JP4518295B2 - 坑口止水装置及び坑口止水工法 - Google Patents

坑口止水装置及び坑口止水工法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は立坑の坑口に取り付けられる止水装置及びこれを用いた坑口止水工法に関し、更に詳しくは、坑口内周とシールド掘進機及びそれに続くセグメント等の管路形成体との間を効果的に耐圧シールすることができる坑口止水装置及び止水工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、立坑の坑口には坑口内周とシールド掘進機及びそれに続くセグメント等の管路形成体との間を外部の土水圧(土圧及び水圧)に抗してシールする止水装置が用いられている。一般に、この種の坑口止水装置は、外周部が坑口に取り付けられる弾性パッキンと、坑口の内周に沿って弾性パッキンの背面側に配設される裏当て板とを有しており、シールド掘進機が坑口を通過する際又はシールド掘進機に続くセグメント等の管路形成体が坑口内に配置される際に、弾性パッキンの内周部がシールド掘進機や管路形成体の外周により押し広げられるとともに、裏当て板が斜めに傾斜した姿勢でシールド掘進機や管路形成体の外周に当接することにより、弾性パッキンの背面側を立坑外部の土水圧に抗して支えることができるものとなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、シールド掘進機のスキンプレート外周面には各種の突起物が存在している。例えば、同時裏込め注入装置がシールド掘進機の長さ方向に沿って突出リブ状に延びており、その前方に先行ビットが突設されたり、或いは先行カッターがスキンプレート外周から突出し得るように組み込まれたりしている。また、シールド掘進機を吊り下げて運搬する時に使用される吊りピースはシールド掘進機が立坑内に設置された後、スキンプレートの外周面からガスバーナ等で切り取られるが、吊りピースの付け根部がスキンプレートの外周面上に残り突起物となることがある。また、スキンプレートの継ぎ目には溶接ビードがリブ状に突出していることがある。
【0004】
したがって、シールド掘進機が弾性パッキンの内周部を拡開させて通過する際、弾性パッキンの内周部が必ずしもシールド掘進機の外周面に密着せず、突起物の両側において弾性パッキンとシールド掘進機の外周面との間に隙間が生じるため、止水性が低下する原因となっている。
【0005】
さらに、矩形の坑口を通過するシールド掘進機及びそれに続くセグメント等の管路形成体は、断面略矩形の外周壁を有しているので、これらシールド掘進機や管路形成体の外周壁の各角隅部が弾性パッキンに当接するとき、各角隅部の両側壁面部分と弾性パッキンとの密着性が低下し止水性が低下し易い。同様に、断面ひょうたん形の坑口を通過するシールド掘進機及びそれに続くセグメント等の管路形成体は、断面ひょうたん形の外周壁を有しているので、当該外周壁のくびれ部において弾性パッキンとの密着性が低下し止水性が低下し易い。
【0006】
したがって、本発明の目的はシールド掘進機及びそれに続くセグメント等の管路形成体と弾性パッキンとの間に良好な止水性を確保することができる坑口止水装置及び坑口止水工法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、立坑の坑口に取り付けられる弾性パッキンを備え、当該弾性パッキンの内周部はシールド掘進機が坑口を通過する際にシールド掘進機の外周部により押し広げられるように形成されている坑口止水装置において、前記弾性パッキンの片側に、シールド掘進機の通過時に当該シールド掘進機の外周と前記弾性パッキンとの間に介在されるブラシを設け、当該ブラシの線材間に適度の粘性を有する止水材を付着保持し、前記ブラシの線材は、前記弾性パッキンの当該片面に沿ってその内周に向かって延び、シールド掘進機の外周部と前記弾性パッキンとの間に止水漏れを引き起こす隙間が形成されるとき当該隙間に入り込んで当該隙間を塞ぐように形成されていることを特徴とする坑口止水装置を提供する。
【0008】
上記構成の坑口止水装置においては、シールド掘進機の外周面に突起物や凹みがあると、シールド掘進機が弾性パッキンの内周部を押し広げて通過する際に、突起物の両側或いは凹みの箇所においてシールド掘進機の外周面と弾性パッキンとの間に隙間が生じ得るが、線材間に止水材を付着保持したブラシがシールド掘進機の外周面と弾性パッキンとの間に介在しその隙間を埋めることができる。しかも、ブラシの線材は弾性パッキンの片面に沿ってその内周に向かうように配置されるので、弾性パッキンの内周部がシールド掘進機により押し広げられるときにブラシの線材が弾性パッキンとシールド掘進機の外周面との間に介在してシールド掘進機の長さ方向に延びるものとなり、突起物の両側に発生する隙間に一層馴染みやすいものとなる。したがって、シールド掘進機と弾性パッキンとの間の止水性を良好に保つことができる。また、シールド掘進機及びそれに続く管路形成体の外周部が坑口断面形状に対応して、例えば矩形断面形状、ひょうたん形断面形状等の凹凸形状を有する場合においても、これらシールド掘進機及びそれに続く管路形成体の外周部と弾性パッキンとの間に生じ得る隙間を線材間に止水材を付着保持したブラシによって効果的に止水することができる。
【0009】
また、上記課題を解決するために、本発明は、シールド掘進機が立坑の坑口を通過する際に当該坑口に取り付けた弾性パッキンの内周部を当該シールド掘進機の外周部に密着させて止水する坑口止水工法において、前記弾性パッキンの片側に、前記弾性パッキンの片側に、シールド掘進機の通過時に当該シールド掘進機の外周部と前記弾性パッキンとの間に介在するブラシを配置し、当該ブラシの線材間に適度の粘性を有する止水材を付着保持させ、前記ブラシの線材は、前記弾性パッキンの当該片面に沿ってその内周に向かって延びるように配置し、シールド掘進機の外周部と前記弾性パッキンとの間に止水漏れを引き起こす隙間が形成されるとき当該ブラシの線材が当該隙間に入り込んで当該隙間を塞ぎ止水することを特徴とする坑口止水工法を提供する。係る構成の止水工法によれば、シールド掘進機の外周面に突起物や凹みがあると、シールド掘進機が弾性パッキンの内周部を押し広げて通過する際に、突起物の両側或いは凹みの箇所においてシールド掘進機の外周面と弾性パッキンとの間に隙間が生じ得るが、線材間に止水材を付着保持したブラシがシールド掘進機の外周面と弾性パッキンとの間に介在しその隙間を埋めることができる。しかも、ブラシの線材は弾性パッキンの片面に沿ってその内周に向かうように配置されるので、弾性パッキンの内周部がシールド掘進機により押し広げられるときにブラシの線材が弾性パッキンとシールド掘進機の外周面との間に介在してシールド掘進機の長さ方向に延びるものとなり、突起物の両側に発生する隙間に一層馴染みやすいものとなる。したがって、シールド掘進機と弾性パッキンとの間の止水性を良好に保つことができる。また、シールド掘進機及びそれに続く管路形成体の外周部が坑口断面形状に対応して、例えば矩形断面形状、ひょうたん形断面形状等の凹凸形状を有する場合においても、これらシールド掘進機及びそれに続く管路形成体の外周部と弾性パッキンとの間に生じ得る隙間を線材間に止水材を付着保持したブラシによって効果的に止水することができる。
【0010】
上記構成の坑口止水装置又は坑口止水工法において、ブラシは弾性パッキンの内周に沿ってその全周にわたり配設してもよいが、必要箇所すなわちシールド掘進機の外周面に突起物や凹みのある箇所に合わせてブラシを局部的に配置してもよい
【0011】
また、上記構成の坑口止水装置又は坑口止水工法において、好ましくは、坑口の内周に沿って前記弾性パッキンの片側に配設される裏当て板を備え、前記ブラシが前記裏当て板に取り付けられる。係る構成によれば、シールド掘進機の通過時に坑口とシールド掘進機との間で弾性パッキンの片面を裏当て板により支えることができるので耐圧シール性が向上するとともに、ブラシを容易に弾性パッキンの片面側に配置することができる。
【0012】
また好ましくは、前記止水材はグリス又は短繊維を混入したグリスからなる。係る構成によれば、ブラシの線材間の隙間をグリス又は短繊維を混入したグリスにより封じ良好な止水性を確保することができる。
【0013】
また好ましくは、前記シールド掘進機がその外周部上に突起物又は凹部を有し、前記ブラシは少なくともこの突起物又は凹部の位置に対応して前記弾性パッキンの片側に配設される。係る構成によれば、シールド掘進機の外周部上の突起物の周囲又は凹部の箇所においてシールド掘進機の外周部と弾性パッキンとの間の止水性低下をブラシにより効果的に防止することができる。
【0014】
また好ましくは、前記シールド掘進機の外周部が略矩形の断面形状を有し、前記ブラシは少なくとも前記シールド掘進機の外周部の各角隅部に対応して前記弾性パッキンの片側に配設される。係る構成によれば、シールド掘進機の外周部の各角隅部の箇所においてシールド掘進機の外周部と弾性パッキンとの間の止水性低下をブラシにより効果的に防止することができる。
【0015】
また好ましくは、前記シールド掘進機の外周部が略ひょうたん形の断面形状を有し、前記ブラシは少なくとも前記シールド掘進機の外周部のくびれ部に対応して前記弾性パッキンの片側に配設される。係る構成によれば、シールド掘進機のくびれ部の箇所においてシールド掘進機の外周部と弾性パッキンとの間の止水性低下をブラシにより効果的に防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。
【0017】
【実施例】
図1から図4までは本発明による坑口止水装置及び坑口止水工法を立坑の発進坑口に適用した場合の一実施例を示すものであり、図1は坑口止水装置及びシールド掘進機の一部縦断面図側面図、図2はシールド掘進機のスキンプレートの概略端面図、図3は図1に示す坑口止水装置の要部拡大縦断面図、図4(a)、(b)、(c)はそれぞれ図1に示す坑口止水装置の図3中4a−4a線、4b−4b線及び4c−4c線に沿った断面図、図5(a)、(b)、(c)及び(d)はそれぞれブラシ取り付け構造の変形例を示す図である。
【0018】
はじめに図1及び図2を参照すると、立坑10にはシールド掘進機1及びそれに続くセグメント2等の管路形成体を立坑外部に向けて通過させるための発進坑口11が設けられている。この実施例ではシールド掘進機1が略円筒形のスキンプレート3を有しているので、坑口11の内周はスキンプレート3よりも大径の円形断面形状を有している。シールド掘進機1のスキンプレート3の外周面には、各種の突起物が存在している。例えば、同時裏込め注入装置4がシールド掘進機1の長さ方向に沿って突出リブ状に延びており、その前方に先行ビット5が突設されている。また、先行ビット5に代えて先行カッター(図示省略)がスキンプレート3の外周面から突出し得るように組み込まれ場合もある。さらに、シールド掘進機1を吊り下げて運搬する際に使用される吊りピース6はシールド掘進機1が立坑10内に設置された後、スキンプレート3の外周面からガスバーナ等で切り取られるが、吊りピース6の付け根部がスキンプレートの外周面上に残り突起物となることがある。また、スキンプレート3の継ぎ目には溶接ビード7がリブ状に突出していることがある。さらに、図示は省略するが、スキンプレート3の外表面には各種用途の穴、凹み等が形成され得る。
【0019】
図3に詳細に示すように、この実施例の坑口止水装置は、外周部が立坑10の坑口11に取り付けられる弾性パッキン12と、坑口11の内周に沿って弾性パッキン12の片側に略放射状に配設される裏当て板13とを備えている。弾性パッキン12の内周部はシールド掘進機1や管路形成体2が坑口11を通過する際にシールド掘進機1や管路形成体2により押し広げられ得るように形成されている。裏当て板13は坑口11の端面に弾性パッキン12と共にアンカーボルト14とナット15で固定される取付板13aと、取付板13aの先端にヒンジピン13bを介して揺動自在に連結された揺動板13cとからなっており、シールド掘進機1や管路形成体2が坑口11を通過する際にシールド掘進機1や管路形成体2の外周面に斜め姿勢で当接し、これにより弾性パッキン12を立坑外部のからの土水圧に抗して耐圧支持することができるものとなっている。
【0020】
さらに、弾性パッキン12の片側には、シールド掘進機1の通過時にシールド掘進機1の外周部と弾性パッキン12との間に介在するように、ブラシ16が設けられており、ブラシ16の線材間には適度の粘性を有する止水材としてグリス17又は植物性短繊維を混入したグリスが塗付されている(図4(a)、(b)参照)。
【0021】
更に詳しくは、この実施例では、ブラシ16は裏当て板13に取り付けられており、ブラシ16の線材は束になって裏当て板13の先端から突出して延びている。この場合、図3に示すように、ブラシ16の線材は弾性パッキン12の内周から突出しない長さにしてもよいが、図5(a)に示すように、ブラシ16の線材を弾性パッキン12の内周からさらに突出するように長く設定してもよい。また、図3の実施例では、ブラシ16が裏当て板13に対し弾性パッキン12とは反対側の面に取り付けられているが、図5(b)に示すように、ブラシ16を裏当て板13に対し弾性パッキン12の側の面に取り付けてもよく、また、図5(c)に示すように、ブラシ16を裏当て板13に対し弾性パッキン12の側の面及び弾性パッキン12とは反対側の面にそれぞれ取り付けてもよい。さらに、図5(d)に示すように、ブラシ16の根元部を裏当て板13の先端に形成した取付穴13eに埋め込んで取り付けてもよい。さらに、図5(e)に示すように、裏当て板13は揺動板13cを複数の短冊板13dで構成したものであってもよく、この場合、ブラシ16を各短冊板13dの先端に取り付けることが望ましい。なお、ブラシ16は弾性パッキン12の内周に沿ってその全周にわたり配設してもよいが、必要箇所すなわちシールド掘進機1の外周面に突起物4〜7や、穴、凹み等の箇所に合わせてブラシ16を局部的に配置してもよい。
【0022】
上記ブラシ16に用いられる線材は耐久性の点からスチール等の金属製ワイヤが望ましいが、樹脂製の線材であってもよい。また、ブラシ16の線材は直線状のものであってもよいが、線材間に止水材17を保有しやすくするために、線材としては外表面に多数のひげ状突起を有するものや、縮れたものや、カールしたものを用いることができる。
【0023】
上記構成の坑口止水装置においては、シールド掘進機1のスキンプレート3の外周面に突起物4〜7や凹みがあると、シールド掘進機1が弾性パッキン12の内周部を押し広げて通過する際に、突起物4〜7の両側或いは凹みの箇所においてシールド掘進機1のスキンプレート3の外周面と弾性パッキン12との間に隙間が生じ得るが、止水材であるグリス17を塗布したブラシ16がシールド掘進機1のスキンプレート3の外周面と弾性パッキン12との間に介在しその隙間を埋めることができるので、シールド掘進機1と弾性パッキン12との間の止水性を良好に保つことができる。
【0024】
また、ブラシ16の線材は弾性パッキン12の片面に沿ってその内周に向かうように配置されているので、弾性パッキン12の内周部がシールド掘進機1により押し広げられるときにブラシ16の線材が弾性パッキン12とシールド掘進機1のスキンプレート3の外周面との間に介在してシールド掘進機1の長さ方向に延びるので、突起物4〜7の両側に発生する隙間に一層馴染みやすいものとなる。
【0025】
さらに、上記実施例の坑口止水装置においては、ブラシ16が坑口11の内周に沿って弾性パッキン12の片側に配設される裏当て板13に取り付けられているので、シールド掘進機1の通過時に坑口11とシールド掘進機1との間で弾性パッキン12の片面を裏当て板13により支え弾性パッキン12の耐圧シール性を高めることができるとともに、ブラシ16を容易に弾性パッキン12の片面側に配置することができる。
【0026】
図6(a)は本発明による坑口止水装置及び坑口止水工法を矩形断面形状の立坑坑口に適用した場合の一実施例における弾性パッキンの形状とブラシの配置状態を示す正面図であり、図6(b)は図6(a)に示す弾性パッキンの内周部がシールド掘進機により押し広げられた状態を示す要部拡大断面図である。同図において符号1はシールド掘進機の外部輪郭形状を概略的に示しており、符号12は弾性パッキンを示している。また、符号16はブラシを示している。
【0027】
図6(a)、(b)を参照すると、この種の矩形断面形状を有するシールド掘進機1はその外周壁の各角隅部が弾性パッキン12に当接するとき、各角隅部の両側の壁面部分と弾性パッキン12との間に隙間が生じやすく止水性が低下し易い。同様に、シールド掘進機1に続くセグメント等の管路形成体(図示省略)が弾性パッキン12の内周部を押し広げるようにして坑口内に配設されるときも、シールド掘進機1の外周角隅部外周部の両側の壁面部分と弾性パッキン12との間に隙間が生じやすく止水性が低下し易い。しかしながら、弾性パッキン12の内周角隅部の領域において当該弾性パッキン12の片側にはブラシ16が設けられており、当該ブラシ16の線材間に適度の粘性を有する止水材17が付着保持されているので、シールド掘進機1又はそれに続く管路形成体の外周部と弾性パッキンとの間に生じ得る隙間がブラシ16とその線材間に付着保持された止水材17とによって効果的に埋めることができ、十分な止水性を確保することができる。
【0028】
なお、図6(a)の例では弾性パッキン12の内周角隅部の領域のみにブラシ16が配設されているが、シールド掘進機1の外壁面上に突起物等が存在するときは、その位置に対応して弾性パッキン12片面側に同様にブラシを配設することにより、その箇所の止水性低下を防止することができる。
【0029】
図7(a)は本発明による坑口止水装置及び坑口止水工法をひょうたん形断面形状の立坑坑口に適用した場合の一実施例における弾性パッキンの形状とブラシ配置形態を示す正面図であり、図7(b)は図7(a)に示す弾性パッキンの内周部がシールド掘進機により押し広げられた状態を示す要部拡大断面図である。同図において符号1はシールド掘進機の外部輪郭形状を概略的に示しており、符号12は弾性パッキンを示している。また、符号16はブラシを示している。
【0030】
図7(a)、(b)を参照すると、この種のひょうたん形断面形状を有するシールド掘進機1はその外周壁が弾性パッキン12に当接するとき、シールド掘進機1の外周くびれ部と弾性パッキン12との間に隙間が生じやすく止水性が低下し易い。同様に、シールド掘進機1に続くセグメント等の管路形成体(図示省略)が弾性パッキン12の内周部を押し広げるようにして坑口内に配設されるときも、シールド掘進機1の外周くびれ部と弾性パッキン12との間に隙間が生じやすく止水性が低下し易い。しかしながら、このくびれ部に対応した弾性パッキン12の内周突出部の領域において当該弾性パッキン12の片側にはブラシ16が設けられており、当該ブラシ16の線材間に適度の粘性を有する止水材17が付着保持されているので、シールド掘進機1又はそれに続く管路形成体の外周くびれ部と弾性パッキンとの間に生じ得る隙間がブラシ16とその線材間に付着保持された止水材17とによって効果的に埋めることができ、十分な止水性を確保することができる。
【0031】
なお、図7(a)の例ではシールド掘進機1の外周くびれ部に対応した弾性パッキン12の内周突出部の領域のみにブラシ16が配設されているが、シールド掘進機1の外壁面上に突起物等が存在するときは、その位置に対応して弾性パッキン12片面側に同様にブラシを配設することにより、その箇所の止水性低下を防止することができる。
【0032】
以上、図示実施例につき説明したが、本発明は上記実施例の態様のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内においてその構成要素に種々の変更を加えることができる。例えば、各裏当て板13は弾性屈曲により揺動可能な1枚の板からなるものであってもよい。また、ブラシ16は弾性パッキン12の片側に直接取り付けてもよく、裏当て板13を省略してもよい。さらに、坑口11、シールド掘進機1及び弾性パッキン12の断面形状は上記図示形状に限られず、必要に応じて適宜に設定することができる。さらに、本発明の坑口止水装置は発進坑口の他、到達坑口にも適用することができる。
【0033】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、シールド掘進機の外周面に突起物や凹凸形状があってもシールド掘進機と弾性パッキンとの間に良好な止水性を確保することができる坑口止水装置及び止水工法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による坑口止水装置及び坑口止水工法を立坑の発進坑口に適用した場合の一実施例を示す坑口止水装置及びシールド掘進機の一部縦断面図側面図である。
【図2】シールド掘進機のスキンプレートの概略端面図である。
【図3】図1に示す坑口止水装置の要部拡大縦断面図である。
【図4】(a)、(b)、(c)はそれぞれ図1に示す坑口止水装置の図3中4a−4a線、4b−4b線及び4c−4c線に沿った断面図である。
【図5】(a)、(b)、(c)及び(d)はそれぞれブラシ取り付け構造の変形例を示す図である。
【図6】(a)、(b)は本発明による坑口止水装置及び坑口止水工法を矩形断面形状の立坑坑口に適用した場合の一実施例における弾性パッキン形状とブラシの配置形態を示す図である。
【図7】(a)、(b)は本発明による坑口止水装置及び坑口止水工法をひょうたん形断面形状の立坑坑口に適用した場合の一実施例における弾性パッキン形状とブラシの配置形態を示す図である。
【符号の説明】
1 シールド掘進機
2 セグメント(管路形成体)
3 スキンプレート
4 同時裏込め注入装置(突起物)
10 立坑
11 坑口
12 弾性パッキン
13 裏当て板
16 ブラシ
17 グリス(止水材)

Claims (11)

  1. 立坑の坑口に取り付けられる弾性パッキンを備え、当該弾性パッキンの内周部はシールド掘進機が坑口を通過する際にシールド掘進機の外周部により押し広げられるように形成されている坑口止水装置において、前記弾性パッキンの片側に、シールド掘進機の通過時に当該シールド掘進機の外周と前記弾性パッキンとの間に介在されるブラシを設け、当該ブラシの線材間に適度の粘性を有する止水材を付着保持し、前記ブラシの線材は、前記弾性パッキンの当該片面に沿ってその内周に向かって延び、シールド掘進機の外周部と前記弾性パッキンとの間に止水漏れを引き起こす隙間が形成されるとき当該隙間に入り込んで当該隙間を塞ぐように形成されていることを特徴とする坑口止水装置。
  2. 坑口の内周に沿って前記弾性パッキンの片側に配設される裏当て板を備え、前記ブラシが前記裏当て板に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の坑口止水装置。
  3. 前記止水材がグリス又は短繊維を混入したグリスであることを特徴とする請求項1又は2記載の坑口止水装置。
  4. 前記シールド掘進機がその外周部上に突出物又は凹部を有し、前記ブラシは少なくともこの突出部又は凹部の位置に対応して前記弾性パッキンの片側に配設されることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1つに記載の坑口止水装置。
  5. 前記シールド掘進機の外周部が略矩形の断面形状を有し、前記ブラシは少なくとも前記シールド掘進機の外周部の各角隅部に対応して前記弾性パッキンの片側に配設されることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1つに記載の坑口止水装置。
  6. 前記シールド掘進機の外周部が略ひょうたん形の断面形状を有し、前記ブラシは少なくとも前記シールド掘進機の外周部のくびれ部に対応して前記弾性パッキンの片側に配設されることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1つに記載の坑口止水装置。
  7. シールド掘進機が立坑の坑口を通過する際に当該坑口に取り付けた弾性パッキンの内周部を当該シールド掘進機の外周部に密着させて止水する坑口止水工法において、前記弾性パッキンの片側に、前記弾性パッキンの片側に、シールド掘進機の通過時に当該シールド掘進機の外周部と前記弾性パッキンとの間に介在するブラシを配置し、当該ブラシの線材間に適度の粘性を有する止水材を付着保持させ、前記ブラシの線材は、前記弾性パッキンの当該片面に沿ってその内周に向かって延びるように配置し、シールド掘進機の外周部と前記弾性パッキンとの間に止水漏れを引き起こす隙間が形成されるとき当該ブラシの線材が当該隙間に入り込んで当該隙間を塞ぎ止水することを特徴とする坑口止水工法。
  8. 前記ブラシを前記弾性パッキンの片側に配設した裏当て板に取り付けることを特徴とする請求項7記載の坑口止水工法。
  9. 前記止水材が、グリス又は短繊維を混入したグリスであることを特徴とする請求項7又は8記載の坑口止水工法。
  10. 前記シールド掘進機の外周部が略矩形の断面形状を有し、前記ブラシを、少なくとも前記シールド掘進機の外周部の各角隅部に対応して前記弾性パッキンの片側に配設することを特徴とする請求項7から9までのいずれか1つに記載の坑口止水工法。
  11. 前記シールド掘進機の外周部が略ひょうたん形の断面形状を有し、前記ブラシを、少なくとも前記シールド掘進機の外周部のくびれ部に対応して前記弾性パッキンの片側に配設することを特徴とする請求項7から9までのいずれか1つに記載の坑口止水工法。
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