JP4519714B2 - スロッシング溢水防止装置 - Google Patents

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Description

本発明は、原子力発電所における燃料貯蔵プール等の容器のスロッシングによる溢水を防止するスロッシング溢水防止装置に関する。
原子力発電所に設置される燃料貯蔵プールは、地震時にスロッシング現象が発生し、プール水が揺動し、液位の上昇によりプール水がフロアに溢水する可能性がある。
例えば、プール水の水面が上昇し、フロアに溢水した場合、ある一定量以下であればフロアに滞留し、プール下階に溢れていくことはなく、かつ最地下階にあるドレンサンプタンクに貯蔵することとなる。
しかしながら、フロアへの溢水がこの一定量を超える可能性もあり、また最地下階にあるドレンサンプタンクの容量も小さいことから、最地下階でタンクより溢水し、重要設備に対して影響を与える可能性も否定できない。また、現時点でスロッシングによる溢水に対する対策を発電所内設備は特に考慮してはいない。
図22に従来の燃料貯蔵プールの断面構成を示す。燃料貯蔵プール1内の水面2から周縁の床面3までは、余裕をある程度考慮した設計になっており、プール周縁部には柵3aが設けられている。このような構成の燃料貯蔵プールにおいては、地震時の力の伝わりを考慮すると、スロッシング防止に対して決して十分ではなく、何らかの対策が必要である。
そこで従来では、既設の柵3a等を利用してシートを張り、溢水防止用壁とするなど応急処置的な対策を施している。しかし、スロッシングが発生した場合にはシートによっては溢水を必ずしも支えきれず、柵が倒れてしまう可能性も否定できない。
さらに、従来ではスロッシング溢水防止装置として、プール水中に水平な板を浸漬してスロッシングを抑制する提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、このような従来のスロッシング防止装置の構成は、新規プラントでは予め建設当初から計画して設置すれば有効であるものの、既設のプラントに新規で追加工事などを反映するためには、工事期間や放射線による汚染の影響、廃棄物の管理など課題が多く、現実的ではない。
また、ドレン水に関しても現状のプラントにおいては、ドレン配管などを用いて排水する系統になっているが、水位低による燃料の安全を保障していない。
特開平8−101296号公報
上述のように、現時点ではスロッシングによる十分な溢水対策が講じられていないため、重要設備に対して影響を与える可能性が否定できない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、スロッシングによる溢水量を可能な限り抑制することにより、下階に溢れる可能性及び最地下階の重要設備に対して影響を与える可能性を低減させ、原子力発電所等における信頼性向上を図ることを目的とする。
また、本発明は、既設設備の可動範囲の妨げにならないように、必要個所については衝立を一定以上上昇しないなどの対策を講じることを目的とする。
さらに、本発明は、水位低になった際にドレンを、容器内に自動的に溢水を戻すことにより安全対策を図ることを目的とする。
前記の目的を達成するために、請求項1に係る発明では、液体を収容する容器の縁部から起立する起立壁と、この起立壁に設けられた摺動用連結具と、この摺動用連結具を介して上下に移動可能な移動壁と、を備え、前記移動壁を、複数の分割型として構成し、燃料交換用台車がある個所については、高さを制限することができることを特徴とするスロッシング溢水防止装置を提供する。
請求項に係る発明では、前記容器から溢水した水を前記容器に戻すドレン機構をさらに有すること、を特徴とする請求項1記載のスロッシング溢水防止装置を提供する。
請求項に係る発明では、前記ドレン機構に、水の逆流を防止する逆止弁を設けた請求項2記載のスロッシング溢水防止装置を提供する。
請求項に係る発明では、前記容器の近傍に設置された構造物に接触する可能性がある個所に、あらかじめ衝撃緩衝用の治具を設置した請求項1記載のスロッシング溢水防止装置を提供する。
請求項に係る発明では、前記容器の周囲の床面に設けられた大物搬入口の周囲に、水密材料製の囲いが設けられている請求項1記載のスロッシング溢水防止装置を提供する。
本発明によれば、液体を収容する容器の縁部近傍に、前記液体の液面よりも高い溢水防止用の治具を設置することにより、スロッシングによる溢水量を可能な限り抑制することにより、下階に溢れる可能性及び最地下階の重要設備に対して影響を与える可能性を低減させ、原子力発電所等における信頼性向上を図ることができる。
以下、本発明に係るスロッシング溢水防止装置の実施形態について、図1〜図14を参照して説明する。
[第1実施形態(図1及び図2)]
図1および図2は、本発明の第1実施形態によるスロッシング溢水防止装置の設置断面図を示している。
図1に示すように、燃料貯蔵プールとしての容器1内に収容した水の水面2から床面3までは、余裕をある程度考慮した設計となっており、容器1の縁部近傍には、水面2よりも高い溢水防止用の治具4が設置されている。
治具4は、容器縁部から起立する起立壁5と、この起立壁に摺動用連結具6を介して上下に移動可能な移動壁7とを有し、移動壁7の上端には、略水平なスロッシング抑え用の横向き片7aが例えば水平に設けられている。起立壁5は容器1の周縁部に沿って連続的に、または間隔的に配設される。
そして、治具4は、液体を収容する容器の縁部近傍に、上下方向に伸縮可能な進展機構を有する溢水防止用の治具として構成されている。
このような第1実施形態の構成によると、通常時は図1に示すように、治具4が燃料貯蔵プール作業の妨げにならない高さに収納されており、水面2が上昇した際には、図2に示すように治具4の一部が上昇することによって、通常時のレベルよりも高い水面2に対して対応することが可能で、溢水する量を低減することが可能である。
なお、図1には治具4の一例として起立壁5に一段構成の移動壁7を設けた2連結構成を例示しているが、例えば移動壁7を2段以上とする等、さらに複数に分割した構成とすることも可能である。
また伸展機構に関しては、汎用されている一連の機構が適用可能で、特にベアリングやカーボンなどを用いたレール機構や、差し棒や釣り竿に用いられている機構(ロッドアンテナ機構等)を適用することが可能である。
また、伸展機構に対し、伸展するスピードをコントロールする油圧機構などの伸展速度調節機構を付加することによって、治具4が伸展する際、同時に水勢を減衰させることも可能である。
[第2実施形態(図3、及び図1、2)]
図3は、本発明に係るスロッシング溢水防止装置の第2実施形態を示している。
本実施形態では、第1実施形態に示した治具4の設置場所を若干プールから離す構成となっている。すなわち、燃料貯蔵プールとしての容器1内に収容した水の水面2から床面3までは、余裕をある程度考慮した設計となっており、容器1の縁部から床側に寄った位置に、水面2よりも高い溢水防止用の治具4が設置されている。
なお、図3では治具4を簡略的に示しているが、図1に示したように、容器縁部から起立する起立壁5と、この起立壁に摺動用連結具6を介して上下に移動可能な移動壁7とを有し、移動壁7の上端には、略水平なスロッシング抑え用の横向き片7aが設けられている。
すなわち、この治具4は、液体を収容する容器の縁部近傍に、上下方向に伸縮可能な進展機構を有する溢水防止用の治具として構成されている。
このように構成された本実施形態のスロッシング溢水防止装置においては、冷却水の水面2の高さがプールから離れるほど低くなるので、治具の高さを低く設計することが可能である。
[第3実施形態(図4、5及び図1、2)]
図4,5は、本発明に係るスロッシング溢水防止装置の第3実施形態を示している。
図4は、第1実施形態に治具4をプールと反対側に向って所定角度で傾斜する設定する条件を付加した一例を示している。すなわち、治具4は、床面3側に対して傾倒した構成としている。
なお、本実施形態でも、第1実施形態に示した治具4の設置場所を若干プールから離す構成となっている。すなわち、燃料貯蔵プールとしての容器1内に収容した水の水面2から床面3までは、余裕をある程度考慮した設計となっており、容器1の縁部から床側に寄った位置に、水面2よりも高い溢水防止用の治具4が設置されている。
また、治具4は、図1に示したように、容器縁部から起立する起立壁5と、この起立壁に摺動用連結具6を介して上下に移動可能な移動壁7とを有し、移動壁7の上端には、略水平なスロッシング抑え用の横向き片7aが設けられている。
すなわち、この治具4は、液体を収容する容器の縁部近傍に、上下方向に伸縮可能な進展機構を有する溢水防止用の治具として構成されている。
図5は、図4の場合と逆に、第1実施形態の構成による治具4の設置角度を、プール側に限定する条件を付加した一例を示している。すなわち、治具4を水面2側に傾倒した構成としている。
この図5に示すように設置した構成によると、水位が上昇した際に一部の水をプールに返すことが可能であり、波の減衰効果が期待される。しかし、この取付角度においては、燃料貯蔵プール作業時にクレーン作業の妨げになってしまう可能性があり、工事に支障が発生してしまう。そこで、図4に示すように設置された本実施形態においては、他の作業に影響を与えないことが実現可能となる。
[第4実施形態(図6〜図8及び図1、2)]
図6〜図8は、本発明に係るスロッシング溢水防止装置の第4実施形態を示している。
図6は、スロッシング溢水防止装置を平面でなく曲面にした際の一例である。
なお、本実施形態でも、第1実施形態に示した治具4の設置場所を若干プールから離す構成となっている。すなわち、燃料貯蔵プールとしての容器1内に収容した水の水面2から床面3までは、余裕をある程度考慮した設計となっており、容器1の縁部から床側に寄った位置に、水面2よりも高い溢水防止用の治具4が設置されている。
また、治具4は、容器縁部から起立する起立壁5と、この起立壁に摺動用連結具6を介して上下に移動可能な移動壁7とを有し、移動壁7の上端には、スロッシング抑え用の例えば湾曲したスロッシング防止片が設けられる。
すなわち、この治具4は、液体を収容する容器の縁部近傍に、湾曲した溢水防止用の治具として構成されている。
このように構成された本実施の形態においては、水平方向の溢水の勢いを鉛直方向に転換することが可能である。
また、図7は、図6に示した構成に比して、治具4の設置位置をプールから離間する側に配置した構成例を示している。
このように構成されたスロッシング溢水防止装置においては、プールから離れることによって、溢水の勢いを少しでも弱くすることが可能である。そのため、高さ方向を低く設計することが可能である。
さらに、図8は、第1実施形態で示した横向き片7aの先端形状を曲面形状とした場合の一例を示している。
このように構成されたスロッシング溢水防止装置においては、溢水しようとする水の勢いを曲面で受けることが可能である。第1実施形態においては、衝立治具4が直角に加工されているため、スロッシングによる力が一点に集中してしまう可能性があるのに対し、本実施形態では一定の広い面積に亘ってスロッシングによる力を分散させることができる。
[第5実施形態(図9及び図1、2)]
図9は、本発明に係るスロッシング溢水防止装置の第5実施形態を示している。
なお、本実施形態でも、第1実施形態に示した治具4の設置場所を若干プールから離す構成となっている。すなわち、燃料貯蔵プールとしての容器1内に収容した水の水面2から床面3までは、余裕をある程度考慮した設計となっており、容器1の縁部から床側に寄った位置に、水面2よりも高い溢水防止用の治具4が設置されている。
また、治具4は、図1に示したように、容器縁部から起立する起立壁5と、この起立壁に摺動用連結具6を介して上下に移動可能な移動壁7とを有し、移動壁7の上端には、略水平なスロッシング抑え用の横向き片7aが設けられている。
すなわち、この治具4は、液体を収容する容器の縁部近傍に、上下方向に伸縮可能な進展機構を有する溢水防止用の治具として構成されている。
そして、本実施形態では、図9に示すように、スロッシング溢水防止装置付近の床面に、溢水した時にドレン水をプール側に戻すドレン水溝8が配置されている。
このように構成された本実施の形態においては、溢水が少量時にはドレン水溝8に一時的に収容保持する対応が可能である。
[第6実施形態(図10及び図1、2)]
図10は、本発明に係るスロッシング溢水防止装置の第6実施形態を示している。
なお、本実施形態でも、第1実施形態に示した治具4の設置場所を若干プールから離す構成となっている。すなわち、燃料貯蔵プールとしての容器1内に収容した水の水面2から床面3までは、余裕をある程度考慮した設計となっており、容器1の縁部から床側に寄った位置に、水面2よりも高い溢水防止用の治具4が設置されている。
また、治具4は、図1に示したように、容器縁部から起立する起立壁5と、この起立壁に摺動用連結具6を介して上下に移動可能な移動壁7とを有し、移動壁7の上端には、略水平なスロッシング抑え用の横向き片7aが設けられている。
すなわち、この治具4は、液体を収容する容器1の縁部近傍に、上下方向に伸縮可能な進展機構を有する溢水防止用の治具として構成されている。
そして、本実施形態では、図10に示すように、第5実施形態のドレン水溝8に溜まった水を排水する配管9と、その配管9が燃料貯蔵プールに返るように設計されている場合に逆止弁10を設けた構成となっている。
このように構成された本実施の形態においては、ドレン水溝8に水が溜まった際にも自然に水位を下げることが可能で、さらに逆止弁10を設けることでドレン配管系統から燃料貯蔵プールの水が逆流することを防ぐことが可能である。
[第7実施形態(図11,12,13及び図1、2)]
図11〜13は、本発明に係るスロッシング溢水防止装置の第7実施形態を示している。
なお、本実施形態でも、第1実施形態に示した治具4の設置場所を若干プールから離す構成となっている。すなわち、燃料貯蔵プールとしての容器1内に収容した水の水面2から床面3までは、余裕をある程度考慮した設計となっており、容器1の縁部から床側に寄った位置に、水面2よりも高い溢水防止用の治具4が設置されている。
また、治具4は、図1に示したように、容器縁部から起立する起立壁5と、この起立壁に摺動用連結具6を介して上下に移動可能な移動壁7とを有し、移動壁7の上端には、略水平なスロッシング抑え用の横向き片7aが設けられている。
すなわち、この治具4は、液体を収容する容器の縁部近傍に、上下方向に伸縮可能な進展機構を有する溢水防止用の治具として構成されている。
図11は、スロッシング溢水防止装置を一体型にした場合の一例を示している。このように構成された本実施の形態においては、装置間の隙間を可能な限り作らないことによって、溢水量を低減することが可能である。
図12は、スロッシング溢水防止装置を分割型にした際の一例を示している。このように構成された本実施の形態においては、分割型にすることによって、部分的に溢水しようとする際にも対応可能である。
図13は、図11のスロッシング溢水防止装置において水面2が上昇した際の一例を示している。このように構成された本実施の形態においては燃料交換用台車11などの構造物がある個所については一定高さ以上に上昇することが不可能であるが、構造物がない個所については高さ制限がないため、さらに多く伸展することが可能である。
このように構成された本実施の形態においては、溢水量を低減することが可能である。
[第8実施形態(図14及び図1、2)]
図14は、本発明に係るスロッシング溢水防止装置の第8実施形態を示している。
なお、本実施形態でも、第1実施形態に示した治具4の設置場所を若干プールから離す構成となっている。すなわち、燃料貯蔵プールとしての容器1内に収容した水の水面2から床面3までは、余裕をある程度考慮した設計となっており、容器1の縁部から床側に寄った位置に、水面2よりも高い溢水防止用の治具4が設置されている。
また、治具4は、図1に示したように、容器縁部から起立する起立壁5と、この起立壁に摺動用連結具6を介して上下に移動可能な移動壁7とを有し、移動壁7の上端には、略水平なスロッシング抑え用の横向き片7aが設けられている。
すなわち、この治具4は、液体を収容する容器の縁部近傍に、上下方向に伸縮可能な進展機構を有する溢水防止用の治具として構成されている。
そして、本実施形態では、図14に示すように、スロッシング溢水防止装置に衝撃緩衝用治具8が設置されている。
このように構成された本実施の形態においては、燃料交換用台車11などの構造物と干渉するような場所に衝撃緩衝用治具12を設置することで、他の構造物からスロッシング溢水防止装置を守るのことができると同時に、他の構造物に与える影響を最低限に防ぐことが可能である。
[第9実施形態(図15)]
図15は、本発明に係るスロッシング溢水防止装置の第9実施形態を示している。
本実施形態では、液体を収容する容器である使用済み燃料プール1の周辺の床面3上に、複数本の支柱13が所定の間隔で立設されている。そして、これらの支柱13に対して、可撓性または弾性のある防水シート14が張られている。この防水シート14の上縁は、支柱13の上端部に高強度で止着され、防水シートの下縁は、例えば床面3に密着する状態で支柱13の下端部に取付けられ、上下縁以外の中間部分の蛇腹状部分は、可撓性または弾性的に膨らむことができるようになっている。また、防水シート14には、補強ワイヤ15が設けられている。
そして、通常時である非スロッシング時には、図15に実線で示すように、防水シート14が、支柱13に沿って例えば蛇腹状に折り畳まれて略垂直に張られた状態となっている。これにより、プール周囲での作業の邪魔になることはない。
一方、地震時等においてスロッシングが発生し、地震振動とともに水面2が上昇して床面3上に溢水が生じた場合には、図15に仮想線で示すように、蛇腹状の防水シート14がプール水を受けて袋状に撓む状態となり、溢水した水を受け止めて所定位置で保持することができる。そして、一旦水が引いた後に、再度地震振動とともにこの状態が繰返されることになる。この場合、防水シート14には補強ワイヤ15が設けられているので、溢水荷重に対する強度が高く、極めて安全性が高いものとなり、床面の一定位置にて溢水を確実に止め、それより外側の周囲への溢水を効果的に抑制することができる。
[第10実施形態(図16)]
図16は、本発明に係るスロッシング溢水防止装置の第10実施形態を示している。
本実施形態では、液体を収容する容器である使用済み燃料プール1の周辺の上部堰1a上に設けられた柵を支柱13として、プールと反対の面側に対して、可撓性または弾性のある防水シート14が張られている。この防水シート14の上焔は、支柱13の上端部に高強度で止着され、防水シート14の下端部は、例えば上部堰a1の上面に密着する状態で支柱13の下端位置に取付けられ、上下端部以外の中間部分の蛇腹状部分は、可撓性または弾性的に膨らむことができるようになっている。また、防水シート14には、補強ワイヤ15が設けられている。
そして、通常時である非スロッシング時には、図15に実線で示すように、防水シート14が、支柱に沿って蛇腹状に折り畳まれて略垂直に張られた状態となっている。これにより、プール周囲での作業の邪魔になることはない。
一方、地震時等においてスロッシングが発生し、地震振動とともにプール水面2が上昇して上部堰1a上に溢水が生じた場合には、図16に仮想線で示すように、蛇腹状の防水シート14がプール水を受けて袋状に撓む状態となり、溢水した水を上部堰付近の床面3上で受け止め、保持することができる。そして、一端水が引いた後に、再度地震振動とともに,このような状態が繰返されることになる。この場合、防水シート14には補強ワイヤ15が設けられているので、溢水荷重に対する強度が高く、極めて安全性が高いものとなり、床面の一定位置にて溢水を確実に止め、それより外側の周囲への溢水を抑制することができる。
[第11実施形態(図17〜図21)]
図17は、本発明に係るスロッシング溢水防止装置の第11実施形態の一構成例を示す断面図であり、図18は、同構成例を示す平面図である。
本実施形態では、容器としての使用済み燃料貯蔵プール1の周縁である上部堰1aの周囲の床3の所定位置に、下階に通じる大物搬入口16が設けられている。この大物搬入口16の周囲部に、水密な材料により構成された立上り壁からなる所定高さの囲い17が設けられている。
このような構成によると、図17に示すように、地震時に使用済み燃料プール内でスロッシングが生じ、溢水が起きた場合でも、囲い17によって下階へのプール水の落下を抑制することができる。
図19は本発明に係るスロッシング溢水防止装置の第11実施形態の変形例を示す斜視図であり、図20は、同構成例を示す作用説明図である。
この変形例では、図19に示すように、大物搬入口の周囲部に設けられた水密な材料にからなる囲い17が、可撓性を有する材料、例えば硬質ゴムにより構成されている。
このような可撓性材料によって構成された囲い17によると、大物搬入口から機器を搬出入する際に、機器を誤って囲いに接触させたような場合、図20に示すように、囲いが可撓性を有するため一時的に変形17dを生じるが、後には図19に示すように、原形に復帰する。したがって、いつ地震があっても、下階へのプール水の落下を抑制することができる。
図21は本発明に係るスロッシング溢水防止装置の第11実施形態の他の変形例を示す斜視図である。
この他の変形例では、水密な囲い17の各辺が、複数、例えば3枚に分割された壁17a,17b,17cを組合せた構成とされている。このような構成によれば、各壁を例えば人力で移動可能とすることにより、囲い17が機器の搬出入等の妨げとなるような場合には、各壁17a,17b,17cを移動することにより、設置および取外し等を、容易に行うことができる。
本発明の第1実施形態によるスロッシング溢水防止装置を示す縦断面図。 本発明の第1実施形態によるスロッシング溢水防止装置を示す縦断面図。 本発明の第2実施形態によるスロッシング溢水防止装置を示す縦断面図。 本発明の第3実施形態によるスロッシング溢水防止装置を示す縦断面図。 本発明の第3実施形態によるスロッシング溢水防止装置を示す縦断面図。 本発明の第4実施形態によるスロッシング溢水防止装置を示す縦断面図。 本発明の第4実施形態によるスロッシング溢水防止装置を示す縦断面図。 本発明の第4実施形態によるスロッシング溢水防止装置を示す縦断面図。 本発明の第5実施形態によるスロッシング溢水防止装置を示す縦断面図。 本発明の第6実施形態によるスロッシング溢水防止装置を示す縦断面図。 本発明の第7実施形態によるスロッシング溢水防止装置を示す縦断面図。 本発明の第7実施形態によるスロッシング溢水防止装置を示す縦断面図。 本発明の第7実施形態によるスロッシング溢水防止装置を示す縦断面図。 本発明の第8実施形態によるスロッシング溢水防止装置を示す縦断面図。 本発明の第9実施形態によるスロッシング溢水防止装置を示す縦断面図。 本発明の第10実施形態によるスロッシング溢水防止装置を示す縦断面図。 本発明の第11実施形態によるスロッシング溢水防止装置の一構成例を示す縦断面図。 本発明の第11実施形態によるスロッシング溢水防止装置の一構成例を示す平面図 本発明の第11実施形態によるスロッシング溢水防止装置の変形例を示す斜視図。 本発明の第11実施形態によるスロッシング溢水防止装置の変形例を示す作用説明図。 本発明の第11実施形態によるスロッシング溢水防止装置の他の変形例を示す斜視図。 従来の溢水防止装置を示す構成図。
符号の説明
1 容器
1a 上部堰
2 水面
3 床面
4 治具
5 起立壁
6 連結具
7 移動壁
8 ドレン水溝
9 配管
10 逆止弁
11 燃料交換用台車
12 衝撃緩衝用治具
13 柱
14 防水シート
15 補強ワイヤ
16 大物搬入口
17 囲い
17a,17b,17c 壁

Claims (5)

  1. 液体を収容する容器の縁部から起立する起立壁と、この起立壁に設けられた摺動用連結具と、この摺動用連結具を介して上下に移動可能な移動壁と、を備え、前記移動壁を、複数の分割型として構成し、燃料交換用台車がある個所については、高さを制限することができることを特徴とするスロッシング溢水防止装置。
  2. 前記容器から溢水した水を前記容器に戻すドレン機構をさらに有すること、を特徴とする請求項1記載のスロッシング溢水防止装置。
  3. 前記ドレン機構に、水の逆流を防止する逆止弁を設けた請求項2記載のスロッシング溢水防止装置。
  4. 前記容器の近傍に設置された構造物に接触する可能性がある個所に、あらかじめ衝撃緩衝用の治具を設置した請求項1記載のスロッシング溢水防止装置。
  5. 前記容器の周囲の床面に設けられた大物搬入口の周囲に、水密材料製の囲いが設けられている請求項1記載のスロッシング溢水防止装置。
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