JP4516442B2 - 転輪支持構造及び履帯式走行装置 - Google Patents

転輪支持構造及び履帯式走行装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4516442B2
JP4516442B2 JP2005033169A JP2005033169A JP4516442B2 JP 4516442 B2 JP4516442 B2 JP 4516442B2 JP 2005033169 A JP2005033169 A JP 2005033169A JP 2005033169 A JP2005033169 A JP 2005033169A JP 4516442 B2 JP4516442 B2 JP 4516442B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shaft
fastened
type traveling
cap member
traveling device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005033169A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006218961A (ja
Inventor
哲典 山下
剛 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Komatsu Ltd filed Critical Komatsu Ltd
Priority to JP2005033169A priority Critical patent/JP4516442B2/ja
Publication of JP2006218961A publication Critical patent/JP2006218961A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4516442B2 publication Critical patent/JP4516442B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Body Structure For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、転輪支持構造及び履帯式走行装置に関する。
一般に、油圧ショベルやブルドーザ等に用いられる履帯式走行装置は、トラックフレームとアイドラとスプロケットとを略直線上に配置し、トラックフレームの下部に複数の下転輪を回転自在に設け、アイドラ、下転輪、及びスプロケットの周囲に履帯を巻装したものである。
この履帯は、エンドレス状に連結される複数のリンクと、このリンクに取り付けられる複数のシュープからなる。そして、下転輪にてこの履帯リンクを受けるものであり、下転輪は、車体の重量を分散して履帯に伝えると共に、そのフランジ部によって履帯の蛇行を防止している。
履帯式走行装置には、このような、硬式と呼ばれるもののほかに、不整地等を走行するときに下転輪がリンクから離れないように、各下転輪の上下方向の揺動を可能とした軟式と呼ばれる履帯式走行装置もある。これは、下転輪のシャフトを、いわゆるボギーと呼ばれるシャフト支持体に取り付けると共に、このボギーを支軸を介して揺動自在にトラックフレームに支持させたものである。これにより、ボギーが支軸を中心に上下方向に揺動し、不整地等を走行する場合に、下転輪が履帯に追従するようにしている。
これらの硬式や軟式のいずれにおいても、下転輪のシャフトが回転しないように、シャフトを固定する手段が必要となる。
例えば、軟式の場合は、ボギーとキャップ(キャップ部材)との間にシャフトを挟んでボルトで締め付ける構造が知られている(例えば、特許文献1)。この構造によれば、ボギーとキャップとでシャフトを強固に締め付けるので、シャフトの回転を防ぎ、下転輪が安定して回転できるようになる。また、下転輪の点検・整備の際にも、容易に、シャフトごと下転輪をボギーから外せるので都合がよい。
特開2004−299664号公報(第12頁、図9の下部転輪15)
しかしながら、従来技術では、ボギーとキャップとでシャフトを挟んでボルトで締め付けるため、ボギーとキャップとの間には若干の隙間が必要となる。その場合、履帯式走行装置を備えた車両を不整地で走行させると、下転輪及びシャフトが不規則に変位するため、車両の重量がボルトに集中することになる。その結果、ボルトには強い曲げ応力や、せん断応力が生じ、ボルトが変形するおそれがあるが、ボルトの強度向上にも限界があり、下転輪支持構造の耐久性を向上させる上で課題となっていた。
そこで、本発明の目的は、履帯式走行装置等における転輪のシャフトを長期間に渡って安定して固定できる十分な耐久性を備えた転輪支持構造及び、この転輪支持構造を備えた履帯式走行装置を提供することにある。
本発明の転輪支持構造は、シャフトと、このシャフトに回転自在に支持される転輪本体とを備え、履帯式走行装置の履帯が巻装される転輪を支持する転輪支持構造であって、前記履帯式走行装置を構成するトラックフレームに設けられ、前記シャフトの外周面の一部が当接して、該シャフトを支持するシャフト支持体と、前記シャフトの径方向に前記シャフト支持体と対向配置され、前記シャフトの外周面の他の部分と当接するキャップ部材と、前記シャフト支持体及び前記キャップ部材を締結し、前記シャフトを締め付け固定する複数の締結部材とを備え、前記シャフト支持体と前記キャップ部材との間には、前記締結部材により締結される被締結部が前記シャフトの軸方向に沿って複数形成され、前記シャフト支持体及び前記キャップ部材を前記締結部材により締め付けたときに、前記複数の被締結部のうち、前記転輪本体に近い前記シャフトの軸方向内側の被締結部の位置に応じた部分(内側締付固定部分)は、隙間が形成された状態で締結され、他の被締結部の位置に応じた部分(外側固定部分)は、隙間なく締結されていることを特徴とする。
ここで、シャフト支持体とは、いわゆる硬式下転輪においては、車体フレーム自体であるが、軟式下転輪においては、ボギーに相当する部材である。
この発明によれば、シャフト支持体及びキャップ部材を締結部材(例えば、締付ボルト)により締め付けた状態で、内側締付固定部分は、隙間が形成された状態となることにより、締結部材の締付力でシャフト外周面を把持してシャフトの回転を防止することができる。
一方、外側固定部分は、隙間なく締結された状態となることにより、シャフトの軸ぶれにより転輪支持構造のシャフト支持面にこじれるような力が作用しても、外側の隙間なく締結された部分で抗することができるため、締結部材に曲げ応力等が発生せず、締結部材(例えば、締付ボルト)の損傷を確実に防止することができる。
本発明では、上述の外側固定部分が、前記シャフト支持体と前記キャップ部材とを固定する締結部材としての固定ボルトにより固定されていることが好ましい。
本発明によれば、固定ボルトが、シャフト支持体とキャップ部材とを強固に結合して、相対的に変位することを防止しているため、上述の締付ボルトを含めボルト全体に曲げ応力等が生じない。
本発明では、前記キャップ部材及び/又は前記シャフト支持体には、前記軸方向内側の被締結部の位置に応じた部分には、挿入される前記締結部材の軸方向に凹む段差が形成されていることが好ましい。
キャップ部材、あるいはシャフト支持体には、内側締付固定部分の側に段差が形成されているので、締付ボルト等の締結手段により、シャフト支持体とキャップ部材とで、転輪のシャフトを安定して固定できる。これにより、スペーサ等の中間部材が特に必要なくなるので、部品点数を低減することができる。もちろん、これらの中間部材を併用してもよい。
本発明では、前記他の被締結部の位置に応じた部分には、スペーサが介装されて隙間なく締結されていることが好ましい。
本発明によれば、前述の外側固定部分では、シャフト支持体が、中間材としてのスペーサを介してキャップ部材と密着しており、スペーサの厚みに相当する分だけ、内側締付固定部分に空間(隙間)が生じている。この空間を介して締結部材(締付ボルト等)により、シャフト支持体とキャップ部材とを締め付けることで、下転輪のシャフトを安定して固定できる。
このスペーサの厚みは、種々変更することができ、それにより、内側締付固定部分の空間(隙間)を適切な厚みに調整することが容易となる。
本発明では、転輪支持構造が履帯式走行装置の走行方向端部の下転輪を支持することが好ましい。すなわち、履帯式走行装置の最先及び/又は最後に位置する下転輪に転輪支持構造が設けられていることが好ましい。
履帯式走行車両が前進/又は後退したときに、最も負荷がかかる下転輪は、車両の最先と最後に位置する下転輪である。
本発明によれば、上述の下転輪支持構造が前記履帯式走行装置の最先及び/又は最後に位置する下転輪に設けられているので、不整地走行での負荷によるシャフトからのキャップをうごかそうとする力の伝達が軽減されるため、締付ボルトや固定ボルトに過大な曲げ応力が発生することもない。従って、ボルトの耐久性を向上させ、結果として、下転輪支持構造の長寿命化を図ることができる。
本発明は、走行方向に沿って延びるトラックフレームと、このトラックフレームの走行方向端部にそれぞれ設けられる駆動輪及び遊動輪と、前記駆動輪及び遊動輪に巻装される履帯と、この履帯が巻装され、前記履帯に作用する接地加重を支持する複数の下転輪とを備えた履帯式走行装置であって、前記下転輪は、シャフト及びこのシャフトに回転自在に支持される転輪本体を備え、前記複数の下転輪のうち、少なくともいずれかの下転輪を支持する転輪支持構造を備え、この転輪支持構造は、前記トラックフレームに設けられ、前記シャフトの外周面の一部が当接して、該シャフトを支持するシャフト支持体と、前記シャフトの径方向に前記シャフト支持体と対向配置され、前記シャフトの外周面の他の部分と当接するキャップ部材と、前記シャフト支持体及び前記キャップ部材を締結し、前記シャフトを締め付け固定する複数の締結部材とを備え、前記シャフト支持体と前記キャップ部材との間には、前記締結部材により締結される被締結部が前記シャフトの軸方向に沿って複数形成され、前記シャフト支持体及び前記キャップ部材を前記締結部材により締め付けたときに、前記複数の被締結部のうち、前記転輪本体に近い前記シャフトの軸方向内側の被締結部の位置に応じた部分(内側締付固定部分)は、隙間が形成された状態で締結され、他の被締結部の位置に応じた部分(外側固定部分)は、隙間なく、締結されていることを特徴とする。
本発明の履帯式走行装置は、上述の転輪支持構造を有するため、前記した効果を奏することができる。
この履帯式走行装置では、上述の転輪支持構造は、当該履帯式走行装置の走行方向端部の下転輪を支持することが好ましい。
また、この下転輪は、前記トラックフレームの下部に設けられる脚部を介して前記トラックフレームに設けられ、前記シャフト支持体は、この脚部に設けられていることが好ましい。例えば、このシャフト支持体はいわゆるボギーであり、ボギーが下転輪を揺動することで、不整地走行においても、下転輪が履帯に追従しやすくなる。
なお、下転輪がトラックフレームの下部に直接設けられ、シャフト支持部が、このトラックフレームの下面に一体的に形成されていてもよい。
[第1実施形態]
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて詳述する。
(1)全体構成
図1には、本発明の実施形態に係る作業車両としてブルドーザ1が示され、このブルドーザ1は、メインフレーム2、キャブ3、ブレード4、及び履帯式走行装置5を備えて構成される。
メインフレーム2は、走行方向前後方向に延びる鋼製フレーム体として構成され、内部には、図示を略したが、動力源となるエンジンと、このエンジンによって駆動する油圧ポンプと、油圧ポンプによって圧送される作動油を各部位に切り換える操作弁とが設けられている。
キャブ3は、メインフレーム2の後方上部に設けられ、内部には、シート31及び操作レバー32が設けられ、操縦者は、このキャブ3に乗車して、シート31に座って操作レバー32等を操作することにより、ブルドーザ1を操縦する。
ブレード4は、ブルドーザ1の走行方向前方に設けられ、ブレード本体41、フレーム42、及びシリンダ43を備えている。
ブレード本体41は、湾曲した凹面状の鋼製板から構成され、このブレード本体41で土を前方に押すことにより、削土、盛土等の作業を行うことができ、さらに、ブレード本体41の下面により、盛土、均し等の作業を行うことができる。
フレーム42は、ブレード本体41をメインフレーム2に連結するものであり、メインフレーム2に対して回転自在に取り付けられ、先端にブレード本体41が上下左右に回転自在に取り付けられている。
シリンダ43は、メインフレーム2の上部に取り付けられ、先端側がフレーム42の上部に連結されている。このシリンダ43は、前記の油圧ポンプから圧送される作動油によって伸縮し、これによりブレード本体41の仰角を変更することができる。
履帯式走行装置5は、メインフレーム2の下部両側に設けられ、メインフレーム2の略中央に突出して設けられるピボットシャフト6を介して、メインフレーム2に対して軸心P1回りに揺動自在に設けられている。
(2)履帯式走行装置の構成
図2は、図1における履帯式走行装置5を拡大して示した図である。この履帯式走行装置5は、トラックフレーム51、アイドラ(遊動輪)52、スプロケット(駆動輪)53、下転輪54、上転輪55、及び履帯56を備えて構成される。具体的には、アイドラ52とスプロケット53とを略直線状に配置し、アイドラ52とスプロケット53との間に下転輪54、上転輪55を回転自在に設け、これらの周囲に履帯56が巻装されている。
トラックフレーム51は、メインフレーム2と同様に前後方向に延びる鋼製フレームから構成され、ピボットシャフト6に揺動自在に軸支されている。
アイドラ52は、トラックフレーム51の前端部に回転自在に設けられ、トラックフレーム51に対して前方側に移動可能になっている。
スプロケット53は、トラックフレーム51の後端方向に設けられ、ブルドーザ1本体の外周に露出し、履帯56が噛合するように構成され、このスプロケット53の内側には、スプロケット53駆動用の油圧モータ(図示せず)が設けられている。
下転輪54は、トラックフレーム51の下部に、シャフト541に対して回転自在に設けられた下転輪本体540と一体となって複数設けられ、各下転輪54は、ブルドーザ1の走行方向に沿って配列されている。
また、下転輪本体540を回転自在に支持するシャフト541は、シャフト支持体としてのボギー511とキャップ部材512とで挟持されており、これらが下転輪支持構造7を構成するが詳細は後述する。
上転輪55は、トラックフレーム51の上部に回転自在に設けられている。
履帯56は、図示を略したが、複数のシューをピンで連結した構成を備え、アイドラ52、スプロケット53、複数の下転輪54、及び上転輪55を取り巻くように巻装され、スプロケット53に噛合している。
(3)下転輪支持構造の構成
図3は、図2における下転輪支持構造7の側面図である。図4は、図3のI−I部分の断面図である。ここで、上述の下転輪支持構造7は履帯式走行装置5の最先に位置する下転輪54(左右)に設けられている。
下転輪54は、図3及び図4に示すように、下転輪本体540が、シャフト541を軸受手段542を介して回転可能に取り付けられて構成されている。軸受手段542には軸受油が充填されており、油止めピン543により漏れを防止している。この油止めピン543はボギー511とキャップ部材512との密着部に形成された孔544から出し入れ可能になっている。
シャフト541は、下転輪本体540が外装される中間部5411と、この中間部5411から両側に突設して、中間部5411よりも小径の一対の端部5412とを含んで構成される。この端部5412は、ボギー511と一対のキャップ部材512とに挟持され、シャフト541が回転しないように固定されている。
ボギー511はトラックフレーム51(図2)にボギー支軸513を介して回転自在に取り付けられており、下転輪54が上下に揺動することを可能にしている。
このボギー511は、図3、図4に示すように、ボギー支軸513に軸支されるボギー本体部5111と、キャップ部材512との間に空間(隙間)を有して対向するボギー締付部5112と、キャップ部材512に密着するボギー密着部5113とを含んで構成される。
キャップ部材512は、ボギー締付部5112に対向するキャップ部材締付部5121と、上述のボギー密着部5113に密着するキャップ部材密着部5122とを含んで構成される。キャップ部材締付部5121はキャップ部材密着部5122に対して1mm程度の段差を有しており、この段差により上述の空間(隙間)を形成している。なお、この空間には、天然ゴムなどの弾性材料よりなるパッキンを挟持してもよい。
ボギー締付部5112とキャップ部材締付部5121は、締結部材としての締付ボルト514により締め付けられ、隙間を有する被締結部(内側締付固定部分)71を構成する。
一方、ボギー密着部5113とキャップ部材密着部5122は、締結部材としての固定ボルト515により締め付けられて密着・固定され、被締結部(外側固定部分)72を構成する。
図5は、本実施形態に係る下転輪支持構造7の分解図であり、ボギー511、下転輪本体540、シャフト541、キャップ部材512、締付ボルト514、及び固定ボルト515の相対的な位置関係を示している。キャップ部材512のキャップ部材締付け部5121は、シャフト541の端部5412を挟持していない平坦部が、キャップ部材密着部5122に対して1mm程度の段差(段部)を有しており、その段差により上述の空間(隙間)が形成される。
ボギ−締付部5112とキャップ部材締付部5121とは、ともにシャフト541の端部5412に倣った半円柱状の空隙を有しており、両者を組み合わせると、略円柱状の空隙が端部5412を覆う形となる。このボギ−締付部5112とキャップ部材締付部5121とを、締付ボルト514により締め付けることでシャフト541の端部5412が挟持され、前述の内側締付固定部分71が構成される。
なお、シャフト541の端部5412は上述の内側締付固定部分71までの長さしかなく、外側固定部分72には存在しない。
(4)実施形態の作用及び効果
本実施形態に係る下転輪支持構造7は、このような構成を具備する結果、次のような効果を奏する。
(a)下転輪本体540を外装するシャフト541の端部5412を、ボギー511とキャップ部材512とで隙間を持って締付ボルト514により固定する内側締付固定部分71と、ボギー511とキャップ部材512が密着している外側固定部分72とを備えているため、ブルドーザ1が不整地を走行してシャフト541が変位しても、ボギー511とキャップ部材512とは、前記隙間により、相対的に変位しにくくなっている。
結果として締付ボルト514に外力がかかることが少なく、締付ボルト514に曲げ応力やせん断応力が生じにくい。
それ故、従来、強い曲げ応力を受けていたシャフト541直近の締付ボルトの寿命が延びることで、下転輪支持構造7の耐久性を向上させることができる。
(b)固定ボルト515としては、締付ボルト514と同一構造のボルトを使用することができるため、下転輪支持構造の製造工程上も製造コスト上も非常に有利である。
(c)ボギー511とキャップ部材512は、内側締付固定部分71の側に凹む段部を有し、この段部が空間(隙間)を形成しているため、締付ボルト514により、ボギー511とキャップ部材512とで、シャフト541を安定して強固に固定できる。すなわち、この隙間があるために、内側締付固定部分71において、ボギ−締付部5112とキャップ部材締付部5121とが略接近するような弾性的締付けが可能となる。
なお、この段部を形成するために、ボギー511のボギー締付部5112に段部を設けてもよいし、あるいは、外側固定部分にスペーサ(シム)を挿入しても同様の効果が得られる。もちろん、これらを併用してもよい。
(d)本実施形態では、下転輪支持構造7は履帯式走行装置5の最先及び最後に位置する左右の下転輪に設けられている。履帯式走行車両が前進又は後退したときに、最も負荷がかかる下転輪は、履帯式走行装置5の最先と最後に位置する下転輪であるため、効率的に下転輪支持構造の長寿命化を図ることができる。
(e)外側固定部分72では、ボギー511とキャップ部材512とが密着しており、隙間がない。それ故、車両の外部から塵埃等が隙間に侵入することがなく、軸受油等の寿命の向上が図れ、下転輪支持構造7の耐久性の向上も図れる。
ここで、本実施形態と従来技術の一例について、次の条件を設定した試験例を以下に示す。
(条件1:本実施形態)
図1〜図5に係る履帯式走行装置5を備えたブルドーザ1を用いて、前述した構成と同じである。図6(A)には、本条件に係る下転輪支持構造7の要部を模式的に示した。下転輪支持構造7は、下転輪54を挟んで左右一対の構造からなるが、ここでは、一方の側のみ図示した。また、下記の条件設定においても、便宜上、片側についてのみ記した。条件2及び条件3についても同様である。
図6(A)に示したように、条件1では、2個の締付ボルト514と2個の固定ボルト515により、ボギー511とキャップ部材512とで、下転輪のシャフト541の端部5412を挟持して固定した。
上述の実施形態にて説明したように、キャップ部材512にはボギー511への対向面に約1mmの段差があり、内側締付固定部分71には約1mmの空間(隙間)が形成されている。一方、ボギー511とキャップ部材512とは外側固定部分72(網掛け部分)で密着している。
(条件2:従来技術の一例)
図6(B)に示すように、4個の締付ボルトにより、ボギーとキャップ部材とで、下転輪のシャフトの端部を挟持して固定した。条件1と異なり、キャップ部材には段差がなく、密着部もない。ボギーとキャップ部材との間には約1mmの空間(隙間)が形成されている。
(条件3:従来技術の一例)
図6(C)に示すように、2個の締付ボルトによりボギーとキャップ部材とで、下転輪のシャフトの端部を挟持して固定した。条件2と同様に、密着部はない。ボギーとキャップ部材との間には約1mmの空間(隙間)が形成されている。
〔試験例〕
上述の条件1〜条件3の下転輪支持構造を有する履帯式走行装置を備えたブルドーザ1を運転して、下記の障害物に対して、片側の履帯及び両側の履帯で乗り越える走行を行った。
各下転輪支持構造における締付ボルトには抵抗ひずみゲージを取り付け、走行時の最大曲げ応力(両振換算応力σw)を測定した。
・障害物
高さ 150mm(両側乗り越え)
高さ 350mm(片側乗り越え)
・走行条件
両側乗り越え:前進1速、後退1速
片側乗り越え:前進2速、後退1速
〔結果〕
Figure 0004516442
表1に、本実施形態における下転輪支持構造7(条件1)と、従来の下転輪支持構造(条件2、条件3)の各々について、締付ボルトに生じた最大曲げ応力(σw)を示した。
条件3では片側2本の締付ボルトにより、ボギーとキャップ部材とでシャフトを挟持・固定しているだけであり、締付ボルトに大きな曲げ負荷がかかっていることがわかる。
条件2では締付ボルトを片側4本に増やしたが、ボルトにかかる負荷は略半分になった程度であり、締付ボルトを増やして1本当たりの負荷を減らしただけの効果にとどまった。
これに対して、条件1では、締付ボルト514に生ずる最大曲げ応力が激減しており、本実施形態の効果が確認された。
[第2実施形態]
図7には、本発明の第2実施形態に係る履帯式走行装置8が示されている。
履帯式走行装置8は、トラックフレーム81、アイドラ82、スプロケット83、下転輪84、上転輪85、及び履帯86を備えて構成される。具体的には、アイドラ82とスプロケット83とを略直線状に配置し、アイドラ82とスプロケット83との間に、下転輪84、上転輪85を回転自在に設け、これらの周囲に履帯86が巻装されている。
トラックフレーム81は、前後方向に延びる鋼製フレームから構成されており、アイドラ82は、トラックフレーム81の前端部に回転自在に設けられ、トラックフレーム81に対して前方側に移動可能になっている。
第2実施形態における履帯式走行装置8は、軟式ではなく、いわゆる硬式と呼ばれる足回り構造をとっている。すなわち、下転輪のシャフト841は、直接、トラックフレーム81に固定されている。
下転輪支持構造9は、基本的に第1実施形態と同様であり、シャフト841をトラックフレーム81とキャップ部材812とで挟持して固定する構成としている。
このような実施形態でも、第1実施形態と同様な構成であることから前述の各効果を得ることができ、加えて、以下の効果がある。
(f)いわゆる硬式であるため、地面からの振動が直接下転輪からシャフト841を通じてトラックフレーム81に伝達される。従って、シャフト841を締付け固定しているボルトに対する負荷も大きい。本実施形態では、このような硬式の履帯式走行装置であっても、上述の構成によりボルトに生ずる応力を小さくすることができる。
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易に
するために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの
形状、材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明
に含まれるものである
例えば、前記実施形態では、履帯式走行装置5をブルドーザ1の走行装置として採用していたが、本発明はこれに限られず、油圧ショベルやクローラクレーン等の他の作業用車両に本発明を採用してもよい。
本発明の下転輪支持構造は、ブルドーザの履帯式走行装置に利用できる他、油圧ショベルやクレーン等の作業車両の履帯式走行装置にも利用することができる。
本発明の第1実施形態に係る履帯式走行装置を備えた作業車両の側面図。 前記実施形態における履帯式走行装置の側面図。 前記実施形態における下転輪の側面図。 前記実施形態における下転輪の正面図(断面図)。 前記実施形態における下転輪支持構造の分解図。 前記実施形態における試験例で用いた下転輪支持構造の模式図。 本発明の第2実施形態に係る履帯式走行装置を備えた作業車両の側面図。
符号の説明
1・・・ブルドーザ(作業車両)、5,8・・・履帯式走行装置、7,9・・・転輪(下転輪)支持構造、15・・・下部転輪、51,81・・・トラックフレーム、52,82・・・アイドラ、53,83・・・スプロケット、54,84・・・下転輪、55,85・・・上転輪、56,86・・・履帯、71・・・内側締付固定部分(被締結部)、72・・・外側固定部分(被締結部)、511・・・ボギー(シャフト支持体)、512,812・・・キャップ部材、513・・・ボギー支軸、514・・・締付ボルト(締結部材)、515・・・固定ボルト(締結部材)、540・・・下転輪本体、541,841・・・シャフト、5111・・・ボギー本体部、5112・・・ボギー締付部、5113・・・ボギー密着部、5121・・・キャップ部材締付部、5122・・・キャップ部材密着部

Claims (7)

  1. シャフト(541)と、このシャフト(541)に回転自在に支持される転輪本体(540)とを備え、履帯式走行装置(5)の履帯(56)が巻装される転輪(54,55)を支持する転輪支持構造(7)であって、
    前記履帯式走行装置(5)を構成するトラックフレーム(51)に設けられ、前記シャフト(541)の外周面の一部が当接して、該シャフト(541)を支持するシャフト支持体(511)と、
    前記シャフト(541)の径方向に前記シャフト支持体(511)と対向配置され、前記シャフト(541)の外周面の他の部分と当接するキャップ部材(512)と、
    前記シャフト支持体(511)及び前記キャップ部材(512)を締結し、前記シャフト(541)を締め付け固定する複数の締結部材(514,515)とを備え、
    前記シャフト支持体(511)と前記キャップ部材(512)との間には、前記締結部材(514,515)により締結される被締結部(71,72)が前記シャフト(541)の軸方向に沿って複数形成され、
    前記シャフト支持体(511)及び前記キャップ部材(512)を前記締結部材(514,515)により締め付けたときに、
    前記複数の被締結部(71,72)のうち、前記転輪本体(540)に近い前記シャフト(541)の軸方向内側の被締結部の位置に応じた部分(71)は、隙間が形成された状態で締結され、
    他の被締結部の位置に応じた部分(72)は、隙間なく締結されていることを特徴とする転輪支持構造。
  2. 請求項1に記載の転輪支持構造において、
    前記キャップ部材(512)及び/又は前記シャフト支持体(511)には、前記軸方向内側の被締結部の位置に応じた部分(71)に、挿入される前記締結部材の軸方向に凹む段差が形成されていることを特徴とする転輪支持構造。
  3. 請求項1に記載の転輪支持構造において、
    前記他の被締結部の位置に応じた部分(72)は、スペーサが介装されて隙間なく締結されていることを特徴とする転輪支持構造。
  4. 走行方向に沿って延びるトラックフレーム(51,81)と、
    このトラックフレーム(51,81)の走行方向端部にそれぞれ設けられる駆動輪(53,83)及び遊動輪(52,82)と、
    前記駆動輪(53,83)及び遊動輪(52,82)に巻装される履帯(56,86)と、
    この履帯(56,86)が巻装され、前記履帯(56,86)に作用する接地加重を支持する複数の下転輪(54)とを備えた履帯式走行装置であって、
    前記下転輪(54)は、シャフト(541)及びこのシャフト(541)に回転自在に支持される転輪本体(540)を備え、
    前記複数の下転輪(54)のうち、少なくともいずれかの下転輪(54)を支持する転輪支持構造(7)を備え、
    この転輪支持構造(7)は、
    前記トラックフレーム(51,81)に設けられ、前記シャフト(541)の外周面の一部が当接して、該シャフト(541)を支持するシャフト支持体(511)と、
    前記シャフト(541)の径方向に前記シャフト支持体(511)と対向配置され、前記シャフト(541)の外周面の他の部分と当接するキャップ部材(512)と、
    前記シャフト支持体(511)及び前記キャップ部材(512)を締結し、前記シャフトを締め付け固定する複数の締結部材(514,515)とを備え、
    前記シャフト支持体(511)と前記キャップ部材(512)との間には、前記締結部材(514,515)が締結される被締結部(71,72)が前記シャフト(541)の軸方向に沿って複数形成され、
    前記シャフト支持体(511)及び前記キャップ部材(512)を前記締結部材(514,515)により締め付けたときに、
    前記複数の被締結部(71,72)のうち、前記転輪本体(540)に近い前記シャフト(541)の軸方向内側の被締結部の位置に応じた部分(71)は、隙間が形成された状態で締結され、
    他の被締結部の位置に応じた部分(72)は、隙間なく、締結されていることを特徴とする履帯式走行装置。
  5. 請求項4に記載の履帯式走行装置において、
    前記転輪支持構造(7)は、当該履帯式走行装置の走行方向端部の下転輪(54,84)を支持することを特徴とする履帯式走行装置。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の履帯式走行装置において、
    前記下転輪(54)は、前記トラックフレーム(51)の下部に設けられる脚部を介して前記トラックフレーム(51)に設けられ、
    前記シャフト支持体511は、この脚部に設けられていることを特徴とする履帯式走行装置。
  7. 請求項4又は請求項5に記載の履帯式走行装置において、
    前記下転輪(81)は、前記トラックフレーム(81)の下部に直接設けられ、
    シャフト支持部が、このトラックフレーム(81)の下面に一体的に形成されていることを特徴とする履帯式走行装置。
JP2005033169A 2005-02-09 2005-02-09 転輪支持構造及び履帯式走行装置 Expired - Fee Related JP4516442B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005033169A JP4516442B2 (ja) 2005-02-09 2005-02-09 転輪支持構造及び履帯式走行装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005033169A JP4516442B2 (ja) 2005-02-09 2005-02-09 転輪支持構造及び履帯式走行装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006218961A JP2006218961A (ja) 2006-08-24
JP4516442B2 true JP4516442B2 (ja) 2010-08-04

Family

ID=36981564

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005033169A Expired - Fee Related JP4516442B2 (ja) 2005-02-09 2005-02-09 転輪支持構造及び履帯式走行装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4516442B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6492346B2 (ja) * 2015-06-15 2019-04-03 ヤンマー株式会社 クローラ式走行装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003127918A (ja) * 2001-10-22 2003-05-08 Ohtsu Tire & Rubber Co Ltd :The クローラ走行装置の転輪支持構造
JP2004042797A (ja) * 2002-07-12 2004-02-12 Komatsu Ltd クローラ式車両のボギー式下転輪装置
JP2004299664A (ja) * 2003-03-19 2004-10-28 Komatsu Ltd 履帯リンク研摩装置および履帯走行装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5320827Y2 (ja) * 1972-11-13 1978-06-01
JPS5732941Y2 (ja) * 1976-02-07 1982-07-20
JPS52116838U (ja) * 1976-03-03 1977-09-05
JPS52136334U (ja) * 1976-04-12 1977-10-17

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003127918A (ja) * 2001-10-22 2003-05-08 Ohtsu Tire & Rubber Co Ltd :The クローラ走行装置の転輪支持構造
JP2004042797A (ja) * 2002-07-12 2004-02-12 Komatsu Ltd クローラ式車両のボギー式下転輪装置
JP2004299664A (ja) * 2003-03-19 2004-10-28 Komatsu Ltd 履帯リンク研摩装置および履帯走行装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006218961A (ja) 2006-08-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11572112B2 (en) Track system for traction of a vehicle
JP3515573B2 (ja) 車両の下部構造体アセンブリ
US8573336B2 (en) Suspension for a machine
US20130043719A1 (en) Elastomeric Bearing for Equalizer Bar of Undercarriage
JP5113855B2 (ja) 履帯式走行装置および転輪組立体
US3773129A (en) Unitary coupling for articulated vehicles
JPS6127227B2 (ja)
US4690231A (en) Tracklaying undercarriage for bulldozer, crawler loaders or other tracklaying vehicles
JP3490040B2 (ja) クローラ式車両のクローラ装置
EP1304282B1 (en) Rolling wheel support structure for crawler track unit
JP4516442B2 (ja) 転輪支持構造及び履帯式走行装置
AU728297B2 (en) Cushioned roller for a belted undercarriage
JPH08175442A (ja) クローラ式車両の走行装置
US7959169B2 (en) Chain driven independent suspension having an oscillation joint
JP2007099159A (ja) クローラ走行装置
JP2008137435A (ja) クローラ走行装置
JP6794097B2 (ja) トラクタ
US11208164B2 (en) Spalling resistant track link and roller interface
US7108085B2 (en) Equalizer bar for a track-type vehicle
JPH09123953A (ja) 装軌車両のサスペンション構造
JP2006027522A (ja) コンテナキャリア
JP2004155334A (ja) 履体式車両の懸架装置
JPH10236119A (ja) 軌道用作業機
JP2001199373A (ja) 履帯シール装置及びこれに用いるシール
JPH09188278A (ja) 移動農機のクローラ

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070705

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070820

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100422

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100511

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100514

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130521

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees