JPH08220074A - 鉄筋コンクリート構造物のひび割れ深さの計測法及び装置 - Google Patents

鉄筋コンクリート構造物のひび割れ深さの計測法及び装置

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JPH08220074A
JPH08220074A JP7255415A JP25541595A JPH08220074A JP H08220074 A JPH08220074 A JP H08220074A JP 7255415 A JP7255415 A JP 7255415A JP 25541595 A JP25541595 A JP 25541595A JP H08220074 A JPH08220074 A JP H08220074A
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crack
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spectrum
ultrasonic
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Masayuki Hirose
正行 広瀬
Kimimichi Taya
公道 田谷
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IMPERIAL CONSULTANT KK
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H & B Syst Kk
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IMPERIAL CONSULTANT KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄筋が密に配筋された場合であっても、鉄筋
の存在に拘わらず、コンクリート中のひび割れを高精度
で検出することができる鉄筋コンクリート構造物のひび
割れ深さの計測法及び装置を提供する。 【解決手段】 鉄筋コンクリート構造物のひび割れを挟
んで1対の超音波発振センサを配置し、超音波発振セン
サからの超音波を超音波受信センサにより受信し、この
受信波から所定の周波数の信号を選別し、この信号を逆
フーリエ変換する。そして、周波数選別及び逆フーリエ
変換を1又は複数回繰り返して収斂させて、ひび割れ経
路波の起生時刻を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコンクリート中に鉄筋が
密に配筋された鉄筋コンクリート構造物のひび割れ深さ
を測定する鉄筋コンクリート構造物のひび割れ深さの計
測法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】建築物、トンネル、地下壁及び道路等の
鉄筋コンクリート構造物においては、経年変化し、外乱
が繰り返し付加されており、その劣化対策が重要な課題
になっている。この劣化対策のために、コンクリートの
ひび割れ深さを高精度で検出する必要がある。
【0003】従来のひび割れの計測法として、近距離迂
回波法がある。この近距離迂回波法によるひび割れの計
測方法を図17に示す。この図17に示すようにコンク
リート1の内部に鉄筋2が埋め込まれており、コンクリ
ート表面からひび割れ3が発生している場合に、このひ
び割れ3を挟んで超音波発振センサ6と超音波受信セン
サ7を配置する。そして、発振センサ6からコンクリー
ト1の内部に向けて超音波を出射すると、超音波は経路
5を介して伝搬し、ひび割れ3の最深部で反射して同様
に経路5を介して受信センサ7に送信される。
【0004】この受信波を図18(b)に示す。超音波
発振から受信波が得られるまでの時間差th秒と、実験
により得られるコンクリートの音速(Csm/秒)とか
ら、ひび割れ深さdは下記数式1より得られる。
【0005】
【数1】 d=Cs×th/2 これにより、thを計測することにより、ひび割れ深さ
dを算出することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コンク
リート中に鉄筋が密に配筋されているコンクリート構造
物においては、図17に経路4にて示すように、鉄筋2
を経由して受信センサ7に入射してくる超音波が存在す
る。この波形は図18(a)に示すように、超音波発振
からt0で検出され、図18(b)の波形より速く検出
される。
【0007】このため、ひび割れ3を貫通する鉄筋2を
通る経路4を介して入射した受信波(図18(a))
と、ひび割れ最深部を経た経路5を介して入射した受信
波(図18(b))とが重畳した波形が受信センサ7に
受信されることになる。この受信波の代表的な波形を図
18(c)及び(d)に示す。このように、受信波形は
いずれも超音波発振からt0で検出され、ひび割れ3の
最深部で反射してきた超音波の検出開始時点は鉄筋2を
経由してきた超音波の受信波中に埋没してしまい、th
を把握することができない。
【0008】鉄筋コンクリート構造物中のひび割れ深さ
を計測する方法としては、近距離迂回波法の外に、伝搬
時間法、BS法、ランプ法、SH波(横波)法及びスペ
クトロスコピー法等があるが、これらの方法は近距離迂
回波法と同様に、無筋のコンクリート又は鉄筋が粗に配
筋されたコンクリートにおけるひび割れ深さの測定には
一応使用することができるが、鉄筋が密に配筋されたコ
ンクリート中のひび割れ深さを検出することは困難であ
る。
【0009】また、鉄筋が粗に配筋されている場合は、
超音波発振センサ及び受信センサを鉄筋から遠く離して
配置することにより、超音波発振後、ひび割れの最深部
で反射してきた超音波が鉄筋を経由してきた超音波より
も速く検出されるようにすれば、ひび割れ深さを測定す
ることができる。
【0010】しかし、この方法は、当然ながら、ひび割
れ深さ自体が不明であるため、センサから鉄筋までの距
離よりもひび割れ深さの方が短いのか否かについて、確
信をもてないという難点がある。即ち、鉄筋から充分に
隔離してセンサを配置したつもりでも、ひび割れ深さの
方が、センサから鉄筋までの距離よりも長い場合があ
る。そうすると、ひび割れ深さの誤検出となる。このた
め、この方法は確実性がなく、結局従来方法は無筋のコ
ンクリートにおけるひび割れの深さしか正確に測定する
ことができない。
【0011】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、鉄筋が密に配筋された場合であっても、鉄
筋の存在に拘わらず、コンクリート中のひび割れを高精
度で検出することができる鉄筋コンクリート構造物のひ
び割れ深さの計測法及び装置を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る鉄筋コンク
リート構造物のひび割れ深さの計測法は、鉄筋コンクリ
ート構造物のひび割れを挟んで1対の超音波発振センサ
及び超音波受信センサを配置し、超音波発振センサから
の超音波を対応する超音波受信センサにより受信し、受
信波から所定の周波数範囲の信号を選別し、この信号を
逆フーリエ変換し、この周波数選別及び逆フーリエ変換
を1又は複数回繰り返して収斂させ、ひび割れを経由し
てきた超音波の起生時刻を検出することを特徴とする。
【0013】この場合に、前記受信波にサインカーブの
フィルタをかけることもできる。
【0014】本発明に係る鉄筋コンクリート構造物のひ
び割れ深さの計測装置は、1対の超音波発振センサ及び
超音波受信センサと、この受信センサの受信波から所定
の周波数の信号を選別し、この信号を逆フーリエ変換
し、この周波数選別及び逆フーリエ変換を1又は複数回
繰り返して収斂させ、ひび割れを経由してきた超音波の
起生時刻を検出する信号処理部とを有することを特徴と
する。
【0015】
【作用】本願発明者等は、超音波発振センサーから出射
された超音波を受信センサーで受信し、その受信波を分
析するという分析を600波以上の受信波について実施
した結果、鉄筋経路波と、ひび割れ経路波とで、以下の
相違が存在することを見出した。
【0016】即ち、入力する超音波の支配的振動数(ピ
ークが卓越する振動数)付近に、鉄筋経路波、ひび割れ
経路波及びその他の経路波の基本振動数又はその高次項
振動数のフーリエスペクトルが卓越し、多数のスペクト
ルが林立する。そして、これらのフーリエスペクトルは
以下の性質を有する。
【0017】ひび割れ経路波の卓越振動数及びスペクト
ル値は、計測位置を、ひび割れに沿って移動させた場合
は、殆ど変化しない。
【0018】一方、鉄筋経路波は、鉄筋がコンクリート
表面近傍の浅い位置に存在するため、計測点の移動が僅
かであっても、計測点と鉄筋間との相対的位置の変化が
大きくなるため、その卓越振動数及びスペクトル値が大
きく変動する。このため、計測点と鉄筋との距離が大き
くなるほど、鉄筋経路波のスペクトル値が小さくなるの
で、スペクトル中のひび割れ経路波のスペクトルと鉄筋
経路波のスペクトルとを明確に識別できるようになる。
【0019】また、その他の経路波、例えば、コンクリ
ート底面等に起因する経路波は、ひび割れ経路波より遅
く起生するので、問題とはならない。
【0020】このような現象の知見の結果として、通常
の高速フーリエ変換及び逆変換の手法を利用して、ひび
割れ深さを求める方法を見出した。即ち、鉄筋コンクリ
ート構造物のひび割れを挟んで1対の超音波発振センサ
及び超音波受信センサを配置し、超音波発振センサから
の超音波を対応する超音波受信センサにより受信し、得
られた受信波をフーリエ変換する。そうすると、得られ
たフーリエスペクトルには、受信センサを配置した場
所、即ち計測位置によって、そのスペクトル値が大きく
変化する周波数と、スペクトル値が殆ど変化しない周波
数とが存在する。そこで、このスペクトル値が殆ど変化
しない周波数範囲を選別し、このスペクトルの選別され
た部分を逆フーリエ変換する。そうすると、鉄筋経路波
が低減され、ひび割れ経路成分が多く含まれた時系列波
を得ることができる。
【0021】このようにして得られた時系列波に対し、
フーリエ変換及び逆フーリエ変換を複数回繰り返して収
斂させることにより、ひび割れ経路成分からなる時系列
波を得ることができる。これにより、原波形から鉄筋経
路波成分が取り除かれ、ひび割れ経路波の起生時刻を求
めることができるので、その結果ひび割れ深さを求める
ことができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明について、添付の図面を参照し
て更に説明する。図5は、この分析に使用した鉄筋コン
クリートモデルを示す模式図である。図5(a)に示す
ように、3辺が、夫々1000mm、300mm及び7
00mmの直方体であるコンクリート11に、長さが7
00mm、深さが195mmのひび割れ13が、100
0mm×700mmの面に垂直で、300mm×700
mmの面に平行にできている。また、図5(b)に示す
ように、コンクリート11内に、直径が13mmの鉄筋
12a(配力筋)が、ひび割れ13に平行となるように
埋められており、鉄筋12a同士の間隔は、ひび割れ1
3と垂直の方向に対して300mm、そして深さ方向に
対して200mmである。更に、直径が16mmの鉄筋
12b(主筋)は、ひび割れ13に垂直となるように埋
められており、鉄筋12b同士の間隔はひび割れ13に
平行の方向に対して150mm、そして深さ方向に対し
て200mmとなっている。これら鉄筋12a及び12
bのうちもっともコンクリート表面に近いものは、深さ
が50mmである。このコンクリート11のひび割れ1
3に沿ってxの位置に、超音波発振センサ6と受信セン
サ7とをひび割れ13を挟むように配置し、発振センサ
6から出射された超音波を受信センサ7により受信し分
析した。
【0023】このような、鉄筋コンクリートモデルにお
いて、発信センサ及び受信センサを鉄筋直上においた計
測点(x=0)での受信波をCX00とし、平面視でひ
び割れに沿って5mm間隔で移動した計測点での受信波
を、夫々、CX05、CX10、・・・・・、CX90
とした。得られた各受信波をフーリエ変換し、フーリエ
スペクトルを得た。図1乃至4は、得られた受信波及び
そのフーリエスペクトルのうち、CX05、CX30、
CX45及びCX90並びにそのフーリエスペクトルを
示すグラフ図である。なお、図2(b)中の点線は発振
波のスペクトルを示す。
【0024】図1(b)に示すように、鉄筋までの距離
が平面視で5mmと、鉄筋に極めて近い点で計測された
CX05のフーリエスペクトルにおいては、もっとも強
度が高いピークは27kHz付近に存在し、次に高いピ
ークは、32kHz付近に存在している。また、図2
(b)に示すように、鉄筋までの距離が平面視で30m
mと、鉄筋から少し離れた点で計測されたCX30のフ
ーリエスペクトルにおいては、もっとも高いピークは、
CX05の場合と同様に27kHz付近に存在する。但
し、このピークの30kHz付近に存在するピークに対
する相対的な強度は、CX05の場合に比して減少して
いる。更に、図3(b)及び図4(b)に示すように、
鉄筋までの距離が平面視で45mmと遠い点で計測され
たCX45及びもっとも遠い点で計測されたCX90の
フーリエスペクトルにおいては、30kHz付近に存在
するピークがもっとも大きく、27kHz付近のピーク
は、CX05及びCX30に比して極めて減少してい
る。
【0025】上述のように、30kHz付近のスペクト
ルのみ、計測位置が移転しても、そのピーク値及び振動
数が、殆ど変化していない。一方、他の林立するスペク
トルは、その卓越振動数及びスペクトル値が、大きく変
動している。即ち、計測点が鉄筋直上から離れるに従っ
て、この30kHz付近のスペクトルのみが顕著とな
る。
【0026】そこで、例えば図2(b)に示すように、
発振波の支配的振動数付近に林立するスペクトルのう
ち、30.7kHz付近のスペクトルのみを取り出すこ
とができれば、このスペクトルに逆フーリエ変換を実施
することで、理論上、ひび割れ経路波の時系列波を再現
することができる。時系列波が受信センサに到達するの
に要する時間thを、前述の数式1に代入することによ
り、ひび割れ深さdが求まる。
【0027】そこで、本願発明者等は、種々実験研究を
した結果、以下のように収斂計算すればよいことを見出
した。先ず、受信波のフーリエスペクトルに対し、図2
(b)に示すように任意の周波数f1以下及びf2以上の
部分をカットする。得られたスペクトルに対し逆フーリ
エ変換を施し、時系列波を作成する。次に、得られた時
系列波のフーリエスペクトルを求め、このスペクトルか
ら(f1+Δf1)以下をカットし、更に(f2−Δf2
以上をカットしたスペクトルで時系列波を作成する。次
いで、得られた時系列波のフーリエスペクトルを作成す
る。そして、このフーリエスペクトルの(f1+2Δ
1)以下をカットし、更に(f2−2Δf2)以上をカ
ットしたスペクトルで時系列波を作成するというよう
に、このような演算を繰り返す。最終的に得られた時系
列波の起生時刻を前述の数式1に代入して、ひび割れ深
さを求める。
【0028】このような収斂計算によりひび割れ深さを
求める場合に、収斂計算が発散してしまい、解が得られ
ない場合がある。しかしこのような場合においても、受
信重畳波に時系列フィルタを施して、予め鉄筋経路波の
立ち上がり部分の波の振幅を低減した波形を作成するこ
とにより、収斂計算が安定的に収斂するようにして、ひ
び割れ深さを求めることができる。
【0029】次に、このような鉄筋経路波、ひび割れ経
路波及び他の経路波(例えば、コンクリート底面からの
反射波)の3者の間で卓越振動数が微妙に違うことを利
用して、得られた受信波から鉄筋経路波を削除し、ひび
割れ経路波の起生時刻を実際に計測した結果について説
明する。図5(a)に示すモデルにおいて、鉄筋の直上
にセンサを配置して得た受信波をC00とし、平面視で
鉄筋から10mm離隔した位置に配置したセンサにより
超音波を送受信して得た受信波をC10とし、同じく3
0mm離れた位置に超音波センサを配置して得た受信波
をC30とした。
【0030】図6はC00のフーリエスペクトルを示
す。このスペクトルにf1=24kHz、f2=37kH
z、Δf1=500Hz及びΔf2=50Hzを適用して
収斂計算した。
【0031】このC00の原波形を図7(a)に、ま
た、収斂波形を図7(b)に示す。図8はこの収斂の経
過を示す。図8の収斂波形には、収斂の過程で定常波が
重畳されるので、これを取り除いてC00の原波形と比
較することにより、収斂波形が得られる。この場合のひ
び割れ経路波の起生時刻はt=100μ秒となり、ひび
割れ深さdは実験で得られたコンクリートの音速3.8
8mm/μ秒を使用して、下記数式2により求められ
る。
【0032】
【数2】d=3.88×100/2=194mm
【0033】数2より得られたひび割れ深さdは、実際
のひび深さ195mmに0.5%の誤差で一致した。
【0034】次に、C10波による収斂結果について説
明する。図9はこのC10波のフーリエスペクトルを示
す。このスペクトルにf1=24kHz、f2=35kH
z、Δf1=500Hz及びΔf2=100Hzを適用し
て収斂させた収斂計算の過程を図11に示す。また、そ
の原波形を図10(a)に示し、定常波成分を削除した
収斂波形を図10(b)に示す。この場合に、ひび割れ
深さdは3.88×106/2=205.6mmとな
り、その誤差は5.4%であった。
【0035】図12乃至14はC30波による収斂結果
を示す。図12はフーリエスペクトルであり、f1=2
4kHz、f2=40kHz、Δf1=500Hz及びΔ
2=0Hzを適用した収斂の過程を図14に示す。ま
た、図13(a)は原波形を示し、図13(b)は定常
波成分を削除した収斂波形を示す。この場合には、ひび
割れ深さdは、3.88×105/2=203.7mm
となり、誤差は4.5%であった。
【0036】同様に図5に示すモデルにおいて、他の位
置にセンサを設置した場合のひび割れ深さの計測値と、
図15に示すモデルにおいて、種々の位置にセンサを設
置してひび割れ深さを計測した結果について説明する。
【0037】下記表1はその計測結果を示すものであ
る。
【0038】
【表1】
【0039】但し、例えば、B60というのは、図15
に示すモデルにおいて、平面視で鉄筋とセンサとの間の
距離が60mmであったことを意味している。
【0040】この表1に示すように、図5に示すモデル
の場合には収斂している。しかし、図15に示すモデル
の場合には、Δf1=30Hz及びΔf2=50Hzとし
て、収斂計算したものの、解が発散してしまった。
【0041】このように、解が発散する場合には、時系
列波をフィルタ処理することにより、収斂させることが
できる。図16(a)は受信波の時系列波であり、同図
中に破線にて示すような特性のフィルタ(周期800μ
秒)を設けて、鉄筋経路波の立ち上がりの振幅を強制的
に低減する。そうすると、フィルタリング後の波形は、
図16(b)に示すようになる。このフィルタをかけた
時系列波に対して、収斂計算を実施すると、図16
(c)に示すように、ひび割れ経路波の起生時刻を求め
ることができる。上記表1に示すように、得られた各受
信波の起生時刻は190乃至200μ秒であった。この
起生時刻から求めたひび割れ深さdは、368乃至38
8mmであり、実際の深さである400mmに極めて近
い値を得ることができた。なお、このフィルタの周波数
は上記実施例のものに限らないことは勿論である。
【0042】このように、フーリエ変換及び逆フーリエ
変換を使用して収斂計算することにより、ひび割れ経路
波の起生時刻を求めることができるので、ひび割れ深さ
dを求めることができる。また、収斂計算が発散する場
合は、フィルタ処理することにより、ひび割れ深さdを
求めることができる。
【0043】なお、これらのひび割れ計測に使用する装
置は、1対の発信センサ及び受信センサと、その受信波
を解析する演算部と、超音波発信器とを有する。このう
ち、演算部と、超音波発信器等を制御する制御部とはパ
ーソナルコンピュータ等により構成することができる。
即ち、受信センサからの受信波の検出信号をパーソナル
コンピュータ内に入力するためのA/D変換ボードと、
受信波形を解析するディジタルシグナルプロセッサとを
パーソナルコンピュータに設置し、これと超音波発信セ
ンサ及び受信センサとを接続すればよい。パーソナルコ
ンピュータとしては、可搬型のものを使用できるので、
現場で迅速にひび割れ深さを計測できる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
1対の発振センサ及び受信センサを使用して簡便な装置
で容易にひび割れ深さを高精度で検出することができ
る。しかも、鉄筋の影響を排除できるので、鉄筋が密に
配置されたコンクリートにおいても、高精度でひび割れ
深さを検出することができる。このため、本発明はこの
種のコンクリート構造物の劣化状況の把握に多大の貢献
をなす。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はCX05受信波、(b)はCX05受
信波のフーリエスペクトルを示すグラフ図である。
【図2】(a)はCX30受信波、(b)はCX30受
信波のフーリエスペクトルを示すグラフ図である。
【図3】(a)はCX45受信波、(b)はCX45受
信波のフーリエスペクトルを示すグラフ図である。
【図4】(a)はCX90受信波、(b)はCX90受
信波のフーリエスペクトルを示すグラフ図である。
【図5】本発明の効果を実証するためのコンクリートモ
デルを示す模式図である。
【図6】C00受信波のフーリエスペクトルを示すグラ
フ図である。
【図7】C00受信波の原波形及び収斂波形を示すグラ
フ図である。
【図8】C00受信波の収斂状況を示すグラフ図であ
る。
【図9】C10受信波のフーリエスペクトルを示すグラ
フ図である。
【図10】C10受信波の原波形及び収斂波形を示すグ
ラフ図である。
【図11】C10受信波の収斂状況を示すグラフ図であ
る。
【図12】C30受信波のフーリエスペクトルを示すグ
ラフ図である。
【図13】C30受信波の原波形及び収斂波形を示すグ
ラフ図である。
【図14】C30受信波の収斂状況を示すグラフ図であ
る。
【図15】本発明の効果を実証するための他のコンクリ
ートモデルを示す模式図である。
【図16】このモデルにおけるフィルタリングによる収
斂状況を示すグラフ図である。
【図17】従来の近距離迂回波法によるひび割れ深さの
測定方法を示す模式図である。
【図18】同じくその受信波形を示す図である。
【符号の説明】
1,11;コンクリート 2,12a,12b;鉄筋 3、13;ひび割れ 4;鉄筋経路 5;ひび割れ経路 6;発振センサ 7;受信センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田谷 公道 東京都文京区本郷三丁目5番5号 株式会 社インペリアルコンサルタント内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄筋コンクリート構造物のひび割れを挟
    んで1対の超音波発振センサ及び超音波受信センサを配
    置し、超音波発振センサからの超音波を対応する超音波
    受信センサにより受信し、受信波から所定の周波数範囲
    の信号を選別し、この信号を逆フーリエ変換し、この周
    波数選別及び逆フーリエ変換を1又は複数回繰り返して
    収斂させ、ひび割れを経由してきた超音波の起生時刻を
    検出することを特徴とする鉄筋コンクリート構造物のひ
    び割れ深さの計測法。
  2. 【請求項2】 前記受信波にサインカーブのフィルタを
    かけることを特徴とする請求項1に記載の鉄筋コンクリ
    ート構造物のひび割れ深さの計測法。
  3. 【請求項3】 1対の超音波発振センサ及び超音波受信
    センサと、この受信センサの受信波から所定の周波数の
    信号を選別し、この信号を逆フーリエ変換し、この周波
    数選別及び逆フーリエ変換を1又は複数回繰り返して収
    斂させ、ひび割れを経由してきた超音波の起生時刻を検
    出する信号処理部とを有することを特徴とする鉄筋コン
    クリート構造物のひび割れ深さの計測装置。
JP7255415A 1994-12-13 1995-10-02 鉄筋コンクリート構造物のひび割れ深さの計測法及び装置 Pending JPH08220074A (ja)

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