JP4515609B2 - 多色印刷装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の版胴を有し1行程で多色印刷を行うことが可能な多色印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、簡便な印刷方法としてデジタル式感熱孔版印刷が知られている。これは、熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体とを貼り合わせてなる感熱孔版マスタ(以下「マスタ」という)に微細な発熱素子が1列に並んだサーマルヘッドを接触させ、この発熱素子に対し原稿画像に応じてパルス的に通電を行いつつマスタをプラテンローラー等の搬送手段で搬送することにより、マスタの熱可塑性樹脂フィルムに画像情報に基づいた穿孔画像を熱溶融穿孔製版した後、この穿孔製版されたマスタを多孔性円筒状の版胴に巻装させ、プレスローラー等の押圧部材によって印刷用紙を版胴の外周面に押圧させることで、版胴の開孔部及びマスタの穿孔部から滲出したインキを印刷用紙に転移させて印刷画像を得るものである。
【0003】
この孔版印刷装置において、版胴の内部には版胴内周面に対してインキを供給するインキ供給手段が配設されている。インキ供給手段は、版胴内周面に対して僅かな隙間を有する状態で版胴と同期して同方向に回転するインキローラー、インキローラーと所定間隔を置いて配置されインキローラーと同期して逆方向に回転するドクターローラー、モーターにより駆動されるインキ供給用のインキポンプ等を有しており、インキポンプには内部にインキを貯容したインキパックが接続される。インキポンプからインキローラーとドクターローラーとの近接部に形成される楔状のインキ溜まりに供給されたインキは、インキローラーとドクターローラーとの隙間を通過する際に薄膜状とされ、インキローラーの外周面に薄層状に供給される。インキローラーの外周面に供給されたインキは、押圧部材による版胴押圧時にインキローラー外周面と版胴内周面とが接することにより、版胴内周面に均一に供給される。版胴及びインキパックは、通常、孔版印刷装置本体に対して一体的に着脱可能に構成されている。
【0004】
この孔版印刷装置を用いて多色印刷、例えば黄色(イエロー)、赤色(マゼンタ)、青色(シアン)、黒色(ブラック)の4色印刷を行う場合には、先ず4色分の原稿を用意すると共に孔版印刷装置本体に1色目のインキパックが接続された版胴を装着する。そして、1色目の原稿に対応した製版画像をマスタ上に形成してこれを版胴の外周面上に巻装し、上述と同様の行程で印刷を行うことにより、1色目の印刷画像を印刷用紙上に形成させる。次に、2色目の印刷を行うには、孔版印刷装置本体より1色目のインキパックが接続された版胴をマスタごと抜き取り、代わりに2色目のインキパックが接続された版胴を装着する。そして、2色目の原稿に対応した製版画像をマスタ上に形成してこれを版胴の外周面上に巻装し、このマスタに対して1色目の印刷画像が形成された印刷用紙を押圧することにより、印刷用紙上に1色目及び2色目の印刷画像を形成させる。以下、2色目と同様に3色目、4色目と重ねて印刷画像を形成することにより、印刷用紙上に目的の4色印刷画像を形成するのである。
【0005】
上述した多色印刷行程では、版胴が単胴式であるために原稿毎に版胴を交換する必要が生じ、作業効率が極端に悪い。そこで、複数の版胴を直列的に配置し、これらを単一の駆動手段で同期回転させることにより1行程で多色印刷物を得ることが可能な多色孔版印刷装置が、例えば特開平10−297074号公報に開示されている。このような多色孔版印刷装置では、その孔版印刷装置が有する版胴の数に応じた多色印刷が可能であり、版胴を2個有する孔版印刷装置では2色印刷が、版胴を4個有する孔版印刷装置では4色印刷が可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の多色印刷装置では、例えば2個の版胴を有する多色印刷装置で単色印刷を行う場合や、4個の版胴を有する多色印刷装置で3色以下の印刷を行う場合等に、印刷動作に使用されない版胴が生じることとなる。この場合、使用しない版胴を装置本体より取り外して印刷動作を行うことで所望の印刷物を得ることができるが、取り外した版胴の置き場所を確保する必要が生じると共に、取り外した版胴に巻装されたマスタから版胴載置場所に対してのインキ付着対策を講じる必要が生じてしまう。
【0007】
また、装置本体より使用しない版胴を外さず、この版胴に対する押圧部材の作動を規制することによっても所望の印刷物を得ることができる。しかしこの構成では、印刷動作時において印刷に使用しない版胴も回転するため、この版胴の内部ではインキポンプからインキ溜まりに供給されたインキが版胴内周面に供給されることなく、インキローラー及びドクターローラーの回転によって練られることとなる。通常、孔版印刷装置では油中水型のエマルションインキが用いられており、このエマルションインキは油性成分の内部に水性成分を分散させて形成されているため、長時間練られることで分散された水分が蒸発して粘度が低下し、印刷開始後の数枚ないし数十枚にわたって印刷画像が滲むいわゆる滲み画像が発生してしまうという問題点がある。
【0008】
この問題点を解決する構成として、本願出願人と同一出願人による特開平11−147359号公報において、2個の版胴を有する孔版印刷装置の一方の版胴のみを用いて印刷を行う場合に、印刷に使用されない他方の版胴を回転させない構成が開示されている。この構成によれば、上述したような各問題点を解決しつつ所望の画像を得ることが可能となる。
特開平11−147359号公報に開示された構成では、給紙部から給送された印刷用紙を静電吸着して搬送する静電吸着ベルトを有する静電ベルト搬送装置が用いられている。この静電ベルト搬送装置によれば、静電吸着ベルト上に印刷用紙が強力に吸着されるため、印刷後の印刷用紙が版胴側に巻き付く「巻き上がり」という不具合の発生が防止される。
【0009】
しかし、特開平10−297074号公報に開示されたもののように、通常の多色印刷装置では静電ベルト搬送装置は用いられておらず、一般的にはゴムベルトと吸引ファンとを有する中間搬送手段が用いられている。この中間搬送手段でも吸引ファンの吸引力によってゴムベルト上に印刷用紙を吸着するため、上述した「巻き上がり」は発生しにくくなってはいるが、印刷画像にベタ部等が存在し、版胴外周面に巻装されたマスタから滲出するインキの印刷用紙に対する付着力が高い場合には、印刷用紙が吸引ファンの吸引力にうち勝って版胴側に巻き付いてしまい「巻き上がり」が発生してしまう。この不具合を防止するため、特開平10−297074号公報に開示された構成では、単胴式孔版印刷装置と同様に、版胴外周面上から印刷用紙を剥離するための剥離爪を各版胴毎に配置している。この剥離爪は、周知のものと同様に、その先端が版胴外周面上のマスタと印刷用紙との間に入り込むことが可能な版胴外周面に近接した位置と、版胴上のクランパー等の突起物との干渉を避けるべく版胴外周面から離間した位置とに移動自在に設けられている。この剥離爪の移動は、通常、版胴の一側面に一体的に設けられたカムによって行われており、剥離爪が版胴外周面から離間する位置は、剥離爪がこの位置を占めたときには印刷用紙が用紙搬送経路上を通過しておらず、さらに剥離爪と版胴との干渉を確実に避ける上から、その先端部が用紙搬送経路上に臨む場合が多い。
【0010】
上述の構成より、特開平10−297074号公報に開示された多色印刷装置で単色印刷を行う場合に、特開平11−147359号公報に開示された技術を適用して一方の版胴の回転を停止させることにより、良好な印刷物を得ることができるはずである。ところで、通常の印刷装置において版胴の停止位置は、装置本体からの版胴の着脱が可能な特定の位置であるホームポジションに設定されている。このホームポジションでは、版胴を着脱させる必要上、版胴近傍に設けられた剥離爪を版胴から離間した位置に位置決めするように移動用のカム形状が定められている。従って、特開平10−297074号公報に開示された多色印刷装置で単色印刷を行う際に一方の版胴を停止させると、版胴がホームポジションで停止されることからこの版胴に対応した剥離爪は版胴から離間した位置で停止されることとなる。従って、剥離爪が版胴から離間した位置である用紙搬送経路上で停止することにより、印刷用紙がこの剥離爪によって良好な搬送を妨げられることにより、用紙搬送ジャムが発生してしまうという問題点が生じる。
本発明は上述の問題点を解決し、一部の版胴を使用しても良好な印刷を行うことが可能な複数の版胴を有する多色印刷装置の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、複数の版胴と、前記複数の版胴の外周面近傍にそれぞれ設けられ、それぞれの先端部を対応する前記版胴の外周面に対して近接する近接位置と離隔する離隔位置とに移動自在に設けられた複数の剥離爪とを有する多色印刷装置において、前記複数の版胴のうちの任意の版胴を用いて印刷を行うことが可能であり、この印刷時において印刷に使用しない版胴の回転を停止させると共に、使用しない版胴に対応して設けられた前記剥離爪を近接位置に移動させることを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の多色印刷装置において、さらに前記複数の版胴は個別の駆動手段からの駆動力によりそれぞれ回転駆動されることを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の多色印刷装置において、さらに前記複数の版胴は共通の駆動手段からの駆動力によりそれぞれ回転駆動され、前記駆動手段からの駆動力を伝達または切断する連断手段をそれぞれ有することを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1、請求項2または請求項3記載の多色印刷装置において、さらに前記複数の剥離爪はそれぞれ対応する前記版胴の回転駆動力を用いて移動されることを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし請求項4のうちの何れか1つに記載の多色印刷装置において、さらに任意の版胴を用いて印刷を行う場合に、前記複数の版胴から任意の版胴を選択する選択手段を有することを特徴とする。
【0016】
【実施例】
図1は、本発明の第1の実施例を採用した多色印刷装置としての複胴式孔版印刷装置を示している。同図において複胴式孔版印刷装置1は、画像読取部2、給紙部3、製版部4A,4B,4C,4D、排版部5A,5B,5C,5D、版胴6A,6B,6C,6D、押圧手段7A,7B,7C,7D、中間搬送手段8A,8B,8C、排紙手段9等を有している。
【0017】
装置の右上方に配設された画像読取部2は、図示しないコンタクトガラス、反射ミラー及び蛍光灯、レンズ、CCD等の画像センサー、コンタクトガラスに対して接離自在に設けられた圧板2a等を有しており、圧板2aの上部には原稿載置台2b等を有するADFユニット2Xが設けられている。
【0018】
装置の右下方に配設された給紙部3は、給紙台10、呼び出しローラー11、給紙ローラー12、分離ローラー13、レジストローラー対14等を有している。その上面に印刷用紙Pを積載される給紙台10は給紙部フレーム15に上下動自在に支持されており、図示しない昇降手段によって昇降される。給紙部フレーム15には、印刷用紙Pの先端揃えを行う規制板15aと印刷用紙Pの分離を行う分離板15bとが設けられている。
【0019】
呼び出しローラー11は、図示しない駆動手段によって図1の時計回り方向に回転駆動される。呼び出しローラー11には図示しない付勢手段による付勢力が付与されており、給紙台10が上昇してその最上位の印刷用紙Pが当接したときに、所定の圧接力で圧接するように構成されている。
給紙ローラー12は、ギヤやベルト等の図示しない駆動力伝達手段によって呼び出しローラー11に連結されており、呼び出しローラー11と同期して同周速度で同方向に回転駆動される。高摩擦抵抗部材からなる分離ローラー13は所定の圧接力で給紙ローラー12に対して圧接配置されており、給紙ローラー12及び分離板15bと協働して呼び出しローラー11によって送られた印刷用紙Pの分離を行う。分離ローラー13は、図1の時計回り方向にのみ回転が許容されている。
【0020】
給紙ローラー12の左方にはレジストローラー対14が配設されている。レジストローラー対14は、図示しない駆動手段によって回転駆動される駆動ローラー14aと、これに圧接配置された従動ローラー14bとから構成されており、給紙ローラー12によって送られてきた印刷用紙Pを一時停留させた後に左方に向けて給送する。
レジストローラー対14の右方にはガイド板16,17が、左方にはガイド板18,19がそれぞれ配設されている。各ガイド板16,17,18,19はそれぞれ孔版印刷装置1の図示しない筐体側板に固設されており、ガイド板17にのみ、給紙ローラー12により給送され先端をレジストローラー対14のニップ部で一時停止された印刷用紙に撓みを形成させるための撓み形成部17aが設けられている。
【0021】
各製版部4A,4B,4C,4D及び各排版部5A,5B,5C,5Dは、後述する各版胴6A,6B,6C,6Dに対応してそれぞれ配設されている。各製版部4A,4B,4C,4D及び各排版部5A,5B,5C,5Dはそれぞれ同様の構成であるので、製版部4Aと排版部5Aとを代表して説明し、他の説明は省略する。
【0022】
製版部4Aはその内部に、マスタロールを貯容する図示しないマスタロール貯容部、マスタロールからマスタ20を引き出す図示しないプラテンローラー、マスタ20に対して製版画像を形成する図示しないサーマルヘッド、マスタ20を切断する図示しない切断手段等を有しており、製版されたマスタ20を版胴6Aに向けて送る機能を有する。
【0023】
排版部5Aはその内部に、版胴6A上に巻装されているマスタ20に対して接離自在に設けられた図示しない排版ローラー対、剥離された使用済みのマスタ20を貯容する図示しない排版ボックス、排版ボックス内に貯容された使用済みのマスタ20を圧縮する図示しない圧縮板等を有しており、孔版印刷装置1の図示しない筐体に対して着脱自在に構成されている。
【0024】
製版部4Aと排版部5Aとの間の部位には版胴6Aが、製版部4Bと排版部5Bとの間の部位には版胴6Bが、製版部4Cと排版部5Cとの間の部位には版胴6Cが、製版部4Dと排版部5Dとの間の部位には版胴6Dがそれぞれ配設されている。各版胴6A,6B,6C,6Dはそれぞれ同様の構造であるので、ここでは版胴6Aの構造のみを説明して他の説明は省略し、それぞれの構成部品の符号末尾に各版胴6B,6C,6Dと同様の符号B,C,Dを付して図示するものとする。また、一部の構成部品については一部の版胴についてのみ図示をするものとし、他の版胴においては図示を省略する。
【0025】
版胴6Aは、図2に示すように、インキ供給パイプを兼ねた支軸21Aに図示しない軸受を介して回転自在に支持された一対のフランジ48A、各フランジ48Aの周面上に設けられた図示しない多孔性支持板及びメッシュスクリーン等を有している。支軸21Aは各フランジ48Aより突出して配置されており、支軸21Aの、各フランジ48Aの外側に位置する部位には、図示しない前フレームと後フレーム49Aとが取り付けられている。図示しない前フレーム及び後フレーム49Aの各上端部は把持フレーム50Aでそれぞれ一体的に連結されており、装置奥側に位置する一方のフランジ48Aの外面中央部には版胴ギヤ68Aが一体的に取り付けられている。
【0026】
図1に示すように、版胴6Aの外周面上にはクランパー22Aが、内部にはインキ供給手段23Aがそれぞれ配置されている。
クランパー22Aは版胴6Aの外周面上に回動自在に取り付けられており、版胴6Aが所定位置に達したときに図示しない開閉手段によって開閉される。クランパー22Aには図示しないマグネットが設けられており、このマグネットによって版胴6Aの外周面上に磁着することにより、マスタ20の先端部を所定の挟持力によって挟持する。
【0027】
インキ供給手段23Aは、図1に示すように支軸21A、インキローラー24A、ドクターローラー25A等を有している。支軸21Aに固設された図示しない側板に回転自在に支持されたインキローラー24Aは、ギヤやベルト等の図示しない駆動力伝達手段によって図示しない版胴駆動手段から駆動力を伝達されて版胴6Aと同方向に回転駆動される。インキローラー24Aの近傍には、インキローラー24Aの外周面に対してその外周面を近接配置されたドクターローラー25Aが、インキローラー24Aと平行に配設されている。図示しないインキパックから図示しないインキポンプによって吸引され、支軸21A内を通ってインキローラー24Aとドクターローラー25Aとの近接部に断面楔状に供給されたインキ溜まり26Aのインキは、インキローラー24Aとドクターローラー25Aとの隙間を通過する際に引き延ばされ、インキローラー24Aの外周面上に薄膜状に供給される。ここで、版胴6Aの内部には黄色(イエロー)のインキパックが、版胴6Bの内部には赤色(マゼンタ)のインキパックが、版胴6Cの内部には青色(シアン)のインキパックが、版胴6Dの内部には黒色(ブラック)のインキパックがそれぞれ一体的に装着されている。
【0028】
図2において、符号51Aは孔版印刷装置1の図示しない筐体に対して着脱自在に構成されたドラムユニットを示している。ドラムユニット51Aは、各フランジ48Aを含む版胴6A、支軸21A、インキ供給手段23A、図示しない前フレーム、後フレーム49A、把持フレーム50A、版胴ギヤ68A等から主に構成されている。ドラムユニット51A、版胴6Bを含むドラムユニット51B(図示せず)、版胴6Cを含むドラムユニット51C(図示せず)、版胴6Dを含むドラムユニット51D(図示せず)は、図示しない版胴着脱規制手段により各版胴6A,6B,6C,6Dがホームポジションを占めた状態でのみ、孔版印刷装置1の図示しない筐体に対して着脱自在に構成されている。この版胴着脱規制手段としては、例えば実開昭61−85462号公報に記載された構成を採用することができる。
【0029】
図2において、符号52は各版胴6A,6B,6C,6Dを回転駆動する駆動手段としてのメインモーターを示している。正逆方向に回転可能なメインモーター52の出力軸52aには歯付プーリー53及びロータリーエンコーダー54が取り付けられており、図示しない筐体にはロータリーエンコーダー54の回転を検出することにより各版胴6A,6B,6C,6Dの回転速度を制御するためのエンコーダーセンサー55が設けられている。
【0030】
歯付プーリー53の上方近傍には、図示しない筐体に植設されたプーリー軸56に回転自在に支持された歯付プーリー57が配置されており、歯付プーリー57の一側面には歯付プーリー57よりも小径の小径伝達ギヤ58が一体的に取り付けられている。歯付プーリー53と歯付プーリー57とには歯付ベルト59が掛け渡されており、小径伝達ギヤ58はメインモーター52の回転力を伝達されて回転駆動される。
【0031】
プーリー軸56の上方近傍には、図示しない筐体に植設されたカム軸60Aに回転自在に支持された大径伝達ギヤ61が、小径伝達ギヤ58と噛合する態様で配設されている。カム軸60A上には、大径伝達ギヤ61よりも小径の歯付プーリー62A及びプレスローラーカム29Aが、大径伝達ギヤ61と一体的に回転可能に設けられている。
【0032】
カム軸60Aの上方には、図示しない筐体にそれぞれ回転自在に支持された前半部と後半部とを有するプーリー軸63Aが配設されている。プーリ軸63Aの前半部には2連の歯付プーリー64A,65Aが、前半部と後半部との継ぎ目には連断手段としての電磁クラッチ66Aが、後半部には脱着ギヤ67Aがそれぞれ一体的に取り付けられている。歯付プーリー64Aは歯付プーリー62Aと同形であり、両者間には歯付ベルトであるプレスローラー駆動ベルト70Aが掛け渡されている。脱着ギヤ67Aはドラムユニット51Aが図示しない筐体に装着されたときに版胴ギヤ68Aと噛合し、歯付プーリー65Aには版胴6Bにメインモーター52の回転駆動力を伝達するための歯付ベルト69が巻き掛けられている。プレスローラー駆動ベルト70Aの中程には、位置調節自在に設けられた調節軸72Aに回転自在に支持されたテンションローラー71Aが圧接されており、プレスローラー駆動ベルト70Aには一定の張力が付与されている。電磁クラッチ66Aはその作動を後述する制御手段113によって制御され、メインモーター52からの回転駆動力を脱着ギヤ67Aに対して接続あるいは遮断する。各歯付プーリー62A,64A、脱着ギヤ67A、版胴ギヤ68Aは、版胴6Aとプレスローラーカム29Aとが同期して回転可能となるように、その外径及び歯数が設定されている。
【0033】
図3は、メインモーター52から版胴6Aに伝達された回転駆動力を次の版胴6Bに伝達する機構を示している。図3においてプーリー軸63Aの左方には、図示しない筐体にそれぞれ回転自在に支持された前半部と後半部とを有するプーリー軸63Bが配設されており、プーリー軸63Bの前半部には3連の歯付プーリー64B,65B,75Bが、前半部と後半部との継ぎ目には連断手段としての電磁クラッチ66Bが、後半部には脱着ギヤ67Bがそれぞれ一体的に取り付けられている。脱着ギヤ67Bは図示しないドラムユニット51Bが図示しない筐体に装着されたときに、ドラムユニット51Bに設けられた版胴ギヤ68Aと同様の版胴ギヤ68B(図4参照)と噛合する位置に配設されている。歯付プーリー75Bには版胴6Cにメインモーター52の回転駆動力を伝達するための歯付ベルト79が巻き掛けられており、歯付プーリー64Bには版胴6Aと同じ構成で版胴6Bの回転と同期して後述するプレスローラーカム29Bを回転駆動させるためのプレスローラー駆動ベルト70Bが巻き掛けられている。
【0034】
各プーリー軸63A,63B間のほぼ中間位置には、図示しない筐体に植設された2本のガイドピン73及び各ガイドピン73に上下動自在に支持されたフレーム74が配設されている。上下方向に延びた薄い板状を呈するフレーム74は、中央部に2箇所設けられた長穴74aをそれぞれガイドピン73に係合させており、その一側部にはラック74bが形成されている。フレーム74の両端には歯付プーリー76,77が回転自在に取り付けられており、各歯付プーリー65A,65B,76,77には歯付ベルト69が掛け渡されている。また、各ガイドピン73配設位置の近傍には、各歯付プーリー65A,65B,76,77に掛け渡された歯付ベルト69の背面に接触して歯付ベルト69がほぼ十字形状となるように張力を付与する4個のテンションプーリー78が配設されている。さらにフレーム74の近傍には、ラック74bに噛合する図示しないピニオンを出力軸に有する図示しないモーターが配設されている。
【0035】
上述の構成中、歯付プーリー65A,65B,76,77、歯付ベルト69、フレーム74、テンションプーリー78、図示しないピニオン及びモーターによって天地移動機構80ABが構成されている。天地移動機構80ABは、図示しないモーターを作動させてフレーム74を図3のX方向あるいはY方向に移動させることにより、各歯付プーリー65A,65Bを互いに逆方向に回転させ、脱着ギヤ67A,67B、版胴ギヤ68A及び版胴ギヤ68Bを介して各版胴6A,6Bの位相を互いに変化させる。
【0036】
図4は、各版胴6A,6B,6C,6Dに対する駆動力伝達機構の概略図である。各版胴6B,6C,6Dには、版胴6Aにおける版胴ギヤ68Aと同様の版胴ギヤ68B,68C,68Dがそれぞれ一体的に設けられており、その近傍に位置する図示しない筐体には上述した脱着ギヤ67A,67Bと、これらと同様に版胴ギヤ68Cと噛合可能な脱着ギヤ67C及び版胴ギヤ68Dと噛合可能な脱着ギヤ67Dとが配設されている。
【0037】
脱着ギヤ67Cを支持するプーリー軸63Aと同様のプーリー軸63Cの同軸上には、脱着ギヤ67Bの同軸上に設けられた3連の歯付プーリー64B,65B,75Bと同様の3連の歯付プーリー64C,65C,75Cと、連断手段としての電磁クラッチ66Cとが設けられている。歯付プーリー64Cには版胴6Aと同じ構成で版胴6Cの回転と同期して後述するプレスローラーカム29Cを回転駆動させるための図示しないプレスローラー駆動ベルトが巻き掛けられている。歯付プーリー65Cには版胴6Dにメインモーター52の回転駆動力を伝達するための歯付ベルト81が巻き掛けられている。歯付プーリー75Cには上述した歯付ベルト79が巻き掛けられている。
【0038】
各歯付プーリー75B,75C間のほぼ中間位置には、図示しない2本のガイドピン、各ガイドピンに上下動自在に支持されたフレーム74と同様の図示しないフレーム、図示しないフレームの両端に回転自在に支持された歯付プーリー76,77と同形の歯付プーリー82,83が配設されており、各歯付プーリー75B,75C,82,83には歯付ベルト79が掛け渡されている。また、歯付ベルト79の背面にはテンションプーリー78と同形の4個のテンションプーリー84が配設されており、図示しないフレームの近傍には図示しないフレームに設けられたラックに噛合する図示しないピニオンを出力軸に有する図示しないモーターが配設されている。
【0039】
これら歯付プーリー75B,75C,82,83、歯付ベルト79、図示しないフレーム、テンションプーリー84、図示しないピニオン及びモーターによって天地移動機構80BCが構成されている。天地移動機構80BCは、天地移動機構80ABと同様に図示しないモーターを作動させて図示しないフレームを移動させることにより、各歯付プーリー75B,75Cを互いに逆方向に回転させ、脱着ギヤ67B,67C、版胴ギヤ68B及び版胴ギヤ68Cを介して各版胴6B,6Cの位相を互いに変化させる。
【0040】
脱着ギヤ67Dを支持するプーリー軸63Aと同様のプーリー軸63Dの同軸上には、脱着ギヤ67Aの同軸上に設けられた2連の歯付プーリー64A,65Aと同様の2連の歯付プーリー64D,65Dと、連断手段としての電磁クラッチ66Dとが設けられている。歯付プーリー64Dには版胴6Aと同じ構成で版胴6Dの回転と同期して後述するプレスローラーカム29Dを回転駆動させるための図示しないプレスローラー駆動ベルトが巻き掛けられており、歯付プーリー65Dには歯付ベルト81が巻き掛けられている。
【0041】
各歯付プーリー65C,65D間のほぼ中間位置には、図示しない2本のガイドピン、各ガイドピンに上下動自在に支持されたフレーム74と同様の図示しないフレーム、図示しないフレームの両端に回転自在に支持された歯付プーリー76,77と同形の歯付プーリー85,86が配設されており、各歯付プーリー65C,65D,85,86には歯付ベルト81が掛け渡されている。また、歯付ベルト81の背面にはテンションプーリー78と同形の4個のテンションプーリー87が配設されており、図示しないフレームの近傍には図示しないフレームに設けられたラックに噛合する図示しないピニオンを出力軸に有する図示しないモーターが配設されている。
【0042】
これら歯付プーリー65C,65D,85,86、歯付ベルト81、図示しないフレーム、テンションプーリー87、図示しないピニオン及びモーターによって天地移動機構80CDが構成されている。天地移動機構80CDは、天地移動機構80ABと同様に図示しないモーターを作動させて図示しないフレームを移動させることにより、各歯付プーリー65C,65Dを互いに逆方向に回転させ、脱着ギヤ67C,67D、版胴ギヤ68C,68Dを介して各版胴6C,6Dの位相を互いに変化させる。
【0043】
版胴6Aの下方には押圧手段7Aが、版胴6Bの下方には押圧手段7Bが、版胴6Cの下方には押圧手段7Cが、版胴6Dの下方には押圧手段7Dがそれぞれ配設されている。各押圧手段7A,7B,7C,7Dはそれぞれ同様の構造であるので、ここでは押圧手段7Aの構造のみを説明して他の説明は省略し、それぞれの構成部品の符号末尾に各押圧手段7B,7C,7Dと同様の符号B,C,Dを付して図示するものとする。
【0044】
押圧手段7Aは、プレスローラー27A、プレスローラーアーム28A、プレスローラーカム29A、引張バネ30A等を有している。
プレスローラー27Aは、ほぼL字型を呈する一対のプレスローラーアーム28Aの各一端にその両端を回転自在に支持されており、各プレスローラーアーム28Aは、孔版印刷装置1の図示しない筐体に回転自在に支持されたプレスローラー軸31Aにそれぞれの曲折部を一体的に固着されている。装置正面側に位置する一方のプレスローラーアーム28Aの他端には回転自在なカムフォロア32Aが取り付けられており、さらにその他端近傍には一端を図示しない筐体に固着された引張バネ30Aの他端が固着されている。プレスローラーアーム28Aには、引張バネ30Aによりプレスローラー軸31Aを中心として図1において時計回り方向への回動付勢力が付与されている。
【0045】
一方のプレスローラーアーム28Aの下方には、大径部と小径部とを有するプレスローラーカム29Aが配設されている。プレスローラーカム29Aは、上述したようにメインモーター52からの回転駆動力を伝達されて版胴6Aと同期して回転駆動され、その大径部とカムフォロア32Aとが当接可能となる位置に配設されている。プレスローラーカム29Aの形状は、その大径部とカムフォロア32Aとが当接したときに版胴6Aとのニップ部47Aにクランパー22Aが通過可能な隙間が形成され、その小径部がカムフォロア32Aと対応する位置を占めたときに引張バネ30Aの付勢力によって版胴6Aに対して圧接するように、プレスローラー27Aの位置を決定すべく形成されている。
また、プレスローラー27Aの近傍には、プレスローラーカム29Aの大径部とカムフォロア32Aとの当接時、すなわちプレスローラー27Aと版胴6Aとの離間時において、プレスローラーアーム28Aを保持可能な図示しないプレスローラー保持手段が配設されている。図示しないプレスローラー保持手段は、版胴へのマスタ巻装時等、版胴を回転させつつプレスローラーを版胴に接触させたくない場合にオンされ、プレスローラー27Aを離間位置で保持する。
【0046】
押圧手段7Aと押圧手段7Bとの間の部位には中間搬送手段8Aが、押圧手段7Bと押圧手段7Cとの間の部位には中間搬送手段8Bが、押圧手段7Cと押圧手段7Dとの間の部位には中間搬送手段8Cがそれぞれ配設されている。各中間搬送手段8A,8B,8C間の間隔は、この孔版印刷装置1で使用可能な最小サイズの印刷用紙Pの搬送方向長さよりも小さくなるようにそれぞれ設定されている。各中間搬送手段8A,8B,8Cはそれぞれ同様の構造であるので、ここでは中間搬送手段8Aの構造のみを説明して他の説明は省略し、それぞれの構成部品の符号末尾に中間搬送手段8B,8Cと同様の符号B,Cを付して図示するものとする。
【0047】
中間搬送手段8Aは、用紙搬送ベルト33A、吸引ファン34A等を有している。ゴムベルトである用紙搬送ベルト33Aは、図示しない搬送手段フレームに回転自在に支持された駆動ローラー35Aと従動ローラー36Aとの間に複数掛け渡されており、駆動ローラー35Aが図示しない駆動手段によって回転駆動されることにより図1の左方に向けて印刷用紙Pを搬送する。吸引ファン34Aは搬送手段フレームに一体的に取り付けられたファンケース37Aの内部に配設されており、図示しない駆動手段によって作動される。
【0048】
押圧手段7Dの左方には排紙手段9が配設されている。排紙手段9は、排紙搬送ベルト38、吸引ファン39、排紙トレイ40等を有している。ゴムベルトである排紙搬送ベルト38は、図示しない排紙手段フレームに回転自在に支持された駆動ローラー41と従動ローラー42との間に複数掛け渡されている。吸引ファン39は排紙手段フレームに一体的に取り付けられたファンケース43の内部に配設されており、図示しない駆動手段によって作動される。排紙トレイ40は、排紙搬送ベルト38によって搬送された印刷用紙Pが当接するエンドフェンス44と、印刷用紙Pの両端揃えを行う図示しない一対のサイドフェンスとを備えている。図示しないサイドフェンスは、印刷用紙Pのサイズに合わせて移動可能に構成されている。
【0049】
各中間搬送手段8A,8B,8C及び排紙手段9の上方には、各版胴6A,6B,6C,6Dの外周面上より印刷済みの印刷用紙Pを剥離させるための剥離爪45A,45B,45C,45Dがそれぞれ配設されている。各剥離爪45A,45B,45C,45Dは、図示しない筐体側板に回動可能に支持された支軸46A,46B,46C,46Dにそれぞれ取り付けられており、後述する揺動機構によって図1に実線で示す、その先端を各版胴6A,6B,6C,6Dの外周面に近接させた近接位置と、図1に二点鎖線で示す、その先端を各版胴6A,6B,6C,6Dの外周面から離隔させた離隔位置とに選択的に位置決めされる。本実施例において、各剥離爪45A,45B,45C,45Dは各版胴6A,6B,6C,6Dの幅方向にそれぞれ3個ずつ配設されている。
【0050】
図5は、剥離爪45Aを揺動させる揺動機構を示している。支軸46Aの、装置正面側から見て奥側端部近傍には、一端に回転自在なカムフォロア89Aを有する作動板88Aが一体的に取り付けられている。作動板88Aの他端には、一端を図示しない筐体に固着された引張バネ90Aの他端が取り付けられている。カムフォロア89Aはプーリー軸63Aの近傍に位置しており、プーリー軸63Aの後半部には大径部と小径部とを有する剥離爪カム91Aが取り付けられている。カムフォロア89Aは引張バネ90Aの付勢力によって剥離爪カム91Aの周面にその周面を常時当接させている。
【0051】
この構成より、電磁クラッチ66Aがオン状態であってメインモーター52からの回転駆動力がプーリー軸63Aの前半部から後半部に伝達されている場合、版胴6Aの回転と同期して回転する剥離爪カム91Aの小径部とカムフォロア89Aとが当接したときに剥離爪45Aは図1に実線で示す近接位置に位置決めされ、剥離爪カム91Aの大径部とカムフォロア89Aとが当接したときに剥離爪45Aは図1に二点鎖線で示す離隔位置に位置決めされる。
なお、他の剥離爪45B,45C,45Dも剥離爪45Aと同様の揺動機構を有しており、これらの詳細な説明は省略する。
【0052】
図2に示すように、版胴6Aの装置奥側に位置する一方のフランジ48Aの外周縁には、その周縁より突出したドグ92Aが取り付けられている。ドグ92Aは支軸21Aを介してクランパー22Aと対向する位置に配置されている。また、他の版胴6B,6C,6Dにも、図6に示すように同様の位置に同様のドグ92B,92C,92Dが取り付けられている。
【0053】
図6に示すように各版胴6A,6B,6C,6Dの周囲には、対応するドグ92A,92B,92C,92Dを検知して後述する制御手段113に信号を出力する複数のセンサーが配設されている。この複数のセンサーのうち、符号93A,93B,93C,93Dで示すセンサーはホームポジションセンサーを示しており、各ホームポジションセンサー93A,93B,93C,93Dが対応するドグ92A,92B,92C,92Dを検知するとき、各版胴6A,6B,6C,6Dはそれぞれのクランパー22A,22B,22C,22Dが剥離爪45A,45B,45C,45Dと対向するホームポジション位置を占めるように構成されている。各版胴6A,6B,6C,6Dがホームポジション位置を占めたとき、各剥離爪カム91A,91B(図示せず),91C(図示せず),91D(図示せず)の大径部と各カムフォロア89A,89B(図示せず),89C(図示せず),89D(図示せず)とが当接しており、各剥離爪45A,45B,45C,45Dは離隔位置に位置決めされている。上述したように、このホームポジション位置でのみ筐体に対する各版胴6A,6B,6C,6Dの着脱が許容されている。
【0054】
図6において符号94A,94B,94C,94Dで示すセンサーは、給版待機位置センサーを示している。各給版待機位置センサー94A,94B,94C,94Dが対応するドグ92A,92B,92C,92Dを検知するとき、各版胴6A,6B,6C,6Dはそれぞれのクランパー22A,22B,22C,22Dがほぼ右真横となる、図1に示す位置を占める。
図6において符号95A,95B,95C,95Dで示すセンサーは、版胴休止位置センサーを示している。各版胴休止位置センサー95A,95B,95C,95Dが対応するドグ92A,92B,92C,92Dを検知するとき、各版胴6A,6B,6C,6Dはそれぞれのクランパー22A,22B,22C,22Dがホームポジション位置よりも自身の回転方向下流側となる休止位置を占める。各版胴6A,6B,6C,6Dが休止位置を占めたとき、各剥離爪カム91A,91B,91C,91Dの大径部と各カムフォロア89A,89B,89C,89Dとの当接が解除されており、各剥離爪45A,45B,45C,45Dは近接位置に位置決めされている。
【0055】
図7は、孔版印刷装置1の操作パネルを示している。操作パネル96は画像読取部2の上面に配設されており、その上面には孔版印刷装置1に排版動作及び製版動作を行わせる製版スタートキー97、孔版印刷装置1に印刷動作を行わせる印刷スタートキー98、印刷前に試し刷りを行う際に押下される試し刷りキー99、置数をクリアする際及び動作を停止させる際に押下されるクリア・ストップキー100、置数する際に押下されるテンキー101、置数された数字を確定する際等に押下されるエンターキー102、各種プログラムや画面表示を呼び出す際等に押下されるプログラムキー103、製版動作と印刷動作とを連続して行わせる祭に押下される連続キー104、設定された数値や画面表示等を初期状態に戻す際に押下されるモードクリアキー105、印刷速度を変更する際に押下される印刷速度設定キー106、設定された部数毎に仕分けして印刷を行うクラスモード印刷時に押下されるクラスキー107、複数の原稿画像を1枚の印刷用紙上に集約して印刷を行う集約印刷時に押下される集約キー108、階層表示を行うことが可能なLCD表示装置109、LCD表示装置109に表示された表示内容に対応して各種選択及び設定を行う4個のキー110a,110b,110c,110d、画像位置調整時等に押下される4方向キー111、印刷枚数等を表示する7セグメントLED表示装置112等が配設されている。LCD表示装置109の上部に設けられた表示欄109aにはオペレーターの行うべきジョブ内容が表示されており、図示の例では「製版・プリントできます」と表示されていて、製版動作及び印刷動作が可能であることを示している。この表示欄109aにはオペレーターのジョブ内容の他、印刷用紙Pやマスタ20のジャムといった不具合時の情報等も表示される。
【0056】
また、LCD表示装置109には、プログラムキー103が押下されたときに図8に示すようなドラム選択画面が表示される。このドラム選択画面は、孔版印刷装置1が有する全ての版胴6A,6B,6C,6Dを全て用いることなく任意の版胴のみを用いて印刷を行う場合、すなわち4色画像を形成せずに単色画像、2色画像、あるいは3色画像を形成する際に用いられ、このときにどの版胴を使用するかを選択して設定する。この設定動作の詳細については後述する。上述の構成より、LCD表示装置109はドラム選択画面表示時において選択手段として機能する。
【0057】
図9は、複胴式孔版印刷装置1の制御手段のブロック図を示している。CPU、ROM、RAM、I/Oポート等を有する周知のマイクロコンピューターである制御手段113は、孔版印刷装置1の図示しない筐体内部に設けられている。制御手段113は操作パネル96からの信号を入力すると、内部に記憶された動作プログラムに基づいて画像読取部2、給紙部3、各製版部4A〜4D、各排版部5A〜5D、各押圧手段7A〜7D、各中間搬送手段8A〜8C、排紙手段9、メインモーター52、各電磁クラッチ66A〜66Dの作動を制御する。また、制御手段113には各ホームポジションセンサー93A〜93D、各給版待機位置センサー94A〜94D、各版胴休止位置センサー95A〜95Dからの検知信号が入力される。
【0058】
上述の構成に基づき、以下に複胴式孔版印刷装置1の動作を説明する。この複胴式孔版印刷装置1の全ての版胴6A,6B,6C,6Dを用いた印刷では、1枚の印刷用紙P上に黄色、赤色、青色、黒色の4色の画像が1行程で形成される。先ず、全ての版胴6A,6B,6C,6Dを用いて4色印刷を行う場合の孔版印刷装置1の動作を説明する。
オペレーターは、図10に示すように黄色画像114a、赤色画像114b、青色画像114c、黒色画像114dを有する印刷物114を得る場合において、図11に示す黄色画像に対応した原稿画像115aを有する原稿115、図12に示す赤色画像に対応した原稿画像116aを有する原稿116、図13に示す青色画像に対応した原稿画像117aを有する原稿117、図14に示す黒色画像に対応した原稿画像118aを有する原稿118の4枚の原稿を用意する。
【0059】
次にオペレーターは、これら4枚の原稿115,116,117,118を孔版印刷装置1に読み取らせる。先ず、ADFユニット2Xを用いずに画像読取部2で読取動作を行わせる場合を説明する。オペレーターは、孔版印刷装置1の図示しない筐体の前面カバーを解放し、配設されている各版胴6A〜6Dに供給されるインキの色を、各版胴6A〜6Dに取り付けられているインキパックを確認することで把握する。この例では版胴6Aに黄色のインキパックが、版胴6Bに赤色のインキパックが、版胴6Cに青色のインキパックが、版胴6Dに黒色のインキパックがそれぞれ取り付けられている。各版胴の色を確認した後、オペレーターは画像読取部2に読み取らせる原稿の順番を確認する。この例では版胴6A、版胴6B、版胴6C、版胴6Dの順に排版動作や製版動作を含む一連の動作が行われるので、読み取らせる原稿の順番は原稿115、原稿116、原稿117、原稿118の順となる。
【0060】
オペレーターは圧板2aを開放して図示しないコンタクトガラス上に1枚目の原稿115をセットし、圧板2aを閉じて4個のキー110a〜110dを用いて倍率や用紙サイズ等の各種設定を行った後に製版スタートキー97を押下する。製版スタートキー97が押下されると、画像読取部2において原稿115の読取動作が行われる。図示しないミラー及び蛍光灯が走査して読み取られた原稿115の原稿画像115aは、図示しないレンズで結像された後にCCD等の画像センサーに送られる。
【0061】
読取動作と並行して排版動作が行われる。製版スタートキー97が押下されると、制御手段113は電磁クラッチ66Aをオンさせ、他の電磁クラッチ66B,66C,66Dをオフさせると共に、メインモーター52を逆方向に作動させる。これにより版胴6Aのみが図1の反時計回り方向に回転を開始し、その外周面上に巻装された使用済みのマスタ20の後端部が排版部5Aの図示しない排版ローラー対と対応する位置に到達すると版胴6Aの回転が停止される。版胴6Aの停止後、図示しない排版ローラー対が移動して版胴6A上のマスタ20をすくい上げ、その後版胴6Aが再度回転することによりすくい上げられたマスタ20は図示しない排版ボックス内に廃棄される。廃棄された使用済みのマスタ20は、図示しない圧縮板によって圧縮される。
【0062】
排版動作完了後、メインモーター52が逆方向に回転することにより版胴6Aは再び反時計回り方向に回転を開始し、版胴6Aに設けられたドグ92Aが給版待機位置センサー94Aに検知されると、給版待機位置センサー94Aから制御手段113に向けて検知信号が送られ、メインモーター52の作動が停止される。これにより版胴6Aは製版部4Aと対応する給版待機位置で停止し、クランパー22Aが開放される。
【0063】
排版動作及び読取動作が完了すると、製版部4Aにおいて製版動作が行われる。製版部4Aでは図示しないプラテンローラーが回転し、図示しないマスタロールからマスタ20が繰り出される。繰り出されたマスタ20は、画像読取部2で読み取られた画像データに基づいて選択的に発熱する複数の発熱素子を有する図示しないサーマルヘッドによって穿孔製版され、開放されたクランパー22Aに向けて搬送される。マスタ20の先端がクランパー22A内の所定位置まで到達すると、クランパー22Aが閉じられると共にメインモーター52が正方向に回転を開始し、版胴6Aが図1の時計回り方向にマスタ20の製版速度と同じ周速度で回転駆動される。そして、1版分の製版が完了すると、製版部4A内の図示しない切断手段が作動してマスタ20が切断される。切断されたマスタ20は版胴6Aの回転によって製版部4Aより引き出され、版胴6A上に巻装される。これにより版胴6A上には、原稿画像115aと対応した製版画像が形成されたマスタ20が巻装されたこととなる。マスタ20を巻装した版胴6Aがホームポジションまで回転し、ドグ92Aがホームポジションセンサー93Aにより検知されると、ホームポジションセンサー93Aから制御手段113に向けて検知信号が送られ、メインモーター52の作動が停止される。これにより版胴6Aは、クランパー22Aが剥離爪45Aと対向するホームポジションで停止する。
【0064】
版胴6Aへのマスタ20の巻装動作が完了すると、操作パネル96上の表示欄109aに、オペレーターに対して2枚目の原稿を画像読取部2にセットするように促す旨のメッセージが表示される。オペレーターは圧板2aを開放して図示しないコンタクトガラス上に2枚目の原稿116をセットし、圧板2aを閉じて各種設定を行った後に製版スタートキー97を押下する。
製版スタートキー97が押下されると、上述と同様に画像読取部2において原稿116の読取動作が行われると共に、制御手段113は電磁クラッチ66Bをオンさせて他の電磁クラッチ66A,66C,66Dをオフさせ、メインモーター52を逆方向に作動させる。これにより版胴6Bのみが図1の反時計回り方向に回転を開始し、上述と同様に排版部5Bによって排版動作が行われる。排版動作後、版胴6Bはドグ92Bが給版待機位置センサー94Bに検知されることで図1に示す給版待機位置に位置決めされ、クランパー22Bが開放される。
【0065】
排版動作及び読取動作が完了すると、製版部4Bにおいてマスタ20への製版動作が行われる。製版されたマスタ20は上述と同様にクランパー22Bで挟持された後、メインモーター52が正方向に回転を開始して版胴6Bが図1の時計回り方向にマスタ20の製版速度と同じ周速度で回転駆動されることにより版胴6B上に巻装され、これにより版胴6B上には、原稿画像116aと対応した製版画像が形成されたマスタ20が巻装されたこととなる。マスタ20を巻装した版胴6Bがホームポジションまで回転し、ドグ92Bがホームポジションセンサー93Bにより検知されると、ホームポジションセンサー93Bから制御手段113に向けて検知信号が送られ、メインモーター52の作動が停止される。これにより版胴6Bは、クランパー22Bが剥離爪45Bと対向するホームポジションで停止する。
【0066】
次にオペレーターは、3枚目の原稿117を画像読取部2にセットして製版スタートキー97を押下する。これにより画像読取部2において原稿117の読取動作が行われると共に、制御手段113は電磁クラッチ66Cをオンさせて他の電磁クラッチ66A,66B,66Dをオフさせ、メインモーター52を逆方向に作動させる。これにより版胴6Cのみが図1の反時計回り方向に回転を開始し、上述と同様に排版部5Cよって排版動作が行われる。排版動作後、版胴6Cはドグ92Cが給版待機位置センサー94Cに検知されることで図1に示す給版待機位置に位置決めされ、クランパー22Cが開放される。
【0067】
排版動作及び読取動作が完了すると、製版部4Cにおいてマスタ20への製版動作が行われる。製版されたマスタ20は上述と同様にクランパー22Cで挟持された後、メインモーター52が正方向に回転を開始して版胴6Cが図1の時計回り方向にマスタ20の製版速度と同じ周速度で回転駆動されることにより版胴6C上に巻装され、これにより版胴6C上には、原稿画像117aと対応した製版画像が形成されたマスタ20が巻装されたこととなる。マスタ20を巻装した版胴6Cがホームポジションまで回転し、ドグ92Cがホームポジションセンサー93Cにより検知されると、ホームポジションセンサー93Cから制御手段113に向けて検知信号が送られ、メインモーター52の作動が停止される。これにより版胴6Cは、クランパー22Cが剥離爪45Cと対向するホームポジションで停止する。
【0068】
次にオペレーターは、4枚目の原稿118を画像読取部2にセットして製版スタートキー97を押下する。これにより画像読取部2において原稿118の読取動作が行われると共に、制御手段113は電磁クラッチ66Dをオンさせて他の電磁クラッチ66A,66B,66Cをオフさせ、メインモーター52を逆方向に作動させる。これにより版胴6Dのみが図1の反時計回り方向に回転を開始し、上述と同様に排版部5Dよって排版動作が行われる。排版動作後、版胴6Dはドグ92Dが給版待機位置センサー94Dに検知されることで図1に示す給版待機位置に位置決めされ、クランパー22Dが開放される。
【0069】
排版動作及び読取動作が完了すると、製版部4Dにおいてマスタ20への製版動作が行われる。製版されたマスタ20は上述と同様にクランパー22Dで挟持された後、メインモーター52が正方向に回転を開始して版胴6Dが図1の時計回り方向にマスタ20の製版速度と同じ周速度で回転駆動されることにより版胴6D上に巻装され、これにより版胴6D上には、原稿画像118aと対応した製版画像が形成されたマスタ20が巻装されたこととなる。マスタ20を巻装した版胴6Dがホームポジションまで回転し、ドグ92Dがホームポジションセンサー93Dにより検知されると、ホームポジションセンサー93Dから制御手段113に向けて検知信号が送られ、メインモーター52の作動が停止される。これにより版胴6Dは、クランパー22Dが剥離爪45Dと対向するホームポジションで停止する。
【0070】
4個目の版胴6Dへのマスタ20の巻装動作が完了すると、呼び出しローラー11及び給紙ローラー12が回転して給紙台10上より1枚の印刷用紙Pが給送されると共に、制御手段113は全ての電磁クラッチ66A,66B,66C,66Dをオンさせてメインモーター52を低速で正方向に作動させる。各電磁クラッチ66A,66B,66C,66Dがオンされるタイミングはそれぞれ異なっており、これにより各版胴6A,6B,6C,6Dが所定のタイミング及び印刷時の周速度よりも遅い所定の周速度で図1の時計回り方向にそれぞれ回転駆動される。給紙台10上から給送された1枚の印刷用紙Pは、その先端をレジストローラー対14のニップ部で一時停留された後、版胴6A上に巻装されたマスタ20の製版画像と合致する所定のタイミングでニップ部47Aへと給送される。また、レジストローラー対14の作動タイミングとほぼ同じタイミングでプレスローラーカム29Aの大径部とカムフォロア32Aとの当接状態が解除され、プレスローラー27Aが引張バネ30Aの付勢力によって版胴6Aに対して圧接する。
この圧接により、印刷用紙P、マスタ20、図示しないメッシュスクリーン及び多孔性支持板を介してプレスローラー27Aとインキローラー24Aとが圧接し、インキローラー24Aによって版胴6Aの内部に供給された黄色のインキが図示しない多孔性支持板の開口部を通過した後にマスタ20の多孔性支持体に充填され、マスタ20の穿孔部を介して印刷用紙Pに転移されることで、版胴6Aに対する版付け動作が行われる。
【0071】
黄色のインキによる印刷画像を転写された印刷用紙Pは、剥離爪カム91Aの大径部とカムフォロア89Aとの当接状態が解除されることにより、引張バネ90Aの付勢力によって版胴6Aの外周面に近接した剥離爪45Aの先端で版胴6Aの外周面より剥離され、自重により下方へと落下する。下方へと落下した印刷用紙Pは吸引ファン34Aの吸引力によって用紙搬送ベルト33A上に吸引されつつ、用紙搬送ベルト33Aの移動により図1の左方へと搬送される。中間搬送手段8Aは、版胴6B上に巻装されたマスタ20の製版画像と合致する所定のタイミングで印刷用紙Pをニップ部47Bへと給送する。また、印刷用紙Pがニップ部47Bへと送られるタイミングとほぼ同じタイミングでプレスローラーカム29Bの大径部とカムフォロア32Bとの当接状態が解除され、プレスローラー27Bが引張バネ30Bの付勢力によって版胴6Bに対して圧接する。
この圧接により、印刷用紙P、マスタ20、図示しないメッシュスクリーン及び多孔性支持板を介してプレスローラー27Bとインキローラー24Bとが圧接し、インキローラー24Bによって版胴6Bの内部に供給された赤色のインキが図示しない多孔性支持板の開口部を通過した後にマスタ20の多孔性支持体に充填され、マスタ20の穿孔部を介して印刷用紙Pに転移されることで、版胴6Bに対する版付け動作が行われる。
【0072】
黄色及び赤色のインキによる各印刷画像を転写された印刷用紙Pは、剥離爪45Aと同様のタイミングで版胴6Bの外周面に近接した剥離爪45Bの先端によって版胴6Bの外周面より剥離され、吸引ファン34Bの吸引力によって用紙搬送ベルト33B上に吸引されつつ図1の左方へと搬送される。中間搬送手段8Bは、版胴6C上に巻装されたマスタ20の製版画像と合致する所定のタイミングで印刷用紙Pをニップ部47Cへと給送する。また、印刷用紙Pがニップ部47Cへと送られるタイミングとほぼ同じタイミングでプレスローラーカム29Cの大径部とカムフォロア32Cとの当接状態が解除され、プレスローラー27Cが引張バネ30Cの付勢力によって版胴6Cに対して圧接する。
この圧接により、印刷用紙P、マスタ20、図示しないメッシュスクリーン及び多孔性支持板を介してプレスローラー27Cとインキローラー24Cとが圧接し、インキローラー24Cによって版胴6Cの内部に供給された青色のインキが図示しない多孔性支持板の開口部を通過した後にマスタ20の多孔性支持体に充填され、マスタ20の穿孔部を介して印刷用紙Pに転移されることで、版胴6Cに対する版付け動作が行われる。
【0073】
黄色、赤色及び青色のインキによる各印刷画像を転写された印刷用紙Pは、剥離爪45Aと同様のタイミングで版胴6Cの外周面に近接した剥離爪45Cの先端によって版胴6Cの外周面より剥離され、吸引ファン34Cの吸引力によって用紙搬送ベルト33C上に吸引されつつ図1の左方へと搬送される。中間搬送手段8Cは、版胴6D上に巻装されたマスタ20の製版画像と合致する所定のタイミングで印刷用紙Pをニップ部47Dへと給送する。また、印刷用紙Pがニップ部47Dへと送られるタイミングとほぼ同じタイミングでプレスローラーカム29Dの大径部とカムフォロア32Dとの当接状態が解除され、プレスローラー27Dが引張バネ30Dの付勢力によって版胴6Dに対して圧接する。
この圧接により、印刷用紙P、マスタ20、図示しないメッシュスクリーン及び多孔性支持板を介してプレスローラー27Dとインキローラー24Dとが圧接し、インキローラー24Dによって版胴6Dの内部に供給された黒色のインキが図示しない多孔性支持板の開口部を通過した後にマスタ20の多孔性支持体に充填され、マスタ20の穿孔部を介して印刷用紙Pに転移されることで、版胴6Dに対する版付け動作が行われる。
【0074】
黄色、赤色、青色及び黒色のインキによる各印刷画像を転写された印刷用紙Pは、剥離爪45Aと同様のタイミングで版胴6Dの外周面に近接した剥離爪45Dの先端によって版胴6Dの外周面より剥離され、自重により下方へと落下する。下方へと落下した印刷用紙Pは吸引ファン39の吸引力によって排紙搬送ベルト38上に吸引されつつ、排紙搬送ベルト38の移動により図1の左方へと搬送され、排紙トレイ40上に排出される。この一連の動作により、各版胴6A,6B,6C,6Dに対する版付け動作が完了し、孔版印刷装置1は印刷待機状態となる。
【0075】
次に、ADFユニット2Xを用いて画像読取部2で読取動作を行わせる場合を説明する。オペレーターは各版胴の色を確認した後、ADFユニット2X上に原稿を裏向きに載置する。この例で示すADFユニット2Xは下位の原稿から読み取るので、ADFユニット2X上に載置される原稿は、原稿115、原稿116、原稿117、原稿118の順となる。
各種設定がなされた後に製版スタートキー97が押下されることにより、ADFユニット2Xが作動して1枚目の原稿115が画像読取部2によって読み取られる。読み取られた原稿115の原稿画像115aは、CCD等の画像センサーに送られる。
読取動作と並行して排版動作が行われ、版胴6A上の使用済みのマスタ20は排版部5Aによって剥離・廃棄される。排版動作及び読取動作が完了すると製版部4Aにおいて製版動作が行われ、製版されたマスタ20は版胴6A上に巻装される。
【0076】
版胴6A上に製版済みのマスタ20が巻装されると、ADFユニット2Xが再び作動して2枚目の原稿116の読取動作が行われる。また、この読取動作と並行して排版部5Bが作動し、版胴6B上から使用済みのマスタ20が剥離・廃棄される。排版動作及び読取動作完了後、製版部4Bが作動して製版動作が行われ、製版されたマスタ20が版胴6B上に巻装される。
以下、上述と同様にADFユニット2Xが作動して3枚目の原稿69の読取動作が行われると共に版胴6C上から使用済みのマスタ20が剥離され、製版部4Cが作動して製版されたマスタ20が版胴6C上に巻装される。その後、ADFユニット2Xが作動して4枚目の原稿70の読取動作が行われると共に版胴6D上から使用済みのマスタ20が剥離され、製版部4Dが作動して製版されたマスタ20が版胴6D上に巻装される。
【0077】
4個目の版胴6Dへのマスタ20の巻装動作が完了すると、呼び出しローラー11及び給紙ローラー12が回転して給紙台10上より1枚の印刷用紙Pが給送されると共に、各版胴6A,6B,6C,6Dが所定のタイミング及び所定の周速度で回転駆動され、上述と同様の版付け動作が行われる。黄色、赤色、青色及び黒色のインキによる各印刷画像を転写された印刷用紙Pが排紙トレイ40上に排出され、各版胴6A,6B,6C,6Dに対する版付け動作が完了すると、孔版印刷装置1は印刷待機状態となる。
【0078】
版付け動作が完了して孔版印刷装置1が印刷待機状態となった後、オペレーターにより印刷枚数及び印刷速度等が設定された後に印刷スタートキー98が押下されることにより、給紙部3より印刷用紙Pが連続的に給送されると共に各版胴6A,6B,6C,6Dが設定された印刷速度に対応した周速度及びタイミングでそれぞれ回転駆動され、印刷動作が行われる。各版胴6A,6B,6C,6Dより画像を転写された印刷用紙Pは、印刷物114として排紙トレイ40上に順次積載される。
次に、2色印刷を行う場合の孔版印刷装置1の動作を説明する。オペレーターは、図15に示すような黄色画像119a、黒色画像119bを有する印刷物119を得る場合において、原稿画像115aを有する原稿115と、原稿画像118aを有する原稿118との2枚の原稿を用意する。
【0079】
次にオペレーターは、これら2枚の原稿115,118を孔版印刷装置1に読み取らせるが、ここで4個の版胴6A,6B,6C,6Dのうちの何れの版胴を用いるかを選択する。オペレーターは上述と同様に各版胴6A〜6Dの色を確認した後、画像読取部2に読み取らせる原稿の順番を確認する。本例では原稿115、原稿118の順となる。
【0080】
次にオペレーターは操作パネル96上のプログラムキー103を押下して、LCD表示装置109の表示を図7に示す初期画面から図8に示すドラム選択画面に変更させる。ドラム選択画面には4個のドラムが表示されており、各ドラムには給紙側である図の右方から順番に番号が付されている。この番号は、「1」がドラムユニット51A、「2」がドラムユニット51B、「3」がドラムユニット51C、「4」がドラムユニット51Dにそれぞれ対応しており、さらに「1」はキー110dと、「2」はキー110cと、「3」はキー110bと、「4」はキー110aとそれぞれ対応している。
【0081】
LCD表示装置109がドラム選択画面となった後、オペレーターは1枚目の原稿である原稿115の製版を行わせるドラムを選択して対応するキー110a〜110dのうちの何れかを押下する。この例では、1枚目の原稿として黄色画像119aを形成する原稿115が用いられるので、選択されるドラムは黄色インキが供給される「1」のドラムとなり、キー110dが押下される。キー110dが押下されると選択された「1」のドラム表示が反転表示されて黒く記されていた数字の「1」が白抜きで表示され、LCD表示装置109は「1」のドラムが選択されたことを表示する。
【0082】
次にオペレーターは、2枚目の原稿である原稿118の製版を行わせるドラムを選択する。この例では、2枚目の原稿として黒色画像119bを形成する原稿118が用いられるので、選択されるドラムは黒色インキが供給される「4」のドラムとなり、キー110aが押下される。キー110aの押下により「4」のドラム表示が反転表示され、LCD表示装置109は「4」のドラムが選択されたことを表示する。
【0083】
原稿に応じて使用するドラムユニットを選択した後、オペレーターはプログラムキー103を押下してLCD表示装置109の表示を初期画面に戻す。この状態でオペレーターは圧板2aを開放して図示しないコンタクトガラス上に1枚目の原稿115をセットし、圧板2aを閉じて4個のキー110a〜110dを用いて倍率や用紙サイズ等の各種設定を行った後に製版スタートキー97を押下する。製版スタートキー97が押下されると、上述の4色印刷時と同様に版胴6Aに対する排版動作、製版動作、給版動作が行われ、版胴6A上に原稿画像115aと対応した製版画像が形成されたマスタ20が巻装される。マスタ20を巻装した版胴6Aはさらに回転を継続し、ドグ92Aがホームポジションセンサー93Aに検知されることによりホームポジションにて停止する。
【0084】
版胴6Aへのマスタ20の巻装動作が完了すると、操作パネル96上の表示欄109aに、オペレーターに対して2枚目の原稿を画像読取部2にセットするように促す旨のメッセージが表示される。オペレーターは圧板2aを開放して図示しないコンタクトガラス上に2枚目の原稿118をセットし、圧板2aを閉じて各種設定を行った後に製版スタートキー97を押下する。製版スタートキー97が押下されると、上述の4色印刷時と同様に版胴6Dに対する排版動作、製版動作、給版動作が行われ、版胴6D上に原稿画像118aと対応した製版画像が形成されたマスタ20が巻装される。マスタ20を巻装した版胴6Dはさらに回転を継続し、ドグ92Dがホームポジションセンサー93Dに検知されることによりホームポジションにて停止する。
【0085】
選択された2個の版胴6A,6Dへのマスタ20の巻装動作が完了すると、制御手段113は電磁クラッチ66A,66Dをオフさせると共に電磁クラッチ66B,66Cをオンさせてメインモーター52を正方向に作動させ、さらに各プレスローラー27B,27Cの近傍に設けられた図示しないプレスローラー保持手段をそれぞれ作動させる。これにより選択されなかった2個の版胴6B,6Cが図1の時計回り方向に回転を開始し、各プレスローラー27B,27Cは離間位置に保持される。そして、各版胴6B,6Cに設けられたドグ92B,92Cが版胴休止位置センサー95B,95Cにより検知されると、各版胴休止位置センサー95B,95Cから制御手段113に向けて検知信号が送られ、メインモーター52の作動が停止される。これにより各版胴6B,6Cは、各剥離爪45B,45Cが近接位置を占める版胴休止位置で停止する。
【0086】
各版胴6B,6Cが版胴休止位置で停止すると、給紙部3より1枚の印刷用紙Pが給送されると共に、制御手段113は電磁クラッチ66A,66Dをオンさせると共に電磁クラッチ66B,66Cをオフさせてメインモーター52を低速で正方向に作動させる。これにより各版胴6A,6Dが所定のタイミング及び印刷時の周速度よりも遅い所定の周速度で図1の時計回り方向にそれぞれ回転駆動される。給紙部3から給送された1枚の印刷用紙Pは、その先端をレジストローラー対14のニップ部で一時停留された後、所定のタイミングでニップ部47Aへと給送される。また、レジストローラー対14の作動タイミングとほぼ同じタイミングでプレスローラー27Aが版胴6Aに対して圧接する。この圧接により、版胴6Aの内部に供給された黄色のインキがマスタ20の多孔性支持体に充填されると共に印刷用紙Pに転移され、版胴6Aに対する版付け動作が行われる。
【0087】
黄色のインキによる印刷画像を転写された印刷用紙Pは、引張バネ90Aの付勢力によって版胴6Aの外周面に近接した剥離爪45Aの先端で版胴6Aの外周面より剥離され、自重により下方へと落下する。下方へと落下した印刷用紙Pは吸引ファン34Aの吸引力によって用紙搬送ベルト33A上に吸引されつつ、図1の左方へと搬送される。搬送された印刷用紙Pは、プレスローラー27Bが離間位置で保持され、版胴6Bが版胴休止位置を占めていることで剥離爪46Bが近接位置に置かれ、さらに各中間搬送手段8A,8B間の間隔がこの孔版印刷装置1で使用可能な最小サイズの印刷用紙Pの搬送方向長さよりも小さくなるように設定されていることにより、中間搬送手段8Aから中間搬送手段8Bへと確実に受け渡される。
【0088】
中間搬送手段8Bに受け渡された印刷用紙Pは、吸引ファン34Bの吸引力によって用紙搬送ベルト33B上に吸引されつつ、さらに図1の左方へと搬送される。搬送された印刷用紙Pは、プレスローラー27Cが離間位置で保持され、版胴6Cが版胴休止位置を占めていることで剥離爪46Cが近接位置に置かれ、さらに各中間搬送手段8B,8C間の間隔がこの孔版印刷装置1で使用可能な最小サイズの印刷用紙Pの搬送方向長さよりも小さくなるように設定されていることにより、中間搬送手段8Bから中間搬送手段8Cへと確実に受け渡される。
【0089】
中間搬送手段8Cに受け渡された印刷用紙Pは、吸引ファン34Cの吸引力によって用紙搬送ベルト33C上に吸引されつつ、さらに図1の左方へと搬送される。中間搬送手段8Cは、版胴6D上に巻装されたマスタ20の製版画像と合致する所定のタイミングで印刷用紙Pをニップ部47Dへと給送する。また、印刷用紙Pがニップ部47Dへと送られるタイミングとほぼ同じタイミングでプレスローラー27Dが版胴6Dに対して圧接する。この圧接により、版胴6Dの内部に供給された黒色のインキがマスタ20の多孔性支持体に充填されると共に印刷用紙Pに転移され、版胴6Dに対する版付け動作が行われる。
【0090】
黄色及び黒色のインキによる印刷画像を転写された印刷用紙Pは、引張バネ90Dの付勢力によって版胴6Dの外周面に近接した剥離爪45Dの先端で版胴6Dの外周面より剥離され、自重により下方へと落下する。下方へと落下した印刷用紙Pは吸引ファン39の吸引力によって排紙搬送ベルト38上に吸引されつつ、図1の左方へと搬送されて排紙トレイ40上に排出される。この一連の動作により各版胴6A,6Dに対する版付け動作が完了し、孔版印刷装置1は印刷待機状態となる。
【0091】
次に、ADFユニット2Xを用いて画像読取部2で読取動作を行わせる場合を説明する。オペレーターは各版胴の色を確認した後、ADFユニット2X上に原稿を原稿115、原稿118の順でそれぞれ裏向きに載置する。原稿載置後、オペレーターはプログラムキー103を押下し、LCD表示装置109にドラム選択画面を表示させ、上述と同様に使用するドラムである「1」と「4」に対応したキー110d,110aを押下する。各キー110d,110aの押下により各ドラムに対応した表示が反転したことを確認した後、オペレーターはプログラムキー103を再び押下してLCD表示装置109の表示を初期画面に戻す。
【0092】
LCD表示装置109の表示が初期画面に戻され、オペレーターにより各種設定がなされた後に製版スタートキー97が押下されることにより、ADFユニット2Xが作動して1枚目の原稿115が画像読取部2によって読み取られ、読み取られた原稿画像115aはCCD等の画像センサーに送られる。読取動作と並行して排版動作が行われ、版胴6A上の使用済みのマスタ20は排版部5Aによって剥離・廃棄される。排版動作及び読取動作が完了すると製版部4Aにおいて製版動作が行われ、製版されたマスタ20は版胴6A上に巻装される。巻装後も版胴6Aは回転を継続し、ホームポジションにて停止する。
【0093】
版胴6A上に製版済みのマスタ20が巻装されると、ADFユニット2Xが再び作動して2枚目の原稿118の読取動作が行われる。この読取動作と並行して排版部5Dが作動し、版胴6D上から使用済みのマスタ20が剥離・廃棄される。排版動作及び読取動作完了後、製版部4Dが作動して製版動作が行われ、製版されたマスタ20が版胴6D上に巻装される。巻装後も版胴6Dは回転を継続し、ホームポジションにて停止する。
選択された2個の版胴6A,6Dへのマスタ20の巻装動作が完了すると、選択されなかった2個の版胴6B,6Cが図1の時計回り方向に回転を開始し、各プレスローラー27B,27Cが離間位置に保持される。各版胴6B,6Cは版胴休止位置にて停止する。
【0094】
各版胴6B,6Cが版胴休止位置で停止すると、給紙部3より1枚の印刷用紙Pが給送されると共に、各版胴6A,6Dが所定のタイミング及び所定の速度で図1の時計回り方向にそれぞれ回転駆動される。給紙部3から給送された1枚の印刷用紙Pは、その先端をレジストローラー対14で一時停留された後に所定のタイミングでニップ部47Aへと送られ、プレスローラー27Aにより版胴6Aの外周面に圧接される。この圧接により黄色のインキが印刷用紙Pに転移され、版胴6Aに対する版付けが行われる。
【0095】
黄色のインキによる印刷画像を転写された印刷用紙Pは剥離爪45Aの先端で版胴6Aの外周面より剥離され、吸引ファン34Aの吸引力によって用紙搬送ベルト33A上に吸引されつつ図1の左方へと搬送される。搬送された印刷用紙は、中間搬送手段8Aから中間搬送手段8B、さらに中間搬送手段8Cへと受け渡され、さらに図1の左方へと搬送される。印刷用紙Pを搬送する中間搬送手段8Cは、版胴6D上に巻装されたマスタ20の製版画像と合致する所定のタイミングで印刷用紙Pをニップ部47Dへと給送する。これとほぼ同じタイミングでプレスローラー27Dが印刷用紙Pを版胴6Dに対して圧接させ、印刷用紙Pには黒色のインキが転移され、版胴6Dに対する版付けが行われる。黄色及び黒色のインキを転写された印刷用紙Pは剥離爪45Dの先端で版胴6Dの外周面より剥離され、吸引ファン39の吸引力によって排紙搬送ベルト38上に吸引されつつ図1の左方へと搬送されて排紙トレイ40上に排出される。この一連の動作により各版胴6A,6Dに対する版付け動作が完了し、孔版印刷装置1は印刷待機状態となる。
【0096】
版付け動作が完了して孔版印刷装置1が印刷待機状態となった後、オペレーターにより印刷枚数及び印刷速度等が設定された後に印刷スタートキー98が押下されることにより、給紙部3より印刷用紙Pが連続的に給送されると共に各版胴6A,6Dが設定された印刷速度に対応した周速度及びタイミングでそれぞれ回転駆動され、印刷動作が行われる。この印刷動作中、選択されなかった版胴6B,6Cは版胴休止位置にて停止している。各版胴6A,6Dより画像を転写された印刷用紙Pは、印刷物119として排紙トレイ40上に順次積載される。
【0097】
上述の構成により、全ての版胴を用いることなく印刷動作を行う場合に、選択した版胴のみが回転して選択されなかった版胴は回転しないので、選択されなかった版胴が回転することにより発生する版胴内でのインキの劣化が防止され、次回の印刷時においても最初から良好な印刷物を得ることができる。また、選択されなかった版胴がホームポジション位置よりずれた版胴休止位置で停止しているので、剥離爪が近接位置を占めることで印刷用紙の搬送を妨げることがなく、用紙搬送ジャムの発生を防止することができる。
【0098】
図16は、本発明の第2の実施例を採用した多色印刷装置としての複胴式孔版印刷装置120の駆動力伝達機構の概略図である。この複胴式孔版印刷装置120は、第1の実施例で示した複胴式孔版印刷装置1と比較すると、各版胴6A,6B,6C,6Dをそれぞれ独立したモーター121A,121B,121C,121Dで駆動する点、電磁クラッチ66A,66B,66C,66Dを有していない点、天地移動機構80AB,80BC,80CDを有していない点、及び制御手段113に代えて制御手段133を用いる点において相違している。
【0099】
図16において、符号121A,121B,121C,121Dは、各版胴6A,6B,6C,6Dを回転駆動する個別の駆動手段としての版胴駆動モーターを示している。正逆回転可能な版胴駆動モーター121A,121B,121C,121Dの各出力軸121Aa,121Ba,121Ca,121Daには歯付プーリー122A,122B,122C,122D及び図示しないロータリーエンコーダーがそれぞれ取り付けられており、図示しない筐体にはこのロータリーエンコーダーの回転を検出することにより各版胴6A,6B,6C,6Dの回転速度を制御するための図示しないエンコーダーセンサーが設けられている。
【0100】
各歯付プーリー122A,122B,122C,122Dの上方には、図示しない筐体に植設されたプーリー軸123A,123B,123C,123Dにそれぞれ回転自在に支持された歯付プーリー124A,124B,124C,124Dが配置されており、各歯付プーリー124A,124B,124C,124Dの一側面には自身よりも小径の小径伝達ギヤ125A,125B,125C,125Dがそれぞれ一体的に取り付けられている。各歯付プーリー122A,122B,122C,122Dと各歯付プーリー124A,124B,124C,124Dとには歯付ベルト126A,126B,126C,126Dがそれぞれ掛け渡されており、各小径伝達ギヤ125A,125B,125C,125Dは各版胴駆動モーター122A,122B,122C,122Dの回転力を伝達されて回転駆動される。
【0101】
各プーリー軸123A,123B,123C,123Dの上方には、図示しない筐体に植設されたカム軸127A,127B,127C,127Dにそれぞれ回転自在に支持された大径伝達ギヤ128A,128B,128C,128Dが、それぞれ対応する小径伝達ギヤ125A,125B,125C,125Dと噛合する態様で配設されている。各カム軸127A,127B,127C,127D上には、各大径伝達ギヤ128A,128B,128C,128Dよりも小径の歯付プーリー129A,129B,129C,129D及びプレスローラーカム29A,29B,29C,29Dが、各大径伝達ギヤ128A,128B,128C,128Dと一体的に回転可能に設けられている。
【0102】
各カム軸127A,127B,127C,127Dの上方には、図示しない筐体に植設されたプーリー軸130A,130B,130C,130Dが配設されている。各プーリ軸130A,130B,130C,130Dには、各歯付プーリー129A,129B,129C,129Dと同形の歯付プーリー131A,131B,131C,131Dと脱着ギヤ67A,67B,67C,67Dとがそれぞれ回転自在に取り付けられている。各歯付プーリー129A,129B,129C,129Dと各歯付プーリー131A,131B,131C,131Dとの間には歯付ベルト132A,132B,1332C,132Dがそれぞれ掛け渡されている。
【0103】
各歯付ベルト132A,132B,132C,132Dの中程には、位置調節自在に設けられた調節軸に回転自在に支持された、テンションローラー71Aと同様の図示しないテンションローラーが圧接されており、それぞれ一定の張力が付与されている。各歯付プーリー129A,129B,129C,129D、各歯付プーリー131A,131B,131C,131D、各脱着ギヤ67A,67B,67C,67D、各版胴ギヤ68A,68B,68C,68Dは、各版胴6A,6B,6C,6Dと各プレスローラーカム29A,29B,29C,29Dとが同期して回転可能となるように、その外径及び歯数がそれぞれ設定されている。
【0104】
図17は、複胴式孔版印刷装置120の制御手段のブロック図を示している。CPU、ROM、RAM、I/Oポート等を有する周知のマイクロコンピューターである制御手段133は、孔版印刷装置120の図示しない筐体内部に設けられている。制御手段133は操作パネル96からの信号を入力すると、内部に記憶された動作プログラムに基づいて画像読取部2、給紙部3、各製版部4A〜4D、各排版部5A〜5D、各押圧手段7A〜7D、各中間搬送手段8A〜8C、排紙手段9、各版胴駆動モーター121A〜121Dの作動を制御する。また、制御手段133には各ホームポジションセンサー93A〜93D、各給版待機位置センサー94A〜94D、各版胴休止位置センサー95A〜95Dからの検知信号が入力される。
【0105】
上述の構成により、第1の実施例における制御手段113による各電磁クラッチ66A,66B,66C,66Dのオン・オフ制御と同様に、制御手段133によって各版胴駆動モーター121A,122B,122C,122Dの作動・非作動を制御することにより、第1の実施例と同様の作用効果を得ることができる。また、第2の実施例では第1の実施例における天地移動機構80AB,80BC,80CDを有していないので、各版胴6A,6B,6C,6D間の位相を調整する場合には、各版胴駆動モーター121A,122B,122C,122Dを独立して正逆方向に作動させることにより、適宜に位相を調整する。
【0106】
【発明の効果】
本発明によれば、複数の版胴を有する多色印刷装置において全ての版胴を用いることなく印刷動作を行う場合に、選択した版胴のみが回転し選択されなかった版胴は回転しないので、選択されなかった版胴が回転することにより発生する版胴内でのインキの劣化が防止され、次回の印刷時においても最初から良好な印刷物を得ることができる。また、選択されなかった版胴がホームポジション位置よりずれた版胴休止位置で停止しているので、剥離爪が近接位置を占めることで印刷用紙の搬送を妨げることがなく、用紙搬送ジャムの発生を防止して良好な印刷物及び作業性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に用いられる複胴式孔版印刷装置の概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施例に用いられる版胴駆動機構及びプレスローラー揺動機構を説明する斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施例に用いられる天地移動機構を説明する斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施例における各版胴の駆動力伝達機構を説明する概略図である。
【図5】本発明の第1及び第2の実施例における剥離爪揺動機構を説明する斜視図である。
【図6】本発明の第1及び第2の実施例に用いられる各センサーを示す概略図である。
【図7】本発明の第1及び第2の実施例に用いられる操作パネルを説明する概略図である。
【図8】本発明の第1及び第2の実施例に用いられるLCD表示装置のドラム選択画面を説明する概略図である。
【図9】本発明の第1の実施例に用いられる制御手段のブロック図である。
【図10】本発明の第1及び第2の実施例において印刷される4色の印刷物を示す図である。
【図11】本発明の第1及び第2の実施例に用いられる原稿を説明する図である。
【図12】本発明の第1及び第2の実施例に用いられる原稿を説明する図である。
【図13】本発明の第1及び第2の実施例に用いられる原稿を説明する図である。
【図14】本発明の第1及び第2の実施例に用いられる原稿を説明する図である。
【図15】本発明の第1及び第2の実施例において印刷される2色の印刷物を示す図である。
【図16】本発明の第2の実施例における各版胴の駆動機構を説明する概略図である。
【図17】本発明の第2の実施例に用いられる制御手段のブロック図である。
【符号の説明】
1,120 多色印刷装置(複胴式孔版印刷装置)
6A,6B,6C,6D 版胴
45A,45B,45C,45D 剥離爪
66A,66B,66C,66D 連断手段(電磁クラッチ)
109 選択手段(LCD表示装置)
121A,121B,121C,121D 個別の駆動手段(版胴駆動モーター)

Claims (5)

  1. 複数の版胴と、前記複数の版胴の外周面近傍にそれぞれ設けられ、それぞれの先端部を対応する前記版胴の外周面に対して近接する近接位置と離隔する離隔位置とに移動自在に設けられた複数の剥離爪とを有する多色印刷装置において、
    前記複数の版胴のうちの任意の版胴を用いて印刷を行うことが可能であり、この印刷時において印刷に使用しない版胴の回転を停止させると共に、使用しない版胴に対応して設けられた前記剥離爪を近接位置に移動させることを特徴とする多色印刷装置。
  2. 前記複数の版胴は個別の駆動手段からの駆動力によりそれぞれ回転駆動されることを特徴とする請求項1記載の多色印刷装置。
  3. 前記複数の版胴は共通の駆動手段からの駆動力によりそれぞれ回転駆動され、前記駆動手段からの駆動力を伝達または切断する連断手段をそれぞれ有することを特徴とする請求項1記載の多色印刷装置。
  4. 前記複数の剥離爪はそれぞれ対応する前記版胴の回転駆動力を用いて移動されることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の多色印刷装置。
  5. 任意の版胴を用いて印刷を行う場合に、前記複数の版胴から任意の版胴を選択する選択手段を有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のうちの何れか1つに記載の多色印刷装置。
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