JP4519393B2 - 垂直磁気記録ヘッドおよびその製造方法、ならびに磁気記録装置 - Google Patents

垂直磁気記録ヘッドおよびその製造方法、ならびに磁気記録装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも記録用の誘導型磁気変換素子を備えた垂直磁気記録ヘッドおよびその製造方法、ならびにその垂直磁気記録ヘッドを搭載した例えばハードディスクドライブなどの磁気記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種情報の記憶源として、例えばハードディスクドライブなどの磁気記録装置が普及している。このハードディスクドライブの開発分野では、磁気記録媒体(以下、単に「記録媒体」という)、すなわちハードディスクの面記録密度の向上に伴い、薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められている。薄膜磁気ヘッドに適用される磁気記録方式としては、例えば、信号磁界の向きを記録媒体の面内方向(長手方向)にする長手記録方式と、記録媒体の面に対して垂直な方向にする垂直記録方式とが知られている。現在のところは長手記録方式が広く利用されているが、面記録密度の向上に伴う市場動向を考慮すれば、今後、長手記録方式に代わり垂直記録方式が有望視されるものと想定される。なぜなら、垂直記録方式では、高い線記録密度を確保可能な上、記録済みの記録媒体が熱揺らぎの影響を受けにくいという利点が得られるからである。
【0003】
垂直記録方式を利用した記録態様としては、例えば、(1)一端側においてギャップを介して互いに対向し、かつ他端側において互いに磁気的に連結されてなるヘッド(リング型ヘッド)と、単層構成の記録媒体とを用いる態様や、(2)記録媒体に対して垂直に配置されたヘッド(単磁極型ヘッド)と、2層構成の記録媒体とを用いる態様などが提案されている。これらの態様のうち、単磁極型ヘッドと2層構成の記録媒体との組み合わせを用いる態様は、熱揺らぎに対する耐性が顕著に優れている点に基づき、薄膜磁気ヘッドの性能向上を実現し得るものとして注目されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、垂直記録方式の薄膜磁気ヘッドの記録性能を向上させるためには、例えば、ヘッドのスキューに起因する不具合の影響を可能な限り抑制する必要がある。このスキューとは、ハードディスクドライブの稼動時において、ハードディスクの円周接線方向に対して薄膜磁気ヘッドが傾いて配置することである。ヘッドがスキューすると、主に薄膜磁気ヘッドの構造的要因により、記録パターンの拡大や屈曲が生じる可能性がある。記録パターンの拡大や屈曲が生じると、隣接トラックへのクロストークが発生して再生時のエラーレート(誤り率)が増大するため、記録性能が低下してしまう。
【0005】
しかしながら、従来の垂直記録方式の薄膜磁気ヘッドでは、今後益々急増することが予想される面記録密度の推移を考慮すると、スキュー時における記録パターンの拡大・屈曲抑制に関する対策が未だ十分なものではなかった。さらに、スキューに起因する記録パターンの拡大・屈曲抑制を考慮して薄膜磁気ヘッドを設計する際には、薄膜磁気ヘッドの量産性も考慮し、製造技術を煩雑化することなく可能な限り簡単に製造可能となるようにすることが重要である。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、スキューに起因する記録パターンの拡大・屈曲を抑制し、記録性能を向上させることが可能な垂直磁気記録ヘッドを提供することにある。
【0007】
また、本発明の第2の目的は、可能な限り簡単に本発明の垂直磁気記録ヘッドを製造可能な垂直磁気記録ヘッドの製造方法を提供することにある。
【0008】
さらに、本発明の第3の目的は、記録性能を向上させることが可能な磁気記録装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る垂直磁気記録ヘッドは、所定の媒体進行方向に移動する記録媒体を備えた磁気記録装置に用いられ、磁束を発生させる薄膜コイルと、薄膜コイルにおいて発生した磁束を記録媒体に向けて放出する磁極層とを備えたものであり、磁極層が、記録媒体に対向する記録媒体対向面に一端面が露出すると共に記録媒体の記録トラック幅を規定する主磁極一定幅部分と、主磁極一定幅部分の後方に連結され、それよりも大きい幅を有する主磁極拡幅部分と、を有する主磁極層と、記録媒体対向面から後退した領域において主磁極層の媒体流出側に配設され、主磁極層の幅が拡がる位置から後方に向かって延在する補助磁極一定幅部分と、補助磁極一定幅部分の後方に連結され、それよりも大きい幅を有する補助磁極拡幅部分と、を有する補助磁極層とを含み、主磁極層が、媒体進行方向における媒体流入側に位置すると共に第1の飽和磁束密度を有する第1の主磁極層部分と、媒体進行方向における媒体流出側に位置すると共に第1の飽和磁束密度よりも大きい第2の飽和磁束密度を有する第2の主磁極層部分とを含む積層構造を有し、補助磁極層が、媒体流出側に位置すると共に第3の飽和磁束密度を有する第1の補助磁極層部分と、媒体流入側に位置すると共に第3の飽和磁束密度よりも大きい第4の飽和磁束密度を有する第2の補助磁極層部分とを含む積層構造を有するようにしたものである。
【0010】
なお、「所定の媒体進行方向」とは、垂直磁気記録ヘッドに対して記録媒体が相対的に移動する方向のことである。媒体進行方向に向かう記録媒体の移動状態を1つの流れと見た場合に、その流れの流出する側が「媒体流出側」に相当し、その流れの流入する側が「媒体流入側」に相当する。
【0011】
本発明に係る垂直磁気記録ヘッドの製造方法は、所定の媒体進行方向に移動する記録媒体を備えた磁気記録装置に用いられ、磁束を発生させる薄膜コイルと、薄膜コイルにおいて発生した磁束を記録媒体に向けて放出する磁極層とを備えた垂直磁気記録ヘッドを製造する方法であり、磁極層を形成する工程が、記録媒体に対向する記録媒体対向面に一端面が露出すると共に記録媒体の記録トラック幅を規定する主磁極一定幅部分と、主磁極一定幅部分の後方に連結され、それよりも大きい幅を有する主磁極拡幅部分と、を有するように、磁極層の一部をなす主磁極層を形成する工程と、記録媒体対向面から後退した領域において主磁極層の媒体流出側に、主磁極層の幅が拡がる位置から後方に向かって延在する補助磁極一定幅部分と、補助磁極一定幅部分の後方に連結され、それよりも大きい幅を有する補助磁極拡幅部分と、を有するように、磁極層の他の一部をなす補助磁極層を形成する工程とを含み、主磁極層が、媒体進行方向における媒体流入側に位置すると共に第1の飽和磁束密度を有する第1の主磁極層部分と、媒体進行方向における媒体流出側に位置すると共に第1の飽和磁束密度よりも大きい第2の飽和磁束密度を有する第2の主磁極層部分とを含む積層構造を有するようにし、補助磁極層が、媒体流出側に位置すると共に第3の飽和磁束密度を有する第1の補助磁極層部分と、媒体流入側に位置すると共に第3の飽和磁束密度よりも大きい第4の飽和磁束密度を有する第2の補助磁極層部分とを含む積層構造を有するようにしたものである。
【0012】
本発明に係る垂直磁気記録ヘッドまたはその製造方法では、記録時において、主磁極層のうち、主に、飽和磁束密度が大きい媒体流出側の第2の主磁極層部分により書き込みが行われる。
【0013】
本発明に係る磁気記録装置は、所定の媒体進行方向に移動する記録媒体と、記録媒体に磁気的に情報を記録する垂直磁気記録ヘッドとを備え、垂直磁気記録ヘッドが、磁束を発生させる薄膜コイルと、薄膜コイルにおいて発生した磁束を記録媒体に向けて放出する磁極層とを含むものであり、磁極層が、記録媒体に対向する記録媒体対向面に一端面が露出すると共に記録媒体の記録トラック幅を規定する主磁極一定幅部分と、主磁極一定幅部分の後方に連結され、それよりも大きい幅を有する主磁極拡幅部分と、を有する主磁極層と、記録媒体対向面から後退した領域において主磁極層の媒体流出側に配設され、主磁極層の幅が拡がる位置から後方に向かって延在する補助磁極一定幅部分と、補助磁極一定幅部分の後方に連結され、それよりも大きい幅を有する補助磁極拡幅部分と、を有する補助磁極層とを含み、主磁極層が、媒体進行方向における媒体流入側に位置すると共に第1の飽和磁束密度を有する第1の主磁極層部分と、媒体進行方向における媒体流出側に位置すると共に第1の飽和磁束密度よりも大きい第2の飽和磁束密度を有する第2の主磁極層部分とを含む積層構造を有し、補助磁極層が、媒体流出側に位置すると共に第3の飽和磁束密度を有する第1の補助磁極層部分と、媒体流入側に位置すると共に第3の飽和磁束密度よりも大きい第4の飽和磁束密度を有する第2の補助磁極層部分とを含む積層構造を有するようにしたものである。
【0014】
本発明に係る磁気記録装置では、本発明の垂直磁気記録ヘッドにより、記録媒体に磁気的に情報が記録される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
[第1の実施の形態]
<薄膜磁気ヘッドの構成>
まず、図1〜図3を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成について説明する。図1は薄膜磁気ヘッドの断面構成を表しており、(A)はエアベアリング面に平行な断面,(B)はエアベアリング面に垂直な断面をそれぞれ示している。図2および図3は、図1に示した薄膜磁気ヘッドの要部の拡大斜視構成および拡大平面構成をそれぞれ表している。なお、図1に示した上向きの矢印Bは、薄膜磁気ヘッドに対して記録媒体(図示せず)が相対的に進行する方向、すなわち記録媒体の進行方向(媒体進行方向)を表している。
【0017】
以下の説明では、図1〜図3の各図中におけるX軸方向の距離を「幅」、Y軸方向の距離を「長さ」、Z軸方向の距離を「厚み」と表記する。また、Y軸方向のうちのエアベアリング面20に近い側を「前側または前方」、その反対側を「後側または後方」とそれぞれ表記するものとする。これらの表記内容は、後述する図4以降においても同様とする。
【0018】
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは、例えばハードディスクドライブなどの磁気記録装置に搭載されるものである。この薄膜磁気ヘッドは、例えば、記録・再生の双方の機能を実行可能な複合型ヘッドであり、図1に示したように、例えばアルティック(Al2 3 ・TiC)などのセラミック材料よりなる基板1上に、例えば酸化アルミニウム(Al2 3 ;以下、単に「アルミナ」という)よりなる絶縁層2と、磁気抵抗効果(MR;Magneto-resistive )を利用して再生処理を実行する再生ヘッド100Aと、例えばアルミナよりなる非磁性層7と、垂直記録方式により記録処理を実行する記録ヘッド100Bと、例えばアルミナなどよりなるオーバーコート層15がこの順に積層された構成をなしている。
【0019】
《再生ヘッドの構成》
再生ヘッド100Aは、例えば、下部シールド層3と、シールドギャップ膜4と、上部シールド層5とがこの順に積層された構成をなしている。シールドギャップ膜4には、記録媒体に対向する記録媒体対向面(エアベアリング面)20に露出するように、再生素子としてのMR素子6が埋設されている。
【0020】
下部シールド層3および上部シールド層5は、例えば、いずれもニッケル鉄合金(NiFe(以下、単に「パーマロイ(商品名)」という);Ni:80重量%,Fe:20重量%)などの磁性材料により構成されており、それらの厚みはいずれも約1.0μm〜2.0μmである。シールドギャップ膜4は、MR素子6を周囲から電気的に分離するものであり、例えばアルミナなどの非導電性非磁性材料により構成されている。MR素子6は、例えば、巨大磁気抵抗効果(GMR;Giant Magneto-resistive )またはトンネル磁気抵抗効果(TMR;Tunneling Magneto-resistive )などを利用したものである。
【0021】
《記録ヘッドの構成》
記録ヘッド100Bは、例えば、リターンヨーク8と、開口9Kを有するギャップ層9により埋設された磁束発生用の薄膜コイル10と、開口9Kにおいてリターンヨーク8と磁気的に連結されたヨーク11と、このヨーク11を介してリターンヨーク8と磁気的に連結された主磁極層12と、この主磁極層12と対向し合う領域に非磁性層13を挟む補助磁極層14と、非磁性層パターン32Pとがこの順に積層された構成をなしている。なお、図3では、非磁性層13および非磁性層パターン32Pの図示を省略していると共に、主磁極層12と補助磁極層14との区別を明確にするために、主磁極層12に濃い網掛けを施し、補助磁極層14に淡い網掛けを施している。
【0022】
リターンヨーク8は、主に、主磁極層12から外部に放出された磁束を記録ヘッド100Bに取り込むものである。このリターンヨーク8は、例えばパーマロイ(Ni:80重量%,Fe:20重量%)などの磁性材料により構成されており、その厚みは約1.0μm〜5.0μmである。
【0023】
ギャップ層9は、リターンヨーク8上に配設され、開口9Kが設けられたギャップ層部分9Aと、このギャップ層部分9A上に配設され、薄膜コイル10の各巻線間およびその周辺領域を覆うギャップ層部分9Bと、ギャップ層部分9A,9Bを部分的に覆うギャップ層部分9Cとを含んで構成されている。ギャップ層部分9Aは、例えばアルミナなどの非導電性非磁性材料により構成されており、その厚みは約0.1μm〜1.0μmである。ギャップ層部分9Bは、例えば、加熱されることにより流動性を示すフォトレジスト(感光性樹脂)やスピンオングラス(SOG)などにより構成されている。ギャップ層部分9Cは、例えばアルミナやシリコン酸化物(SiO2 )などの非導電性非磁性材料により構成されており、その厚みはギャップ層部分9Bの厚みよりも大きくなっている。
【0024】
ヨーク11は、リターンヨーク8と主磁極層12との間を磁気的に連結させるためのものであり、例えばパーマロイ(Ni:80重量%,Fe:20重量%)などの磁性材料により構成されている。このヨーク11は、例えば、その高さ方向における表面の位置がギャップ層部分9Cの同方向における表面の位置と一致しており、すなわちギャップ層部分9Cと共に平坦面Mを構成している。
【0025】
薄膜コイル10は、例えば、銅(Cu)などの高導電性材料により構成されており、リターンヨーク8とヨーク11との連結部分を中心としてスパイラル状に巻回する巻線構造をなしている。なお、図1および図3では、薄膜コイル10を構成する複数の巻線のうちの一部のみを示している。
【0026】
主磁極層12、非磁性層13および補助磁極層14がこの順に積層された積層構造体は、主に、薄膜コイル10において発生した磁束を収容し、その磁束を記録媒体(図示せず)に向けて放出するものである。ここで、主磁極層12、非磁性層13および補助磁極層14よりなる積層構造体が本発明における「磁極層」の一具体例に対応する。
【0027】
主磁極層12は、主要な磁束の流路となる部分であり、その厚みは約0.1μm〜0.5μmである。この主磁極層12は、エアベアリング面20から後方に向かって延在しており、互いに同一の平面形状をなす2つの部分、すなわち、非磁性層13の配設位置を基準として主磁極層12と補助磁極層14との位置関係を見た場合に、媒体流入側に位置する下部主磁極層12Aと、媒体流出側に位置する上部主磁極層12Bとがこの順に積層された構成をなしている。「媒体流入側」とは、媒体進行方向Bに向かう記録媒体の移動状態を1つの流れと見た場合にその流れの流入する側をいい、一般に「リーディング側」とも呼ばれている。一方、「媒体流出側」とは、その流れの流出する側をいい、一般に「トレーリング側」とも呼ばれている。ここでは、例えば、図中のZ軸方向において、ギャップ層9に近い側(図中の下側)が「媒体流入側」,遠い側(図中の上側)が「媒体流出側」に相当する。下部主磁極層12Aは、第1の飽和磁束密度J1を有する材料、例えば約1.0T(テスラ)〜1.8Tのパーマロイ(Ni:80重量%,Fe:20重量%)やコバルト鉄ニッケル合金(CoFeNi)などにより構成されている。上部主磁極層12Bは、第1の飽和磁束密度J1よりも大きい第2の飽和磁束密度J2(J2>J1)を有する材料、例えば約2.0T以上の鉄コバルト合金(FeCo)、窒化鉄系合金(Fe−M−N;Mは4A,5A,6A,3B,4B族の金属元素)、あるいはこれらの各合金の窒化物などにより構成されている。下部主磁極層12Aよりも飽和磁束密度が大きい上部主磁極層12Bは、主要な磁束の放出路となる部分であり、その厚みは、例えば、主磁極層12全体の厚みの約70%以下になっている。ここで、下部主磁極層12Aが本発明における「第1の主磁極層部分」の一具体例に対応し、上部主磁極層12Bが本発明における「第2の主磁極層部分」の一具体例に対応する。
【0028】
下部主磁極層12Aは、例えば、エアベアリング面20から順に、極微小な一定幅W1を有する先端部12A1と、この先端部12A1よりも大きな幅W2(W2>W1)を有する後端部12A2とを含んで構成されている。上部主磁極層12Bは、例えば、下部主磁極層12Aを構成する先端部12A1および後端部12A2にそれぞれ対応する先端部12B1および後端部12B2を含んで構成されている。先端部12A1,12B1は、いずれもエアベアリング面20に露出しており、それらの幅W1は、記録媒体の記録トラック幅を規定するものである。後端部12A2,12B2は、薄膜コイル10において発生した磁束を収容する主要な磁束収容部分であり、例えば、前方において幅が徐々に大きくなり、かつ後方において一定幅(W2)をなしている。この後端部12A2,12B2の前端縁により、主磁極層12の幅が拡がる位置、すなわちフレアポイントFPが規定されている。なお、フレアポイントFPよりも前方において、ギャップ層部分9Cのうち、先端部12A1,12B1に対応する部分以外の領域は、部分的に掘り下げられている。ここで、先端部12A1,12B1の集合体が本発明における「一定幅部分」の一具体例に対応する。
【0029】
補助磁極層14は、主に、上部主磁極層12Bの先端部12B1に磁束を供給すべく、薄膜コイル10において発生した磁束を収容するための補助的な磁束収容部分であり、その厚みは約0.1μm〜0.6μmである。この補助磁極層14は、エアベアリング面20から所定の距離(リセス距離L=約0.2μm〜1.0μm)だけ後退した領域において、主磁極層12の媒体流出側に配設されている。補助磁極層14は、フレアポイントFPから後方に向かって延在しており、例えば、互いに同一の平面形状をなす2つの部分、すなわち媒体流入側に位置する下部補助磁極層14Aと、媒体流出側に位置する上部補助磁極層14Bとがこの順に積層された構成をなしている。上部補助磁極層14Bは、第3の飽和磁束密度J3を有する材料、例えば下部主磁極層12Aと同様に第1の飽和磁束密度J1を有する材料により構成されている。下部補助磁極層14Aは、第3の飽和磁束密度J3よりも大きい第4の飽和磁束密度J4(J4>J3)を有する材料により構成されている。この第4の飽和磁束密度J4は、例えば、第1の飽和磁束密度J1よりも大きく、より具体的には第2の飽和磁束密度J2と等しい。ここで、上部補助磁極層14Bが本発明における「第1の補助磁極層部分」の一具体例に対応し、下部補助磁極層14Aが本発明における「第2の補助磁極層部分」の一具体例に対応する。
【0030】
下部補助磁極層14Aは、例えば、フレアポイントFPから順に、一定幅W1を有する先端部14A1と、この先端部14A1よりも大きな幅W2を有する後端部14A2とを含んで構成されており、非磁性層13により上部主磁極層12Bから完全に分離されている。上部補助磁極層14Bは、例えば、下部補助磁極層14Aを構成する先端部14A1および後端部14A2にそれぞれ対応する先端部14B1および後端部14B2を含んで構成されている。後端部14A2,14B2の幅は、例えば、前方において徐々に大きくなり、かつ後方において一定幅(W2)をなしている。
【0031】
非磁性層13は、主に、主磁極層12の形成時において、エッチング処理の進行度を抑制するためのストッパ層として機能するものであり、上部主磁極層12Bと下部補助磁極層14Aとの間に、両者を分離するように配設されている。なお、ストッパ層としての非磁性層13の機能に関する詳細については、後述する。この非磁性層13は、例えばアルミナなどにより構成されており、その厚みは約0.015μm〜0.65μmである。非磁性層13は、主磁極層12とほぼ同様の平面形状をなしている。
【0032】
非磁性層パターン32Pは、主に、補助磁極層14の形成時において、エッチング処理の進行度を抑制するためのストッパ層として機能するものである。なお、ストッパ層としての非磁性層パターン32Pの機能に関する詳細については、後述する。この非磁性層パターン32Pは、例えばアルミナなどにより構成されており、補助磁極層14とほぼ同様の平面形状をなしている。
【0033】
<薄膜磁気ヘッドの動作>
次に、図1〜図3を参照して、薄膜磁気ヘッドの動作について説明する。
【0034】
この薄膜磁気ヘッドでは、情報の記録時において、図示しない外部回路を通じて記録ヘッド100Bの薄膜コイル10に電流が流れると、薄膜コイル10において磁束が発生する。このとき発生した磁束は、ヨーク11を通じて主磁極層12に収容されると共に、非磁性層13を通過して補助磁極層14にも収容される。主磁極層12に収容された磁束は、下部主磁極層12A内を後端部12A2から先端部12A1に向かって流れると共に、上部主磁極層12B内を後端部12B2から先端部12B1へ向かって流れる。このとき、主磁極層12の幅の減少(W2→W1)に伴い、飽和磁束密度(第1の飽和磁束密度J1)の小さい下部主磁極層12Aでは磁束飽和が生じるが、飽和磁束密度(第2の飽和磁束密度J2>第1の飽和磁束密度J1)の大きい上部主磁極層12Bでは磁束飽和が生じないため、磁束は主に上部主磁極層12B内を優先的に流れて先端部12B1に流入する。一方、補助磁極層14に収容された磁束は、下部補助磁極層14A内を後端部14A2から先端部14A1に向かって流れると共に、上部補助磁極層14B内を後端部14B2から先端部14B1へ向かって流れる。このとき、主磁極層12と同様に、飽和磁束密度(第3の飽和磁束密度J3)の小さい上部補助磁極層14Bでは磁束飽和が生じるが、飽和磁束密度(第4の飽和磁束密度J4>第3の飽和磁束密度J3)の大きい下部補助磁極層14Aでは磁束飽和が生じないため、磁束は主に下部補助磁極層14A内を優先的に流れて先端部14A1に流入し、その先端部14A1の先端近傍に集中したのち、再び非磁性層13を通過して上部主磁極層12Bの先端部12B1に流入する。先端部12B1に流入した磁束は、主に、先端部12B1のトレーリング側部分に集中する。先端部12B1のトレーリング側部分に集中した磁束が放出されることにより、記録媒体の表面と直交する方向(垂直方向)に磁界(垂直磁界)が発生し、この垂直磁界によって記録媒体が垂直方向に磁化されることにより、記録媒体に情報が記録される。
【0035】
一方、再生時においては、再生ヘッド100AのMR素子6にセンス電流が流れると、記録媒体からの再生用の信号磁界に応じてMR素子6の抵抗値が変化する。この抵抗変化をセンス電流の変化として検出することにより、記録媒体に記録されている情報が読み出される。
【0036】
<第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの作用および効果>
以上説明したように、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、媒体流入側に位置して第1の飽和磁束密度J1を有する下部主磁極層12Aと、媒体流出側に位置して第1の飽和磁束密度J1よりも大きい第2の飽和磁束密度J2を有する上部主磁極層12Bとの積層構造をなすように主磁極層12を構成したので、以下の理由により、スキューに起因する記録パターンの拡大を抑制し、記録性能を向上させることができる。
【0037】
図4は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドに関する利点を説明するためのものであり、主磁極層12(下部主磁極層12A,上部主磁極層12B)の先端面を拡大して示している。図5は、本実施の形態に対する比較例としての薄膜磁気ヘッドに関する問題点を説明するためのものであり、主磁極層12に対応する主磁極層112の先端面を示している。この主磁極層112は、例えば、下部主磁極層12Aと上部主磁極層12Bとが一体をなし(幅W1)、全体が第2の飽和磁束密度J2を有する点を除き、主磁極層12と同様の構成をなすものである。なお、図4および図5では、図中のZ軸方向における上側を媒体流出側(トレーリング側),下側を媒体流入側(リーディング側)とする。
【0038】
比較例の場合(図5)には、主磁極層112全体が第2の飽和磁束密度J2を有し、主磁極層112全体の飽和磁束密度が大きいため、薄膜磁気ヘッドの稼動時においてヘッドがスキューすると、主磁極層112による記録媒体への書き込みは、主磁極層112全体、すなわち主磁極層112のうち、媒体流出側の端縁112Tと側端縁112Sとにより行われる。この場合、主磁極層112の先端面の厚みをT2とし、記録媒体の円周接線方向Hに対して主磁極層112の側端縁112Sが角度(スキュー角度)ωだけ傾いたとすると、実質的な記録トラック幅TW2は、TW2=W1cosω+T2sinωとなる。
【0039】
これに対して、本実施の形態(図4参照)では、主磁極層12のうち、上部主磁極層12Bが第2の飽和磁束密度J2を有し、上部主磁極層12Bのみの飽和磁束密度が大きいため、上記したように、磁束飽和が生じる部主磁極層12Aは磁束の放出路としての機能をほとんど果たさず、上部主磁極層12Bが主な磁束の放出路となる。したがって、スキュー時における主磁極層12による書き込みは、上部主磁極層12Bのみ、すなわち上部主磁極層12Bのうち、媒体流出側の端縁12BTと側端縁12BSとにより行われることとなる。この場合には、上部主磁極層12Bの先端面の厚みをT1とし、上記比較例の場合と同様のスキュー角度ωだけヘッドがスキューすると、実質的な記録トラック幅TW1は、TW1=W1cosω+T1sinωとなる。すなわち、記録トラック幅TW1,TW2を比較すると、厚みT1,T2についてT1<T2の関係があることから、本実施の形態における記録トラック幅TW1は、比較例における記録トラック幅TW2よりも小さくなる(TW1<TW2)。したがって、本実施の形態では、比較例の場合よりもスキューに起因する記録パターンの拡大を抑制し、これにより記録性能を向上させることが可能となる。
【0040】
さらに、本実施の形態では、上記した主磁極層12の構造的特徴に基づき、以下の理由により、比較例の場合と比較して、スキューに起因する記録パターンの屈曲を抑制することもできる。
【0041】
すなわち、安定な記録特性を確保する上では、本来、記録パターンが直線状をなすことが好ましいが、ヘッドがスキューすると、主に主磁極層の側面部から放出される磁束に起因して、記録パターンが屈曲する場合がある。この場合には、記録性能を安定化させるために、記録パターンの屈曲現象を可能な限り抑制する必要がある。上記した比較例(図5参照)では、主磁極層112の媒体流出側の端縁112T(距離W1)と側端縁112S(距離T2)とにより記録パターンが規定されるのに対して、本実施の形態(図4参照)では、上部主磁極層12Bの媒体流出側の端縁12BT(距離W1)と側端縁12BS(距離T1)とにより記録パターンが規定される。すなわち、比較例と本実施の形態とについて記録パターンの屈曲の程度を比較すると、距離T1,T2についてT1<T2の関係があることから、本実施の形態では、上部主磁極層12Bの側端縁12BSから放出される磁束に起因する記録パターン長が比較的短くなる。したがって、本実施の形態では、比較例の場合よりも、スキューに起因する記録パターンの屈曲が抑制される。
【0042】
また、本実施の形態では、主磁極層12のうちの広幅の後端部12A2,12B2がエアベアリング面20から僅かなリセス距離L(=約0.2μm〜1.0μm)だけ離れて配設されているため、この後端部12A2,12B2の配設位置により規定されるフレアポイントFPがエアベアリング面20に近くなる。この場合には、上部主磁極層12B内において、後端部12B2に収容された磁束が、エアベアリング面20近傍まで導かれたのち、先端部12B1から外部に放出される直前において集束されることとなる。したがって、フレアポイントFPがエアベアリング面20から遠い場合と比較して、より多くの磁束が先端部12B1に集中することとなるため、垂直磁界の発生強度を増加させることができる。
【0043】
また、本実施の形態では、上部主磁極層12Bと共に、エアベアリング面20から後退した領域において上部主磁極層12Bの媒体流出側に配設された補助磁極層14を備えるようにしたので、上記<薄膜磁気ヘッドの動作>の項において説明したように、薄膜コイル10において発生した磁束は、主磁極層12内を流れて先端部12B1に流入すると共に、補助磁極層14を経由して先端部12B1に流入する。すなわち、補助磁極層14は、非磁性層13により主磁極層12から完全に分離されているにもかかわらず、主要な磁束放出部分である先端部12B1に対して補助的に磁束を供給する役割を担うこととなる。これにより、上部主磁極層12B内を後端部12B2から先端部12B1に向かって流れる「主要な磁束の流入ルート」と共に、補助磁極層14から先端部12B1に流れる「補助的な磁束の流入ルート」も得られるため、主磁極層12のみで補助磁極層14を備えない場合と比較して、先端部12B1のトレーリング側部分に供給される磁束量はより多くなる。したがって、十分な量の磁束が先端部12B1のトレーリング側部分に供給されることにより、磁束の放出量が増加すると共に磁場勾配が急峻化するため、この観点においても垂直磁界の発生強度を増加させることができる。
【0044】
さらに、本実施の形態では、媒体流出側に位置して第3の飽和磁束密度J3を有する上部補助磁極層14Bと、媒体流入側に位置して第3の飽和磁束密度J3よりも大きい第4の飽和磁束密度J4を有する下部補助磁極層14Aとの積層構造をなすように補助磁極層14を構成すれば、補助磁極層14のうち、主要な磁束の流路となる下部補助磁極層14Aにおける磁束の収容量が増加する。したがって、補助磁極層14から上部主磁極層12Bの先端部12B1に供給される磁束量が増加するため、垂直磁界の発生強度をより増加させることができる。また、補助磁極層14に収容された磁束が上部主磁極層12Bへ供給されることに伴い、補助磁極層14内を流れる磁束が記録用磁界の発生に直接寄与しないため、補助磁極層14の存在に起因する記録媒体への悪影響、例えば補助磁極層14による記録媒体への直接書き込み等を防止することができる。
【0045】
なお、本実施の形態では、下部補助磁極層14Aだけでなく、上部補助磁極層14Bも「補助的な磁束の流入ルート」として機能し得るが、先端部12B1への磁束供給能は、下部補助磁極層14Aよりも上部補助磁極層14Bにおいて低くなる。なぜなら、上部補助磁極層14Bは下部補助磁極層14Aよりも薄膜コイル10から離れているため、薄膜コイル10において発生した磁束の収容割合は、下部補助磁極層14Aよりも上部補助磁極層14Bにおいて小さくなるからである。
【0046】
<第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドに関する変形例>
なお、本実施の形態では、下部補助磁極層14Aおよび上部補助磁極層14Bの2層構造をなすように補助磁極層14を構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。上記したように、先端部12B1に対する補助磁極層14の磁束供給能を考慮した場合、補助磁極層14全体の磁束供給能に対して上部補助磁極層14Bの磁束供給能が寄与する割合が極めて低いならば、例えば、図6に示したように、上部補助磁極層14Bを含まず、下部補助磁極層14Aのみにより補助磁極層14を構成してもよい。この場合、補助磁極層14は、磁束収容量を確保する観点から、上部主磁極層12Bと同様に第2の飽和磁束密度J2を有する材料により構成されるのが好ましい。この場合においても、上記実施の形態の場合とほぼ同様の効果を得ることができる。なお、図6に示した薄膜磁気ヘッドに関する上記特徴部分以外の構成は、上記実施の形態において図1に示した場合と同様である。
【0047】
また、本実施の形態では、主磁極層12と補助磁極層14との間に両者を分離するための非磁性層13を設けるようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、図7に示したように、非磁性層13を設けず、補助磁極層14(下部補助磁極層14A)を主磁極層12(上部主磁極層12B)に隣接させるようにしてもよい。この場合には、上部主磁極層12Bと下部補助磁極層14Aとが互いに隣接して磁気的に連結されるため、非磁性層13を設けた場合と比較して、主磁極層12と補助磁極層14との間における磁束の流れを円滑化することができる。ただし、上記したように、非磁性層13は、主磁極層12の形成時においてストッパ層として機能するものであるため、非磁性層13を設けない場合には、主磁極層12の形成に際して不具合(厚みの目減り)が生じる可能性があることに留意すべきである。
【0048】
また、本実施の形態では、非磁性層7により上部シールド層5とリターンヨーク8とを分離し、これらの上部シールド層5とリターンヨーク8とが互いに別体をなすようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、非磁性層7を設けず、上部シールド層5とリターンヨーク8とを一体化させるようにしてもよい。この場合、上部シールド層5とリターンヨーク8との一体化層(上部シールド層兼リターンヨーク)の厚みは適宜設定可能であり、好ましくは約1.0μm〜5.0μmである。
【0049】
<薄膜磁気ヘッドの製造方法>
次に、図1〜図3および図8〜図18を参照して、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法について説明する。図8〜図13は薄膜磁気ヘッドの製造工程における各工程の断面構成を表し、図14〜図18はそれぞれ図8〜図12に示した各工程に対応する斜視構成をそれぞれ表している。
【0050】
以下では、まず、薄膜磁気ヘッド全体の製造方法の概略について説明したのち、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法が適用される要部、すなわち主磁極層12、非磁性層13および補助磁極層14の積層構造体の形成方法について詳細に説明する。なお、薄膜磁気ヘッドの製造方法およびその要部の形成方法を説明する際には、各構成要素の形成材料、形成位置および構造的特徴等については上記<薄膜磁気ヘッドの構成>の項において既に詳述したので、その説明を随時省略するものとする。
【0051】
《薄膜磁気ヘッドの製造方法の概略》
この薄膜磁気ヘッドは、例えば、スパッタリングなどの成膜技術、フォトリソグラフィ処理などを利用したパターニング技術、ならびにドライエッチングなどのエッチング技術などを含む既存の薄膜プロセスを用いて、各構成要素を順次形成して積層させることにより製造される。すなわち、まず、基板1上に絶縁層2を形成したのち、この絶縁層2上に、下部シールド層3と、MR素子6を埋設したシールドギャップ膜4と、上部シールド層5とをこの順に形成して積層させることにより、再生ヘッド100Aを形成する。
【0052】
続いて、再生ヘッド100A上に非磁性層7を形成したのち、この非磁性層7上に、リターンヨーク8と、開口9Kを有し、薄膜コイル10を埋設するギャップ層9(ギャップ層部分9A,9B,9C)と、開口9Kにおいてリターンヨーク8と連結されたヨーク11と、ヨーク11を介してリターンヨーク8と磁気的に連結された主磁極層12(下部主磁極層12A,上部主磁極層12B)と、非磁性層13と、補助磁極層14(下部補助磁極層14A,上部補助磁極層14B)と、非磁性層パターン32Pとをこの順に形成して積層させることにより、記録ヘッド100Bを形成する。
【0053】
最後に、記録ヘッド100B上にオーバーコート層15を形成したのち、機械加工や研磨加工によりエアベアリング面20を形成することにより、薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0054】
《薄膜磁気ヘッドの要部の形成方法》
薄膜磁気ヘッドの要部を形成する際には、ヨーク11を形成し、このヨーク11とギャップ層部分9Cとにより平坦面Mを構成したのち、まず、図8および図14に示したように、平坦面M上に、例えばスパッタリングを利用して、前駆主磁極層12AXと、前駆主磁極層12BXと、例えばアルミナなどよりなる前駆非磁性層13Xと、前駆補助磁極層14AXと、前駆補助磁極層14BXとをこの順に形成して積層させる。これらの一連の前駆層、すなわち前駆主磁極層12AX,12BX、前駆非磁性層13X、前駆補助磁極層14AX,14BXは、後工程においてパターニングされることによりそれぞれ下部主磁極層12A,上部主磁極層12B、非磁性層13、下部補助磁極層14A,上部補助磁極層14Bとなる前準備層である。前駆主磁極層12AXの形成材料としては、第1の飽和磁束密度J1を有する材料、例えば約1.0T〜1.8Tのパーマロイ(Ni:80重量%,Fe:20重量%)やコバルト鉄ニッケル合金(CoFeNi)などを用いるようにし、前駆主磁極層12BXの形成材料としては、第1の飽和磁束密度J1よりも大きい第2の飽和磁束密度J2を有する材料、例えば約2.0T以上の鉄コバルト合金(FeCo)、窒化鉄系合金(Fe−M−N;Mは4A,5A,6A,3B,4B族の金属元素)、またはこれらの各合金の窒化物などを用いるようにする。また、前駆補助磁極層14BXの形成材料としては、第3の飽和磁束密度J3を有する材料、例えば前駆主磁極層12AXと同様に第1の飽和磁束密度J1を有する材料を用いるようにし、前駆補助磁極層14AXの形成材料としては、第3の飽和磁束密度J3よりも大きい第4の飽和磁束密度J4を有する材料、例えば、第1の飽和磁束密度J1よりも大きく、より具体的には第2の飽和磁束密度J2と等しい材料を用いるようにする。
【0055】
続いて、前駆補助磁極層14BX上にフォトレジスト膜(図示せず)を形成したのち、フォトリソグラフィ処理を利用してフォトレジスト膜をパターニングすることにより、図8および図14に示したように、エッチング用のマスク層31を選択的に形成する。マスク層31を形成する際には、フォトリソグラフィ処理時においてフォトレジスト膜中の露光範囲を調整することにより、前駆補助磁極層14BXのうち、最終的に形成されることとなる主磁極層12のフレアポイントFP(図1〜図3参照)よりも後方の領域を覆うようにする。具体的には、例えば、最終的にエアベアリング面20となる位置よりもリセス距離L(=約0.2μm〜1.0μm)だけ後退可能なように、マスク層31の前端縁を位置合わせする。
【0056】
続いて、マスク層31を用い、例えばイオンミリングを利用して全体にエッチング処理を施すことにより、前駆補助磁極層14AX,14BXをパターニングする。このエッチング処理により、前駆補助磁極層14AX,14BXのうち、フレアポイントFPよりも前方の領域が選択的に除去され、図9および図15に示したように、前駆補助磁極層パターン14AY,14BYが形成される。なお、前駆補助磁極層パターン14AY,14BYを形成する際には、例えば、前駆補助磁極層14AX,14BXと共にマスク層31自体もエッチングされることを利用して、マスク層31が消失することとなるまでエッチング処理を続けるようにする。この場合、マスク層31により覆われていなかった領域では、エッチングレートの遅いアルミナよりなる前駆非磁性層13Xがストッパ層として機能する。すなわち、フレアポイントFPよりも前方の領域では、前駆補助磁極層14AX,14BXが除去されたのち、前駆非磁性層13Xがエッチングされて僅かに掘り下げられる程度に留まることとなる。これにより、エッチング処理の過剰進行が回避され、エッチング対象でない前駆主磁極層12BXまでエッチング処理が達することが回避される。なお、上記では、前駆補助磁極層パターン14AY,14BYの形成時においてマスク層31が除去するまでエッチング処理を続けるようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、前駆補助磁極層パターン14AY,14BYを形成した時点でエッチング処理を終了した際、マスク層31が残存している場合には、別途エッチング処理を施すことにより、残存しているマスク層31を選択的に除去するようにしてもよい。
【0057】
続いて、図10および図16に示したように、前駆非磁性層13Xの露出面および前駆補助磁極層パターン14BYの表面を覆うように、例えばスパッタリングを利用して、例えばアルミナよりなる非磁性層32を形成する。この非磁性層32は、主に、後工程において前駆補助磁極層パターン14AY,14BYや前駆主磁極層12AX,12BXをパターニングする際にマスクあるいはストッパとして用いられるものであり、前駆非磁性層13Xおよび前駆補助磁極層パターン14AY,14BYにより構成された下地構造に対応して、段差部Dを含むように形成される。
【0058】
続いて、図10および図16に示したように、フォトリソグラフィ処理を利用して、非磁性層32上に、フォトレジスト膜よりなるエッチング用のマスク層33を選択的に形成する。マスク層33を形成する際には、例えば、最終的に形成されることとなる補助磁極層14(下部補助磁極層14A,上部補助磁極層14B)の平面形状にほぼ対応して、先端部14A1,14B1と同様の一定幅W1を有する前方部分33Fと、この前方部分33Fよりも大きな幅を有する後方部分33Rとを含むパターン形状をなすようにし、特に、後工程においてエアベアリング面20となる位置から段差部Dを経由して後方まで前方部分33Fが延在するようにする。
【0059】
続いて、マスク層33を用い、例えば反応性イオンエッチング(RIE;Reactive Ion Etching)を利用して全体にエッチング処理を施す。このエッチング処理により、図11および図17に示したように、マスク層33とほぼ同様のパターン形状をなすように非磁性層32がパターニングされることにより、非磁性層パターン32Pが形成される。
【0060】
続いて、マスク層33,非磁性層パターン32Pおよび前駆補助磁極層パターン14AY,14BYをマスクとして用いて、例えばRIEを利用して引き続き全体にエッチング処理を施すことにより、前駆非磁性層13Xをパターニングする。このエッチング処理により、図11および図17に示したように、フレアポイントFPよりも前方の領域において、前駆非磁性層13Xのうち、マスク33の前方部分33Aに対応する部分以外の領域が選択的に除去されることにより、非磁性層13が形成される。なお、エッチング処理により、マスク層33自体もエッチングされ、その厚みが目減りする。
【0061】
続いて、マスク層33および非磁性層パターン32Pをマスクとして用い、例えばイオンミリングを利用して引き続き全体にエッチング処理を施すことにより、前駆補助磁極層パターン14AY,14BYをパターニングする。このエッチング処理により、図12および図18に示したように、フレアポイントFPよりも後方の領域において、前駆補助磁極層パターン14AY,14BYのうち、マスク層33に対応する部分以外の領域が選択的に除去されることにより、フレアポイントFPから順に先端部14A1および後端部14A2を含むように下部補助磁極層14Aが形成されると共に、先端部14B1および後端部14B2を含むように上部補助磁極層14Bが形成される。また、下部補助磁極層14Aおよび上部補助磁極層14Bが形成される際には、同時に、マスク層33、非磁性層パターン32Pおよび前駆補助磁極層パターン14AY,14BYをマスクとして前駆主磁極層12AX,12BXがパターニングされる。このエッチング処理により、フレアポイントFPよりも前方の領域において、前駆主磁極層12AX,12BXのうち、マスク層33の前方部分33Fに対応する部分以外の領域が選択的に除去されることにより、フレアポイントFPにおいて互いに磁気的に連結された先端部12A1および後端部12A2を含むように下部主磁極層12Aが形成されると共に、先端部12B1および後端部12B2を含むように上部主磁極層12Bが形成される。これにより、下部補助磁極層14Aと上部補助磁極層14Bとの積層構造をなす補助磁極層14が形成されると共に、下部主磁極層12Aと上部主磁極層12Bとの積層構造をなす主磁極層12が形成され、主磁極層12(下部主磁極層12A,上部主磁極層12B)、非磁性層13および補助磁極層14(下部補助磁極層14A、上部補助磁極層14B)よりなる積層構造体が完成する。補助磁極層14(下部補助磁極層14A,上部補助磁極層14B)の形成時には、非磁性層13がエッチング処理に対するストッパ層として機能するため、非磁性層13のうち、非磁性層パターン32Pに対応する部分以外の領域が途中まで選択的に掘り下げられる。なお、図12および図18では、エッチング処理によりマスク層33が消失し、非磁性層パターン32Pが露出した状態を表している。
【0062】
最後に、非磁性層パターン32Pをマスクとして用いて、引き続き全体にエッチング処理を施す。このエッチング処理により、図13および図2に示したように、非磁性層パターン32Pがエッチングされて目減りすると共に、フレアポイントFPよりも前方の領域において、先端部12A1,12B1周辺のギャップ層部分9Cが選択的に掘り下げられることとなる。これにより、主磁極層12、非磁性層13および補助磁極層14よりなる積層構造体が完成する。
【0063】
なお、上記《薄膜磁気ヘッドの要部の形成方法》の項では、説明の便宜上、エッチングによるパターニング処理が完了した時点で主磁極層12(下部主磁極層12A,上部主磁極層12B)、非磁性層13および補助磁極層14(下部補助磁極層14A,上部補助磁極層14B)が完成する旨を記載しているが、これらの主磁極層12、非磁性層13および補助磁極層14は、実際には、前駆主磁極層12AX,12BX、前駆非磁性層13Xおよび前駆補助磁極層パターン14AY,14BYのパターニング処理が完了したのち、エアベアリング面20の形成工程を経て最終的に完成することとなる。
【0064】
<第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法に関する作用および効果>以上説明したように、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法では、主磁極層12、非磁性層13および補助磁極層14よりなる積層構造体のうち、特に、第1の飽和磁束密度J1を有する下部主磁極層12Aと第1の飽和磁束密度J1よりも大きい第2の飽和磁束密度J2を有する上部主磁極層12Bとの積層構造をなす主磁極層12の形成手法として、成膜技術、パターニング技術ならびにエッチング技術などを含む既存の薄膜プロセスしか用いないため、主に主磁極層12について特徴的な構成を有し、スキューに起因する記録パターンの拡大・屈曲を抑制可能な本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドを簡単に製造することができる。
【0065】
<第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法に関する変形例>
なお、本実施の形態では、パターニング処理を行う際のエッチング手法としてイオンミリングやRIEを利用するようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、イオンミリングに代えてRIEを用い、一方、RIEに代えてイオンミリングを用いるようにしてもよい。もちろん、全てのパターニング処理に、イオンミリングまたはRIEのいずれか一方のみを用いるようにしてもよい。
【0066】
また、本実施の形態では、前駆主磁極層12AX,12BXを形成したのち、マスク層31,33等を用いて前駆主磁極層12X,12BXをパターニングすることにより下部主磁極層12Aおよび上部主磁極層12Bを形成するようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、上記形成手法に代えて、めっき処理を利用して下部主磁極層12Aおよび上部主磁極層12Bを形成するようにしてもよい。
【0067】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0068】
<薄膜磁気ヘッドの構成>
図19は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの断面構成を表しており、(A)はエアベアリング面に平行な断面,(B)はエアベアリング面に垂直な断面をそれぞれ示している。図20および図21は、図19に示した薄膜磁気ヘッドの要部の拡大斜視構成および拡大平面構成をそれぞれ表している。
【0069】
この薄膜磁気ヘッドは、上記第1の実施の形態において説明した主磁極層12(下部主磁極層12A,上部主磁極層12B)、非磁性層13、補助磁極層14(下部補助磁極層14A,上部補助磁極層14B)よりなる積層構造体に代えて、主磁極層42(下部主磁極層42A,上部主磁極層42B)、非磁性層43、補助磁極層44(下部補助磁極層44A,上部補助磁極層44B)よりなる積層構造体を含んで記録ヘッド100Bが構成されている点を除き、上記第1の実施の形態と同様の構成をなすものである。ここで、主磁極層42、非磁性層43および補助磁極層44がこの順に積層されてなる積層構造体が本発明における「磁極層」の一具体例に対応する。
【0070】
主磁極層42は、上記第1の実施の形態における主磁極層12に対応するものであり、互いに同一の平面形状をなす2つの部分、すなわち媒体流入側に位置する下部主磁極層42Aと、媒体流出側に位置する上部主磁極層42Bとがこの順に積層された構成をなしている。上記第1の実施の形態において下部主磁極層12Aおよび上部主磁極層12Bについて説明した場合と同様に、下部主磁極層42Aは、第1の飽和磁束密度J1(約1.0T〜1.8T)を有する材料により構成されており、上部主磁極層42Bは、第1の飽和磁束密度J1よりも大きい第2の飽和磁束密度J2(約2.0T以上)を有する材料により構成されている。ここで、下部主磁極層42Aが本発明における「第1の主磁極層部分」の一具体例に対応し、上部主磁極層42Bが本発明における「第2の主磁極層部分」の一具体例に対応する。
【0071】
下部主磁極層42Aは、例えば、エアベアリング面20から順に先端部42A1および後端部42A2を含んで構成されており、上部主磁極層42Bは、例えば、下部主磁極層42Aを構成する先端部42A1および後端部42A2にそれぞれ対応する先端部42B1および後端部42B2を含んで構成されている。先端部42A1,42B1は、記録媒体の記録トラック幅を規定する一定幅W1をなしている。後端部42A2,42B2は、例えば、前方において幅が徐々に大きくなり、かつ後方において一定幅(W2)をなしている。この後端部42A2,42B2の前端縁により、フレアポイントFPが規定されている。ここで、先端部42A1,42B1の集合体が本発明における「一定幅部分」の一具体例に対応する。
【0072】
補助磁極層44は、上記第1の実施の形態における補助磁極層14に対応するものであり、その補助磁極層14とほぼ同様の構成をなすものである。すなわち、補助磁極層44は、エアベアリング面20からリセス距離L(=約0.2μm〜1.0μm)だけ後退した領域において、主磁極層42の媒体流出側に配設されており、互いに同一の平面形状をなす2つの部分、すなわち媒体流入側に位置する下部補助磁極層44Aと、媒体流出側に位置する上部補助磁極層44Bとがこの順に積層された構成をなしている。上記第1の実施の形態において下部補助磁極層14Aおよび上部補助磁極層14Bについて説明した場合と同様に、上部主磁極層44Bは、第3の飽和磁束密度J3を有する材料、例えば下部主磁極層42Aと同様に第1の飽和磁束密度J1を有する材料により構成されており、下部補助磁極層44Aは、第3の飽和磁束密度J3よりも大きい第4の飽和磁束密度J4を有する材料、例えば、第1の飽和磁束密度J1よりも大きく、かつ第2の飽和磁束密度J2と等しい材料により構成されている。ここで、上部補助磁極層44Bが本発明における「第1の補助磁極層部分」の一具体例に対応し、下部補助磁極層44Aが本発明における「第2の補助磁極層部分」の一具体例に対応する。
【0073】
下部補助磁極層44Aは、例えば、エアベアリング面20に近いから順に先端部44A1および後端部44A2を含んで構成されており、上部補助磁極層44Bは、例えば、先端部44A1および後端部44A2にそれぞれ対応する先端部44B1および後端部44B2を含んで構成されている。補助磁極層44の幅が拡がる位置、すなわち先端部44A1,44B1と後端部44A2,44B2との連結位置は、例えば、主磁極層42のフレアポイントFPに一致している。
【0074】
非磁性層43は、主に、上記第1の実施の形態における非磁性層13と同様の機能を担うものであり、主磁極層42とほぼ同様の平面形状をなしている。この非磁性層43により、補助磁極層44は主磁極層42から分離されている。
【0075】
<薄膜磁気ヘッドの動作>
次に、図19〜図21を参照して、薄膜磁気ヘッドの動作について説明する。
【0076】
この薄膜磁気ヘッドでは、主に、上記第1の実施の形態と同様の記録動作を行う。すなわち、薄膜コイル10において磁束が発生すると、この磁束が主磁極層42に収容されると共に、非磁性層43を通過して補助磁極層44にも収容される。主磁極層42の幅の減少(W2→W1)に伴い、飽和磁束密度の小さい下部主磁極層42Aでは磁束飽和が生じるが、飽和磁束密度の大きい上部主磁極層42Bでは磁束飽和が生じないため、主磁極層42に収容された磁束は、上部主磁極層42B内を優先的に流れて先端部42B1に流入する。一方、主磁極層42と同様に、飽和磁束密度の小さい上部補助磁極層44Bでは磁束飽和が生じるが、飽和磁束密度の大きい下部補助磁極層44Aでは磁束飽和が生じないため、補助磁極層44に収容された磁束は、下部補助磁極層44A内を優先的に流れて先端部44A1に集中したのち、再び非磁性層43を通過して上部主磁極層42Bの先端部42B1に流入する。先端部42B1に流入した磁束は、主に、先端部42B1のトレーリング側部分に集中する。先端部42B1のトレーリング側部分に集中した磁束が放出されることにより垂直磁界が発生し、この垂直磁界により記録媒体に情報が記録される。
【0077】
<第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの作用および効果>
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、媒体流入側に位置して第1の飽和磁束密度J1を有する下部主磁極層42Aと、媒体流出側に位置して第1の飽和磁束密度J1よりも大きい第2の飽和磁束密度J2を有する上部主磁極層42Bとの積層構造をなすように主磁極層42を構成したので、主磁極層42による書き込みは、主に、飽和磁束密度が小さい下部主磁極層42Aの先端部42A1によらず、飽和磁束密度が大きい上部主磁極層42Bの先端部42B1により行われる。したがって、本実施の形態においても、上記第1の実施の形態と同様の作用により、スキュー時における実質的な記録トラック幅の拡大が抑制され、これにより記録パターンの拡大・屈曲が抑制されるため、記録性能を向上させることができる。
【0078】
なお、本実施の形態に関する上記特徴部分以外の構成、動作、作用、効果および変形は、上記第1の実施の形態と同様である。
【0079】
<薄膜磁気ヘッドの製造方法>
次に、図19〜図28を参照して、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法について説明する。図22〜図25は薄膜磁気ヘッドの製造工程における各工程の断面構成を表し、図26〜図28はそれぞれ図22〜図24に示した各工程に対応する斜視構成を表している。なお、以下では、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法が適用される薄膜磁気ヘッドの要部の形成方法についてのみ説明し、その説明では、各構成要素の形成材料、形成位置および構造的特徴等について随時省略するものとする。
【0080】
薄膜磁気ヘッドの要部を形成する際には、ヨーク11を形成し、このヨーク11とギャップ層部分9Cとにより平坦面Mを構成したのち、図22および図26に示したように、まず、平坦面M上に、例えばスパッタリングを利用して、前駆主磁極層42AXと、前駆主磁極層42BXと、例えばアルミナなどよりなる前駆非磁性層43Xと、前駆補助磁極層44AXと、前駆補助磁極層44BXとをこの順に形成して積層させる。前駆主磁極層42AXの形成材料としては、第1の飽和磁束密度J1(約1.0T〜1.8T)を有する材料を用いるようにし、前駆主磁極層42BXの形成材料としては、第1の飽和磁束密度J1よりも大きい第2の飽和磁束密度J2を有する材料を用いるようにする。また、前駆補助磁極層44BXの形成材料としては、第3の飽和磁束密度J3を有する材料を用いるようにし、前駆補助磁極層44AXの形成材料としては、第3の飽和磁束密度J3よりも大きい第4の飽和磁束密度J4を有する材料、例えば、第1の飽和磁束密度J1よりも大きく、より具体的には第2の飽和磁束密度J2と等しい材料を用いるようにする。ここで、上記した一連の前駆層が請求項16に記載した各前駆層に対応する。すなわち、前駆主磁極層42AXが本発明における「第1の前駆主磁極層」の一具体例に対応し、前駆主磁極層42BXが本発明における「第2の前駆主磁極層」の一具体例に対応し、前駆非磁性層43Xが本発明における「前駆非磁性層」の一具体例に対応し、前駆補助磁極層44AXが本発明における「第2の前駆補助磁極層」の一具体例に対応し、前駆補助磁極層44BXが本発明における「第1の前駆補助磁極層」の一具体例に対応する。
【0081】
続いて、前駆補助磁極層44BX上にフォトレジスト膜(図示せず)を形成したのち、フォトリソグラフィ処理を利用してフォトレジスト膜をパターニングすることにより、図22および図26に示したように、エッチング用のマスク層51を選択的に形成する。マスク層51を形成する際には、例えば、最終的に形成されることとなる主磁極層42(下部主磁極層42A,上部主磁極層42B)の平面形状に対応し、先端部42A1,42B1と同様の一定幅W1を有する前方部分51Fと、この前方部分51Fよりも大きな幅を有する後方部分51Rとを含むパターン形状をなすようにし、特に、フォトリソグラフィ処理時におけるフォトレジスト膜中の露光範囲を調整することにより、前方部分51Fと後方部分51Rとの連結位置がフレアポイントFPに一致するように、マスク層51の形成位置を調整する。ここで、マスク層51が本発明における「第1のマスク層(請求項16)」の一具体例に対応する。
【0082】
続いて、マスク層51を用い、例えばイオンミリングを利用して全体にエッチング処理を施すことにより、前駆補助磁極層44AX,44BX、前駆非磁性層43Xおよび前駆主磁極層42AX,42BXをパターニングする。このエッチング処理により、前駆補助磁極層44AX,44BX、前駆非磁性層43Xおよび前駆主磁極層42AX,42BXのうち、マスク層51に対応する部分以外の領域が選択的に除去されることにより、図23および図27に示したように、前駆補助磁極層パターン44AY,44BYおよび非磁性層43が形成されると共に、先端部42A1および後端部42A2を含む下部主磁極層42Aと、先端部42B1および後端部42B2を含む上部主磁極層42Bとがこの順に積層された積層構造をなすように主磁極層42が形成される。なお、エッチング処理により、マスク層51自体もエッチングされ、その厚みが目減りする。下部主磁極層42Aおよび上部主磁極層42Bの形成時において、マスク層51が残存しないようにしてもよいし(図23,図27参照)、残存するようにしてもよい。ここで、前駆補助磁極層パターン44BYが本発明における「第1の前駆補助磁極層パターン(請求項16)」の一具体例に対応し、前駆補助磁極層パターン44AYが本発明における「第2の前駆補助磁極層パターン(請求項16)」の一具体例に対応する。
【0083】
続いて、図24および図28に示したように、フォトリソグラフィ処理を利用して、前駆補助磁極層パターン44AY,44BYの先端部分を除いた領域を覆うように、フォトレジスト膜よりなるエッチング用のマスク層52を選択的に形成する。マスク層52を形成する際には、例えば、後工程において形成されることとなるエアベアリング面20(図19〜図21参照)の形成位置を基準として、そのエアベアリング面20からリセス距離L(=約0.2μm〜1.0μm)だけ後退可能な位置に、マスク層52の前端を位置合わせする。ここで、マスク層52が本発明における「第2のマスク層(請求項16)」の一具体例に対応する。
【0084】
続いて、マスク層52を用いて、例えばイオンミリングを利用して全体にエッチング処理を施すことにより、前駆補助磁極層パターン44AY,44BYをパターニングする。このエッチング処理により、前駆補助磁極層パターン44AY,44BYのうち、マスク層52により覆われていない部分が選択的に除去されることにより、図25および図20に示したように、先端部44A1および後端部44A2を含む下部補助磁極層44Aと、先端部44B1および後端部44B2を含む上部補助磁極層44Bとがこの順に積層された積層構造をなすように補助磁極層44が形成される。なお、下部補助磁極層44Aおよび上部補助磁極層44Bの形成時には、非磁性層43がエッチング処理に対するストッパ層として機能するため、非磁性層43のうち、マスク層52に対応する部分以外の領域が途中まで選択的に掘り下げられる。
【0085】
最後に、引き続きマスク層52を用いて、例えばRIEを利用して全体にエッチング処理を施す。このエッチング処理により、図25および図20に示したように、フレアポイントFPよりも前方の領域において、先端部42A1,42B1周辺のギャップ層部分9Cが選択的に掘り下げられることとなる。これにより、主磁極層42(下部主磁極層42A,上部主磁極層42B)、非磁性層43および補助磁極層44(下部補助磁極層44A,上部補助磁極層44B)よりなる積層構造体が完成する。なお、主磁極層42、非磁性層43および補助磁極層44は、上記第1の実施の形態において説明したように、実際には、エアベアリング面20を形成することにより完成する。
【0086】
<第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法に関する作用および効果>以上説明したように、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法では、第1の飽和磁束密度J1を有する下部主磁極層42Aと、第1の飽和磁束密度J1よりも大きい第2の飽和磁束密度J2を有する上部主磁極層42Bとの積層構造をなす主磁極層42の形成手法として、既存の薄膜プロセスしか用いないため、上記第1の実施の形態と同様に、主に主磁極層42について特徴的な構成を有し、スキューに起因する記録パターンの拡大・屈曲を抑制可能な本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドを簡単に製造することができる。
【0087】
なお、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法に関する上記以外の作用、効果、変形等は、上記第1の実施の形態と同様である。
【0088】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0089】
図29は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの断面構成を表しており、(A)はエアベアリング面に平行な断面,(B)はエアベアリング面に垂直な断面をそれぞれ示している。図30は、図29に示した薄膜磁気ヘッドの要部の拡大斜視構成を表している。
【0090】
この薄膜磁気ヘッドは、上記第2の実施の形態において説明した主磁極層42(下部主磁極層42A,上部主磁極層42B)、非磁性層43および補助磁極層44(下部補助磁極層44A,上部補助磁極層44B)よりなる積層構造体に代えて、下部主磁極層62、中間磁極層63および上部補助磁極層64よりなる積層構造体を含んで記録ヘッド100Bが構成されている点を除き、上記第2の実施の形態と同様の構成をなすものである。ここで、下部主磁極層62、非磁性層63および上部補助磁極層64がこの順に積層されてなる積層構造体が本発明における「磁極層」の一具体例に対応する。
【0091】
下部主磁極層62は、上記第2の実施の形態における下部主磁極層42Aに対応するものである。この下部主磁極層62は、下部主磁極層42Aと同様の材質(第1の飽和磁束密度J1を有する材料)および構成をなしており、エアベアリング面20から順に、一定幅W1をなす先端部62Fと、この先端部62Fよりも大きな幅W2を有する後端部62Rを含んで構成されている。
【0092】
中間磁極層63は、上記第2の実施の形態における上部主磁極層42Bおよび下部補助磁極層44Aの集合体に対応するものであり、すなわち上部主磁極層42Bと下部補助磁極層44Aとが同一の材料により一体に形成されたものに対応する。この中間磁極層63は、上部主磁極層42Bおよび下部補助磁極層44Aと同様の材質(第2の飽和磁束密度J2を有する材料)および構成をなしており、エアベアリング面20から順に、先端部63F(幅W1)と後端部63R(幅W2)とを含んで構成されている。先端部63Fは、エアベアリング面20からリセス距離Lだけ後退した位置の前後で厚さが異なっており、後方部分よりも前方部分において厚みが薄くなっている。先端部62Fの後方部分の厚みは、後端部63Rの厚みと等しくなっている。後端部63Rの前端縁により、フレアポイントFPが規定されている。
【0093】
上記した中間磁極層63と上部主磁極層42Bおよび下部補助磁極層44Aとの具体的な対応関係としては、図29に示したように、中間磁極層63のうち、先端部63Fの前方部分の表面の位置よりも下方の部分、すなわち中間磁極層63中に示した一点鎖線Qよりも下方の部分(下方部分63L)が上部主磁極層42Bに対応し、先端部63Fの前方部分の表面位置よりも上方の部分、すなわち一点鎖線Qよりも上方の部分(上方部分63H)が下部補助磁極層44Aに対応している。
【0094】
上部補助磁極層64は、上記第2の実施の形態における上部補助磁極層44Bに対応するものであり、エアベアリング面20からリセス距離Lだけ後退した位置から後方に向かって延在している。この上部補助磁極層64は、上部補助磁極層44Bと同様の材質(第3の飽和磁束密度J3を有する材料)および構成をなしており、エアベアリング面20に近い側から順に、先端部64F(幅W1)と後端部64R(幅W2)とを含んで構成されている。
【0095】
ここで、下部主磁極層62が本発明における「第1の主磁極層部分」の一具体例に対応し、上部補助磁極層64が本発明における「第1の補助磁極層部分」の集合体に対応する。また、中間磁極層63のうちの下方部分63Lが本発明における「第2の主磁極層部分」に対応し、上方部分63Hが本発明における「第2の補助磁極層部分」の一具体例に対応し、先端部63Fと先端部62Fとの集合体が本発明における「一定幅部分」の一具体例に対応する。さらに、下部主磁極層62と中間磁極層63の下方部分63Lとの集合体が本発明における「主磁極層」の一具体例に対応し、上部補助磁極層44Bと中間磁極層63のうちの上方部分63Hとの集合体が本発明における「補助磁極層」の一具体例に対応する。
【0096】
この薄膜磁気ヘッドでは、主に、上記第2の実施の形態と同様の記録動作を行う。すなわち、薄膜コイル10において磁束が下部主磁極層62、中間磁極層63および上部補助磁極層64に収容されると、飽和磁束密度の小さい下部主磁極層62および上部補助磁極層64では磁束飽和が生じるが、飽和磁束密度の大きい中間磁極層63では磁束飽和が生じないため、磁束は主に中間磁極層63内を流れてその前方部分に流入する。中間磁極層63の前方部分に流入した磁束は、主に、その前方部分のトレーリング側部分に集中する。中間磁極層63の前方部分のトレーリング側部分から磁束が放出されることにより垂直磁界が発生し、この垂直磁界により記録媒体に情報が記録される。
【0097】
この薄膜磁気ヘッドの要部、すなわち下部主磁極層62、中間磁極層63および上部補助磁極層64よりなる積層構造体は、以下の工程により形成される。図31〜図33は薄膜磁気ヘッドの製造工程における各工程の断面構成を表し、図34〜図36はそれぞれ図31〜図33に示した各工程に対応する斜視構成を表している。
【0098】
薄膜磁気ヘッドの要部を形成する際には、ヨーク11を形成し、このヨーク11とギャップ層部分9Cとにより平坦面Mを構成したのち、図31および図34に示したように、まず、平坦面M上に、例えばスパッタリングを利用して、前駆主磁極層62Xと、前駆中間磁極層63Xと、前駆補助磁極層64Xとをこの順に形成して積層させる。前駆主磁極層62Xの形成材料としては第1の飽和磁束密度J1(約1.0T〜1.8T)を有する材料を用い、前駆補助磁極層64Xの形成材料としては第3の飽和磁束密度J3を有する材料を用い、前駆中間磁極層63Xの形成材料としては第1の飽和磁束密度J1よりも大きい第2の飽和磁束密度J2(約2.0T以上)を有する材料を用いるようにする。ここで、上記した一連の前駆層が請求項13に記載した各前駆層に対応する。すなわち、前駆主磁極層62Xが本発明における「前駆主磁極層」の一具体例に対応し、前駆中間磁極層63Xが本発明における「前駆中間磁極層」の一具体例に対応し、前駆補助磁極層64Xが本発明における「前駆補助磁極層」の一具体例に対応する。
【0099】
続いて、前駆補助磁極層64X上にフォトレジスト膜(図示せず)を形成したのち、フォトリソグラフィ処理を利用してフォトレジスト膜をパターニングすることにより、図31および図34に示したように、エッチング用のマスク層71を選択的に形成する。マスク層71を形成する際には、例えば、最終的に形成されることとなる下部主磁極層62の平面形状に対応して、先端部62Fと同様の一定幅W1を有する前方部分71Fと、この前方部分71Fよりも大きな幅を有する後方部分71Rとを含むパターン形状をなすようにし、前方部分71Fと後方部分71Rとの連結位置がフレアポイントFPに一致するように、マスク層71の形成位置を調整する。ここで、マスク層71が本発明における「第1のマスク層(請求項13)」の一具体例に対応する。
【0100】
続いて、マスク層71を用い、例えばイオンミリングを利用して全体にエッチング処理を施すことにより、前駆補助磁極層64X、前駆中間磁極層63Xおよび前駆主磁極層62Xをパターニングする。このエッチング処理により、前駆補助磁極層64X、前駆中間磁極層63Xおよび前駆主磁極層62Xのうち、マスク層71に対応する部分以外の領域が選択的に除去されることにより、図32および図35に示したように、前駆補助磁極層パターン64Yおよび前駆中間磁極層パターン63Yが形成されると共に、先端部62Fおよび後端部62Rを含む下部主磁極層62が形成される。なお、エッチング処理により、マスク層71自体もエッチングされ、その厚みが目減りする。下部主磁極層62の形成時において、マスク層71が残存しないようにしてもよいし(図32,図35参照)、残存するようにしてもよい。ここで、前駆補助磁極層パターン64Yが本発明における「前駆補助磁極層パターン(請求項13)」の一具体例に対応し、前駆中間磁極層パターン63Yが本発明における「前駆中間磁極層パターン(請求項13)」の一具体例に対応にする。
【0101】
続いて、図33および図36に示したように、フォトリソグラフィ処理を利用して、前駆補助磁極層パターン64Yおよび前駆中間磁極層パターン63Yの双方の先端部分を除いた領域を覆うように、フォトレジスト膜よりなるエッチング用のマスク層72を選択的に形成する。マスク層72を形成する際には、例えば、後工程において形成されることとなるエアベアリング面20(図29,図30参照)の形成位置を基準として、そのエアベアリング面20からリセス距離L(=約0.2μm〜1.0μm)だけ後退可能な位置に、マスク層72の前端を位置合わせする。ここで、マスク層72が本発明における「第2のマスク層(請求項13)」の一具体例に対応する。
【0102】
続いて、マスク層72を用いて、例えばイオンミリングを利用して全体にエッチング処理を施すことにより、前駆補助磁極層パターン64Yをパターニングする。このエッチング処理により、前駆補助磁極層パターン64Yのうち、マスク層72により覆われていない部分が選択的に除去されることにより、図29および図30に示したように、先端部64Fおよび後端部64Rを含む上部補助磁極層64が形成される。
【0103】
最後に、引き続きマスク層72を用いて、例えばイオンミリングを利用して前駆中間磁極層パターン63Yをパターニングすることにより、図29および図30に示したように、先端部63Fおよび後端部63Rを含み、先端部63Fのうちの前方部分が後方部分よりも薄くなるように中間磁極層63を形成する。中間磁極層63の形成時には、エッチング処理により、マスク層72の形成領域よりも前方の領域において主磁極層62以外の領域が選択的に掘り下げられることとなる。これにより、下部主磁極層62、中間磁極層63および補助磁極層64よりなる積層構造体が完成する。なお、主磁極層62、中間磁極層63および補助磁極層64は、上記第2の実施の形態において説明したように、実際には、エアベアリング面20の形成工程を経て形成される。
【0104】
以上説明したように、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、エアベアリング面20近傍において、媒体流入側に位置して第1の飽和磁束密度J1を有する下部主磁極層62と、媒体流出側に位置して第1の飽和磁束密度J1よりも大きい第2の飽和磁束密度J2を有する中間磁極層63との積層構造をなすようにしたので、記録時における書き込みは、主に、飽和磁束密度が大きい中間磁極層63の先端部63Fの前方部分により行われる。したがって、本実施の形態においても、上記第2の実施の形態と同様に、スキューに起因する記録パターンの拡大・屈曲が抑制されるため、記録性能を向上させることができる。
【0105】
また、本実施の形態では、下部主磁極層62と中間磁極層63との積層構造を形成するために既存の薄膜プロセスしか使用しないため、上記第2の実施の形態と同様に、スキューに起因する記録パターンの拡大・屈曲を抑制可能な本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドを簡単に製造することができる。
【0106】
なお、本実施の形態では、スパッタリングを利用した成膜処理およびエッチングを利用したパターニング処理を用いて中間磁極層63および上部補助磁極層64を形成するようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、めっき処理を用いて中間磁極層63および上部補助磁極層64を形成するようにしてもよい。本実施の形態では、例えば上記第1の実施の形態とは異なり、エッチング時にストッパ層として機能する非磁性層13や非磁性層パターン32Pが存在しないため、エッチング処理を用いて中間磁極層63や上部補助磁極層64を形成した場合には、エッチング処理が過剰進行して目減り等の不具合が生じるおそれがある。しかしながら、エッチング処理の代わりにめっき処理を用いれば、エッチング処理の過剰進行に係る目減り等の不都合を回避しつつ、中間磁極層63や上部補助磁極層64を形成することができる。なお、めっき処理を用いて中間磁極層63を形成する場合には、その下方部分63Lと上方部分63Hとを単一の工程により一体形成してもよいし、別個の工程により別体形成してもよい。
【0107】
なお、本実施の形態に関する上記特徴部分以外の構成、動作、作用、効果および変形は、上記第1および第2の実施の形態と同様である。
【0108】
以上をもって、本発明の第1〜第3の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドについての説明を終了する。
【0109】
次に、図37〜図39を参照して、上記第1〜第3の実施の形態において説明した構成の薄膜磁気ヘッドを搭載した磁気記録装置の構成について説明する。図37は磁気記録装置の切り欠き概観構成を表し、図38は磁気記録装置の要部(ヘッドスライダ)の拡大外観構成を表し、図39は磁気記録層に搭載される磁気ディスク(記録媒体)の断面構成を表している。この磁気記録装置は、上記第1〜第3の実施の形態において説明した構成の薄膜磁気ヘッドを搭載したものであり、例えばハードディスクドライブである。
【0110】
この磁気記録装置は、例えば、筐体200の内部に、情報が記録されることとなる記録媒体としての複数の磁気ディスク201と、各磁気ディスク201に対応して配設され、先端にヘッドスライダ210が取り付けられた複数のアーム202とを備えている。磁気ディスク201は、筐体200に固定されたスピンドルモータ203を中心として回転可能になっている。アーム202は、動力源としての駆動部204に接続されており、筐体200に固定された固定軸205を中心として、ベアリング206を介して旋回可能になっている。なお、図37では、例えば、固定軸205を中心として複数のアーム202が一体として旋回するモデルを示している。
【0111】
ヘッドスライダ210は、アーム202の旋回時における空気抵抗を減少させるために溝部が設けられた略直方体状の基体211のうち、エアベアリング面220と直交する一側面(図38中、手前側の面)に、垂直記録方式の薄膜磁気ヘッド212が配設された構成をなしている。この薄膜磁気ヘッド212は、例えば、上記第1〜第3の実施の形態において説明した構成をなすものである。なお、図38では、ヘッドスライダ210のうち、エアベアリング面220側の構造を見やすくするために、図37に示した状態とは上下を反転させた状態を示している。
【0112】
磁気ディスク201は、例えば主要部が2層構成をなす垂直記録用の記録媒体である。この磁気ディスク201は、例えば、円盤状の基体ディスク301上に、磁束帰還層302と、記録層303と、保護層304とがこの順に積層された構成をなしている。磁束帰還層302は、記録層303に情報を記録した磁束が薄膜磁気ヘッド212に帰還する経路をなすものであり、例えばパーマロイ,コバルトクロムジルコニウム合金(CoCrZr),鉄アルミニウム合金ケイ化物(FeAlSi)などにより構成されている。記録層303は、薄膜磁気ヘッド212から放出された磁束、すなわち垂直磁界により磁気的に情報が記録されるものであり、例えばコバルトクロム白金合金(CoCrPt)などにより構成されている。保護層304は、周囲から記録層303を保護するためのものである。
【0113】
なお、薄膜磁気ヘッド212の詳細な構成については、既に上記第1〜第3の実施の形態において詳細に説明したので、その説明を省略する。
【0114】
この磁気記録装置では、情報の記録時においてアーム202が旋回することにより、磁気ディスク201のうちの所定の領域(記録領域)までヘッドスライダ210が移動する。そして、磁気ディスク201と対向した状態において薄膜磁気ヘッド212が通電されると、上記第1〜第3の実施の形態において説明した動作機構と同様に動作することにより、薄膜磁気ヘッド212が磁気ディスク201に情報を記録する。
【0115】
この磁気記録装置では、本発明の薄膜磁気ヘッド212を備えるようにしたので、上記第1〜第3の実施の形態において説明したように、特徴的な構成の主磁極層を備えた薄膜磁気ヘッドを利用して記録処理を行うことにより、スキュー時における記録パターンの拡大・屈曲が抑制される。したがって、記録性能を向上させることができる。
【0116】
なお、この磁気記録装置に関する上記以外の作用、効果、変形等は、上記第1〜第3の実施の形態と同様である。
【0117】
以上、いくつかの実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。すなわち、上記各実施の形態で示した薄膜磁気ヘッドの構成やその製造方法、ならびに磁気記録装置に係る詳細等は、必ずしも上記各実施の形態において説明したものに限られるものではなく、媒体流入側に位置して飽和磁束が小さい層と媒体流出側に位置して飽和磁束密度が大きい層との積層構造を含むように、記録時において主要な役割を担う薄膜磁気ヘッドの要部を構成することにより、スキューに起因する記録パターンの拡大・屈曲を抑制し、記録性能を向上させることが可能な限り、自由に変更可能である。
【0118】
また、上記各実施の形態では、本発明を「単磁極型ヘッド」に適用する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、「リング型ヘッド」に適用してもよい。
【0119】
また、上記各実施の形態では、本発明を複合型薄膜磁気ヘッドに適用する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、書き込み用の誘導型磁気変換素子を有する記録専用の薄膜磁気ヘッドや、記録・再生兼用の誘導型磁気変換素子を有する薄膜磁気ヘッドにも適用可能である。また、本発明は、書き込み用の素子および読み出し用の素子の積層順序を逆転させた構造の薄膜磁気ヘッドについても適用可能である。さらに、本発明は、垂直記録方式の薄膜磁気ヘッドに限らず、長手記録方式の薄膜磁気ヘッドについても適用可能である。
【0120】
また、上記各実施の形態では、本発明の薄膜磁気ヘッドをハードディスクドライブに適用する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、ハードディスクドライブと同様の記録処理を実行する他の各種機器に適用することも可能である。
【0121】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の垂直磁気記録ヘッド、または請求項ないし請求項16のいずれか1項に記載の垂直磁気記録ヘッドの製造方法によれば、媒体流入側に位置して第1の飽和磁束密度を有する第1の主磁極層部分と、媒体流出側に位置して第1の飽和磁束密度よりも大きい第2の飽和磁束密度を有する第2の主磁極層部分との積層構造をなすと共に、記録媒体に対向する記録媒体対向面に一端面が露出すると共に記録媒体の記録トラック幅を規定する一定幅部分と、一定幅部分の後方に連結されてそれよりも大きい幅を有する拡幅部分とを有するように主磁極層を構成したので、薄膜コイルにおいて発生した磁束が主磁極層内を流れる際、飽和磁束密度の小さい第1の主磁極層部分では磁束飽和が生じるが、飽和磁束密度の大きい第2の主磁極層部分では磁束飽和が生じない。この場合には、磁束が第2の主磁極層部分内を流れるため、スキュー時において、主磁極層による書き込みは、主に第2の主磁極層部分により行われる。これにより、主磁極層全体の飽和磁束密度が大きい場合と比較して、記録パターンの拡大・屈曲が抑制されるため、記録性能を向上させることが可能となる。また、記録媒体対向面から後退した領域における主磁極層の媒体流出側に配設され、主磁極層の幅が拡がる位置から後方に向かって延在する一定幅部分と、一定幅部分の後方に連結されてそれよりも大きい幅を有する拡幅部分とを有するように補助磁極層を構成したので、主磁極層内をその先端に向かって流れる「主要な磁束の流入ルート」と共に、補助磁極層から主磁極層の先端部に流れる「補助的な磁束の流入ルート」も得られることとなり、主磁極層のみで補助磁極層を備えない場合と比較して、主磁極層の先端部の媒体流出側(トレーリング側)部分に供給される磁束量が多くなる。したがって、主磁極層の先端部の媒体流出側部分に十分な量の磁束が供給されることにより、磁束の放出量が増加すると共に磁場勾配が急峻化するため、垂直磁界の発生強度を増加させることができる。しかも、補助磁極層に収容された磁束が主磁極層へ供給されることに伴い、補助磁極層内を流れる磁束が記録用磁界の発生に直接寄与しないため、補助磁極層の存在に起因する記録媒体への悪影響、例えば補助磁極層による記録媒体への直接書き込み等を防止することができる。さらに、媒体流出側に位置して第3の飽和磁束密度を有する第1の補助磁極層部分と、媒体流入側に位置して第3の飽和磁束密度よりも大きい第4の飽和磁束密度を有する第2の補助磁極層部分との積層構造をなすように補助磁極層を構成したので、補助磁極層のうち、主要な磁束の流路となる第2の補助磁極層部分における磁束の収容量が増加する。したがって、補助磁極層から主磁極層に供給される磁束量をより増加し、磁場勾配をより急峻化し、さらに補助磁極層による記録媒体への直接書き込み等をより効果的に防止することができる。
【0122】
また、請求項17または請求項18に記載の磁気記録装置によれば、請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載した垂直磁気記録ヘッドを備えるようにしたので、特徴的な構成の主磁極層を備えた本発明の垂直磁気記録ヘッドを利用して記録処理が行われる。したがって、スキューに起因する記録パターンの拡大・屈曲が抑制されるため、記録性能を向上させることができる。
【0125】
また、請求項13あるいは請求項16に記載の垂直磁気記録ヘッドの製造方法によれば、主磁極層の形成手法として、成膜技術、パターニング技術ならびにエッチング技術などを含む既存の薄膜プロセスしか用いないため、記録性能の向上に関して利点を有する本発明の垂直磁気記録ヘッドを簡単に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの断面構成を表す断面図である。
【図2】図1に示した薄膜磁気ヘッドの要部の斜視構成を拡大して表す斜視図である。
【図3】図1に示した薄膜磁気ヘッドの要部の平面構成を拡大して表す平面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの利点を説明するための図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドに対する比較例としての薄膜磁気ヘッドに関する問題点を説明するための図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成に関する変形例を表す断面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成に関する他の変形例を表す断面図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法における一工程を説明するための断面図である。
【図9】図8に続く工程を説明するための断面図である。
【図10】図9に続く工程を説明するための断面図である。
【図11】図10に続く工程を説明するための断面図である。
【図12】図11に続く工程を説明するための断面図である。
【図13】図12に続く工程を説明するための断面図である。
【図14】図8に示した断面構成に対応する斜視図である。
【図15】図9に示した断面構成に対応する斜視図である。
【図16】図10に示した断面構成に対応する斜視図である。
【図17】図11に示した断面構成に対応する斜視図である。
【図18】図12に示した断面構成に対応する斜視図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの断面構成を表す断面図である。
【図20】図19に示した薄膜磁気ヘッドの要部の斜視構成を拡大して表す斜視図である。
【図21】図19に示した薄膜磁気ヘッドの要部の平面構成を拡大して表す平面図である。
【図22】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法における一工程を説明するための断面図である。
【図23】図22に続く工程を説明するための断面図である。
【図24】図23に続く工程を説明するための断面図である。
【図25】図24に続く工程を説明するための断面図である。
【図26】図22に示した断面構成に対応する斜視図である。
【図27】図23に示した断面構成に対応する斜視図である。
【図28】図24に示した断面構成に対応する斜視図である。
【図29】本発明の第3の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの断面構成を表す断面図である。
【図30】図29に示した薄膜磁気ヘッドの要部の斜視構成を拡大して表す斜視図である。
【図31】本発明の第3の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法における一工程を説明するための断面図である。
【図32】図31に続く工程を説明するための断面図である。
【図33】図32に続く工程を説明するための断面図である。
【図34】図31に示した断面構成に対応する斜視図である。
【図35】図32に示した断面構成に対応する斜視図である。
【図36】図33に示した断面構成に対応する斜視図である。
【図37】本発明の薄膜磁気ヘッドを搭載した磁気記録装置の切り欠き外観構成を表す図である。
【図38】図37に示した磁気記録装置の要部の外観構成を拡大して表す図である。
【図39】磁気ディスクの断面構成を表す断面図である。
【符号の説明】
1…基板、2…絶縁層、3…下部シールド層、4…シールドギャップ膜、5…上部シールド層、6…MR素子、7,13,32,43…非磁性層、8…リターンヨーク、9…ギャップ層、9A,9B,9C…ギャップ層部分、10…薄膜コイル、11…ヨーク、12,42…主磁極層、12A,42A,62…下部主磁極層、12A1,12B1,14A1,14B1,42A1,42B1,44A1,44B1,62F,63F,64F…先端部、12A2,12B2,14A2,14B2,42A2,42B2,44A2,44B2,62R,63R,64R…後端部、12AX,12BX,42AX,42BX,62X…前駆主磁極層、12B,42B…上部主磁極層、13X,43X…前駆非磁性層、14,44…補助磁極層、14A,44A…下部補助磁極層、14B,44B,64…上部補助磁極層、14AX,14BX,44AX,44BX,64X…前駆補助磁極層、14AY,14BY,44AY,44BY,64Y…前駆補助磁極層パターン、15…オーバーコート層、20…エアベアリング面、31,33,51,52,71,72…マスク層、32P…非磁性層パターン、43Y…前駆非磁性層パターン、63…中間磁極層、63X…前駆中間磁極層、63Y…前駆中間磁極層パターン、100A…再生ヘッド、100B…記録ヘッド、200…筐体、201…磁気ディスク、202…アーム、203…スピンドルモータ、204…駆動部、205…固定軸、206…ベアリング、210…ヘッドスライダ、211…基体、212…薄膜磁気ヘッド、301…基体ディスク、302…磁束帰還層、303…記録層、304…保護層、B…媒体進行方向、FP…フレアポイント、L…リセス距離、TW1…記録トラック幅、ω…スキュー角度。

Claims (18)

  1. 所定の媒体進行方向に移動する記録媒体を備えた磁気記録装置に用いられ、
    磁束を発生させる薄膜コイルと、前記薄膜コイルにおいて発生した磁束を前記記録媒体に向けて放出する磁極層とを備えた垂直磁気記録ヘッドであって、
    前記磁極層は、
    前記記録媒体に対向する記録媒体対向面に一端面が露出すると共に前記記録媒体の記録トラック幅を規定する主磁極一定幅部分と、前記主磁極一定幅部分の後方に連結され、それよりも大きい幅を有する主磁極拡幅部分と、を有する主磁極層と、
    前記記録媒体対向面から後退した領域において前記主磁極層の媒体流出側に配設され、前記主磁極層の幅が拡がる位置から後方に向かって延在する補助磁極一定幅部分と、前記補助磁極一定幅部分の後方に連結され、それよりも大きい幅を有する補助磁極拡幅部分と、を有する補助磁極層と
    を含み、
    前記主磁極層は、前記媒体進行方向における媒体流入側に位置すると共に第1の飽和磁束密度を有する第1の主磁極層部分と、前記媒体進行方向における媒体流出側に位置すると共に前記第1の飽和磁束密度よりも大きい第2の飽和磁束密度を有する第2の主磁極層部分とを含む積層構造を有し、
    前記補助磁極層は、前記媒体流出側に位置すると共に第3の飽和磁束密度を有する第1の補助磁極層部分と、前記媒体流入側に位置すると共に前記第3の飽和磁束密度よりも大きい第4の飽和磁束密度を有する第2の補助磁極層部分とを含む積層構造を有する
    ことを特徴とする垂直磁気記録ヘッド。
  2. 前記第1の飽和磁束密度は1.0テスラ以上1.8テスラ以下であり、
    前記第2の飽和磁束密度は2.0テスラ以上である
    ことを特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録ヘッド。
  3. 前記第4の飽和磁束密度は、前記第1の飽和磁束密度よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の垂直磁気記録ヘッド。
  4. 前記補助磁極層は、前記主磁極層に隣接している
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の垂直磁気記録ヘッド。
  5. 前記第2の補助磁極層部分は、前記第2の主磁極層部分と同一の材料により形成されて一体をなしている
    ことを特徴とする請求項4記載の垂直磁気記録ヘッド。
  6. 前記磁極層は、さらに、
    前記第2の主磁極層部分と前記第2の補助磁極層部分との間に両者を分離するように配設された非磁性層を含む
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の垂直磁気記録ヘッド。
  7. 前記第4の飽和磁束密度は、前記第2の飽和磁束密度に等しい
    ことを特徴とする請求項6記載の垂直磁気記録ヘッド。
  8. 所定の媒体進行方向に移動する記録媒体を備えた磁気記録装置に用いられ、
    磁束を発生させる薄膜コイルと、前記薄膜コイルにおいて発生した磁束を前記記録媒体に向けて放出する磁極層とを備えた垂直磁気記録ヘッドの製造方法であって、
    前記磁極層を形成する工程が、
    前記記録媒体に対向する記録媒体対向面に一端面が露出すると共に前記記録媒体の記録トラック幅を規定する主磁極一定幅部分と、前記主磁極一定幅部分の後方に連結され、それよりも大きい幅を有する主磁極拡幅部分と、を有するように、前記磁極層の一部をなす主磁極層を形成する工程と、
    前記記録媒体対向面から後退した領域において前記主磁極層の媒体流出側に、前記主磁極層の幅が拡がる位置から後方に向かって延在する補助磁極一定幅部分と、前記補助磁極一定幅部分の後方に連結され、それよりも大きい幅を有する補助磁極拡幅部分と、を有するように、前記磁極層の他の一部をなす補助磁極層を形成する工程と
    を含み、
    前記主磁極層が、前記媒体進行方向における媒体流入側に位置すると共に第1の飽和磁束密度を有する第1の主磁極層部分と、前記媒体進行方向における媒体流出側に位置すると共に前記第1の飽和磁束密度よりも大きい第2の飽和磁束密度を有する第2の主磁極層部分とを含む積層構造を有するようにし、
    前記補助磁極層が、前記媒体流出側に位置すると共に第3の飽和磁束密度を有する第1の補助磁極層部分と、前記媒体流入側に位置すると共に前記第3の飽和磁束密度よりも大きい第4の飽和磁束密度を有する第2の補助磁極層部分とを含む積層構造を有するようにする
    ことを特徴とする垂直磁気記録ヘッドの製造方法。
  9. 前記第1の飽和磁束密度を1.0テスラ以上1.8テスラ以下とし、
    前記第2の飽和磁束密度を2.0テスラ以上とする
    ことを特徴とする請求項記載の垂直磁気記録ヘッドの製造方法。
  10. 前記第4の飽和磁束密度を、前記第1の飽和磁束密度よりも大きくする
    ことを特徴とする請求項または請求項に記載の垂直磁気記録ヘッドの製造方法。
  11. 前記補助磁極層を、前記主磁極層に隣接させる
    ことを特徴とする請求項ないし請求項10のいずれか1項に記載の垂直磁気記録ヘッドの製造方法。
  12. 前記第2の補助磁極層部分を、前記第2の主磁極層部分と同一の材料により一体に形成する
    ことを特徴とする請求項11記載の垂直磁気記録ヘッドの製造方法。
  13. 前記磁極層を形成する工程が、
    前記第1の飽和磁束密度を有する材料よりなる前駆主磁極層と、前記第2飽和磁束密度を有する材料よりなる前駆中間磁極層と、前記第3の飽和磁束密度を有する材料よりなる前駆補助磁極層とをこの順に形成して積層させる工程と、
    前記前駆補助磁極層上に、前記主磁極層に対応するパターン形状を有する第1のマスク層を選択的に形成する工程と、
    前記第1のマスク層をマスクとして用いて、エッチング処理を利用して前記前駆補助磁極層をパターニングすることにより、前駆補助磁極層パターンを形成する工程と、
    前記第1のマスク層をマスクとして用いて、エッチング処理を利用して前記前駆中間磁極層をパターニングすることにより、前駆中間磁極層パターンを形成する工程と、
    前記第1のマスク層をマスクとして用いて、エッチング処理を利用して前記前駆主磁極層をパターニングすることにより、前記第1の主磁極層部分を形成する工程と、
    前記前駆中間磁極層パターンおよび前記前駆補助磁極層パターンのうち、前記記録媒体対向面となる側に近い側の一部分が部分的に露出することとなるように、第2のマスク層を選択的に形成する工程と、
    前記第2のマスク層をマスクとして用いて、エッチング処理を利用して前記前駆補助磁極層パターンの露出部分を選択的に除去することにより、前記第1の補助磁極層部分を形成する工程と、
    前記第2のマスク層をマスクとして用いて、エッチング処理を利用して前記前駆中間磁極層パターンの露出部分を選択的に除去し、前記第2の主磁極層部分と前記第2の補助磁極層部分とを一体に形成することにより、前記第1および第2の主磁極層部分を含む前記主磁極層と、前記第1および第2の補助磁極層部分を含む前記補助磁極層とを形成する工程と
    を含むことを特徴とする請求項12記載の垂直磁気記録ヘッドの製造方法。
  14. 前記磁極層を形成する工程が、さらに、
    前記第2の主磁極層部分と前記第2の補助磁極層部分との間に両者を分離するように、前記磁極層のさらに他の一部をなす非磁性層を形成する工程を含む
    ことを特徴とする請求項ないし請求項10のいずれか1項に記載の垂直磁気記録ヘッドの製造方法。
  15. 前記第4の飽和磁束密度を、前記第2の飽和磁束密度に等しくする
    ことを特徴とする請求項14記載の垂直磁気記録ヘッドの製造方法。
  16. 前記磁極層を形成する工程が、
    前記第1の飽和磁束密度を有する材料よりなる第1の前駆主磁極層と、前記第2の飽和磁束密度を有する材料よりなる第2の前駆主磁極層と、前駆非磁性層と、前記第4の飽和磁束密度を有する材料よりなる第2の前駆補助磁極層と、前記第3の飽和磁束密度を有する材料よりなる第1の前駆補助磁極層とをこの順に形成して積層させる工程と、
    前記第1の前駆補助磁極層上に、前記主磁極層に対応するパターン形状を有する第1のマスク層を選択的に形成する工程と、
    前記第1のマスク層をマスクとして用いて、エッチング処理を利用して前記第1および第2の前駆補助磁極層をパターニングすることにより、第1および第2の前駆補助磁極層パターンを形成する工程と、
    前記第1のマスク層をマスクとして用いて、エッチング処理を利用して前記前駆非磁性層を選択的に除去することにより、前記非磁性層を形成する工程と、
    前記第1のマスク層をマスクとして用いて、エッチング処理を利用して前記第1および第2の前駆主磁極層をパターニングすることにより、前記第1および第2の主磁極層部分を含む前記主磁極層を形成する工程と、
    前記第1および第2の前駆補助磁極層パターンのうち、前記記録媒体対向面となる側に近い側の一部分が部分的に露出することとなるように、第2のマスク層を選択的に形成する工程と、
    前記第2のマスク層をマスクとして用いて、エッチング処理を利用して前記第1および第2の前駆補助磁極層パターンの露出部分を選択的に除去することにより、前記第1および第2の補助磁極層部分を含む前記補助磁極層を形成する工程と
    を含むことを特徴とする請求項15記載の垂直磁気記録ヘッドの製造方法。
  17. 所定の媒体進行方向に移動する記録媒体と、前記記録媒体に磁気的に情報を記録する垂直磁気記録ヘッドとを備え、前記垂直磁気記録ヘッドが、磁束を発生させる薄膜コイルと、前記薄膜コイルにおいて発生した磁束を前記記録媒体に向けて放出する磁極層と、を含む磁気記録装置であって、
    前記磁極層が、
    前記記録媒体に対向する記録媒体対向面に一端面が露出すると共に前記記録媒体の記録トラック幅を規定する主磁極一定幅部分と、前記主磁極一定幅部分の後方に連結され、それよりも大きい幅を有する主磁極拡幅部分と、を有する主磁極層と、
    前記記録媒体対向面から後退した領域において前記主磁極層の媒体流出側に配設され、前記主磁極層の幅が拡がる位置から後方に向かって延在する補助磁極一定幅部分と、前記補助磁極一定幅部分の後方に連結され、それよりも大きい幅を有する補助磁極拡幅部分と、を有する補助磁極層と
    を含み、
    前記主磁極層が、前記媒体進行方向における媒体流入側に位置すると共に第1の飽和磁束密度を有する第1の主磁極層部分と、前記媒体進行方向における媒体流出側に位置すると共に前記第1の飽和磁束密度よりも大きい第2の飽和磁束密度を有する第2の主磁極層部分とを含む積層構造を有し、
    前記補助磁極層が、前記媒体流出側に位置すると共に第3の飽和磁束密度を有する第1の補助磁極層部分と、前記媒体流入側に位置すると共に前記第3の飽和磁束密度よりも大きい第4の飽和磁束密度を有する第2の補助磁極層部分とを含む積層構造を有する
    ことを特徴とする磁気記録装置。
  18. 前記記録媒体が、
    前記磁極層から放出された磁束により情報が記録される記録層と、
    前記記録層に情報を記録した磁束が前記磁極層に帰還する経路として機能する磁束帰還層とを含む
    ことを特徴とする請求項17記載の磁気記録装置。
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