ部に螺合されることにより脱落を防止さ
れている。これらピン80,82によって刃部材10と
シャンク12との軸方向および幅方向の相対移動が防止
されるとともに、ボルト84によりすり割り溝32の両
側壁間の間隔が減少させられて、刃部材10が両側壁に
より強固に挟まされている。これらピン80,82およ
びボルト84を外せば、刃部材10を交換することがで
きる。
【0017】その他、刃部材10およびシャンク12の
形状は上記実施形態のものに限定されない等、いちいち
例示することはしないが、特許請求の範囲を逸脱するこ
となく当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施し
た態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるドリルを示す正面・
側面図である。
【図2】上記ドリルのシャンクの先端面近傍を示す正面
・側面図である。
【図3】上記ドリルの使用後の先端を工具顕微鏡で観察
した状態を示す図である。
【図4】上記ドリルの別の使用後の先端を工具顕微鏡で
観察した状態を示す図である。
【図5】本発明の別の実施形態であるドリルのシャンク
先端近傍部の正面図である。
【図6】図5におけるAA断面図である。
【図7】本発明のさらに別の実施形態であるドリルのシ
ャンク先端近傍部の正面図である。
【図8】図7におけるBB断面図である。
【図9】図7におけるCC断面図である。
【図10】刃部材とシャンクとの間の線膨張率の相違に
起因した刃部材にクラックが生じた状態を示す図であ
る。
【符号の説明】
10 刃部材 12 シャンク 16 基端部 20 側面 24 切刃 32 すり割り溝 36 クーラント穴 38 大径部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 高裕 愛知県豊田市吉原町平子26番地 富士精 工株式会社内 (72)発明者 豊田 晴康 愛知県豊田市吉原町平子26番地 富士精 工株式会社内 (72)発明者 三宅 仁 愛知県豊田市吉原町平子26番地 富士精 工株式会社内 (72)発明者 梅田 明広 愛知県豊田市吉原町平子26番地 富士精 工株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−234409(JP,A) 特開 平4−217413(JP,A) 実開 昭64−42814(JP,U) 実開 昭62−15409(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23B 51/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端部に切刃が形成された平板状の刃部
    材と、その刃部材と別部材であるシャンクとを固定して
    成るドリルにおいて、 前記刃部材を、それの幅方向の寸法が前記シャンクの直
    径以下であり、かつ、その刃部材の軸方向の寸法が幅方
    向の寸法の2倍以上であるものとする一方、前記シャン
    クを、横断面形状が円である部材の先端面に軸方向に延
    びかつ直径方向に貫通した貫通嵌合溝を形成したものと
    し、その貫通嵌合溝に刃部材の基端部を嵌合して固定
    し、その刃部材の両側の空間をそのまま軸方向に延びる
    切屑排出溝としたことを特徴とするドリル。
  2. 【請求項2】 前記刃部材の軸方向の寸法を幅方向の寸
    法の3倍以上としたことを特徴とする請求項1に記載の
    ドリル。
  3. 【請求項3】 前記シャンクの中心にそのシャンクを軸
    方向に貫通するクーラント穴が形成され、そのクーラン
    ト穴の少なくとも前記貫通嵌合溝と軸方向において重な
    り合う部分およびその近傍部の直径が貫通嵌合溝の幅よ
    り大きく、かつ、前記クーラント穴の直径のシャンクの
    直径に対する比率が0.2〜0.6とされたことを特徴
    とする請求項1または2に記載のドリル。
  4. 【請求項4】 前記刃部材の前記貫通嵌合溝に嵌合され
    た基端部の軸方向の寸法の、刃部材全体の軸方向寸法に
    対する比率が0.2〜0.3である請求項1ないし3の
    いずれか1つに記載のドリル。
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