JP4521999B2 - アクリル系繊維中の溶媒除去方法およびその装置 - Google Patents

アクリル系繊維中の溶媒除去方法およびその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクリル系繊維の製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、湿式紡糸法または半乾半湿式紡糸法によるアクリル系繊維の製造工程において、紡糸ノズルから紡出されて凝固浴中で凝固後、乾燥前の湿潤状態にあるアクリル系繊維中の溶媒を連続的に除去する方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アクリル系繊維の製造時において、湿式紡糸法または半乾半湿式紡糸法で製造される繊維は、紡糸原液が紡糸ノズルから紡出されて凝固浴中で凝固後、紡糸原液の溶媒により湿潤状態にある繊維をそのまま直ちに乾燥させると繊維同士が接着してしまう。このため、乾燥前に予め繊維中の溶媒を水槽中での水洗工程により除去する方法が一般に採用されている。前記紡糸原液中の溶媒としては、アセトンなどの低沸点溶媒や、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)などの高沸点溶媒などがいずれも用いられるが、前記水洗工程による溶媒除去の際には、前記のような低沸点溶媒、高沸点溶媒のいずれの場合も処理時間を長くとる必要がある。しかし、水洗工程による溶媒除去の場合には、繊維が通過する水深を深くすると繊維切れなどの紡糸工程上のトラブル発生の際の対処が困難であることから、凝固後の繊維束は水槽中を直線的に走行させる必要がある。従って、水洗処理時間は水槽の長さと比例関係にあり、紡糸速度とは反比例の関係にあることから、紡糸速度が速くなると溶媒除去に必要な処理時間を確保するために、さらに多くの水槽を設置するなどして水洗工程を長くせざるを得ない。このため、水槽設備のための広い設置スペースが必要で設備費も高くつき、また使用する水も多量になり変動費が高くつくといった問題がある。このようなことから、新たにアクリル系繊維の製造設備を設置する際には溶媒除去設備が大きな障害になっている。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】
本発明の目的は、上記のような従来のアクリル系繊維の製造工程における溶媒除去の問題点に鑑み、溶媒除去設備の設置スペース、設備費、変動費などの合理化を可能とすることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、従来、水洗により行われていた繊維中の溶媒除去工程の全部または一部をスチーム処理に置き換えることにより、溶媒除去設備の設置スペース、設備費、変動費などの合理化が可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明に係るアクリル系繊維中の溶媒除去方法は、アクリル系繊維の製造工程において、紡糸ノズルから紡出されて凝固浴中で凝固後、乾燥前の湿潤状態にあるアクリル系繊維をスチーム雰囲気中に導入し、該スチーム雰囲気中を蛇行して通過させてアクリル系繊維にスチーム処理を施すことで該アクリル系繊維中の溶媒を除去することを特徴とする。また、本発明のアクリル系繊維中の溶媒除去方法は、スチーム処理と水洗処理とを併用してアクリル系繊維中の溶媒を除去することを特徴とする。さらに、本発明のアクリル系繊維中の溶媒除去方法は、前記スチーム処理と水洗処理を交互に行うことでアクリル系繊維中の溶媒を除去することを特徴とする。前記スチーム処理と水洗処理とを併用する方法および前記スチーム処理と水洗処理を交互に行う方法は、低沸点溶媒と高沸点溶媒のいずれにも効果があるが、高沸点溶媒の除去に特に有効である。さらに、前記スチーム処理と水洗処理とを併用する方法および前記スチーム処理と水洗処理を交互に行う方法の場合にも、アクリル系繊維をスチーム雰囲気中に導入し、該スチーム雰囲気中を蛇行して通過させてアクリル系繊維にスチーム処理を施すことが好ましい。また、本発明のスチーム処理は常圧にて行うことができる。なお、上記本発明に係るアルリル系繊維中の溶媒除去方法において、スチーム雰囲気中とは、スチーム処理が可能な装置内を意味するものであり、この装置としては、例えば箱型蒸気室、U字型BOX、J字型BOX、高圧ラビリンス型などの各種装置を挙げることができ、特に限定されるものではないが、これらの中でも、設置場所や操業の容易さの面からは、箱型の蒸気室が好ましい。
【0006】
また、本発明に係るアクリル系繊維中の溶媒除去装置は、蒸気室の内部に、紡糸ノズルから紡出されて凝固浴中で凝固後、乾燥前の湿潤状態にあるアクリル系繊維の繊維束を、該蒸気室内のスチーム雰囲気中を蛇行して通過させる案内手段を設けてなることを特徴とする。また、本発明に係る他の溶媒除去装置は、蒸気室内の下部に水槽を設けるとともに、該蒸気室の上部と前記水槽内とに、紡糸ノズルから紡出されて凝固浴中で凝固後、乾燥前の湿潤状態にあるアクリル系繊維の繊維束を、蒸気室上部のスチーム雰囲気中と蒸気室下部の水槽内の水中とを交互に通過させる案内手段を設けてなることを特徴とする。さらに本発明に係る他の溶媒除去装置は、蒸気室と水槽とをそれぞれ設置し、紡糸ノズルから紡出されて凝固浴中で凝固後、乾燥前の湿潤状態にあるアクリル系繊維の繊維束を、前記蒸気室内のスチーム雰囲気中と前記水槽内の水中との両方に通過させるようにしたことを特徴とするものであり、前記蒸気室内には、アクリル系繊維の繊維束を該蒸気室内のスチーム雰囲気中を蛇行して通過させる案内手段を設けることができる。また、前記蒸気室と水槽とを交互に複数配置し、前記蒸気室内のスチーム雰囲気中と前記水槽内の水中とを交互に通過させるようにすることもできる。
【0007】
上記のような本発明に係るアクリル系繊維中の溶媒除去方法および溶媒除去装置においては、アクリル系繊維中の溶媒がアセトンなどの低沸点溶媒の場合には、スチーム処理により繊維中の溶媒が除去される。従って、従来の水洗処理による溶媒除去工程の一部または全部をスチーム処理に置き換えることが可能である。また、アクリル系繊維中の溶媒がDMAc(ジメチルアセトアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、DMF(ジメチルホルムアミド)などの高沸点溶媒の場合には、スチーム処理のみでは溶媒除去は困難であるが、本発明者の知見によれば、驚くべきことに、スチーム処理を施すことにより、水洗処理時の溶媒除去効率が格段に向上することが分かった。従って、高沸点溶媒の場合には、従来の水洗処理による溶媒除去工程の一部をスチーム処理に置き換えることでスチーム処理と水洗処理とを併用し、好ましくはスチーム処理と水洗処理とを交互に行う。さらに、低沸点溶媒および高沸点溶媒いずれの場合にも、スチーム雰囲気中を繊維束を蛇行させて通過させることで、同じ処理時間でも水槽に比べて装置の長さを格段に短縮することが可能となり、溶媒除去装置全体の設置スペースは、従来の水槽のみの場合に比較して大幅に合理化できる。また、水洗処理に比べてスチーム処理の場合には処理温度を容易に高めることができ、水洗処理に必要な水およびそれを加熱するための熱量などの変動費をも合理化でき、さらに、高温処理により溶媒除去効率をより一層向上させることが可能である。なお、本発明において、低沸点溶媒あるいは高沸点溶媒とは、溶媒除去処理温度を基準にして、処理温度より沸点の低いものを低沸点溶媒、処理温度より沸点の高いものを高沸点溶媒としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明をさらに詳細に説明する。本発明におけるアクリル系繊維とは、アクリロニトリルの単独重合体、またはアクリロニトリルと共重合可能な1種以上のビニルまたはアリル化合物などとの共重合体からなるものであり、これらの重合体をDMAc(ジメチルアセトアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、DMF(ジメチルホルムアミド)、アセトン、硝酸、ロダンソーダ水溶液などの有機または無機の溶媒に溶解した紡糸原液を用いて、湿式または半乾半湿式紡糸法により製造されるものである。
【0009】
そして、本発明においては、上記のようなアクリル系繊維の製造工程において、紡糸ノズルから紡出されて凝固浴中で凝固後、乾燥前の湿潤状態にあるアクリル系繊維をスチーム雰囲気中に導入し、該スチーム雰囲気中を蛇行して通過させてアクリル系繊維にスチーム処理を施すことで該アクリル系繊維中の溶媒を除去する。
【0010】
本発明において、紡糸原液に用いる溶媒が、アセトンなど処理温度より沸点の低い溶媒の場合には、溶媒の気化作用によりスチーム処理でも水洗処理と同様に溶媒除去が可能であるため、水洗工程をすべてスチーム処理に置き換えることもできる。先に述べたように、水洗処理では繊維の通過する水深を深くすると繊維切れなどのトラブル時の対処が困難になるため、水槽中を直線的に走行させる必要があり、紡糸速度に応じて必要な処理時間を確保しうるだけの長さの多数の水槽を設置する必要がある。これに対し、本発明におけるスチーム処理では、繊維をスチーム雰囲気中を上下あるいは左右に蛇行(往復走行)させることができ、直線的に走行させる水洗処理の水槽長さに比べて格段に短い装置の長さで必要な処理時間を確保することができる。このことから水洗処理に比べて本発明のスチーム処理は設備の小型化が可能で、設置スペースを小さくすることができる。また処理温度においてもスチーム処理は水洗処理より高くすることが容易にでき、溶媒除去効率が向上する。上記理由により、アセトンなどの低沸点溶媒を用いた紡糸原液からアクリル系繊維を製造する場合には、溶媒除去に必要な設備費、変動費は、従来の水洗工程をスチーム処理にすべて置き換えることにより、従来の約1/2から約1/10程度にも合理化することが期待できる。なお、本発明において、アクリル系繊維を「蛇行して」スチーム雰囲気中を通過させるとは、必ずしも上下あるいは左右に連続して往復させる場合のみではなく、例えば、蒸気室などのスチーム雰囲気中でアクリル系繊維を1回反転させるような場合をも含むものであって、アクリル系繊維がスチーム雰囲気中を一方から他方へ直線的に通過するのではなく、屈曲あるいは湾曲しながらスチーム雰囲気中を通過することを意味するものである。
【0011】
一方、紡糸原液に用いる溶媒が処理温度より沸点の高い溶媒の場合にはスチーム処理単独では溶媒除去効果は少ないが、水洗処理と組み合わせることにより、水洗処理時の溶媒除去効率が格段に向上する。さらに、水洗処理とスチーム処理を交互に行うとより効果的である。この原因はスチーム処理による繊維内の溶媒の拡散作用によると考えられる。従って、水洗工程の一部をスチーム処理に置き換えることで水洗工程を大幅に短縮することが可能である。そして、前記のように、スチーム処理の場合には、繊維束をスチーム雰囲気中を上下または左右に蛇行(往復走行)させて通過させることが可能であることから水洗処理の水槽に比べて装置の長さは格段に短くて済み、設備の設置スペースを小さくすることができる。従って、高沸点溶媒の場合にも、水洗工程の一部をスチーム処理に置き換えることにより、従来に比べて溶媒除去のための設備費、変動費は約1/2から約1/4程度に合理化することが期待できる。
【0012】
次に本発明におけるスチーム処理を用いた溶媒除去の処理条件であるが、スチーム処理は、スチーム雰囲気の相対湿度は90%以上、好ましくは飽和状態の雰囲気、処理温度は80℃以上、好ましくは95℃以上(常圧)が溶媒除去効率の面で良い。一方、水洗処理は、処理温度は60℃以上、好ましくは80℃以上が溶媒除去効率の面で良い。また、スチーム処理時の圧力は、常圧で行うことができる。
【0013】
また、本発明に係る溶媒除去装置は、溶媒の種類、目的とする繊維の種類などに応じて、凝固後のアクリル系繊維をスチーム雰囲気中のみで溶媒除去する構造、あるいは凝固後のアクリル系繊維をスチーム雰囲気中と水中との両方、さらにはそれらを交互に通過させる構造のいずれの構造とすることもでき、特に制限はない。
【0014】
以下、本発明の溶媒除去装置について、添付図面を引用して更に説明する。まず図1に示す溶媒除去装置Aについて説明する。該装置Aは、主に低沸点溶媒を除去する場合のスチーム処理に好適に使用されるものであり、スチーム雰囲気に保つことのできる蒸気室1の両側壁の上部にアクリル系繊維の繊維束Fの入口2および出口3をそれぞれ設け、蒸気室1の上部および下部のそれぞれには繊維束Fの案内手段としての上部ロール5・・・および下部ロール6・・・をそれぞれ複数設けるとともに、蒸気室1内へ蒸気を導入するスチームライン7を設けてあり、入口3より蒸気室1内に導入した凝固後のアクリル系繊維の繊維束Fを、蒸気室1内の上部ロール5と下部ロール6を交互に通過させることにより蒸気室1内のスチーム雰囲気S中を上下に蛇行するように往復走行させてスチーム処理を施した後、出口3より蒸気室1外に導き出すように構成してなる。前記スチーム処理に使用するスチームはスチームライン7より供給するが、内部は常圧であることから入口2と出口3をラビリンスシール等の特別な構造にしなくてもほとんどスチームは蒸気室1外へは吹き出さないため、入口2と出口3は、アクリル系繊維の繊維束Fが通過するのに必要な大きさ、形状の開口部であればよい。なお、蒸気室1は保温性に優れている方が変動費が安くつくことから好ましい。また、前記繊維束Fの案内手段としての上部ロール5、下部ロール6はロールである必要はなく、単なるバーでも良いが、アクリル系繊維束Fをほぐす機能を有するものであれば、繊維間にスチームを効果的に作用させることができ、さらに溶媒の除去速度は速くなることから好ましい。また、各ロールの回転速度は等速であっても、変速しても問題はない。
【0015】
次に、図2に示す溶媒除去装置Bは、前記図1に示す装置Aにおける蒸気室の下部に水槽を設けたものである。すなわち、この溶媒除去装置Bは、主に高沸点溶媒を除去する際にスチーム処理と水洗処理とを交互に行う場合に好適に使用されるものであり、スチーム雰囲気に保つことのできる蒸気室21の両側にアクリル系繊維束Fの入口23および出口27をそれぞれ設けるとともに、蒸気室21の下部には水槽22を設けてなる。そして、前記蒸気室21の上部および下部の水槽22内のそれぞれには繊維束Fの案内手段としての上部ロール25・・・および下部ロール26・・・をそれぞれ複数設けるとともに、蒸気室21内へ蒸気を導入するスチームライン28および水槽22へ温水を供給する温水ライン29を設けてあり、入口23より蒸気室21内に導入した凝固後のアクリル系繊維の繊維束Fを、蒸気室21内の上部ロール25と水槽22内の下部ロール26を交互に通過させることで、蒸気室21内上部のスチーム雰囲気S中と水槽22内の温水W中とを交互に通過させてスチーム処理と水洗処理とを交互に施した後、出口27より蒸気室21外に導き出すように構成してなる。この場合にも、前記装置Aと同様に蒸気室21内部は常圧であることから入口23と出口27をラビリンスシール等の特別な構造にしなくてもほとんど蒸気は吹き出すことがないが、蒸気室21は保温性に優れている方が変動費が安くつくことはいうまでもない。また、水洗処理に使用する温水は、温水ライン29より水槽22内へ供給し、排出口30からのオーバーフローにより装置外に排出する。この装置Bの場合にも、上部ロール25、下部ロール26はロールである必要はなく単なるバーでも良いが、アクリル系繊維束Fをほぐす機能を有するものであれば、水槽22内での水洗処理に際して繊維間の表面水を積極的に更新することができ、溶媒の除去速度はさらに速くなる。なお、この溶媒除去装置Bにおいて、スチーム処理と水洗処理とを交互に行う場合には下部ロール26は一部あるいは全部、水に浸す必要があるが、下部ロール26を水に浸すことなくスチーム処理のみを行うこともできる。本装置Bにあっても、各ロール25、26の回転速度は等速であっても、変速しても問題はない。
【0016】
つぎに図3の溶媒除去装置Cについて説明する。この溶媒除去装置Cはスチーム処理工程と水洗処理工程を分離して交互に設置したものである。スチーム処理工程は、図1に示した溶媒除去装置Aと同様に、内部をスチーム雰囲気に保つことのできる蒸気室31からなり、一方、水洗処理工程は、繊維束Fの案内手段として、その一部あるいは全部が水Wに浸った状態の一対のロール42、43を設置した水槽41からなり、これら蒸気室31と水槽41とを交互に配置してあり、前記蒸気室31内のスチーム雰囲気S中と水槽41内の水W中とを交互に通過させることで、凝固後のアクリル系繊維に対してスチーム処理と水洗処理を交互に施す構成である。前記蒸気室31は図1に示した装置の構成と同様であり、スチーム雰囲気に保つことのできる蒸気室31の両側壁の上部にアクリル系繊維束Fの入口32および出口33をそれぞれ設け、蒸気室31の上部および下部のそれぞれには前記繊維束Fの案内手段としての上部ロール35・・・および下部ロール36・・・をそれぞれ複数組設けるとともに、蒸気室31内へ蒸気を導入するスチームライン38を設けてなり、入口32より蒸気室31内に導入した凝固後のアクリル系繊維の繊維束Fを、蒸気室31内の上部ロール35と下部ロール36を交互に通過させることにより蒸気室31内のスチーム雰囲気S中を上下に蛇行して往復走行させてスチーム処理を施した後、出口33より蒸気室31外に導き出し、案内ロール37を介して隣接する水槽41内へ導くように構成してなる。なお、この蒸気室31としては、図2に示した溶媒除去装置Bの蒸気室21下部に設けた水槽22を除去するか、あるいは該水槽22に温水を供給することなしに用いることもできる。また、水槽41には温水ライン45より温水を供給し、堰46よりオーバーフローした温水は循環液用ポンプ47にて凝固槽側(図中の左側)に位置する水槽41へ供給し、最も凝固槽側の水槽41より排出した温水は蒸留により溶剤を回収するように構成してなり、蒸気室31にてスチーム処理を施されたのち水槽41内へ導入された繊維束Fは、水槽41内の一対のロール42、43により案内されて水槽41内の水W中を通過して水洗処理を施されたのち、その上方に配置された案内ロール44により更に隣接する蒸気室31内へ導入されるように構成してなる。なお、この溶媒除去装置Cにおける蒸気室31と水槽41の数は特に限定はない。
【0017】
さらに、前記蒸気室31と水槽41とは必ずしも同数を交互に設置する必要はなく、例えば図4に示す溶媒除去装置Dのように、蒸気室31の後方に複数の水槽41a、41b、41c・・を連続して設置するようにしてもよいし、また、繊維束Fは、蒸気室31内における案内手段である上部ロール35および下部ロール36の全てを通過させる必要はなく、一部のロールを不通過とすることで、蒸気室31内におけるスチーム処理時間を適宜調節することも可能である。
【0018】
【実施例】
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例の記載に先立ち、繊維中の溶媒量の測定方法および溶媒除去時の繊維束の厚みの算定方法について以下に説明する。
(繊維中の溶媒量の測定方法)
アクリル系含液繊維を有機溶媒に溶解し、ガスクロマトグラフィーにて溶媒量を定量分析するとともに、溶解液の固形分濃度を絶乾法により測定し、単位樹脂あたりの溶媒量を[重量%]として算出した。
(溶媒除去時の繊維厚みの算定方法)
アクリル系繊維最終製品の繊維束の総繊度[dtex]に溶媒除去工程以降の延伸倍率をかけ、溶媒除去時のアクリル系繊維の総繊度を算出し、これを溶媒除去時の繊維束の幅[mm]で除して[dtex/mm]として算出した。
(実施例1)
アクリロニトリル49.5重量%と塩化ビニル50.0重量%、スチレンスルホン酸ソーダ0.5重量%よりなる共重合体をアセトンに固形分濃度29.5%で溶解した紡糸原液を用いて、ノズル径0.2mm、100ホールのノズルから濃度30%のアセトン水溶液に押し出し、湿式紡糸法により凝固操作を行った。この凝固後のアクリル系繊維を、図1に示した溶媒除去装置Aの蒸気室1内のスチーム雰囲気S中を上下に蛇行させて往復走行させることでスチーム処理を行った。なお、この場合の蒸気室1は、長さ2.2m、高さ1.5m、幅0.4mで、繊維束Fの案内手段として、直径0.1mの駆動ロールを、中心間距離0.2mで上部に10個(図1中の上部ロール5・・・)、同じ中心間距離で下部に9個(図1中の下部ロール6・・・)、上下ロール5、6間距離(高低差)1.2mで設置したものである。また、蒸気室1内のスチーム雰囲気温度は95℃、飽和状態で、アクリル系繊維の走行速度は24m/分、繊維厚みは1000dtex/mm、処理時間(蒸気室1の通過時間)は約1分であった。
【0019】
以上の装置および条件によりアクリル系繊維中の溶媒を除去したところ、処理前の繊維内の溶媒量が15.0重量%であったものが、5.0重量%まで除去することができた。また、この場合の溶媒除去設備(蒸気室1)の長さは2.2mである。
(実施例2)
実施例1と同じ条件で凝固したアクリル系繊維を、図4に示した溶媒除去装置Dの蒸気室31と3槽の水槽41a、41b、41cを用いてスチーム処理と水洗処理の併用処理を行った。蒸気室1は実施例1と同じものを用いたが、図4に示すように出口33側の最後から3対の上下ロール35、36には繊維束Fを走行させなかった。また、各水槽41a〜41cは、長さがそれぞれ3.0m、高さが0.1m、幅が0.2mであり、繊維束の案内手段としてのロール42および43の直径は0.02mで、両ロール42、43をロール間距離2.4mで設置したものである。スチーム雰囲気温度は95℃、飽和状態で、水洗温度は95℃とし、アクリル系繊維の走行速度、繊維厚みは実施例1と同じとし、スチーム処理時間は約0.7分、水洗処理時間は約0.3分、合計処理時間は約1分であった。
【0020】
以上の装置および条件によりアクリル系繊維中の溶媒を除去したところ、5.0重量%まで除去することができた。また、この場合の溶媒除去設備の長さは蒸気室31が2.2m、長さが3mの水槽41a〜41cが3槽で9mで、合計は約11mである。
(実施例3)
実施例1と同じ条件で凝固させたアクリル系繊維を、図1に示した装置の底部に、図3に示すように温水を満たした装置に導き、走行させ、スチームの処理と水洗処理の交互処理を行った。スチーム雰囲気は95℃、飽和状態で、水洗温度は95℃とし、アクリル系繊維の走行速度は24m/min、繊維厚みは1000dtex/mm、スチーム処理時間は約0.9min、水洗時間は約0.1min、合計処理時間は約1minであった。
以上の条件によりアクリル系繊維内の溶媒を除去すると、処理前の繊維内の溶媒量が単位樹脂あたり15.0重量%であったものが3.0重量%以下まで除去することができた。この場合の設備の長さは2.2mであった。
(比較例1)
実施例1と同じ条件で凝固したアクリル系繊維を、図4に示す溶媒除去装置Dにおける水槽41a〜41cと同様の構造を有する実施例1で使用したと同じ水槽を10槽用いて水洗処理のみを行った。水洗温度は95℃とし、アクリル系繊維の走行速度、繊維厚みは実施例1と同じで、合計処理時間は約1分であった。
【0021】
以上の装置および条件によりアクリル系繊維中の溶媒を除去したところ、5.0重量%まで除去することができた。また、この場合の溶媒除去設備の長さは、3mの長さの10個の水槽を直線的に並べて溶媒除去設備の合計長さは30mである。
【0022】
(実施例4)
アクリロニトリル70重量%と塩化ビニル29.5重量%、スチレンスルホン酸ソーダ0.5重量%よりなる共重合体をジメチルアセトアミドに固形分濃度35%で溶解した紡糸原液を用いて、ノズル径0.2mm、4000ホールのノズルから濃度70%のジメチルアセトアミド水溶液に押し出し、湿式紡糸法により凝固操作を行った。その凝固後のアクリル系繊維を、図2に示す、溶媒除去装置Bの蒸気室21下部に設けた水槽22に水を張ったものを通過させ、該蒸気室21内でスチーム処理と水洗処理の交互処理を行った。この場合の蒸気室21の構造は、下部に水槽22および温水ライン29などを備える以外は、蒸気室21の大きさ、案内手段としての上下のロール25、26の構造およびその配置、スチームライン28などの基本的な構造は、図1に示す実施例1で使用した蒸気室1と同様である。スチーム雰囲気は95℃、飽和状態で、水洗温度は95℃とし、アクリル系繊維の走行速度は6m/分、繊維厚みは2500dtex/mm、スチーム処理時間は約1.3分、水洗時間は約0.3分、合計処理時間は約1.6分であった。
【0023】
以上の装置および条件によりアクリル系繊維中の溶媒を除去したところ、処理前の繊維内の溶媒量が58.0重量%であったものが10.0重量%以下まで除去することができた。また、この場合の溶媒除去設備の長さは2.2mである。
(比較例2)
実施例3と同じ条件で凝固したアクリル系繊維を、図4に示す溶媒除去装置Dにおける水槽41a〜41cと同様の構造を有する3槽の水槽だけを用いて水洗処理のみを行った。なお、その際のロール42、43のロール間距離は2m、水洗温度は95℃とし、アクリル系繊維の走行速度、繊維厚みは実施例3と同じで、合計処理時間は約1.0分であった。
【0024】
以上の装置および条件によりアクリル系繊維内の溶媒を除去したところ、10.0重量%まで除去することができた。また、この場合の溶媒除去設備の合計長さは9mである。
【0025】
以上の実施例、比較例における各溶媒除去処理時間および設備長さなどを表1にまとめた。
【0026】
【表1】
Figure 0004521999
表1に示す実施例および比較例の結果から明らかなように、アクリル系繊維の製造に使用される溶媒が低沸点溶媒であるアセトンの場合には、蒸気室と水槽とを併用した装置を用いて従来の水洗処理の一部をスチーム処理に置き換えることで、溶媒除去設備の設置長さを水洗処理のみの場合に比べて約3分の1に短縮することができ、さらに水洗処理をすべてスチーム処理に置き換えることで溶媒除去設備の設置長さを水洗処理のみの場合に比べて約15分の1に短縮することができた。更に交互処理を行うことで、繊維中のアセトン溶媒量が40%減少し、溶媒の除去効率も向上できた。また、アクリル系繊維の製造に使用される溶媒が高沸点溶媒であるジメチルアセトアミドの場合にも、この交互処理にて、水洗処理のみの場合に比べて溶媒除去設備の設置長さを約4分の1に短縮することができた。
【0027】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、アクリル系繊維の製造工程において、従来の溶媒除去工程における水洗処理の一部または全部をスチーム処理に置き換えること、また凝固後のアクリル系繊維をスチーム雰囲気中を蛇行して通過させることにより、溶媒除去のための処理設備が従来の水槽を用いた水洗処理のみの場合に比べて格段に簡素でコンパクトになり、設備の設置スペースが小さくてすみ、また、設備費、変動費などの合理化にも貢献しうるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る溶媒除去装置の1実施例を示す概略説明図であり、スチーム処理のみを行う溶媒除去装置である。
【図2】 本発明に係る溶媒除去装置の1実施例を示す概略説明図であり、スチーム処理と水洗処理とを交互に行う溶媒除去装置である。
【図3】 本発明に係る溶媒除去装置の1実施例を示す概略説明図であり、スチーム処理と水洗処理とを交互に行う溶媒除去装置である。
【図4】 本発明に係る溶媒除去装置の1実施例を示す概略説明図であり、スチーム処理と水洗処理を併用して行う溶媒除去装置である。
【符号の説明】
1:蒸気室、2:入口、3:出口、5:上部ロール、6:下部ロール、7:スチームライン、21:蒸気室、22:水槽、23:入口、25:上部ロール、26:下部ロール、27:出口、28:スチームライン、29:温水ライン、30:排出口、31:蒸気室、32:入口、33:出口、35:上部ロール、36:下部ロール、37:案内ロール、38:スチームライン、41:水槽、42,43:ロール、44:案内ロール、45:温水ライン、46:堰、47:循環液用ポンプ、A〜D:溶媒除去装置、F:繊維束、S:スチーム雰囲気、W:(温)水。

Claims (10)

  1. アクリル系繊維の製造工程において、紡糸ノズルから紡出されて凝固浴中で凝固後、乾燥前の湿潤状態にあるアクリル系繊維を、スチーム処理と水洗処理を併用してアクリル系繊維中の溶媒を除去することを特徴とするアクリル系繊維中の溶媒除去方法。
  2. 前記スチーム処理と水洗処理を交互に行うことでアクリル系繊維中の溶媒を除去することを特徴とする請求項記載のアクリル系繊維中の溶媒除去方法。
  3. 前記溶媒がDMAc(ジメチルアセトアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、および、DMF(ジメチルホルムアミド)からなる群から選ばれる溶媒である請求項またはに記載のアクリル系繊維中の溶媒除去方法。
  4. アクリル系繊維を、スチーム雰囲気中を蛇行して通過させてアクリル系繊維にスチーム処理を施すことを特徴とする請求項のいずれかに記載のアクリル系繊維中の溶媒除去方法。
  5. 前記スチーム処理を常圧にて行う請求項1〜のいずれかに記載のアクリル系繊維中の溶媒除去方法。
  6. 蒸気室内の下部に水槽を設けるとともに、該蒸気室の上部と前記水槽内とに、紡糸ノズルから紡出されて凝固浴中で凝固後、乾燥前の湿潤状態にあるアクリル系繊維の繊維束を、蒸気室上部のスチーム雰囲気中と蒸気室下部の水槽内の水中とを交互に通過させる案内手段を設けてなることを特徴とするアクリル系繊維中の溶媒除去装置。
  7. 蒸気室と水槽とをそれぞれ設置し、紡糸ノズルから紡出されて凝固浴中で凝固後、乾燥前の湿潤状態にあるアクリル系繊維の繊維束を、前記蒸気室内のスチーム雰囲気中と前記水槽内の水中との両方に通過させるようにしたことを特徴とするアクリル系繊維中の溶媒除去装置。
  8. 前記蒸気室内に、アクリル系繊維の繊維束を該蒸気室内のスチーム雰囲気中を蛇行して通過させる案内手段を設けてなることを特徴とする請求項記載のアクリル系繊維中の溶媒除去装置。
  9. 前記蒸気室と水槽とを交互に配置し、前記蒸気室内のスチーム雰囲気中と前記水槽内の水中とを交互に通過させるようにしたことを特徴とする請求項またはに記載のアクリル系繊維中の溶媒除去装置。
  10. 請求項1〜5のいずれかに記載のアクリル系繊維中の溶媒除去方法を含むアクリル系繊維の製造方法。
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