JP4519487B2 - 洗浄用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、プラスチック、金属、半導体表面等を洗浄するために用いる洗浄用組成物に関する。より詳しくはハロゲンイオンやBF4イオン、アルカリ金属イオンを含まず、十分な帯電防止機能を持ち、且つ吸水性や腐食性が抑制されているので、電子工業における洗浄、特にシリコンウエハ、化合物半導体、プリント基板、実装基盤、磁気ヘッド、磁気ディスク等の表面に付着したシリコーンオイル、ワックス等の有機薄膜状汚れ、フラックス残滓、微粒子等を除去するのに使用される。
磁気ヘッド等の電気素子は、被膜形成、研磨、切断等の行程を繰り返して製造されるが、これらの行程において金属、半導体等からなる素子や基板を加工装置に固定するためにワックス、シリコーン油等が使用されている。このワックス等が素子表面に残留していると、次の製膜行程を妨害することがある。
このためワックス等を除去する必要が有る。ワックス等を除去する洗浄剤としては、一般的にノルマルヘキサン等の石油系(炭化水素系)洗浄剤が使用されている。しかし、石油系溶剤のような非極性の溶剤は帯電しやすく、発生する静電気によって発火する危険があるだけでなく、静電気により素子が破壊されるという問題点がある。
この問題に対して、石油系溶剤にアニオン型界面活性剤を添加した洗浄剤が、ある程度静電気発生を防止する効果があることも知られている。しかし、アニオン型界面活性剤が必ずしも良好に溶解せず、あるいは一旦溶解しても時を経るに従い、沈殿を生じたりして、溶液の貯蔵安定性に問題がある。さらには、このような問題を有する洗浄剤で成形物を洗浄した場合、乾燥後成形物表面に粉状の白色物を生じて表面が汚損されるという問題がある。このため、アニオン系活性剤と極性溶媒を石油系洗浄剤に添加して帯電を抑制する方法も知られている(例えば、特許文献1)。
特開平6―136387公報
しかしながら、一般的な界面活性剤では充分な帯電防止能を付与ためには多量に配合する必要があり、そのため洗浄剤の吸水性が高くなり素子の腐食が進行しやすくなるという欠点がある。さらに一般的な界面活性剤は石油系溶剤に溶解し難いため、多量に溶解させるためには極性溶剤もまた多量に添加する必要があるが、この極性溶剤によっても洗浄剤の吸水性が高くなってしまう。また一般的な界面活性剤が有するイオンには腐食の進行を促進するものが多く(例えば、カチオン型界面活性剤においてはハロゲンイオンやBF4イオン。アニオン型のものではアルカリ金属等)、半導体等の洗浄に際してはできるだけ使用を避けることが望まれる。したがって、ハロゲンイオンやBF4イオン、アルカリ金属イオンを含まず、吸水性が低く且つ高い帯電防止能を有する洗浄用組成物の開発が求められていた。
本発明者らは上記課題を解決すべく、石油系洗浄剤等の極性の低い溶剤に対して、少ない添加量でも高い導電性を付与する化合物を鋭意検討した結果、ある特定のオニウム塩を用いる事により、極性溶剤を多量に配合せずとも炭化水素系の洗浄剤に効率良く溶解し、さらに、その添加量が少量でも充分な帯電防止機能を発現することを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は、炭化水素系有機溶剤を90質量%以上含む溶剤100質量部に対し、下記式(I)で示されるアニオンと下記式(II)
Figure 0004519487
(式中、A 、A はそれぞれ独立にフルオロアシル基、フルオロアルキルスルフォニル基又はニトリル基を示す。)
Figure 0004519487
(式中、Zは窒素原子又は燐原子を示し、R 、R 、R 、R はいずれも炭素数2〜20の炭化水素基であり、かつこれらのうちの少なくともいずれか一つは炭素数8以上の炭化水素基を示す。)
で示される第4級アンモニウムカチオン及び第4級ホスホニウムカチオンから選ばれる有機オニウムカチオンとからなる有機オニウム塩が0.001〜10質量部の範囲で含まれる洗浄用組成物である。
本発明の洗浄用組成物においては、特定のオニウム塩を配合したことによりイオン性化合物の添加量が少量でも高い帯電防止性能を発現する。また、該オニウム塩は、イオン性を有しながらも非極性の溶剤に溶解しやすいため、多量の極性溶媒を添加しなくても炭化水素系の溶剤(石油系溶剤)に容易に溶解する。そしてイオン性化合物及び極性溶媒双方の添加量を少なくできるため、吸水性が低く、これにより被洗浄物である素子等の腐食が進行しにくいという利点も有する。
本発明の洗浄用組成物は、第4級アンモニウムカチオン及び第4級ホスホニウムカチオンから選ばれる有機オニウムカチオンと、後述するアニオンとからなる有機オニウム塩が配合されてなる点に特徴を有する。
本発明における第4級アンモニウムカチオン、第4級ホスホニウムカチオンは、下記一般式(II)
Figure 0004519487
(式中、Zは窒素原子又は燐原子を示し、R、R、R、及びRは、いずれも炭素数2〜20の炭化水素基であり、かつこれらのうちの少なくともいずれか一つは炭素数8以上の炭化水素基を示す。)で示されるオニウムカチオンを挙げることができる。
記一般式(II)において、R、R、R、Rが、すべて炭素数2以上の炭化水素基であるオニウムカチオン熱安定性が高い。さらには、R、R、R、Rの内、少なくとも一つ、好ましくは2つ以上が炭素数以上であると、オニウム塩とした場合の石油系溶剤への溶解度が高い。他方、R 、R、R、及びRはいずれも炭素数20以下の炭化水素基であると、より少量で高い帯電防止性能を得ることができる。好ましくは、R、R、R、及びRはいずれも炭素数2〜20の炭化水素基であり、かつこれらのうちの二つ以上が炭素数上のカチオンである。
、R、R及びRとしての炭素数2〜20の炭化水素基は直鎖状、分枝状あるいは環状のいずれでも良く公知の炭化水素基でよい。当該炭化水素基を具体的に例示すると、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、オクタデシル基等の炭素数2〜20のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、トリル基等の炭素数6〜20のアリール基、ベンジル基等の炭素数7〜20のアラルキル基等が挙げられる。
これらR、R、R及びRはフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子や、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基等の置換基が結合していても良い。
上記一般式(II)で示される第4級アンモニウムカチオンおよび第4級ホスホニウムカチオンを具体的に例示すると、トリエチルオクチルアンモニウムカチオン、トリエチルオクタデシルアンモニウムカチオン等の中心窒素原子に結合している有機基の少なくとも一つが他と異なる有機基である非対称第4級アンモニウムカチオン類;テトラオクチルアンモニウムカチオン、テトラデシルアンモニウムカチオン等の中心窒素原子に結合している有機基がすべて同一である対称第4級アンモニウムカチオン類;トリエチルオクチルホスホニウムカチオン等の中心リン原子に結合している有機基の少なくとも一つが他と異なる有機基である非対称第4級ホスホニウムカチオン類;テトラオクチルホスホニウムカチオン等の中心リン原子に結合している有機基がすべて同一である対称ホスホニウムカチオン類等の第4級ホスホニウムカチオン類が挙げられる。
本発明の洗浄用組成物に含まれる有機オニウム塩は、上記カチオンと、下記一般式(I)
Figure 0004519487
(式中、A、Aはそれぞれ独立にフルオロアシル基、フルオロアルキルスルフォニル基又はニトリル基を示す。)で示されるアニオンと構成される。
上記式(I)で示されるアニオンを有するオニウム塩は、酸性度が強く、溶剤中で解離しやすいためであると推測されるが、従来公知のハロゲン系アニオンやスルフォン酸系アニオンに比べて、より少量で高い帯電防止効果を発現する。さらに、荷電原子が末端にないためであると考えられるが、石油系溶剤に溶解しやすく、かつ吸水性が悪化することも少ない。
さらに上記式(I)で示されるアニオンは、水分と反応して腐食性の副生物を生成し難くい点でも有利である。
上記式(I)において、A、Aはそれぞれ独立にフルオロアシル基、フルオロアルキルスルフォニル基又はニトリル基を示す。
当該フルオロアシル基として好適なものを具体的に例示すると、トリフルオロアセチル基、ペンタフルオロプロピオニル基、ヘプタフルオロブチリル基等の炭素数2〜10のパーフルオロアシル基等が挙げられる。
ルオロアルキルスルフォニル基として好適なものを具体的に例示すると、トリフルオロメタンスルフォニル基、ペンタフルオロエタンスルフォニル基、ヘプタフルオロプロパンスルフォニル基、ノナフルオロブタンスルフォニル基などの炭素数2〜10のものが挙げられる。
記一般式(I)で示されるアニオンのなかでも、より疎水性が高く、洗浄用組成物の吸水性を悪化させ難い点で、少なくともA、Aのいずれか一方はニトリル基以外であることが好ましく、双方がニトリル基以外であることがより好ましい。またより少量の配合で高い帯電防止効果が得られる点で、少なくともA、Aのいずれか一方はフルオロアルキルスルフォニル基であることが好ましい。
このような一般式(I)で示されるアニオンを具体的に例示すると、ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミドアニオン、ビス(ペンタフルオロエタンスルフォニル)イミドアニオン、トリフルオロメタンスルフォニルノナフルオロブタンスルフォニルアミドアニオン等のスルフォニルアミドアニオン類、2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメタンスルフォニル)アセタミドアニオン、2,2,2−トリフルオロ−N−(パーフルオロエタンスルフォニル)アセタミドアニオン、2,2,2−トリフルオロ−N−(パーフルオロプロパンスルフォニル)アセタミドアニオン、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−N−(トリフルオロメタンスルフォニル)プロピオンアミドアニオン、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−N−(パーフルオロエタンスルフォニル)プロピオンアミドアニオン、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−N−(パーフルオロプロパンスルフォニル)プロピオンアミドアニオン等のスルフォニルアシルアミドアニオン類、ビス(トリフルオロアセチル)イミドアニオン、ビス(3,3,3−トリフルオロプロポニル)イミドアニオン、ビス(パーフルオロプロポニル)イミドアニオン、2,2,2−トリフルオロ−N−(3,3,3−トリフルオロプロポニル)アセタミドアニオン、2,2,2−トリフルオロ−N−(パーフルオロプロピオニル)アセタミドアニオン等が挙げられる。
本発明の洗浄用組成物に用いられる有機オニウム塩における、上記アニオンと前記有機オニウムカチオンとの組み合わせは特に限定されるものではないが、特に好適に用いられる有機オニウム塩の具体例を挙げると、トリエチルオクチルアンモニウム・ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミド、トリエチルオクタデカンアンモニウム・ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミド等の非対称アンモニウム・ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミド類;テトラオクチルアンモニウム・ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミド、テトラデシルアンモニウム・ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミド等の対称アンモニウム・ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミド類;トリエチルオクチルホスホニウム・ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミド等の非対称ホスホニウム・ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミド類;テトラオクチルホスホニウム・ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミド等の対称ホスホニウム・ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミド類;トリエチルオクチルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメタンスルフォニル)アセタミド、トリエチルオクタデカンアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメタンスルフォニル)アセタミド等の非対称アンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメタンスルフォニル)アセタミド類;テトラオクチルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメタンスルフォニル)アセタミド、テトラデシルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメタンスルフォニル)アセタミド等の対称アンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメタンスルフォニル)アセタミド類;トリエチルオクチルホスホニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメタンスルフォニル)アセタミド等の非対称ホスホニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメタンスルフォニル)アセタミド類;テトラオクチルホスホニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメタンスルフォニル)アセタミド等の対称ホスホニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメタンスルフォニル)アセタミド類;などのアニオンが一般式(I)で示される有機オニウム塩などが例示される。
ニオンが前記一般式(I)で示される有機オニウム塩は、少量で高い帯電防止能が得られる。また、石油系溶剤への溶解性が高く、該溶剤への混合が容易であり、さらには、洗浄後に微細結晶等が製品表面に残って表面を汚損または破壊することが無いという観点からは、本発明における有機オニウム塩としては使用温度下(9℃以上、好ましくは5℃以上)で液状である化合物(常温溶融塩とも呼ばれる)を用いることが好ましい。
このような常温溶融塩を具体的に例を挙げて説明すると、前記一般式(I)で示されるアミドアニオンをアニオン部分として有する化合物として、テトラオクチルホスホニウム2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメタンスルフォニル)アセタミド等のホスホニウム系アミドイオン性液体類が挙げられる。
なお本発明の洗浄用組成物には、必要に応じて上記有機オニウム塩が2種以上配合されていてもよい。
本発明における洗浄用組成物は前記有機オニウム塩と溶剤とを主成分として構成される。この溶剤は、洗浄用組成物(洗浄剤)の成分として公知の有機溶剤を制限無く用いることができるが、ワックス等を溶解する能力が高いことから、炭化水素系有機溶剤が好適である。具体的にはパラフィン系(飽和炭化水素類)、ナフテン系炭化水素類、アロマ系(芳香族炭化水素類)、ミネラルスピリット等を挙げることができ、そのうち引火点が35〜120℃のものが溶解性、安全性、揮発性等の点から好適である。これらの炭化水素系溶剤は、その溶解性、揮発性、臭気、引火点、比重、色などの各種特性を勘案して、単独であるいは2種以上を組み合わせて、被洗浄物の構成材料に悪影響を与えず、除去すべき対象物に対する溶解性の良いものを用途に応じて適宜選択、組み合わせて使用すれば良い。
本発明において用いられる前記有機オニウム塩は、上記のような炭化水素系の有機溶剤にも溶解しやすいという特徴を有しているが、さらに少量の極性溶剤を配合することにより、さらに良好な溶解性を得ることができる。他方、極性溶剤の配合量が多くなるにつれ、上記したようなワックス等の溶解性が低下する傾向があり、さらには、極性溶剤の量が多すぎると水分を吸いやすくなり被洗浄物の腐食が進みやすくなるため、溶剤中の炭化水素系有機溶剤の割合が90質量%以上であり、95質量%以上であるのが好適であり、98質量%以上であるのがさらに好適である。
当該極性溶剤としては、アルコール類、ケトン類、エステル類等を使用することができるが、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール等のアルコール類が特に好適である。
本発明において、有機オニウム塩の配合量は、あまりに多すぎても配合量の増加に見合うほど帯電防止効果が向上しないこと、あまりに少なすぎると十分な帯電防止効果が得られないことから、溶剤100質量部に対して0.001〜10質量部添加、好ましくは、0.01〜5質量部である。
本発明の洗浄用組成物の製造方法は特に制限されるものではなく、所定量の有機オニウム塩を溶剤と混合し溶解させればよい。有機オニウム塩を溶剤に溶解させる方法は特に制限される物ではなく、有機オニウム塩をそのまま溶剤に添加して溶解させても良いが、有機溶剤に、加熱融解させたオニウム塩を添加して混合する方法や、有機オニウム塩が良く溶ける溶剤(極性溶剤)に溶解させた後に溶剤に添加する方法が好適に用いられる。また、不溶分が生じた場合には濾過等により除去することが好ましい。
本発明の洗浄用組成物を用いて洗浄することにより、微粒子、金属、絶縁物、有機物等の汚染物質を除去することができる。
本発明の洗浄用組成物は、ワックス、シリコーン、潤滑油や加工油の付着した製品の洗浄に好ましく用いられる。中でも、水分の存在や腐食、表面平滑度が問題となる、各種電子部品(電気素子や半導体基板等)の洗浄に特に好適に用いられる。具体的に例を挙げて説明すると、回路パターン形成済みシリコンウエハー、薄膜磁気ヘッド、化合物半導体、プリント基板、実装基盤、磁気記録ディスク等を挙げることができるが、特に磁気ヘッドの洗浄に好適である。また、洗浄方法としては、公知の洗浄方法で行えば良く、例えば洗浄対象物に洗浄剤をスプレーで吹き付けた後、布または刷毛でふき取る方法、予め洗浄剤を含ませた布、スポンジ、あるいはフェルト等でふき取る方法、又は洗浄剤中に浸けてブラシ等で洗浄した後、風乾する方法などで行うことができ、用途、洗浄剤の特性に応じて適当な方法を選択すればよい。
また、洗浄剤の洗浄特性を更に改良するために、界面活性剤等、洗浄剤の添加成分として公知の添加剤をさらに配合することも可能である。
このようにして洗浄された製品、加工物などは、その表面はきれいにワックス等の油類が除去され、洗浄剤によって汚損されることもない。さらに、洗浄物が帯電することもなく、塵等が付着しにくくなり、清浄な面が常に保持されることによって、製品価値を損なうこと無く、又は製造又は加工工程で余計な洗浄や清掃を省くことができる。さらには、洗浄用組成物の帯電による静電破壊や発火の危険性が低減され、余分な安全装置や特殊な行程をも省くことができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)比抵抗の測定
トクヤマ製連続比抵抗計TOR−2000を用い、室温にて測定した。
(2)放置後水分量の測定
洗浄用組成物を大気開放下、室温で24時間攪拌した後、カールフィッシャー水分計を用いて水分量を測定した。
(3)洗浄後表面観察
縦20mm、横20mm、厚さ2mmの表面研磨した鉄片にポリジメチルシロキサンを刷毛を用いて均一に塗布したテストサンプルを洗浄用組成物内に浸けて室温で3時間放置した。その後、サンプルを引き上げて風乾した後、その表面を光学顕微鏡(500倍)で観察した。
実施例1
テトラオクチルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメタンスルフォニル)アセタミド9.01g(12.7mmol)を、イソプロピルアルコール30gに溶解させた後、ノルマルパラフィン系溶剤TPS−2250(トクヤマ社製、引火点71℃)4L(3004g)に対して添加して無色透明で均一な洗浄剤を得た。この洗浄剤の比抵抗を測定したところ、2.0GΩであった。この洗浄液をTREK社製チャージドプレートモニター158を用いて1000Vの電圧をかけ、500Vまで減衰する時間を測定した所、1.6秒であり、十分な帯電防止性があることが確認できた。この洗浄剤の放置後水分量は、49ppmであり、洗浄後表面観察では、粉体等による汚れ、表面の傷ともに見られなかった。
比較例1
テトラオクチルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメタンスルフォニル)アセタミドの代わりに、ドデシルスルフォン酸ナトリウム塩12.7mmolを用いた以外、実施例1と同様に溶解させようとしたところ、ドデシルスルフォン酸ナトリウム塩の溶け残りが生じた。塩を溶かすためにイソプロピルアルコール330gをさらに添加して溶解を試みたが全ては溶解しなかった。この液の上澄みを取り比抵抗を測定したところ、比抵抗は850GΩであった。この洗浄液の放置後水分量は723ppmであり、洗浄後表面観察では表面に粉状の汚損が見られた。
実施例2〜3
表1に示す有機オニウム塩を、表1に示す量用いた以外、実施例1と同様に操作した。比抵抗及び水分量の評価結果を表1に示す。また、いずれの洗浄用組成物でも洗浄後表面観察では、粉体等による汚れ、表面の傷ともに見られなかった。
Figure 0004519487
実施例4〜18及び比較例2〜11
表2〜4に記載した種類と量の有機オニウム塩を、表2に示す量の1−オクタノールに溶解し、これを4Lのノルマルパラフィン系溶剤TPS−2250に添加して無色透明の洗浄用組成物を得た。比抵抗及び水分量の評価結果を表2〜4に併せて示した。また、これら各実施例の洗浄用組成物を用いた場合の洗浄後表面観察では、いずれも粉体等による汚れ、表面の傷ともに見られなかった。
Figure 0004519487
Figure 0004519487
Figure 0004519487
実施例19〜20
ノルマルパラフィン系溶剤TPS−2250(トクヤマ社製、引火点71℃)の代わりに表5に示す溶剤を用いた以外、実施例2と同様に操作した(有機オニウム塩添加量6.4mmol)。いずれも洗浄後表面観察では、粉体等による汚れ、表面の傷ともに見られなかった。結果を表5に示す。
Figure 0004519487
実施例21
洗浄しようとする、アルティック(Al・TiC)上に薄膜磁気ヘッドパターンを形成した基板を切断、ラップしたバー(1.0mm×0.1mm×100mm)で、その表面はシリコーンオイル、フラックス残渣で汚染されていることを目視で確認した。
ブラシスクラバーを備えた洗浄槽、第一リンス槽、第二リンス槽、乾燥槽から構成されたクローズド基盤洗浄システムを用意した。前述した洗浄するバーを洗浄槽に搬入した。実施例1で製造した洗浄液を両側面より散布しながら回転式豚毛製スクラブブラシを両面から当ててブラシスクラビング洗浄を行った。この時の洗浄液温度は30℃とした。次いでこの洗浄したバーを液切りブロー後第一リンス槽に転送し、N−メチルピロリドンを両面より散布してリンスした。次いで、第二リンス槽に転送し、イソプロピルアルコールを両面噴流方式で散布しリンスを行った。次いで液きりブロー後乾燥槽に転送し、80℃の熱風で上下エアーブローで乾燥した。
洗浄後のバーを目視したところ、バー上にシリコーンオイル、フラックス残渣は確認されなかった。さらに反射型FTIRを用いてバー表面を分析したところ、シリコーンオイルのピークは観測されなかった。また、得られたバーをSEMを用いて2万倍で観察したところ、表面の腐食、静電破壊による欠損、付着粒子は見られなかった。
実施例22及び比較例12
テトラオクチルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメタンスルフォニル)アセタミド、又はトリラウリルメチルアンモニウム・クロライドの所定量をノルマルパラフィン系溶剤TPS−2250に対して添加した。なお、トリラウリルメチルアンモニウム・クロライドはTPS−2250に溶解しにくいため、一旦イソプロピルアルコールとの混合物{トリラウリルメチルアンモニウム・クロライド:イソプロピルアルコール=80:20(質量比)}として液状にした後、TPS−2250に添加した。図1に、これらの添加量と比抵抗の関係を調べた結果を示した。従来型の帯電防止材であるトリラウリルメチルアンモニウム・クロライドに比して、テトラオクチルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメタンスルフォニル)アセタミドは遥かに少量の添加量で高い効果を与えることが判る。
テトラオクチルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメタンスルフォニル)アセタミド又はトリラウリルメチルアンモニウムアンモニウム・クロライドを帯電防止剤として用いた場合の、各々の添加量と比抵抗の関係を示す図である。

Claims (3)

  1. 炭化水素系有機溶剤を90質量%以上含む溶剤100質量部に対し、下記式(I)で示されるアニオンと下記式(II)
    Figure 0004519487

    (式中、A 、A はそれぞれ独立にフルオロアシル基、フルオロアルキルスルフォニル基又はニトリル基を示す。)
    Figure 0004519487

    式中、Zは窒素原子又は燐原子を示し、R 、R 、R 、R はいずれも炭素数2〜20の炭化水素基であり、かつこれらのうちの少なくともいずれか一つは炭素数8以上の炭化水素基を示す。)
    で示される第4級アンモニウムカチオン及び第4級ホスホニウムカチオンから選ばれる有機オニウムカチオンとからなる有機オニウム塩が0.001〜10質量部の範囲で含まれる洗浄用組成物。
  2. 電子部品洗浄用である、請求項1記載の洗浄用組成物。
  3. 請求項1又は請求項2記載の洗浄用組成物を用いることを特徴とする、電子部品の汚染物質を除去するための洗浄方法。
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