JP3883357B2 - 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも書き込み用の誘導型磁気変換素子を有する薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハードディスク装置の面記録密度の向上に伴って、薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められている。薄膜磁気ヘッドとしては、書き込み用の誘導型磁気変換素子を有する記録ヘッドと読み出し用の磁気抵抗(以下、MR(Magneto Resistive )と記す。)素子を有する再生ヘッドとを積層した構造の複合型薄膜磁気ヘッドが広く用いられている。
【0003】
記録ヘッドの性能のうち、記録密度を高めるには、磁気記録媒体におけるトラック密度を上げる必要がある。このためには、記録ギャップ(write gap)を挟んでその上下に形成された下部磁極(ボトムポール)および上部磁極(トップポール)のエアベアリング面での幅を数ミクロンからサブミクロンオーダーまで狭くした狭トラック構造の記録ヘッドを実現する必要があり、これを達成するために半導体加工技術が利用されている。
【0004】
ここで、図31〜図36を参照して、従来の薄膜磁気ヘッドの製造方法の一例として、複合型薄膜磁気ヘッドの製造方法について説明する。
【0005】
この製造方法では、まず、図31に示したように、例えばアルティック(Al2 3 ・TiC)よりなる基板101上に、例えば酸化アルミニウム(Al2 3 ;以下、単に「アルミナ」という。)よりなる絶縁層102を約5.0〜10.0μm程度の厚みで堆積する。次に、絶縁層102上に、再生ヘッド用の下部シールド層103を形成する。次に、下部シールド層103上に、例えばアルミナ層を100〜200nmの厚みでスパッタ堆積し、シールドギャップ膜104を形成する。次に、シールドギャップ膜104上に、再生用のMR素子を構成するためのMR膜105を数十nmの厚みに形成し、高精度のフォトリソグラフィ処理によって所望の形状にパターニングする。次に、MR膜105の両側に、このMR膜105と電気的に接続する引き出し電極層としてのリード層(図示せず)を形成したのち、このリード層、シールドギャップ膜104およびMR膜105上に、シールドギャップ膜106を形成し、MR膜105をシールドギャップ膜104,106内に埋設する。次に、シールドギャップ膜106上に、再生ヘッドおよび記録ヘッドの双方に用いる磁気材料、例えばニッケル鉄合金(NiFe;以下、単に「パーマロイ(商品名)」ともいう。)よりなる上部シールド兼下部磁極(以下、下部磁極という。)107を形成する。
【0006】
次に、図32に示したように、下部磁極107上に、絶縁材料、例えばアルミナよりなる記録ギャップ層108を形成し、この記録ギャップ層108上に、高精度のフォトリソグラフィによりフォトレジスト膜109を所定のパターンとなるように形成する。次に、フォトレジスト膜109上に、例えばめっき法により、例えば銅(Cu)よりなる誘導型の記録ヘッド用の薄膜コイル110を形成する。次に、フォトレジスト膜109および薄膜コイル110を覆うようにして、高精度のフォトリソグラフィによりフォトレジスト膜111を所定のパターンとなるように形成する。次に、薄膜コイル110の各巻線間の絶縁化のために、フォトレジスト膜111に対して、例えば250度の温度で加熱処理を施す。
【0007】
次に、図33に示したように、薄膜コイル110よりも後方(図33における右側)の位置において、磁路形成のために、記録ギャップ層108の一部を部分的にエッチングして開口部108aを形成し、下部磁極107の一部を露出させる。次に、下部磁極107の露出面、フォトレジスト膜111および記録ギャップ層108を覆うようにして、高飽和磁束密度を有する磁気材料、例えばパーマロイよりなる上部ヨーク兼上部磁極(以下、上部磁極という。)112を選択的に形成する。
【0008】
上部磁極112を形成する方法としては、例えば、特開平7−262519号公報に示されるように、フレームめっき法が用いられる。フレームめっき法を用いて上部磁極112を形成する場合には、まず、フォトレジスト膜111で覆われて山状に盛り上がったコイル部分(以下、「エイペックス部」という。)の上に全体的に、例えば、パーマロイよりなる薄い電極膜を、例えばスパッタリングによって形成する。次に、この電極膜上にフォトレジストを塗布してフォトレジスト膜を成膜したのち、このフォトレジスト膜をフォトリソグラフィ処理によってパターニングして、めっき処理のためのフレーム(外枠)を形成する。次に、先に形成した電極膜をシード層として用いて、めっき法によってパーマロイよりなるめっき膜を成長させて上部磁極112を形成する。
【0009】
この上部磁極112は、例えば、後述する図36に示したような平面形状を有するものであり、ヨーク部112aおよびポールチップ部112bを含んでいる。上部磁極112は、開口部108aにおいて下部磁極107と接触し、磁気的に連結される。次に、上部磁極112の一部(ポールチップ部112b)をマスクとして、記録ギャップ層108および下部磁極107の双方をイオンミリングによって選択的に約0.5μm程度エッチングしたのち(図35参照)、上部磁極112上に、例えばアルミナよりなるオーバーコート層113を形成する。最後に、機械加工や研磨工程によって、記録ヘッドおよび再生ヘッドのトラック面、すなわちエアベアリング面120を形成して、薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0010】
図34〜図36は、完成した状態の薄膜磁気ヘッドの構造を表すものである。ここで、図34はエアベアリング面120に垂直な方向における薄膜磁気ヘッドの断面を表し、図35は磁極部分のエアベアリング面120に平行な方向における断面を拡大して表し、図36は平面構造を表している。ここで、図33は、図36におけるXXXIII−XXXIII線に沿った矢視断面に相当する。なお、図34〜図36では、オーバーコート層113等の図示を省略している。また、図36では、薄膜コイル110およびフォトレジスト膜111について、それらの最外端のみを図示している。
【0011】
図34および図36において、「TH」はスロートハイト(Throat Height )を表し、「MRH」はMRハイトを表している。ここで、「スロートハイト(TH)」とは、記録ヘッドの性能を決定する要因のうちの一つであり、薄膜コイル110を他の導電部分と電気的に分離するための絶縁層(フォトレジスト膜111)の最もエアベアリング面120に近い側の端縁の位置、すなわちスロートハイトゼロ位置(TH0位置)からエアベアリング面120の位置までの長さである。記録ヘッドの性能を向上させるためには、スロートハイト(TH)を最適化する必要がある。このスロートハイト(TH)は、エアベアリング面120を形成する際の研磨量によって制御される。また、「MRハイト(MRH)」とは、MR膜105の最もエアベアリング面120から遠い側の端縁の位置、すなわちMRハイトゼロ位置(MRH0位置)からエアベアリング面120の位置までの長さである。このMRハイト(MRH)もまた、エアベアリング面120を形成する際の研磨量によって制御される。
【0012】
薄膜磁気ヘッドの性能を決定する要因としては、スロートハイト(TH)やMRハイト(MRH)等の他に、図34に示したエイペックスアングル(Apex Angle:θ)がある。このエイペックスアングルθは、フォトレジスト膜111のエアベアリング面120に近い側の斜面の平均斜度である。
【0013】
図35に示したように、記録ギャップ層108および下部磁極107の双方の一部が上部磁極112のポールチップ部112bに対して自己整合的にエッチングされた構造は、トリム(Trim)構造と呼ばれる。このトリム構造によれば、狭トラックの書き込み時に発生する磁束の広がりによる実効トラック幅の増加を防止することができる。図中に示した「P2W」は、トリム構造を有する部分(以下、単に「磁極部分500」という。)の幅、すなわち磁極幅(以下、「トラック幅」ともいう。)を表している。この磁極幅P2Wの加工寸法は、トリム構造を形成するためのエッチング処理を行う際に用いられるマスク(上記の場合はフォトレジスト膜パターン)のうちの磁極部分500に対応する部分の幅に依存する。また、図中に示した「P2L」は、磁極部分500の一部を構成するポールチップ部112bの厚み、すなわち磁極長を表している。なお、図35に示したように、MR膜105の両側には、このMR膜105と電気的に接続する引き出し電極層としてのリード層121が設けられている。ただし、図31〜図34では、リード層121の図示を省略している。
【0014】
図36に示したように、上部磁極112は、その大部分を占めるヨーク部112aと、磁極幅P2Wとしてほぼ一定の幅を有するポールチップ部112bとを有している。ヨーク部112aとポールチップ部112bとの連結部分において、ヨーク部112aの外縁はエアベアリング面120と平行な面に対して角度αをなし、また、上記の連結部分において、ポールチップ部112bの外縁は、エアベアリング面120と平行な面に対して角度βをなしている。ここで、αは、例えば45度であり、βは90度である。上記したように、ポールチップ部112bは、磁極部分500のトリム構造を形成する際のマスクとなる部分である。図34および図36から判るように、ポールチップ部112bは平坦な記録ギャップ層108の上に延在し、ヨーク部112aはエイペックス部上に延在している。
【0015】
なお、上部磁極の詳細な構造的特徴に関しては、例えば、特開平8−249614号公報に記載がある。
【0016】
図33に示したような構造を有する従来の薄膜磁気ヘッドでは、情報の記録動作時において薄膜コイル110により生じた磁束は、上部磁極112内をヨーク部112aからポールチップ部112bに向かって伝搬し、最終的にポールチップ部112bの先端へ到達する。ポールチップ部112bの先端に到達した磁束は、その外部に信号磁界を発生させ、この信号磁界によって、図示しない記録媒体への情報記録が行われる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、薄膜磁気ヘッドの優れた重ね書き込み特性、すなわちオーバーライト特性を確保するためには、一般に、上記の信号磁界を充分に発生させるべく、上部磁極112のポールチップ部112bへ円滑かつ充分に磁束を供給することが必要である。
【0018】
しかしながら、図33に示した従来の薄膜磁気ヘッドでは、上部磁極112のポールチップ部112bと下部磁極107との間に、厚みの薄い記録ギャップ層108しか配設されていない。このため、ヨーク部112aからポールチップ部112bに流入した磁束の一部は、ポールチップ部112bの先端には到達せずに、記録ギャップ層108を通過して下部磁極107へ伝搬してしまう。以下では、記録ギャップ層108を通過することによる上部磁極112から下部磁極107への磁束の伝搬を「 磁束の漏れ」 と呼称することとする。このような傾向は、特に、上部磁極112のうちの平坦な記録ギャップ層108上に形成された領域とエイペックス部上に形成された領域との間の領域112Sにおいて顕著となる。なぜなら、厚み方向(図中の上下方向)に延在する領域112Sでは、上部磁極112内を図中の下方向へ向かう磁束の流れが生ずるからである。
【0019】
上記した「磁束の漏れ」は、以下のような不具合を誘発する。
【0020】
1)上部磁極112から下部磁極107へ磁束が漏れることにより、上部磁極112内をヨーク部112aからポールチップ部112bへ伝搬する磁束の絶対量が減少する。このような場合には、薄膜コイル110によって発生した磁束をポールチップ部112bの先端へ充分に供給することができなくなる。このため、薄膜磁気ヘッドのオーバーライト特性は著しく低下してしまう。
【0021】
2)磁束の漏れによる下部磁極107への局部的な磁束の集中は、薄膜磁気ヘッドの読み込み動作に悪影響を及ぼす。例えば、下部磁極107に必要以上に磁束が集中することにより、その一部がさらに下部磁極107を通過してMR膜105へ到達した場合には、MR膜105へ到達した磁束は、再生ヘッドの読み込み動作時において、磁気ノイズとして作用する。これにより、薄膜磁気ヘッドの正常な読み込み動作が阻害されることとなる。
【0022】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、特に、磁束の伝搬過程における「磁束の漏れ」を抑制し、十分なオーバイライト特性を得ることができる薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明の薄膜磁気ヘッドは、記録媒体に対向する記録媒体対向面側の一部に、表面形状が平坦な領域を有するギャップ層を介して対向する2つの磁極を含む、互いに磁気的に連結された第1の磁性層および第2の磁性層と、これらの2つの磁性層の間に絶縁層を介して配設された薄膜コイル部とを有すると共に、第1の磁性層が、記録媒体対向面からこの面より離れる長さ方向に延在すると共に記録媒体の記録トラック幅を規定する一定幅部分と、この一定幅部分に磁気的に連結されると共にその一定幅部分の幅よりも大きな幅を有する拡幅部分と、を有する第1の磁性層部分を含む薄膜磁気ヘッドであって、第2の磁性層のギャップ層に接する側の一部に設けられた凹部に埋設されると共にギャップ層の後方において絶縁層に連結され、最前端の位置においてスロートハイトを規定する第1の非磁性パターンを備え、この第1の非磁性パターンの最前端が第1の磁性層部分のうちの一定幅部分と拡幅部分との連結部よりも記録媒体対向面に近い側において、その一定幅部分の延在領域内に位置するようにしたものである。
【0024】
本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、記録媒体に対向する記録媒体対向面側の一部に、表面形状が平坦な領域を有するギャップ層を介して対向する2つの磁極を含む、互いに磁気的に連結された第1の磁性層および第2の磁性層と、これらの2つの磁性層の間に絶縁層を介して配設された薄膜コイル部とを有すると共に、第1の磁性層が、記録媒体対向面からこの面より離れる長さ方向に延在すると共に記録媒体の記録トラック幅を規定する一定幅部分と、この一定幅部分に磁気的に連結されると共にその一定幅部分の幅よりも大きな幅を有する拡幅部分と、を有する第1の磁性層部分を含む薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、第2の磁性層のギャップ層に接する側の一部に設けられた凹部に、磁極の後方においてギャップ層を選択的に除去することにより絶縁層に連結されると共に、最前端が第1の磁性層部分のうちの一定幅部分と拡幅部分との連結部よりも記録媒体対向面に近い側におけるの一定幅部分の延在領域内に位置してスロートハイトを規定するように、第1の非磁性パターンを形成する工程を含むようにしたものである。
【0025】
本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方法では、ギャップ層の後方において絶縁層に連結された第1の非磁性パターンの最前端によって、スロートハイトが規定される。この第1の非磁性層パターンは、第2の磁性層のギャップ層に接する側の一部に設けられた凹部に埋設されており、その最前端は、第1の磁性層部分のうちの一定幅部分と拡幅部分との連結部よりも記録媒体対向面に近い側において、その一定幅部分の延在領域内に位置している。特に、この第1の非磁性パターンの存在により、その上方領域から下方領域への磁束の伝搬が抑制される。
【0026】
本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方法では、さらに、ギャップ層における第1の非磁性パターンが接する面とは反対側の面に接するように延在して絶縁層に連結された第2の非磁性パターンを備えるようにしてもよい。
【0027】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドでは、第2の非磁性パターンの最前端近傍の表面が、ギャップ層の表面に対して傾斜した斜面をなすようにしてもよい。
【0028】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドでは、第2の非磁性パターンの最前端の位置が第1の非磁性パターンの最前端の位置よりも長さ方向に後退するようにし、第1の磁性層部分がギャップ層の平坦な領域上から第2の非磁性パターンの斜面上にかけて延在するようにしてもよい。
【0029】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法では、第2の非磁性パターンの最前端の位置が第1の非磁性パターンの最前端の位置よりも長さ方向に後退することとなるように、第2の非磁性パターンを形成するようにしてもよい。
【0030】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方法では、第1の磁性層部分のうちの少なくとも一定幅部分がギャップ層の平坦な領域上に延在するようにしてもよい。
【0031】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方法では、拡幅部分が、さらに、トラック幅方向に互いに分離して配設された少なくとも2つの接続部分と、一定幅部分と少なくとも2つの接続部分とを磁気的に連結させる連結部分とを有するようにしてもよい。このような場合には、第1の磁性層部分における連結部分と少なくとも2つの接続部分とによって囲まれた領域に絶縁層の一部が埋め込まれるようにしてもよい。
【0032】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法では、第2の非磁性パターンの最前端近傍の表面がギャップ層の表面に対して傾斜した斜面をなし、この第2の非磁性パターンの斜面上に第1の磁性層部分の連結部分および接続部分のうちの少なくとも一部が配設される場合には、第1の磁性層部分を形成する工程が、少なくともギャップ層の平坦な領域および第2の非磁性パターンの斜面領域を覆うようにしてフォトレジスト層を形成する工程と、ギャップ層の平坦な領域におけるフォトレジスト層のうち、一定幅部分の平面形状に対応する領域を含む第1の領域を選択的に露光する第1の露光工程と、第2の非磁性パターンの斜面領域からギャップ層の平坦な領域にかけての領域におけるフォトレジスト層のうち、少なくとも、連結部分および接続部分の平面形状に対応する第2の領域を選択的に露光する第2の露光工程と、フォトレジスト層のうちの第1の領域および第2の領域の双方の領域を一括して現像することによりフォトレジストパターンを形成する工程と、フォトレジストパターンを用いて一定幅部分、連結部分および接続部分を一体に形成する工程とを含むようにしてもよい。このような場合には、上記の第2の露光工程において、第1の領域と第2の領域とが部分的に重複するようにするのが好適である。
【0033】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方法では、第1の磁性層が、さらに、第1の磁性層部分の一部と部分的にオーバーラップして磁気的に連結された第2の磁性層部分と、第2の磁性層部分と第2の磁性層とを磁気的に連結させるための第3の磁性層部分とを含むようにしてもよい。
【0034】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法では、さらに、第1の磁性層部分を形成すると同時に、第3の磁性層部分を形成すると共に薄膜コイル部の端部に設けられたコイル端部上に薄膜コイル部の一部をなすコイル接続パターンを形成する工程と、少なくとも第1の磁性層部分、第3の磁性層部分およびコイル接続パターンを覆うように絶縁層の一部をなすコイル埋設層を形成する工程と、少なくとも第1の磁性層部分、第3の磁性層部分およびコイル接続パターンが露出するまでコイル埋設増の表面を研磨して平坦化させる工程と、研磨後の平坦面上に、第1の磁性層部分および第3の磁性層部分の双方の露出面と磁気的に連結するように第2の磁性層部分を形成すると同時に、コイル接続パターンの露出面と電気的に接続するように導電層パターンを形成する工程とを含むようにしてもよい。
【0035】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方法では、第1の磁性層および第2の磁性層のうちの少なくとも一方が、ニッケル鉄合金または窒化鉄のいずれかを含む材料よりなるようにしてもよいし、またはアモルファス合金を含む材料よりなるようにしてもよい。上記のアモルファス合金としては、コバルト鉄合金またはジルコニウムコバルト鉄合金のいずれかを用いるのが好適である。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0037】
[第1の実施の形態]
<薄膜磁気ヘッドの製造方法>
まず、図1〜図12を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法としての複合型薄膜磁気ヘッドの製造方法の一例について説明する。
【0038】
図1〜図9において、(A)はエアベアリング面に垂直な断面を示し、(B)は磁極部分のエアベアリング面に平行な断面を示している。図10〜図12は、主要な製造工程に対応する斜視図である。ここで、図10は、図4に示した状態に対応し、図11は図5に示した状態に対応し、図12は、図9に示した状態に対応する。ただし、図11では、図5における絶縁膜15等の図示を省略し、図12では、図9における絶縁膜15,17,18,20,21、薄膜コイル16,19およびオーバーコート層22等の図示を省略している。
【0039】
以下の説明では、図1〜図12の各図中におけるX軸方向を「幅方向(または左右方向)」、Y軸方向を「長さ方向」、Z軸方向を「厚み方向(または上下方向)」として表記すると共に、Y軸方向のうちのエアベアリング面90に近い側(または後工程においてエアベアリング面90となる側)を「前側(または前方)」、その反対側を「後側(または後方)」と表記するものとする。
【0040】
本実施の形態に係る製造方法では、まず、図1に示したように、例えばアルティック(Al2 3 ・TiC)よりなる基板1上に、例えばアルミナよりなる絶縁層2を約3.0〜5.0μmの厚みで堆積する。次に、絶縁層2上に、例えば、フォトリソグラフィ処理およびめっき処理を用いて、例えばパーマロイ(Ni:80重量%,Fe:20重量%)を約3.0μmの厚みで選択的に形成して、再生ヘッド用の下部シールド層3を形成する。次に、全体を覆うように、例えばアルミナよりなる絶縁膜を約4.0〜5.0μmの厚みで形成したのち、下部シールド層3が露出するまで絶縁膜の表面を例えばCMP(化学機械研磨)法によって研磨して、全体を平坦化する。
【0041】
次に、図1に示したように、下部シールド層3上に、例えばスパッタリングにより、例えばアルミナよりなるシールドギャップ膜4を約100〜200nmの厚みで形成する。次に、シールドギャップ膜4上に、再生ヘッド部の要部であるMR素子を構成するためのMR膜5を高精度のフォトリソグラフィによって所望の形状となるように形勢する。次に、MR膜5の両側に、このMR膜5と電気的に接続する引き出し電極層としてのリード層(図示せず)を形成したのち、このリード層、シールドギャップ膜4およびMR膜5上にシールドギャップ膜6を形成して、MR膜5をシールドギャップ膜4,6内に埋設する。
【0042】
次に、図1に示したように、シールドギャップ膜6上に、上部シールド層7を約1.0〜1.5μmの厚みで選択的に形成する。上部シールド層7の形成材料および形成方法等は、下部シールド層3の場合と同様である。
【0043】
次に、図1に示したように、上部シールド層7上に、例えばスパッタリングにより、例えばアルミナよりなる絶縁膜8を約0.15〜0.2μmの厚みで形成する。次に、絶縁膜8上に、例えば高飽和磁束密度を有する磁性材料、例えば窒化鉄(FeN)よりなる下部磁極9を約2.0〜2.5μmの厚みで選択的に形成する。ここで、下部磁極9の形成は、以下のような手順により行う。すなわち、まず、絶縁膜8上に、例えばスパッタリングにより、例えば窒化鉄層を成膜する。続いて、所定の形状および材質を有するマスクを用いて、例えばイオンミリングによって窒化鉄層をエッチングしてパターニングすることにより、下部磁極9を選択的に形成する。なお、下部磁極9の形成材料としては、上記の窒化鉄の他、例えば、窒化鉄と同様の高飽和磁束密度を有する磁性材料として、パーマロイ(Ni:45重量%,Fe:55重量%)やアモルファス合金を用いるようにしてもよい。このアモルファス合金としては、例えば、コバルト鉄合金(CoFe)やジルコニウムコバルト鉄(ZrCoFe)などを用いることができる。ここで、下部磁極9が、本発明における「第2の磁性層」の一具体例に対応する。
【0044】
次に、図1に示したように、全体を覆うように、例えばアルミナよりなる絶縁膜を約4.0〜5.0μmの厚みで形成したのち、下部磁極9が露出するまで絶縁膜の表面を例えばCMP法によって研磨して、全体を平坦化する。
【0045】
次に、図1に示したように、下部磁極9上に、例えばスパッタリングによって、例えばアルミナよりなるマスク前駆層110を約0.3〜0.5μmの厚みで形成する。このマスク前駆層110は、後工程においてエッチング処理によってパターニングされることにより、下部磁極9をエッチング加工する際に用いられるパターンマスク10a, 10b(図2参照)となるものである。次に、このマスク前駆層110上に例えばフォトレジスト膜(図示せず)を成膜したのち、このフォトレジスト膜をフォトリソグラフィ処理によってパターニングする。これにより、マスク前駆層110上の所定の位置に、フォトレジスト膜よりなるマスク80a, 80bが選択的に形成される。なお、マスク80a,80bを形成する際の上記の「所定の位置」とは、例えば、マスク80aの最も後側の端縁(以下、単に「最後端」ともいう。)の位置が、MR膜5の最後端の位置とほぼ一致するような位置であり、またマスク80bの形成領域が、後工程において形成される磁路接続部14bの形成領域に対応するような位置である。
【0046】
次に、マスク80a,80bを用いて、例えばリアクティブイオンエッチング(Reactive Ion Etching;以下、単に「RIE」という。)によってマスク前駆層110をエッチングしてパターニングすることにより、図2に示したように、アルミナよりなるパターンマスク10a,10bを選択的に形成する。マスク前駆層110をパターニングするためのエッチング方法としてRIEを用いることにより、イオンミリングを用いる場合よりも、エッチング処理を短時間で行うことができる。特に、RIEによるエッチング処理を行う際には、塩素(Cl2 )および二塩化ボロン(BCl2 )のうちの少なくとも一方を含むエッチングガスを用いるのが好適である。これらのガス雰囲気中においてエッチング処理の化学反応が促進されることにより、エッチング処理をより短時間で行うことができるからである。なお、上記のエッチング処理(RIE)によってマスク80a,80b自体もエッチングされ、これらの膜厚は減少することとなる。エッチング処理が完了した時点で、マスク80a,80bが残存しないようにしてもよいし(図2参照)、残存するようにしてもよい。
【0047】
次に、図2に示したように、パターンマスク10a,10bを用いて、例えばイオンミリングにより、下部磁極9を選択的に約0.3〜0.8μm程度エッチングして掘り下げる。このエッチング処理によって、下部磁極9のうちの上方の一部分が選択的に除去され、この部分に凹部9Jが形成される。エッチング処理を行う際には、例えば、下部磁極9の表面に対して斜め上方からイオンビームを照射して、上記の凹状領域の内壁が斜面をなすようにする。なお、上記のエッチング処理(イオンミリング)によってパターンマスク10a,10b自体もエッチングされ、これらの膜厚は減少することとなる。エッチング処理が完了した時点で、パターンマスク10a,10bが残存するようにしてもよいし(図2参照)、残存しないようにしてもよい。
【0048】
次に、図2に示したように、パターンマスク10a,10bおよび凹部9Jによって構成された凹凸領域の表面全体を覆うように、全体に、例えばスパッタリングにより、例えばアルミナ層11pを約3.0〜4.0μmの厚みで形成する。
【0049】
次に、例えばCMP法によってアルミナ層11pの表面全体を研磨して、図3に示したように、凹部9Jに埋め込まれたアルミナよりなる絶縁膜パターン11を形成する。このときの研磨処理は、下部磁極9のうちの凹状領域以外の部分が露出するまで行う。この絶縁膜パターン11の配設領域は、例えば、後述する図17に示したように、後工程において形成される上部ポールチップ14aおよび薄膜コイル16,19等の配設領域を含むような領域である。絶縁膜パターン11の最も前側の端縁(以下、単に「最前端」という。)の位置は、例えば、MR膜5の最後端の位置とほぼ一致している。絶縁膜パターン11の最前端の位置は、スロートハイト(TH)を決定する際の基準となる位置、すなわちスロートハイトゼロ位置(TH0位置)である。ここで、絶縁膜パターン11が、本発明における「第1の非磁性パターン」の一具体例に対応する。
【0050】
次に、図3に示したように、研磨後の平坦面上に、例えばスパッタリングにより、例えばアルミナよりなる記録ギャップ層12を約0.15〜0.2μmの厚みで形成する。記録ギャップ層12の表面は、その全域にわたって平坦となる。なお、記録ギャップ層12を形成する際には、後工程において磁路接続部14bが形成されることとなる領域(下部磁極9のうちの後側の露出面)を覆わないようにする。この領域は、下部磁極9と後工程において形成される上部磁極14とを接続させるための開口部12kとなる。ここで、記録ギャップ層12が、本発明における「ギャップ層」の一具体例に対応する。
【0051】
次に、開口部12k(図10では図示せず)の形成領域よりも前側の領域における平坦な記録ギャップ層12上の所定の位置に、高精度のフォトリソグラフィ工程により、例えば有機系のフォトレジスト膜を約1.0μm程度の厚みで選択的に形成する。次に、このフォトレジスト膜に対して例えば200度〜250度程度の温度で加熱処理を施す。これにより、フォトレジスト膜の端縁近傍は、その端縁方向に向かって落ち込むような丸みを帯びた斜面をなすこととなり、図4および図10に示したように、フォトレジスト膜よりなる絶縁膜パターン13が形成される。絶縁膜パターン13を形成する際の上記の「所定の位置」とは、例えば、絶縁膜パターン13の最前端が、絶縁膜パターン11の最前端の位置よりも後側にずれるような位置である。絶縁膜パターン11の最前端の位置から絶縁膜パターン13の最前端の位置までの距離(ずれ長さ)は、例えば、約0.4〜0.8μm程度が好適である。このような位置に絶縁膜パターン13を配設することにより、後工程において絶縁膜パターン13の前側の斜面部上に配設される上部ポールチップ14aの後端部14a(3) (図4参照)から下部磁極9への磁束の伝搬(磁束の漏れ)を抑制することができると共に、後端部14a(3) の内部における磁束の流れを円滑化させることができるからである。ここで、絶縁膜パターン13が、本発明における「第2の非磁性パターン」の一具体例に対応する。
【0052】
次に、図4および図10に示したように、絶縁膜パターン13の前側の斜面領域からその前方における平坦な記録ギャップ層12上にかけての領域に、例えばフレームめっき法により、上部磁極14の一部を構成する上部ポールチップ14aを約2.5〜3.5μmの厚みで選択的に形成する。上部ポールチップ14aを形成する際には、同時に、開口部12kに、上部磁極14の一部を構成する磁路接続部14bを形成する。上部ポールチップ14aは、例えば、後述する図17に示したような平面形状を有するものであり、後工程においてエアベアリング面90となる側(図中の左側)から順に、記録媒体(図示せず)上の記録トラック幅を規定する一定幅を有する先端部14a(1) と、先端部14a(1) の幅よりも大きな幅を有する中間部14a(2) と、中間部14a(2) よりも大きな幅を有する後端部14a(3) とを含んでいる。上部ポールチップ14aの構造的特徴については、後述する。ここで、上部ポールチップ14aが、本発明における「第1の磁性層部分」の一具体例に対応し、先端部14a(1) が、本発明における「一定幅部分」の一具体例に対応する。
【0053】
フレームめっき法によって上部ポールチップ14aを形成する際には、まず、例えば、スパッタリングにより、電解めっき法におけるシード層となる電極膜(図示せず)を約70nmの厚みに形成する。この電極膜は、例えば、高飽和磁束密度を有するパーマロイ(Ni:45重量%,Fe:55重量%)からなるものである。次に、上記の電極膜上に、ポジティブ型のフォトレジスト(以下、単に「フォトレジスト」という。)を塗布して、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。次に、所定の平面形状パターンを有する、例えばクロム等の金属よりなるフォトマスク(図示せず)を用いて、フォトレジスト膜の所定の領域を選択的に露光する。次に、フォトレジスト膜の露光領域を現像することにより、フレームめっき法によるめっき処理を行う際に用いるフレーム(外枠)、すなわちフォトレジストパターン(図示せず)を形成する。このフォトレジストパターンは、上記の露光領域の形状に対応した平面形状を有する開口部を備えるものである。
【0054】
このとき、フォトレジスト膜の選択露光は、後述するように、一度に行うのではなく、例えば、異なる開口部を有する複数種類のフォトマスクを用いて複数回に分けて行い、しかるのち、露光領域全体の現像を一度の現像工程により一括して行うようにするのが好ましい。特に、本実施の形態では、例えば、互いに異なる開口部を有する2種類のフォトマスクを同一のフォトレジスト膜に対して順次使用して、これらの各フォトマスクの開口部の平面形状に対応するフォトレジスト膜の領域をそれぞれ2度にわたって順次選択的に露光している。そして、このフォトレジスト膜の露光領域を一括して現像することにより、上部ポールチップ14aの平面形状に対応する平面形状を有する開口部を備えたフォトレジストパターンを形成するようにしている。
【0055】
次に、上記の現像工程によってフォトレジストパターンを形成したのち、先工程において形成した電極膜をシード層とすると共に、フォトレジストパターンをマスクとして、電解めっき法により、例えば高飽和磁束密度を有する磁性材料であるパーマロイ(例えば、Ni:45重量%,Fe:55重量%)よりなる上部ポールチップ14aを形成する。その後、フォトレジストパターンを除去する。なお、磁路接続部14bの形成もまた、上部ポールチップ14aの場合と同様の形成材料および形成方法を用いて行う。上部ポールチップ14aおよび磁路接続部14bの形成材料としては、上記のパーマロイ(Ni:45重量%,Fe:55重量%)の他、窒化鉄やアモルファス合金(コバルト鉄やジルコニウムコバルト鉄など)などを用いるようにしてもよい。
【0056】
次に、図5および図11に示したように、上部ポールチップ14aおよび磁路接続部14b(図11では磁路接続部14bを図示せず。)の双方をマスクとして、例えばRIEにより、全体に約0.3〜0.4μm程度エッチングする。このエッチング処理により、記録ギャップ層12、下部磁極9および絶縁膜パターン11のうち、上部ポールチップ14aおよび磁路接続部14bの双方の配設領域以外の領域が選択的に除去され、掘り下げられる。このとき、絶縁膜パターン13の後側の一部もエッチングされ、除去される。このエッチング処理により、トリム構造を有する磁極部分100が形成される。この磁極部分100は、上部ポールチップ14aの先端部14a(1) と、下部磁極9のうちの先端部14a(1) に対応する部分と、双方に挟まれた記録ギャップ層12の一部とによって構成され、これらの各部位は互いにほぼ同一の幅を有している。一般に、エッチング方法としてRIEを用いた場合の処理速度は、イオンミリングを用いた場合の処理速度よいも速い。このため、RIEを用いてトリム構造を有する磁極部分100を形成することにより、イオンミリングを用いる場合よりも、磁極部分100を短時間で形成することができる。特に、磁極部分100を形成するためにRIEによるエッチング処理を行う際には、例えば、塩素および二塩化ボロンのうちの少なくとも一方を含むエッチングガスを用いると共に、加工温度を100度〜200度の範囲内となるように調整するのが好適である。このような条件下において、特に、下部磁極9に対するエッチング処理の化学反応が促進されることにより、より短時間で磁極部分100を形成することができるからである。
【0057】
次に、図5および図11に示したように、全体に、例えばスパッタリングにより、例えばアルミナよりなる絶縁膜15を約0.3〜0.5μmの厚みで形成する。
【0058】
次に、図6に示したように、上部ポールチップ14aの配設領域よりも後方の領域(磁路接続部14bの配設領域を除く)における平坦な絶縁膜15上に、例えば電解めっき法により、例えば銅(Cu)よりなる誘導型の記録ヘッド用の第1層目の薄膜コイル16を約1.0〜1.5μmの厚みで選択的に形成する。この薄膜コイル16は、例えば、後述する図17に示したような渦巻状の平面構造を有するものである。なお、図6では、薄膜コイル16の一部分のみを図示している。薄膜コイル16を形成する際には、同時に、例えば、その内側の終端部における絶縁膜15上に、コイル接続部16sを薄膜コイル16と一体に形成する。このコイル接続部16sは、薄膜コイル16と後工程において形成されるコイル接続部19sa(図8(A)参照)とを電気的に接続させるためのものである。
【0059】
次に、図6に示したように、薄膜コイル16(コイル接続部16sを含む)の各巻線間およびその周辺領域に、加熱時に流動性を示す材料、例えばフォトレジストなどの有機絶縁材料を高精度のフォトリソグラフィ処理により所定のパターンとなるように形成する。次に、このフォトレジストに対して、例えば200度〜250度の範囲内における温度で加熱処理を施す。これにより、フォトレジストが流動して薄膜コイル16の各巻線間を隙間なく埋めつくし、薄膜コイル16の各巻線間を絶縁化するための絶縁膜17が形成される。絶縁膜17を形成する際には、絶縁膜17が薄膜コイル16およびコイル接続部16sの双方の上面を覆わないようにしてもよいし(図6参照)、覆うようにしてもよい。
【0060】
次に、図6に示したように、全体を覆うように、例えばスパッタリングにより、例えばアルミナ層18pを約3.0〜4.0μmの厚みで成膜して、上部ポールチップ14a、磁路接続部14b、薄膜コイル16およびコイル接続部16s等によって構成された凹凸構造領域を埋設する。
【0061】
次に、例えばCMP法によってアルミナ層18pの表面全体を研磨して、平坦化する。これにより、図7に示したように、薄膜コイル16等を埋設する絶縁膜18が形成される。このときの研磨処理は、上部ポールチップ14aおよび磁路接続部14bの双方が露出するまで行う。アルミナの表面研磨を行う際には、例えば、研磨後の上部ポールチップ14aの厚みが約1.5〜2.5μmとなるようにするのが好ましい。絶縁膜18の形成材料としてアルミナなどの無機絶縁材料を用いることにより、フォトレジストなどの軟絶縁材料を用いる場合とは異なり、CMP研磨盤の研磨面が目詰まりを起こすことを防止できると共に、研磨後の表面をより平滑に形成することができる。
【0062】
次に、図7に示したように、例えばRIEまたはイオンミリングにより、コイル接続部16sの上方を覆っている絶縁膜18の一部を部分的にエッチングして除去し、コイル接続部16sと後工程において形成されるコイル接続部19sa(図8参照)とを接続させるための開口部18kを形成する。
【0063】
次に、図8に示したように、薄膜コイル16の上方における平坦化された絶縁膜18上に、第1層目の薄膜コイル16を形成した場合と同様の工程の電解めっき法により、例えば銅(Cu)よりなる第2層目の薄膜コイル19を約1.0〜1.5μmの厚みで選択的に形成する。この薄膜コイル19は、薄膜コイル16と同様の平面構造を有するものである。薄膜コイル19を形成する際には、同時に、例えば、その内側の終端部におけるコイル接続部16s上にコイル接続部19saを形成し、また、その外側の終端部における絶縁膜18上に配線接続部19sbを形成する。コイル接続部19saおよび配線接続部19sbは、薄膜コイル19と一体をなすものである。薄膜コイル16と薄膜コイル19とは、開口部18kにおいて、コイル接続部16s,19saを介して電気的に接続される。ここで、配線接続部19sbが、本発明における「コイル端部」の一具体例に対応する。
【0064】
次に、図8に示したように、薄膜コイル19(コイル接続部19saおよび配線接続部19sbを含む)の各巻線間およびその周辺領域に、絶縁膜17の場合と同様の材料および形成方法を用いて絶縁膜20を選択的に形成する。なお、絶縁膜20を形成する場合には、絶縁膜20が、薄膜コイル19およびコイル接続部19saのそれぞれの上面を覆わないようにしてもよいし(図8参照)、覆うようにしてもよい。配線接続部19sbの上方には、後工程において、この配線接続部19sbと接触して電気的に接続するための中間接続パターン14eが配設されるので、配線接続部19sbの表面は絶縁膜20によって覆われないようにするのが好ましい。
【0065】
次に、図8に示したように、絶縁膜18の上方から上部ポールチップ14aの後端部14a(3) の上方にかけての領域における平坦面上に、例えば、上部ポールチップ14aおよび磁路接続部14bの場合とほぼ同様の材料および形成方法を用いて、上部磁極14の一部を構成する中間接続部14cを約2.0〜3.0μmの厚みで選択的に形成する。この中間接続部14cは、例えば、後述する図17に示したような平面形状を有するものである。中間接続部14cは、上部ポールチップ14aの後端部14a(3) の一部と部分的にオーバーラップして接触し、両者は磁気的に連結される。
【0066】
中間接続部14cを形成する際には、同時に、磁路接続部14b上に、上部磁極14の一部を構成する磁路接続部14dを形成すると共に、配線接続部19sb上に中間接続パターン14eを形成する。このとき、薄膜コイル19は絶縁膜20によって覆われているので、中間接続部14c等の形成時におけるエッチング処理等の影響による薄膜コイル19の損傷が回避される。中間接続パターン14eは、薄膜コイル16,19と後工程において形成されるコイル接続配線14fh(図9参照)とを電気的に接続させるためのものである。磁路接続部14dおよび中間接続パターン14eの材質および形成方法は、上部ポールチップ14a等の場合とほぼ同様である。なお、中間接続部14cを形成する際には、例えば、その最前端の位置が、絶縁膜パターン13の最前端の位置とほぼ一致するようにするのが好ましい。また、例えば、中間接続部14cの前側の端縁部が、下地の平坦面に対して傾斜した斜面をなすようにする。ここで、中間接続パターン14eが、本発明における「コイル接続パターン」の一具体例に対応する。また、磁路接続部14b,14dが、本発明における「第3の磁性層部分」の一具体例に対応し、薄膜コイル16,19、コイル接続部16s,19sa、配線接続部19sbおよび中間接続パターン14eが、本発明における「薄膜コイル部」の一具体例に対応する。
【0067】
次に、図8に示したように、全体を覆うようにして、例えばスパッタリングにより、例えばアルミナ層21pを約3.0〜4.0μmの厚みで形成して、中間接続部14c、磁路接続部14d、中間接続パターン14eおよび薄膜コイル19等によって構成された凹凸領域を埋設する。
【0068】
次に、例えばCMP法によってアルミナ層21pの表面全体を研磨して平坦化することにより、図9に示したように、薄膜コイル19等を埋設する絶縁膜21を形成する。このときの研磨処理は、中間接続部14c、磁路接続部14dおよび中間接続パターン14eが露出するまで行う。ここで、絶縁膜17,18,20,21が、本発明における「コイル埋設層」の一具体例に対応し、絶縁膜パターン11,13、絶縁膜17,18,20,21が、本発明における「絶縁層」の一具体例に対応する。
【0069】
次に、図9に示したように、平坦化された領域のうち、磁路接続部14dの上方から中間接続部14cの上方にかけての領域に、上部磁極14の一部を構成する上部ヨーク14fを約2.0〜3.0μmの厚みで選択的に形成する。この上部ヨーク14fは、例えば、後述する図17に示したような平面形状を有するものであり、薄膜コイル16,19の上方領域に延在するヨーク部14f(1) と、ヨーク部14f(1) の前方において中間接続部14cの一部と部分的にオーバーラップするように延在する接続部14f(2) とを含んでいる。上部ヨーク14fの構造的特徴については、後述する。上部ヨーク14fは、その後方部分において、開口部12kを通じて磁路接続部14b,14dを介して下部磁極9と磁気的に連結されると共に、その前方部分において、中間接続部14cを介して上部ポールチップ14aとも磁気的に連結される。平坦な下地上に上部ヨーク14fを配設することにより、上部ヨーク14fの表面もまた平坦となる。
【0070】
上部ヨーク14fを形成する際には、同時に、中間接続パターン14eの上方から図示しない外部回路にかけての領域にコイル接続配線14fhを形成する。このコイル接続配線14fhは、中間接続パターン14eと図示しない外部回路とを電気的に接続させるためのものである。上部ヨーク14fおよびコイル接続配線14fhの形成材料および形成方法は、上記した上部ポールチップ14a等の場合とほぼ同様である。なお、上部ヨーク14fを形成する際には、例えば、その最前端が、中間接続部14cの前側の端縁面における上端の位置よりも後方にずれて位置するようにすると共に、その最後端の位置が、磁路接続部14b,14dの最後端の位置とほぼ一致するようにする。このときの接続部14f(2) 周辺における立体的構造は、図12に示したようになる。ここで、上部ヨーク14cが、本発明における「第2の磁性層部分」の一具体例に対応し、コイル接続配線14fhが、本発明における「導電層パターン」の一具体例に対応する。また、上部ポールチップ14a、中間接続部14c、磁路接続部14b,14dおよび上部ヨーク14fによって構成される上部磁極14が、本発明における「第1の磁性層」の一具体例に対応する。
【0071】
次に、図9に示したように、全体を覆うように、例えばスパッタリングにより、例えばアルミナよりなるオーバーコート層22を約20〜40μmの厚みで形成する。最後に、機械加工や研磨工程により記録ヘッドおよび再生ヘッドのエアベアリング面90を形成して、薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0072】
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法では、上記したように、特に、同一のフォトレジスト膜に対して、複数のフォトマスクを用いて複数回露光を行うことにより、上部ポールチップ14aの形成に用いるフォトレジストパターンを形成するようにしている。このような手法で形成したフォトレジストパターンを用いることにより、特に、上部ポールチップ14aの先端部14a(1) を高精度に形成することができる。以下では、まず、図13および図14を参照して、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法の特徴の1つである、上部ポールチップ14aの形成方法と、その形成方法に関する作用および効果について詳細に説明する。なお、両図におけるX,Y,Z軸方向に関するそれぞれの表記については、図1〜図12の場合と同様とする。
【0073】
図13において、(A)は、第1の露光工程において使用する第1のフォトマスク31の平面形状を表し、(B)は、第1の露光工程において露光されるフォトレジスト膜131の領域(第1の露光領域131y)の平面形状を表すものである。(C)は、第2の露光工程において使用する第2のフォトマスク32の平面形状を表し、(D)は、第2の露光工程において露光されるフォトレジスト膜131の領域(第2の露光領域132y)の平面形状を表すものである。図14において、(A)は、図13(D)に示したフォトレジスト膜131の露光領域(合成露光領域133y)全体を現像することにより得られるフォトレジストパターン133の平面形状を表すものであり、(B)は、フォトレジストパターン133を用いて形成された上部ポールチップ14aの平面形状を表すものである。
【0074】
図13(A)に示した第1のフォトマスク31は、例えば、T字型の平面形状を有する開口部31xを備えている。この開口部31xは、上部ポールチップ14a(図17参照)のうちの先端部14a(1) に対応する平面形状よりも長い一定幅部分と、その後側を占めるより大きい幅の部分とを含んでいる。この一定幅部分の幅は、最終的に形成される上部ポールチップ14aの先端部14a(1) の幅W1と同様である。図13(B)に示したように、第1の露光工程では、フォトレジスト膜131上の所定の位置に第1のフォトマスク31を配設して、第1のフォトマスク31の開口部31xを通じてフォトレジスト膜131の所定の領域を選択的に露光する。
【0075】
ここで、第1のフォトマスク31を配設するフォトレジスト膜131上の「所定の位置」とは、後工程において上部ポールチップ14aの先端部14a(1) が形成される位置に対応する位置である。第1のフォトマスク31を配設する際には、開口部31xの最後端が「位置P2(絶縁膜パターン13の最前端の位置;図9参照)」よりも前側に位置するように、フォトレジスト膜131に対して位置合わせを行うようにする。具体的には、上部ポールチップ14aの先端部14a(1) の全体が平坦な記録ギャップ層12上に形成されることとなるように、フォトレジスト膜131のうち、平坦な記録ギャップ層12上に形成された平坦な領域に開口部31xを位置合わせして、第1の露光工程を行う。
【0076】
この第1の露光工程により、フォトレジスト膜131に第1の露光領域131yが形成される。第1の露光領域131yは、上部ポールチップ14aの先端部14a(1) に対応する領域よりも後方に長く延びた領域であるが、その後端縁が位置P2に差しかからないようになされている。このように、フォトレジスト膜131のうち、平坦な記録ギャップ層12上に形成された部分のみにおいて第1の露光工程を行うことにより、以下のような理由により、特に、幅方向への露光領域の拡大を防止することができる。すなわち、斜面部を含む下地上において露光工程を行う場合には、下地の斜面部から横方向または斜め方向に反射する反射光が多数生じる。これらの反射光は、フォトレジスト膜131のうちの本来の露光領域以外の部分も露光してしまう。このため、露光領域が拡大し、特に、開口部31xのうちの極微小な幅を有する一定幅部分に対応する部分が幅方向に拡大してしまう。これに対して、本実施の形態では、第1の露光工程を平坦な下地上において行っているので、上記のような反射光の影響による露光領域の拡大傾向が抑制される。ここで、第1の露光領域131yが、本発明における「第1の領域」の一具体例に対応する。
【0077】
図13(C)に示した第2のフォトマスク32は、上部ポールチップ14aにおける中間部14a(2) および後端部14a(3) (図17参照)に対応する平面形状を有する開口部32xを備えている。図13(D)に示したように、第2の露光工程では、第1の露光領域131yを有するフォトレジスト膜131上の所定の位置に第2のフォトマスク32を配設したのち、第2のフォトマスク32の開口部32xを通じてフォトレジスト膜131の所定の領域を選択的に露光する。この第2の露光工程により、フォトレジスト膜131には第2の露光領域132yが形成される。ここで、第2のフォトマスク32を配設する際には、その開口部32xの最前端が第1の露光領域131yの最後端の位置よりも前側に位置するように位置合わせを行うようにする。これにより、第1の露光領域131yのうちの後側の一部領域(図中の上方部分)と第2の露光領域132yの前側の一部領域(図中の下方部分)とは部分的に重複し、この重複領域を含む合成露光領域133yが形成される。この合成露光領域133yの平面形状は、上部ポールチップ14aの平面形状に対応するものである。ここで、第2の露光領域132yが、本発明における「第2の領域」の一具体例に対応する。
【0078】
このように、本実施の形態では、平坦な下地上のフォトレジスト膜131に対する露光処理(先端部14a(1) に対応する部分の露光処理)と、斜面部を含む下地上のフォトレジスト膜131に対する露光処理(中間部14a(2) ,後端部14a(3) に対応する部分の露光処理)とを分割して行っている。このため、1回の露光で先端部14a(1) .中間部14a(2) ,後端部14a(3) までを一括露光する場合とは異なり、下地の斜面部からの反射光による悪影響を回避することができる。
【0079】
また、本実施の形態では、下地の高さの差に基づくデフォーカス(焦点ずれ)による悪影響を回避することもできる。すなわち、平坦部と斜面部とでは、自ずから、露光時における最良の合焦位置が異なるので、従来のように両者を一括して露光すると、平坦部と斜面部のいずれかまたは双方において焦点ずれが生ずる。これに対して、本実施の形態では、平坦部と斜面部とで別々に露光を行うので、それぞれの部分において最良の合焦状態での露光が可能となる。このため、シャープなパターニングが可能となる。
【0080】
最後に、フォトレジスト膜131の合成露光領域133yを一括して現像することにより、図14(A)に示したような開口部133zを有するフォトレジストパターン133が形成される。開口部133zの平面形状は、上部ポールチップ14aの平面形状に対応するものであり、図13(D)に示した合成露光領域133yの平面形状をほぼ反映したものである。したがって、このフォトレジストパターン133を用いてフレームめっき法を実施することにより、図14(B)に示したように、特に、先端部14a(1) の幅が設計幅W1となり、かつその幅が全域にわたって一定となるように上部ポールチップ14aを形成することができる。
【0081】
ここで、図15および図16を参照して、上記したような上部ポールチップ14aの形成方法を用いる場合のさらに有用な作用および効果を説明する。
【0082】
図13(D)に示した例では、第1の露光領域131yと第2の露光領域132yとが重複している領域の長さL10を十分に確保するようにしたが、例えば、中間部14a(2) の長さを短くしたいという要請がある場合には、オーバーラップ長さL10もできるだけ短くする必要がある。この長さL10が長すぎると、第1の露光領域131yが「位置P2」を越えて絶縁膜パターン13の上まで差しかかってしまう結果、上記した下地からの反射による悪影響を回避できないからである。したがって、両露光領域の重複領域の長さL10を極力短くすることが好ましい。
【0083】
ところが、図15(A)に示したように、例えば、第1の露光領域131yが一定幅の部分のみであるようにした場合において長さL10を過度に短くした場合には、次のような不都合が生ずる。すなわち、第1の露光工程において、下地の微小な凹凸領域の表面から反射した僅かな反射光の影響によって第1の露光領域131yの後端部分に丸みが生じ、この結果、図15(B)に示したように、最終的に形成されるフォトレジストパターン133の開口部133zのうち、第1の露光領域131yと第2の露光領域132yとの重複部分に対応する部分の幅は、極めて狭くなり、絞り込まれたような形状となる。フォトレジストパターン133のうちの上記の重複部分に対応する部分は、このフォトレジストパターン133を用いて形成される上部ポールチップ14aの先端部14a(1) と中間部14a(2) との接続部分の形状に反映される。すなわち、上部ポールチップ14aのうちの先端部14a(1) と中間部14a(2) との連結部分がくびれたような形状となる。このような場合には、中間部14a(2) から先端部14a(1) に磁束が伝搬する際の大きな障害となる。
【0084】
これに対して、本実施の形態では、第1の露光領域131yがT字型形状を有しているため、例えば図16(A)に示したように、第1の露光領域131yの後方部分に丸みが生じたとしても、最終的に形成されるフォトレジストパターン133(図16(B))のうちの第1の露光領域131yと第2の露光領域132yとの重複部分に対応する部分には、十分な幅の接続部分が形成される。この場合には、最終的に形成される上部ポールチップ14aの先端部14a(1) と中間部14a(2) との接続部分に対応する部分の幅を十分に確保することができるので、中間部14a(2) から先端部14a(1) へ磁束が円滑に伝搬する。したがって、十分なオーバーライト特性を確保することができる。
【0085】
次に、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法における上記の点以外の効果について説明する。
【0086】
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法では、マスク前駆層110の形成材料として、アルミナなどの比較的反射率の低い無機材料を用いるようにしている。このため、マスク前駆層110上に配設したフォトレジスト膜に対してフォトリソグラフィ処理を施し、フォトレジスト膜をパターニングすることによってマスク80a,80bを形成する場合に、露光時において下地(マスク前駆層110)の表面から反射する反射光の発生を抑制することができる。したがって、反射光の影響による露光領域の拡張または縮小等が抑制され、マスク80a,80bを高精度に形成することができる。
【0087】
また、マスク前駆層110の形成材料として用いられるアルミナは、例えばフォトレジスト膜などの軟材料よりも被エッチング速度が遅い。このようなアルミナの材料特性により、マスク前駆層110をパターニングすることによって形成されるパターンマスク10a,10bを用いて下部磁極9を選択的にエッチングする際、パターンマスク10a,10b自体がエッチングされる量が低減される。このため、下部磁極9のうちのエッチング対象領域以外の部分がエッチングされて、下部磁極9の厚みが目減りしてしまうことを回避することができる。
【0088】
また、本実施の形態では、パターンマスク10a,10bの形成方法および磁極部分100の形成方法として、RIEによるエッチング処理を用い、特に、エッチング処理を行う際の条件(例えばエッチングガスや加工温度等)を適正化しているので、イオンミリングを用いる場合よりも、エッチング処理を短時間で行うことができる。したがって、パターンマスク10a,10bや磁極部分100を短時間で形成することができる。
【0089】
また、本実施の形態では、図8および図9に示したように、配線接続部19sb上に中間接続パターン14eを配設して、中間接続パターン14eの上面の位置が、中間接続部14cおよ磁路接続部14dの双方の上面の位置よりも高くなるようにしたので、これらの各部位をアルミナによって覆ったのち、絶縁膜21を形成するためにアルミナの表面を研磨したときに、中間接続部14cおよ磁路接続部14dの双方と共に中間接続パターン14eをも露出させることができる。このため、中間接続パターン14eを形成しない場合とは異なり、配線接続部19sbとコイル接続配線14fhとを接続させるために、絶縁膜21の一部を除去して開口部を形成する工程が不要となる。しかも、中間接続パターン14eは、中間接続部14cおよび磁路接続部14dの双方と同一の工程によって形成されるので、中間接続パターン14eを形成するために新たな工程を必要としない。したがって、製造工程数を削減することができる。
【0090】
また、本実施の形態では、薄膜コイル16(コイル接続部16sを含む)および薄膜コイル19(コイル接続部19saおよび配線接続部19sbを含む)の双方の各巻線間を埋め込む絶縁膜17,20の形成材料として、加熱時に流動性を示すフォトレジストなどの有機絶縁材料を用いるようにしたので、加熱時に流動性を示さないアルミナなどの無機絶縁材料を用いる場合とは異なり、薄膜コイル16,19等の各巻線間を隙間なく埋めつくすことができ、確実に絶縁することができる。
【0091】
また、本実施の形態では、図5〜図7に示したように、トリム構造を有する磁極部分100を形成するためにRIEによるエッチング処理を行う際、上部ポールチップ14aおよび磁路接続部14bの双方の配設領域以外の領域を一様にエッチングして掘り下げるようにしたので、薄膜コイル16の配設領域の表面の位置が、上部ポールチップ12aの先端部14a(1) の下面の位置よりも低くなる。このため、薄膜コイル16の上方には十分な厚みを有する絶縁膜18が配設されるので、薄膜コイル16と後工程において形成される薄膜コイル19との間を確実に絶縁することができる。
【0092】
<薄膜磁気ヘッドの構造>
次に、図9、図12および図17を参照して、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構造について説明する。
【0093】
図17は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法により製造された薄膜磁気ヘッドの平面構造の概略を表すものである。なお、図17では、絶縁膜17,18,20,21およびオーバーコート層22等の図示を省略している。また、薄膜コイル16,19については、その最外周部分のみを図示し、絶縁膜パターン11については、その最外端のみを図示し、絶縁膜パターン13については、その一部分のみを図示している。図9(A)は、図17におけるIXA−IXA線に沿った矢視断面に相当する。なお、図17中のX,Y,Z軸方向に関するそれぞれの表記については、図1〜図16の場合と同様とする。
【0094】
図9、図12および図17に示したように、絶縁膜パターン11の最前端の位置は、スロートハイト(TH)を決定する際の基準となる位置、すなわちスロートハイトゼロ位置(TH0位置)である。スロートハイト(TH)は、絶縁膜パターン11の最前端の位置(TH0位置)からエアベアリング面90の位置までの長さとして規定される。また、図中における「MRH0位置」は、MR膜5の最後端の位置、すなわちMRハイトゼロ位置を表している。MRハイト(MRH)は、MRハイトゼロ位置からエアベアリング面90の位置までの長さである。スロートハイトゼロ位置(TH0位置)とMRハイトゼロ位置(MRH0位置)とは、例えば、ほぼ一致している。
【0095】
上部磁極14は、例えば、それぞれ別個に形成された上部ポールチップ14a、中間接続部14c、磁路接続部14b,14dおよび上部ヨーク14fによって構成されている。すなわち、上部磁極14は、これらの各部位の集合体である。
【0096】
上部ヨーク14fは、薄膜コイル16,19によって発生した磁束を収容するための大きな面積を有するヨーク部14f(1) と、ヨーク部14f(1) よりも小さい一定幅を有する接続部14f(2) とを含んでいる。ヨーク部14f(1) の幅は、例えば、その後方部においてはほぼ一定であり、その前方部においてエアベアリング面90に近づくにつれて徐々に狭まるようになっている。また、接続部14f(2) の幅は、例えば、後述する中間接続部14cの幅よりも大きくなっている。ただし、必ずしもこのような場合に限らず、例えば、接続部14f(2) の幅が中間接続部14cの幅よりも小さくなるようにしてもよい。
【0097】
中間接続部14cは、例えば、矩形状の平面形状を有するものであり、その幅は、上部ポールチップ14aにおける後端部14a(3) の幅よりも大きくなっている。ただし、中間接続部14cの幅が後端部14a(3) の幅よりも小さくなるようにしてもよい。
【0098】
上部ポールチップ14aは、例えば、エアベアリング面90側から順に先端部14a(1) 、中間部14a(2) および後端部14a(3) を含んでいる。これらの各部位は、例えば、それぞれ矩形状の平面形状を有している。先端部14a(1) は、その全域にわたってほぼ一定な幅を有し、この幅は記録時の記録トラック幅を画定するものである。中間部14a(2) の幅は、先端部14a(1) の幅よりも大きくなっており、後端部14a(3) の幅は、中間部14a(2) の幅よりも大きくなっている。すなわち、先端部14a(1) と中間部14a(2) との連結部分には、幅方向の段差が形成されている。
【0099】
上部ポールチップ14aの段差部における中間部14a(2) 側の段差面14adは、例えば、TH0位置(またはMRH0位置)の位置よりも後方にずれて位置している。中間接続部14cの前側の端縁面14ctは、例えば、段差面12adの位置よりも後方にずれて位置し、絶縁膜パターン13の最前端の位置とほぼ一致している。上部ヨーク14fの前側の端縁面14ftは、例えば、端縁面14ctの位置よりも後方にずれて位置している。すなわち、中間接続部14cおよび上部ヨーク14fは、共にエアベアリング面90から離れて位置するように配設されている。なお、中間接続部14cおよび上部ヨーク14fの配設位置は、必ずしも上記のような場合に限らず、例えば、端縁面14ctの位置が段差面14adの位置と一致するようにしてもよいし、または端縁面14ctおよび端縁面14ftの双方の位置が段差面14adの位置と一致するようにしてもよい。上部ヨーク14f、中間接続部14cおよび上部ポールチップ14aの各幅方向の中心は互いに一致している。
【0100】
上部ポールチップ14aにおける先端部14a(1) の側縁面と段差面14adとが交わるコーナー部における角度γは、例えば、90度ないし120度の範囲内となるようにするのが好適である。中間部14a(2) から先端部14a(1) に向かう磁束の流れを円滑化させるためである。なお、図17では、角度γが、例えば約90度である場合を示している。
【0101】
上部ヨーク14fの前側の一部は、中間接続部14cの一部と部分的にオーバーラップして磁気的に連結され、また中間接続部14cの一部は、上部ポールチップ14aの後端部14a(3) の一部と部分的にオーバーラップして磁気的に連結されている。一方、上部ヨーク14fの後方の一部は、開口部12kにおいて、磁路接続部14b,14dを介して下部磁極9とも磁気的に連結されている(図17では図示せず。)。すなわち、上部磁極14(上部ポールチップ14a,中間接続部14c,磁路接続部14b,14d,上部ヨーク14f)と下部磁極9とが接続されることにより、磁束の伝搬経路、すなわち磁路が形成されている。
【0102】
絶縁膜パターン11は、その最前端の位置P1が、上部ポールチップ14aにおける先端部14a(1) の延在領域内にあるようになっており、例えば、少なくとも上部磁極14および薄膜コイル16,19の双方の配設領域(磁路接続部14b,14dの配設領域を除く。)を含むような広範囲な領域に配設されている。絶縁膜パターン13は、その最前端の位置P2が、例えば、絶縁膜パターン11の最前端の位置P1よりも後退するようになっており、上部ポールチップ14aの後方部分の下方領域に配設されている。図9(A)、図12および図17では、例えば、絶縁膜パターン13の最前端の位置P2が、上部ポールチップ14aの中間部14a(2) と後端部14a(3) との連結位置よりも後退している場合を示している。
【0103】
図17に示したように、薄膜コイル16,19は、共に渦巻状の平面形状を有する巻線体である。薄膜コイル16の内側の終端部および外側の終端部には、それぞれコイル接続部16sおよび端子16xが形成されている。両者は、薄膜コイル16と一体をなすものである。薄膜コイル19の内側の終端部および外側の終端部には、それぞれコイル接続部19saおよび配線接続部19sbが形成されている。両者は、共に薄膜コイル19と一体をなすものである。薄膜コイル16,19は、コイル接続部16s,19saを介して電気的に接続されている。また、配線接続部19sb上には中間接続パターン14eが形成されており、薄膜コイル16,19とコイル接続配線14fhとは、配線接続部19sbおよび中間接続パターン14eを介して電気的に接続されている。端子16xおよびコイル接続配線14fhの後端部(図示せず)は、共に図示しない外部回路に接続されており、この外部回路によって薄膜コイル16,19を通電させることができるようになっている。
【0104】
図9(A)、図12および図17から判るように、上部ポールチップ14aのうちの後端部14a(3) の後方部分以外の部分は平坦な記録ギャップ層12上に配設されており、後端部14a(3) の後方部分は絶縁膜パターン13の斜面部上に配設されている。
【0105】
次に、図9(A)、図12および図17を参照して、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの作用について説明する。
【0106】
まず、薄膜磁気ヘッドの基本的動作、すなわち、記録媒体に対するデータの記録動作および記録媒体からのデータの再生動作について簡単に説明する。
【0107】
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、情報の記録動作時に図示しない外部回路を通じて薄膜コイル16,19に電流が流れると、これに応じて磁束が発生する。このとき発生した磁束は、上部ヨーク14f内をヨーク部14f(1) から接続部14f(2) へ伝搬し、上部ヨーク14fと磁気的に連結されている中間接続部14cおよび上部ポールチップ14aの後端部14a(3) を経由して、さらに中間部14a(2) から先端部14a(1) へ伝搬する。先端部14a(1) へ伝搬した磁束は、さらにそのエアベアリング面90側の先端部分に到達し、記録ギャップ層12近傍の外部に記録用の信号磁界を発生させる。この信号磁界により、磁気記録媒体を部分的に磁化して、情報を記録することができる。
【0108】
一方、再生時においては、再生ヘッド部のMR膜5にセンス電流を流す。MR膜5の抵抗値は、磁気記録媒体からの再生信号磁界に応じて変化するので、その抵抗変化をセンス電流の変化によって検出することにより、磁気記録媒体に記録されている情報を読み出すことができる。
【0109】
次に、図9、図12および図17を参照して、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの特徴的な作用および効果を説明する。
【0110】
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、下部磁極9に設けた凹部9Jに、絶縁膜パターン11を配設している。この絶縁膜パターン11は、磁束の遮蔽材として機能し、その上方領域から下方領域に向かう磁束の流れ(磁束の漏れ)を抑制するものである。絶縁膜パターン11は、その最前端が、上部ポールチップ14aにおける先端部14a(1) の延在領域内に位置すると共に、その最前端の位置よりも後方の領域において、上部ポールチップ14aの配設領域を一部含み、幅方向および長さ方向にわたって広く延在している。この絶縁膜パターン11の存在により、絶縁膜パターン11の配設領域に対応する領域において、上部ポールチップ14a記録ギャップ層12を通過して下部磁極9へ磁束が伝搬することを抑制することができる。
【0111】
これらのことから、この薄膜磁気ヘッドでは、図33に示した従来の薄膜磁気ヘッドとは異なり、薄膜コイル16,19によって発生した磁束を大きなロスなく上部ヨーク14fに十分に供給することができると共に、上部磁極14内の磁束の伝搬過程において、上部ポールチップ14aに流入した磁束を大きなロスなく先端部14a(1) に供給することができる。このため、先端部14a(1) の先端には必要十分な磁束が到達することとなる。したがって、優れたオーバーライト特性を確保することが可能となる。また、絶縁膜パターン11の存在により、記録ヘッド部以外への磁束の到達、例えば、再生ヘッド部のMR膜5への磁束の到達を抑制することができる。なお、絶縁膜パターン11は、上部ポールチップ14aから下部磁極9へ磁束が伝搬することを抑制すると同時に、下部磁極9から上部ポールチップ14aへ磁束が伝搬することをも抑制することができる。
【0112】
また、本実施の形態では、図33に示した従来の薄膜磁気ヘッドにおける領域112Sに対応する領域、すなわち上部ポールチップ14aの後端部14a(3) の一部と中間接続部14cの一部とがオーバーラップして接触している面(以下、単に「磁気連結面」ともいう。)14Rに対応する領域14Sに、絶縁膜パターン11の他に、記録ギャップ層12と接するように絶縁膜パターン13を配設している。この絶縁膜パターン13もまた、絶縁膜パターン11の場合と同様に磁束の遮蔽材として機能し、磁束の漏れを抑制する。このように、磁束の漏れ傾向が顕著な領域14Sに絶縁膜パターン13を配設することにより、絶縁膜パターン11の磁束遮蔽効果とあいまって、領域14Sにおける磁束の漏れをより確実に抑制することができる。この点もまた、優れたオーバーライト特性の確保に寄与する。
【0113】
また、本実施の形態では、上部ポールチップ14aを構成する先端部14a(1) ,中間部14a(2) ,後端部14a(3) のそれぞれの幅W1,W2,W3がW1<W2<W3の関係となるようにしたので、上記の各部位の内部に収容できる磁束の許容量(以下、単に「磁気ボリューム」という。)をそれぞれV1,V2,V3とすると、各部位間の磁気ボリュームの関係もまたV1<V2<V3となる。このため、上部ポールチップ14aに流量した磁束は、後端部14a(3) から中間部14a(2) を経由して先端部14a(1) に伝搬する過程において、磁気ボリュームの段階的な減少に応じて段階的に集束され、先端部14a(1) には十分な量の磁束が供給される。このように、上部ポールチップ14aを構成する各部位の磁気ボリュームを適正化することにより、磁束の伝搬過程における磁束の飽和現象が回避される。この点もまた、優れたオーバーライト特性の確保に寄与する。
【0114】
また、本実施の形態では、絶縁膜パターン13の最前端の位置P2が、絶縁膜パターン11の最前端の位置P1よりも後退するようにしたので、上部ポールチップ14aにおける先端部14a(1) の磁気ボリュームを適正に確保することができる。このため、磁束の伝搬過程において、先端部14a(1) 内における磁束の飽和を回避することができる。
【0115】
また、本実施の形態では、上部磁極14(上部ポールチップ14a等)および下部磁極9の形成材料として、高飽和磁束密度を有するニッケル鉄合金、窒化鉄またはアモルファス合金(コバルト鉄合金,ジルコニウムコバルト鉄合金等)などを用いているので、上部磁極14および下部磁極9の内部における磁束の伝搬を円滑化することができる。これにより、特に、例えば絶縁膜パターン11の下方における下部磁極9の一部のように、磁路を構成する磁性層部分の一部の厚みが減少し、磁束の通過領域の面積が縮小したとしても、この部分における磁束の飽和を回避することができる。
【0116】
また、本実施の形態では、絶縁膜パターン13の最前端近傍が斜面をなすようにしたので、この斜面部の上方における上部ポールチップ14a内の磁束の流れを円滑化することができる。
【0117】
また、本実施の形態では、中間接続部14cの前側の端縁面が、下地の平坦面に対して傾斜した斜面をなすようにしたので、中間接続部14cから上部ポールチップ14aへ流入する磁束の流れを円滑化することができる。
【0118】
また、本実施の形態では、中間接続部14cおよび上部ヨーク14fのそれぞれの最前端が、エアベアリング面90の位置よりも後方に離れて位置するようにしたので、これらの部位からエアベアリング面90側に対して磁束が直接放出されることを回避することができる。このため、サイドイレーズ現象の発生を防止することができる。
【0119】
また、本実施の形態では、研磨処理によって平坦化した下地上に上部ヨーク14fを形成するようにしたので、上部ヨーク14fを高精度に形成することがでいる。このような効果は、上部ヨーク14fの他、平坦な下地上に中間接続部14c、磁路接続部14dおよびコイル接続配線14fh等を形成する場合においても同様である。
【0120】
<薄膜磁気ヘッドの製造方法に関する変形例>
なお、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法では、上部ポールチップ14aを2度の露光工程を経て形成するようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、3回以上の露光工程を経て形成するようにしてもよい。このような場合においても、上記実施の形態の場合と同様の効果を得ることができる。また、上部ポールチップ14a以外の磁性層部分、例えば中間接続部14c、磁路接続部14b,14d中間接続パターン14e、上部ヨーク14fおよびコイル接続配線14fh等の形成に関しては、必ずしも複数回の露光工程を経ることはなく、一度の露光工程を経て形成するようにしてもよい。上記のような複数回の露光工程を経る磁性層部分の形成方法は、極微小な幅を有する部分A(例えば先端部14a(1) )を含んで構成される磁性層部分(例えば上部ポールチップ14a)のうちの少なくとも部分Aを、斜面領域および平坦領域の双方を有する下地上の平坦領域上に形成する場合に有用である。磁性層部分の形成領域が平坦である場合には、形成工程を簡略化するため、この磁性層部分を一度の露光工程を経て形成するようにするのが好ましい。
【0121】
また、本実施の形態では、マスク前駆層110や磁極部分100を加工する際のエッチング方法としてRIEを用いるようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、イオンミリングを用いるようにしてもよい。ただし、上記したように、エッチング処理に要する時間を短縮しようとするならば、RIEを用いるようにするのが好適である。
【0122】
また、本実施の形態では、薄膜磁気ヘッドを構成する各磁性層部分のうちの上部磁極14(上部ポールチップ14a,上部ヨーク14f等)、下部シールド層3および上部シールド層7などを電解めっき法によって形成するようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、下部磁極9を形成した場合と同様の手法によって上記の各磁性層部分を形成するようにしてもよい。スパッタリングによって形成するようにしてもよい。すなわち、例えば、スパッタリングによって所定の材料(例えば窒化鉄)よりなる前駆層を成膜したのち、所定の形状および材質を有するマスクを用いて、イオンミリングによって前駆層をパターニングする。なお、このような場合におけるエッチング方法としては、上記のイオンミリングの他、RIEを用いるようにしてもよい。RIEを用いる場合には、イオンミリングを用いる場合よりも、エッチング処理を短時間で行うことができる。また、特に、前駆層をパターニングするためのマスクの形成材料としてアルミナなどの無機絶縁材料を用いることにより、上記したアルミナよりなるマスク前駆層110の場合と同様の作用により、各磁性層部分を形成する際の不都合(磁性層部分の厚みの目減り等)を回避することができる。
【0123】
また、本実施の形態では、フォトリソグラフィ処理によりフォトレジスト膜をパターニングすることによってマスク80a,80bを形成するようにしたが、必ずしもこれに限られるものではない。上記のような方法の他、例えば、電解めっき法によってめっき膜を成長させることによってマスク80a,80bを形成するようにしてもよいし、または前駆層を成膜したのち、この前駆層に対してエッチング処理を施してパターニングすることによってマスク80a,80bを形成するようにしてもよい。なお、このような場合における上記のめっき膜や前駆層の形成材料としては、上記実施の形態における上部ポールチップ14a等の形成材料と同様のものを用いるようにしてもよい。また、上記の前駆層の成膜法としては、スパッタリングや電解めっき法を用いるようにしてもよいし、上記のエッチング方法としては、イオンミリングやRIEを用いるようにしてもよい。
【0124】
また、本実施の形態では、絶縁膜17,20の形成材料としてフォトレジストを用いるようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、フォトレジストと同様に加熱時に流動性を示すポリイミド樹脂やSOG(Spin on glass )などを用いるようにしてもよい。
【0125】
また、本実施の形態では、上部磁極14(上部ポールチップ14a,上部ヨーク14f等)や下部磁極9等の形成材料として、高飽和磁束密度を有するパーマロイ、窒化鉄またはアモルファス合金等を用いるようにしたが、これらの他、例えばニッケルコバルト鉄合金(FeCoNi)を用いるようにしてもよい。このような場合には、例えば、ニッケルコバルト鉄合金中の各金属成分の割合をFe:Co:Ni=40重量%:30重量%:30重量%程度とするのが好適である。このような組成を有するニッケルコバルト鉄合金は、上記のパーマロイ等と同等またはそれ以上の高い飽和磁束密度を有するものである。
【0126】
また、本実施の形態では、下部シールド層3および上部シールド層7の形成材料としてNi:Fe=80:20(重量%)の組成を有するパーマロイを用いるようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、窒化鉄やアモルファス合金(コバルト鉄,ジルコニウムコバルト鉄等)を用いるようにしてもよいし、または上記したような組成を変更したパーマロイ(例えばNi:Fe=45重量%:55重量%等)を用いるようにしてもよい。
【0127】
また、本実施の形態では、記録ギャップ層12の形成材料としてアルミナを用い、またその形成手法としてスパッタリングを用いるようにしたが、必ずしもこれに限られるものではない。記録ギャップ層12の形成材料としては、アルミナの他、例えば窒化アルミニウム(AlN)、シリコン酸化物、シリコン窒化物などの無機絶縁材料を用いるようにしてもよいし、またはタンタル(Ta),チタンタングステン(WTi),窒化チタン(TiN)などの非磁性金属を用いるようにしてもよい。また、記録ギャップ層12の形成方法としては、スパッタリングの他、CVD(Chemical Vapor Deposition )法を用いるようにしてもよい。このような方法を用いて記録ギャップ層12を形成することにより、ギャップ層内にピンホールなどが含有されることを抑制できる。したがって、この点もまた、記録ギャップ層12を介する磁束の漏れ現象の回避に寄与する。
【0128】
<薄膜磁気ヘッドの構造に関する変形例>
なお、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、図12に示したように、絶縁膜パターン13が、磁気連結面14Rに対応する領域14S(図9参照)、すなわち上部ポールチップ14aにおける後端部14a(3) の一部の下方領域にのみ配設されるようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、図18に示したように、後端部14a(3) から先端部14a(1) にかけての領域に延在して配設されるようにしてもよい。このような場合には、絶縁膜パターン13の存在により、絶縁膜パターン13の配設範囲に対応したより広い領域における上部ポールチップ14aから下部磁極9への磁束の漏れを抑制することができる。なお、絶縁膜パターン13の配設領域を拡張する場合には、上記したように、その最前端が、絶縁膜パターン11の最前端の位置よりも後側にずれて位置するようにする。先端部14a(1) の磁気ボリュームを適正に確保し、その内部における磁束の飽和を回避するためである。
【0129】
また、本実施の形態では、図12に示したように、上部ポールチップ14aが、互いに異なる幅を有する先端部14a(1) ,中間部14a(2) ,後端部14a(3) の3つの部位によって構成されるようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、上部ポールチップ14a内の磁束の伝搬を阻害しない限り、上部ポールチップ14aの構成を自由に変更することが可能である。具体的には、例えば、図19に示したように、上部ポールチップ14aの代わりに、2つの部位、すなわち、先端部14a(1) に対応する先端部114a(1) とこの先端部114a(1) よりも大きな幅を有する後端部114a(2) とによって構成される上部ポールチップ114aを用いるようにしてもよい。このような場合においても、上部ポールチップ114aを構成する各部位の磁気ボリュームを調整することにより、上部ポールチップ14aを用いる場合とほぼ同等の効果を得ることができる。なお、図12および図19では、上部ポールチップ14aおよび上部ポールチップ114aのそれぞれの各部位が矩形状をなしている場合を示してるが、必ずしもこれに限られるものではなく、矩形状以外の形状をなすようにしてもよい。
【0130】
また、本実施の形態では、図12に示したように、エッチング処理によって磁極部分100を形成する際に、その周辺領域における記録ギャップ層12,下部磁極9および絶縁膜パターン11もエッチングして全体に掘り下げるようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、図19に示したように、絶縁膜パターン13の最前端の位置よりも前側の領域のみを掘り下げるようにしてもよい。もちろん、図19において、上部ポールチップ114aの代わりに上部ポールチップ14aを用いるようにしてもよい。なお、図19において、上記した点以外の構造は、図12の場合と同様である。
【0131】
また、本実施の形態では、上部ヨーク(14f)がパーマロイの単層構造からなる場合について説明したが(図9参照)、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば図20に示したように、上部ヨークが、例えばパーマロイなどの高飽和磁束密度材層91と、例えばアルミナなどの無機絶縁材層92とが交互に積層された構造よりなる(214f)ようにしてもよい。上部ヨークをこのような構造とすることにより、磁路における渦電流の発生を防止し、高周波特性を向上させることができる。なお、図20において、上部ヨーク214f以外の部分は、上記の図9の場合と同様である。
【0132】
また、本実施の形態では、上部シールド層7および下部磁極9を別体として形成し、両者の間に絶縁膜8を配設するようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、両者の間に絶縁膜8を配設しないようにしてもよい。このような場合には、上部シールド層7および下部磁極9を一体として形成し、単層となるようにしてもよい。
【0133】
また、本実施の形態では、薄膜コイル16,19のそれぞれの内側の終端部にコイル接続部16s,19saを配設し、薄膜コイル19の外側の終端部に配線接続部19sbを配設するようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、コイル接続部16,19saの配設位置を内側から外側へ変更し、また配線接続部19sbの配設位置を外側から内側へ変更するようにしてもよい。このような場合には、配線接続部19sbの配設位置の変更と共に、中間接続パターン14eおよびコイル接続配線14fhの配設位置も同様に変更するようにするのが好ましい。
【0134】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0135】
まず、図21〜図27を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法としての複合型薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明する。なお、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法によって具現化されるので、以下併せて説明する。図21〜図24において、(A)はエアベアリング面に垂直な断面を示し、(B)は磁極部分のエアベアリング面に平行な断面を示している。図25〜図27は、主要な製造工程に対応する斜視図である。ここで、図25は図21に示した状態に対応し、図26は図22に示した状態に対応し、図27は図24に示した状態に対応する。ただし、図25では、図21における薄膜コイル41および絶縁膜42等の図示を省略し、図26では、図22における薄膜コイル41、絶縁膜42,44pの図示を省略し、図27では、図24における薄膜コイル41,絶縁膜42,44およびオーバーコート層45等の図示を省略している。なお、図21〜図27において、各図中のX,Y,Z軸方向に関する表記は、上記第1の実施の形態の場合と同様とし、また各図中の上記第1の実施の形態における構成要素と同一部分には同一の符号を付すものとする。
【0136】
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法において、図21における記録ギャップ層12(開口部12kの形成を含む)を形成するところまでの工程は、上記第1の実施の形態における図1に示した工程までと同様であるので、その説明を省略する。
【0137】
本実施の形態では、記録ギャップ層12を形成したのち、図21および図25に示したように、絶縁膜パターン11の上方における平坦な記録ギャップ層12上に、例えば電解めっき法により、例えば銅(Cu)よりなる誘導型の記録ヘッド用の薄膜コイル41を約1.0〜1.5μmの厚みで選択的に形成する。この薄膜コイル41は、例えば上記第1の実施の形態における薄膜コイル16と同様の構造的特徴を有するものである。なお、図21では、薄膜コイル16の一部分のみを図示している。薄膜コイル41を形成する際には、同時に、例えば、その内側の終端部における記録ギャップ層12上に、配線接続部41sを薄膜コイル41と一体に形成する。この配線接続部41sは、薄膜コイル41と後工程において形成されるコイル接続配線43fh(図24(A)参照)とを電気的に接続させるためのものである。ここで、配線接続部41sが、本発明における「コイル端部」の一具体例に対応する。
【0138】
次に、図21および図25に示したように、薄膜コイル41(配線接続部41sを含む)の各巻線間およびその周辺領域に、例えばフォトレジストよりなる絶縁膜42を高精度のフォトリソグラフィ処理により所定のパターンとなるように形成する。なお、絶縁膜42の構造的特徴および形成方法は、上記第1の実施の形態における絶縁膜17,20の場合と同様である。
【0139】
次に、図21および図25に示したように、薄膜コイル41の配設領域よりも前側の平坦な記録ギャップ層12上に、例えばフレームめっき法により、上部磁極43の一部を構成する上部ポールチップ43aを約2.5〜3.5μmの厚みで選択的に形成する。この上部ポールチップ43aは、例えば、後述する図28に示したような平面形状を有するものであり、先端部43a(1) と、中間部43a(2) と、幅方向に分離して配置された右後端部43a(3) Rおよび左後端部43a(3) Lによって構成された後端部43a(3) とを含んでいる。上部ポールチップ43aの構造的特徴については後述する。上部ポールチップ43aを形成する際には、同時に、上部磁極43の一部を構成する磁路接続部43bを開口部12kに形成すると共に、配線接続部41s上に中間接続パターン43eを形成する(図25では、磁路接続部43bおよび中間接続パターン43eを図示せず。)。この中間接続パターン43eは、薄膜コイル41と後工程において形成されるコイル接続配線43fhとを電気的に接続させるためのものである。
【0140】
ここで、上部ポールチップ43aが、本発明における「第1の磁性層部分」の一具体例に対応し、磁路接続部43bが、本発明における「第3の磁性層部分」の一具体例に対応する。また、先端部43a(1) が、本発明における「一定幅部分」の一具体例に対応し、中間部43a(2) が、本発明における「連結部分」の一具体例に対応し、後端部43a(3) が、本発明における「接続部分」の一具体例に対応する。さらに、中間接続パターン43eが、本発明における「コイル接続パターン」の一具体例に対応し、薄膜コイル41、配線接続部41sおよび中間接続パターン43eが、本発明における「薄膜コイル部」の一具体例に対応する。
【0141】
フレームめっき法によって上部ポールチップ43aを形成する際には、上記第1の実施の形態において上部ポールチップ14aを形成した場合とは異なり、例えば、フォトレジストパターンを形成するためのフォトレジスト膜に対する露光処理を一括して行うようにする。本実施の形態では、上部ポールチップ43a全体が平坦な記録ギャップ層12上に形成されることとなるので、フォトレジスト膜を露光する際の下地から反射する反射光による悪影響が少ないからである。このようなフォトレジストパターンの形成方法に関する詳細については、後述する。なお、上部ポールチップ43a、磁路接続部43bおよび中間接続パターン43eの形成材料としては、上記第1の実施の形態における上部ポールチップ14a等の場合と同様に、例えばパーマロイ(Ni:Fe=45重量%:55重量%)などの高飽和磁束密度を有する磁性材料を用いるようにする。
【0142】
次に、図22および図26に示したように、上部ポールチップ43aと絶縁膜42の最前端の位置よりも後側の領域に選択的に形成した図示しないフォトレジスト膜とをマスクとして、上記第1の実施の形態において磁極部分100を形成した場合と同様のRIEにより、全体に約0.3〜0.4μm程度エッチングする。このエッチング処理により、絶縁膜42の最前端の位置よりも前側の領域における上部ポールチップ43aの周辺の記録ギャップ層12、下部磁極9および絶縁膜パターン11が選択的に除去され、一様に掘り下げられる。このとき、上部ポールチップ43aのうちの2つの後端部、すなわち右後端部43a(3) Rおよび左後端部43a(3) Lと中間部43a(2) とによって囲まれた領域14Yに対応する記録ギャップ層12および絶縁膜パターン11のそれぞれの一部ももちろん除去される。このエッチング処理により、トリム構造を有する磁極部分200が形成される。
【0143】
次に、図22および図26に示したように、全体を覆うように、例えばスパッタリングにより、例えばアルミナ層44pを約3.0〜4.0μmの厚みで成膜して、上部ポールチップ43a、磁路接続部43b、中間接続パターン43eおよび薄膜コイル41等によって構成された凹凸領域を埋設する。
【0144】
次に、例えばCMP法によってアルミナ層44pの表面全体を研磨して平坦化することにより、図23に示したように、薄膜コイル41等を埋設する絶縁膜44を形成する。このときの研磨処理は、上部ポールチップ43a、磁路接続部43bおよび中間接続パターン43eが露出するまで行う。上部ポールチップ43aの後側の領域43Sには、絶縁膜44の一部が埋め込まれることとなる。ここで、絶縁膜42,44が、本発明における「コイル埋設層」の一具体例に対応し、絶縁膜パターン11および絶縁膜42,44が、本発明における「絶縁層」の一具体例に対応する。
【0145】
次に、図24に示したように、磁路接続部43bの上方から上部ポールチップ43aの後端部43a(3) の上方にかけての領域に、上部磁極43の一部を構成する上部ヨーク43fを約2.0〜3.0μm程度の厚みで選択的に形成する。この上部ヨーク43fは、例えば、上記第1の実施の形態における上部ヨーク14fとほぼ同様の構造的特徴を有するものである。上部ヨーク43fを形成する際には、同時に、中間接続パターン43eの上方から図示しない外部回路にかけての領域にコイル接続配線43fhを選択的に形成する。上部ヨーク43fおよびコイル接続配線43fhの形成材料および形成方法等は、上記第1の実施の形態において上部ポールチップ43a等を形成した場合と同様である。なお、上部ヨーク43fを形成する際には、例えば、その最前端の位置が、上部ポールチップ43aにおける中間部43a(2) の最後端の位置と一致するようにすると共に、少なくともその前側の端縁面が斜面をなすようにする。このときの上部ヨーク43fの周辺における立体的構造は、図27に示したようになる。ここで、上部ヨーク43fが、本発明における「第2の磁性層部分」の一具体例に対応し、上部ポールチップ43a、磁路接続部43bおよび上部ヨーク43fによって構成される上部磁極43が、本発明における「第1の磁性層」の一具体例に対応する。
【0146】
次に、図24に示したように、全体を覆うようにして、例えばスパッタリングにより、例えばアルミナよりなるオーバーコート層45を形成したのち、機械加工や研磨工程によってエアベアリング面90を形成して、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0147】
図28は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法により製造された薄膜磁気ヘッドの平面構造の概略を表すものである。図28において、上記第1の実施の形態における図13に示した構成要素と同一部分には同一の符号を付すものとする。なお、図28では、絶縁膜42,44およびオーバーコート層45等の図示を省略している。また、薄膜コイル41については、その最外周部分のみを図示している。図24(A)は、図28におけるXXIVA−XXIVA線に沿った矢視断面に相当する。
【0148】
図28に示したように、上部磁極43は、例えば、それぞれ別個に形成された上部ポールチップ43a、磁路接続部43bおよび上部ヨーク43fによって構成されている。上部ヨーク43fは、上記第1の実施の形態における上部ヨーク14f(図9参照)と同様の平面形状を有するものであり、上部ヨーク14fのヨーク部14f(1) および接続部14f(2) のそれぞれに対応するヨーク部43f(1) および接続部43f(2) を含んでいる。上部ヨーク43fの前側の端縁面43ftの位置は、例えば、上部ポールチップ43aの最後端の位置とほぼ一致している。
【0149】
上部ポールチップ43aは、エアベアリング面90側から順に、上記第1の実施の形態における上部ポールチップ14aの先端部14a(1) ,中間部14a(2) ,後端部14a(3) (図9参照)に対応する先端部43a(1) ,中間部43a(2) ,後端部43a(3) を含んでいる。これらの各部位の各幅方向の中心は互いに一致している。先端部43a(1) は、長さ方向においてほぼ一定の幅を有している。中間部43a(2) は、例えば、先端部43a(1) の幅より大きな幅を有する前部分とこの前部分の幅よりも大きな幅を有する後部分とを含んでいる。後端部43a(3) は、例えば、幅方向に分離して配置された2つの部位、すなわち右後端部43a(3) Rおよび左後端部43a(3) Lを含んでいる。右後端部43a(3) Rおよび左後端部43a(3) Lは、例えば、先端部43a(1) および中間部43a(2) の中心を通る中心線Aに関して対象な位置に配設されており、それぞれの形状は、中心線Aを基準として左右対称になっている。これらの2つの部位によって規定される後端部43a(3) の幅は、例えば中間部43a(2) の後部分の幅とほぼ一致している。先端部43a(1) と中間部43a(2) との連結部分には幅方向の段差が形成されており、この連結部分における中間部43a(2) 側の段差面43adは、例えば、TH0位置(またはMRH0位置)よりも後方にずれて位置している。図24に示したように、上部ポールチップ43aは、平坦な記録ギャップ層12上に延在している。
【0150】
図24(A)および図28に示したように、上部ヨーク43fは、開口部12kにおいて磁路接続部43bを介して下部磁極9と磁気的に連結されると共に、図24(A)、図27および図28に示したように、上部ポールチップ43aの一部(後端部43a(3) )とも部分的にオーバーラップして磁気的に連結されている。すなわち、上部磁極43(上部ポールチップ43a,磁路接続部43b,上部ヨーク43f)と下部磁極9とが接続されることにより磁路が形成されている。
【0151】
図28に示したように、薄膜コイル41および配線接続部41sは、例えば、上記第1の実施の形態における薄膜コイル16およびコイル接続部16sと同様の構造的特徴を有するものである。薄膜コイル41は、中間接続パターン43eを介してコイル接続配線43fhと電気的に接続されている。薄膜コイル41の外側の終端部に設けられた端子41xとコイル接続配線43fhの後方の一部(図示せず)とは図示しない外部回路に接続されており、この外部回路を通じて薄膜コイル41を通電させることができるようになっている。
【0152】
なお、図28に示した上記以外の配設物に関する構造的特徴は、上記第1の実施の形態の場合(図13)と同様である。
【0153】
本実施の形態では、図9に示したように、上記第1の実施の形態の場合とは異なり、領域14Sに対応する領域、すなわち、上部ポールチップ43aの後端部43a(3) と上部ヨーク43fとがオーバーラップして接触している磁気連結面43Rに対応する領域43Sに磁極部分200を形成するためのエッチング処理を行う際に絶縁膜パターン13を配設していない。本実施の形態では、領域43Sの一部である領域43Yに、薄膜コイル41等を埋設する絶縁膜44の一部を埋め込むようにしている。領域43Yに埋め込まれた絶縁膜44の一部は、絶縁膜パターン13の代わりに、領域43Sにおける磁束の漏れを抑制する役割を担う。このため、領域43Yに埋め込まれた絶縁膜44の存在により、絶縁膜パターン13を配設しなくても、以下のような作用によって領域43Yにおける磁束の漏れを抑制することができる。すなわち、領域43Sにおける磁束の漏れ傾向は、特に、その中心領域(領域43Yを含む領域)において顕著となる。なぜなら、上部ヨーク43fから上部ポールチップ43aへの磁束の伝搬過程において、磁束は領域43Sの中心領域に集中して流れるからである。このため、領域43Yに絶縁膜44の一部を埋め込むことにより、上記の中心領域における磁束の集中を抑制することができる。
【0154】
また、本実施の形態では、図9、図27および図28に示したように、上部ポールチップ43aの後端部43a(3) が、幅方向に分離して配置された2つの部位(右後端部43a(3) R,左後端部43a(3) L)によって構成されるようにしたので、以下のような作用により、オーバーライト特性を向上させることができる。すなわち、情報の記録動作時において薄膜コイル41において発生した磁束は、上部ヨーク43f内を伝搬し、上部ポールチップ43aの後端部43a(3) Rおよび後端部43a(3) Lにほぼ均等に流入する。そして、双方の部位に流入した磁束は、中間部43a(2) に伝搬してそこで合流し、さらに、先端部43a(1) に伝搬する。このような磁束の伝搬経路を構成することにより、特に、磁気ボリュームの大きな領域(後端部43a(3) )から小さな領域(中間部43a(2) )に磁束が流入する際の磁束の飽和現象を抑制することができる。このため、上部ポールチップ43aの内部における磁束の伝搬ロスを低減し、上部ポールチップ43aの先端部43a(1) に必要充分な量の磁束が到達できるようにすることができる。
【0155】
また、本実施の形態では、薄膜コイル41の端部に設けられた配線接続部41sの上方に、上部ポールチップ43aを形成する工程と同一の工程によって中間接続パターン43eを形成するようにしている。このため、上記の第1の実施の形態において中間接続パターン14e(図8および図9参照)を形成した場合と同様の作用により、薄膜コイル41とコイル接続配線43fhとを接続させるための工程を簡略化し、製造工程を削減することができる。
【0156】
また、本実施の形態では、上部ヨーク43fの前側の端縁面が斜面をなすようにしたので、上部ヨーク43fから上部ポールチップ43aへ流入する磁束の流れを円滑化することができる。
【0157】
次に、図29を参照して、本実施の形態における上部ポールチップ43aの形成方法について詳細に説明する。
【0158】
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法では、上記第1の実施の形態のおいて上部ポールチップ14aを形成した場合とは異なり、フォトレジスト膜に対して一度の露光処理を施すことにより、上部ポールチップ43aの形成に用いるフォトレジストパターンを形成するようにしている。上部ポールチップ43aの配設領域における下地(記録ギャップ層12)が平坦であるような場合には、一度の露光工程を経ることにより、上部ポールチップ43aを精度よく形成することができる。以下、この点を中心として説明する。
【0159】
図29において、(A)は、露光工程において使用するフォトマスク51の平面形状を表し、(B)は、露光工程により露光されるフォトレジスト膜151の領域(露光領域151y)を表すものである。(C)は、(B)に示した露光領域151yを現像することにより得られるフォトレジストパターン152の平面形状を表すものであり、(D)は、フォトレジストパターン152を用いて形成される上部ポールチップ43aの平面形状を表すものである。
【0160】
図29(A)に示したフォトマスク51は、上部ポールチップ43aの平面形状に対応する形状を有する開口部51xを備えている。本実施の形態における露光工程では、まず、このフォトマスク51を用いて露光処理を行うことにより、図29(B)に示したように、フォトレジスト膜151には、開口部51xに対応する平面形状を有する露光領域151yが形成される。このときの露光処理は平坦な下地上で行われるため、下地から横方向や斜め方向に反射する反射光の発生が抑制され、これに伴って露光領域の拡大傾向も抑制されることとなる。特に、本実施の形態では、上部ポールチップ43aの後方領域に窪み部分(領域43Y;図29(D)参照)を設けているので、フォトマスク51のうちの上記の窪み部分に対応する部分51aが遮光部となり、フォトレジスト151のうちの領域43Sに対応する部分に対して照射される照射光の総量が少なくなる。このため、下地から反射する反射光の光量も少なくなり、結果的に、この反射光に起因する露光領域の拡大傾向が抑制される。すなわち、フォトレジスト膜151に対して高精度な露光を行うことが可能となり、特に、フォトレジスト膜151のうち、上部ポールチップ43aの先端部43a(1) に対応する部分の露光領域の拡大を効果的に防止することができる。
【0161】
次に、フォトレジスト膜151の露光領域151yを現像することにより、図29(C)に示したように、開口部152zを有するフォトレジストパターン152を形成する。この開口部152zの平面形状は、上部ポールチップ43aの平面形状に対応するものである。次に、フォトレジストパターン152を用いてめっき工程を行うことにより、上部ポールチップ43a(図29(D))が形成される。このようにして形成された上部ポールチップ43aの先端部43a(1) は、上記第1の実施の形態における上部ポールチップ14aの先端部14a(1) と同様の形状的特徴を有することとなる。すなわち、上部ポールチップ43aの先端部43a(1) もまた、その全域にわたって極微小な一定幅を有することとなる。
【0162】
なお、上部ポールチップ43aを形成する場合には、必ずしも一度の露光工程を経なければならないものではなく、例えば、上記第1の実施の形態およびその変形例において説明したように、2回またはそれ以上の回数の露光工程を経て上部ポールチップ43aを形成するようにしてもよい。特に、本実施の形態においても、フォトレジスト膜151のうち、上部ポールチップ43aの先端部43a(1) に対応する部分の露光処理を他の部分(中間部43a(2) 等)とは別個に行うことにより、フォトレジスト膜151に照射される照射光の絶対量を低減させることができるので、結果として上部ポールチップ43aの先端部43a(1) をより高精度に形成することができる。
【0163】
なお、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法に関する上記以外の作用、効果および変形例等は、上記第1の実施の形態の場合と同様であるので、その説明を省略する。
【0164】
以上、いくつかの実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記第2の実施の形態では、上記第1の実施の形態における絶縁膜パターン13(図12参照)を配設しないようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、図30に示したように、上部ポールチップ43aにおける後端部43a(3) の下方領域に絶縁膜パターン13を設け、後端部43a(3) の一部が絶縁膜パターン13上に乗り上げるようにしてもよい。このような場合には、第1および第2の実施の形態において説明したそれぞれの場合の磁束の漏れに対する抑制効果を共に享受することができる。したがって、薄膜磁気ヘッドのオーバーライト特性をより向上させることができる。なお、このような場合には、必ずしも上部ポールチップ43aの一部が絶縁膜パターン13上に乗り上げるようにしなければならないものではなく、例えば、絶縁膜パターン13の前側領域における平坦面上に上部ポールチップ43a全体が配設されるようにしてもよい。
【0165】
また、例えば、上記各実施の形態およびその変形例では、複合型薄膜磁気ヘッドの製造方法について説明したが、本発明は、書き込み用の誘導型磁気変換素子を有する記録専用の薄膜磁気ヘッドや記録・再生兼用の誘導型磁気変換素子を有する薄膜磁気ヘッドにも適用することができる。また、本発明は、書き込み用の素子と読み出し用の素子の積層順序を逆転させた構造の薄膜磁気ヘッドにも適用することができる。
【0166】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッドまたは請求項12ないし請求項24のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、第2の磁性層のギャップ層に接する側の一部に設けられた凹部に、ギャップ層の後方において絶縁層に連結されると共に最前端の位置においてスロートハイトを規定する第1の非磁性パターンを埋設すると共に、その最前端が第1の磁性層部分のうちの一定幅部分と拡幅部分との連結部よりも記録媒体対向面に近い側におけるの一定幅部分の延在領域内に位置するようにしたので、この第1の非磁性パターンの存在によって、その上方領域から下方領域への磁束の伝搬、すなわち磁束の漏れが抑制され、磁束の伝搬過程における磁束の伝搬ロスを低減することができる。したがって、優れたオーバーライト特性を確保することができるという効果を奏する。
【0167】
特に、請求項2記載の薄膜磁気ヘッドまたは請求項13記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、さらに、ギャップ層における第1の非磁性パターンが接する面とは反対側の面に接するように絶縁層の一部をなす第2の非磁性パターンを延在させるようにしたので、この第2の非磁性パターンの存在によって、第1の磁性層と第2の磁性層との間での磁束の伝搬を抑制し、特に、第1の磁性層から第2の磁性層への磁束の伝搬を抑制することができるという効果を奏する。この点でも、優れたオーバーライト特性の確保に寄与することとなる。
【0168】
また、請求項3記載の薄膜磁気ヘッドによれば、第2の非磁性パターンの最前端近傍の表面がギャップ層の表面に対して傾斜した斜面をなすようにしたので、この第2の非磁性パターンの上方における第1の磁性層部分内の磁束の流れを円滑化させることができるという効果を奏する。
【0169】
また、請求項4記載の薄膜磁気ヘッドによれば、第2の非磁性パターンの最前端の位置が第1の非磁性パターンの最前端の位置よりも長さ方向に後退しており、第1の磁性層部分がギャップ層の平坦な領域上から第2の非磁性パターンの斜面上にかけて延在するようにしたので、第1の磁性層部分の一定幅部分における磁気ボリュームを確保しつつ、第2の非磁性パターンの配設領域における第1の磁性層部分から第2の磁性層への磁束の伝搬を抑制することができるという効果を奏する。
【0170】
また、請求項7記載の薄膜磁気ヘッドまたは請求項19記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、第1の磁性層部分における連結部分と少なくとも2つの接続部分とによって囲まれた領域に絶縁層のうちの一部が埋め込まれるようにしたので、第1の磁性層部分から第2の磁性層への磁束の伝搬を抑制することができる。すなわち、上記の領域に埋め込まれた絶縁層の一部によって磁束の漏れが抑制されるという効果を奏する。この点でも、優れたオーバーライト特性の確保に寄与することとなる。
【0171】
また、請求項9記載の薄膜磁気ヘッドまたは請求項22記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、第1の磁性層および第2の磁性層のうちの少なくとも一方が、ニッケル鉄合金または窒化鉄のいずれかを含む材料よりなるようにしたので、第1の磁性層および第2の磁性層のうちの少なくとも一方の内部における磁束の伝搬を円滑化させることができるという効果を奏する。
【0172】
また、請求項10または請求項11に記載の薄膜磁気ヘッドまたは請求項23または請求項24に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、第1の磁性層および第2の磁性層のうちの少なくとも一方が、コバルト鉄合金またはジルコニウムコバルト鉄合金などのアモルファス合金を含む材料よりなるようにしたので、第1の磁性層および第2の磁性層のうちの少なくとも一方の内部における磁束の伝搬を円滑化させることができるという効果を奏する。
【0173】
また、請求項17記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、第2の非磁性パターンの最前端近傍の表面がギャップ層の表面に対して傾斜した斜面をなし、この第2の非磁性パターンの斜面上に第1の磁性層部分の連結部分および接続部分のうちの少なくとも一部が配設される場合において、第1の磁性層部分を形成する工程が、少なくともギャップ層の平坦な領域および第2の非磁性パターンの斜面領域を覆うようにしてフォトレジスト層を形成する工程と、ギャップ層の平坦な領域におけるフォトレジスト層のうち、一定幅部分の平面形状に対応する領域を含む第1の領域を選択的に露光する第1の露光工程と、第2の非磁性パターンの斜面領域からギャップ層の平坦な領域にかけての領域におけるフォトレジスト層のうち、少なくとも、連結部分および接続部分の平面形状に対応する第2の領域を選択的に露光する第2の露光工程と、フォトレジスト層のうちの第1の領域および第2の領域の双方の領域を一括して現像することによりフォトレジストパターンを形成する工程と、フォトレジストパターンを用いて一定幅部分、連結部分および接続部分を一体に形成する工程とを含むようにしたので、平坦でない下地上に第1の磁性層部分を形成する場合においても、フォトリソグラフィ工程における下地からの反射光による悪影響を回避し、第1の磁性層部分を高精度に形成することができるという効果を奏する。
【0174】
また、請求項18記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、第2の露光工程において、第1の領域と第2の領域とが部分的に重複するようにしたので、フォトリソグラフィ工程において下地からの反射光による影響を受けた場合においても、第1の磁性層部分をほぼ設計通りの形状となるように形成することができるという効果を奏する。
【0175】
また、請求項21記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、さらに、第1の磁性層部分を形成すると同時に、第3の磁性層部分を形成すると共に薄膜コイル部の端部に設けられたコイル端部上に薄膜コイル部の一部をなすコイル接続パターンを形成する工程と、少なくとも第1の磁性層部分、第3の磁性層部分およびコイル接続パターンを覆うように絶縁層の一部をなすコイル埋設層を形成する工程と、少なくとも第1の磁性層部分、第3の磁性層部分およびコイル接続パターンが露出するまでコイル埋設層の表面を研磨して平坦化させる工程と、研磨後の平坦面上に、第1の磁性層部分および第3の磁性層部分の双方の露出面と磁気的に連結するように第2の磁性層部分を形成すると同時にコイル接続パターンの露出面と電気的に接続するように導電層パターンを形成する工程とを含むようにしたので、コイル端部上にコイル接続パターンを形成しない場合とは異なり、コイル端部と導電層パターンとを電気的に接続させるためにコイル埋設層の一部を除去して開口部分を形成する工程が不要となる。したがって、製造工程数を削減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法における一工程を説明するための断面図である。
【図2】図1に続く工程を説明するための断面図である。
【図3】図2に続く工程を説明するための断面図である。
【図4】図3に続く工程を説明するための断面図である。
【図5】図4に続く工程を説明するための断面図である。
【図6】図5に続く工程を説明するための断面図である。
【図7】図6に続く工程を説明するための断面図である。
【図8】図7に続く工程を説明するための断面図である。
【図9】図8に続く工程を説明するための断面図である。
【図10】図4に示した断面図に対応する斜視図である。
【図11】図5に示した断面図に対応する斜視図である。
【図12】図9に示した断面図に対応する斜視図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法における上部ポールチップの形成工程を説明するための平面図である。
【図14】図13に続く工程を表す平面図である。
【図15】第1の実施の形態に対する比較例の問題点を説明するための他の平面図である。
【図16】第1の実施の形態の作用を説明するための平面図である。
【図17】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの平面構造を表す平面図である。
【図18】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの変形例を表す斜視図である。
【図19】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの他の変形例を表す斜視図である。
【図20】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドのさらに他の変形例を表す斜視図である。
【図21】本発明の第1の実施の形態における第2のマスクの形成方法の変形例を説明するための斜視図である。
【図22】図21に続く工程を説明するための斜視図である。
【図23】図22に続く工程を説明するための斜視図である。
【図24】図23に続く工程を説明するための斜視図である。
【図25】図21に示した断面図に対応する斜視図である。
【図26】図22に示した断面図に対応する斜視図である。
【図27】図24に示した断面図に対応する斜視図である。
【図28】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの平面構造を表す平面図である。
【図29】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法における上部ポールチップの形成工程を説明するための平面図である。
【図30】本発明の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの変形例を表す斜視図である。
【図31】従来の薄膜磁気ヘッドの製造方法の一工程を説明するための断面図である。
【図32】図31に続く工程を説明するための断面図である。
【図33】図32に続く工程を説明するための断面図である。
【図34】従来の薄膜磁気ヘッドの要部構造を表す断面図である。
【図35】図34に示した薄膜磁気ヘッドにおける磁極部分のエアベアリング面に平行な断面を示す断面図である。
【図36】従来の薄膜磁気ヘッドの構造を示す平面図である。
【符号の説明】
1…基板、2…絶縁層、3…下部シールド層、4,6…シールドギャップ膜、5…MR膜、7…上部シールド層、9…下部磁極、8,11,15,17,18,18p,20,21,21p,42,44,44p…絶縁膜、9J…凹部、10a,10b…パターンマスク、11,13…絶縁膜パターン、12…記録ギャップ層、12k,18k…開口部、14,43…上部磁極、14a,43a…上部ポールチップ、14a(1) ,43a(1) …先端部、14a(2) ,43a(2) …中間部、14a(3) ,43a(3) …後端部、14b,14d,43b…磁路接続部、14c…中間接続部、14f,43f,214f…上部ヨーク、14f(1) ,43f(1) …ヨーク部、14f(2) ,43f(2) …接続部、14e,43e…中間接続パターン、14fh,43fh…コイル接続配線、14R,43R…磁気連結面、16,19,41…薄膜コイル、16s,19sa…コイル接続部、19sb,41s…配線接続部、22,45…オーバーコート層、31…第1のフォトマスク、31x,32x,51x,133z,152z…開口部、32…第2のフォトマスク、43a(3) R…右後端部、43a(3) L…左後端部、51…フォトマスク、80a,80b…マスク、90…エアベアリング面、91…高飽和磁束密度材層、92…無機絶縁材層、100,200…磁極部分、110…マスク前駆層、131,151…フォトレジスト膜、131y…第1の露光領域、132y…第2の露光領域、133,152…フォトレジストパターン、133y…合成露光領域、151y…露光領域、TH…スロートハイト、MRH…MRハイト。

Claims (24)

  1. 記録媒体に対向する記録媒体対向面側の一部に、表面形状が平坦な領域を有するギャップ層を介して対向する2つの磁極を含む、互いに磁気的に連結された第1の磁性層および第2の磁性層と、これらの2つの磁性層の間に絶縁層を介して配設された薄膜コイル部とを有すると共に、
    前記第1の磁性層が、前記記録媒体対向面からこの面より離れる長さ方向に延在すると共に記録媒体の記録トラック幅を規定する一定幅部分と、この一定幅部分に磁気的に連結されると共にその一定幅部分の幅よりも大きな幅を有する拡幅部分と、を有する第1の磁性層部分を含む薄膜磁気ヘッドであって、
    前記第2の磁性層の前記ギャップ層に接する側の一部に設けられた凹部に埋設されると共に前記ギャップ層の後方において前記絶縁層に連結され、最前端の位置においてスロートハイトを規定する第1の非磁性パターンを備え、
    この第1の非磁性パターンの最前端が、前記第1の磁性層部分のうちの前記一定幅部分と前記拡幅部分との連結部よりも前記記録媒体対向面に近い側において、その一定幅部分の延在領域内に位置している
    ことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. さらに、
    前記ギャップ層における、前記第1の非磁性パターンが接する面とは反対側の面に接するように延在して前記絶縁層に連結された第2の非磁性パターン
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 前記第2の非磁性パターンの最前端近傍の表面は、前記ギャップ層の表面に対して傾斜した斜面をなしている
    ことを特徴とする請求項2記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 前記第2の非磁性パターンの最前端の位置は、前記第1の非磁性パターンの最前端の位置よりも長さ方向に後退しており、
    前記第1の磁性層部分は、前記ギャップ層の平坦な領域上から前記第2の非磁性パターンの斜面上にかけて延在している
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の薄膜磁気ヘッド。
  5. 前記第1の磁性層部分のうちの少なくとも前記一定幅部分は、前記ギャップ層の平坦な領域上に延在している
    ことを特徴とする請求項4記載の薄膜磁気ヘッド。
  6. 前記第1の磁性層部分は、さらに、
    トラック幅方向に互いに分離して配設された少なくとも2つの接続部分と、
    前記一定幅部分と前記少なくとも2つの接続部分とを磁気的に連結させる連結部分とを有する
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  7. 前記第1の磁性層部分における前記連結部分と前記少なくとも2つの接続部分とによって囲まれた領域には、前記絶縁層の一部が埋め込まれている
    ことを特徴とする請求項6記載の薄膜磁気ヘッド。
  8. 前記第1の磁性層が、さらに、
    前記第1の磁性層部分の一部と部分的にオーバーラップして磁気的に連結された第2の磁性層部分と、
    前記第2の磁性層部分と前記第2の磁性層とを磁気的に連結させるための第3の磁性層部分と
    を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  9. 前記第1の磁性層および前記第2の磁性層のうちの少なくとも一方は、ニッケル鉄合金または窒化鉄のいずれかを含む材料よりなる
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  10. 前記第1の磁性層および前記第2の磁性層のうちの少なくとも一方は、アモルファス合金を含む材料よりなる
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  11. 前記アモルファス合金は、コバルト鉄合金またはジルコニウムコバルト鉄合金のいずれかである
    ことを特徴とする請求項10記載の薄膜磁気ヘッド。
  12. 記録媒体に対向する記録媒体対向面側の一部に、表面形状が平坦な領域を有するギャップ層を介して対向する2つの磁極を含む、互いに磁気的に連結された第1の磁性層および第2の磁性層と、これらの2つの磁性層の間に絶縁層を介して配設された薄膜コイル部とを有すると共に、
    前記第1の磁性層が、前記記録媒体対向面からこの面より離れる長さ方向に延在すると共に記録媒体の記録トラック幅を規定する一定幅部分と、この一定幅部分に磁気的に連結されると共にその一定幅部分の幅よりも大きな幅を有する拡幅部分と、を有する第1の磁性層部分を含む薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、
    前記第2の磁性層の前記ギャップ層に接する側の一部に設けられた凹部に、前記磁極の後方において前記ギャップ層を選択的に除去することにより前記絶縁層に連結されると共に、最前端が前記第1の磁性層部分のうちの前記一定幅部分と前記拡幅部分との連結部よりも前記記録媒体対向面に近い側におけるの一定幅部分の延在領域内に位置してスロートハイトを規定するように、第1の非磁性パターンを形成する工程を含む
    ことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  13. さらに、
    前記ギャップ層における、前記第1の非磁性パターンが接する面とは反対側の面に接して延在するように、前記絶縁層に連結された第2の非磁性パターンを形成する工程を含む
    ことを特徴とする請求項12記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  14. 前記第2の非磁性パターンの最前端の位置が、前記第1の非磁性パターンの最前端の位置よりも長さ方向に後退するように、前記第2の非磁性パターンを形成する
    ことを特徴とする請求項13記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  15. 前記第1の磁性層部分のうちの少なくとも前記一定幅部分を前記ギャップ層の平坦な領域上に形成する
    ことを特徴とする請求項12ないし請求項14のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  16. 前記第1の磁性層部分が、さらに、
    トラック幅方向に互いに分離して配設された少なくとも2つの接続部分と、
    前記一定幅部分と前記少なくとも2つの接続部分とを磁気的に連結させる連結部分と
    を有するように、前記第1の磁性層部分を形成する
    ことを特徴とする請求項12ないし請求項15のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  17. 前記第2の非磁性パターンの最前端近傍の表面が、前記ギャップ層の表面に対して傾斜した斜面をなし、
    この第2の非磁性パターンの斜面上に、第1の磁性層部分の前記連結部分および前記接続部分のうちの少なくとも一部が配設される場合において、
    前記第1の磁性層部分を形成する工程が、
    少なくとも前記ギャップ層の平坦な領域および前記第2の非磁性パターンの斜面領域を覆うようにしてフォトレジスト層を形成する工程と、
    前記ギャップ層の平坦な領域におけるフォトレジスト層のうち、前記一定幅部分の平面形状に対応する領域を含む第1の領域を選択的に露光する第1の露光工程と、
    前記第2の非磁性パターンの斜面領域から前記ギャップ層の平坦な領域にかけての領域における前記フォトレジスト層のうち、少なくとも、前記連結部分および前記接続部分の平面形状に対応する第2の領域を選択的に露光する第2の露光工程と、
    前記フォトレジスト層のうちの前記第1の領域および前記第2の領域の双方の領域を一括して現像することによりフォトレジストパターンを形成する工程と、
    前記フォトレジストパターンを用いて前記一定幅部分、前記連結部分および前記接続部分を一体に形成する工程と
    を含むことを特徴とする請求項12ないし請求項16のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  18. 前記第2の露光工程において、前記第1の領域と前記第2の領域とが部分的に重複するようにする
    ことを特徴とする請求項17記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  19. 前記第1の磁性層部分における前記連結部分と前記少なくとも2つの接続部分とによって囲まれた領域に、前記絶縁層の一部を埋め込むようにする
    ことを特徴とする請求項16ないし請求項18のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  20. 前記第1の磁性層が、さらに、
    前記第1の磁性層部分の一部と部分的にオーバーラップして磁気的に連結された第2の磁性層部分と、
    前記第2の磁性層部分と前記第2の磁性層とを磁気的に連結させる第3の磁性層部分と
    を含むように、前記第1の磁性層を形成する
    ことを特徴とする請求項12ないし請求項19のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  21. さらに、
    前記第1の磁性層部分を形成すると同時に、前記第3の磁性層部分を形成すると共に前記薄膜コイル部の端部に設けられたコイル端部上に前記薄膜コイル部の一部をなすコイル接続パターンを形成する工程と、
    少なくとも前記第1の磁性層部分、前記第3の磁性層部分および前記コイル接続パターンを覆うように前記絶縁層の一部をなすコイル埋設層を形成する工程と、
    少なくとも前記第1の磁性層部分、前記第3の磁性層部分および前記コイル接続パターンが露出するまで前記コイル埋設増の表面を研磨して平坦化させる工程と、
    前記研磨後の平坦面上に、前記第1の磁性層部分および前記第3の磁性層部分の双方の露出面と磁気的に連結するように前記第2の磁性層部分を形成すると同時に、前記コイル接続パターンの露出面と電気的に接続するように導電層パターンを形成する工程と
    を含むことを特徴とする請求項20記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  22. 前記第1の磁性層および前記第2の磁性層のうちの少なくとも一方の形成材料として、ニッケル鉄合金または窒化鉄のいずれかを含む材料を用いる
    ことを特徴とする請求項12ないし請求項21のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  23. 前記第1の磁性層および前記第2の磁性層のうちの少なくとも一方の形成材料として、アモルファス合金を含む材料を用いる
    ことを特徴とする請求項12ないし請求項21のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッドの製造。
  24. 前記アモルファス合金として、コバルト鉄合金またはジルコニウムコバルト鉄合金のいずれかを用いる
    ことを特徴とする請求項23記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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