JP4518255B2 - 弾性表面波素子および電子機器 - Google Patents

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本発明は、小型・薄型化に適した弾性表面波素子、並びに前記弾性表面波素子を搭載した電子機器に関する。
技術の進歩に伴い、電子機器には、小型・薄型化、高集積化といった課題が課せられてきた。このような背景のもと、電子機器の心臓部として機能する圧電振動子や弾性表面波素子(Surface Acoustic Wave 素子:SAW素子)に対しても、小型・薄型化の要求が強まっている。
そして圧電振動子については、特許文献1や特許文献2に開示されているようなものが提案されている。特許文献1や特許文献2に開示されている圧電振動子は、パッケージの大きさと、振動片の大きさとを同一にした、いわゆるチップサイズパッケージ(CSP)という手法を採用したものである。
基本的な構造は両者とも同じであり、圧電振動片の振動空間(キャビティ)を確保するための手段を異にしている。特許文献1に開示されている圧電振動子は、平板状の圧電基板に貫通溝を設けて振動片の形状を成形した圧電基板と、前記圧電基板の両主面を挟み込む一対の蓋体とから成るものである。そして、前記一対の蓋体には、それぞれ圧電基板と対向する面に凹部を形成し、振動片の振動空間を確保するようにしている。このような圧電基板と一対の蓋体とを金属層によって3層に接着することで圧電振動子を構成することとしている。
また、特許文献2に開示されている圧電振動子も、特許文献1の圧電振動子と同様に、圧電基板と一対の蓋体から成る3層構造のものである。しかし、特許文献2に開示されている圧電振動子では、一対の蓋体は双方ともに平板状のものを使用しており、凹部を設けていない。このため、圧電基板に厚さのあるものを採用し、貫通溝で形成した振動片部分のみを薄型化することで、枠部を形成するようにし、振動空間を確保することとしている。そして、このような圧電基板と一対の蓋体とを陽極接合することで圧電振動子を構成することとしている。
そして、特許文献1には、上記構成はSAW素子にも適用することができる旨が記載されている。
特開2000−68780号公報 特開2001−177373号公報
上記のような構成の圧電振動子及びSAW素子は、パッケージサイズとその素子片のサイズとを同一としたことより、小型化・薄型化のために不要な構成要素は極力削除したものであると言える。しかし、いずれの文献に開示されている圧電振動子も、振動片の振動空間を確保するために、圧電基板若しくは蓋体に厚みを持たせている。このため、圧電振動子ほどの振動空間を要さないSAW素子においては、実質的に小型化・薄型化の限界構成であると考えられる上記構成においても、厚さにおいて無駄が生じていることとなる。
そこで、本発明では、構成要素としての圧電基板、蓋体が共に、平板形状を基本とした弾性表面波素子、並びに前記弾性表面波素子を搭載した電子機器を提供することを目的とする。
本発明は上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
上記課題を解決するために、本願出願人が試験を行った結果、SAW素子における振動空間は、僅かな隙間、すなわち0以上の間隙を確保することができれば良いことを実証した。
第1の形態の弾性表面波素子は、平面基板の一主面に櫛歯状電極を形成して共振素子片を構成する圧電基板と、前記圧電基板を挟み込み、少なくとも前記圧電基板の主面に対向する側の面を平面とした一対の蓋体とを有し、前記圧電基板と当該圧電基板を挟み込む一対の蓋体とを接合しつつ前記圧電基板が励振する際の振動空間を確保するための金属パターンを、前記圧電基板と前記蓋体とが対向する面の四辺縁部に形成し、前記圧電基板には櫛歯状電極を有する共振素子片を支持片として構成し、他の部分を枠部として構成する貫通溝を形成したことを特徴とする弾性表面波素子。
第2の形態の弾性表面波素子は、前記圧電基板に形成する貫通溝は、前記共振素子片を構成する電極部分を囲う矩形状のうち、少なくとも三辺を繋いだ形状としたことを特徴とする第1の形態に記載の弾性表面波素子。
第3の形態の弾性表面波素子は、前記圧電基板に形成する貫通溝は、前記支持片と前記枠部との接合部分に、くびれを形成することを特徴とする第1又は第2の形態に記載の弾性表面波素子。
本発明の形態としての電子機器は、第1乃至第3形態のいずれかに記載の弾性表面波素子を搭載したことを特徴とする電子機器。
また、本発明に係る弾性表面波素子は、平面基板の一主面に櫛歯状電極を形成して共振素子片を構成する圧電基板と、前記圧電基板を挟み込み、少なくとも前記圧電基板の主面に対向する側の面を平面とした一対の蓋体とを有し、前記圧電基板と当該圧電基板を挟み込む一対の蓋体とを接合しつつ前記圧電基板が励振する際の振動空間を確保するための金属パターンを、前記圧電基板と前記蓋体とが対向する面の四辺縁部に形成したことを特徴とする。
このような構成の弾性表面波素子によれば、圧電基板の励振空間を接着層としての金属パターンのみで形成することとなる。したがって、圧電基板、蓋体共に平板形状であっても励振空間を確保することが可能となる。よって、構成部材に厚さの無駄が生じ無いため、弾性表面波素子として薄型化を図ることが可能となる。
また、上記構成の弾性表面波素子において、前記一対の蓋体は、熱膨張率が前記圧電基板に近似する素材で構成すると良い。
蓋体と圧電基板との接着(接合)は、基本的に熱圧着によって成される。また、弾性表面波素子として製品化された後においても、リフロー等により加熱される場合がある。さらに、使用条件下において温度変化が激しい場合も考えられる。このような場合に、接合される部材の熱膨張率が近似していれば、圧電基板等に余分な応力が生じる虞が少なくなる。また、接合部材同士の膨張率の違いによる接合部の剥離や、クラックが生じる虞も少なくなる。
また、上記構成とする場合においては、前記一対の蓋体は、前記圧電基板と同一素材で構成することが望ましい。
圧電基板と蓋体とが同一素材で構成されていれば、熱膨張率は同一となることから、温度変化によって上述した現象が生じる虞が少なくなる。
また、上記構成の弾性表面波素子において、前記圧電基板には櫛歯状電極を有する共振素子片を支持片として構成し他の部分を枠部として構成する貫通溝を形成することが望ましい。
圧電基板に上記のような貫通溝を形成することによれば、弾性表面波素子に対する外部応力や衝撃が、前記支持片としての共振素子片に伝搬されることを緩和することができる。
また、圧電基板に対して貫通溝を形成する構成とした場合には、前記圧電基板に形成する貫通溝は、前記共振素子片を構成する電極部分を囲う矩形状のうち、少なくとも三辺を繋いだ形状とすると良い。
貫通溝を上記形状とすることにより、支持片(共振素子片)を片持ち状態で保持することとなり、外部からの衝撃緩和に対して有利な効果を奏する。
さらに、前記圧電基板に形成する貫通溝は、前記支持片と前記枠部との接合部分に、くびれを形成するようにしても良い。
このような構成を採ることにより、支持片と枠部との接合部分の面積が小さくなり、枠部側から支持片側に伝搬される衝撃等を緩和する場合に有利な効果を果たす。
また、本発明に係る電子機器は、上記いずれかに記載の弾性表面波素子を搭載したことを特徴とするものである。このような特徴を有する電子機器であれば、小型・薄型化を実現することが可能となる。
また、本発明に関連する弾性表面波素子の励振空間形成方法は、平面基板の一主面に櫛歯状電極を形成して共振素子片を構成する圧電基板と、前記圧電基板を挟み込み、少なくとも前記圧電基板の主面に対向する側の面を平面とした一対の蓋体とを有する弾性表面波素子における励振空間の形成方法であって、前記圧電基板と当該圧電基板を挟み込む一対の蓋体とを接合するための金属パターンによって、前記圧電基板が励振する際の励振空間を形成することを特徴とするものを挙げることができる
このような方法で励振空間を形成することにより、弾性表面波素子を構成する部材を平面部材とすることが可能となる。これに伴い、弾性表面波素子の構成部材に厚みの無駄が無くなるため、弾性表面波素子の薄型化を実現することが可能となる。
以下、本発明の弾性表面波素子および電子機器に係る実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の弾性表面波素子(SAW素子)に関連する実施形態を示す断面図である。図1に示すように本実施形態のSAW素子10は、圧電基板12と、当該圧電基板12を挟み込む一対の蓋体20,30とを基本的な構成としている。ここで、図2には前記圧電基板12の平面図を、図3には前記圧電基板12を挟み込む上下一対の蓋体20,30の平面図を、それぞれ示すこととする。
前記圧電基板12には、金属パターンによって一対の櫛歯状電極(交叉指電極:Inter Digital Transducer:IDT)18と、一対の反射器(リフレクタ)18aとが形成されており、前記櫛歯状電極18のそれぞれは、圧電基板12をSAW素子片として励振させるための信号をインプット、若しくはアウトプットするための入出力電極16に接続されている。
上述した金属パターンによって形成される前記IDT18は、その電極指が信号波の伝搬方向と直交する方向となるように配設される。また、前記反射器18aは、内部パターンが前記IDT18の電極指と平行になるようにして、前記IDT18の両端側に一対配設される。
また、前記圧電基板12には、その四辺縁部にも金属パターン14が形成されている。前記金属パターン14は、前記圧電基板12と前記蓋体20,30とを接着(接合)するための接着層であり、図示しない圧電基板12の裏面にも同様に施されている。
前記金属パターン14や入出力電極16は、例えばクロム(Cr)被覆した上に金(Au)を被覆したもの(Cr/Au)や、金と錫(Sn)との合金(AuSn)等であれば良い。また、IDT18及び反射器18aは、アルミ(Al)等による金属パターンによって形成するようにすると良い。
上記Cr/AuやAuSn等によって形成される入出力電極16とAl等によって形成されるIDT18との接続部分は、図2の楕円部分に示すように、入出力電極16の上に、IDT18を形成する電極を重ねるような構成とすると良い。このような構成とすることによって、酸化され易いAlが直接入出力電極16へ接合されることとなるため、接合部分に酸化膜を介在する虞が無い。
次に、図3を参照して蓋体20,30について説明する。図3(A)は図1に示す上側の蓋体20を、(B)は図1に示す下側の蓋体30を、それぞれ示す図である。
図3に示すように、蓋体20,30は、図2に示す圧電基板12と同一な形状とし、その四辺縁部には、接着層としての金属パターン22,32が施されている。なお、蓋体20,30に施される金属パターン22,32は、前記圧電基板12に施される金属パターン14と同一なものとすることが望ましい。また、図3(A)に示す上側の蓋体20には、圧電基板(SAW素子片)12における入出力電極16と重なる位置に、貫通孔24が設けられている。前記貫通孔24は、SAW素子片における入出力電極16を外部へ導くためのものであり、当該貫通孔24の内部及びその裏面側開口部周辺には、金属被膜26が被覆されている。金属被膜26に用いる金属としては、蓋体20,30の四辺縁部に施したものと同様なものとすれば良い。貫通孔24の内面の濡れ性を向上させるためである。また、前記貫通孔24は、ストレート構造のものとしても良いが、図1に示すようなテーパ構造のものとすることが望ましい。前記貫通孔24には導通性を向上させ、SAW素子10として構成した際に外部端子としての役割を担う金属28を充填する。このため、前記貫通孔24をテーパ形状とすることで、前記貫通孔24内部に金属28を充填する際の効率を上げることができる。
前記圧電基板12と、前記蓋体20,30とは、それぞれ熱膨張率が近似する部材(材料)で構成すると良い。圧電基板12と蓋体20,30とは互いに、後述するように接合することでSAW素子10を構成する。このため、SAW素子10の構成要素である圧電基板12と蓋体20,30とを構成する材料の熱膨張率を近似させることによれば、リフロー等により熱が加えられたり、使用条件下において温度変化が激しい場合等であっても、圧電基板12に余分な応力が生じる虞が少なくなる。また、接合部材同士の膨張率の違いによる接合部の剥離や、クラックが生じる虞も少なくなる。これらを考慮した場合、圧電基板12と、蓋体20,30とを構成する材料は、同一素材とすることが望ましい。
前記圧電基板12を構成する材料としては、一般に単結晶材料と薄膜を使用した材料とを挙げることができる。単結晶材料としては、水晶(SiO)、タンタル酸リチウム(LiTaO)及びニオブ酸リチウム(LiNbO)等を挙げることができる。また、薄膜を使用した材料としては、ガラスやサファイアをベースとして酸化亜鉛(ZnO)薄膜を被覆したもの等を挙げることができる。
上記のような部材から選定される圧電基板12に対し、蓋体20,30を構成する材料としては、熱膨張率が近似するものとして、シリコン、ガラス、セラミックス等を挙げることができる。しかしながら、望ましくは選定された圧電基板の材料と同一の材料によって構成されることが良い。
上記のような構成の圧電基板12、及び蓋体20,30を前記金属層(金属パターン)14,22,32によって接着(接合)することで、本実施形態のSAW素子10を構成することができる。このため、本実施形態におけるSAW素子10は、平板状の蓋体20,30と、平板状の圧電基板12とによって構成されることとなる。よって、SAW素子片が励振するためのキャビティは、接着層としての金属パターン14,22,32の厚み分のみのスペースとなる。ここで、本願出願人は、試験を行うことによりSAW素子片は、励振するためのキャビティがわずかでもあれば励振可能であることを実証している。よって、上記のような金属パターンの厚み分のみによって形成されたキャビティであっても十分に励振可能であることが言える。なお、圧電基板12と蓋体20,30との接着(接合)は、熱圧着等によれば良い。
従来では、蓋体20,30若しくは圧電基板12の一部の厚みを削減することでキャビティを形成していたため、基礎となる部材の厚みが厚くなってしまい、構成されるSAW素子10としては、薄型化を困難としていた。しかし、上記のような構成とすることにより、構成部材自体の厚さを低減させることが可能となる。このため、上記のような平板状で薄型化可能な構成部材によって構成されるSAW素子10自体も薄型化することができ、従来に比べて小型・薄型なものを実現することが可能となる。
次に、本発明の弾性表面波素子に係る第の実施形態について図4を参照して説明する。
本実施形態のSAW素子は、上記関連する実施形態のSAW素子と比べると、圧電基板の構成のみが異なる。具体的には、圧電基板12に対して、IDT18並びに反射器18a及びその入出力電極から成る電極部分が支持片Aとして構成され、他の部分が枠部Bとして構成されるように貫通溝19を設けた点が第1の実施形態のSAW素子と異なる。よって、機能を同一とする箇所には第1の実施形態と同一な符号を付してその詳細な説明を省略する。
前記貫通溝19を圧電基板12に設ける効果としては、外部からSAW素子10に負荷される衝撃や応力といった外乱要素が、前記電極部分、すなわち励振部分に伝達されることを緩和するといったことを挙げることができる。
前記貫通溝19の形状は例えば、前記電極部分を囲う矩形形状のうち、少なくとも三辺を繋いだコの字形状とすれば良い。また、前記電極部分のうち、前記入出力電極16は前記枠部B側にかかるように、若しくは枠部B側に配設されるようにすると良い。前記入出力電極16は、外部端子に直接接続される。このため、入出力電極には、外部からの衝撃等が直接伝達されてくる可能性がある。よって、入出力電極16を枠部B側へ配設することにより、衝撃等が励振部分へ伝達されることを緩和することが可能となる。
図5には本実施形態に係るSAW素子10の断面図を示す。図5からは、圧電基板12に貫通溝19を設けたことにより励振部分が片持ち状に支持されることとなっていることが読み取れる。
図4,図5からも読みとれるように、上記の貫通溝19を設けたこと以外の構成は、第1の実施形態のSAW素子の構成と同様である。よって、その他の作用効果についても、第1の実施形態と同様とする。
また、前記貫通溝19の形状は適宜選択可能な種々の形状を想定することができるため、上述のような形状に限られるものでは無い。例えば図6〜図8に示すような形状であっても良いと考えられる。
まず、図6に示す貫通溝19の形状は、図4に示した貫通溝19の形状に加え、支持片Aと枠部Bとの境界(接合部)にくびれを形成する貫通溝19aを形成した形状である。このように、接合部分にくびれを形成することによれば、枠部Bと支持片Aとの接合部分の断面積が小さくなるため、外部からの衝撃等が励振部分に伝達される割合を低下させることができる。
また、接合部分の断面積を小さくするための貫通溝19の構造としては、図7に示すような形状であっても良い。図7に示す圧電基板12は、矩形状のうちの入出力電極16を配設する部分のみを接合部分として残す構成の貫通溝19を形成したものである。すなわち、入出力電極16の間に貫通溝19bを形成したのである。このような形状の貫通溝19であっても図4に示す圧電基板12の貫通溝と同様な効果を得ることが可能である。
さらに、貫通溝の構成は、必ずしも支持片Aを片持ちに保持する形状である必要は無い。例えば図8に示すような形状であっても良い。図8に示す形状は、電極部分を囲う矩形状の頂点部分を枠部との接合部分とし、残りの部分を貫通溝19とした状態のものである。すなわち、SAW素子片による励振は、圧電振動片の励振とは異なり圧電基板12の表面を伝搬するものであるため、片持ち支持である必要性が無い。そして構造上、このような形状の貫通溝19であっても、上述した外部応力等の影響を抑制する効果を得ることができると考えられる。
以下、上記構成のSAW素子10の製造方法について簡単に説明する。
まず、圧電基板12に対してCr/Auの成膜を行う。その後、金属パターン14及び入出力電極16の形成を行う。金属パターン14及び入出力電極16の形成が終了した後、IDT18及び反射器18aを形成するためのAl膜を成膜し、IDT18及び反射器18aを形成する。このような工程を経て、上記圧電基板12にパターンが形成される。なお、圧電基板12には実施形態のように、必要に応じて貫通溝19を形成する。貫通溝19の形成は、例えばCr/Auの成膜の前段とすると良い。パターン形成前に貫通溝を設けるようにすることで、エッチングにより形成したパターンに悪影響を与える虞が無い。
上記圧電基板12の形成と同時に、又は前後して、蓋体20,30を形成する。蓋体20,30については、まず蓋体20に対し、金属28を充填するための貫通孔24を形成する。貫通孔24の形成は、ショットブラスト加工等によれば良い。その後、蓋体20,30の双方に対して金属パターンを形成する。
上記のようにして形成された圧電基板12と蓋体20,30とを熱圧着によって接着する。接着された後の蓋体20の貫通孔24に対してCr/Au等の金属被膜26を施す。金属被膜26の被覆は、スパッタ等によれば良い。
その後、金属28をロウ材として前記貫通孔24へ流し込む。そして、ダイシングによってウェハを個片化することにより上記実施形態のSAW素子10が形成される。
上記実施形態におけるSAW素子10では薄型化を目的としているため、圧電基板12を挟持する一対の蓋体20,30はいずれも平板状の形状として示した。しかしながら、前記蓋体20,30は少なくとも圧電基板12に対向する側の面が平坦であれば本発明のSAW素子を製造し、本発明のSAW素子の励振空間を形成する方法を実施することとなる。したがって、SAW素子の外側に配置される面に凹凸を設けたものであっても、本発明の実施形態の一部であるとみなすことができる。
また、実施形態中では、圧電基板12と蓋体20,30との接着(接合)方法を具体的に熱圧着と挙げているが、これは好適な接着(接合)手段の一例であり、本発明を実施する際の接着(接合)方法を限定するものでは無い。
以下、図9を参照して、上記実施形態のSAW素子10を搭載した電子機器の一例について説明する。なお、図9は、無線送信機の概略構成を示す図であり、図9(A)はASK(Amplityde Shift Keying)通信用送信機を示し、図9(B)はFSK(Frequency Shift Keying)通信用送信機を示す。
図9(A)に示すASK通信用送信機100は、送信波を出力する発振手段110と、前記発振手段110からの出力信号を変調するための出力制御部120と、前記出力制御部120へ出力制御信号を入力するための出力制御信号入力端子140と、ASKされた信号を送信する(外部へ放出する)ためのアンテナ130とを備えることを基本構成とする。このような構成の送信機100において、上記実施形態に係るSAW素子10は、前記発振手段110として搭載されることとなる。
図9(B)に示すFSK通信用送信機200では、出力信号の周波数の異なる2つの発振手段210a,210bと、出力信号を切り替えて変調を行うための出力制御部220と、前記出力制御部220へ出力信号を入力するための出力信号入力端子240と、FSKされた信号を送信する(外部へ放出する)ためのアンテナ230とを備えることを基本構成としている。FSK通信では出力信号の切り替えによって送信波を生成するため、2種類の発振手段210a,210bを用いることとなる。このような構成の送信機210においても、上記施形態に係るSAW素子10は、発振手段210a,210bとして搭載される。本実施形態に係るSAW素子10は上述したように小型・薄型を図る上で優れているため、上記のような送信機100,200の発振源として搭載した場合には、送信機自体の小型化・薄型化を図ることができる。
上記実施形態に係るSAW素子10を搭載する電子機器としては、上述した発信機からの送信波を受信する受信機等を挙げることができる。受信機の構成は図示しないが、例えば局部発信機として上記実施形態のSAW素子を用いることができる。なお当然に、本発明に係るSAW素子は、送受信機に限らず様々な電子機器へ搭載することができる。
本発明に係るSAW素子に関連する実施形態を示す断面図である。 本発明に係るSAW素子に関連する実施形態における圧電基板の平面を示す図である。 本発明に係るSAW素子に関連する実施形態における蓋体の平面を示す図である。 本発明に係るSAW素子の第の実施形態における圧電基板の平面を示す図である。 本発明に係るSAW素子の第の実施形態を示す断面図である。 の実施形態における圧電基板の応用形態の例を示す図である。 の実施形態における圧電基板の応用形態の例を示す図である。 の実施形態における圧電基板の応用形態の例を示す図である。 本発明のSAWを搭載する電子機器の例を示すブロック図である。
符号の説明
10………弾性表面波素子(SAW素子)、12………圧電基板、14………金属パターン、16………入出力電極、18………櫛歯状電極(IDT)、18a………反射気(リフレクタ)、20………蓋体、22………金属パターン、24………貫通孔、30………蓋体、32………金属パターン。

Claims (4)

  1. 平面基板の一主面に櫛歯状電極を形成して共振素子片を構成する圧電基板と、
    前記圧電基板を挟み込み、少なくとも前記圧電基板の主面に対向する側の面を平面とした一対の蓋体とを有し、
    前記圧電基板と当該圧電基板を挟み込む一対の蓋体とを接合しつつ前記圧電基板が励振する際の振動空間を確保するための金属パターンを、前記圧電基板と前記蓋体とが対向する面の四辺縁部に形成し
    前記圧電基板には櫛歯状電極を有する共振素子片を支持片として構成し、他の部分を枠部として構成する貫通溝を形成したことを特徴とする弾性表面波素子。
  2. 前記圧電基板に形成する貫通溝は、前記共振素子片を構成する電極部分を囲う矩形状のうち、少なくとも三辺を繋いだ形状としたことを特徴とする請求項に記載の弾性表面波素子。
  3. 前記圧電基板に形成する貫通溝は、前記支持片と前記枠部との接合部分に、くびれを形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の弾性表面波素子。
  4. 請求項1乃至請求項のいずれかに記載の弾性表面波素子を搭載したことを特徴とする電子機器。
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