JP4519852B2 - 共振現象を利用した超音波探査方法およびその装置 - Google Patents

共振現象を利用した超音波探査方法およびその装置 Download PDF

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Description

この発明は、ステンレス、インコネル(inconel、クロムと鉄を含むニッケル基の耐食耐熱合金)、鋳鉄などの金属や原子炉配管、タービンブレード等の内部傷、建築、土木等の鋼構物の溶接部のキズの有無、キズのサイジングを広帯域超音波を用いて探査、探傷するような共振現象を利用した超音波探査方法およびその装置に関する。
従来、超音波を用いた被探知体たとえば鋼材内部のキズの探査は、1.0MHz,1.5MHzまたは2.0MHzの高周波の振動数の狭帯域波を、発信および受信共用の斜角探触子を用いて鋼材表面より表面直下の斜め方向へ入力し、極近傍にある鋼材内傷(いわゆるキズ)からの反射波を探触子にて受信し、この受信を確認するか否かで、キズの有無を評価する超音波探査方法がある(特許文献1参照。)。
また、発信および受信共用の斜角探触子に代えて、発信探触子と受信探触子とを用い、所謂2探触子法によりキズの有無を評価する超音波探査方法もある(特許文献2参照。)。
しかし、上述の何れの従来構成においても、超音波はその入力方向に向かって直進し、その指向性が高いという性質および超音波はホイヘンスの原理およびスネルの定理に基づいて材質の異なる境界等で反射、屈折およびモード変換を行なうという性質のみを利用するものであるから、次のような各種な問題点があった。
1)従来構成によれば、高周波の振動数を用いるので、鋳鉄などの散乱減衰の大きい被探知体内部のキズの探査が比較的困難であった。
2)従来構成によれば、溶接部のキズの有無の探査のように、探査領域が限定されている場合には容易に探査できるが、探査範囲が広範な場合には探査全領域において超音波発信、受信探触子を計測点単位にて走査移動させる必要があるため、測定工数が膨大となる。
3)従来構成によれば、キズの有無が判明した場合、そのサイジング(キズの幅、高さ、大きさ等を検知すること)の判断が測定者の能力に依存される関係上、サイジングに個人差が発生する。
4)従来構成によれば、高周波振動数の超音波であるため、被探知体内部において減衰消滅する量が多く、100mm前後の探査路程の短いキズの探査には有効である反面、路程の長大な位置にある欠陥(キズ)の探査が不可能であった。
特開2001−221784号公報 特開2001−133444号公報
この発明は、発信探触子から被探知体に広帯域超音波(帯域が広い超音波であり、この広帯域超音波の中には低周波が含まれる)を入力し、受信探触子で広帯域超音波を受信し、受信した広帯域受信波より、特定周波領域(特に低周波領域)の適切な振動数帯で狭帯域成分波を抽出することにより、散乱減衰が大きい被探知体であっても、その内部のキズの探査ができ、また探査を高精度化するためにサイジング係数を設定し、このサイジング係数の値を適正に設定することにより、探知目標波以外の波を除去低減して、測定者の能力によるサイジング結果の差異を排除し、探査の高精度化を図ることができ、しかも、路程が長い位置のキズの探査も可能となり、従来のものと比較して探査工数を格段に低減できる超音波探査方法および装置の提供を目的とする。
この発明による共振現象を利用した超音波探査方法は、発信探触子内の振動子にステップ関数型電圧を印加し、発信探触子から広帯域超音波を連続して発信させ、被探知体からの広帯域超音波を受信探触子にて受信する超音波探査方法であって、発信探触子と受信探触子とを離間させて被探知体表面に配置する計測で、上記各探触子の配置位置を移動させる毎に、受信波G(t)を得る受信ステップと、受信波G(t)に対応するスペクトルF(f)をフーリエ変換で求める演算ステップと、受信波G(t)とスペクトルF(f)を測点jに関して比較表示する表示ステップと、スペクトルF(f)の比較表示画面に縦カーソルf,2f,3f,…,nを発生させ、縦カーソルfの位置を変動させ、全てのカーソルをそれぞれ大きなスペクトル値のスペクトルの立上りと合致させるステップと、縦カーソルfの値と被探知体の音速Vより被探知体の厚さWを演算/表示するステップとを備え、1以上の整数n(但し、n≦n)を用いてスペクトルF(f)よりn・f振動数の狭帯域スペクトルFA(f)を抽出し、該狭帯域スペクトルFA(f)に対応する成分波GA(t)をフーリエの逆変換で求める第1の工程と、探査の高精度化を図るため係数としてのサイジング係数S1,nS2,nS3を用いて、成分波GA(t)を比較表示する第2の工程と、成分波GA(t)の比較画面で波の起生有無(波の起生なしの場合は実施例1参照、波の起生ありの場合は実施例4参照)の測点に基づいて発信探触子と受信探触子との中心を結ぶ線分直下の被探知体内部の何れにキズがあるかを判断する第3の工程とを備えたものである。
上記構成によれば、発信探触子から被探知体に広帯域超音波を入力し、受信探触子で広帯域超音波を受信する。そして、この広帯域受信波G(t)に対応するスペクトルF(f)からn・f振動数の特定周波領域(特に低周波領域)の狭帯域スペクトルFA(f)を抽出し、これに対応する成分波GA(t)をフーリエの逆変換で求める(特に、縦波共振スペクトルから狭帯域成分波を抽出する)。
このように広帯域超音波を発信、受信して受信波を上述の如く解析するので、散乱減衰が大きい被探知体内部のキズの探査ができる。
また、探査を高精度化するためにサイジング係数を設定し、このサイジング係数の値を適正に設定することにより、探知目標波以外の波を除去低減して、測定者の能力によるサイジング結果の差異を排除し、探査の高精度化を図ることができる。
さらに、被探知体に対して広帯域超音波を入力するので、この広帯域の中には被探知体内部において減衰が極度に小さい低周波が存在するので、路程の長大な位置にあるキズの探査ができる。
この発明による共振現象を利用した超音波探査方法は、また、発信探触子内の振動子にステップ関数型電圧を印加し、発信探触子から広帯域超音波を連続して発信させ、被探知体からの広帯域超音波を受信探触子にて受信する超音波探査方法であって、発信探触子と受信探触子とを離間させて被探知体表面に配置する計測で、上記各探触子の配置位置を移動させる毎に受信波G(t)を得る受信ステップと、受信波G(t)に対応するスペクトルF(f)をフーリエ変換で求める演算ステップと、受信波G(t)とスペクトルF(f)を測点jに関して比較表示する表示ステップと、スペクトルF(f)の比較表示画面に縦カーソルf,2f,3f,…,nを発生させ、縦カーソルfの位置を変動させ、全てのカーソルをそれぞれ大きなスペクトル値のスペクトルの立上りと合致させるステップと、縦カーソルfの値と被探知体の音速Vより被探知体の厚さWを演算/表示するステップと、被探知体の横波と縦波の音速比γを用いてfS1=γ・fの演算で縦カーソルfS1を求め(実施例2、実施例3参照)、スペクトルF(f)の比較表示画面に縦カーソルfS1,2fS1,3fS1,…,nS1を発生させ、縦カーソルfS1の位置を微小量変動させて、縦カーソルfS1の整数倍の他のカーソルをそれぞれ比較的スペクトル値の小さいスペクトルの立上りと合致させるステップとを備え、1以上の整数n(但し、n≦n)を用いてスペクトルF(f)よりn・fS1振動数の狭帯域スペクトルFA(f)を抽出し、狭帯域スペクトルFA(f)に対応する成分波GA(t)をフーリエの逆変換で求める第1の工程と、探査の高精度化を図るため係数としてのサイジング係数S1,nS2,nS3を用いて成分波GA(t)を比較表示する第2の工程と、成分波GA(t)の比較画面で波の起生が確認できる測点において、発信探触子と受信探触子との中心を結ぶ線分直下の被探知体内部の何れにキズがあるかを判断する第3の工程とを備えたものである。
上記構成によれば、発信探触子から被探知体に広帯域超音波を入力し、受信探触子で広帯域超音波を受信する。そして、この広帯域受信波、G(t)に対応するスペクトルF(f)からn・fS1振動数の特定周波領域(特に、低周波領域)の狭帯域スペクトルFA(f)を抽出し、これに対応する成分波GA(t)をフーリエの逆変換で求める(特にキズにより発生する横波共振スペクトルから狭帯域成分波を抽出する)。
このように、広帯域超音波を発信、受信して、受信波を上述の如く解析するので、散乱減衰が大きい被探知体内部のキズの探査ができる。
また、探査を高精度化するためにサイジング係数を設定し、このサイジング係数の値を適正に設定することにより、探知目標波以外の波を除去低減して、測定者の能力によるサイジング結果の差異を排除し、探査の高精度化を図ることができる。
さらに、被探知体に対して広帯域超音波を入力するので、この広帯域の中には被探知体内部において減衰が極度に小さい低周波が存在するので、路程の長大な位置にあるキズの探査ができる。
この発明の一実施態様においては、上記発信探触子と受信探触子との配置位置を移動させる方法は、両探触子の中心を結ぶ線分の直角方向へ所定量毎平行移動させるか、または、何れか一方の探触子の配置位置を固定し、この固定位置を中心として他方の探触子を所定量円弧方向に移動させるものである。
これにより、測定工数の削減が図れ、探査の迅速化を達成することができる。つまり、従来の点単位の測定に対して線分単位の測定を行なうことができるので、探査工数の大幅な削減を達成することができる。
この発明の一実施態様においては、上記スペクトルF(f)と、所定値fHLで定義される関数sin{(π/2)(f/fHL)}とを用いて、
Figure 0004519852
を計算し、フーリエの逆変換で
Figure 0004519852
を計算し、上記F(f)をF~(f)と置き換え、上記G(t)をG~(t)と置き換えるものである(なお、F~及びG~は数式においてF及びGの上に“〜”を付された符号を表す。またiは虚数である。以下同じ。)。
この発明の一実施態様においては、上記狭帯域スペクトルFA(f)を抽出する方法は、振動数0で0.0、振動数fで1.0とする増加関数と、振動数fで1.0、振動数2fで0.0とする減少関数と、振動数2f以上の振動数で0.0とする関数との組合せ関数S(f)を求め、該関数S(f)とサイジング係数nS4とを用いて、振動数fをn×fの値またはn×fS1の値とし、FA(f)=S(f)nS4×F(f)の演算で求めるものである。
上記構成によれば、上述の組合せ関数S(f)とサイジング係数nS4(但し、nS4は1以上の整数)とを用いて狭帯域スペクトルFA(f)を求めるので、この狭帯域スペクトルを簡単かつ適切に求めることができる。またnS4の値を大きくすると狭帯域スペクトルFA(f)の帯域幅を小さくすることができる。
この発明の一実施態様においては、上記狭帯域スペクトルFA(f)を抽出する方法は、予め値が設定された又は外部から入力される所定値Δfを用いて縦カーソルfまたはfS1をf~と表現した時(なお、f~は数式においてfの上に“〜”を付された符号を表す。以下同じ。)、
0≦f<f~−Δfで0.0
f~−Δf≦f≦f~+Δfで1.0
f>f~+Δfで0.0
なる関数S(f)とスペクトルF(f)を用いて
FA(f)=S(f)・F(f)
の演算またはバンドパス処理で求めるものである。
上記構成によれば、上述の関数S(f)と、受信波G(t)に対応するスペクトルF(f)とを用いて狭帯域スペクトルFA(f)を抽出するので、この狭帯域スペクトルを簡単かつ適切に求めることができる。
この発明の一実施態様においては、所定のサイジング係数nS1,nS2,nS3を用いて、成分波GA(t)を比較表示する方法は、まず成分波GA(t)の測点jの各々での最大振幅をAとし、Aの中での最大値をAmaxとし、サイジング係数nS1を用いて ≧(1/n S1 )A max となるAをAmaxに置き換え、G~A (t)=(A max /A )GA (t)の演算でG~A(t)を求め、
GA(t)をG~A(t)と置き換えた後、
他のサイジング係数nS2,nS3を用いてnS3×GA nS2(t)の波を作成し、このnS3×GA nS2(t)の比較表示を上記成分波GA(t)の比較表示とするものである、また狭帯域スペクトルFA(f)に対しても上述同様の比較表示を行なっている。(なお、G~は数式においてGの上に“〜”を付された符号を表す。以下同じ。)。
このため、成分波GA(t)の比較表示を適切に実行することができると共に、比較表示する波の振幅の相違の明確化を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記狭帯域スペクトルFA(f)を抽出する方法は、振動数0で0.0、振動数fで1.0とする増加関数と、振動数fで1.0、振動数2fで0.0とする減少関数と、振動数2f以上の振動数で0.0とする関数との組合せ関数S(f)を求め、この関数S(f)とサイジング係数nS4と所定値Δfを用いて上記縦カーソルfS1をf~と表現した時、
振動数fの初期値をf=n・f~−Δf
振動数fの終了値をf=n・f~+Δf
とし、振動数変動量をΔfとして、
=f+Δf
を計算する都度、狭帯域スペクトルFA(f)を
FA(f)=S(f)nS4・F(f)
の演算で求め、このFA(f)を求める都度、上記第1〜第3の各工程を繰返し行ない、上記f=f+Δfの演算、FA(f)=S(f)nS4・F(f)
の演算および第1〜第3の各工程の処理を外部からの指示または自動処理で停止するものである。
このため、狭帯域スペクトルFA(f)を簡単かつ適切に求めることができる。またサイジング係数nS4の値(但し、nS4は1以上の整数)を大きくすると、FA(f)=S(f)nS4・F(f)の演算で得る狭帯域スペクトルFA(f)の帯域幅を小さくすることができる。
この発明の一実施態様においては、上記狭帯域スペクトルFA(f)を抽出する方法は、所定値Δfを用い、縦カーソルfまたはfS1をf~と表現した時、
0≦f<f−Δfの振動数で0.0
−Δf≦f≦f+Δfの振動数で1.0
f>f+Δfで0.0
なる関数S(f)と所定値Δfを用いて、振動数fの初期値を
=n・f~−Δf
振動数fの終了値を
=n・f~+Δf
とし、振動数変動量をΔfとして
=f+Δf
を算定する都度、狭帯域スペクトルFA(f)を
FA(f)=S(f)・F(f)
の演算またはバンドパス処理で求め、このFA(f)を求める都度、上記第1〜第3の各工程を繰返し行ない、f=f+Δfの演算、FA(f)=S(f)・F(f)の演算および第1〜第3の各工程の処理を外部からの指示または自動処理で停止するものである。
このため、狭帯域スペクトルFA(f)を簡単かつ適切に求めることができる。
この発明の一実施態様においては、時刻0で0.0、時刻tで1.0、時刻2tで0.0となるsin関数と、2t 以上の時刻で0.0となる関数とを組合せて得る組合せ関数FiLT(t)、
または、所定値Δtを用いて、時刻0〜t−Δtで0.0となる関数と時刻t−Δtで0.0、時刻tで1.0、時刻t+Δtで0.0となるsin関数と、t+Δt以上の時刻で0.0となる関数とを組合せて得る組合せ関数FiLT(t)、
または、時刻0で0.0、時刻tで1.0となる増加関数と時刻t以上の時刻で1.0となる関数とを組合せて得る組合せ関数FiLT(t)の何れかを選定し、所定値Δt、所定係数n5を用いて、時刻tの初期値を0.0とし、t=t+Δtを計算する都度、成分波GB(t)をGB(t)=FiLTn5(t)・GA(t)にて計算してGB(t)を求め、該GB(t)を求める都度、第2および第3の工程のGA(t)をGB(t)で置き換え、上記t=t+Δtの演算、GB(t)=FiLTn5(t)・GA(t)の演算および第2、第3の各工程の処理を外部からの指示または自動処理で停止するものである。
上記構成によれば、組合せ関数いわゆる時刻歴フィルタFiLT(t)を用いて成分波GB(t)を計算するので、成分波の比較表示によりキズの有無をより一層明瞭と成すことができる。
この発明による共振現象を利用した超音波探査装置は、発信探触子内の振動子にステップ関数型電圧を印加し、発信探触子から広帯域超音波を連続して発信させ、被探知体からの広帯域超音波を受信探触子にて受信する超音波探査装置であって、発信探触子と受信探触子とを離間させて被探知体表面に配置する計測で、上記各探触子の配置位置を移動させる毎に、受信波G(t)を得る受信機能と、受信波G(t)に対応するスペクトルF(f)をフーリエ変換で求める演算機能と、受信波G(t)とスペクトルF(f)を測点jに関して比較表示する表示機能と、スペクトルF(f)の比較表示画面に縦カーソルf,2f,3f,…,nを発生させ、縦カーソルfの位置を変動させ、全てのカーソルをそれぞれ大きなスペクトル値のスペクトルの立上りと合致させる機能と、縦カーソルfの値と被探知体の音速Vより被探知体の厚さWを演算/表示する機能とを備え、1以上の整数nを用いてスペクトルF(f)よりn・f振動数の狭帯域スペクトルFA(f)を抽出し、該狭帯域スペクトルFA(f)に対応する成分波GA(t)をフーリエの逆変換で求める逆変換部と、探査の高精度化を図るため係数としてのサイジング係数S1,nS2,nS3を用いて、成分波GA(t)を比較表示する比較表示部と、成分波GA(t)の比較画面で波の起生有無の測点に基づいて発信探触子と受信探触子との中心を結ぶ線分直下の被探知体内部の何れにキズがあるかを判断する判断部とを備えたものである。
上記構成によれば、発信探触子から被探知体に広帯域超音波を入力し、受信探触子で広帯域超音波を受信する。そして、この広帯域受信波G(t)に対応するスペクトルF(f)からn・f振動数の特定周波領域(特に低周波領域)の狭帯域スペクトルFA(f)を抽出し、これに対応する成分波GA(t)をフーリエの逆変換で求める(特に、縦波共振スペクトルから狭帯域成分波を抽出する)。
このように広帯域超音波を発信、受信して受信波を上述の如く解析するので、散乱減衰が大きい被探知体内部のキズの探査ができる。
また、探査を高精度化するためにサイジング係数を設定し、このサイジング係数の値を適正に設定することにより、探知目標波以外の波を除去低減して、測定者の能力によるサイジング結果の差異を排除し、探査の高精度化を図ることができる。
さらに、被探知体に対して広帯域超音波を入力するので、この広帯域の中には被探知体内部において減衰が極度に小さい低周波が存在するので、路程の長大な位置にあるキズの探査ができる。
この発明による共振現象を利用した超音波探査装置は、また、発信探触子内の振動子にステップ関数型電圧を印加し、発信探触子から広帯域超音波を連続して発信させ、被探知体からの広帯域超音波を受信探触子にて受信する超音波探査装置であって、発信探触子と受信探触子とを離間させて被探知体表面に配置する計測で、上記各探触子の配置位置を移動させる毎に受信波G(t)を得る受信機能と、受信波G(t)に対応するスペクトルF(f)をフーリエ変換で求める演算機能と、受信波G(t)とスペクトルF(f)を測点jに関して比較表示する表示機能と、スペクトルF(f)の比較表示画面に縦カーソルf,2f,3f,…,nを発生させ、縦カーソルfの位置を変動させ、全てのカーソルをそれぞれ大きなスペクトル値のスペクトルの立上りと合致させる機能と、縦カーソルfの値と被探知体の音速Vより被探知体の厚さWを演算/表示する機能とを備え、被探知体の横波と縦波の音速比γを用いてfS1=γ・fの演算で縦カーソルfS1を求め、スペクトルF(f)の比較表示画面に縦カーソルfS1,2fS1,3fS1,…,nS1を発生させ、縦カーソルfS1の位置を微小量変動させて、縦カーソルfS1の整数倍の他のカーソルをそれぞれ比較的スペクトル値の小さいスペクトルの立上りと合致させる機能とを備え、1以上の整数nを用いてスペクトルF(f)よりn・fS1振動数の狭帯域スペクトルFA(f)を抽出し、狭帯域スペクトルFA(f)に対応する成分波GA(t)をフーリエの逆変換で求める逆変換部と、探査の高精度化を図るため係数としてのサイジング係数S1,nS2,nS3を用いて成分波GA(t)を比較表示する比較表示部と、成分波GA(t)の比較画面で波の起生が確認できる測点において、発信探触子と受信探触子との中心を結ぶ線分直下の被探知体内部の何れにキズがあるかを判断する判断部とを備えたものである。
上記構成によれば、発信探触子から被探知体に広帯域超音波を入力し、受信探触子で広帯域超音波を受信する。そして、この広帯域受信波、G(t)に対応するスペクトルF(f)からn・fS1振動数の特定周波領域(特に、低周波領域)の狭帯域スペクトルFA(f)を抽出し、これに対応する成分波GA(t)をフーリエの逆変換で求める(特にキズにより発生する横波共振スペクトルから狭帯域成分波を抽出する)。
このように、広帯域超音波を発信、受信して、受信波を上述の如く解析するので、散乱減衰が大きい被探知体内部のキズの探査ができる。
また、探査を高精度化するためにサイジング係数を設定し、このサイジング係数の値を適正に設定することにより、探知目標波以外の波を除去低減して、測定者の能力によるサイジング結果の差異を排除し、探査の高精度化を図ることができる。
さらに、被探知体に対して広帯域超音波を入力するので、この広帯域の中には被探知体内部において減衰が極度に小さい低周波が存在するので、路程の長大な位置にあるキズの探査ができる。
この発明の一実施態様においては、上記発信探触子と受信探触子との配置位置の移動は、両探触子の中心を結ぶ線分の直角方向へ所定量毎平行移動させるか、または、何れか一方の探触子の配置位置を固定し、この固定位置を中心として他方の探触子を所定量円弧方向に移動させるものである。
これにより、測定工数の削減が図れ、探査の迅速化を達成することができる。つまり、従来の点単位の測定に対して線分単位の測定を行なうことができるので、探査工数の大幅な削減を達成することができる。
この発明の一実施態様においては、上記スペクトルF(f)と、所定値fHLで定義される関数sinπ/2(f/fHL)とを用いて、
Figure 0004519852
を計算し、フーリエ変換で
Figure 0004519852
を計算し、
上記F(f)をF~(f)と置き換え、上記G(t)をG~(t)と置き換えるものである。(なお、F~及びG~は数式においてF及びGの上に“〜”を付された符号を表す。以下同じ。)。
この発明の一実施態様においては、上記狭帯域スペクトルFA(f)を抽出する方法は、振動数0で0.0、振動数fで1.0とする増加関数と、振動数fで1.0、振動数2fで0.0とする減少関数と、振動数2f以上の振動数で0.0とする関数との組合せ関数S(f)を求め、該関数S(f)とサイジング係数nS4とを用いて、振動数fをn×fの値またはn×fS1の値とし、
FA(f)=S(f)nS4×F(f)
の演算で求めるものである。
上記構成によれば、上述の組合せ関数S(f)とサイジング係数nS4(但し、nS4は1以上の整数)とを用いて狭帯域スペクトルFA(f)を求めるので、この狭帯域スペクトルを簡単かつ適切に求めることができる。またnS4の値を大きくすると狭帯域スペクトルFA(f)の帯域幅を小さくすることができる。
この発明の一実施態様においては、上記狭帯域スペクトルFA(f)の抽出は、予め値が設定された又は外部から入力される所定値Δfを用いて縦カーソルfまたはfS1をf~と表現した時(なお、f~は数式においてfの上に“〜”を付された符号を表す。以下同じ。)、
0≦f<f~−Δfで0.0
f~−Δf≦f≦f~+Δfで1.0
f>f~+Δfで0.0
なる関数S(f)とスペクトルF(f)を用いて
FA(f)=S(f)・F(f)
の演算またはバンドパス処理で求めるものである。
上記構成によれば、上述の関数S(f)と、受信波G(t)に対応するスペクトルF(f)とを用いて狭帯域スペクトルFA(f)を抽出するので、この狭帯域スペクトルを簡単かつ適切に求めることができる。
この発明の一実施態様においては、所定のサイジング係数nS1,nS2,nS3を用いての成分波GA(t)の比較表示は、
まず成分波GA(t)の測点jの各々での最大振幅をAとし、Aの中での最大値をAmaxとし、サイジング係数nS1を用いて ≧(1/n S1 )A max となるAをAmaxに置き換え、
G~A (t)=(A max /A )GA (t)の演算でG~A(t)を求め、
GA(t)をG~A(t)と置き換えた後、
他のサイジング係数nS2,nS3を用いてnS3×GA nS2(t)の波を作成し、このnS3×GA nS2(t)の比較表示を上記成分波GA(t)の比較表示とするものである。(なお、G~は数式においてGの上に“〜”を付された符号を表す。以下同じ。)。
このため、成分波GA(t)の比較表示を適切に実行することができると共に、比較表示する波の振幅の相違の明確化を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記狭帯域スペクトルFA(f)の抽出は、振動数0で0.0、振動数fで1.0とする増加関数と、振動数fで1.0、振動数2fで0.0とする減少関数と、振動数2f以上の振動数で0.0とする関数との組合せ関数S(f)を求め、この関数S(f)とサイジング係数nS4と所定値Δfを用いて上記縦カーソルfまたはfS1をf~と表現した時、
振動数fの初期値をf=n・f~−Δf
振動数fの終了値をf=n・f~+Δf
とし、振動数変動量をΔfとして、
=f+Δf
を計算する都度、狭帯域スペクトルFA(f)を
FA(f)=S(f)nS4×F(f)
の演算で求め、このFA(f)を求める都度、上記逆変換部、比較表示部および判断部の処理を繰返し行ない、
上記f=f+Δfの演算、FA(f)=S(f)nS4×F(f)
の演算および逆変換部、比較表示部および判断部の処理を外部からの指示または自動処理で停止するものである。
このため、狭帯域スペクトルFA(f)を簡単かつ適切に求めることができる。またサイジング係数nS4の値(但し、nS4は1以上の整数)を大きくすると、FA(f)=S(f)nS4・F(f)の演算で得る狭帯域スペクトルFA(f)の帯域幅を小さくすることができる。
この発明の一実施態様においては、上記狭帯域スペクトルFA(f)の抽出は、所定値Δfを用い、縦カーソルfまたはfS1をf~と表現した時、
0≦f<f−Δfの振動数で0.0
−Δf≦f≦f+Δfの振動数で1.0
f>f+Δfで0.0
なる関数S(f)と所定値Δfを用いて、振動数fの初期値を
=n・f~−Δf
振動数fの終了値を
=n・f~+Δf
とし、振動数変動量をΔfとして
=f+Δf
を算定する都度、狭帯域スペクトルFA(f)を
FA(f)=S(f)・F(f)
の演算またはバンドパス処理で求め、このFA(f)を求める都度、逆変換部、比較表示部および判断部の処理を繰返し行ない、f=f+Δfの演算、FA(f)=S(f)・F(f)の演算および逆変換部、比較表示部および判断部の処理を外部からの指示または自動処理で停止するものである。
このため、狭帯域スペクトルFA(f)を簡単かつ適切に求めることができる。
この発明の一実施態様においては、時刻0で0.0、時刻tで1.0、時刻2tで0.0となるsin関数と、t以上の時刻で0.0となる関数とを組合せて得る組合せ関数FiLT(t)、
または、所定値Δtを用いて、時刻0〜t−Δtで0.0となる関数と時刻t−Δtで0.0、時刻tで1.0、時刻t+Δtで0.0となるsin関数と、t+Δt以上の時刻で0.0となる関数とを組合せて得る組合せ関数FiLT(t)、
または、時刻0で0.0、時刻tで1.0となる増加関数と時刻t以上の時刻で1.0となる関数とを組合せて得る組合せ関数FiLT(t)の何れかを選定し、所定値Δt、所定係数n5を用いて、時刻tの初期値を0.0とし、
=t+Δt
を計算する都度、成分波GB(t)を
GB(t)=FiLTn5(t)・GA(t)
にて計算してGB(t)を求め、該GB(t)を求める都度、比較表示部および判断部の処理のGA(t)をGB(t)で置き換え、
上記t=t+Δtの演算、GB(t)=FiLTn5(t)・GA(t)の演算および比較表示部および判断部の処理を外部からの指示または自動処理で停止するものである。
上記構成によれば、組合せ関数いわゆる時刻歴フィルタFiLT(t)を用いて成分波GB(t)を計算するので、成分波の比較表示によりキズの有無をより一層明瞭と成すことができる。
この発明によれば、散乱減衰が大きい被探知体内部のキズの探査ができ、また探査高精度化を測ることができるうえ、路程の長大な位置にあるキズの探査も可能となる効果がある。
この発明の一実施形態を以下図面に基づいて詳述する。
図面は超音波探査方法およびその装置を示すが、まず図1を参照して、この方法に用いる超音波探査装置の構成について説明する。
被探知体30の表面に接触配置する発信探触子31と受信探触子32とを設けている。
上述の発信探触子31は広帯域超音波(例えば0〜2.5MHz)を発信するものであり、上述の受信探触子32は広帯域超音波を受信するものである。
上述の発信探触子31には超音波発信装置の電流供給回路33から電流が供給され、この発信探触子31から超音波が発信して被探知体30内に入射する。
また受信探触子32が受信した超音波信号は解析装置34に入力されて解析される。
この解析装置34においては、受信探触子32の受信信号が増幅回路35により増幅された後、フィルタ回路36でフィルタリングを受けた信号がAD変換回路37(アナログ・デジタル変換回路)によってデジタル信号に変換され、ゲートアレイ38を介してCPU40に入力される。
ハードディスク39には解析処理アプリケーションソフトウェアと、CPU40により演算処理された時系列データが保存される。ここで、上述のCPU40は後述する成分波GA(t)をフーリエ変換で求める逆変換部である。
また、上述の解析結果は表示装置41にも入力されて表示される。この表示装置41は後述する狭帯域スペクトルFA(f)の表示や成分波GA(t)または成分波GB(t)の比較表示に用いられる比較表示部である。
さらに、必要な情報が入力手段としてのキーボード42からCPU40に入力されるように構成している。メモリ43はCPU40が演算する際にデータを一時的に格納するために用いられる。また、CPU40からコントロール回路44に制御信号が出力され、コントロール回路44は増幅回路35、フィルタ回路36、AD変換回路37、ゲートアレイ38および電流供給回路33に作動指令信号を出力する。
電流供給回路33は同軸ケーブル45を介して発信探触子31に接続されており、発信探触子31には図2に示すように、基盤化されたステップ型電圧発生器46と振動子47とが内蔵されている。
ステップ型電圧発生器46には、図3に示すようにステップ電圧駆動回路63とステップ電圧発生回路48とが設けられており、ステップ電圧駆動回路63で発生するステップ関数型電圧を振動子47に印加する。
広帯域超音波を被探知体30に入力する都度、受信探触子32で受信波を得る。
この受信波は同軸ケーブル49を介して、解析装置34の増幅回路35へ電圧の時間変動データとして送られる。増幅回路35へ送られた時間変動データは、フィルタ回路36を介してAD変換回路37に達し、この電圧のアナログ量が該AD変換回路37によりデジタル量に変換され、ゲートアレイ38を介してCPU40に転送され、電圧デジタル値の時刻歴が表示装置41に表示される。
自動的に、またはキーボード42を用いた外部からの指示で、電圧の増幅または減幅およびローパス/ハイパスフィルタ処理の指令がCPU40に伝達され、CPU40はコントロール回路44を介して増幅回路35およびフィルタ回路36を制御する。
図4に示すように、受信探触子32には100kHz〜300kHzの範囲の特性の振動数における漸減型ハイパスフィルタ回路50、増幅回路51および振動子52が内蔵されている。
電流供給回路33はコントロール回路44により制御されて、所定の時間間隔で動作する。
これにより、発信探触子31に内蔵された振動子47(図2参照)から、所定の時間間隔で超音波が被探知体30に入射される。
受信探触子32に内蔵された振動子52(図4参照)は超音波が入力する都度、被探知体30の音圧変化にともなって振動が励起する。この振動励起で振動子52に生じる電圧の時間変化が、受信探触子32内のフィルタ回路50および増幅回路51で1次処理される。
図1の増幅回路35およびフィルタ回路36の制御が終了した段階で、CPU40の指示でコントロール回路44が動作し、ゲートアレイ38に受信波の加算処理を命令する。
ゲートアレイ38は、AD変換回路37で得られる電圧に関する時刻歴デジタル量を、上記時刻歴を得る都度、指定回数加算する。そして、CPU40のコントロール下にて加算平均時刻歴を作成し、表示装置41にその時刻歴をリアルタイム表示する。
フィルタ回路50,36および増幅回路51,35は受信探触子32と解析装置34との双方にそれぞれ内蔵されている。受信探触子32に内蔵されているハイパスフィルタ回路50および増幅回路51は受信波に対して1次処理を行なうものであり、解析装置34に内蔵されている増幅回路35とフィルタ回路36は、1次処理された受信波に対し、CPU40のコントロール下にて微調整するものである。この微調整は装置機能の高度化のために必要なものであるから、これら増幅回路35、フィルタ回路36は省略してもよい。
次に、図46を参照してパルス型電圧積荷による超音波と、ステップ関数型電圧積荷による超音波の相違について説明する。
図46(a)は振動子にパルス型電圧(30〜500V)を印加した場合のスペクトルを示し、この場合には同図に示すように振動子の厚さ方向共振振動数を中心周波数とする比較的狭帯域のスペクトルをもつ発信超音波を得ることになる(従来技術の狭帯域周波数に相当。)
図46(b)は発信探触子31内の振動子47にステップ関数型電圧(30〜
500V)を印加した場合のスペクトルを示し、この場合には同図に示すように共振振動数はもちろんのこと、これよりも低周波の成分も励起されたスペクトルとなり、本実施例の広帯域超音波は図46(b)による超音波を意味する。
次に以下の説明で用いるサイジング係数(nS1,nS2,nS3,nS4)について説明する。
ここで、n S1 ,n S3 は1.0以上の実数、n S2 ,n S4 は1以上の整数である。
サイジング係数nS1について、
この係数は探査対象キズZ(図6参照)のサイズを高精度に行なうためのものである。分析用対象波(成分波のこと)をGA(t)(但し、jは測定番号)と表現し、これらを比較表示した時、成分波をGA(t)のそれぞれでの最大振幅をAとし、Aの中での最大値をAmaxとし、nS1になるサイジング係数を定義する。このサイジング係数nS1を用いてA≧(1/nS1)AmaxとなるAをAmaxの値に置き換えて次の[数1]で計算されるG~A(t)波を作成する。
Figure 0004519852
この後、GA(t)波をG~A(t)波に変更する。GA(t)←G~A(t)
サイジング係数nS1は上述の処理のための係数である。
サイジング係数nS2について、
成分波GA(t)の比較表示において、nS2なる係数を定義し、GA nS2(t)の表示を行なうと、波の振幅の相違が明確となる。サイジング係数nS2は振幅の相違を明確化するための係数である。
サイジング係数nS3について、
上述のGA nS2(t)の比較において、nS3なる係数を定義し、nS3GA nS2(t)を比較表示する。サイジング係数nS3はこの比較化のための係数である。
サイジング係数nS4について、
受信元波(いわゆる受信波)G(t)をフーリエ変換すると、図5(a)に示すようなスペクトルF(f)を求めることができる。横軸f位置(但し、fはスペクトル抽出用の中心周波数)のスペクトルを切り出す方法の1つとして図5(a)に示す任意関数S(f)(但し、極大値1.0の横軸位置をfに合わせ、f=0で0.0、2f以上の振動数で0.0とする。)を関数F(f)に乗じて次の[数2]および図5(b)に示すような狭帯域スペクトルS(f)nS4・F(f)を得ることができる。
Figure 0004519852
この時、サイジング係数nS4を1以上の整数とする。nS4の値を大きくすると、[数2]の演算で得るFA(f)スペクトル(狭帯域スペクトル)の帯域幅を小さくすることができる。
図6〜図17を参照してn・f振動数=1420kHzの縦波12次共振スペクトルを切り出して成分波を各計測点で比較表示する実施例1について説明する。
図6に被探知体30の測定モデルを示す。この測定モデルは平面形状においてタテ寸法X=120mm、ヨコ寸法Y=120mm、厚さW=25mmのステンレス材であって、図示の位置に線状のキズZを模擬している。
振動子47,52(図2、図4参照)の直径が15mmφの発信探触子31および受信探触子32の中心間距離a=90mm一定とし、両探触子31,32を結ぶ線分がキズZに直交するように配置し、この線分を移動量ΔX=9mm間隔で平行移動して複数の受信波G(t)を比較計測する多点計測を行なう(多点計測工程。この実施例では図6の計測点1〜10までの10個の受信波G(t)を比較計測する。
図6を模式化した図面を図7に示し、比較例(従来方法)を図8に示すように従来方法においては計測点の数がn×n(n=100とした場合には計測箇所は10000箇所となる)のに対して、この実施例1では発信探触子31と受信探触子32との中心を結ぶ線分を直角方向へ所定量(ΔX)毎並行移動させて、線分直下の被探知体30内のキズZの探査を一挙に行なうので、計測点はn箇所となり、n=100とした場合には計測箇所は100箇所でよく、探査工数の大幅な削減を図ることができる。
図6において、発信探触子31より0〜2.5MHzの広帯域超音波を被探知体30内部直下に入力し、受信波G(t)を得る。受信探触子32で得る受信波G(t)には測定モデルとしての鋼材厚さWに関する重複反射波が多量に含まれており、この重複反射波は、共振現象を起こし、他の鋼材内伝達波と比較して、大きい勢力の波になる。
図6の計測で得る受信波G(t)を次の[数3]によりフーリエ変換し、スペクトルF(f)を求めて比較表示した結果を図9に示す。また図9を模式化した図面を図10に示す。
Figure 0004519852
図9、図10のスペクトルF(f)の比較表示画面に縦カーソルf,2f,3f,…を発生させ、縦カーソルfの位置を変動させ、全てのカーソルf,2f,3f,…をそれぞれ大きなスペクトル値のスペクトルの立上りと合致させる(カーソル合せ工程)。
すなわち、図9、図10の最左端のカーソル位置をfとして、その整数倍位置2f,3f,…,nにそれぞれカーソルを表示する。
=118.4kHz(鋼材厚に関する共振1次振動数)とした時、3fカーソル以降の全てのカーソルが起生スペクトルの立上がりと合致している。
上述のf=118.4kHzは被探知体30としての鋼材厚さWに関する共振1次振動数であり、鋼の縦波音速をV=5.9mm/μsecとした時、次の[数4]の関係となる。
Figure 0004519852
被探知体30の厚さWは音速をVとした時、W=0.5V×10÷fで求められる。
鋼材厚さW=25mmであるから、
=10/(2×25÷5.9)=118×10≒118.4kHz
増加関数I(f)
f=0 I(0)=0
f=2.5MHz I(f)=1.0
減少関数D(f)
f=0 D(0)=1.0
f=2.5MHz D(f)=0
を定義し、図9のスペクトルF(f)と上述の増加関数I(f)、減少関数D(f)との乗算で次の[数5]により狭帯域スペクトルFA(f)を得る。
Figure 0004519852
但し、n4、n4は1以上の整数
上述の[数5]で得た狭帯域スペクトルFA(f)を図11に示す。また、この図11に対応する図面を図12に示す。
但し、図12においては、周波数フィルタ処理で、低周波スペクトル値を小さく、そして高周波スペクトル値を大きくしたスペクトルF~(f)を求めて比較表示している。
具体的には上述の[数5]においてFA(f)をF~(f)に置き換え、所定値n4=0、整数n4を1以上としてスペクトルF~(f)を求めている。
一方、図11を求めるのに用いた増加関数I(f)、減少関数D(f)は具体的には次の[数6][数7]で示すことができる。
Figure 0004519852
Figure 0004519852
ここに、所定値fHLを2.5MHzとし、整数n4=4、整数n4=2として、これらを[数5]に代入して、次の[数8]の演算を行なっている。
Figure 0004519852
図11においては、狭帯域スペクトルFA(f)とこれに対応する成分波GA(t)(横軸に時間をとり、縦軸に振幅をとって示す。)とを併記している。
この成分波GA(t)(時刻歴)と狭帯域スペクトルFA(f)との間には次の[数9]の関係がある。
Figure 0004519852
図11の成分波GA(t)の比較によれば、キズZ(図6参照)のある計測点4,5,6,7,8の成分波が、キズZ(図6参照)がない計測点1,2,3,9,10の成分波に比較して、その振幅が小さくなっている。この現象は、計測点4〜8で発信探触子31と受信探触子32とを結ぶ線分がキズZと平面的に直交していることにより生じたものである。図11の成分波GA(t)は多数の共振波が重畳したものと理解することができる。
一方、図12で示したスペクトルF~(f)よりn・f振動数(但し、nは1以上の整数)の位置で該当するスペクトルのみを切り出すと、図13(a)から図13(b)のようになる。
この場合の各計測点1〜10の比較を図14に示す。但し、整数n=12とし、n=12×118.4=1420kHzのスペクトルのみをバンドパスフィルタ(バンド幅1400kHz〜1440kHz)で切り出し、これを狭帯域のスペクトルFA(f)として、[数9]を用いて成分波GA(t)を計算(第1の工程)して比較表示(第2の工程)したものである。
図11で示した各計測点1〜10の成分波GA(t)の比較に対して、図14で示す各計測点1〜10の比較表示は、キズZ(図6参照)のある計測点4〜8と、キズZ(図6参照)がない計測点1,2,3,9,10の成分波GA(t)の起生の相違がより一層明確になっている(第3の工程)。
図15はカーソル位置t(図16参照)で図16に示す時刻歴フィルタFiLT(t)を用いて、図14の成分波GA(t)より次の[数10]にて成分波GB(t)を計算(第1の工程)して、各計測点1〜10での比較表示(第2の工程)を行なったものである。
Figure 0004519852
ここで、t=84μsec,Δt=400μsec,n5=3としている。図15から明らかなように、キズZ(図6参照)がない計測点1,2,3,9,10で成分波GB(t)の起生が確認できる(第3の工程)。
なお、図14、図15の比較表示におけるサイジング係数は、nS1=1.7,nS2=4.0,nS3=1.0,バンド幅Δf=40kHz(1440kHz−1400kHzの通過帯参照。)としている。
要するに、図17に図14の各計測点1〜10の成分波GA(t)を模式化して示すように、成分波GA(t)の比較表示(第2の工程)により、全時刻にわたって共振波の起生が確認できない計測点4〜8の探触子31,32を結ぶ線分直下の被検知体30内にキズZがあると判断する(第3の工程)。図17では図14に対応する成分波GA(t)についてのみ模式化したが、図15に対応する成分波GB(t)についても同様に判断できる。
このように発信探触子31から被探知体30に広帯域超音波を入力し、受信探触子32で広帯域超音波を受信する。そして、この広帯域受信波G(t)に対応するスペクトルF(f)をフーリエ変換で求め、このスペクトルF(f)からn・f振動数(n=12、n・f=1420kHz参照。)の特定周波領域の狭帯域スペクトルFA(f)を抽出し、これに対応する成分波GA(t)をフーリエの逆変換で求めて、比較表示および判断を行なうものであるから、散乱減衰が大きい被探知体内部のキズZの探査ができ、また、探査を高精度化するためにサイジング係数nS1,nS2,nS3を設定し、このサイジング係数の値を適正に設定することにより、探知目標波以外の波を除去低減して、測定者の能力によるサイジング結果の差異を排除し、探査の高精度化を図ることができる。
次に図18〜図26を参照してn・fS1振動数=664kHzの横波8次共振スペクトルを切り出して成分波を各計測点で比較表示する実施例2について説明する。
図18に被探知体30の測定モデルを示す。この測定モデルは平面形状においてタテ寸法X=300mm、ヨコ寸法Y=400mm、厚さW=20mmのステンレス材であって、図示の位置に線状のキズZを模擬している。なお、模擬したキズZの幅ε=18mmとしている。
振動子47(図2参照)の直径が15mmφの発信探触子31を固定位置に配置し、この発信探触子31の中心点を中心とする半径R=160mm一定(中心間距離aに相当)の円周上に受信探触子32を配置して、この受信探触子32を円弧方向に所定量ΔS1,ΔS2移動して複数の受信波を比較計測する多点計測を行なう(多点計測工程)。なお、固定側の探触子と移動側の探触子とはこの逆に成してもよい。
この場合、計測点1〜6の合計6個の受信波を収録し、受信波および解析波を比較表示する。なお、計測点4の両探触子31,32を結ぶ線分がキズZと交差する。このため各計測点1〜6の円弧上での間隔つまり所定量ΔS1,ΔS2を、ΔS1=16mm,ΔS2=24mmとしている。
先の実施例1と同様の計測で得た受信波G(t)のスペクトルF(f)を比較表示(図19参照。)し、このスペクトルF(f)の重ね描きに複数のカーソルを表示する。最左端のカーソル位置(図19の実線参照。)をfとして、その整数倍位置2f,3f,…,nにカーソルを発生させる機能を用い、カーソルf位置を自動または手動で変化させる経緯の中でf=150.7kHzとなった時、全てのカーソルが大きいスペクトル値の立上り位置と合致する(カーソル合せ工程)。
つまり、受信波G(t)をフーリエ変換し、スペクトルF(f)を求め比較表示する(スペクトル比較表示工程、図19参照。)。
このスペクトルF(f)の値は、低周波スペクトルが卓越し、見かけ上、高周波成分が消えている。
図19で、カーソルf,2f,3f,…を発生させ、自動処理または手動でfの値を変化させ、全てのカーソルが大きなスペクトル値の立上りと合致するようにするものである。
このカーソルf=150.7kHzを次の[数11]に適用し、被探知体30の厚さWを計算する。
Figure 0004519852
縦波音速Vp=5.9mm/μsec,f=150.7kHzであるから、これらを[数11]に代入すると、
W=0.5×5.9×10÷(150.7×10)=19.5≒20mm(実値)となる。
ここで、前述の[数5]および[数6]の増加関数I(f)、[数7]の減少関数D(f)を用い、整数n4=2,所定値n4=1,所定値fHL=2.5MHzとして、これらを[数5]に代入して、次の[数12]で挟帯域スペクトルFAj(f)の演算を行なう。
Figure 0004519852
上述の[数12]で計算された狭帯域スペクトルFA(f)を比較表示したものを図20に示す。図20の右側には前述の[数9]で算定される成分波(時刻歴)GA(t)も併記している。
図20において全てのカーソルf,2f,3f,…が大きな値をもつスペクトル(図20の○印参照。)と合致していることが確認できる。しかし、図20の△印部分にもスペクトルの起生が確認できる。
この△印部分のスペクトルは以下の物理現象で生じたものである。
図21は被探知体30としてのステンレス材内部にキズZがある場合、厚さWに関する縦波超音波が重複反射する様子と、この重複反射波53がキズZに達し、その位置で発生する横波54の存在を模式的に示している。
カーソルf,2f,…,nf位置のスペクトルFA(f)(図20参照。)は縦波重複反射波53の共振スペクトルである。一方、この縦波共振波がキズZに達すると、この位置で横波54が発生する。
この横波54も共振成分をもっている。横波54の1次共振振動数をfS1とすると、上記カーソルfとの間に次の[数13]の関係が多数の計測事例により確認されている。
Figure 0004519852
ここに、Vは横波音速、Vは縦波音速である。
換言すればfS1=γ・fとなる。但し、γは横波と縦波の音速比である。
上述の[数13]の縦波と横波における音速と振動数の関係は、既存の普遍的な公理ではない。縦波がモード変換により横波に変ずる時(または、この逆の時)、従来の超音波理論によれば、この変換により波の速度は変化するが、その振動数を不変とするものであった。しかしながら、多くの同種の実験例(鉄、コンクリートなど)における波の起生状況を検討する中で、この従来の超音波理論のみでは説明し得ない成分波起生状況に常に遭遇した。
これにより[数13]の新たな関係のもとで生ずるモード変換波の存在を仮定することにより、上記成分波の起生状況を適切に説明できることが判明した。
このため、[数13]の関係のもとで生ずる新たなモード変換波の存在を仮定して、以下に詳述することとする。
図20において最左端のカーソルfの位置を横波の1次共振振動数fS1に変更したスペクトル比較図を図22に示す。
被探知体30としてのステンレス材の縦波音速V=5.9mm/μsec、被波音波V=0.54〜0.55×Vを[数13]に適用すると、
S1=81.5〜83.1kHz
となる。
図22に示すカーソル位置の具体的設定は、fS1を81.5〜83.1kHz近傍で微小値変動させながら図20のいくつかの△印部分のスペクトルの起生位置と合致するように成している。
S1=83kHzとなった時、図20の△印部分のスペクトルの起生位置と8fS1,10fS1,11fS1,12fS1,13fS1,14fS1とがそれぞれ合致している。図20では△印部分のスペクトルと判断できなかった9fS1位置でも合致している。図20と図22の比較によれば、9fS1≒5fとなっている。
[数5]においてFA(f)の記述をF~(f)に置き換えた数式を用い、n4=0、n4を1以上の整数として、F~(f)を求めた結果を図23に示す。この図23において、nを1以上の整数として、共振スペクトルF~(f)よりn×fS1振動数のスペクトルを切り出し、図24のFA(f)スペクトルを求める。
具体的には、図22の狭帯域スペクトルFA(f)より8fS1=8×83=664kHzのスペクトルをバンドパスフィルタ(通過帯659〜680kHz)で切り出す(第1の工程の前半部分に相当)。この結果を成分波GA(t)の比較表示(第1の工程および第2の工程)で図25に示す(Δf=680−659=21kHz)。
図18の計測図によれば、計測点4のみが両探触子31,32間を結ぶ線分がキズZと直交している。これにより図25の分析結果では、キズZの存在で発生する図21に示す横波54が計測点4のみで大きく生じている。
図25の表示で用いたサイジング係数は、nS1=1,nS2=2,nS3=3としている。
また、この計測例では8×fS1振動数位置の切り出しにおいて、図5のfを8×fS1とする関数S(f)を用いてS(f)nS4・FA(f)の演算を行なう代わりに、バンドパスフィルタ(通過帯659〜680kHz)処理を実行した。
要するに、図26に示す成分波GA(t)の比較表示(第2の工程)において、時刻軸(横軸参照)の早い段階で波の起生を確認できる計測点1,2,3,5,6と時刻軸の遅い段階で波の起生を確認できる計測点4がある。
探触子31,32間を結ぶ線分直下の被検知体30内部において、前者の場合にはキズZが存在せず、後者の場合には、キズZが存在すると判断する(第3の工程)。
このように発信探触子31から被探知体30に広帯域超音波を入力し、受信探触子32で広帯域超音波を受信する。そして、この広帯域受信波G(t)に対応するスペクトルF(f)をフーリエ変換で求め、このスペクトルF(f)からn・fS1振動数(n=8、n・fS1=664kHz参照)の特定周波領域の狭帯域スペクトルFA(f)を抽出し、これに対応する成分波GA(t)をフーリエの逆変換で求めて、比較表示および判断を行なうものであるから、散乱減衰が大きい被探知体内部のキズZの探査ができ、また、探査を高精度化するためにサイジング係数nS1,nS2,nS3を設定し、このサイジング係数の値を適正に設定することにより、探知目標波以外の波を除去低減して、測定者の能力によるサイジング結果の差異を排除し、探査の高精度化を図ることができる。さらに、被探知体30に対して広帯域超音波を入力するので、この広帯域の中には被探知体30内部において減衰が極めて小さい低周波が存在するので、路程の長大な位置にあるキズZの探査も可能となる。
次に図27〜図41を参照して特に、散乱減衰が大きい鋳鉄内部のキズ探査を行なう実施例3について説明する。
先の実施例1においては厚さW=25mmのステンレス材での計測事例であり、1420kHz(n・fS1=12×118.4=1420kHz)の縦波12次共振スペクトルを演算またはバンドパス処理を用いて切り出した成分波GA(t)を各計測点で比較表示した。(図14参照)。
また先の実施例2においては厚さW=20mmのステンレス材での計測事例であり、664kHz(n・fS1=8×83=664kHz)の横波8次共振スペクトルを演算またはバンドパス処理を用いて切り出した成分波GA(t)を各計測点で比較表示した。これら実施例1、実施例2ともに比較的かつ相対的に高周波での分析事例である。
しかし、被探知体30として鋼の板厚が厚くなった場合、または散乱減衰が大きい鋳鉄などの場合には、上述のような相対的に高周波の周波数帯ではキズZの探査が良好に行なえない場合が多々ある。
実施例3では、このような探査が難しい場合に対応する探査方法を示す。
この実施例3で用いる被探知体30としての原子炉配管モックアップモデルを図27に示す。
図27では図示の便宜上、計測位置55を270°側に示しているが、実際には図28に示すように90°側の対応する位置を計測範囲Cとする。
この計測範囲Cでの断面図を拡大して図29に示す。発信探触子31をA部に配置し、受信探触子32をB部に配置し、両探触子31,32間を結ぶ線分の中心間距離aを100mmとした計測で、この線分直下の鋳鉄内にキズZがあるか否かの探査方法を例示する。なお図中56は溶接部である。
図29の探触子31,32配置における配管肉厚内の超音波伝達を図30に模式的に示す。
まず、図30を参照して、両探触子31,32を結ぶ線分直下にキズZがある場合、縦波57および横波58の起生の特性について説明する。
発信探触子31より被探知体30としての鋳鉄表面直下に縦波超音波を入力する計測であるが、直下斜方向(傾きθ参照。)の超音波成分も存在する。この傾きθをもつ縦波超音波が板材の裏面と表面とで反射を繰返しながら受信探触子32側へ進行していく。この縦波超音波がキズZで遮断されると、この遮断位置でモード変換現象が生じ横波58が発生し、この横波58がキズZ先端より放出され受信探触子32で受信されることになる。
ところで、上述の縦波超音波の傾きθ(つまり指向角)は無数にある。そして、キズZによる縦波超音波の遮断状況は、傾きθの大きさにより大きく変化する。この現象を図31(a),(b)を用いて説明する。
図31によれば同一の傾きθの場合、キズ背εが小さい場合には同図(a)に示すように縦波超音波が遮断される確率が小さくなり、キズ背εが大きくなれば同図(b)に示すように、その遮断の確率が大きくなる。
また図31aのキズ背εが小さい場合であっても傾きθが小さくなればなる程、この遮断の確率が大きくなり、キズZ先端で放出される横波の勢力が増大する。
このように、キズZがある場合、キズZ先端で発生する横波58の起生状況は、傾きθの大小とキズ背εの組合せ関係で変化することになる。
図32にキズ背εの変化に伴う横波58の起生時刻の変化を時刻歴にて示す。
ここで、路程Σlの変化量とキズ背εとの変化量の間には線形関係が存在し、次の[数14]のように示すことができる。
Figure 0004519852
W:厚さ(材厚)
:θに対応する重複反射回数
θは傾きが徐々に小さくなっていった時、重複反射波(縦波)がキズで遮断される時の傾き
図30の縦波57がキズ背εの小さいキズZで遮断されるためには、この反射波の重複回数が大きく(傾きθが小さく)なる必要がある。これにより、キズ背εが小さくなればなる程、図32で示すキズZ先端で放出される横波58の受信時刻が後方へ移動する(以下、現象1と略記する。)。
このように、板厚(厚さW参照。)に関する共振現象を利用したこの実施例3による探査方法は、厚さWが大で、かつ探査対象キズZの背εが小さい場合、探査に必要な経路(路程Σl参照。)が図32に示すように長大となる。
超音波伝達における一般的物理現象の1つに散乱減衰がある。特に、鋳鉄またはコンクリートなどの材質では、この散乱減衰は極めて大きくなる。このため、上述の経路が長大になると材料内部を伝達する超音波は減衰消滅していくことになる。この超音波消滅が原因して、探査不能となる現象を回避する唯一の手段は可能な限り低周波の超音波(音波、亜超音波を含む。)を分析で用いることである。
この分析例を以下に説明する。
図29の計測で、計測点を配管円周方向に側点間隔ΔL=10mm毎に移動させて、合計20計測点の受信波を得る多点計測(図30参照。)を行なう(多点計測工程)。
振動子47,52(図2,図4参照。)の直径が15mmφの発信探触子31と受信探触子32とを図29のように配置し、振動子47に350Vのステップ関数型電圧を70Hzのタイムインターバルで合計200回印加し、その都度、受ける受信波を時刻歴上で加算平均した波を分析で用いる受信波G(t)とする。但し、jは計測点の番号(いわゆる測点番号)である。
この計測はブラインド試験での分析である。各計測点位置でのキズZの有無を不明としての処理結果を以下に示す。
被探知体30としてのモデルでの鋳鉄部の厚さW=70mm。この場合、厚さWに関する縦波1次共振振動数は鋳鉄縦波音速Vを5.0mm/μsecとして[数4]で求めることができる。すなわち、
=10/(2×70÷5.0)=35.7kHz
実施例1と同様に、4次の縦波共振振動数4×f=4×35.7=142.8kHzを中心周波数とする極狭帯域成分波を抽出し、このスペクトルと成分波GA
(t)を比較して図33に比較例として示す。
この図33の成分波比較図では、キズZの存在を確認することができず、中心周波数142.8kHz付近の帯域でも散乱現象の存在で分析不能となることが理解できる。
一方、図34は受信波G(t)をフーリエ変換し、得られた狭帯域スペクトルFA(f)の比較表示を行ない、f=35.7kHzの値を用いて複数のカーソルf,2f,3f,…,nを発生させ、鋳鉄板厚Wの縦波共振振動数35.7kHz前後で最左端のカーソルfが大きなスペクトル値をもつスペクトルの立上り位置と合致するように自動処理または外部からの指示による手動処理を行なったものである。図34の右側には前述の[数9]で算定される成分波GA(t)も併記している。
鋳鉄材の厚さWに関する縦波共振振動数35.7kHz近傍の35kHzにカーソルfがセットされ、この整数倍位置に他の複数のカーソルが表示されている。ところで、図34においてカーソルf位置の前方○印位置に比較的小さいスペクトルの起生が確認できる。これは図30のキズZ先端から発生する横波58のスペクトルである。この横波58のスペクトルの立上り振動数fS1(横波の1次共振振動数のこと。)位置を読取ると、19.5kHzである。
[数13]を用いて検証すると、鋳鉄の縦波音速Vは5.0mm/μsec、横波音速Vは2.8mm/μsecであるから、[数13]の左辺はfS1/f=19.5/35=0.557となり、[数13]の右辺はV/V=2.8/5=0.56となり、図34におけるカーソルfおよび横波58のスペクトルの立上り振動数fS1の読取り値が[数13]を満足させていることが確認できる。
次に、配管材の横波と縦波の音速比をγとして、fS1=γ・fを計算し、図34を模式化した図35のスペクトル比較図中に、fS1,2fS1,3fS1,…の点線カーソル群を表示する。
複数の点線カーソルfS1,2fS1,3fS1,…の全てが狭帯域スペクトルFA(f)の何れかのスペクトルの立上り位置と合致するようにfS1の値を若干調整する。調整は、自動処理で行なってもよく、またはコンピュータ表示画面(図1に示す表示装置41参照。)での図35の視認による手動処理で行なってもよい。
横波スペクトルの立上り振動数fS1の値または2fS1値と、所定値fおよび所定値Δfとを用いて、fの初期値をf−fまたは2fS1−fとし、f=f+Δfによる演算でf値が変化する都度、そのf値で極狭帯域スペクトルを切り出し、図36に示すスペクトルFA(f)を求める。
次に[数9]で成分波GA(t)を求め(第1の工程)、比較表示(第2の工程)したものを図37に示す。
図37を求めた具体的処理は、スペクトルFA(f)の切出し用の任意関数S(f)を次の[数15]のように、
Figure 0004519852
とし、[数2]でFA(f)=S(f)nS4・F(f)を求めFA(f)を[数9]に適用し、成分波GA(t)を計算し(第1の工程)、サイジング係数nS1,nS2,nS3,nS4をそれぞれnS1=1.4,nS2=8,nS3=1.0,nS4=300として比較表示している(第2の工程)。図37によれば、計測点7,8,9,10,11にのみ成分波の起生が確認できる(第3の工程)。
ところで、図37の分析処理をより一層詳しく説明すると、スペクトル抽出の中心周波数fを横波1次共振振動数fS1=19.5kHzの近傍としてf=20.4kHzとして行なったものである。低周波であるが故に、図38に示す現象でキズ幅の認識に誤差が生ずる可能性がある。
すなわち、図38において、計測点jの両探触子31,32間を結ぶ線分はキズZと交差しており、計測点j+1においてはこの線分とキズZとは交差していないが、低周波超音波になればなる程、計測点j+1で、経路59から経路60の伝達波の振幅が大きくなり、計測点j+1をキズZの端部であると誤認分析する。このような現象によるキズZのサイジングに関する誤計測は上述のスペクトルFA(f)の抽出を相対的に高周波側へ移動することにより排除が可能となる。
図39はスペクトルFA(f)の抽出に当って、その中心周波数fを横波の2次共振振動数(2fS1=40kHz)近傍、正確には42kHzとして行なったものである。
サイジング係数は図37の抽出と同一(nS1=1.4,nS2=8,nS3=1.0,nS4=300)としている。
図37と図39の比較において、図37では計測点7,8,9,10,11にキズZがあるとされ、図39では計測点8,9,10,11にキズZがあるとの分析結果である。つまり、図38を用いて説明した理由により計測点7の両探触子31,32間を結ぶ線分直下にはキズZがなく、その近傍にキズZの端部があることを示している。
ところで、図37の成分波GA(t)の抽出は、被探知体30としての鋳鉄板の厚さW=70mmの場合の縦波1次共振振動数(f=35.7kHz)より、横波1次振動数fS1を鋳鉄の場合の横波と縦波との音速比γ=0.56を用いて、fS1=0.56×35.7=20kHzとし、スペクトル抽出中心周波数fをf=fS1としたものである。これにより、計測点7の成分波GA(t)は図38で示した経路59,60の波であると判断してもよい。以上により、図37と図39の成分波GA(t)と起生状況の比較で、計測点8,9,10,11にキズZがあると判定する。
ところで、図39の計測点8,9,10,11の成分波GA(t)の起生時刻は線形的に変化している。
上述の現象1の説明によれば、探知対象のキズZはそのキズ背εが各計測点8〜11で変化していることになる。
この実施例3ではブラインド探査の結果をまとめたもので、この探査結果が実際のキズZの状況と完全に一致したことにより、この分析方法の正当化を立証することができた。
さらに図39の成分波抽出における重要なポイントについて説明する。
実施例3における鋳鉄板の厚さWは70mmと公称されている。一般的に鋳鉄の縦波音速Vは5.0mm/μsecであり、横波と縦波との音波速度比は(音速比γ)は0.56である。
図39のキズZ先端で生ずる横波の2次共振振動数は既述したように、
S2=2×{10/(2×70÷0.56V)}=40kHz
である。一方、図39の成分波GA(t)を抽出した正確な振動数の中心位置つまり中心周波数fは42kHzである。この振動数40kHzと42kHzとの差は何に起因するのか。
上述の鋳鉄板の厚さWは70mm、縦波音速V=5.0mm/μsec、音速比γ=0.56は公称値である。真値は、この公称値と若干ずれていると判断すれば、振動数の変化量Δf=42−40=2kHzも理解できる。
ところで、この変化量Δfの特定は以下の自動化処理で対処すると容易に実現可能となる。
サイジング係数nS4の説明で関数S(f)を定義した。受信波スペクトルをF(f)とした時、中心周波数fのスペクトルFA(f)を抽出する1つの方法として、振動数0.0および2fで0.0となり、振動数fで1.0となる正弦関数と、2f以上の振動数で0.0となる関数の組合せ関数をS(f)として求め、FA(f)=S(f)nS4・F(f)を計算することを示した。
S4は1以上の整数であるが、この値を大きくすればする程、抽出される狭帯域スペクトルFA(f)=S(f)nS4・F(f)の帯域は狭くなる。図39の成分波GA(t)の具体的な取得は、fの初期値を37kHzおよび所定値Δfを0.1kHzとし、次の[数16]で、
Figure 0004519852
値を0.1kHzずつ増す毎に上記FA(f)=S(f)nS4・F(f)を計算し、この場合の成分波GA(t)を
次の[数17]を用いて
Figure 0004519852
のように計算(第1の工程)し、成分波GA(t)の比較表示(第2の工程)を視認していく中で得たものである。
図39を得た時のf値を探知目標波(キズZの存在で生ずる横波)の振幅が大きく生ずる振動数として認識し、fDR値と定義する。但し、サイジング係数はそれぞれnS1=1.4,nS2=8,nS3=1.0,nS4=300としている。
ところで、fDR値(横波の振幅が大きく生ずる振動数)の的確な選定が如何に重要であるかを以下に説明する。
[数16]の適用毎に得る[数9]の成分波GA(t)の一部を図40に示す。図40から明らかなように同図では散乱波の起生を確認できるのみで、キズZの存在が不明となる。キズZの存在を特定した図39(第3の工程)の成分波比較図(f=42kHz)より、中心周波数f値をさらに大きくすると、図39の成分比較図は図40と同様な散乱波の起生に変化していくことになる。このため、上述のfDR値を的確に選定することが重要となる。
なお、図39は時刻t=914μsecの位置で、また図40は時刻t=713μsecの位置で図示のようなTGC(タイムゲートコントロール)関数を成分波GA(t)に乗じて示したものである。この処理は、時刻の早い位置で生ずる起生波を見かけ上、除去するために行なうものである。
キズZの有無が確認できた図39の分析結果よりTGC処理を取り除いた成分波比較図を図41に比較例として示す。図39と図41との対比からも明らかなように、TGC処理を行った図39の方がキズZの有無を明確に確認することができる。
このように発信探触子31から被探知体30に広帯域超音波を入力し、受信探触子32で広帯域超音波を受信する。そして、この広帯域受信波G(t)に対応するスペクトルF(f)をフーリエ変換で求め、このスペクトルF(f)からn・f振動数(n=2、n・f=40kHzの近傍としての42kHz参照)の特定周波領域の狭帯域スペクトルFA(f)を抽出し、これに対応する成分波GA(t)をフーリエの逆変換で求めて、比較表示および判断を行なうものであるから、散乱減衰が大きい被探知体内部のキズZの探査ができ、また、探査を高精度化するためにサイジング係数nS1,nS2,nS3を設定し、このサイジング係数の値を適正に設定することにより、探知目標波以外の波を除去低減して、測定者の能力によるサイジング結果の差異を排除し、探査の高精度化を図ることができる。さらに、被探知体30に対して広帯域超音波を入力するので、この広帯域の中には被探知体30内部において減衰が極めて小さい低周波が存在するので、路程の長大な位置にあるキズZの探査も可能となる。
次に、図42〜図45を参照してキズZの先端で発生する縦波を抽出する探査方法としての実施例4について説明する。
図30で既に示した超音波伝達模式図において、キズZの先端で発生する波は横波58のみに限定されず、当然、縦波の場合もある。この実施例4ではこの縦波を抽出するものである。
図42は被探知体30としての鋳鉄材に関する重複反射を模式的に示したものであり、実線と点線とで2つの伝達経路を示している。但し、厚さW=70mm、距離a=100mmとしている。そして、指向角θ,θを若干変化させ、実線の指向角をθで、点線の指向角をθ(但し、θ<θ)で示している。
実線で示す伝達経路では、4回目の重複反射波が受信探触子32で受信され、点線で示す伝達経路では、4回目の重複反射波が受信探触子32で受信されない様子を図示している。
一方、図43は上記2つの経路波の受信探触子32で受信されない点線の経路波が鋳鉄内のキズZで遮断される場合を示している。この場合、遮断位置で散乱現象が生じ、図43に示すような扇状の散乱波が生じて、その一部が受信探触子32で受信されることになる。この散乱波には縦波61と横波62との双方があり、この実施例4では縦波61を用いた分析となる。
図42の縦波伝達模式図では、実線経路波のみが受信されており、点線経路波は受信されていない。
一方、図43では、受信探触子32で受信される伝達波は、実線経路波と、キズZで生ずる散乱波(縦波61参照。)となり、これにより、両探触子31,32間を結ぶ線分上の直下の鋳鉄内にキズZがあるか否かで、受信探触子32で得る受信波の形および振幅が異なってくる。
この現象を利用したキズ探知の事例を受信波G (t)を用いて説明する。
実施例4で用いる被探知体30の鋳鉄配管の厚さWは実施例3と同様に70mmであるから、上記縦波重複反射波の振動数は、[数4]のf=10/(2W÷V)に鋳鉄縦波音速V=5.0mm/μsecを代入して、
=10/(2×70÷5.0)=35.7kHz
となる。
実施例3の図39、図40の成分波比較図を得た分析処理と同様にして、[数16]のスペクトル抽出の中心周波数f値の初期値をf=35kHz(共振振動数理論値35.7kHzより若干小さい値)とし、振動数の増分つまり所定値Δfを0.5kHzとして[数16]で
=f+Δfを計算する都度、[数2]の
FA(f)=S(f)nS4・F(f)
で狭帯域スペクトルFA(f)を計算し、この計算の後に、[数9]の
Figure 0004519852
で成分波GA(t)を計算(第1の工程)し、得られた成分波GA(t)を視認していく経緯の中で得た成分波比較図を図44、図45に示す。これら各図44、図45の成分波を得たサイジング係数の値は、nS1=1.0,nS2=8,nS3=1.0,nS4=500とした(第2の工程)。
図44はf=35kHzに対してΔf=0.5×3=1.5kHzを加算したf=36.5kHzの成分波比較図であり、図45(比較例)はf=35kHzに対してΔf=0.5×7=3.5kHzを加算したf=38.5kHzの成分波比較図である。
また図示しないがf=35kHzのものも成分波比較を行なった。f=35kHzのもの(図示せず、但し、図45で示す比較例とほぼ同様の波の起生となる。)ではキズZの確認ができなかった。
の値が35.7kHzを若干超えていくと図44(この場合f=36.5kHz)に示すように、計測点7,8,9,10,11に大きな成分波GA(t)の起生が確認でき、キズZがあることが判断できた(第3の工程)。
値をさらに大きく(共振振動数35.7kHzから離れていく。)すると、図45に示すように成分波GA(t)の起生の状況が乱れてくる。
このように発信探触子31から被探知体30に広帯域超音波を入力し、受信探触子32で広帯域超音波を受信する。そして、この広帯域受信波G(t)に対応するスペクトルF(f)をフーリエ変換で求め、このスペクトルF(f)からn・f振動数(n=1,n・f=35.7kHzの近傍としての36.5kHz、詳しくはスペクトル抽出の中心周波数f=f+Δf参照。)の特定周波領域の狭帯域スペクトルFA(f)を抽出し、これに対応する成分波GA(t)をフーリエの逆変換で求めて、比較表示および判断を行なうものであるから、散乱減衰が大きい被探知体内部のキズZの探査ができ、また、探査を高精度化するためにサイジング係数nS1,nS2,nS3を設定し、このサイジング係数の値を適正に設定することにより、探知目標波以外の波を除去低減して、測定者の能力によるサイジング結果の差異を排除し、探査の高精度化を図ることができる。さらに、被探知体30に対して広帯域超音波を入力するので、この広帯域の中には被探知体30内部において減衰が極めて小さい低周波が存在するので、路程の長大な位置にあるキズZの探査も可能となる。
ところで、実施例1の図14、図15で示した成分波GA(t),GB(t)も、この実施例4の図44に示す成分波GA(t)もステンレスまたは鋳鉄材厚に関する縦波共振スペクトルを抽出したものであるが、図14,図15ではキズZがない計測点で成分波が起生しており、図44ではキズZがある計測点で成分波が起生している。つまり、成分波起生の有無が逆転している。この逆転現象は実施例1と実施例4の次のような相違により生じたものであると推考する。
1)実施例1では、縦波共振振動数fの12次項(12×118.4=1420kHz)で成分波GA(t)を抽出したが、実施例4では縦波共振振動数fの1次項(35.7kHz)付近の36.5kHzで成分波GA(t)を抽出している。この1420kHzと36.5kHzでは超音波の散乱状況および散乱減衰の程度が大きく異なる。特に、キズZで発生する縦波超音波では超音波の散乱状況、散乱減衰の程度の相違が倍化するものと予想される。
2)実施例1では線状のキズZ、実施例4では面状のキズZであり、板の厚さWに関する縦波共振波の遮断状況が異なる。
上記1)、2)の理由により成分波GA(t)起生の逆転現象が生じたものであると推考される。
なお、実施例1、実施例2においても[数16]でf=f+Δfを計算する都度、[数2]で狭帯域スペクトルFA(f)を計算し、さらに[数9]で成分波GA(t)を計算するように構成してもよい。
また、上述の狭帯域スペクトルFA(f)を抽出する他の実施例としては、振動数0で0.0、振動数fで1.0とする増加関数と、振動数fで1.0、振動数2fで0.0とする減少関数と、振動数2f以上の振動数で0.0とする関数との組合せ関数S(f)を求め、この関数S(f)とサイジング係数nS4(このnS4は予めその値がセットにされているものでもよく、または、キーボード42入力などの外部から入力されるものでもよい)と所定値Δfを用いて上記縦カーソルfまたはfS1をf~と表現した時、
振動数fの初期値をf=n・f~−Δf
振動数fの終了値をf=n・f~+Δf
とし、振動数変動量をΔfとして、
=f+Δf
を計算する都度、狭帯域スペクトルFA(f)を
FA(f)=S(f)nS4×F(f)
の演算で求め、このFA(f)を求める都度、上記第1〜第3の各工程を繰返し行ない、上記f=f+Δfの演算、FA(f)=S(f)nS4×F(f)
の演算および第1〜第3の各工程の処理を外部からの指示または自動処理で停止するように構成してもよい。
さらに、上述の狭帯域スペクトルFA(f)を抽出するさらに他の実施例としては、所定値Δf(このΔfは予めその値がセットされているものでもよく、またはキーボード42入力などの外部から入力されるものでもよい。)を用い、縦カーソルfまたはfS1をf~と表現した時、
0≦f<f−Δfの振動数で0.0
−Δf≦f<f+Δfの振動数で1.0
f>f+Δfで0.0
なる関数S(f)と所定値Δfを用いて、振動数fの初期値を
=n・f~−Δf
振動数fの終了値を
=n・f~+Δf
とし、振動数変動量をΔfとして
=f+Δf
を算定する都度、狭帯域スペクトルFA(f)を
FA(f)=S(f)・F(f)
の演算またはバンドパス処理で求め、このFA(f)を求める都度、上記第1〜第3の各工程を繰返し行ない、f=f+Δfの演算、FA(f)=S(f)・F(f)の演算および第1〜第3の各工程の処理を外部からの指示または自動処理で停止するように構成してもよい。
さらに他の実施例としては、時刻0で0.0、時刻tで1.0、時刻2tで0.0となるsin関数と、2t以上の時刻で0.0となる関数とを組合せて得る組合せ関数FiLT(t)、または、所定値Δtを用いて、時刻0〜t−Δtで0.0となる関数と時刻t−Δtで0.0、時刻tで1.0、時刻t+Δtで0.0となるsin関数と、t+Δt以上の時刻で0.0となる関数とを組合せて得る組合せ関数FiLT(t)、または、時刻0で0.0、時刻tで1.0となる増加関数と時刻t以上の時刻で1.0となる関数とを組合せて得る組合せ関数FiLT(t)の何れかをキーボード42入力などの外部からの指示により選定し、所定値Δt、所定係数n5を用いて、時刻tの初期値を0.0とし、
=t+Δt
を計算する都度、成分波GB(t)を
GB(t)=FiLTn5(t)・GA(t)
にて計算してGB(t)を求め、該GB(t)を求める都度、第2および第3の工程のGA(t)をGB(t)で置き換え、
上記t=t+Δtの演算、GB(t)=FiLTn5(t)・GA(t)の演算および第2、第3の各工程の処理を外部からの指示または自動処理で停止するように構成してもよい。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の逆変換部は、実施例のCPU40に対応し、
比較表示部および判断部は、表示装置41に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
この発明は、ステンレス、インコネル、鋳鉄などの金属性配管や建築、土木等の鋼構物といった被探知体の内部キズの探傷に利用することができる。
本発明の超音波探査方法に用いる超音波探査装置のブロック図 発信探触子のブロック図 ステップ型電圧発生器のブロック図 受信探触子のブロック図 挟帯域スペクトルの切り出しを示す説明図 被探知体の一例を示す説明図 多点計測の一例を示す説明図 多点計測の比較例を示す説明図 スペクトルF(f)の比較図 図9を模式化して示すスペクトル比較図 狭帯域スペクトルおよび成分波の比較図 狭帯域スペクトルの比較図 狭帯域スペクトルの切り出しを示す説明図 成分波比較図 時刻歴フィルタを用いた際の成分波比較図 時刻歴フィルタの説明図 キズの有無による成分波の差異を示す説明図 探触子移動の他の実施例を示す説明図 スペクトルF(f)の比較図 狭帯域スペクトルおよび成分波の比較図 超音波伝達模式図 狭帯域スペクトルおよび成分波の比較図 狭帯域スペクトル比較図 切り出された狭帯域スペクトルの説明図 成分波比較図 キズの有無による成分波の差異を示す説明図 被探知体の他の例を示す斜視図 計測範囲を示す説明図 超音波伝達を示す模式図 縦波、横波の起生特性を示す説明図 キズによる縦波超音波の遮断状況を示す説明図 キズ背の変化に伴う横波の起生変化を示す説明図 散乱現象の存在で分析不能となる状態を示す成分波比較図 狭帯域スペクトルと成分波の比較図 図34の狭帯域スペクトルを模式化して示す比較図 切り出された狭帯域スペクトルの説明図 成分波比較図 低周波条件下における超音波伝達を示す模式図 成分波比較図 適切でないf値による成分波比較図 TGC処理を行なわない場合の成分波比較図 縦波伝達模式図 キズによる縦波散乱波と横波散乱波との起生状態を示す模式図 成分波比較図 適切でないf値による成分波比較図 狭帯域超音波と広帯域超音波の相違を示す説明図
符号の説明
30 被探知体
31 発信探触子
32 受信探触子
40 CPU(逆変換部)
41 表示装置(比較表示部、判断部)
47 振動子
Z キズ

Claims (18)

  1. 発信探触子内の振動子にステップ関数型電圧を印加し、
    発信探触子から広帯域超音波を連続して発信させ、被探知体からの広帯域超音波を受信探触子にて受信する共振現象を利用した超音波探査方法であって、
    発信探触子と受信探触子とを離間させて被探知体表面に配置する計測で、上記各探触子の配置位置を移動させる毎に、受信波G(t)を得る受信ステップと、
    受信波G(t)に対応するスペクトルF(f)をフーリエ変換で求める演算ステップと、
    受信波G(t)とスペクトルF(f)を測点jに関して比較表示する表示ステップと、
    スペクトルF(f)の比較表示画面に縦カーソルf,2f,3f,…,nを発生させ、
    縦カーソルfの位置を変動させ、全てのカーソルをそれぞれ大きなスペクトル値のスペクトルの立上りと合致させるステップと、
    縦カーソルfの値と被探知体の音速Vより被探知体の厚さWを演算/表示するステップとを備え、
    1以上の整数nを用いてスペクトルF(f)よりn・f振動数の狭帯域スペクトルFA(f)を抽出し、該狭帯域スペクトルFA(f)に対応する成分波GA(t)をフーリエの逆変換で求める第1の工程と、
    探査の高精度化を図るための係数としての下記で定義されるサイジング係数S1,nS2,nS3を用いて、成分波GA(t)を比較表示する第2の工程と、
    成分波GA(t)の比較画面で波の起生有無の測点に基づいて発信探触子と受信探触子との中心を結ぶ線分直下の被探知体内部の何れにキズがあるかを判断する第3の工程とを備えた
    共振現象を利用した超音波探査方法。
    S1 は、成分波GA (t)のそれぞれでの最大振幅をA とし、A の中での最大値をA max としたとき、A ≧(1/n S1 )A max となるA をA max の値に置き換えて、下記数式で計算されるG~A (t)波をGA (t)波に変更して成分波GA (t)を導くための、1.0以上の実数。
    Figure 0004519852
    S2 は、成分波GA (t)の比較表示において、波の振幅の相違を明確化するため、GA nS2 (t)として、成分波の表示を行なうための、1以上の整数。
    S3 は、成分波GA nS2 (t)の比較表示において、n S3 GA nS2 (t)として、成分波の表示を行なうための、1.0以上の実数。
    (なお、G~は数式においてGの上に“〜”を付された符号を表す。以下同じ。)
  2. 発信探触子内の振動子にステップ関数型電圧を印加し、
    発信探触子から広帯域超音波を連続して発信させ、被探知体からの広帯域超音波を受信探触子にて受信する共振現象を利用した超音波探査方法であって、
    発信探触子と受信探触子とを離間させて被探知体表面に配置する計測で、上記各探触子の配置位置を移動させる毎に受信波G(t)を得る受信ステップと、
    受信波G(t)に対応するスペクトルF(f)をフーリエ変換で求める演算ステップと、
    受信波G(t)とスペクトルF(f)を測点jに関して比較表示する表示ステップと、
    スペクトルF(f)の比較表示画面に縦カーソルf,2f,3f,…,nを発生させ、縦カーソルfの位置を変動させ、全てのカーソルをそれぞれ大きなスペクトル値のスペクトルの立上りと合致させるステップと、
    縦カーソルfの値と被探知体の音速Vより被探知体の厚さWを演算/表示するステップとを備え、
    被探知体の横波と縦波の音速比γを用いてfS1=γ・fの演算で縦カーソルfS1を求め、スペクトルF(f)の比較表示画面に縦カーソルfS1,2fS1,3fS1,…,nS1を発生させ、縦カーソルfS1の位置を微小量変動させて、縦カーソルfS1の整数倍の他のカーソルをそれぞれ比較的スペクトル値の小さいスペクトルの立上りと合致させるステップとを備え、
    1以上の整数nを用いてスペクトルF(f)よりn・fS1振動数の狭帯域スペクトルFA(f)を抽出し、狭帯域スペクトルFA(f)に対応する成分波GA(t)をフーリエの逆変換で求める第1の工程と、
    探査の高精度化を図るための係数としての下記で定義されるサイジング係数S1,nS2,nS3を用いて成分波GA(t)を比較表示する第2の工程と、成分波GA(t)の比較画面で波の起生が確認できる測点において、発信探触子と受信探触子との中心を結ぶ線分直下の被探知体内部の何れにキズがあるかを判断する第3の工程とを備えた
    共振現象を利用した超音波探査方法。
    S1 は、成分波GA (t)のそれぞれでの最大振幅をA とし、A の中での最大値をA max としたとき、A ≧(1/n S1 )A max となるA をA max の値に置き換えて、下記数式で計算されるG~A (t)波をGA (t)波に変更して成分波GA (t)を導くための、1.0以上の実数。
    Figure 0004519852
    S2 は、成分波GA (t)の比較表示において、波の振幅の相違を明確化するため、GA nS2 (t)として、成分波の表示を行なうための、1以上の整数。
    S3 は、成分波GA nS2 (t)の比較表示において、n S3 GA nS2 (t)として、成分波の表示を行なうための、1.0以上の実数。
  3. 上記発信探触子と受信探触子との配置位置を移動させる方法は、両探触子の中心を結ぶ線分の直角方向へ所定量毎平行移動させるか、または、何れか一方の探触子の配置位置を固定し、この固定位置を中心として他方の探触子を所定量円弧方向に移動させる
    請求項1または2記載の共振現象を利用した超音波探査方法。
  4. 上記スペクトルF(f)と、所定値fHLで定義される関数sin{(π/2)(f/fHL)}とを用いて、
    Figure 0004519852
    を計算し、フーリエ変換で
    Figure 0004519852
    を計算し、
    上記F(f)をF~(f)と置き換え、上記G(t)をG~(t)と置き換える
    請求項1または2記載の共振現象を利用した超音波探査方法(なお、F~及びG~は数式においてF及びGの上に“〜”を付された符号を表す。またはiは虚数である。以下同じ。)。
  5. 上記狭帯域スペクトルFA(f)を抽出する方法は、振動数0で0.0、振動数fで1.0とする増加関数と、振動数fで1.0、振動数2fで0.0とする減少関数と、振動数2f以上の振動数で0.0とする関数との組合せ関数S(f)を求め、
    該関数S(f)とサイジング係数nS4とを用いて、振動数fをn×fの値またはn×fS1の値とし、
    FA(f)=S(f)nS4×F(f)
    の演算で求める
    請求項1または2記載の共振現象を利用した超音波探査方法。
  6. 上記狭帯域スペクトルFA(f)を抽出する方法は、予め値が設定された又は外部から入力される所定値Δfを用いて縦カーソルfまたはfS1をf~と表現した時(なお、f~は数式においてfの上に“〜”を付された符号を表す。以下同じ。)、
    0≦f<f~−Δfで0.0
    f~−Δf≦f≦f~+Δfで1.0
    f>f~+Δfで0.0
    なる関数S(f)とスペクトルF(f)を用いて
    FA(f)=S(f)・F(f)
    の演算またはバンドパス処理で求める
    請求項1または2記載の共振現象を利用した超音波探査方法。
  7. 上記狭帯域スペクトルFA(f)を抽出する方法は、振動数0で0.0、振動数fで1.0とする増加関数と、振動数fで1.0、振動数2fで0.0とする減少関数と、振動数2f以上の振動数で0.0とする関数との組合せ関数S(f)を求め、この関数S(f)とサイジング係数nS4と所定値Δfを用いて上記縦カーソルfまたはfS1をf~と表現した時、
    振動数fの初期値をf=n・f~−Δf
    振動数fの終了値をf=n・f~+Δf
    とし、振動数変動量をΔfとして、
    =f+Δf
    を計算する都度、狭帯域スペクトルFA(f)を
    FA(f)=S(f)nS4×F(f)
    の演算で求め、このFA(f)を求める都度、上記第1〜第3の各工程を繰返し行ない、上記f=f+Δfの演算、FA(f)=S(f)nS4×F(f)
    の演算および第1〜第3の各工程の処理を外部からの指示または自動処理で停止する
    請求項1または2記載の共振現象を利用した超音波探査方法。
  8. 上記狭帯域スペクトルFA(f)を抽出する方法は、所定値Δfを用い、縦カーソルfまたはfS1をf~と表現した時、
    0≦f<f−Δfの振動数で0.0
    −Δf≦f≦f+Δfの振動数で1.0
    f>f+Δfで0.0
    なる関数S(f)と所定値Δfを用いて、振動数fの初期値を
    =n・f~−Δf
    振動数fの終了値を
    =n・f~+Δf
    とし、振動数変動量をΔfとして
    =f+Δf
    を算定する都度、狭帯域スペクトルFA(f)を
    FA(f)=S(f)・F(f)
    の演算またはバンドパス処理で求め、このFA(f)を求める都度、上記第1〜第3の各工程を繰返し行ない、f=f+Δfの演算、FA(f)=S(f)・F(f)の演算および第1〜第3の各工程の処理を外部からの指示または自動処理で停止する
    請求項1または2記載の共振現象を利用した超音波探査方法。
  9. 時刻0で0.0、時刻tで1.0、時刻2tで0.0となるsin関数と、t以上の時刻で0.0となる関数とを組合せて得る組合せ関数FiLT(t)、
    または、所定値Δtを用いて、時刻0〜t−Δtで0.0となる関数と時刻t−Δtで0.0、時刻tで1.0、時刻t+Δtで0.0となるsin関数と、t+Δt以上の時刻で0.0となる関数とを組合せて得る組合せ関数FiLT(t)、
    または、時刻0で0.0、時刻tで1.0となる増加関数と時刻t以上の時刻で1.0となる関数とを組合せて得る組合せ関数FiLT(t)の何れかを選定し、所定値Δt、所定係数n5を用いて、時刻tの初期値を0.0とし、
    =t+Δt
    を計算する都度、成分波GB(t)を
    GB(t)=FiLTn5(t)・GA(t)
    にて計算してGB(t)を求め、該GB(t)を求める都度、第2および第3の工程のGA(t)をGB(t)で置き換え、
    上記t=t+Δtの演算、GB(t)=FiLTn5(t)・GA(t)の演算および第2、第3の各工程の処理を外部からの指示または自動処理で停止する
    請求項1または2記載の共振現象を利用した超音波探査方法。
  10. 発信探触子内の振動子にステップ関数型電圧を印加し、
    発信探触子から広帯域超音波を連続して発信させ、被探知体からの広帯域超音波を受信探触子にて受信する共振現象を利用した超音波探査装置であって、
    発信探触子と受信探触子とを離間させて被探知体表面に配置する計測で、上記各探触子の配置位置を移動させる毎に、受信波G(t)を得る受信機能と、
    受信波G(t)に対応するスペクトルF(f)をフーリエ変換で求める演算機能と、
    受信波G(t)とスペクトルF(f)を測点jに関して比較表示する表示機能と、
    スペクトルF(f)の比較表示画面に縦カーソルf,2f,3f,…,nを発生させ、
    縦カーソルfの位置を変動させ、全てのカーソルをそれぞれ大きなスペクトル値のスペクトルの立上りと合致させる機能と、
    縦カーソルfの値と被探知体の音速Vより被探知体の厚さWを演算/表示する機能とを備え、
    1以上の整数nを用いてスペクトルF(f)よりn・f振動数の狭帯域スペクトルFA(f)を抽出し、該狭帯域スペクトルFA(f)に対応する成分波GA(t)をフーリエの逆変換で求める逆変換部と、
    探査の高精度化を図るため係数としての下記で定義されるサイジング係数S1,nS2,nS3を用いて、成分波GA(t)を比較表示する比較表示部と、
    成分波GA(t)の比較画面で波の起生有無の測点に基づいて発信探触子と受信探触子との中心を結ぶ線分直下の被探知体内部の何れにキズがあるかを判断する判断部とを備えた
    共振現象を利用した超音波探査装置。
    S1 は、成分波GA (t)のそれぞれでの最大振幅をA とし、A の中での最大値をA max としたとき、A ≧(1/n S1 )A max となるA をA max の値に置き換えて、下記数式で計算されるG~A (t)波をGA (t)波に変更して成分波GA (t)を導くための、1.0以上の実数。
    Figure 0004519852
    S2 は、成分波GA (t)の比較表示において、波の振幅の相違を明確化するため、GA nS2 (t)として、成分波の表示を行なうための、1以上の整数。
    S3 は、成分波GA nS2 (t)の比較表示において、n S3 GA nS2 (t)として、成分波の表示を行なうための、1.0以上の実数。
  11. 発信探触子内の振動子にステップ関数型電圧を印加し、
    発信探触子から広帯域超音波を連続して発信させ、被探知体からの広帯域超音波を受信探触子にて受信する共振現象を利用した超音波探査装置であって、
    発信探触子と受信探触子とを離間させて被探知体表面に配置する計測で、上記各探触子の配置位置を移動させる毎に受信波G(t)を得る受信機能と、
    受信波G(t)に対応するスペクトルF(f)をフーリエ変換で求める演算機能と、
    受信波G(t)とスペクトルF(f)を測点jに関して比較表示する表示機能と、
    スペクトルF(f)の比較表示画面に縦カーソルf,2f,3f,…,nを発生させ、縦カーソルfの位置を変動させ、全てのカーソルをそれぞれ大きなスペクトル値のスペクトルの立上りと合致させる機能と、
    縦カーソルfの値と被探知体の音速Vより被探知体の厚さWを演算/表示する機能とを備え、
    被探知体の横波と縦波の音速比γを用いてfS1=γ・fの演算で縦カーソルfS1を求め、スペクトルF(f)の比較表示画面に縦カーソルfS1,2fS1,3fS1,…,nS1を発生させ、縦カーソルfS1の位置を微小量変動させて、縦カーソルfS1の整数倍の他のカーソルをそれぞれ比較的スペクトル値の小さいスペクトルの立上りと合致させる機能とを備え、
    1以上の整数nを用いてスペクトルF(f)よりn・fS1振動数の狭帯域スペクトルFA(f)を抽出し、狭帯域スペクトルFA(f)に対応する成分波GA(t)をフーリエの逆変換で求める逆変換部と、
    探査の高精度化を図るため係数としての下記で定義されるサイジング係数S1,nS2,nS3を用いて成分波GA(t)を比較表示する比較表示部と、成分波GA(t)の比較画面で波の起生が確認できる測点において、発信探触子と受信探触子との中心を結ぶ線分直下の被探知体内部の何れにキズがあるかを判断する判断部とを備えた
    共振現象を利用した超音波探査装置。
    S1 は、成分波GA (t)のそれぞれでの最大振幅をA とし、A の中での最大値をA max としたとき、A ≧(1/n S1 )A max となるA をA max の値に置き換えて、下記数式で計算されるG~A (t)波をGA (t)波に変更して成分波GA (t)を導くための、1.0以上の実数。
    Figure 0004519852
    S2 は、成分波GA (t)の比較表示において、波の振幅の相違を明確化するため、GA nS2 (t)として、成分波の表示を行なうための、1以上の整数。
    S3 は、成分波GA nS2 (t)の比較表示において、n S3 GA nS2 (t)として、成分波の表示を行なうための、1.0以上の実数。
  12. 上記発信探触子と受信探触子との配置位置の移動は、両探触子の中心を結ぶ線分の直角方向へ所定量毎平行移動させるか、または、何れか一方の探触子の配置位置を固定し、この固定位置を中心として他方の探触子を所定量円弧方向に移動させる
    請求項10または11記載の共振現象を利用した超音波探査方法。
  13. 上記スペクトルF(f)と、所定値fHLで定義される関数sin{(π/2)(f/fHL)}とを用いて、
    Figure 0004519852
    を計算し、フーリエ変換で
    Figure 0004519852
    を計算し、
    上記F(f)をF~(f)と置き換え、上記G(t)をG~(t)と置き換える
    請求項10または11記載の共振現象を利用した超音波探査装置(なお、F~及びG~は数式においてF及びGの上に“〜”を付された符号を表す。以下同じ。)。
  14. 上記狭帯域スペクトルFA(f)の抽出は、振動数0で0.0、振動数fで1.0とする増加関数と、振動数fで1.0、振動数2fで0.0とする減少関数と、振動数2f以上の振動数で0.0とする関数との組合せ関数S(f)を求め、
    該関数S(f)とサイジング係数nS4とを用いて、振動数fをn×fの値またはn×fS1の値とし、
    FA(f)=S(f)nS4×F(f)
    の演算で求める
    請求項10または11記載の共振現象を利用した超音波探査装置。
  15. 上記狭帯域スペクトルFA(f)の抽出は、予め値が設定された又は外部から入力される所定値Δfを用いて縦カーソルfまたはfS1をf~と表現した時(なお、f~は数式においてfの上に“〜”を付された符号を表す。以下同じ。)、
    0≦f<f~−Δfで0.0
    f~−Δf≦f≦f~+Δfで1.0
    f>f~+Δfで0.0
    なる関数S(f)とスペクトルF(f)を用いて
    FA(f)=S(f)・F(f)
    の演算またはバンドパス処理で求める
    請求項10または11記載の共振現象を利用した超音波探査装置。
  16. 上記狭帯域スペクトルFA(f)の抽出は、振動数0で0.0、振動数fで1.0とする増加関数と、振動数fで1.0、振動数2fで0.0とする減少関数と、振動数2f以上の振動数で0.0とする関数との組合せ関数S(f)を求め、この関数S(f)とサイジング係数nS4と所定値Δfを用いて上記縦カーソルfまたはfS1をf~と表現した時、
    振動数fの初期値をf=n・f~−Δf
    振動数fの終了値をf=n・f~+Δf
    とし、振動数変動量をΔfとして、
    =f+Δf
    を計算する都度、狭帯域スペクトルFA(f)を
    FA(f)=S(f)nS4×F(f)
    の演算で求め、このFA(f)を求める都度、上記逆変換部、比較表示部および判断部の処理を繰返し行ない、
    上記f=f+Δfの演算、FA(f)=S(f)nS4×F(f)
    の演算および逆変換部、比較表示部および判断部の処理を外部からの指示または自動処理で停止する
    請求項10または11記載の共振現象を利用した超音波探査装置。
  17. 上記狭帯域スペクトルFA(f)の抽出は、所定値Δfを用い、縦カーソルfまたはfS1をf~と表現した時、
    0≦f<f−Δfの振動数で0.0
    −Δf≦f≦f+Δfの振動数で1.0
    f>f+Δfで0.0
    なる関数S(f)と所定値Δfを用いて、振動数fの初期値を
    =n・f~−Δf
    振動数fの終了値を
    =n・f~+Δf
    とし、振動数変動量をΔfとして
    =f+Δf
    を算定する都度、狭帯域スペクトルFA(f)を
    FA(f)=S(f)・F(f)
    の演算またはバンドパス処理で求め、このFA(f)を求める都度、逆変換部、比較表示部および判断部の処理を繰返し行ない、f=f+Δfの演算、FA(f)=S(f)・F(f)の演算および逆変換部、比較表示部および判断部の処理を外部からの指示または自動処理で停止する
    請求項10または11記載の共振現象を利用した超音波探査装置。
  18. 時刻0で0.0、時刻tで1.0、時刻2tで0.0となるsin関数と、t以上の時刻で0.0となる関数とを組合せて得る組合せ関数FiLT(t)、
    または、所定値Δtを用いて、時刻0〜t−Δtで0.0となる関数と時刻t−Δtで0.0、時刻tで1.0、時刻t+Δtで0.0となるsin関数と、t+Δt以上の時刻で0.0となる関数とを組合せて得る組合せ関数FiLT(t)、
    または、時刻0で0.0、時刻tで1.0となる増加関数と時刻t以上の時刻で1.0となる関数とを組合せて得る組合せ関数FiLT(t)の何れかを選定し、所定値Δt、所定係数n5を用いて、時刻tの初期値を0.0とし、
    =t+Δt
    を計算する都度、成分波GB(t)を
    GB(t)=FiLTn5(t)・GA(t)
    にて計算してGB(t)を求め、該GB(t)を求める都度、比較表示部および判断部の処理のGA(t)をGB(t)で置き換え、
    上記t=t+Δtの演算、GB(t)=FiLTn5(t)・GA(t)の演算および比較表示部および判断部の処理を外部からの指示または自動処理で停止する
    請求項10または11記載の共振現象を利用した超音波探査装置。
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