JP4521590B1 - 繰出容器開閉装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の繰出容器の課題として、便利で蓋紛失防止性がある、省資源・省エネルギー・廃棄物削減に配慮などの繰出容器開閉装置の開発が重要であった。
【解決手段】 繰出容器(A)、回転駆動機構(B)、往復駆動機構(C)及び、開閉駆動機構(D)を含んで構成される繰出容器開閉装置で、装置全体の機能として、前記回転体(R)を把持体(H)に対して順回転方向に回転させたときには、蓋が開放されつつ被繰出物が繰出され、逆回転方向に回転させたときには、蓋が閉止されつつ被繰出物が繰り戻される機能を有するものであることを特徴とする繰出容器の開閉装置である。
【効果】従来の繰出容器の問題点が解決され、種々の繰出容器や繰返し使用する繰出容器開閉装置に応用できるなどの効果がある。
【選択図】 図1

Description

本願発明は、繰出容器開閉装置に関するものであり、さらに詳しくは、口紅、リップクリーム、アイシャドウ等の棒状化粧料、しん(芯)状化粧料、紅筆、フェイスブラシ等の化粧用具、事務用品のスティックタイプ糊などに適用され、使用時に蓋の取り外しを必要としない簡便性と携帯性に優れた繰出容器開閉装置に関する。
繰出容器は、口紅容器やスティックタイプ糊容器に代表されるような手を汚さずに被繰出物(口紅、スティック糊等)を繰り出したり繰り戻したりする機能を有する容器である。
繰出容器は、基本的には、(1)上部ラセンタイプ、(2)下部ラセンタイプ、(3)ねじ棒タイプ(流し込みタイプ)の3タイプに分類される。
これら3タイプの繰出容器の基本構造については、図3に図解した。
この他,繰り出し式ペンシル容器がある。繰り出し式ペンシル容器は、ラセン機構を内蔵し、しん(芯)状化粧料を繰出すことができる細身容器をいう。このタイプには化粧料収納部を取り替えられるカートリッジ式もある。このタイプの繰出容器は、図4に図解した。
これら3タイプの繰出容器及び繰り出し式ペンシル容器については、後述する非特許文献1(包装の辞典(編集:日本包装学会、発行:朝倉書店、発行日:2001年6月20日、368〜370頁、ISBNコード 4-254-20106-0 C 3550))、及び、非特許文献2(第41回全日本包装技術研究会〜研究事例発表資料((社)日本包装技術協会、発行日:2003年11月20日、217頁))において詳細に解説されている。
なお、非特許文献1において記載されている『ねじ棒タイプ』の技術的な概念は、非特許文献2において記載されている『流し込みタイプ』と等価である。
本願発明の技術的理解を支援すべく、段落番号[0003]において、非特許文献1(包装の事典、368〜370頁)における技術解説に関する記載を引用する。
『viii) 繰り出し式容器
容器の一部を回転させることにより、化粧料を繰り出したり繰り戻したりすることができる容器を、繰り出し式容器といい、直接肌などに化粧料を塗布できる簡便性と携帯性を有する(図5.10.9)。
容器形態は大きく3タイプに分けられる。

1) 上部らせんタイプ:このタイプは砲弾形状の口紅などの化粧料を収納した中皿を、外側に配置したらせん状の溝が設けてある部品に沿って回転により繰り出していく方式である。
主に使用される材質としてはアルミニウム、真鍮などの金属やアクリロニトリル・スチレン樹脂(AS)、ポリスチレン(PS)などのプラスチックである。
中皿は化粧料の抜けや折れ、耐内容物性などを考慮して選定され、材質はASやポリブチレンテレフタレート(PBT)などが多く使用されている。
化粧料の充填方式としては、あらかじめ口紅形状の金属製の金型に充填し形成したものを底付き中皿に挿入する場合と、口紅形状をした中空の樹脂部品を底に穴を設けた中皿の口元に嵌合させ、容器底穴より溶融した化粧料を直接流し込み、冷却してから樹脂部品を取り外して口紅形状を形成する場合がある。

2) 下部らせんタイプ:中皿の下部にねじやらせん部品を配置した繰り出し方式である。
この方式は細身口紅やスティックファンデーション、ヘアスティック、デオドラントスティックなどに使用される。
特徴としてはらせんを中皿の下に配置しているので、より容器を細くすることができたり、化粧料形状を丸以外、例えば楕円などにできる点である。
使用される材質は上部らせんタイプと同様である。
化粧料の充填は容器口元か容器底部から溶融した化粧料を直接充填し、冷却固化する方法で行われる。
このタイプの容器には、キャップ内部に気密パッキンなどを設け、揮発性のある化粧料を収納できるものもある。

3) ねじ棒タイプ:化粧料の中心にねじ棒があるタイプである。
この方式は容器口元から直接化粧料を充填固化させ、中心のねじ棒を回転することで固化した化粧料が繰り出されるものである。
構造が非常に簡単で低コストであることから、リップクリームなどに使用される。
容器材質としてはポリプロピレン(PP)が主に使用される。

ix)繰り出し式ペンシル容器
ラセン機構を内蔵し、しん(芯)状化粧料を繰り出すことができる細身の容器をいう。このタイプには化粧料収納部を取り替えられるカートリッジ式もある。(図5.10.10)
使用される化粧料は主にアイライナー、アイブロー、リップペンシルなどで、2〜4mmφのしん径が多く、楕円のものもある。しんは樹脂や金属製の、パイプ状または3〜4本の爪状の部品(しんチャック)に固定される。容器後部の繰り出し機構を使いしんを繰り出して使用する。
カートリッジ式の場合は、しん収納部分(カートリッジ)のみを後部の繰り出し機構部(ホルダー)から取り外すことができるようになっている。また、容器本体後部にチップやブラシなどの用具(アプリケーター)を取り付けたものもある。
使用される材質は樹脂ではアクリロニトリル・スチレン樹脂(AS)やアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、金属ではアルミニウム、真鍮などがあり、内部には金属スプリングやプラスチックなどの精密な小型部品が多く、エンジニアリングプラスチックであるポリオキシメチレン(POM)なども使用される。』
本出願の特許請求の範囲、明細書、及び、図面において使用する『繰出容器』、『繰り出す』、『繰り戻す』、『上部ラセンタイプ(上部らせんタイプ)』、『下部ラセンタイプ(下部らせんタイプ)』、『ねじ棒タイプ』、『流し込みタイプ』、『繰り出し式ペンシル容器』なる技術用語は、非特許文献1、及び、非特許文献2において記載されている解説、定義、例示から、直接的かつ一義的に導き出すことができる事項とする。
上記の如くこれらの繰出容器は、口紅、ファウンデーション、しん(芯)状化粧料などの化粧品、スティックタイプ糊などの事務用品に既に汎用されている。
従来の技術における一般的な繰出容器(以下、本願の明細書において「従来技術における一般的な繰出容器」という。)の利点及び問題点は、下記の通りである。
〔従来技術における一般的な繰出容器の利点1〕
従来技術における一般的な繰出容器の第1の利点としては、回転して繰出す繰出容器は現在も消費者の支持により圧倒的に広く使用されており、消費者は繰出容器を長年使い慣れていることを挙げることが出来る。
〔従来技術における一般的な繰出容器の利点2〕
従来技術における一般的な繰出容器の第2の利点としては、現在も広く使われている結果、繰出容器の部品の金型、繰出容器の組立などの生産設備があり、必要により、直ぐに対応できる生産体制が整っていることを挙げることが出来る。
〔従来技術における一般的な繰出容器の利点3〕
従来技術における一般的な繰出容器の第3の利点としては、口紅などの化粧料を成型し、繰出容器の中皿に載置する成型設備があり、口紅などの化粧料の成型設備が揃っており、必要により直ぐに対応できる生産体制が整っていることを挙げることが出来る。
〔従来技術における一般的な繰出容器の利点4〕
従来技術における一般的な繰出容器の第4の利点としては、長年使用されてきた結果、繰出容器は品質が安定しており機構に関するトラブルがないことを挙げることが出来る。
〔従来技術における一般的な繰出容器の利点5〕
従来技術における一般的な繰出容器の第5の利点としては、使用後、蓋をかぶせ携帯して使用する際などに容器内にホコリが入り込み口紅など被繰出物を汚したり、繰出機構が故障することがないことを挙げることが出来る。
〔従来技術における一般的な繰出容器の問題点1〕
従来技術における一般的な繰出容器の第1の問題点としては、いちいち、繰出容器の使用時には蓋を外したり、使用後には蓋をかぶせるという煩雑な作業を伴うことが挙げられる。
〔従来技術における一般的な繰出容器の問題点2〕
従来技術における一般的な繰出容器の第2の問題点としては、使用時に外した蓋を紛失してしまうことがあることが挙げられる。
〔従来技術における一般的な繰出容器の問題点3〕
従来技術における一般的な繰出容器の第3の問題点としては、蓋脱着時に、実質的に商品価値を有する高価な内容物(口紅、化粧料、糊等)を、蓋のエッジで傷を付けたり、欠損させてしまうことが挙げられる。
上記した従来技術における一般的な繰出容器の問題点1〜3において列挙した問題点を解消すべく、従来の技術について、当業者らは、繰出容器の蓋を自動的に開閉する技術を開発してきた。
このような従来の技術における代表的な具体例として、特許文献1に示した「ステック繰出容器」(ステックとは口紅などの化粧料を示す)を挙げることができる。
〔実開58−109408号(特許文献1)〕
実開58−109408号(特許文献)に係る発明(以下、本願の明細書において「直近先行技術に係る繰出容器」という。)は、基筒1の上端にステック収容筒を回転自在に連係し、該ステック収容筒内に上端の口部21を開閉するシャッタ6を可動に装備させ、また、基筒1からステック収容筒2内へ内外に互いに逆向きの螺旋溝31,32,32を有する螺旋筒3を起立させて、該螺旋筒の回転に伴いその外側の螺旋溝31により上記シャッタ6を開閉動させるように構成し、更に、その螺旋筒3内にステックAを起立させた中皿5を配して、その螺旋筒3の回転に伴いその内側の螺旋溝31によりその中皿5を昇降動させるように構成したことを特徴とする繰出容器である(符号は、特許文献1の符号についての記載をそのまま踏襲したものである。)。
〔直近先行技術に係る繰出容器における利点1〕
直近先行技術に係る繰出容器における利点としては、基筒1の回転により蓋が開閉すると同時に、ステック(本願発明における『被繰出物』に相当するリップスティック)が出没することにより、蓋の開閉に伴う煩雑な作業が解消することが挙げられる。
直近先行技術に係る繰出容器の「ステック繰出容器」においては、ラセン筒の内側と外側に、「直接」互いに逆向きのラセンを設けてある。
このような特有な構造を採用することにより、繰出操作による容器の開放と、繰戻操作による容器の閉止が実現するけれども、次のような問題点がある。
〔直近先行技術に係る繰出容器における問題点1〕
直近先行技術に係る繰出容器における第1の問題点としては、繰出容器が特有な構造と部品を採用しているがために、容器のデザイン毎に、別途、新たに構造と部品を設計したり、金型を作成することが必要なために、コストが高くなってしまう点を挙げることができる。
口紅等の化粧料は、嗜好性・趣味性が高いがために、多種多様な銘柄が販売されており、消費者毎に、愛好している銘柄も異なる。
さらに、口紅等の化粧料の容器には、通常、上部ラセンタイプ、下部ラセンタイプ、ねじ棒タイプ等のバラエティーがある。
通常、消費者が愛好している口紅等の化粧料を、直近先行技術に係る繰出容器に収納することは困難である。
口紅等の化粧料は、季節性と流行性を伴うがために、極めて短期間に、多種多様な銘柄を、多品種少量生産又は多品種大量生産を要求される場合が多い。
極めて限られた経営資源(ヒト・モノ・カネ)を、極めて効率的に、限られた期間内に投入しつつ、製造ライン(繰出容器成型のための新たな金型の設計と製造、繰出容器の成型・組立、容器の内容物たる口紅等の化粧料の調整・成型、内容物の繰出容器への収納)の設営が必要であるという問題があった。
直近先行技術に係る繰出容器における第1の問題点としては、繰出容器の殆ど全ての金型や繰出容器の組立設備、中味の口紅など化粧料の成型とその繰出容器への載置設備を新たに開発と設計するために人手・時間・費用が必要になる。更に、新たな設備のメインテンスが煩雑なることが挙げられる。
要するに、直近先行技術に係る繰出容器における第1の問題点としては、多種多様な口紅等の化粧料に対して、汎用性と応用性がないという問題点を挙げることができる。
〔直近先行技術に係る繰出容器における問題点2〕
直近先行技術に係る繰出容器における第2の問題点としては、繰出容器が特有な構造(例えば、ラセン筒の内側と外側に別個に二つのラセンを設けた構造)と部品を採用しているがために、金型構造が複雑になり、メインテナンスが煩雑であり、金型に故障が発生しやすく、金型の耐久期間が短くなることが挙げられる。
〔直近先行技術に係る繰出容器における問題点3〕
直近先行技術に係る繰出容器における問題点3として、上記した問題点1〜2と関連して、直近先行技術に係る繰出容器の製造においては、多大な金属資源やエネルギー資源を必要とし、さらには、多大な廃棄物と二酸化炭素が発生することが挙げられる。
実開58−109408号公報 特開平01−062103号公報(特許第2541579号公報)
包装の辞典(編集:日本包装学会、発行:朝倉書店、発行日:2001年6月20日) 368〜370頁 第41回全日本包装技術研究会−研究事例発表資料−(発行:(社)日本包装技術協会、発行日:2003年11月20日) 217頁
本願発明が解決しようとする課題は、従来技術における一般的な繰出容器の利点(1)〜(5)を活かしつつ、直近先行技術に係る繰出容器における問題点を解決することである。
本願発明に係る繰出容器が解決しようとする課題を以下に列挙する。
〔本願発明が解決しようとする課題1〕
各種の従来技術における一般的な繰出容器は、現在、消費者の支持を得て広く普及しており、その利便性をより向上すること、蓋紛失防止性や蓋脱着時の未使用の商品を傷つけ商品価値を損なう点の改善が必要であることを考慮すると、従来技術における一般的な繰出容器における第1の問題点は、解決すべき課題(「便利で防蓋紛失効果のある繰出容器開閉装置」)として特に重要であった。
本願発明が解決しようとする第1の課題としては、いちいち、繰出容器の使用時には蓋を外したり、使用後には蓋をかぶせるという煩雑な作業を解消することである。
〔本願発明が解決しようとする課題2〕
本願発明が解決しようとする第2の課題としては、使用時に外した蓋を紛失してしまうことを防止することである。
〔本願発明が解決しようとする課題3〕
本願発明が解決しようとする第3の課題としては、蓋脱着時に、実質的に商品価値を有する高価な内容物(口紅、化粧料、糊等)を、蓋のエッジで傷を付けたり、欠損させてしまうことを防止することである。
〔本願発明が解決しようとする課題4〕
本願発明が解決しようとする第4の課題としては、『直近先行技術に係る繰出容器における問題点1』及び『直近先行技術に係る繰出容器における問題点2』と関連して、製造現場とメンテナンスにおける省力化を図ることである。
先進国において少子高齢化が進行することを鑑みて、技術者の人手不足や人件費・修理費・維持費の高騰などを考慮すると、上記した直近先行技術に係る繰出容器の第4の問題点は、解決すべき課題(「既存の部品・繰出容器・設備の有効使用によるこれらの図面作成期間の短縮、製品化期間の短期化、金型製作期間の短期化、金型や設備などのメンテナンス費低減、また、長年の実績による品質の安定化」)として特に重要である。
〔本願発明が解決しようとする課題5〕
本願発明が解決しようとする第5の課題としては、『直近先行技術に係る繰出容器における問題点3』と関連して、製造現場とメンテナンスにおける省力化を図ることである。
先行技術に係る繰出容器の製造とは対照的に、金属資源やエネルギー資源の消費を抑制し、さらには、廃棄物と二酸化炭素の発生を抑制することである。
京都議定書などに代表されるような地球温暖化防止、資源の有効使用などによる地球環境問題対応策を鑑みると、上記した直近先行技術に係る繰出容器の第2の問題点及び問題点3は、解決すべき課題(耐久性の良い金型使用や既存の設備の有効使用による「省資源・省エネルギー・廃棄物削減」)として特に重要であった。
本願発明は、上記の課題を解決するためになされたものである。
(1) 現在、広く使用されている種々の繰出容器を基本機構として使用する。
(2)基本機構に従来の繰出容器を用いるので、新たに必要な部品が少なく金型製作期間が少ない。
(3)繰出容器の組立設備や口紅などの化粧料の既存の成型設備を使用できる。
(4) 携帯時に容器内にホコリが入り込み中味が汚れたり、繰出容器の繰出操作に支障がでることがない。
(5) 長年、消費者に使用され、使い慣れてきた繰出容器と同じ回転操作で蓋の開閉を行う繰出容器開閉装置である。
(6)現在、口紅なとの化粧料や化粧用具に使用されている種々の繰出容器に応用することができる。
(7)従来から使われている繰出容器の組立設備や棒状化粧料の既存の成型設備を使用でき、中味の充填や成型など繰出容器や棒状化粧品の生産性を従来通り確保できる。
など従来から使われている繰出容器の利点を生かしつつ、欠点を改善した繰出容器開閉装置を実現することを目的とするものである。
本願に係る発明は、「特許請求の範囲」に記載した「請求項1」乃至「請求項6」に記載した事項により特定される。
「請求項1」及び「請求項2」に記載した「発明特定事項」、及び、「特許発明の技術的範囲」の理解を支援する主要な記載につき、「図面(願書に添付した図面)」における図の番号と、「明細書(願書に添付した明細書)」における段落番号を、表1及び表2に示した。

[請求項1]
繰出容器(A)、回転駆動機構(B)、往復駆動機構(C)及び、開閉駆動機構(D)を含んで構成される繰出容器の開閉装置であって、

繰出容器(A)は、
回転部(1b)を本体(1a)に対して順回転方向に回転させたときに被繰出物(18)を繰出容器(A)の外部に繰り出す機能と、
回転部(1b)を本体(1a)に対して逆回転方向に回転させたときに被繰出物(18)を繰出容器(A)の内部に繰り戻す機能を併せ有するものであって、

回転駆動機構(B)は、
回転体(R)を把持体(H)に対して順回転方向に回転させたときに被繰出物(18)を繰出容器(A)の開口部(21)の外部に繰り出す機構と、
回転体(R)を把持体(H)に対して逆回転方向に回転させたときに被繰出物(18)を繰出容器(A)の開口部(21)の内部に繰り戻す機構を有するものであって、
前記把持体(H)は、把持体外側モジュール(2)と中筒(13)との間に隙間(S1)を保持しつつ両者を固定して構成され
前記回転体(R)は、回転体外側モジュール(5)と繰出容器の回転部(1b)とが一体となって回転するように固定して構成され、
回転体外側モジュール(5)の連結筒(54)と環状はすば歯車(7)の連結部(72)との連結により回転体モジュール(5)と繰出容器(A)の回転部(1b)と環状はすば歯車(7)は一体として固定するものであって、

往復駆動機構(C)は、
回転体(R)を把持体(H)に対して順回転方向に回転させたときに回転体(R)と連動している環状はすば歯車(7)が順回転方向に回転し、歯車側はすば(71)と噛み合っているラック側はすば(63)が蓋(6)を開放方向に線状に移動する機構と、
回転体(R)を把持体(H)に対して逆回転方向に回転させたときに回転体(R)と連動している環状はすば歯車(7)が逆回転方向に回転し、歯車側はすば(71)と噛み合っているラック側はすば(63)が蓋(6)閉止方向に線状に移動する機構を有するものであり、

開閉駆動機構(D)は、
環状はすば歯車(7)が順回転方向に回転したときに歯車側はすば(71)と噛み合っているラック側はすば(63)が蓋開放方向に線状に移動することにより可撓性を有する舌部(61)が変形しつつ隙間(S1)に収納されて前記開口部(21)が開放される機構と、
環状はすば歯車(7)が逆回転方向に回転したときに歯車側はすば(71)と噛み合っているラック側はすば(63)が蓋閉止方向に線状に移動することにより可撓性を有する舌部(61)が変形しつつ隙間(S1)から引き出されて前記開口部(21)が閉止される機構を有するものであって、

装置全体の機能として、
前記回転体(R)を把持体(H)に対して順回転方向に回転させたときには、蓋(6)が開放されつつ被繰出物(18)が連動して繰り出され、
前記回転体(R)を把持体(H)に対して逆回転方向に回転させたときには、蓋(6)が閉止されつつ被繰出物(18)が連動して繰り戻される機能を有するものであることを特徴とする繰出容器の開閉装置。



[請求項2] 繰出容器(A)、回転駆動機構(B)、往復駆動機構(C)及び、開閉駆動機構(D)を含んで構成される繰出容器の開閉装置であって、

繰出容器(A)は、
回転部(1b)を本体(1a)に対して順回転方向に回転させたときに被繰出物(18)を繰出容器(A)の外部に繰り出す機能と、
回転部(1b)を本体(1a)に対して逆回転方向に回転させたときに被繰出物(18)を繰出容器(A)の内部に繰り戻す機能を併せ有するものであって、

回転駆動機構(B)は、
回転体(R)を把持体(H)に対して順回転方向に回転させたときに被繰出物(18)を繰出容器(A)の開口部(21)の外部に繰り出す機構と、
回転体(R)を把持体(H)に対して逆回転方向に回転させたときに被繰出物(18)を繰出容器(A)の開口部(21)の内部に繰り戻す機構を有するものであって、
前記把持体(H)は、把持体外側モジュール(2)と中筒(13)との間に隙間(S1)を保持しつつ両者を固定して構成され、
前記回転体(R)は、回転体外側モジュール(5)と繰出容器の回転部(1b)とが一体となって回転するように固定して構成され、
回転体外側モジュール(5)の連結筒(54)と逆ラセン筒(9)の連結部(92)との連結により回転体外側モジュール(5)と繰出容器(A)の回転部(1b)と逆ラセン筒(9)は一体として固定するものであって、

往復駆動機構(C)は、
回転体(R)を把持体(H)に対して順回転方向に回転させたときに回転体(R)と連動している逆ラセン筒(9)が順回転方向に回転し、逆ラセン筒(9)の逆ラセン溝(91)が、逆ラセン溝(91)と摺動可能に嵌合している蓋(8)の案内突起(83)を回転に伴って逆ラセン溝(91)に沿って案内し、蓋(8)の摺動可能嵌合凸部(84)が、摺動可能嵌合凸部(84)と摺動可能に嵌合している摺動可能嵌合凹部(22)に沿って蓋(8)開放方向に線状に移動する機構と、
回転体(R)を把持体(H)に対して逆回転方向に回転させたときに回転体(R)と連動している逆ラセン筒(9)が逆回転方向に回転し、逆ラセン筒(9)の逆ラセン溝(91)が、逆ラセン溝(91)と摺動可能に嵌合している蓋(8)の案内突起(83)を回転に伴って逆ラセン溝(91)に沿って案内し、蓋(8)の摺動可能嵌合凸部(84)が、摺動可能嵌合凸部(84)と摺動可能に嵌合している摺動可能嵌合凹部(22)に沿って蓋(8)閉止方向に線状に移動する機構を有するものであり、

開閉駆動機構(D)は、
逆ラセン筒(9)が順回転方向に回転したときに逆ラセン筒(9)の逆ラセン溝(91)が、逆ラセン溝(91)と摺動可能に嵌合している蓋(8)の案内突起(83)を回転に伴って逆ラセン溝(91)に沿って案内し、蓋(8)の摺動可能嵌合凸部(84)が、摺動可能嵌合凸部(84)と摺動可能に嵌合している摺動可能嵌合凹部(22)に沿って蓋(8)開放方向に線状に移動することにより可撓性を有する舌部(81)が変形しつつ隙間(S1)に収納されて前記開口部(21)が開放される機構と、
逆ラセン筒(9)が逆回転方向に回転したときに逆ラセン筒(9)の逆ラセン溝(91)が、逆ラセン溝(91)と摺動可能に嵌合している蓋(8)の案内突起(83)を回転に伴って逆ラセン溝(91)に沿って案内し、蓋(8)の摺動可能嵌合凸部(84)が、摺動可能嵌合凸部(84)と摺動可能に嵌合している摺動可能嵌合凹部(22)に沿って蓋(8)閉止方向に線状に移動することにより可撓性を有する舌部(81)が変形しつつ隙間(S1)から引き出されて前記開口部(21)が閉止される機構を有するものであって、

装置全体の機能として、
前記回転体(R)を把持体(H)に対して順回転方向に回転させたときには、蓋(8)が開放されつつ被繰出物(18)が連動して繰り出され、
前記回転体(R)を把持体(H)に対して逆回転方向に回転させたときには、蓋(8)が閉止されつつ被繰出物(18)が連動して繰り戻される機能を有するものであることを特徴とする繰出容器の開閉装置。

[請求項3]
繰出容器(A)が、
上部ラセンタイプ繰出容器、下部ラセンタイプ繰出容器、及び、ねじ棒タイプ繰出容器、繰出式ペンシル容器からなる群から選択された1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載した繰出容器の開閉装置。

[請求項4]
繰出容器(A)が、
上部ラセンタイプ繰出容器であって、
内周面にラセン溝(13d)を設けた筒状の中筒(13)内に、側面の長さ方向にガイド孔(12a)を貫通して設けてあるガイド筒(12)を相対回転可能に収納し、前記ガイド筒(12)内に、被繰出物(18)を載置する皿状の中皿(19)を収容し、中皿(19)の外側側面に設けた中皿突起(19a)を、ガイド孔(12a)を貫通させて、中筒(13)のラセン溝(13d)に移動可能に嵌合させて、中皿(19)に対してガイド筒(12)を相対回転させることにより中皿(19)をラセン溝(13d)に沿って上下方向にガイド孔(12a)の長さ方向に沿って案内される移動可能なものであることを特徴とする請求項1又は2に記載した繰出容器の開閉装置。

[請求項5]
把持体外側モジュール(2)と蓋(6)と環状はすば歯車(7)の組立体の環状はすば歯車(7)の連結部(72)に、
回転体(R)を構成する繰出容器(1)の回転部(1b)と同じ方向に一体となって回転する回転体外側モジュール(5)の連結筒(54)を挿入し連結することにより、繰出容器開閉装置の構造を構成することを特徴とする請求項1の繰出容器開閉装置。

[請求項6]
把持体外側モジュール(2)と蓋(8)と逆ラセン筒(9)の組立体の逆ラセン筒(9)の連結部(92)に、
回転体(R)を構成する繰出容器(1)の回転部(1b)と同じ方向に一体となって回転する回転体外側モジュール(5)の連結筒(54)を挿入し連結することにより、繰出容器開閉装置の構造を構成することを特徴とする請求項2の繰出容器開閉装置。
本願発明によれば、従来の繰出容器を基本機構とし、中味の口紅などの化粧料や化粧用具を繰出すために、繰出容器、又は、繰出容器開閉装置に組み込むために一部を必要により修正した、あるいは、加飾部品など不要な部品を外した繰出容器を用いて繰出容器開閉装置を作ることができる。
本願発明によれば、繰出容器を基本機構とし、中味の口紅などの化粧料や化粧用具を繰出すために、繰出容器、又は、開閉装置に組み込むために必要により一部を修正した、あるいは、加飾部品など除去した繰出容器を用いて、繰出容器開閉装置を作ることができる。
本願発明による効果を以下に列挙する。
〔第1の発明の効果〜利便性・防蓋紛失効果・未使用製品の商品価値の喪失防止効果〕
本願発明の第1の効果は、従来の繰出容器の問題点を解消したことである。
具体的には、(1) 従来の繰出容器の使用時毎の蓋脱着の煩雑さを解消し、(2)蓋脱着時に未使用の棒状化粧料などに蓋が触れて商品を傷つけることを解消し、(3)使用時の防蓋紛失効果を発揮することである。
即ち、従来の繰出容器に比べ、使用時の蓋脱着の煩雑さがない利便性を奏し、防蓋紛失効果を発揮し、蓋を脱着するときに蓋が未使用の口紅などの中味に触れてキズを付けて商品価値を失うことがないという効果を発揮する。
蓋は確実に閉まるので、携帯中に容器内にホコリが入り込み容器の繰出機構に故障を生じることが無く、中味の被繰出物を汚すことがない。
〔第2の発明の効果〜省資源・省エネ〕
本願発明の第2の効果は、現在、広く用いられている繰出容器を基本機構として使用できる結果、既存の部品・金型・繰出容器の組立設備・口紅など棒状化粧料の成型設備など「既存設備の使用」を実現できる。
このため、これらの部品や生産設備などを新たに作る必要がないため「省資源・省エネルギー効果」が得られる。
〔第3の発明の効果〜廃棄物の削減〕
本願発明の第3の効果は、詰替え繰出容器開閉装置を繰返し使用することにより、廃棄物の削減に寄与することができる。
同時に、これらの生産過程で発生する「廃棄物の発生の削減効果」が実現できる。
〔第4の発明の効果〜各種の繰出容器に応用できる〕
本願発明の第4の効果は、従来から使用されてきた種々の繰出容器に応用でき、汎用性を奏することである。
具体的には、上部ラセンタイプ繰出容器、下部ラセンタイプ繰出容器、ねじ棒タイプ、繰出式ペンシル容器など各種の繰出容器に応用できる汎用性があることである。
消費者にとっては、長年使い慣れてきた繰出容器と同じ回転して使用できるので使用時に違和感がない。
〔第5の発明の効果〜金型の耐久性の向上効果〕
本願発明の第5の効果は、複雑な金型が必要ないので、金型は耐久性があり、メインテナンスし易く、また、複雑な金型に発生しやすい故障が殆どないという効果が実現できることである。
〔第6の発明の効果〜設計業務の効率化、設計期間・製品化期間の短期化、生産性の向上〕
本願発明の第6の効果は、既存の繰出容器を使用できるため、新たな金型・設備などの設計のための人手や時間の軽減と製品化業務の効率化や短期化などを実現できることである。
即ち、従来の繰出容器やその金型・組立設備などの生産設備、中味の口紅などの棒状化粧料やしん(芯)状化粧料の生産設備を共用できる結果、図面作成期間の短縮化や金型作製に必要な人手・時間・金型製作期間などが低減できる効果がある。
既存の繰出容器の組立設備や棒状化粧料の成型機などの生産設備を使用できるため、これまでの生産性を向上することができる。
〔第7の発明の効果〜品質の安定〕
本願発明の第7の効果は、長年、消費者の支持を得て使い慣れてきた繰出容器を基本機構として用いているため繰出容器の品質が安定していることである。
繰出容器開閉装置については、容器メーカーでの組立後の検査、化粧品メーカーでの化粧品としての組立が容易で、工程検査や出荷検査及び販売時点など、各段階での繰出容器開閉装置の機能性の確認(チェック)も容易にできるという効果が実現できることである。
長年、生産され、使用されてきた実績のある繰出容器を基本機構として用いるため繰出容器の品質が安定している。
繰出容器開閉装置の製造工程、化粧品としての組立工程、販売時点など各段階での機能のチェックが容易にできる。
〔第8の発明の効果〜金型や設備のメインテナンスの低減〕
本願発明の第8の効果は、複雑な金型が必要ないので、金型の耐久性が向上し、メインテナンスしやすく、複雑な金型に発生しやすい故障がないなど効果があることである。
従来の設備を共用できる結果、設備のメインテナンス費の低減も期待できる。
〔本願発明の繰出容器の基本機構と基本機能図〕
本願発明(平成22年01月18日出願)に係る最良の形態を、図1〜図34及び本願と未公開先願(特許4399534号、平成22年01月20日公報発行)との比較対象を図35〜37に示した。
図1は、本願発明の繰出容器の基本機構と基本機能〜1(繰出時)を示す図で、被繰出物(1c(18))を順回転方向に繰出時の図である。
図2は、本願発明の繰出容器の基本機構と基本機能〜2(繰戻時)を示す図で、被繰出物(1c(18))を逆回転方向に繰戻時を示す図である。
繰出容器は、本体(1a)を把持し、更に、もう一方の回転部(1b)を順又は逆回転方向に回転し、被繰出物を繰出す、又は、繰戻す繰出容器の基本構造と基本機能を示す図である。
本願発明において用いる繰出容器は、図1と図2に示す如く本体(1a)を片手で把持し、もう一方の回転部(1b)を順又は逆回転方向に回転し、被繰出物(1c(18))を繰出す、または、繰戻すことが出来る繰出容器であれば何れにも応用できる。
〔繰出容器の基本構造(従来容器)〕
図3は、本願発明に用いる繰出容器の基本構造(従来の容器)を示す図である。
前述の如く、図3(1)の上部ラセンタイプ繰出容器は、砲弾形状の口紅などの化粧料を収納した中皿を、中皿の外側に配置したラセン溝に沿って回転により繰出し、又は、繰戻すタイプである。
図3(2)の下部ラセンタイプ繰出容器は、中皿の下部にねじやラセン部品を配置したタイプである。
図3(3)のねじ棒タイプ繰出容器は、中皿の中心にねじ棒があるタイプである。
図4のカートリッジタイプの繰り出し式ペンシル容器(以下、繰出式ペンシル容器と記す)は、ラセン機構を内蔵し、しん(芯)状化粧料を繰出し、又は、繰戻すことができる細身の繰出容器である。
図4に示す如く、しん収納部分(カートリッジ)のみを後部の繰出機構部(ホルダー)から取り外すことができるものもある。使用時には他の繰出容器と同様にカートリッジ(中筒)を把持し、ホルダー(回転部)を回転して、しん(芯)状化粧料を繰り出す、または、繰り戻すことができる。
通常、繰出容器は、口紅、ステックファンデイションなどの棒状化粧料、しん(芯)状化粧料の繰出容器、事務用品のスティックタイプ糊容器などに使用される。
繰出容器の中皿に化粧用具を装着して使用されることあるが、上部ラセンタイプ繰出容器は、馬毛など毛状のものを用いた化粧用具には使用が適さないため実用例は少ない。
下部ラセンタイプ繰出容器はフエイスブラシなど化粧用具にも応用されている。
ねじ棒タイプ繰出容器は、図3に示す如く容器の中皿の中心に回転棒があるため化粧用具には使用されている例はあまりない。
〔環状はすば歯車を用いた繰出容器開閉装置〕
図5〜20で本願発明の「環状はすば歯車」を用いた繰出容器開閉装置について説明する。
〔繰出容器開閉装置の基本構造(本願発明)〕
図5は、本願発明の繰出容器開閉装置の基本構造を示す図で、繰出容器(A)、回転駆動機構(B)、往復駆動機構(C)、開閉駆動機構(D)、把持体(H)、回転体(R)を示す斜視図である。
繰出容器(A)は、上部ラセンタイプ,下部ラセンタイプ、ねじ棒タイプ、繰出式ペンシル容器などを用いる。
回転駆動機構(B),往復駆動機構(C)、開閉駆動機構(D)、把持体(H)回転体(R)は、これらの繰出容器や繰出容器開閉装置の形状、デザイン、サイズ、太さ、種類などによりこれに合わせ必要により修正されることがあるが基本的な構造は同じである。
図6は、図5の中央部の拡大図である。
〔繰出容器開閉装置の基本構造(本願発明)〕
図7は、本願発明の繰出容器開閉装置を上部ラセンタイプ繰出容器に応用した基本構造を示す図で、上部ラセンタイプ繰出容器(A)、回転駆動機構(B),往復駆動機構(C)、開閉駆動機構(D)、把持体(H)、回転体(R)の構成を示す斜視図である。
図8は、図7の中央部の拡大図である。
〔把持体(H)の構成を示す断面図〕
図9は、本願発明の把持体(H)の構成を示す断面図で、図9の左図は、図10と図12のイ−イ線の断面図で、把持体外側モジュール(2)の内部を構成する中筒(13)、回止部材(23)及び隙間(S1)の構成を示す断面図である。
把持体(H)は、把持体外側モジュール(2)と中筒(13)との間に隙間(S1)を保持しつつ両者を回止部材(23)で固定して構成される。
図10と図12に示す如く把持体外側モジュール(2)の内側に設けた回止部材(23)は、中筒(13)の上端部を固定しており、回転体(R)を回転した時、中筒(13)が同じ方向に回転しないように把持体外側モジュール(2)と中筒(13)が一体になるように固定されている。
隙間(S1)は、繰出容器開閉装置(100)の回転操作による蓋(6)のはすばラック(62)の線状の移動に必要な隙間を確保していることを示している図である。
回止部材(23)はこの例に限定されない。本願発明に適したものであれば、何れの方法でも良い。回止部材(23)は、必要があれば別部品として把持体外側モジュール(2)の天面内側に挿入して用いることも出来る。
図9の右図は、図10と図12のロ−ロ線の断面図で、把持体外側モジュール(2)の内部を構成する中筒(13)、環状はすば歯車(7)及び隙間(S1)の構成を示す断面図である。把持体外側モジュール(2)と中筒(13)の間には環状はすば歯車(7)が回転可能に組み込まれていることを示している。環状はすば歯車(7)は、回転体(R)と一体に回転するように嵌合されており、回転体(R)を繰出し(順回転方向)、又は、繰戻す(逆回転方向)回転に伴って回転体(R)と同じ方向に回転する。
隙間(S1)は、繰出容器開閉装置(100)の回転操作による蓋(6)のはすばラック(62)の線状の移動に必要な隙間を確保していることを示している図である。
〔上部ラセンタイプ繰出容器開閉装置の開閉時の各部品の動きを示す図〕
図10は、本願発明の上部ラセンタイプ繰出容器開閉装置を順及び逆回転方向に開閉時の各部品の動きを示す図で、蓋(6)、被繰出物(18)、ラックの繰出距離(y)などの動きを示す図である。
図10の上の図は、把持体外側モジュール(2)を外した斜視図で、蓋(6)と環状はすば歯車(7)の開閉時の動きを示した図である。
図10の左図は、繰出容器開閉装置(100)の蓋(6)が上昇し、開口部(21)を閉じている全閉状態を示す。
図10中央図は、繰出容器開閉装置(100)の順回転方向への回転により内側を線状に移動した蓋(6)の中間状態を示し、可撓性のある蓋(6)は、把持体外側モジュール(2)の壁体(24)により折り曲げられている状態と、移動に伴う蓋(6)のはすばラック(62)のラック繰出距離(y)を示している。
図10の右図は、繰出容器開閉装置(100)を順回転方向への回転による内側の蓋(6)の全開の状態を示し、蓋(6)は、把持体外側モジュール(2)の内側に収納されている全開状態と、把持体外側モジュール(2)の内側の摺動可能嵌合凹部(22)と蓋(6)の摺動可能嵌合凸部(64)は摺動可能に嵌合しており、摺動可能嵌合凹部(22)に沿って線状に移動した蓋(6)のはすばラック(62)のラック繰出距離(y)を示している。
可撓性のある蓋の材質は、力を加えた場合、柔軟に撓むプラスチックで、本願発明を実施に適するものであれば何れでもよい。
また、壁体(24)は、繰出容器開閉装置(100)のデザインや形状など必要により別部品として把持体外側モジュール(2)に壁体(24)を組込むことも出来る。
〔図10の上部の拡大図〕
図11は、本願発明の上部ラセンタイプ繰出容器開閉装置の各部品の動きを示す断面図で、図10の上部の拡大図である。
〔図10の下部の拡大図〕
図12は、図10の下部の拡大図である。
図12と図10の下部の左図は、同じ状態の上部ラセンタイプ繰出容器開閉装置の断面図で、蓋(6)によって繰出容器開閉装置(100)の把持体外側モジュール(2)の開口部(21)が全閉し、繰出容器開閉装置内に口紅を収納している全閉の状態を示している。
図12と図10の下部の中央図は、中間状態を示し、回転体(R)を把持体(H)に対して順回転方向に回転させたときに連動している環状はすば歯車(7)が順回転方向に回転し、歯車側はすば(71)と噛み合っているラック側はすば(63)が蓋開放方向に線状に移動し、把持体外側モジュール(2)の開口部(21)が中間状態に開いている状態を示している。
同時にラック側はすば(63)とは逆向きのラセンを持つ上部ラセンタイプ繰出容器(1)の回転部(12b(1b))は、回転体(R)と一体に回転するように嵌合しており、後でのべる図15〜16に示す如く、収納された中皿(19)に載置された口紅(18’)は、ガイド筒(12)の回転部(12b)の順回転方向の回転によりガイド孔(12a)により中皿(19)の中皿突起(19a)が上部ラセンタイプ繰出容器内のラセン溝(13d)に沿って案内され、中間状態に繰り上げられている状態を示している。
図10〜12には、移動に伴う蓋(6)のはすばラック(62)のラック繰出距離(y)を示している。
図12と図10の下部の右図は、回転体(R)を把持体(H)に対して順回転方向に回転させたときに連動している環状はすば歯車(7)が順回転方向に回転する。
環状はすば歯車(7)の歯車側はすば(71)と噛み合っている蓋(6)のラック側はすば(63)は、摺動可能嵌合凸部(64)が把持体外側モジュール(2)の摺動可能嵌合凹部(22)と摺動可能に嵌合しており、蓋(6)は蓋開放方向に線状に移動し、把持体外側モジュール(2)の開口部(21)が全開して、口紅(18’)が繰り上げられている状態と、移動に伴う蓋(6)のはすばラック(62)のラック繰出距離(y)を示している。
図10と図12は、蓋閉止方向の逆回転方向に回転すると口紅(18’)は収納され、同時に蓋(6)は上昇し、開口部(21)を閉じることを示している。
〔繰出容器開閉装置の各部品における符号〕
図13は、図10〜12で説明した本願発明の「環状はすば歯車」を用いた繰出容器開閉装置の各部品の断面図における符号である。
〔把持体外側モジュールと回転体外側モジュールの嵌合を示す断面図〕
図14は、把持体外側モジュール(2)と回転体外側モジュール(5)の嵌合を示す図である。
繰出容器開閉装置(100)は、把持体(H)を構成する把持体外側モジュール(2)と中筒(13)と、回転体(R)を構成する回転体外側モジュール(5)と一体になって回転する回転部(1b)と環状はすば歯車(7)又は、逆ラセン筒(9)を固定して構成され、被繰出物(18)を繰出容器開閉装置(100)から繰出す、又は、繰戻し、同時に蓋を開閉するときには把持体(H)と回転体(R)を順回転方向、又は、逆回転方向に回転する。
このために、把持体外側モジュール(2)と回転体外側モジュール(5)は、片方を固定した時に回転可能に嵌合し、しかも使用中に嵌合がはずれないことが必要である。
図14に示す如く、把持体外側モジュール(2)には外側回転可能嵌合部(把持体外側モジュール(2)側)(2a)を設け、更に、回転体外側モジュール(5)には外側回転可能嵌合部(回転体外側モジュール(5)側)(5a)設け、これらを嵌合した外側回転可能嵌合部(F2(5c))により回転可能に嵌合する。
回転可能な嵌合は、この例に限定されない。周知の方法で本願発明に応用できるものであれば何れでもよい。
本願発明は、把持体外側モジュール(2)と回転体外側モジュール(5)との嵌合は必ずしも必要としない。把持体外側モジュール(2)と回転体外側モジュール(5)との嵌合は、図20について後述するように、把持体外側モジュール(2)の内側に組み込まれた環状はすば歯車(7)の連結部(72)と回転体外側モジュール(5)の嵌合筒(54)との一体となった回転可能な嵌合による組立により繰出装置開閉装置の基本的な構造となる。
この嵌合部だけの嵌合で使用中の上下方向への抜け防止が不十分な場合、デザイン、その他の理由で必要があれば図14に示す嵌合を併用して用いる。
使用中の上下方向への抜け防止方法は、回転体外側モジュール(5)の連結筒(54)と環状はすば歯車(7)の連結部(72)の片方に点状、又は、長さ方向の横断面に対して輪状の凸部、もう一方に長さ方向の横断面に対し輪状の凹部を設け、これらを回転可能に嵌合して抜け防止をすることもできる。
この抜け防止のための凹凸部を設け回転可能に嵌合する方法は、この方法に限定されない。本願発明に応用できる適切な回転可能な嵌合であれば何れの方法でもよい。
〔上部ラセンタイプ繰出容器の部品とその組立工程と被繰出物を中皿に載置する工程図〕
図15と図16は、上部ラセンタイプ繰出容器(1)の部品とその組立工程と被繰出物(18)を中皿(19)に載置する工程を示す図である。
図15に示す如く、中皿(19)の中皿突起(19a)を回転部(12b)を設けたガイド筒(12)のガイド孔(12a)に貫通すように組み込む。
次に、中皿(19)を組み込んだガイド筒(12)と中筒(13)とを嵌合する。同時に中筒(13)のラセン溝(13d)に中皿突起(19a)を組込む。
図16に示す如く、図15で述べた中皿(19)をガイド筒(12)に組み込み、更に中皿突起(19a)を中筒(13)のガイド溝(13d)に組み込み、内側回転可能嵌合凸部(13a)によりガイド筒(12)と中筒(13)が抜けないよう図16に示すように内側回転可能嵌合凹部(13b)に嵌合し、内側回転可能嵌合部(13c(F1))を形成する。この嵌合により中筒(13)を把持し、ガイド筒(12)の回転部(12b)を回転するとスムースに回転可能に嵌合する。これにより上部ラセンタイプ繰出容器(1)ができる。
この上部ラセンタイプ繰出容器(1)には、あらかじめ成型した口紅(18’)を中皿(19)に挿入し載置する場合と、口紅形状をした中空の樹脂部品に底穴(15)を設けた中皿(19)の口元に嵌合させ、容器底穴(15)より熔融した口紅などの化粧料を直接流し込み、冷却してから樹脂部品を取りはずして口紅を成型する場合がある。
図15、図16により上部ラセンタイプ繰出容器の繰出機構について説明する。
中筒(13)を片手で把持し、もう一方の片手で回転部(12b)を回転すると中皿(19)の中皿突起(19a)は、回転部(12b)と一体になっているガイド筒(12)のガイド孔(12a)に案内され、中筒(13)の内側のラセン溝(13d)により中皿(19)がガイド孔(12a)に沿って線状に移動し、中皿(19)に載置した口紅などの化粧料やその他の被繰出物(18)が繰出容器から出没する。
〔把持体と回転体の斜視図〕
図17は,把持体(H)と回転体(R)を示す斜視図である。
把持体(H)は、先(図9)に述べたごとく把持体外側モジュール(2)と中筒(13)との間に隙間(S1)を保持しつつ把持体外側モジュール(2)の内側の回転止部材(23)により両者が一体になるように固定して構成される。
〔回転体(R)について〕
前記回転体(R)は、回転体外側モジュール(5)と繰出容器の回転部(1b)とが一体となって回転するように固定して構成され、
回転体外側モジュール(5)の連結筒(54)と環状はすば歯車(7)の連結部(72)又は逆ラセン筒(9)の連結部(92)との連結により回転体モジュール(5)と繰出容器(A)の回転部(1b)と環状はすば歯車(7)又は逆ラセン筒(9)は一体として固定するものであって、
繰出容器開閉装置を開閉する際に繰出容器の回転部(1b)を順回転方向、又は、逆回転方向に回転する機能を有するものである。
〔回転体外側モジュール(5)について〕
例えば、特許文献2(特開平01−062103号公報(特許第2541579号公報))に開示されているように、回転体(R)を構成する回転体外側モジュール(5)は、繰出容器の種類、デザイン、形状、容器メーカーの設備・知的財産・技術、化粧品メーカーの生産技術・生産設備などによって多くの種類がある。
繰出容器の回転部は、

〈1〉繰出容器の組立工程で、繰出容器の回転部に必要な部品を直接組み込み繰出容器と一体となったもの、

〈2〉中味成型の生産性などを考慮した繰出容器(例えば、図15、図16などに示す繰出容器)と使用性向上やデザインなどの必要により回転部に組込む別部品の「繰出容器」と「別部品」(例えば、図18と図30の回転体外側モジュール(5)と繰出容器(1))からなったもの

等多くの種類がある。

更に、上部ラセンタイプ繰出容器について図18や図30に図示した回転体外側モジュール(5)の部品構成について例をあげると、回転体外側モジュール(5)が、

〈1〉プラスチックのみで一体に成形され、繰出容器の回転部(1b)と嵌合して使用性やデザインを向上のため用いるもの、

〈2〉内側がプラスチックの成型品で、外側がプラスチック又は金属部品の2つ部品を組み込んで、これを繰出容器の回転部(1b)と嵌合して用いるもの、

〈3〉繰出容器の回転部に直接、金属やプラスチック部品などを組込み、繰出容器と回転部(1b)一体となったもの

等多くの種類がある。

下部ラセンタイプ繰出容器については、繰出容器と回転部(1b)が一体となったもの多く、回転体外側モジュール(5)は、上部ラセンタイプ繰出容器と同じ様に種々の構造ものがある。
これら回転部(1b)と回転体外側モジュール(5)が一体となっている例について、特許文献2に上部ラセンタイプ繰出容器や下部ラセンタイプ繰出容器の一部の例が記載されている。
ねじ棒タイプ繰出容器や繰出式ペンシル容器の回転部(1b)についてもそれぞれ構造は異なる。
従って、回転体(R)を構成する回転体外側モジュール(5)の構造は、一定の構造や形状に限定されない。
〔環状はすば歯車を用いた繰出容器開閉装置の組立工程の説明〕
図18〜図20は、環状はすば歯車(7)を用いた上部ラセンタイプ繰出容器開閉装置の組立工程を示す図である。
組立工程の順序は、これらの図に限定されない。繰出容器の種類、繰出容器開閉装置の生産数、口紅などの化粧料メーカーの納品形態への要望、繰出容器メーカーや化粧料メーカーの生産設備や作業工程、製品の販売方法など必要により変更できる。
〔〔組立工程I−1〕回転体内側モジュールへの繰出容器の組立(斜視図)〕
図18[組立工程1−1]は、回転体外側モジュール(5)への繰出容器(1)の嵌合を示す斜視図で、繰出容器(1)は上部ラセンタイプ繰出容器である。
上部ラセンタイプ繰出容器は、回転体外側モジュール(5)の連結凹部(52)に挿入され、繰出容器底止め(55)により一定の位置に挿入される。同時に圧接部(53)により繰出容器(1)の回転部(1b(12b))は圧接され、これにより繰出容器の回転部(1b(12b))と回転体外側モジュール(5)は一体となり同じ方向に回転する。
〔回転体外側モジュール〕
回転体外側モジュール(5)は、この例に限定されない。前述の如く、回転体モジュール(5)は、繰出容器開閉装置の繰出容器の種類、デザイン、形状、容器メーカーの設備、所有する知的財産などにより種々の種類がある。本願発明に応用できる適切な構成のものを用いることができる。
前述の如く、繰出容器(1)の回転部(1b(12b))に回転体外側モジュール(5)が一体に組み込まれている繰出容器がある。この場合は、図18や図30の組立工程は省略できる。
[圧接部(53)]
本出願の特許請求の範囲、明細書、及び、図面において、「圧接部(53)」は、図18や図30に示す例に限定されない。圧接や繋合方法には種々の方法がある。

例えば、

〈1〉圧接部(53)の内径を繰出容器の回転部(1b(12b))に嵌合出来る程度に狭くし嵌合する、

〈2〉圧接部(53)の内側に繰出容器の長さ方向に1〜4ケ所の突起を設けて、部分的に狭い箇所を設け、繰出容の回転部(12b(1b))を圧接し嵌合する、

〈3〉繰出容器の底穴に、弾性のあるプラスチックの継ぎ手を設けて回転体外側モジュール(5)はめ込み嵌合する、

〈4〉繰出容器の回転部の外側とこれに対応して回転体外側モジュール(5)の連結凹部(52)の内部に凸状の輪状の突起を設け嵌合する、

など繰出容器と回転体モジュールとの圧接や繋合方法は、多くの種類がある。

本願発明に適したものであれば、何れの方法も応用できる。
〔〔組立工程1−2〕把持体外側モジュールと蓋及び環状はすば歯車の組立〕
(断面図〕
図19[組立工程1−2]は、把持体外側モジュール(2)と蓋(6)と環状はすば歯車(7)の組立工程を示す断面図である。
図19の左図は、把持体外側モジュール(2)に、蓋(6)を組込む工程を示す図である。
図19の中央の上図は、把持体外側モジュール(2)に蓋(6)を組込んだ図である。蓋(6)の摺動可能嵌合凸部(64)は、把持体外側モジュール(2)の摺動可能嵌合凹部(22)に摺動可能に嵌合される。
図19の中央の下の図は、環状はすば歯車(7)である。
図19の右図は、把持体外側モジュール(2)に蓋(6)を組込んだ後、更に、環状はすば歯車(7)を組込んだ図である。
環状はすば歯車(7)は、把持体外側モジュール(2)内側の回止部材(23)と抜止め(25)の間に回転可能に、また、回転して使用する時に抜けないように嵌めこまれる。
同時に蓋(6)のラック側はすば(63)は、環状はすば歯車(7)の歯車側はすば(71)に組み込まれる。
この組立工程により、把持体外側モジュール(2)に蓋(6)及び環状はすば歯車(7)は、摺動可能及び回転可能に組み込まれる。
〔〔組立工程1−3〕環状はすば歯車使用の繰出容器開閉装置の組立〕
図20〔組立工程1−3〕は、「把持体外側モジュール(2)と蓋(6)と環状はすば歯車(7)の組立体」と「繰出容器(1)及び回転体外側モジュール(5)の組立体」との連結による環状はすば歯車(7)使用の繰出容器開閉装置の組立工程を示す斜視図である。
図18〔組立工程1−1〕の「繰出容器(1)と回転体外側モジュール(5)の組立体」の連結筒(54)の突起(51)は、図19[組立工程1−2]の「把持体外側モジュール(2)と蓋(6)と環状はすば歯車(7)の組立体」の環状はすば歯車(7)の連結部(72)に挿入し、突起(51)により圧接されて連結し固定され、回転体外側モジュール(5)と環状はすば歯車(7)が一体となって同じ方向に回転するように連結する。
この連結により環状はすば歯車(7)応用の繰出容器開閉装置の基本構造が構成され繰出容器開閉装置(100)が機能する。
〔連結筒(54)と連結部(72)又は連結部(92)について〕
図20について後述するように、連結筒(54)と、環状はすば歯車(7)の連結部(72)又は、図32等で後述するように、逆ラセン筒(9)の連結部(92)との連結は、通常の口紅などの繰出容器と蓋との嵌合と同様な嵌合方法により嵌合される。
繰出容器は、軽く回すだけで回転するようにできており、通常この嵌合で使用できる。併し、嵌合が弱い場合、使用中の回転により嵌合部が空回りする、また、嵌合部が上下方向に抜けることを防ぐために種々の方法がある。

回転の際の空回りを防ぐための嵌合する方法として例をあげると

〈1〉突起(51)と連結部(72)又は(92)の内径寸法を調整し嵌合を強めにする、

〈2〉連結部(72)又は(92)の内面に容器の長さ方向の縦方向にローレットを設け、突起(51)との回転方向の摩擦強度を向上し、空回りを防ぐ、

〈3〉多角形の応用、即ち、連結部(72)又は連結部(92)と連結筒(54)を容器の長さ方向に対して横方向の断面を多角形にし、嵌合し、同時に突起(51)の凸部は、連結部(72)又は(92)の内部に設けた凹部に嵌めこまれ、上下方向の抜け防止強度を向上する、(<市販製品例>リップニュアンスゴールドパール(商品名)(オルビス株式会社、カタログ番号No.8229、2000年秋製品)の容器)、

〈4〉スプライン又はセレーションの応用(機械設計の「筒状のはめあい部分」の回転や動力を確実に伝達するために、スプラインやセレーションを応用。即ち、筒部(把持体外側モジュール(2)側)に凹部を設け、回転軸(回転体外側モジュール(5)側)に嵌合する凸部を設ける嵌合する方法(非特許文献3参照))、

など多くの方法がある。

従って、連結筒(54)と連結部(72)又は連結部(92)の嵌合方法は、図20や図32の方法に限定されない。本願発明の目的に適した連結方法であれば何れでも良い。
「機械要素」基礎のきそ、著者:門田和雄、発行所:日刊工業新聞社、初版発行日:2006年4月27日、76〜78頁、ISBN 4−526−05655−3 C3053
[突起51について]
図18、図20、図30、図32に示す如く、「回転体外側モジュール(5)嵌合筒(54)に設けられている突起(51)」は、回転体外側モジュール(5)の嵌合筒(54)の周に1〜4か所に設けられている突起であって、環状はすば歯車(7)の内側の連結部(72)や連結部(92)を圧接し、回転体外側モジュール(5)と環状はすば歯車(7)や逆ラセン筒(9)を固定し、連結され連結筒(54)と連結部(72)又は連結部(92)が一体となって回転する。
連結部を固定し連結する方法は、方法に限定されない。本願発明に適した方法であれば何れでも応用できる。
〔逆ラセン筒を用いた繰出容器開閉装置〕
本願発明の「逆ラセン筒」を用いた繰出容器開閉装置について次に説明する。
前述の繰出容器開閉装置に用いた環状はすば歯車(7)を逆ラセン筒(9)に替え、該逆ラセン筒(9)に合わせて蓋(6)を逆ラセン筒用の蓋(8)に替えた例について図21〜図34により説明する。
〔繰出容器開閉装置の基本構造(本願発明〕〕
図21は、本願発明の逆ラセン筒(9)を用いた繰出容器開閉装置(100)の構成を示す図で、前述の図5〜20に示した本願発明の繰出容器開閉装置を構成する環状はすば歯車(7)を「逆ラセン筒(9)」に替え、更に、逆ラセン筒(9)に合わせた構造の「蓋(8)」を用いた繰出容器開閉装置の構成を示す図で、繰出容器(A)、回転駆動機構(B),往復駆動機構(C)、開閉駆動機構(D)、把持体(H)、回転体(R)を示す斜視図である。
繰出容器(A)は、上部ラセンタイプ、下部ラセンタイプ、ねじ棒タイプ、繰出式ペンシル容器などを用いる。繰出容器(A)は、開閉装置に組み込むために不必要な部品などを除去し、また、必要により一部修正して用いる。
回転駆動機構(B),往復駆動機構(C)、開閉駆動機構(D)、把持体(H)、回転体(R)は、これらは繰出容器の形状・デザイン・サイズ・太さ・繰出容器の種類、用途などにより、これらに合わせ一部修正されることがあるが基本的な構造は同じである。
図22は、図21の中央部の拡大図である。
〔繰出容器開閉装置の基本構造(本願発明)〕
図23は、本願発明の「逆ラセン筒(9)」を用いた上部らせんタイプ繰出容器開閉装置の構成を示す図で、「逆ラセン筒(9)」に合わせて蓋(8)を用いた繰出容器開閉装置の構成を示す斜視図である。
繰出容器(A)は上部ラセンタイプ繰出容器、回転駆動機構(B),往復駆動機構(C)、開閉駆動機構(D)、把持体(H)、回転体(R)の構成を示す斜視図である。
図24は、図23の中央部の拡大図である。
〔把持体(H)の構成を示す断面図〕
図25は、本願発明の把持体(H)の構成を示す断面図で、図25の左図は「図26と図28のハ−ハ線の断面図」である。
図25の左図は、図26と図28のハ−ハ線断面図で、把持体外側モジュール(2)の内部を構成する中筒(13)と回止部材(23)及び隙間(S1)の構成を示す断面図である。
把持体(H)は、把持体外側モジュール(2)と中筒(13)との間に隙間(S1)を保持しつつ両者を固定して構成される。
把持体外側モジュール(2)の内側に設けた回止部材(23)は、中筒(13)の上端を固定して把持体(H)を構成しており、把持体(H)を把持し回転体(R)を回転した時、中筒(13)が同じ方向に回転しないように把持体(H)を構成する把持体外側モジュール(2)と中筒(13)が一体になるように固定している。
回止部材(23)はこの例に限定されない。本願発明に適したものであれば、何れの方法でも良い。また、回止部材(23)は、別部品として把持体外側モジュール(2)の天面内側に挿入して用いることも出来る。
隙間(S1)は、繰出容器開閉装置(100)の回転操作による蓋(8)の柱部(82)の線状の移動に必要な隙間(S1)を確保していることを示している。
図25の右図は、「図26と図28のニ−ニ線の断面図」で、把持体(H)のニ−ニ線の断面の構成を示す断面図である。
図25の右図は、図26と図28のニ−ニ線の断面図で、把持体外側モジュール(2)の内部を構成する中筒(13)と逆ラセン筒(9)及び隙間(S1)の構成を示す断面図である。逆ラセン筒(9)は回転可能な隙間(S1)を確保しており、また、隙間(S1)は、繰出容器開閉装置(100)の回転操作による蓋(8)の柱部(82)の線状の移動に必要な隙間(S1)を確保していることを示している。
〔本願発明の上部ラセンタイプ繰出容器開閉装置の開閉時の各部品の動きを示す図〕
図26は、本願発明の逆ラセン筒(9)を用いた上部ラセンタイプ繰出容器開閉装置の開閉時の各部品の動きを示す図で、順及び逆転方向に開閉時の蓋(8)、被繰出物(18)、蓋繰出距離(z)など各部品の動きを示したものである。
図26の上の図は、逆ラセン筒(9)を用いた本願発明の上部らせんタイプ繰出容器開閉装置の把持体外側モジュール(2)を外した斜視図で、蓋(8)の開閉時の動きを示したものである。
図26の左図は、繰出容器開閉装置(100)内側の蓋(8)が上昇し、開口部(21)を閉じている全閉状態を示す。
図26の中央図は、順回転方向に繰出容器開閉装置(100)を順回転方向に繰出したとき、把持体外側モジュール(2)の内側の摺動可能嵌合凹部(22)と蓋(8)の摺動可能嵌合凸部(84)は摺動可能に嵌合しており、摺動可能嵌合凹部(22)に沿って線状に移動した蓋(8)の中間状態を示している。可撓性のある蓋(8)は、把持体外側モジュール(2)の壁体(24)により折り曲げられている状態と移動に伴う蓋(8)の蓋繰出距離(z)を示している。
図26の右図は、繰出容器開閉装置(100)の内側の蓋(8)の全開の状態を示し、把持体(H)を片手で把持し、回転体(R)を順回転方向に繰出すと把持体外側モジュール(2)の内側の摺動可能嵌合凹部(22)と蓋(8)の摺動可能嵌合凸部(84)は嵌合しており、蓋(8)は蓋開放方向に摺動可能嵌合凹部(22)に沿って線状に移動する。移動した蓋(8)は、把持体外側モジュール(2)の内側に収納されている状態と、蓋(8)の蓋繰出距離(z)を示している。
可撓性のある蓋の材質は、力を加えた場合、柔軟に撓むプラスチックで、本願発明を実施に適するものであれば何れでもよい。
壁体(24)は、繰出容器開閉装置(100)のデザインや形状など必要により別部品として把持体外側モジュール(2)に嵌着して設けることも出来る。
〔図26の上部の拡大図〕
図27は、本願発明の上部ラセンタイプ繰出容器開閉装置の各部品の動きを示す斜視図で、図26の上部の拡大図である。
〔図26の下部の図の拡大図〕
図28は、本願発明の上部ラセンタイプ繰出容器開閉装置の各部品の動きを示す断面図で、図26の下部図の拡大図である
図26の下の左図と図28の左図は同じで、蓋(8)によって繰出容器開閉装置(100)の把持体外側モジュール(2)の開口部(21)が全閉し、繰出容器開閉装置内に口紅(18’)を収納している全閉状態を示している。
図26の下の中央図と図28の中央図は同じで、回転体(R)を把持体(H)に対して順回転方向に繰出したときに、連動している逆ラセン筒(9)が順回転方向に回転し、逆ラセン筒(9)のラセン溝(91)と嵌合している蓋(8)の案内突起(83)により蓋開放方向に移動する。
蓋(8)は、摺動可能嵌合凸部(84)と摺動可能に嵌合している把持体外側モジュール(2)の内側の摺動可能嵌合凹部(22)に案内され蓋開放方向に線状に移動し、把持体外側モジュール(2)の開口部(21)が中間状態に開いている状態を示している。
同時に逆ラセン筒(9)とは逆向きのラセンを持つ上部ラセンタイプ繰出容器に収納された中皿(19)に載置された口紅(18’)は、図15〜16で述べたようにガイド筒(12)のガイド孔(12a)により中皿(19)の中皿突起(19a)が上部ラセンタイプ繰出容器内のラセン溝(13d)に沿って線状に案内され、中間状態に繰り上げられている状態を示している。
図26と図28には、移動に伴う蓋(8)の蓋繰出距離(z)を示している。
図26の下の右図と図28の右図は、回転体(R)を把持体(H)に対して順回転方向に回転させたときに連動している逆ラセン筒(9)が順回転方向に回転し、逆ラセン筒(9)と嵌合している蓋(8)の案内突起(83)により逆ラセン筒(9)のラセン溝(91)に案内され、蓋(8)の摺動可能嵌合凸部(84)は、把持体モジュール(2)の摺動可能嵌合凹部(22)と摺動可能に嵌合しており、該摺動可能嵌合凹部(22)に沿って蓋開放方向に線状に移動し、把持体外側モジュール(2)の開口部(21)が全開の状態を示している。
同時に、口紅(18’)が、逆ラセン筒とは逆向きのラセンを備えた繰出容器(1)により繰り上げられている状態を示している。
〔逆ラセン溝(91)〕
図26〜28に示す逆ラセン溝(91)について説明する。
逆ラセン筒(9)の外側に設けた逆ラセン溝(91)は、逆ラセン溝開始点(91a)、逆ラセン溝中間点(91b)、逆ラセン溝終点(91c)の溝を少なくとも一条形成すると、蓋(8)の開閉速度を変えることが出来る。
蓋(8)は、蓋を開く際は、早く開き、蓋を容器内に収納後は、容器内をゆっくり動くことが望まれるので、逆ラセン溝(91)の傾斜を変化させ、蓋(8)の位置により動きを調整することが出来る。
図26〜28には、 逆ラセン筒(9)の外周面に形成した逆ラセン溝(91)を示している。
図26〜28において、逆ラセン溝開始点(91a)、逆ラセン溝中間点(91b)、逆ラセン溝終点(91c)が形成されている。
逆ラセン溝開始点(91a)〜逆ラセン溝中間点(91b)間は、急傾斜に溝が形成され、また、逆ラセン溝中間点(91b)〜逆ラセン溝終点(91c)の間は緩やかな溝の角度になっている。
逆ラセン溝開始点(91a)〜逆ラセン溝中間点(91b)間を移動する蓋(8)は、ラセン溝(91)に嵌合した案内突起(83)にガイドされ、急速に線状に移動する。これに伴い蓋(8)の舌部(81)が早く線状に移動して開口部(21)を速やかに開閉する。
逆ラセン溝開始点(91a)には、水平部、又は、凹部を形成し、蓋(8)を閉じたとき不用意に動くことがないように配慮することも出来る。繰出容器のラセンが不用意に動かない方法はこの例に限定しない。本発明に適した方法であれば何れでも良い。
逆ラセン溝中間点(91b)〜逆ラセン溝終点(91c)間ではラセン溝(91)は、緩やかな角度に設定されており、蓋(8)は容器内をゆっくり線状に移動する。
〔逆ラセン筒の効果〕
このように急傾斜と緩やかな逆ラセン溝(91)を逆ラセン筒(9)に形成することによって、蓋(8)の線状の移動距離が短くなるため 繰出容器全体の長さを短くできる。
逆ラセン筒(9)の逆ラセン溝(91)は、通常の繰出容器と同じように全て一定の傾斜角度の逆ラセン溝を用いることが出来ることはもちろんである。
蓋の移動を早くするための逆ラセン溝開始点(91a)〜逆ラセン溝中間点(91b)間のラセン溝の角度は、繰出容器の種類、長さ、太さ、デザイン、形状、また、蓋の移動の速さの必要度、操作時の使いやすさなどにより、個々の繰出容器毎に決め、設定する。
〔繰出容器開閉装置の各部品における符号〕
図29は、図26〜28で説明した本願発明の「逆ラセン筒」を用いた繰出容器開閉装置の各部品の断面図とその符号である。
〔逆ラセン筒を用いた繰出容器開閉装置の組立工程の説明〕
図30〜図32は、逆ラセン筒(9)用いた上部ラセンタイプ繰出容器開閉装置の基本的な各部品の組立工程を示す図である。蓋(6)と環状はすば歯車(7)に替えて蓋(8)と逆ラセン筒(9)を用いている点を除くと、前述の図18〜20の組立工程と同じである。
組立工程の順序は、この図に限定されない。繰出容器開閉装置の生産数、口紅などの化粧料メーカーの納品形態への要望、繰出容器メーカーや化粧料メーカーの生産設備や作業工程、製品の販売方法など必要により変更できる。
〔[組立工程2−1]回転体外側モジュールと繰出容器の組立(斜視図)〕
図30[組立工程2−1]は、回転体外側モジュール(5)と繰出容器(1)との組立工程を示す斜視図で、繰出容器(1)は上部ラセンタイプ繰出容器である。
図30の〔組立工程2−1〕は、前述の図18[組立工程1−1]と同じである。
上部ラセンタイプ繰出容器は、回転体外側モジュール(5)の連結凹部(52)に挿入され、繰出容器底止め(55)により一定の位置に挿入される。同時に圧接部(53)により繰出容器の回転部(1b(12b))は圧接し固定され、これにより繰出容器の回転部(1b(12b))と回転体外側モジュール(5)は一体となり同じ方向に回転する。
繰出容器の回転体モジュール(5)への固定方法は、この方法に限定されない。先〔0070〕で述べた如く、種々の方法がある。本発明に適したものであれば何れでも良い。
〔回転体外側モジュール〕
回転体外側モジュール(5)については、既に、〔0066〕と〔0069〕で説明したとおりである。
〔「組立工程2−2」把持体外側モジュールと蓋と逆ラセン筒の組立(断面図)〕
図31[組立工程2−2]は、把持体外側モジュール(2)と蓋(8)と逆ラセン筒(9)の組立工程を示す断面図で、蓋(8)と逆ラセン筒(9)を除くと環状はすば歯車(7)と蓋(6)を用いた図19〔組立工程1−2〕と同じである。
図31の左図は、把持体外側モジュール(2)に蓋(8)を組込む工程を示す図である。
中央の上の図は、把持体外側モジュール(2)に蓋(8)を組込んだ図である。
蓋(8)の摺動可能嵌合凸部(84)は、把持体外側モジュール(2)の摺動可能嵌合凹部(22)に摺動可能に嵌合される。
図31の中央の下の図は逆ラセン筒(9)で、図31の右図は、前述の把持体外側モジュール(2)と蓋(8)の組立後、更に、逆ラセン筒(9)を組込んだ図である。
図31の右図に示すように逆ラセン筒(9)は、把持体外側モジュール(2)の内側の回止部材(23)と抜止め(25)の間に回転可能に嵌めこまれる。同時に蓋(8)の案内突起(83)は、逆ラセン筒(9)の逆ラセン溝(91)に組み込まれる。
この組立工程により、把持体外側モジュール(2)の内側に逆ラセン筒(9)は回転可能に組み込まれ、同時に蓋(8)の摺動可能嵌合凸部(84)は、把持体外側モジュール(2)の摺動可能凹部(22)に組み込まれ、逆ラセン筒(9)の回転に伴って線状に上下移動する。
〔組立工程2−3〕逆ラセン筒使用の繰出容器開閉装置の組立(斜視図)〕
図32は、逆ラセン筒使用の繰出容器開閉装置の組立工程を示す斜視図である。
図32の左側の図は、図31〔組立工程2−2〕と同じで「把持体外側モジュール(2)と蓋(8)と逆ラセン筒(9)」の組立てる部品の構成を示している。
図32の中央の上図は、「把持体外側モジュール(2)と蓋(8)と逆ラセン筒(9)」を組み立てた「往復駆動機構の一部(C’)」を示している。
図32の中央の下の図は、図30〔組立工程2−1〕と同じで、「被繰出物(18)の口紅(18’)を繰出容器(1)に載置した「繰出式口紅(A’)」」と「回転体外側モジュール(5)の回転駆動機構の一部(B’)」の組立部品の構成と組立工程を表している。
図32の右側の図は、繰出式口紅(A’)を回転駆動機構の一部(B’)に装着し、更に、往復駆動機構の一部(C‘)に装着して繰出容器開閉装置(100)の構造を構成している図である。
図32は、図20〔組立工程1−3〕と同じで、環状はすば歯車(7)と蓋(6)に替え、逆ラセン筒(9)と蓋(8)を用いている。従って、環境はすば歯車(7)を用いた場合も図32と同様に組み立てることにより繰出容器開閉装置(100)の構造を構成する。
図30[組立工程2−1]で組立てた「繰出容器(1)と回転体外側モジュール(5)の組立体」の回転体外側モジュール(5)の連結筒(54)は、図31[組立工程2−2]で組立てた「回転体外側モジュール(2)と蓋(8)と逆らせん筒(9)の組立体の往復駆動機構の一部(C’)」の連結部(92)に挿入し、嵌合され、回転体外側モジュール(5)と逆ラセン筒(9)が一体となって回転するように連結する。
この工程による嵌合によって繰出容器開閉装置の構造が構成される。
〔連結筒(54)と連結部(92)について〕
図32〔組立工程2−3〕は、図20〔組立工程1−3〕の部品の蓋(6)と環状はすば歯車(7)が蓋(8)と逆ラセン筒(9)に替えられている点を除くと同じである。
図33にも示すように、回転体外側モジュール(5)の連結筒(54)と逆ラセン筒(9)の連結部(92)は、突起(51)の効果で圧接し固定され、連結部(92)は使用中に容易に抜けないように連結される。また、連結部の嵌合方法は、先〔0073〕に述べた如く種々の方法があり、本願発明に適した方法であれば何れでも良い。
この連結で把持体(H)を構成する把持体外側モジュール(2)を片手で固定し、回転体(R)を構成する回転体外側モジュール(5)を回転すると、逆ラセン筒(9)の連結部(92)が連結筒(54)の突起(51)により圧接され連結し、一体となって同じ方向に回転する。この回転により図26〜28に示す如く繰出容器開閉装置(100)は開閉する。
連結筒(54)と逆ラセン筒(9)の連結部(92)の連結方法は、この例に限定されない。
図20〔0076〕について上述したように、確実に回転するためには、種々の方法がある。本願発明に適した嵌合であれば何れでもよい。
〔繰出容器開閉装置の繰返し使用〕
図32〔組立工程2−3〕は、逆ラセン筒使用の繰出容器開閉装置の組立を示す斜視図である。
本願発明の環状はすば歯車(7)又は逆ラセン筒(9)を用いた繰出容器開閉装置は、繰返し使用できる。
繰出容器開閉装置と口紅載置の繰出容器の販売方式として次がある。

〔販売時3種の部品の場合〕
図32に示す如く、
(1)口紅(18’)と繰出容器(1)からなる「繰出式口紅(A’)」、
(2)回転体外側モジュール(5)からなる回転駆動機構の一部(B’)」、
(3)把持体外側モジュール(2)と蓋(8)又は蓋(6)と逆ラセン筒(9)又は環状はすば歯車(7)からなる「往復駆動機構の一部(C’)」の3種を販売する。
一般消費者が、ドラッグストア等で購入した繰出式口紅(A’)を回転駆動機構の一部(B’)に装着して、往復駆動機構の一部(C’)と、繰出容器開閉装置(100)を完成させる。
繰出容器開閉装置(100)に装着している繰出式口紅(18’)を消費しきった後は、新たな繰出式口紅(18’)と簡便かつ迅速に交換することができ、繰出容器開閉装置(100)は、繰返し使用することができる。

〔販売時が2種の部品の場合〕
繰出容器(1)の「回転部(12b(1b))」と「回転体外側モジュール(5)」が一体となった繰出容器の構造の場合には、「往復駆動機構の一部(C’)」を繰出容器に直接装着し,繰返し使用することができる。
〔逆ラセン筒の回転体外側モジュールとの嵌合を示す斜視図〕
図33は、逆ラセン筒(9)と回転体外側モジュール(5)との嵌合を示す斜視図で、斜視図である。
図33は、把持体外側モジュール(2)を外した斜視図である。左図は、「繰出容器(1)と回転体外側モジュール(5)の組立体」と「逆ラセン筒(9)」の組立工程を示している。
図33に示す如く、逆ラセン筒(9)の連結部(92)は、「繰出容器(1)と回転体外側モジュール(5)の組立体」の連結筒(54)に連結され、突起(51)の圧接効果により固定され、一体となって回転するように組立られている。
この組立体が、使用中に容易に上下方向に抜けないように連結強度を強固にする必要があれば、図14に示す様に、把持体外側モジュール(2)と回転体外側モジュール(5)を回転可能に嵌合し、使用中に上下方向に容易に抜けないようにすることもできる。
上下方向の抜け防止方法は、この例に限定されない。
〔0076〕(連結筒(54)と連結部(72)又は連結筒(92)について)で述べたように、連結方法は、種々の方法がある。連結方法は、本願発明に適したものであれば何れでも良い。
〔蓋(8)の案内突起の摺動可能な嵌合を示す斜視図〕
図34は、蓋(8)の案内突起の(83)の逆ラセン筒(9)の逆ラセン溝(91)への摺動可能な嵌合を示す斜視図である。
図34は、把持体外側モジュール(2)を外した図で、図33に述べた「繰出容器(1)と回転体外側モジュール(5)と逆ラセン筒(9)との組立体」に蓋(8)を嵌合した図である。蓋(8)の案内突起(83)が逆ラセン体(9)の逆ラセン溝(91)に摺動可能に嵌め込まれた状態を示している。
〔上部ラセンタイプ繰出容器以外の繰出容器についての説明〕
以上、上部ラセンタイプ繰出容器を例に本願発明の繰出容器開閉容器について述べた。上部ラセンタイプ繰出容器以外の繰出容器について説明する。

〈1〉ねじ棒タイプ繰出容器は、上部ラセンタイプ繰出容器開閉装置をそのまま応用できる。

〈2〉下部ラセンタイプ繰出容器も本願発明の基本構造とおなじであるが、該下部ラセンタイプ繰出容器のラセン部分が中皿の下部にあるため、下部ラセン部の回転部(袴筒)(12b(1b))を回転体外側モジュール(5)として用いることが多い。即ち、回転部に回転体外側モジュール(5)が、直接組み込まれ、一体構造になっていることが多い。
必要があれば、下部ラセンタイプ繰出容器の回転部に図18や図30に示す筒状の回転体外側モジュール(5)を嵌合して用いることもできることは、勿論である。

〈3〉繰出式ペンシル容器に応用する場合も他の繰出容器と同じである。
図4や先の〔背景技術〕〔0002〕項に記述した如くに示す如く、繰出式ペンシル容器は、細身のペンシル状の中味を繰出す、又は、繰戻す時は、カートリッジ(中筒)を把持し、ホルダー(回転部)を回転して他の繰出容器と同様に使用する。

このため、繰出式ペンシル容器を繰出容器開閉装置に用いる場合も、上部ラセンタイプ繰出容器や下部ラセンタイプ繰出容器開閉装置の場合と同じである。
図4の把持体(H)を構成するカートリッジ(中筒)及び回転体(R)を構成するホルダー(回転部)の寸法に合わせ、図19(環状はすば歯車式)に示す如く「把持体外側モジュール(2)と蓋(6)及び環状はすば歯車(7)」、又は、図31(逆ラセン筒式)に示す如く「把持体外側モジュール(2)と蓋(8)と逆ラセン筒(9)」の組立体を作り、把持体外側モジュール(2)に、これらの組立体を先の図18〜20の組立工程1−1〜組立工程1―3又は図30〜32の組立工程2−1〜組立工程2−3に示した如く組み込む。
図4に示す如くホルダー(回転部)の先端部(連結筒(54))には、突起(51)を設け、環状はすば歯車(7)の連結部(72)又は逆ラセン筒(9)の連結部(92)に挿入し連結し、連結筒(54)と環状はすば歯車(7)又は逆ラセン筒(9)が一体になって回転するように固定する。
図19に示す如く「把持体外側モジュール(2)に蓋(6)と共に組み込んだ環状はすば歯車(7)の連結部(72)の組立体」、又は、図31に示す如く「把持体外側モジュール(2)に蓋(8)と共に組み込んだ逆ラセン筒(9)の連結部(92)の組立体」とホルダー(回転部)の先端部(連結筒(54))の突起(51)と連結し、繰出容器開閉装置の構造を構成する。
尚、嵌合筒(54)に該当するホルダー(回転部)の先端部の突起(51)と連結部(72)又は(92)の連結方法は、この例に限定されない。先(0076)に述べた如く多くの連結方法がある。本願発明に適した方法であれば何れでもよい。
繰出式ペンシル容器は、その構造からホルダー(回転部)は、回転体外側モジュール(5)と一体になって回転部(1b(12b))を構成していることが多い。
従って、図18〔組立工程1−1〕及び図30〔組立工程2−1〕の工程は、不必要な場合が多い。
このように本願発明は、種々の繰出容器に応用して繰出容器開閉装置を作ることができる。
〔本願と未公開先願(特許第4399534号)との比較対照説明図〕
本願発明と未公開先願(特許第4399534号)との比較対象説明図について説明する。
図35により請求項1の「環状はすば歯車」を用いた繰出容器開閉装置について、また、図36により請求項2の「逆ラセン筒」を用いた繰出容器開閉装置について本願発明と未公開先願(特許第4399534号)との比較対象を図35及び図36で説明する。
[図35 本願(請求項1)と未公開先願(特許第4399534号)との比較対照〜その1]
図35において、未公開先願(特許第4399534号)の第8図(一部改変)と本願発明の第12図について、発明特定事項の異同を比較対照した。
蓋(6)の柱部(62)が上下運動するための空間として、上方の隙間(S1)と、下方の隙間(S2)が存在し得る。
未公開先願では、S1とS2の両方が存在する。
然るに、本願発明では、柱部(62)の長さを短くするという工夫により、S1は存在するものの、S2を不要とした。
未公開先願では、S2を存在せしめるために、繰出容器(1)、又は、繰出式口紅(A’)に、回転駆動機構(B)を装着する操作が煩雑であった。
然るに、本願発明では、S2をなくすことにより、繰出容器(1)、又は、繰出式口紅(A’)を、回転駆動機構(B)に嵌め込むだけのワンタッチ操作を実現した。
[図36 本願発明(請求項2)と未公開先願(特許第4399534号)との比較対照〜その2]
図35において、未公開先願(特許第4399534号)の第22図(一部改変)と本願第28図について、発明特定事項の異同を比較対照した。
蓋(8)の柱部(82)が上下運動するための空間として、上方の隙間(S1)と、下方の隙間(S2)が存在し得る。
未公開先願では、S1とS2の両方が存在する。
然るに、本願では、柱部(82)の長さを短くするという工夫により、S1は存在するものの、S2を不要とした。
未公開先願では、S2を存在せしめるために、繰出容器(1)、又は、繰出式口紅(A’)に、回転駆動機構(B)を装着する操作が煩雑であった。
然るに、本願では、S2をなくすことにより、繰出容器(1)、又は、繰出式口紅(A’)を、回転駆動機構(B)に嵌め込むだけのワンタッチ操作を実現した。
〔図35と図36の発明の効果〕
図35と図36の効果を列記すると、

〈1〉繰出容器(1)、又は、繰出式口紅(A’)を、回転駆動機構(B)に嵌め込むだけでワンタッチで装着できる。更に、往復起動機構の一部(C')との嵌合により繰出容器開閉装置の構造を構成できるため、繰出容器開閉装置が簡単に組み立てられ、

〈2〉組立工程が簡単になった結果、繰出容器開閉装置の容器メーカーの製造工程、化粧品メーカーの組立工程、販売時点など各段階での機能チェックが容易にでき、品質管理しやすく、

〈3〉回転体(R)の隙間(S2)を保持する必要が無くなった結果、繰出容器の回転体(R)の構造が隙間(S2)のある構造に限定されないため、繰出式ペンシル容器など種々の繰出容器に広く応用できるようになった。

繰出容器は、繰出容器の種類、容器メーカーの知的財産、生産設備、容器のデザインなど種々の理由で、回転部(1b(12b))と回転体外側モジュールが一体となって組み込まれている容器もあり、未公開先願では、一部の繰出容器に隙間(S2)のない繰出容器などへの応用するために、繰出容器の一部の部品の修正などが必要なものもあった。
本願発明では、繰出装置開閉装置に応用するために、必要により既存の繰出容器の寸法などを調整するだけで広く応用することができるようになった。
[図37 本願発明(請求項2)と未公開先願(特許第4399534号)との比較対照〜隙間(S2)の存否]
図37において、未公開先願(特許第4399534号)には、蓋(8)の柱部(82)が上下運動するための空間として、上方の隙間(S1)と、下方の隙間(S2)の両方が存在することを示した。
一方、本願発明(請求項2)においては、蓋(8)の柱部(82)が上下運動するための空間として、上方の隙間(S1)のみが存在し、下方の隙間(S2)が存在しないことを示した。
図示していないが、本願発明(請求項1)においても、蓋(6)の柱部(62)が上下運動するための空間として、上方の隙間(S1)のみが存在し、下方の隙間(S2)が存在しない。
本願では、柱部(62、82)の長さを短くするという工夫により、S1は存在するものの、S2を不要とした。
未公開先願では、S2を存在せしめるために、繰出容器(1)、又は、繰出式口紅(A’)に、回転駆動機構(B)を装着する操作が煩雑であった。
然るに、本願では、S2をなくすことにより、繰出容器(1)、又は、繰出式口紅(A’)を、回転駆動機構(B)に嵌め込むだけのワンタッチ操作を実現した。

<<<基本構造と従来容器の説明図>>>

繰出容器の基本構造と基本機能〜1(繰出時) 繰出容器の基本構造と基本機能〜2(繰戻時) 繰出容器の基本構造(従来容器) 繰出容器の基本構造(従来容器) <<<請求項1(環状はすば歯車型繰出容器開閉装置)の説明図>>> 繰出容器開閉装置の基本構造(本願発明) 図5の中央部の拡大図 繰出容器開閉装置の基本構造(本願発明) 図7の中央部の拡大図 把持体(H)の構成を示す断面図 (図10と図12のイ−イ線とロ−ロ線の断面図) 本願発明の上部ラセンタイプ繰出容器開閉装置の開閉時の 各部品の動きを示す図 本願発明の上部ラセンタイプ繰出容器開閉装置の各部品の動きを示す 斜視図(図10の上部の拡大図) 本願発明の上部ラセンタイプ繰出容器開閉装置の各部品の動きを示す 断面図(図10の下部の拡大図) 繰出容器開閉装置の各部品における符号 把持体外側モジュールと回転体外側モジュールの嵌合を示す断面図 上部ラセンタイプ繰出容器の部品とその組立工程と被繰出物を中皿に 載置する工程図 上部ラセンタイプ繰出容器の部品とその組立工程と被繰出物を中皿に 載置する工程図 把持体(H)と回転体(R)を示す斜視図 [組立工程1−1]回転体外側モジュールへの繰出容器の組立 (斜視図) [組立工程1−2]把持体外側モジュールと蓋及び 環状はすば歯車の組立(断面図) [組立工程1−3]環状はすば歯車使用の繰出容器開閉装置の組立 (斜視図)<<<請求項2(逆ラセン筒型繰出容器開閉装置)の説明図>>> 繰出容器開閉装置の基本構造(本願発明) 図21の中央部の拡大図 繰出容器開閉装置の基本構造(本願発明) 図23の中央部の拡大図 把持体(H)の構成を示す断面図 (26と図28のハ−ハ線とニ−ニ線の断面図) 本願発明の上部ラセンタイプ繰出容器開閉装置の開閉時の各部品の 動きを示す図 本願発明の上部ラセンタイプ繰出容器開閉装置の各部品の動きを示す斜視図 (図26の上部の拡大図) 本願発明の上部ラセンタイプ繰出容器開閉装置の各部品の動きを示す断面図 (図26の下部の拡大図) 繰出容器開閉装置の各部品における符号 [組立工程2−1] 回転体外側モジュールと繰出容器との組立(斜視図) [組立工程2−2] 把持体外側モジュールと蓋及び逆ラセン筒の組立(断面図) [組立工程2−3] 逆ラセン筒使用の繰出容器開閉装置の組立(斜視図) 逆ラセン筒の回転体外側モジュールとの嵌合を示す斜視図 蓋の案内突起の摺動可能な嵌合を示す斜視図<<<本願と未公開先願(特許第4399534号)との比較対照説明図>>> 本願(請求項1)と未公開先願(特許第4399534号)との比較対照 〜 その1 本願(請求項2)と未公開先願(特許第4399534号)との比較対照 〜 その2 本願(請求項2)と未公開先願(特許第4399534号)との比較対照 〜 隙間(S2)の存否
A 繰出容器
A’ 繰出式口紅
B 回転駆動機構
B’ 回転駆動機構の一部
C 往復駆動機構
C’ 往復駆動機構の一部
D 開閉駆動機構
H 把持体
R 回転体
F1(13c) 内側回転可能嵌合部
F2(5c) 外側回転可能嵌合部
S1 隙間1
(把持体外側モジュール(2)と中筒(13)との間の隙間)
y ラック繰出距離
z 蓋繰出距離

100 繰出容器開閉装置
1 繰出容器
1a 本体
1b(12b) 回転部
(上部ラセンタイプ繰出容器、及び、下部ラセンタイプ繰出容器
における袴筒、並びに、ねじ棒タイプ繰出容器における筒状ハ
ンドル、繰出式ペンシル容器におけるホルダーに相当する。)
1c(18) 被繰出物
12 ガイド筒
12a ガイド孔
12b(1b) 回転部

13 中筒
13a 内側回転可能嵌合凸部
13b 内側回転可能嵌合凹部
13c(F1) 内側回転可能嵌合部
13d ラセン溝
15 底孔
19 中皿
19a 中皿突起

18 被繰出物
18’ 口紅

2 把持体外側モジュール
5a 外側回転可能嵌合部(回転体外側モジュール(5)側)
2a 外側回転可能嵌合部(把持体外側モジュール(2)側)
5c(F2) 外側回転可能嵌合部
21 開口部
22 摺動可能嵌合凹部
23 回止部材
24 壁体
25 抜止め

5 回転体外側モジュール
51 突起
52;連結凹部(繰出容器挿入穴)
53;圧接部(繰出容器回転部(1b,12b)を圧接する部分)
54;連結筒
55:繰出容器底止め
5a 外側回転可能嵌合部(回転体外側モジュール(5)側)
2a 外側回転可能嵌合部(把持体外側モジュール(袴筒)(2)側)
5c(F2) 外側回転可能嵌合部

6 蓋
61 舌部
62 柱部(はすばラックの柱部)
63 ラック側はすば(はすばラックの歯の部分)
64 摺動可能嵌合凸部

7 環状はすば歯車
71 歯車側はすば
72 連結部

8 蓋
81 舌部
82 柱部
83 案内突起
84 摺動可能嵌合凸部

9 逆ラセン筒
91 逆ラセン溝
91a 逆ラセン溝始点
91b 逆ラセン溝中間点
91c 逆ラセン溝終点
92 連結部

Claims (6)


  1. 繰出容器(A)、回転駆動機構(B)、往復駆動機構(C)及び、開閉駆動機構(D)を含んで構成される繰出容器の開閉装置であって、

    繰出容器(A)は、
    回転部(1b)を本体(1a)に対して順回転方向に回転させたときに被繰出物(18)を繰出容器(A)の外部に繰り出す機能と、
    回転部(1b)を本体(1a)に対して逆回転方向に回転させたときに被繰出物(18)を繰出容器(A)の内部に繰り戻す機能を併せ有するものであって、

    回転駆動機構(B)は、
    回転体(R)を把持体(H)に対して順回転方向に回転させたときに被繰出物(18)を繰出容器(A)の開口部(21)の外部に繰り出す機構と、
    回転体(R)を把持体(H)に対して逆回転方向に回転させたときに被繰出物(18)を繰出容器(A)の開口部(21)の内部に繰り戻す機構を有するものであって、
    前記把持体(H)は、把持体外側モジュール(2)と中筒(13)との間に隙間(S1)を保持しつつ両者を固定して構成され
    前記回転体(R)は、回転体外側モジュール(5)と繰出容器の回転部(1b)とが一体となって回転するように固定して構成され、
    回転体外側モジュール(5)の連結筒(54)と環状はすば歯車(7)の連結部(72)との連結により回転体モジュール(5)と繰出容器(A)の回転部(1b)と環状はすば歯車(7)は一体として固定するものであって、

    往復駆動機構(C)は、
    回転体(R)を把持体(H)に対して順回転方向に回転させたときに回転体(R)と連動している環状はすば歯車(7)が順回転方向に回転し、歯車側はすば(71)と噛み合っているラック側はすば(63)が蓋(6)を開放方向に線状に移動する機構と、
    回転体(R)を把持体(H)に対して逆回転方向に回転させたときに回転体(R)と連動している環状はすば歯車(7)が逆回転方向に回転し、歯車側はすば(71)と噛み合っているラック側はすば(63)が蓋(6)閉止方向に線状に移動する機構を有するものであり、

    開閉駆動機構(D)は、
    環状はすば歯車(7)が順回転方向に回転したときに歯車側はすば(71)と噛み合っているラック側はすば(63)が蓋開放方向に線状に移動することにより可撓性を有する舌部(61)が変形しつつ隙間(S1)に収納されて前記開口部(21)が開放される機構と、
    環状はすば歯車(7)が逆回転方向に回転したときに歯車側はすば(71)と噛み合っているラック側はすば(63)が蓋閉止方向に線状に移動することにより可撓性を有する舌部(61)が変形しつつ隙間(S1)から引き出されて前記開口部(21)が閉止される機構を有するものであって、

    装置全体の機能として、
    前記回転体(R)を把持体(H)に対して順回転方向に回転させたときには、蓋(6)が開放されつつ被繰出物(18)が連動して繰り出され、
    前記回転体(R)を把持体(H)に対して逆回転方向に回転させたときには、蓋(6)が閉止されつつ被繰出物(18)が連動して繰り戻される機能を有するものであることを特徴とする繰出容器の開閉装置。


  2. 繰出容器(A)、回転駆動機構(B)、往復駆動機構(C)及び、開閉駆動機構(D)を含んで構成される繰出容器の開閉装置であって、

    繰出容器(A)は、
    回転部(1b)を本体(1a)に対して順回転方向に回転させたときに被繰出物(18)を繰出容器(A)の外部に繰り出す機能と、
    回転部(1b)を本体(1a)に対して逆回転方向に回転させたときに被繰出物(18)を繰出容器(A)の内部に繰り戻す機能を併せ有するものであって、

    回転駆動機構(B)は、
    回転体(R)を把持体(H)に対して順回転方向に回転させたときに被繰出物(18)を繰出容器(A)の開口部(21)の外部に繰り出す機構と、
    回転体(R)を把持体(H)に対して逆回転方向に回転させたときに被繰出物(18)を繰出容器(A)の開口部(21)の内部に繰り戻す機構を有するものであって、
    前記把持体(H)は、把持体外側モジュール(2)と中筒(13)との間に隙間(S1)を保持しつつ両者を固定して構成され、


    前記回転体(R)は、回転体外側モジュール(5)と繰出容器の回転部(1b)とが一体となって回転するように固定して構成され、
    回転体外側モジュール(5)の連結筒(54)と逆ラセン筒(9)の連結部(92)との連結により回転体外側モジュール(5)と繰出容器(A)の回転部(1b)と逆ラセン筒(9)は一体として固定するものであって、

    往復駆動機構(C)は、
    回転体(R)を把持体(H)に対して順回転方向に回転させたときに回転体(R)と連動している逆ラセン筒(9)が順回転方向に回転し、逆ラセン筒(9)の逆ラセン溝(91)が、逆ラセン溝(91)と摺動可能に嵌合している蓋(8)の案内突起(83)を回転に伴って逆ラセン溝(91)に沿って案内し、蓋(8)の摺動可能嵌合凸部(84)が、摺動可能嵌合凸部(84)と摺動可能に嵌合している摺動可能嵌合凹部(22)に沿って蓋(8)開放方向に線状に移動する機構と、
    回転体(R)を把持体(H)に対して逆回転方向に回転させたときに回転体(R)と連動している逆ラセン筒(9)が逆回転方向に回転し、逆ラセン筒(9)の逆ラセン溝(91)が、逆ラセン溝(91)と摺動可能に嵌合している蓋(8)の案内突起(83)を回転に伴って逆ラセン溝(91)に沿って案内し、蓋(8)の摺動可能嵌合凸部(84)が、摺動可能嵌合凸部(84)と摺動可能に嵌合している摺動可能嵌合凹部(22)に沿って蓋(8)閉止方向に線状に移動する機構を有するものであり、

    開閉駆動機構(D)は、
    逆ラセン筒(9)が順回転方向に回転したときに逆ラセン筒(9)の逆ラセン溝(91)が、逆ラセン溝(91)と摺動可能に嵌合している蓋(8)の案内突起(83)を回転に伴って逆ラセン溝(91)に沿って案内し、蓋(8)の摺動可能嵌合凸部(84)が、摺動可能嵌合凸部(84)と摺動可能に嵌合している摺動可能嵌合凹部(22)に沿って蓋(8)開放方向に線状に移動することにより可撓性を有する舌部(81)が変形しつつ隙間(S1)に収納されて前記開口部(21)が開放される機構と、
    逆ラセン筒(9)が逆回転方向に回転したときに逆ラセン筒(9)の逆ラセン溝(91)が、逆ラセン溝(91)と摺動可能に嵌合している蓋(8)の案内突起(83)を回転に伴って逆ラセン溝(91)に沿って案内し、蓋(8)の摺動可能嵌合凸部(84)が、摺動可能嵌合凸部(84)と摺動可能に嵌合している摺動可能嵌合凹部(22)に沿って蓋(8)閉止方向に線状に移動することにより可撓性を有する舌部(81)が変形しつつ隙間(S1)から引き出されて前記開口部(21)が閉止される機構を有するものであって、

    装置全体の機能として、
    前記回転体(R)を把持体(H)に対して順回転方向に回転させたときには、蓋(8)が開放されつつ被繰出物(18)が連動して繰り出され、
    前記回転体(R)を把持体(H)に対して逆回転方向に回転させたときには、蓋(8)が閉止されつつ被繰出物(18)が連動して繰り戻される機能を有するものであることを特徴とする繰出容器の開閉装置。


  3. 繰出容器(A)が、
    上部ラセンタイプ繰出容器、下部ラセンタイプ繰出容器、及び、ねじ棒タイプ繰出容器、繰出式ペンシル容器からなる群から選択された1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載した繰出容器の開閉装置。


  4. 繰出容器(A)が、
    上部ラセンタイプ繰出容器であって、
    内周面にラセン溝(13d)を設けた筒状の中筒(13)内に、側面の長さ方向にガイド孔(12a)を貫通して設けてあるガイド筒(12)を相対回転可能に収納し、前記ガイド筒(12)内に、被繰出物(18)を載置する皿状の中皿(19)を収容し、中皿(19)の外側側面に設けた中皿突起(19a)を、ガイド孔(12a)を貫通させて、中筒(13)のラセン溝(13d)に移動可能に嵌合させて、中皿(19)に対してガイド筒(12)を相対回転させることにより中皿(19)をラセン溝(13d)に沿って上下方向にガイド孔(12a)の長さ方向に沿って案内されて移動可能なものであることを特徴とする請求項1又は2に記載した繰出容器の開閉装置。


  5. 把持体外側モジュール(2)と蓋(6)と環状はすば歯車(7)の組立体の環状はすば歯車(7)の連結部(72)に、
    回転体(R)を構成する繰出容器(1)の回転部(1b)と同じ方向に一体となって回転する回転体外側モジュール(5)の嵌合筒(54)を挿入し連結することにより、繰出容器開閉装置の構造を構成することを特徴とする請求項1の繰出容器開閉装置。


  6. 把持体外側モジュール(2)と蓋(8)と逆ラセン筒(9)の組立体の逆ラセン筒(9)の連結部(92)に、
    回転体(R)を構成する繰出容器(1)の回転部(1b)と同じ方向に一体となって回転する回転体外側モジュール(5)の嵌合部(54)を挿入し連結することにより、繰出容器開閉装置の構造を構成することを特徴とする請求項2の繰出容器開閉装置。
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