JP4516187B2 - 車載用タイヤ空気圧検知装置及び同装置取付用キャストホイール - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャストホイールにタイヤを組付ける、又はキャストホイールからタイヤを取外す際にタイヤビード部との干渉を防止することのできる車載用タイヤ空気圧検知装置及び同装置取付用キャストホイールに関する。
【０００２】
【従来の技術】
車両のタイヤの空気圧が低下したかどうかを検知する車載用タイヤ空気圧検知装置としては、例えば、特開平１０−４４７２６号公報「タイヤ空気圧警報装置」が知られている。
上記公報の図１には、ホイールリム１に送信部７及びバルブステム１０からなるタイヤ空気圧警報装置をナット９で取付けた状態が記載されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報の技術において、タイヤ空気圧警報装置のケース２がタイヤ側に突出する場合には、ホイールリム１にタイヤを組付けるときに、ケース２にタイヤのビード部が干渉することが考えられる。
そこで、本発明の目的は、キャストホイールにタイヤを組付ける、又はキャストホイールからタイヤを取外す際に、タイヤのビード部が車載用タイヤ空気圧検知装置に干渉するのを防止することにある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項１は、車両のキャストホイールのリムに取付けた空気圧センサによりタイヤ空気圧を検知するタイヤ空気圧検知装置において、タイヤのビード部を保持するリムのビードシート部の内側に環状に窪ませたリムドロップ部を設け、このリムドロップ部に凹部を設け、この凹部に空気圧センサを収納し、空気圧センサを、その外面がリムドロップ部の底面より半径方向内側になるようにリムに取付けたことを特徴とする。
【０００５】
空気圧センサをリムの凹部に収納したことで、タイヤチェンジャー等を使用してキャストホイールにタイヤを組付ける、又はキャストホイールからタイヤを取外す際に、タイヤのビード部が空気圧センサに干渉するのを防ぐ。
また、タイヤチェンジャー等を使用してキャストホイールにタイヤを組付ける、又はキャストホイールからタイヤを取外す際に、タイヤのビード部が空気圧センサに干渉するのを防ぐ。
【０００６】
請求項２は、空気圧センサが、リムの内側面に沿って湾曲形状にしたものであることを特徴とする。
【０００７】
空気圧センサをリムの内側面に沿って湾曲形状にしたことで、空気圧センサのタイヤ側への突出部をなくし、キャストホイールへタイヤを組付ける、又はキャストホイールからタイヤを取外す際に、タイヤのビード部が空気圧センサに干渉するのを防止する。
【０００８】
請求項３は、リムの空気圧センサを取付けた位置から周方向に角度が１８０°の位置に、空気圧センサとバランスさせるためのウェイト部を一体成形したことを特徴とする。
【０００９】
リムにウェイト部を一体成形したことで、キャストホイールのバランスを容易に取り、キャストホイールに特別にホイールバランスを取るためのおもりを取付けたり、貼り付けたりする必要がなくなり、作業性が向上する。
【００１０】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図１は本発明に係る車載用タイヤ空気圧検知装置を備えた自動二輪車の側面図であり、車両としての自動二輪車１０は、ハンドル１１と、このハンドル１１の下部に操舵自在に取付けたフロントフォーク１２及び前輪１３と、ハンドル１１の下部及びフロントフォーク１２の上部を覆うフロントカバー１４及びフロントインナカバー１５と、フロントカバー１４の下部後方に配置したフロアステップ１６と、フロアステップ１６の後部上方に続くボデーカバー１７と、このボデーカバー１７の内側から後方に延びるパワーユニット１８と、このパワーユニット１８の後部に取付けた後輪２１と、パワーユニット１８の後端部及びボデーカバー１７内の図示せぬ車体フレームにそれぞれ渡したエアサスペンション装置２２とからなる。
【００１１】
ここで、２４はハンドル１１に取付けたメータカバー、２５，２６は前輪１３のホイール及びタイヤ、２７はパワーユニット１８を構成するエンジンに燃料を供給するキャブレタ、３１，３２は後輪２１のホイール及びタイヤ、３３はシートである。
【００１２】
本発明の車載用タイヤ空気圧検知装置４０（以下「空気圧検知装置４０」と記す。）は、前輪１３のホイール２５に取付けることでタイヤ２６の空気圧を検出する前輪用の空気圧センサとしてのタイヤ空気圧検出装置４１と、後輪２１のホイール３１に取付けることでタイヤ３２の空気圧を検出する後輪用の空気圧センサとしてのタイヤ空気圧検出装置４２と、エアサスペンション装置２２に取付けたエアサスペンション空気圧検出装置４３と、例えば、キャブレタ２６に取付けることでスロットル開度を調整するエンジン出力調整装置４４と、これらのタイヤ空気圧検出装置４１，４２及びエアサスペンション空気圧検出装置４３から送信した信号を受信することにより、図示せぬ警報装置を作動させ、エンジン出力調整装置４４を制御する制御装置４５と、制御装置４５からの信号を受けて前輪１３のタイヤ２６の空気圧、後輪２１のタイヤ３２の空気圧、エアサスペンション装置２２の空気圧を表示する表示装置４６と、警報装置とからなる。
制御装置４５は、例えば、シート３３の下方に配置し、表示装置４６は、例えば、メータカバー２４に取付けたものである。
【００１３】
図２は本発明に係る空気圧検知装置におけるタイヤ空気圧検出装置の取付状態を示す第１断面図であり、前輪用のタイヤ空気圧検出装置４１について説明する。後輪用のタイヤ空気圧検出装置４２については、前輪用のタイヤ空気圧検出装置４１と同一構造であり、図２以降の説明は省略する。
タイヤ空気圧検出装置４１は、検出装置本体５１と、タイヤ２６（図１参照）内に空気を供給するときのみ開き、タイヤ２６内に供給した空気が外部へ流出しないように閉じておくために検出装置本体５１に取付けたタイヤバルブ５２とからなり、検出装置本体５１をリム５３の底に設けた凹部５４に配置し、リム５３の底に開けたバルブ挿通穴５５にタイヤバルブ５２を挿入し、タイヤバルブ５２の外周面に設けたおねじ部５６にナット５７を捩じ込んでホイール２５にタイヤ空気圧検出装置４１を取付ける。
【００１４】
図３は本発明に係る空気圧検知装置におけるタイヤ空気圧検出装置の取付状態を示す第２断面図である。
ホイール２５は、フランジ部６１，６１と、これらのフランジ部６１，６１の内側に設けたビードシート部６２，６２と、これらのビードシート部６２，６２の内側に盛り上げ成形したハンプ部６３，６３と、これらのハンプ部６３，６３のそれぞれの間を窪ませたリムドロップ部６４と、このリムドロップ部６４に設けた前述の凹部５４とからなる。
【００１５】
ビードシート部６２は、タイヤ２６（図１参照）のビード部を保持する部分である。
ハンプ部６３は、タイヤ２６がホイール２５のビードシート部６２から外れるのを防ぐ環状の凸部である。
リムドロップ部６４は、深く落込ませることで、タイヤ２６の着脱を容易にするための部分である。
【００１６】
タイヤ空気圧検出装置４１は、検出装置本体５１の外面５１ａをリムドロップ部６４の底面（後述する。）よりｄだけ内側になるようにリム５３に取付けたものである。なお、６７はタイヤ２６内の空気室から外部に空気が洩れるのを防止するためのシール部材、６８はタイヤ２６の内外を連通させるためにタイヤバルブ５２内に設けた連通穴（図示せぬ弁体で塞いである。）である。
【００１７】
以上の図２及び図３で説明したように、本発明は、自動二輪車１０（図１参照）のホイール２５のリム５３に取付けたタイヤ空気圧検出装置４１によりタイヤ空気圧を検知する空気圧検知装置４０において、タイヤのビード部を保持するリム５３のビードシート部６２の内側に環状に窪ませたリムドロップ部６４を設け、このリムドロップ部６４に凹部５４を設け、この凹部５４にタイヤ空気圧検出装置４１の検出装置本体５１を収納したことを特徴とする。
【００１８】
検出装置本体５１をリム５３の凹部５４に収納したことで、タイヤチェンジャー等を使用してホイール２５にタイヤ２６を組付ける、又はホイール２５からタイヤ２６を取外す際に、タイヤ２６のビード部が検出装置本体５１に干渉するのを防ぐことができる。
【００１９】
ここで、凹部５４の側面５４ａ，５４ａとリムドロップ部６４の傾斜面６４ａ，６４ａとが交わってできる交線位置６４ｂ，６４ｂを周方向及び幅方向に結んだ面をリムドロップ部６４の底面６４ｃとし、ホイール２５中心から底面６４ｃまでの距離（半径）をＲ１とし、凹部５４の底面５４ｂのホイール２５中心からの距離（半径）をＲ２とする。
【００２０】
図２に戻って、検出装置本体５１は、リム５３の内側面５３ａ（即ち、リムドロップ部６４の底面６４ｃ及び凹部５４の底面５４ｂを合わせたもの）に沿って湾曲形状にしたものである。
検出装置本体５１の内面５１ｂの半径をＲ３、外面５１ａの半径をＲ４とすると、以下の関係を満たす。
（Ａ）Ｒ４≦Ｒ１、（Ｂ）Ｒ２≦Ｒ３、（Ｃ）Ｒ４≦Ｒ３
【００２１】
例えば、１０インチ〜１９インチサイズのリム径のホイールにタイヤ空気圧検出装置４１を共用して取付ける場合に、（１）検出装置本体５１の外面５１ａの半径Ｒ４を、最小径の１０インチサイズのホイールのリムドロップ部６４（図３参照）の底面６４ｃの半径Ｒ１よりも小さくすることで、１０インチ〜１９インチサイズのどのホイールにタイヤ空気圧検出手段４１を取付けても、検出装置本体５１の外面５１ａはリムドロップ部６４の底面６４ｃよりも外側に突出しない。即ち、Ｒ４≦Ｒ１である。
【００２２】
（２）検出装置本体５１の内面５１ｂの半径Ｒ３を、最大径の１９インチサイズのホイールの凹部５４の底面５４ｂの半径Ｒ２よりも大きくすることで、１０インチ〜１９インチサイズのどのホイールにタイヤ空気圧検出手段４１を取付けても、検出装置本体５１の内面５１ｂは凹部５４の底面５４ｂに干渉しない。即ち、Ｒ２≦Ｒ３である。
【００２３】
（３）Ｒ１（１０インチサイズのホイールでの寸法）≦Ｒ２（１９インチサイズのホイールでの寸法）とすると、上記（１）、（２）より、Ｒ４≦Ｒ１≦Ｒ２≦Ｒ３であるから、Ｒ４≦Ｒ３となる。
【００２４】
以上の図２で説明したように、本発明は、自動二輪車１０（図１参照）のホイール２５のリム５３に取付けたタイヤ空気圧検出手段４１によりタイヤ空気圧を検知する空気圧検知装置４０（図１参照）において、検出装置本体５１は、リム５３の内側面５３ａに沿って湾曲形状にしたものであることを特徴とする。
【００２５】
検出装置本体５１をリム５３の内側面５３ａに沿って湾曲形状にしたことで、検出装置本体５１のタイヤ２６（図１参照）側への突出部をなくすことができ、ホイール２５へタイヤ２６を組付ける、又はホイール２５からタイヤ２６を取外す際に、タイヤ２６のビード部が検出装置本体５１に干渉するのを防止することができる。
【００２６】
図４（ａ），（ｂ）は本発明に係るタイヤ空気圧検知装置を取付けたホイールの説明図であり、（ａ）は側面図、（ｂ）は（ａ）のｂ−ｂ線断面図である。
（ａ）において、ホイール２５は、リム５３のタイヤ空気圧検出装置４１（図３参照）を取付けた位置、即ち凹部５４（図３参照）から周方向に角度が１８０°の位置に、タイヤ空気圧検出装置４１とバランスさせるウェイト部６９を一体成形したものである。
（ｂ）において、ウェイト部６９を、リム５３のホイール中心側に突出させて設けたことを示す。
【００２７】
以上に説明したように、本発明は、リム５３のタイヤ空気圧検出装置４１を取付けた位置から周方向に角度が１８０°の位置に、タイヤ空気圧検出装置４１とバランスさせるためのウェイト部６９を一体成形したことを特徴とする。
【００２８】
リム５３にウェイト部６９を一体成形したことで、ホイール２５のバランスを容易に取ることができ、ホイール２５に特別にホイールバランスを取るためのおもりを取付けたり、貼り付けたりする必要がなくなり、作業性を向上させることができる。
【００２９】
尚、本発明の実施の形態で説明した前輪用のタイヤ空気圧検出装置４１と後輪用のタイヤ空気圧検出装置４２は、同一寸法でもよいし、タイヤサイズに応じて異ならせてもよい。
また、タイヤ空気圧検知装置４０は、自動二輪車に限らず、三輪車、四輪車にも適用できる。
【００３０】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項１の車載用タイヤ空気圧検知装置は、リムのビードシート部の内側に環状に窪ませたリムドロップ部を設け、このリムドロップ部に凹部を設け、この凹部に空気圧センサを収納したので、タイヤチェンジャー等を使用してキャストホイールにタイヤを組付ける、又はキャストホイールからタイヤを取外す際に、タイヤのビード部が空気圧センサに干渉するのを防ぐことができる。
【００３１】
また、空気圧センサを、その外面がリムドロップ部の底面より半径方向内側になるようにリムに取付けたので、タイヤチェンジャー等を使用してキャストホイールにタイヤを組付ける、又はキャストホイールからタイヤを取外す際に、タイヤのビード部が空気圧センサに干渉するのを防ぐことができる。
【００３２】
請求項２の車載用タイヤ空気圧検知装置は、空気圧センサを、リムの内側面に沿って湾曲形状にしたので、空気圧センサのタイヤ側への突出部をなくすことができ、キャストホイールへタイヤを組付ける、又はキャストホイールからタイヤを取外す際に、タイヤのビード部が空気圧センサに干渉するのを防止することができる。
【００３３】
請求項３の車載用タイヤ空気圧検知装置取付用ホイールは、リムの空気圧センサを取付けた位置から周方向に角度が１８０°の位置に、空気圧センサとバランスさせるためのウェイト部を一体成形したので、キャストホイールのバランスを容易に取ることができ、キャストホイールに特別にホイールバランスを取るためのおもりを取付けたり、貼り付けたりする必要がなくなり、作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明に係る車載用タイヤ空気圧検知装置を備えた自動二輪車の側面図
【図２】 本発明に係る空気圧検知装置におけるタイヤ空気圧検出装置の取付状態を示す第１断面図
【図３】 本発明に係る空気圧検知装置におけるタイヤ空気圧検出装置の取付状態を示す第２断面図
【図４】 本発明に係るタイヤ空気圧検知装置を取付けたホイールの説明図
【符号の説明】
１０…車両（自動二輪車）、２５，３１…キャストホイール（ホイール）、４０…車載用タイヤ空気圧検知装置、４１，４２…空気圧センサ（タイヤ空気圧検出装置）、５１ａ…空気圧センサの外面、５３…リム、５３ａ…内側面、５４…凹部、６２…ビードシート部、６４…リムドロップ部、６４ｃ…リムドロップ部の底面、６９…ウェイト部、。
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャストホイールにタイヤを組付ける、又はキャストホイールからタイヤを取外す際にタイヤビード部との干渉を防止することのできる車載用タイヤ空気圧検知装置及び同装置取付用キャストホイールに関する。
【０００２】
【従来の技術】
車両のタイヤの空気圧が低下したかどうかを検知する車載用タイヤ空気圧検知装置としては、例えば、特開平１０−４４７２６号公報「タイヤ空気圧警報装置」が知られている。
上記公報の図１には、ホイールリム１に送信部７及びバルブステム１０からなるタイヤ空気圧警報装置をナット９で取付けた状態が記載されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報の技術において、タイヤ空気圧警報装置のケース２がタイヤ側に突出する場合には、ホイールリム１にタイヤを組付けるときに、ケース２にタイヤのビード部が干渉することが考えられる。
そこで、本発明の目的は、キャストホイールにタイヤを組付ける、又はキャストホイールからタイヤを取外す際に、タイヤのビード部が車載用タイヤ空気圧検知装置に干渉するのを防止することにある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項１は、車両のキャストホイールのリムに取付けた空気圧センサによりタイヤ空気圧を検知するタイヤ空気圧検知装置において、タイヤのビード部を保持するリムのビードシート部の内側に環状に窪ませたリムドロップ部を設け、このリムドロップ部に凹部を設け、この凹部に空気圧センサを収納し、空気圧センサを、その外面がリムドロップ部の底面より半径方向内側になるようにリムに取付けたことを特徴とする。
【０００５】
空気圧センサをリムの凹部に収納したことで、タイヤチェンジャー等を使用してキャストホイールにタイヤを組付ける、又はキャストホイールからタイヤを取外す際に、タイヤのビード部が空気圧センサに干渉するのを防ぐ。
また、タイヤチェンジャー等を使用してキャストホイールにタイヤを組付ける、又はキャストホイールからタイヤを取外す際に、タイヤのビード部が空気圧センサに干渉するのを防ぐ。
【０００６】
請求項２は、空気圧センサが、リムの内側面に沿って湾曲形状にしたものであることを特徴とする。
【０００７】
空気圧センサをリムの内側面に沿って湾曲形状にしたことで、空気圧センサのタイヤ側への突出部をなくし、キャストホイールへタイヤを組付ける、又はキャストホイールからタイヤを取外す際に、タイヤのビード部が空気圧センサに干渉するのを防止する。
【０００８】
請求項３は、リムの空気圧センサを取付けた位置から周方向に角度が１８０°の位置に、空気圧センサとバランスさせるためのウェイト部を一体成形したことを特徴とする。
【０００９】
リムにウェイト部を一体成形したことで、キャストホイールのバランスを容易に取り、キャストホイールに特別にホイールバランスを取るためのおもりを取付けたり、貼り付けたりする必要がなくなり、作業性が向上する。
【００１０】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図１は本発明に係る車載用タイヤ空気圧検知装置を備えた自動二輪車の側面図であり、車両としての自動二輪車１０は、ハンドル１１と、このハンドル１１の下部に操舵自在に取付けたフロントフォーク１２及び前輪１３と、ハンドル１１の下部及びフロントフォーク１２の上部を覆うフロントカバー１４及びフロントインナカバー１５と、フロントカバー１４の下部後方に配置したフロアステップ１６と、フロアステップ１６の後部上方に続くボデーカバー１７と、このボデーカバー１７の内側から後方に延びるパワーユニット１８と、このパワーユニット１８の後部に取付けた後輪２１と、パワーユニット１８の後端部及びボデーカバー１７内の図示せぬ車体フレームにそれぞれ渡したエアサスペンション装置２２とからなる。
【００１１】
ここで、２４はハンドル１１に取付けたメータカバー、２５，２６は前輪１３のホイール及びタイヤ、２７はパワーユニット１８を構成するエンジンに燃料を供給するキャブレタ、３１，３２は後輪２１のホイール及びタイヤ、３３はシートである。
【００１２】
本発明の車載用タイヤ空気圧検知装置４０（以下「空気圧検知装置４０」と記す。）は、前輪１３のホイール２５に取付けることでタイヤ２６の空気圧を検出する前輪用の空気圧センサとしてのタイヤ空気圧検出装置４１と、後輪２１のホイール３１に取付けることでタイヤ３２の空気圧を検出する後輪用の空気圧センサとしてのタイヤ空気圧検出装置４２と、エアサスペンション装置２２に取付けたエアサスペンション空気圧検出装置４３と、例えば、キャブレタ２６に取付けることでスロットル開度を調整するエンジン出力調整装置４４と、これらのタイヤ空気圧検出装置４１，４２及びエアサスペンション空気圧検出装置４３から送信した信号を受信することにより、図示せぬ警報装置を作動させ、エンジン出力調整装置４４を制御する制御装置４５と、制御装置４５からの信号を受けて前輪１３のタイヤ２６の空気圧、後輪２１のタイヤ３２の空気圧、エアサスペンション装置２２の空気圧を表示する表示装置４６と、警報装置とからなる。
制御装置４５は、例えば、シート３３の下方に配置し、表示装置４６は、例えば、メータカバー２４に取付けたものである。
【００１３】
図２は本発明に係る空気圧検知装置におけるタイヤ空気圧検出装置の取付状態を示す第１断面図であり、前輪用のタイヤ空気圧検出装置４１について説明する。後輪用のタイヤ空気圧検出装置４２については、前輪用のタイヤ空気圧検出装置４１と同一構造であり、図２以降の説明は省略する。
タイヤ空気圧検出装置４１は、検出装置本体５１と、タイヤ２６（図１参照）内に空気を供給するときのみ開き、タイヤ２６内に供給した空気が外部へ流出しないように閉じておくために検出装置本体５１に取付けたタイヤバルブ５２とからなり、検出装置本体５１をリム５３の底に設けた凹部５４に配置し、リム５３の底に開けたバルブ挿通穴５５にタイヤバルブ５２を挿入し、タイヤバルブ５２の外周面に設けたおねじ部５６にナット５７を捩じ込んでホイール２５にタイヤ空気圧検出装置４１を取付ける。
【００１４】
図３は本発明に係る空気圧検知装置におけるタイヤ空気圧検出装置の取付状態を示す第２断面図である。
ホイール２５は、フランジ部６１，６１と、これらのフランジ部６１，６１の内側に設けたビードシート部６２，６２と、これらのビードシート部６２，６２の内側に盛り上げ成形したハンプ部６３，６３と、これらのハンプ部６３，６３のそれぞれの間を窪ませたリムドロップ部６４と、このリムドロップ部６４に設けた前述の凹部５４とからなる。
【００１５】
ビードシート部６２は、タイヤ２６（図１参照）のビード部を保持する部分である。
ハンプ部６３は、タイヤ２６がホイール２５のビードシート部６２から外れるのを防ぐ環状の凸部である。
リムドロップ部６４は、深く落込ませることで、タイヤ２６の着脱を容易にするための部分である。
【００１６】
タイヤ空気圧検出装置４１は、検出装置本体５１の外面５１ａをリムドロップ部６４の底面（後述する。）よりｄだけ内側になるようにリム５３に取付けたものである。なお、６７はタイヤ２６内の空気室から外部に空気が洩れるのを防止するためのシール部材、６８はタイヤ２６の内外を連通させるためにタイヤバルブ５２内に設けた連通穴（図示せぬ弁体で塞いである。）である。
【００１７】
以上の図２及び図３で説明したように、本発明は、自動二輪車１０（図１参照）のホイール２５のリム５３に取付けたタイヤ空気圧検出装置４１によりタイヤ空気圧を検知する空気圧検知装置４０において、タイヤのビード部を保持するリム５３のビードシート部６２の内側に環状に窪ませたリムドロップ部６４を設け、このリムドロップ部６４に凹部５４を設け、この凹部５４にタイヤ空気圧検出装置４１の検出装置本体５１を収納したことを特徴とする。
【００１８】
検出装置本体５１をリム５３の凹部５４に収納したことで、タイヤチェンジャー等を使用してホイール２５にタイヤ２６を組付ける、又はホイール２５からタイヤ２６を取外す際に、タイヤ２６のビード部が検出装置本体５１に干渉するのを防ぐことができる。
【００１９】
ここで、凹部５４の側面５４ａ，５４ａとリムドロップ部６４の傾斜面６４ａ，６４ａとが交わってできる交線位置６４ｂ，６４ｂを周方向及び幅方向に結んだ面をリムドロップ部６４の底面６４ｃとし、ホイール２５中心から底面６４ｃまでの距離（半径）をＲ１とし、凹部５４の底面５４ｂのホイール２５中心からの距離（半径）をＲ２とする。
【００２０】
図２に戻って、検出装置本体５１は、リム５３の内側面５３ａ（即ち、リムドロップ部６４の底面６４ｃ及び凹部５４の底面５４ｂを合わせたもの）に沿って湾曲形状にしたものである。
検出装置本体５１の内面５１ｂの半径をＲ３、外面５１ａの半径をＲ４とすると、以下の関係を満たす。
（Ａ）Ｒ４≦Ｒ１、（Ｂ）Ｒ２≦Ｒ３、（Ｃ）Ｒ４≦Ｒ３
【００２１】
例えば、１０インチ〜１９インチサイズのリム径のホイールにタイヤ空気圧検出装置４１を共用して取付ける場合に、（１）検出装置本体５１の外面５１ａの半径Ｒ４を、最小径の１０インチサイズのホイールのリムドロップ部６４（図３参照）の底面６４ｃの半径Ｒ１よりも小さくすることで、１０インチ〜１９インチサイズのどのホイールにタイヤ空気圧検出手段４１を取付けても、検出装置本体５１の外面５１ａはリムドロップ部６４の底面６４ｃよりも外側に突出しない。即ち、Ｒ４≦Ｒ１である。
【００２２】
（２）検出装置本体５１の内面５１ｂの半径Ｒ３を、最大径の１９インチサイズのホイールの凹部５４の底面５４ｂの半径Ｒ２よりも大きくすることで、１０インチ〜１９インチサイズのどのホイールにタイヤ空気圧検出手段４１を取付けても、検出装置本体５１の内面５１ｂは凹部５４の底面５４ｂに干渉しない。即ち、Ｒ２≦Ｒ３である。
【００２３】
（３）Ｒ１（１０インチサイズのホイールでの寸法）≦Ｒ２（１９インチサイズのホイールでの寸法）とすると、上記（１）、（２）より、Ｒ４≦Ｒ１≦Ｒ２≦Ｒ３であるから、Ｒ４≦Ｒ３となる。
【００２４】
以上の図２で説明したように、本発明は、自動二輪車１０（図１参照）のホイール２５のリム５３に取付けたタイヤ空気圧検出手段４１によりタイヤ空気圧を検知する空気圧検知装置４０（図１参照）において、検出装置本体５１は、リム５３の内側面５３ａに沿って湾曲形状にしたものであることを特徴とする。
【００２５】
検出装置本体５１をリム５３の内側面５３ａに沿って湾曲形状にしたことで、検出装置本体５１のタイヤ２６（図１参照）側への突出部をなくすことができ、ホイール２５へタイヤ２６を組付ける、又はホイール２５からタイヤ２６を取外す際に、タイヤ２６のビード部が検出装置本体５１に干渉するのを防止することができる。
【００２６】
図４（ａ），（ｂ）は本発明に係るタイヤ空気圧検知装置を取付けたホイールの説明図であり、（ａ）は側面図、（ｂ）は（ａ）のｂ−ｂ線断面図である。
（ａ）において、ホイール２５は、リム５３のタイヤ空気圧検出装置４１（図３参照）を取付けた位置、即ち凹部５４（図３参照）から周方向に角度が１８０°の位置に、タイヤ空気圧検出装置４１とバランスさせるウェイト部６９を一体成形したものである。
（ｂ）において、ウェイト部６９を、リム５３のホイール中心側に突出させて設けたことを示す。
【００２７】
以上に説明したように、本発明は、リム５３のタイヤ空気圧検出装置４１を取付けた位置から周方向に角度が１８０°の位置に、タイヤ空気圧検出装置４１とバランスさせるためのウェイト部６９を一体成形したことを特徴とする。
【００２８】
リム５３にウェイト部６９を一体成形したことで、ホイール２５のバランスを容易に取ることができ、ホイール２５に特別にホイールバランスを取るためのおもりを取付けたり、貼り付けたりする必要がなくなり、作業性を向上させることができる。
【００２９】
尚、本発明の実施の形態で説明した前輪用のタイヤ空気圧検出装置４１と後輪用のタイヤ空気圧検出装置４２は、同一寸法でもよいし、タイヤサイズに応じて異ならせてもよい。
また、タイヤ空気圧検知装置４０は、自動二輪車に限らず、三輪車、四輪車にも適用できる。
【００３０】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項１の車載用タイヤ空気圧検知装置は、リムのビードシート部の内側に環状に窪ませたリムドロップ部を設け、このリムドロップ部に凹部を設け、この凹部に空気圧センサを収納したので、タイヤチェンジャー等を使用してキャストホイールにタイヤを組付ける、又はキャストホイールからタイヤを取外す際に、タイヤのビード部が空気圧センサに干渉するのを防ぐことができる。
【００３１】
また、空気圧センサを、その外面がリムドロップ部の底面より半径方向内側になるようにリムに取付けたので、タイヤチェンジャー等を使用してキャストホイールにタイヤを組付ける、又はキャストホイールからタイヤを取外す際に、タイヤのビード部が空気圧センサに干渉するのを防ぐことができる。
【００３２】
請求項２の車載用タイヤ空気圧検知装置は、空気圧センサを、リムの内側面に沿って湾曲形状にしたので、空気圧センサのタイヤ側への突出部をなくすことができ、キャストホイールへタイヤを組付ける、又はキャストホイールからタイヤを取外す際に、タイヤのビード部が空気圧センサに干渉するのを防止することができる。
【００３３】
請求項３の車載用タイヤ空気圧検知装置取付用ホイールは、リムの空気圧センサを取付けた位置から周方向に角度が１８０°の位置に、空気圧センサとバランスさせるためのウェイト部を一体成形したので、キャストホイールのバランスを容易に取ることができ、キャストホイールに特別にホイールバランスを取るためのおもりを取付けたり、貼り付けたりする必要がなくなり、作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明に係る車載用タイヤ空気圧検知装置を備えた自動二輪車の側面図
【図２】 本発明に係る空気圧検知装置におけるタイヤ空気圧検出装置の取付状態を示す第１断面図
【図３】 本発明に係る空気圧検知装置におけるタイヤ空気圧検出装置の取付状態を示す第２断面図
【図４】 本発明に係るタイヤ空気圧検知装置を取付けたホイールの説明図
【符号の説明】
１０…車両（自動二輪車）、２５，３１…キャストホイール（ホイール）、４０…車載用タイヤ空気圧検知装置、４１，４２…空気圧センサ（タイヤ空気圧検出装置）、５１ａ…空気圧センサの外面、５３…リム、５３ａ…内側面、５４…凹部、６２…ビードシート部、６４…リムドロップ部、６４ｃ…リムドロップ部の底面、６９…ウェイト部、。
Claims (3)
- 車両のキャストホイールのリムに取付けた空気圧センサによりタイヤ空気圧を検知するタイヤ空気圧検知装置において、前記タイヤのビード部を保持する前記リムのビードシート部の内側に環状に窪ませたリムドロップ部を設け、このリムドロップ部に凹部を設け、この凹部に前記空気圧センサを収納し、前記空気圧センサは、その外面が前記リムドロップ部の底面より半径方向内側になるように前記リムに取付けられることを特徴とする車載用タイヤ空気圧検知装置。
- 前記空気圧センサは、前記リムの内側面に沿って湾曲形状にしたものであることを特徴とする請求項１記載の車載用タイヤ空気圧検知装置。
- 前記リムの空気圧センサを取付けた位置から周方向に角度が１８０°の位置に、空気圧センサとバランスさせるためのウェイト部を一体成形したことを特徴とする請求項１記載の車載用タイヤ空気圧検知装置取付用キャストホイール。
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