JP3144772U - 回転切削工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】好適な切削を可能にする回転式切削工具を提供する。
【解決手段】工具本体1には、少なくとも2条の切屑排出溝3が形成され、少なくともこれら切屑排出溝3の前端部に設けられたチップ座10に、切刃チップ20が固定されてなる回転切削工具に関して、切屑排出溝3の前端部における内周壁面3a、およびチップ座の内周壁面10aを、工具本体1の中心軸線方向前端側へ向かうにしたがい前記軸線に漸次接近するように形成し、少なくともチップ座の内周壁面10aに当接する切刃チップ20のうち少なくとも1つの切刃チップ20を、その切刃20aの内周端が実質的に前記軸線に近接または達するように配設し、さらに、工具本体1の前端面2中央部にあらわれる、切屑排出溝の内周壁面3aおよびチップ座の内周壁面10aの開口縁部3b、10bを含む領域に、前記前端面より前記軸線方向後端側へ陥没する凹部30を形成した。
【選択図】図5

Description

本考案は、中心軸線まわりに回転させられる回転切削工具に関する。
この種の回転切削工具において、ホルダ前端部を肉厚にする先行技術がある。この回転切削工具は、ホルダに中心軸線を挟んで対称的に2個のスローアウェイチップをスクリュー止めした、刃径10〜16mmの回転切削工具である。そして、該ホルダの一方のポケットのチップ座のコーナーと反対側のポケットとの間の該ホルダの刃先側の端面における最小肉厚を、前記刃径の少なくとも14%確保することで肉厚を確保する(例えば、特許文献1参照。)。
特開平8−155723号公報
しかしながら、特許文献1記載の回転切削工具は、ホルダ前端部の肉厚を確保できる反面、工具前端側に延びる切刃を中心軸線に近接又は交差する位置まで延ばせない。そのため、この回転切削工具は、中心軸線に近接した領域を切削することができないという問題があった。
本考案は、前記問題を解決するためになされたもので、好適な切削を可能にする回転切削工具を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本考案は以下の構成からなる。
中心軸線まわりに回転させられる工具本体の外周面には、該工具本体の前端面から前記中心軸線方向後端側へ延びる少なくとも2条の切屑排出溝が切り欠き形成され、少なくともこれら切屑排出溝の前端部には、該切屑排出溝の回転方向を向くチップ座形成面を切り欠き少なくとも該工具本体の前端面に開口するチップ座が形成され、これらチップ座には、切刃が少なくとも該工具本体の前端面から突出するように、切刃チップがそれぞれ固定されてなる回転切削工具であって、前記切屑排出溝の前端部における内周壁面、および前記チップ座の内周壁面は、前記中心軸線方向前端側へ向かうにしたがい前記中心軸線に漸次接近するように形成され、少なくとも前記チップ座の内周壁面に当接する切刃チップのうち少なくとも1つの切刃チップは、その切刃の内周端が実質的に工具本体の中心軸線に近接または達するように配設され、さらに、前記工具本体の前端面中央部にあらわれる、前記切屑排出溝の内周壁面および前記チップ座の内周壁面の開口縁部を含む領域には、前記前端面より前記中心軸線方向後端側へ陥没する凹部が形成されていることを特徴とする回転切削工具である。
本考案によれば、工具本体の前端部に配設された切刃チップのうち少なくとも1つの切刃チップは、その切刃の内周端が実質的に工具本体の中心軸線に近接または達するように配設されていることで、前記中心軸線近傍領域の切削が可能となる。また、前記切刃チップは、前記切刃の内周端に近接した領域をチップ座の内周壁面に当接して支持されることで、前記切刃の位置が正確に割り出され且つチップ座に安定的に固定される。ここで、切屑排出溝の内周壁面およびチップ座の内周壁面が前記中心軸線方向前端側へ向かうにしたがい前記中心軸線に漸次接近するように形成されたことで、前記切屑排出溝およびチップ座によって切り欠かれた残部が薄肉となる領域が、工具本体の前端面近傍の領域にとどめられるため、工具本体の強度低下が最小限に抑えられる。さらに、工具本体の前端面中央部にあらわれる、前記切屑排出溝の内周壁面および前記チップ座の内周壁面の開口縁部を含む領域には、前記前端面より前記中心軸線方向後端側へ陥没する凹部が形成される。このことは、前記チップ座の内周壁面に当接する切刃チップから受ける切削抵抗によって変形やクラックを生じやすい、前記内周壁面の前端部における薄肉領域が削除されるので、切刃チップの位置決め精度の悪化や工具本体の破損を防止する。
本考案において、前記切屑排出溝およびチップ座は、前記中心軸線に関して180°回転対称に、少なくとも一対形成され、
前記中心軸線方向から工具本体の前端面をみたとき、前記凹部は、前記中心軸線と直交しかつ前記切屑排出溝のチップ座形成面に対して鋭角に交差する方向に延在し、この延在する方向に直交する平面で切断した各断面における断面形状が略等しくなるように形成されることとしてもよい。これは、前記一対をなす各切屑排出溝およびチップ座が前記凹部によって切り欠かれる領域が等しく形成されて、各チップ座における変形やクラックを防止する効果が均一に得られることになるので好ましい。
本考案において、前記切屑排出溝およびチップ座は、前記中心軸線に関して回転対称に形成され、前記凹部は、前記中心軸線上に中心を有する、窪んだ球面状に形成されることとしてもよい。これもまた、前記一対をなす各切屑排出溝およびチップ座が前記凹部によって切り欠かれる領域が等しく形成されて、各チップ座における変形やクラックを防止する効果が均一に得られることになるので好ましい。
本考案において、前記凹部は、各切屑排出溝に連通するように形成されることとしてもよい。これは、各切屑排出溝内を通る切屑のうち細かい切屑が工具本体の前端部に滞留して、切刃の損傷が発生したり加工面に傷を付けたりすることが防止できるので好ましい。
本考案によれば、工具本体の前端部に配設された切刃チップが該工具本体の中心軸線またはその近傍領域を切削することが可能であるとともに、その際に生成する切屑を円滑に排出することができる。さらに、チップ座の変形やクラックを防止することで、切刃チップの位置決め精度の悪化および工具本体の破損を防止することができる。以上のことから、切削加工に好適な回転切削工具を提供することができる。
本考案を適用した回転切削工具について図を参照しながら説明する。図1は、本回転切削工具の斜視図である。図2および図3は、図1に示す工具の正面図および先端視側面図である。図4は、図3におけるX矢視であり、切刃チップを取り外した状態を示す図である。
図1および図2に図示するように、この回転切削工具は、軸状をなす工具本体1のシャンク部より前端側にある刃部の前端面および外周面から突出する切刃となる切刃チップが配設されてなる。工具本体1の外周面には、該工具本体の前端面2から中心軸線方向後端側に向かって延びる二条の主切屑排出溝4が中心軸線を基準として対称に切り欠き形成される。これら主切屑排出溝4の前端部かつ工具回転方向Kを向くチップ座形成面7には、第1の切刃チップ21が配設される位置に対応して切り欠き段部からなる第1のチップ座11が形成される。これら主切屑排出溝の内周壁面6は、中心軸線方向でみて前端側の約半分の領域において、工具本体の前端面2に向かうにしたがって中心軸線に漸次接近するように、中心軸線に対して傾斜して形成される。工具本体の前端面2にあらわれる夫々の主切屑排出溝4の開口部において、主切屑排出溝の内周壁面の開口縁部4bは、互いに交差するか、わずかな間隔をあけて近接するようにあらわれる。
図2からわかるように第1のチップ座の内周壁面11aは、主切屑排出溝の内周壁面4aに対してわずかに外周側且つ平行な方向に延在するように形成される。そのため、工具本体の前端面2にあらわれる第1のチップ座の内周壁面の開口縁部11bは、互いに交差するか、わずかな間隔をあけて互いに近接する。
第1の切刃チップ21は、略平行四辺形板状をなし、一方の平行四辺形面をすくい面として工具回転方向Kに向け、他方の平行四辺形面を着座面として第1のチップ座11の底面に着座し、2つの外周面を第1のチップ座の内周壁面11aおよび中心軸線方向前端側を向く壁面に夫々当接し、すくい面となる平行四辺形面の中央を貫通する取り付け穴に挿通したねじ部材を第1のチップ座11の底面に設けた雌ねじ穴にねじ込むことにより固定される。第1の切刃チップ21を第1のチップ座11に固定する手段は、前記のねじ部材に限らず、楔部材、押さえ金といった既知の手段のほか、ろう付け、半田付けといった接合手段を用いてもよい。
第1のチップ座11に固定された第1の切刃チップ21において、すくい面となる平行四辺形面の鈍角コーナー部から夫々延びる辺稜部は、工具本体の前端面2および外周面から突出して切削を担う切刃とされる。ここで、前記鈍角コーナーから中心軸線に向かって延びる切刃24は、その内周端が第1のチップ座の内周壁面11aに当接している外周面に連なる他の辺稜部と隣接していて、中心軸線に近接または達する位置にあるように形成されている。ここで、前記切刃24が中心軸線上にある被削材を切削できるよう、前記切刃24の内周端は、中心軸線を中心として工具最外径の10%直径以内または直径1mm以内のうちいずれか近い位置に近接していることが望ましい。
既述のとおり、中心軸線方向でみて主切屑排出溝4の前端側約半分の領域において、主切屑排出溝の内周壁面4aは、工具本体の前端面2に向かうにしたがって中心軸線に漸次接近するように、中心軸線に対して傾斜して形成される。そして、工具本体の前端面2にあらわれる主切屑排出溝の内周壁面の開口縁部4bは、互いに交差するか、わずかな間隔をあけて近接している。さらに、主切屑排出溝の内周壁面の開口縁部4bに対してわずかに外周側に位置する、第1のチップ座の内周壁面の開口縁部11bもまた、互いに交差するか、わずかな間隔をあけて近接している。さらに本回転切削工具では、工具本体の前端面中央部にあらわれる、主切屑排出溝の内周壁面の開口縁部4bおよび第1のチップ座の内周壁面の開口縁部11bを含む領域に、前記前端面2より中心軸線方向後端側へ陥没する凹部30が形成される。
図3および図4に図示するように中心軸線方向から工具本体の前端面2をみたとき、前記凹部30は、中心軸線と直交しかつ主切屑排出溝4のチップ座形成面6に対して鋭角に交差する方向に延在するように形成される。さらに、凹部30は、その延在する方向に直交する平面で切断した断面形状が中心軸線方向後端側に凹む略円弧状をなし、各断面で略等しい形状となるように形成されている。
主切屑排出溝4のチップ座形成面6の後端側には、工具本体1の外周面に開口する第2のチップ座12が形成される。この第2のチップ座12には、略菱形板状をなす第2の切刃チップ21が一方の菱形面をすくい面として工具回転方向Kへ向けるとともに、すくい面となる菱形面の辺稜部に形成した切刃21aのうち1つを選択的に工具本体1の外周面から突出するようにして、ねじ部材で固定されている。
また、中心軸線を中心として各主切屑排出溝4に対して90°回転した位置には、2条の副切屑排出溝5が夫々形成される。これら副切屑排出溝5は、その内周壁面5が中心軸線から大きく離れていることによって、工具本体の前端面2に開口しないように形成されている。そして、各副切屑排出溝5の工具回転方向Kを向くチップ座形成面6には、中心軸線方向で、主切屑排出溝4の前端側にある第1の切刃チップ21と、後端側にある第2の切刃チップ22との間の位置に、第3のチップ座13が工具本体1の外周面に開口する切り欠き段部として形成され、この第3のチップ座23に第3の切刃チップ13がねじ部材で固定されている。第3の切刃チップ13は、略菱形板状をなしその一方の菱形面をすくい面として工具回転方向Kへ向け、前記菱形面の一方の鋭角コーナー部が前端側かつ外周側に位置するとともに、前記鋭角コーナーから内周側へ延びる切刃23aが第1の切刃チップの切刃21a外周端より内周側へ延びかつ中心軸線に直交するような配置されている。
以上に説明した回転切削工具は、そのシャンク部を工作機械の主軸に直接または保持具を介して連結される。主軸によって回転させられる回転切削工具に、中心軸線方向前端側への送りが与えられると、最初に最も前端側に位置する第1の切刃チップの切刃21a、次に第2の切刃チップの切刃22a、最後に第3の切刃チップの切刃23aが順次被削材に接して切削する。所望の送り量が与えられた後、中心軸線方向後端側に早い送りが与えられて、各切刃21a、22a、23aが被削材から離れて切削を終了する。以上の切削によって被削材には、図2に二点鎖線で示す断面形状の穴Wが加工される。
この回転切削工具は、最も前端側にある第1の切刃チップの切刃21aが、その内周端を実質的に工具本体1の中心軸線に達するように配設されていることで、前記中心軸線上とその外周側の領域を切削可能にする。これにより、下穴のない被削材への穴明け加工を可能にするほか、被削材の中心軸線とその近傍を、所望する形状に切削することが可能になる。ここで、第1の切刃チップ21は、ほぼ中心軸線上に位置する切刃21aの内周端に近接する外周面を、第1のチップ座の内周壁面11aに当接して支持されることで、切刃21aの位置が正確に割り出され且つ第1のチップ座11に安定的に固定される。これにより、第1の切刃チップ21は、その切刃21aの寿命が安定して長くなるとともに、切刃21aの位置決め精度が高くなるので、被削材の中心軸線とその近傍を正確に切削することができる。
さらに、工具本体の径方向で、主切屑排出溝の内周壁面4aが第1の切刃チップの切刃21aの内周端と同じか、より内周側の位置まで切り欠かれているので、前記切刃21aから生成する切屑が主切屑排出溝を通り、該回転切削工具の外部へ円滑に排出される。
しかも、切屑排出溝の内周壁面4aおよび第1のチップ座の内周壁面11aが中心軸線方向前端側へ向かうにしたがい中心軸線に漸次接近するように形成されているので、主切屑排出溝4および第1のチップ座21によって切り欠かれた残部が薄肉となる領域が、工具本体1の中心部前端近傍の領域にとどめられる。言い換えれば、前記切り欠かれた残部が工具本体の前端面2から離れるにしたがい漸次肉厚となるため、工具本体の強度低下が最小限にとどめられる。
上述した工具本体1の中心部前端近傍の薄肉領域には、主切屑排出溝の内周壁面4aおよび第1のチップ座の内周壁面11aが形成されており、第1のチップ座の内周壁面11aに当接する第1の切刃チップ21を介して第1のチップ座の内周壁面11aおよび主切屑排出溝の内周壁面4aには切削抵抗が作用する。そのため、前記薄肉領域には、高い応力による変形やクラックが発生してしまう。このように薄肉領域の変形やクラックが発生すると、第1の切刃チップ21の位置決め精度が悪化したり、クラックを起点として工具本体1が破損したりする。
これに対して、本考案を適用した回転切削工具では、工具本体の前端面2中央部にあらわれる主切屑排出溝の内周壁面の開口縁部4bおよび第1のチップ座の内周壁面の開口縁部11bを含む領域に、工具本体の前端面2より中心軸線方向後端側へ陥没する凹部30を形成することで、前記開口縁部4b、11bの近傍領域に生じる薄肉領域が削除される。このことにより、主切屑排出溝の内周壁面4aおよび第1のチップ座の内周壁面11aが変形したりクラックが生じたりすることを防止し、第1の切刃チップ21の位置決め精度の悪化および工具本体1の破損といった問題を防止することができる。
前記凹部30の中心軸線方向の深さは、第1の切刃チップ21を安定的に支持することができる程度に、第1のチップ座の内周壁面11aの中心軸線方向の長さを確保することに配慮して、前記内周壁面11aに対面する第1の切刃チップ21の外周面の中心軸線方向の長さの50%以下とするのが望ましく、30%以下とするのが特に望ましい。
本回転切削工具において、主切屑排出溝4および第1のチップ座11は、中心軸線に関して180°回転対称に形成される一方で、凹部30は、中心軸線と直交しかつ主切屑排出溝4のチップ座形成面6に対して鋭角に交差する方向に延在するように形成されるとともに、その延在する方向に直交する平面で切断した断面形状が中心軸線方向後端側に凹む略円弧状をなし、各断面で略等しい形状となるように形成されている。これによって、主切屑排出溝4および第1のチップ座11が前記凹部30によって切り欠かれる領域が等しく形成されて、夫々の第1のチップ座における変形やクラックを防止する効果が均一に得られることになる。
図示しないが、凹部30は、中心軸線上に中心を有する、窪んだ球面状に形成されてもよい。このようにすれば、主切屑排出溝4および第1のチップ座11を中心軸線に関して回転対称に3箇所以上形成した場合にも、主切屑排出溝4および第1のチップ座11が前記凹部30によって切り欠かれる領域が等しくなるため、これら主切屑排出溝4および第1のチップ座11における変形やクラックを防止する効果が均一に得られる。
さらに、凹部30は、工具本体の前端面2中央部における主切屑排出溝の内周壁面の開口縁部4bを含む領域を切り欠くように形成されている。このように前記凹部30は、各主切屑排出溝4に連通することによって、これら主切屑排出溝内を通る切屑のうち細かい切屑を工具本体1の前端部側に滞留させず、円滑な切屑排出を可能にする。これにより、第1の切刃チップの切刃21aが切屑を噛み込んで加工面を傷つけたり前記切刃21aが欠けたりすることを防止する。
本考案は、図5〜図7に示すボールエンドミルにも適用可能である。図5は、本ボールエンドミルの正面図である。図6は、図5に示すボールエンドミルの中心軸線方向から前端部をみた図である。図7は、図5に示すボールエンドミルの要部平面図である。先に説明した回転切削工具と同一の構成については、同一符号を付し、その説明を省略する。
図5および図6に図示するように、このボールエンドミルは、丸棒状をなす工具本体1の前端部に中心軸線を挟んで対称な二条の切屑排出溝3が形成され、これら切屑排出溝3の工具回転方向Kを向くチップ座形成面6に切り欠き形成されたチップ座10に同形同大の切刃チップ20が夫々固定されてなる。各切屑排出溝の内周壁面3aおよびチップ座の内周壁面10aは、工具本体の前端に近づくにしたがい中心軸線に漸次接近し、半球状をなす工具本体の前端面2における切屑排出溝の内周壁面の開口縁部3bおよびチップ座の内周壁面の開口縁部10bが互いに近接するか、中心軸線上で交差するように形成されている。
各切刃チップ30は、略平板状を呈し、そのすくい面となる上面を工具回転方向Kへ向け、着座面となる下面をチップ座10の底面に当接し、外周面のうち工具本体1の内周側に位置する外周面および後端側に位置する外周面がチップ座10の底面から立ち上がる各壁面に夫々当接するように載置される。そして、各切刃チップ20は、その上面および下面に貫通する取り付け穴に係合するねじ部材をチップ座10の底面に形成された雌ねじ穴にねじ込むことによって、チップ座10に固定される。ここで、すくい面の周縁部に形成された1/4円弧をなす切刃20aは、中心軸線またはその近傍から外周側かつ後端側へ向かって延びるように配されて、中心軸線まわりに回転させたときに1/2球面状の回転軌跡を形成する。
このボールエンドミルでは、切刃チップの切刃20aの内周端が中心軸線に達する、または半径0.10mm以内の近傍に位置することで、この切刃20aで切削したときの中心軸線とその近傍の形状誤差が非常に小さくなる。また、工具本体1の径方向で、切屑排出溝の内周壁面3aは、前記切刃20aの内周端と同じか幾分内周側に位置するように形成されているので、前記切刃20aから生成する切屑は、切屑排出溝3内を通り該ボールエンドミルの外部に排出される。
先に説明した回転切削工具と同様に、このボールエンドミルにおいても、工具本体1の半球状の前端面中央にあらわれる、切屑排出溝の内周壁面の開口縁部3bおよびチップ座の内周壁面の開口縁部10bを含む領域に、前記前端面より中心軸線方向後端側へ陥没する凹部30が形成される。
図7からわかるように凹部30は、中心軸線上に頂点を有し前記中心軸線方向後端側に向かって縮小する略円錐形状を呈する。この凹部30が切屑排出溝の内周壁面3aおよびチップ座の内周壁面10aの前端部に連なる薄肉領域を削除することで、前記薄肉領域の変形およびクラックが生じることを防止する。しかも、この凹部30が略円錐状を呈することで、該凹部30の開口部と工具本体の前端面2との交差稜線部が鋭くならず、工具本体1の強度の低下が抑制される。
本考案は、以上に説明した回転切削工具やボールエンドミルに限らず、中心軸線まわりに回転させられて切削する、ドリル、ボーリングカッタ、リーマ、スクエアエンドミル、ラジアスエンドミル、正面フライス等の回転切削工具全般に適用可能である。また、凹部は、以上に説明した形状に限定されるものではなく、切屑排出溝の内周壁面の開口縁部およびチップ座の内周壁面の開口縁部を含む領域に、工具本体の前端面より中心軸線方向後端側へ陥没して、前記開口縁部4b、11bの近傍領域に生じる薄肉領域を削除するものであれば、任意の形状に変更可能である。
本考案を適用した回転切削工具の斜視図である。 図1に示す回転切削工具の正面図である。 図1に示す回転切削工具の先端視側面図である。 図3におけるX矢視図である。(切刃チップを取り外した状態を示す。) 本考案を適用したボールエンドミルの正面図である。 図5に示すボールエンドミルの中心軸線方向から前端部をみた図である。 図5に示すボールエンドミルの要部平面図である。
符号の説明
1 工具本体
2 前端面
3 切屑排出溝
3a 切屑排出溝の内周壁面
3b 切屑排出溝の内周壁面の開口縁部
4 主切屑排出溝
4a 主切屑排出溝の内周壁面
4b 主切屑排出溝の内周壁面の開口縁部
5 副切屑排出溝
5a 副切屑排出溝の内周壁面
6 チップ座形成面
10 チップ座
10a チップ座の内周壁面
10b チップ座の内周壁面の開口縁部
11 第1のチップ座
11a 第1のチップ座の内周壁面
11b 第1のチップ座の内周壁面の開口縁部
12 第2のチップ座
13 第3のチップ座
20 切刃チップ
20a 切刃チップの切刃
21 第1の切刃チップ
21a 第1の切刃チップの切刃
22 第2の切刃チップ
22a 第2の切刃チップの切刃
23 第3の切刃チップ
23a 第3の切刃チップの切刃
30 凹部

Claims (4)

  1. 中心軸線まわりに回転させられる工具本体の外周面には、該工具本体の前端面から前記中心軸線方向後端側へ延びる少なくとも2条の切屑排出溝が切り欠き形成され、
    少なくともこれら切屑排出溝の前端部には、該切屑排出溝の回転方向を向くチップ座形成面を切り欠き少なくとも該工具本体の前端面に開口するチップ座が形成され、
    これらチップ座には、切刃が少なくとも該工具本体の前端面から突出するように、切刃チップがそれぞれ固定されてなる回転切削工具であって、
    前記切屑排出溝の前端部における内周壁面、および前記チップ座の内周壁面は、前記中心軸線方向前端側へ向かうにしたがい前記中心軸線に漸次接近するように形成され、
    少なくとも前記チップ座の内周壁面に当接する切刃チップのうち少なくとも1つの切刃チップは、その切刃の内周端が工具本体の中心軸線に近接または達するように配設され、
    さらに、前記工具本体の前端面中央部にあらわれる、前記切屑排出溝の内周壁面および前記チップ座の内周壁面の開口縁部を含む領域には、前記前端面より前記中心軸線方向後端側へ陥没する凹部が形成されている
    ことを特徴とする回転切削工具。
  2. 前記切屑排出溝およびチップ座は、前記中心軸線に関して180°回転対称に、少なくとも一対形成され、
    前記中心軸線方向から工具本体の前端面をみたとき、前記凹部は、前記中心軸線と直交しかつ前記切屑排出溝のチップ座形成面に対して鋭角に交差する方向に延在し、この延在する方向に直交する平面で切断した各断面における断面形状が略等しくなるように形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の回転切削工具。
  3. 前記切屑排出溝およびチップ座は、前記中心軸線に関して回転対称に形成され、
    前記凹部は、前記中心軸線上に中心を有する、窪んだ球面状に形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の回転切削工具。
  4. 前記凹部は、各切屑排出溝に連通するように形成されている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転切削工具。
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