JP4514944B2 - 膜厚測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体基板やガラス基板上に形成された導電性の薄膜の成膜状態を非接触で高速に測定するための方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体の技術分野では、シリコンウェハ上に、例えばスパッタリング、CVD、めっき等のプロセスによって導電性薄膜を形成し、これを電子デバイスや光デバイスに用いている。
【0003】
このようなデバイスにおいては、同一品質のものをいかに多く製造するかが重要であり、このため、基板上の薄膜の膜厚や電気特性を十分に管理することが要求される。
【0004】
従来、同一のロットについて、導電性薄膜が表面に成膜された基板を、同時に多数枚作成し、そのうちのある基板について四探針測定や触針式プロファイラ等の方式で導電性薄膜の膜厚や電気特性を検査、分析し、その分析結果を代表値として基板の品質を類推する方法が知られている。
【0005】
しかしながら、この方法では、所定の基準に達しない基板が存在する場合に、基板の品質の不良を検出することができないという問題がある。
一方、基板上の膜に対して非接触で膜厚を測定する方法も知られている。例えば、X線干渉法やレーザ励起振動法がそれである。
しかし、これらの方法にあっては、測定速度が非常に遅く、また、コストが高すぎるため、大量生産には利用することができないという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来の技術の課題を解決するためになされたもので、基板上に形成された導電性の薄膜の膜厚を効率良く、しかも安価に測定しうる技術を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた請求項1記載の発明は、互いに直列接続された二個のインダクタンス素子と、前記二個のインダクタンス素子を保持するコイル保持部と、互いに直列接続された二個の抵抗素子と、前記インダクタンス素子の直列接続回路と、前記抵抗素子の直列接続回路とが並列に接続されて構成されるインダクタンスブリッジの出力信号を増幅するプリアンプと、少なくとも前記プリアンプを保持する回路保持部とを有し、前記出力信号から測定対象の膜厚を求める膜厚測定装置であって、前記一方のインダクタンス素子は測定コイルとして、他方のインダクタンス素子よりも前記測定対象に対して近い位置で前記コイル保持部に保持され、前記測定コイルである前記インダクタンス素子が前記測定対象に渦電流を形成して前記出力信号を発生させ、前記コイル保持部と前記回路保持部とは互いに固定され、前記測定コイルである前記インダクタンス素子の一端は、前記測定対象との間にドーナツ状の平行平板コンデンサを構成させるリング状の中心電極の穴から前記測定対象に面するように配置され、前記平行平板コンデンサを構成する部分の前記測定対象に前記渦電流が流れるように構成され、前記中心電極と前記測定対象との間の電極間距離が、前記平行平板コンデンサの容量値と流れる電流と測定される電圧とから求められ、求められた前記電極間距離から、前記測定対象と前記測定コイルである前記インダクタンス素子とが相対的に移動されてその間が所定距離にされて前記出力信号が生成されることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の膜厚測定装置であって、前記出力信号と、前記中心電極と前記測定対象との間に形成されるドーナツ状の平行平板コンデンサの容量値と流れる電流と測定される電圧とから、前記膜厚が求められることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、互いに直列接続された二個のインダクタンス素子と、前記二個のインダクタンス素子を保持するコイル保持部と、互いに直列接続された二個の抵抗素子と、前記インダクタンス素子の直列接続回路と、前記抵抗素子の直列接続回路とが並列に接続されて構成されるインダクタンスブリッジの出力信号を増幅するプリアンプと、少なくとも前記プリアンプを保持する回路保持部とを有し、前記出力信号から測定対象の膜厚を求める膜厚測定装置であって、前記一方のインダクタンス素子は測定コイルとして、他方のインダクタンス素子よりも前記測定対象に対して近い位置で前記コイル保持部に保持され、前記測定コイルである前記インダクタンス素子が前記測定対象に渦電流を形成して前記出力信号を発生させ、前記コイル保持部と前記回路保持部とは互いに固定され、前記測定コイルである前記インダクタンス素子の一端は、前記測定対象との間にドーナツ状の平行平板コンデンサを構成させるリング状の中心電極の穴から前記測定対象に面するように配置され、前記平行平板コンデンサを構成する部分の前記測定対象に前記渦電流が流れるように構成され、前記回路保持部は、前記二個の抵抗素子を保持するように構成され、前記二個のインダクタンス素子の直列接続回路と、前記二個の抵抗素子の直列接続回路とを接続する導線の長さは、10cm以下であるように構成されたことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の膜厚測定装置であって、前記プリアンプの入力端子は、前記二個のインダクタンス素子の接続中点又は前記二個の抵抗素子の接続中点のいずれか一方又は両方に接続されたことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、互いに直列接続された二個のインダクタンス素子と、前記二個のインダクタンス素子を保持するコイル保持部と、互いに直列接続された二個の抵抗素子と、前記インダクタンス素子の直列接続回路と、前記抵抗素子の直列接続回路とが並列に接続されて構成されるインダクタンスブリッジの出力信号を増幅するプリアンプと、少なくとも前記プリアンプを保持する回路保持部とを有し、前記出力信号から測定対象の膜厚を求める膜厚測定装置であって、前記一方のインダクタンス素子は測定コイルとして、他方のインダクタンス素子よりも前記測定対象に対して近い位置で前記コイル保持部に保持され、前記測定コイルである前記インダクタンス素子が前記測定対象に渦電流を形成して前記出力信号を発生させ、前記コイル保持部と前記回路保持部とは互いに固定され、前記測定コイルである前記インダクタンス素子の一端は、前記測定対象との間にドーナツ状の平行平板コンデンサを構成させるリング状の中心電極の穴から前記測定対象に面するように配置され、前記平行平板コンデンサを構成する部分の前記測定対象に前記渦電流が流れるように構成され、前記プリアンプの入力端子は、前記二個のインダクタンス素子の接続中点又は前記二個の抵抗素子の接続中点のいずれか一方又は両方に接続され、前記二個のインダクタンス素子の直列接続回路と、前記二個の抵抗素子の直列接続回路とを接続する導線の長さは、10cm以下であるように構成されたことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の膜厚測定装置であって、前記回路保持部は、前記二個の抵抗素子を保持するように構成されたことを特徴とする。
【0008】
本発明のインダクタンス測定装置では、互いに直列接続された二個のインダクタンス素子と、それを保持するコイル保持部と、インダクタンスブリッジの出力信号を増幅するプリアンプと、少なくともプリアンプを保持する回路保持部とを有し、一方のインダクタンス素子は、他方のインダクタンス素子よりも測定対象に対して近い位置でコイル保持部に保持され、コイル保持部と回路保持部とは互いに固定されている。
【0009】
このように構成し、コイル保持部を、導電性薄膜が成膜された測定対象の表面近傍に位置させ、インダクタンス素子に交流電圧を印加すると、測定対象内に渦電流が生じ、その渦電流の影響により、測定対象に近い側のインダクタンス素子のインダクタンス成分が変化するが、この変化量を求めることで、基板表面に成膜された薄膜の膜厚を、簡素な構成で求めることができる。
【0010】
かかるインダクタンス素子のインダクタンス成分の変化量は、インダクタンスブリッジを用いた高感度測定回路により求めている。
【0011】
図2は、本発明におけるインダクタンス成分の測定原理を説明するためのブロック図であり、符号10は、マクスウェルのインダクタンスブリッジを示している。
【0012】
このインダクタンスブリッジ10は、互いに直列接続された2個の抵抗素子14、15と、互いに直列接続された二個のインダクタンス素子が、並列接続されて構成されている。二個のインダクタンス素子のうち、測定対象に近い側のインダクタンス素子を測定コイルと称して図2の符号11に示し、測定対象から遠い側に位置するインダクタンス素子を基準コイルと称して図2の符号12に示す。
【0013】
インダクタンスブリッジ10のバランスが取れている場合、インダクタンスブリッジ10の入力端子21、22の間に交流電圧源27を接続し、インダクタンスブリッジ10に交流電圧VDを印加しても、インダクタンスブリッジ10の出力端子23、24の間に電圧は現れない。
【0014】
インダクタンスブリッジ10のバランスが取れた状態で、測定コイル11に、測定対象である基板50を近づけると、基板50に渦電流が生じ、その影響によって測定コイル11のインダクタンス値が変化し、バランスがくずれて出力端子23、24間に電圧VSが現れる。
【0015】
インダクタンスブリッジ10に印加する交流電圧VDを、
VD = VD0・exp(iωt)
で表した場合、出力端子23、24間に現れる電圧VSは、
【0016】
VS = VS0・exp(iωt+φ) =VS0・exp(iωt)・cos(φ) + i・VS0・exp(iωt)・sin(φ)
となる。
【0017】
この電圧VSの、入力電圧VDに同期した位相の電圧と、90°ずれた位相の電圧とを測定し、その比から、測定コイル11のインダクタンス成分の大きさの変化分が求められる。
【0018】
インダクタンス成分の変化量は、基板50中の渦電流損失を表しており、交流電圧VDの周波数は既知であるから、基板50や基板50表面の金属薄膜の比抵抗が既知であれば、その金属薄膜の膜厚が求められる。
【0019】
図12のグラフは、インダクタンス成分の変化量と、基板表面の銅薄膜の膜厚の関係の一例を示すグラフである。印加した交流信号の周波数は数MHzであり、また、交流電圧VDの大きさは数V程度である。
【0020】
このグラフから分かるように、測定コイル11のインダクタンス成分の変化量は、基板表面の銅薄膜の膜厚に応じて変化するため、予め、インダクタンス成分の変化量と膜厚との関係を測定しておき、薄膜が成膜される前に基板を測定コイルに近づけてインダクタンス成分の変化量を測定しておき、基板表面に銅薄膜を成膜し、成膜後の基板を測定コイルに近づけ、測定コイルのインダクタンス成分の変化量を求めると、求められたインダクタンス成分の変化量から、成膜された薄膜の膜厚を求めることができる。
かかる本発明によれば、簡素な構成で安価に膜厚の測定を行うことが可能になる。
【0021】
また、本発明によれば、コイル保持部内に、二個のインダクタンス素子が設けられている。このように構成することで、二個のインダクタンス素子は、互いに近接した状態で配置されるので、各インダクタンス素子はほぼ同じ温度になり温度補償が図れるので、インダクタンス成分の変化量が温度に依存することで測定精度が低下することはない。
【0022】
また、本発明において、コイル保持部内に設けられたインダクタンス素子の直列接続回路と、回路保持部内に設けられた抵抗素子の直列接続回路とを接続する導線が長くなると、導線自身が有する容量成分が無視できない値となり、さらにノイズが混入しやすくなるため測定精度が低下するが、上述したようにコイル保持部と回路保持部とは互いに固定され、その結果互いに近接しているので、導線の長さは短くなる。従って、導線自身の容量成分が小さくなり、また、測定信号内にノイズが混入しにくくなるので、精度の高い測定をすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下で、本発明に係る膜厚測定装置の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1の符号1に、本発明に係る膜厚測定装置を示す。本発明に係る膜厚測定装置1は、測定室2と、支持台3と、回転軸8と、駆動機構34と、アーム7とを有している。
【0024】
測定室2は、その側面に搬入出口20が設けられており、この搬入出口20から基板を測定室2内に搬入したり、測定室2外へと搬出することができるようになっている。
支持台3は、測定室2の内部底面に配置されている。この支持台3は、表面が平坦に形成されており、その表面に基板を載置できるように構成されている。
【0025】
測定室2の内部底面の、支持台3と離間した位置には貫通孔が設けられており、その貫通孔には、回転軸8が鉛直に挿通されている。この回転軸8の下端部は、測定室2の外部に配置された駆動機構34に接続され、回転軸8の上端部には、水平にされたアーム7の末端部が接続されており、駆動機構34を動作させると、回転軸8を回転し、アーム7を水平面内で移動させられるように構成されている。
【0026】
アーム7の先端部には、取付治具69が位置している。この取付治具69は、絶縁材がL字椅子型に形成されて成り、その背面67がアーム7の先端部に取り付けられ、座面68が水平状態になっている。
この座面68上には、回路保持部61と、距離センサ保持部71とが配置され、座面68の裏面68aには、コイル保持部81が配置されている。
【0027】
図5に、アーム7の先端部付近の拡大図を示し、図4に、図5のA−A線断面図を示す。
コイル保持部81は、筐体82と、測定コイル11と、基準コイル12とを有している。
【0028】
コイル保持部の筐体82は、図5に示すように絶縁体が直方体状に形成され、その先端にはフランジ部82aが設けられて成る。この筐体82はフランジ部82aが取付治具69の座面68の裏面68aにねじ88でねじ止めされることで、取付治具69に固定されている。
【0029】
取付治具69には、その座面68から座面の裏面68aにかけて鉛直方向に貫通する貫通孔83aが設けられている。また、コイル保持部の筐体82は、上下に貫通し、その中心軸線が鉛直方向を向いた貫通孔83を有しており、この筐体82は、その貫通孔83が、取付治具68の貫通孔83aと連通する位置に配置されている。
この貫通孔83の周囲には、平面形状がリング状の溝からなるコイル収納部84が設けられている。
【0030】
測定コイル11、基準コイル12はともに螺旋状に巻き回されており、それぞれの中心軸線はともに鉛直方向を向いている。これらの測定コイル11、基準コイル12は測定コイル11が基準コイル12より下方に位置した状態で、コイル収納部84内に上下に配置されている。コイル収納部84の内部は絶縁性の樹脂で封止され、測定コイル11及び基準コイル12はコイル収納部84から落下しないようになっている。
【0031】
上述したアーム7は、伸縮可能に構成されており、アーム7が縮んだ状態では、コイル保持部81、回路保持部61及びレーザセンサ71を支持台3上方から退避させ、アーム7が伸びた状態では、コイル保持部81、回路保持部61及びレーザセンサ71を支持台3の上方の任意の位置に移動させることができる。
【0032】
レーザセンサ71は、コイル保持部81の鉛直上方に位置している。
レーザセンサ71の底面には、レーザ射出口73aとレーザ受光口73bとが設けられており、レーザ射出口73aから鉛直下方にレーザ光を射出することができるように構成されている。
【0033】
これらのレーザ射出口73a及びレーザ受光口73bは、ともに取付治具69に設けられた貫通孔83a及びコイル保持部の貫通孔83から露出しており、レーザ射出口73aから鉛直下方にレーザ光が射出されると、そのレーザ光が、取付治具69の貫通孔83a及びコイル保持部の貫通孔83を通ってコイル保持部81の外部へと射出されるようになっている。また、射出されたレーザ光が、レーザセンサ71下方の水平面で反射され、コイル保持部の貫通孔83に入射すると、そのレーザ光が取付治具69の貫通孔83a及びコイル保持部の貫通孔83を通ってレーザ受光口73bに到達できるようになっている。
【0034】
取付治具の座面68の上方の、レーザセンサ71とアーム7の先端との間には、回路保持部61が位置している。
回路保持部61は、筐体62と、留め具64と、配線基板63と、接続端子65とを有している。
【0035】
筐体62は、例えばプラスチック等の絶縁材が直方体状に形成されてなり、その底面が取付治具の座面68表面に密着して固定されている。筐体62の内部側面には、留め具64が固定されている。留め具64の先端には配線基板63が固定されている。
【0036】
この配線基板63上には、少なくともプリアンプ25と、抵抗素子14、15とが配置されている。
これらの抵抗素子14、15は配線基板63上で互いに直列接続されており、測定コイル11及び基準コイル12はコイル保持部81内で互いに直列接続されている。
【0037】
測定コイル11と基準コイル12の直列接続回路と、抵抗素子14、15の直列接続回路とは、ケーブルで接続されている。図4の符号78にそのケーブルを示す。コイル保持部81と回路保持部61とは近接しているので、ケーブル78は短くなっている。本実施形態では5cm程度の長さになっている。
【0038】
こうして互いに接続された測定コイル11及び基準コイル12の直列接続回路と、抵抗素子14、15の直列接続回路とは、図2に示すインダクタンスブリッジ10を構成している。
【0039】
かかるインダクタンスブリッジ10は、抵抗素子14、15の直列接続回路の両端が入力端子となっている。図2の符号21、22にその入力端子を示す。また、測定コイル11と基準コイル12との接続中点と、二つの抵抗素子14、15の接続中点とは、それぞれインダクタンスブリッジ10の出力端子となっている。図2の符号23、24に、それぞれの出力端子を示す。
【0040】
インダクタンスブリッジ10の入力端子21、22と、出力端子23、24には、図5に示す接続端子65に接続されている。この接続端子65は、測定室2外部に配置された膜厚測定器31に接続されている。
【0041】
膜厚測定器31は、図2に示すように測定器26と交流電圧源27とを有している。
この交流電圧源27は、図6に示すように発振器91と出力アンプ92とを有しており、発振器91で生成された交流電圧を出力アンプ92で増幅して、インダクタンスブリッジ10の入力端子21、22間に印加することができるように構成されている。
【0042】
インダクタンスブリッジ10の入力端子21、22間に交流電圧が印加されると、インダクタンスブリッジ10のバランスがとれた状態ではその出力端子23、24間には電圧が現れないが、測定コイル11を、図3に示すように、その表面に導電膜52が成膜された基板50に近づけた状態で、入力端子21、22間に交流電圧を印加すると、基板50及び導電膜52内部に渦電流が生じて測定コイル11のインダクタンス成分が変化し、この変化量に応じた大きさの電圧が、インダクタンスブリッジ10の出力端子23、24間に現れる。
【0043】
インダクタンスブリッジ10の出力端子23、24のうち、測定コイル11及び基準コイル12の接続中点側の出力端子23は接地され、抵抗素子14、15の接続中点側の出力端子24は、プリアンプ25の入力端子に接続されている。プリアンプ25の出力端子は、後述する測定器26に接続されており、インダクタンスブリッジ10の出力端子23、24間に現れた電圧は、プリアンプ25によって増幅された後に、測定器26に出力される。
【0044】
この測定器26は、図6に示すように、バンドパスフィルタ95と、直交検波器96と、出力回路97とを有している。
バンドパスフィルタ95には、プリアンプ25の出力信号が入力されるように構成されており、バンドパスフィルタ95は、プリアンプ25から信号が出力されると、その信号のうち特定の周波数帯域のみを直交検波器96に出力する。
【0045】
直交検波器96には、バンドパスフィルタ95の出力信号と、発振器91から出力される交流信号と同相の信号と、その信号と90°位相がずれた信号とが入力されるように構成され、直交検波器96は、バンドパスフィルタ95の出力信号すなわちインダクタンスブリッジ10の出力信号から、発振器91から出力される交流信号に同期した位相の電圧と、90°ずれた位相の電圧との二種類の電圧を求めて出力回路97に出力する。
出力回路97は、直交検波器96から出力される二種類の出力電圧の比を求めることで、インダクタンス成分の変化量に応じた大きさの信号を生成する。
【0046】
測定室2の外部にはコンピュータ33が配置されており、出力回路97から出力され、インダクタンス成分の変化量に応じた大きさの信号は、コンピュータ33に出力される。
【0047】
コンピュータ33は、出力回路97から出力されたインダクタンス成分の変化量を記憶することができるように構成されている。
インダクタンス成分の変化量は、測定コイル11と、基板表面との間の距離に大きく依存するため、測定の際にその距離を一定にするように制御する必要があり、そのため、膜厚測定装置は、上述したレーザセンサ71と、距離測定器32とを有している。
【0048】
このレーザセンサ71の部分拡大図を図7に示す。レーザセンサ71が起動し、レーザ射出口73aからレーザ光L1が鉛直下方に射出されると、そのレーザ光L1は、取付治具69の貫通孔83a及びコイル保持部の貫通孔83を通った後、貫通孔83の下方に配置された基板50表面に照射され、表面で反射される。この反射光L2は、コイル保持部の貫通孔83と取付治具69の貫通孔83aを通過した後にレーザ受光口73bに到達して受光される。レーザセンサ71は、射出されたレーザ光L1と反射光L2との位相差又は反射光の強度変化を求めることができるように構成されている。
【0049】
レーザセンサ71は、距離測定器32に接続されており、こうして求められたレーザ光L1と反射光L2との位相差は、距離測定器32に出力されるように構成されている。
【0050】
距離測定器32は、レーザセンサ71から、レーザ光と反射光との位相差が出力されると、その位相差を距離に換算してレーザセンサ71の底面と基板表面との間の距離を求める。こうして求められた距離はコンピュータ33に出力される。
コンピュータ33は、測定コイル11と基板表面との間の距離が一定になるように駆動機構34を制御できるように構成されている。
【0051】
上記構成の膜厚測定装置1で、基板表面に成膜された薄膜の膜厚を測定する動作について以下で説明する。
まず、薄膜が成膜されていない状態の基板50を搬入出口20から測定室2内に搬入して支持台3上に載置して支持させる。
【0052】
基板50が支持台3上に支持されたら、駆動機構34を駆動してアーム7を移動させ、その先端部のコイル保持部81、レーザセンサ71及び回路保持部61を基板表面の所定位置に位置させる。
【0053】
そして、レーザセンサ71を起動し、基板50の表面にレーザ光を照射して、コイル保持部81内の測定コイル11と基板50表面との間の距離を測定する。距離が測定されたら、アーム7を上下動させ、測定された距離が所定値になったら、アーム7を静止させる。
【0054】
次に、交流電圧源27から測定コイル11に交流電圧を印加し、測定コイル11のインダクタンス成分の変化量の初期値を測定し、その値をコンピュータ33に記憶させる。
【0055】
次いで、アーム7の先端部を別の測定位置に移動させ、その測定位置で測定コイル11と基板50表面との距離が所定値になったらアーム7を静止させ、その測定位置におけるインダクタンス成分の変化量の初期値を測定し、その値をコンピュータ33に記憶させておく。
【0056】
かかる動作を、予め定められた全ての測定位置について行い、全ての測定位置におけるインダクタンス成分の変化量の初期値を順次求め、基板50の位置と対応づけ、コンピュータ33内に記憶させておく。
次いで、基板50を、搬入出口20から測定室2外部へと搬出し、図示しない成膜装置内に入れ、基板50の表面に所定の導電性薄膜を成膜する。
【0057】
成膜処理が終了したら、その基板50を再び搬入出口20から測定室2内部に搬入して支持台3表面に支持させる。次いで、アーム7を移動させ、最初にインダクタンス成分の変化量の初期値を測定した測定位置と同じ位置に、コイル保持部81、レーザセンサ71、回路保持部61を位置させ、基板50と測定コイル11との間の距離が所定値になったらアーム7を静止させ、その測定位置における測定コイル11のインダクタンス成分の変化量を測定する。次いで、測定されたインダクタンス成分の変化量を、コンピュータ33に記憶させる。
【0058】
基板50表面に成膜された導電膜52の膜厚に応じて、測定コイル11のインダクタンス成分の変化量は変化する。コンピュータ33には、上述した各測定位置における、インダクタンス成分の変化量と導電膜52の膜厚との対応関係が予め記憶されており、導電膜52が成膜された状態でのインダクタンス成分の変化量と、導電膜52が成膜されていない状態でのインダクタンス成分の変化量の初期値との差分をとり、この差分を、上述した対応関係と照合することで、基板50表面の所定の測定位置における導電膜52の膜厚を、導電膜52と非接触の状態で求めることができる。
【0059】
こうして一つの測定位置における膜厚測定が終了したら、コイル保持部81、レーザセンサ71、回路保持部61を順次所定の測定位置に移動させ、上述した動作と同様の動作で導電膜52の膜厚を測定し、全ての測定位置において導電膜の膜厚を測定する。
【0060】
以上説明したように本発明によれば、コイル保持部の筐体82内に測定コイル11及び基準コイル12の両方を配置している。こうして二個のコイル11、12をともに一つの筐体82内に、近接した状態で配置することにより、測定コイル11と基準コイル12の温度とはほぼ同じ温度になり、温度変化が生じても各コイル11、12のインダクタンス成分は同じように変化し、各コイル11、12のインダクタンス成分の変化量がアンバランスになることはないので、温度変化が生じても測定精度は低下しない。
【0061】
これと同様に、抵抗素子14、15も回路保持部61内の配線基板63上に、互いに近接した状態で配置されており、抵抗素子14、15のそれぞれの温度はほぼ同じように変化するので、温度変化により測定精度が低下しない。
【0062】
また、上記の回路構成では、ノイズ混入防止のため、抵抗素子14、15とプリアンプ25の入力端子との間の導線をできるだけ短くする必要がある。その結果、抵抗素子14、15をコイル保持部81内に入れると、プリアンプ25もコイル保持部81内に入れなければならず、コイル保持部81を大きく作らなければならない。このため、本実施形態では、これらの抵抗素子14、15を、コイル保持部81内には配置していない。
【0063】
また、測定コイル11を基板50表面の所定位置に位置させる機構としては、アーム7側を固定し、支持台3をアーム7先端部と相対的に移動させる機構も可能だが、大面積の基板表面の膜厚を測定する際には、支持台3を大きく作らなければならず、また、大面積の基板を水平面内で移動させるためのスペースを設けなければならないことより、装置が大きくなってしまうので、本実施形態では、先端部が自由に移動可能なアーム7の先端部にコイル保持部81、レーザセンサ71及び回路保持部61を取付け、これらのコイル保持部81、レーザセンサ71及び回路保持部61が基板50の表面で移動することにより、所定の測定位置の膜厚を測定できるように構成されている。このように構成することにより、装置を小さく作ることができる。
【0064】
さらに、コイル保持部81内の測定コイル11及び基準コイル12と、回路保持部61内の電子回路とを接続するケーブル78が長くなると、ケーブル78自身が有する容量成分が無視できない値となり、またノイズが混入しやすくなるため測定精度が低下するが、上述したようにコイル保持部81と回路保持部61とは近接しており、ケーブル78は短くなっているので、ケーブル78自身の容量成分が小さくなり、またノイズが混入しにくくなるので、精度の高い測定をすることができる。
また、本実施の形態によれば、簡素な構成で安価に膜厚の測定を行うことが可能になる。
【0065】
さらに、本実施の形態においては、測定コイル11と基板50表面との間の相対的な距離を常に一定の値に保つことにより、常に同一の条件で、測定コイル11におけるインダクタンスの変化量を測定することができるので、より正確な膜厚の測定を行うことが可能になる。
【0066】
なお、上記実施形態では、基板50表面と測定コイル11との間の距離を測定するのにレーザセンサ71を用いたが、本発明はこれに限られるものではない。
図8の符号30に、本発明の他の実施形態の膜厚測定装置を示す。
【0067】
この膜厚測定装置30は、アーム7の先端部に設けられていたレーザセンサ71が設けられておらず、代わりに図9、図10に示すようなセンサ保持部55を有している点と、距離測定器32に変えて容量検出距離測定器37が設けられた点とで、図1の膜厚測定装置1と異なる。
【0068】
図10に、膜厚測定装置30のアーム7の先端部付近の拡大図を示し、図9に、図10のB−B線断面図を示す。取付治具69の座面68には、回路保持部61が固定されており、座面68の裏面68aには、センサ保持部55が固定されている。
【0069】
このセンサ保持部55は、図11に示すように、上述したコイル保持部81と静電容量センサ保持部41とを有している。
静電容量センサ保持部41は、筐体46と、支持基板44と、ガード電極45と中心電極45aとを有している。
【0070】
この筐体46は、例えば、ポリアセタール樹脂等の絶縁材料が直方体状に形成されて成り、上下に貫通する貫通孔を内部に有している。この貫通孔は、その中心軸線が鉛直方向を向き、かつ外径がコイル保持部81の筐体82の外径と同じ大きさにされている。この貫通孔内には、コイル保持部81の筐体82が納められている。コイル保持部81のフランジ部82aは、静電容量センサ保持部41の筐体46にねじ43でねじ止め固定されており、その結果、コイル保持部81の筐体82と、静電容量センサ保持部41の筐体46とは一体化されている。こうして一体化されたコイル保持部の筐体82及び静電容量センサ保持部の筐体46は、取付治具68の座面の裏面68a側にねじ止め固定されている。
【0071】
静電容量センサ保持部41の筐体46の底部には、例えばガラス−エポキシ樹脂からなるリング状の支持基板44が取り付けられている。この支持基板44上には同じくリング状の中心電極45aが配置され、中心電極45aの内側と外側とには、同じくリング状のガード電極45が配置されている。これらの支持基板44、中心電極45a及びガード電極45の鉛直方向での中心軸線と、測定コイル11の鉛直方向の中心軸線とは互いに一致しており、基板50表面において、測定コイル11によって渦電流を発生させる位置と、静電容量センサ保持部41によって、測定コイル11と基板表面の距離を測定する位置とが一致するようになっている。
【0072】
静電容量センサ保持部41は、容量検出距離測定器37に接続されている。
この容量検出距離測定器37は、交流電源48と、電圧計49とバッファ回路47とを有している。
【0073】
交流電源48は、一方の出力端子が静電容量センサ保持部41の中心電極45aに接続され、他方の出力端子が、図示しない導電性の接触部材に接続され、その接触部材は基板表面の導電膜52に接触しており、交流電源48を起動すると、中心電極45aと導電膜52との間に、一定の交流電流を供給するように構成されている。また、バッファ回路47は、その出力インピーダンスが低く構成され、入力端子が交流電源48の出力端子に接続され、出力端子がガード電極45に接続されており、交流電源48から供給される、一定の交流電流をインピーダンス変換した後にガード電極45に供給して、ガード電極45の電位が中心電極45aと同電位となるようにしている。
【0074】
電圧計49は、一端がガード電極45に接続され、他端が図示しない導電性の接触部材に接続され、その接触部材が導電膜52表面に接触することで、ガード電極45と導電膜52との間に生じた電圧を測定できるように構成されている。
【0075】
なお、本実施の形態の場合は、導電膜52が切換スイッチ38を介して接地電位に接続されるように構成されており、切換スイッチ38を所定タイミングで導通させ、導電膜52を接地させられるように構成されている。
【0076】
このような構成を有する本実施の形態において膜厚の測定をする場合には、測定すべき導電膜52が形成された基板50を、搬入出口20から測定室2内に搬入し、支持台3上に載置して支持させた後、アーム7を移動させ、その先端部に設けられたセンサ保持部55及び回路保持部61を、導電膜52の上方の所定位置に位置させる。
【0077】
そして、切換スイッチ38を導通させて導電膜52を接地させる。
次に、交流電源48から導電膜52及び中心電極45aに一定の交流電流を供給するとともに、ガード電極45に、バッファ47を介して交流電源48から一定の交流電流を供給する。
【0078】
ここで、本実施の形態の静電容量センサ40にあっては、ガード電極45と中心電極45aとが同電位となっているため、中心電極45aと導電膜52の間ではドーナツ状の平行平板コンデンサが形成される。
【0079】
その結果、電圧計49において測定される電圧Vは、以下の式で示すように、中心電極45aと導電膜52との距離gに比例する。
V=(I/ωε0A)g I:電流値 ω:交流電源の角周波数
ε0:真空誘電率 A:中心電極の面積
そして、このようにして測定された電圧Vは、コンピュータ33に出力される。コンピュータ33はこの電圧Vに基づき、中心電極45aの端部と面一の位置にある測定コイル11と、導電膜52との間の距離を算出する。そして、この距離と予めコンピュータ33に記憶させておいた値とを比較し、その差分が0になるように駆動機構34を制御して、アーム7を上下動させる。
【0080】
ここで、切換スイッチ38を遮断して導電膜52の接地状態を解除する。
次いで、この位置において測定コイル11に交流電流を供給して導電膜52の膜厚測定位置に渦電流を発生させ、図1の膜厚測定装置1と同様に、測定コイル11のインダクタンスの変化量を測定する。
そして、以下、上記実施の形態と同様の手順を行うことにより、導電膜52上の当該位置の膜厚を算出する。
【0081】
以上述べたように本実施の形態によれば、上記実施の形態と同様、従来の非接触の膜厚測定装置に比べて迅速に膜厚の測定を行うことができるとともに、簡素な構成で安価に膜厚の測定を行うことができる。
【0082】
なお、本発明は上述の実施の形態に限られることなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、ケーブル78の長さを5cmとしたが、本発明のケーブルの長さはこれに限られるものではなく、10cm以下であればよく、例えば2cmでもよい。要するに、ごく近傍に配置し、物理的に接続可能であれば、短い方が良い。
【0083】
また、コイル保持部81では、その筐体82に貫通孔83を設け、レーザセンサのレーザ光が、その貫通孔83を貫いて基板表面に照射されるようにすることにより、測定コイル11及び基準コイル12による測定位置とレーザ光の照射位置が一致するように構成したが、本発明はこれに限らず、レーザ光がコイル保持部の内部を通らずに、その側方を通って基板表面に照射されるように構成してもよい。
【0084】
また、上述の実施の形態においては、アーム7先端を基板50の上方で移動させることにより、基板50とアーム7の先端とを相対的に移動させ、基板50表面における膜厚測定位置を変えるようにしたが、本発明はこれに限られず、アーム7の先端を静止させ、支持台3を水平面内で移動させることで、基板50とアーム7の先端とを相対的に移動させることも可能である。
【0085】
また、上述の実施の形態においては、膜厚を測定する際に、測定コイル11と導電膜52との相対的な距離を一定にするようにしたが、測定コイル11と導電膜52との相対的な距離に応じたデータベースを作製しておき、膜厚測定の際に、測定コイル11と導電膜52との相対的な距離を測定し、測定された距離に応じたデータを測定値と照合することで、膜厚を求めることも可能である。
【0086】
また、測定コイル11と基準コイル12とは、それぞれの中心軸線が互いに一致した状態で上下に配置されているものとしたが、本発明はこれに限らず、各コイル11、12が近接した状態で、かつ測定コイル11が基準コイル12よりも基板に近く位置するように構成されていればよい。
【0087】
また、測定室2は大気圧中で基板表面の導電膜の膜厚を測定するように構成したが、測定室2内部を真空排気可能にし、真空雰囲気中で測定するように構成することも可能である。
【0088】
さらに、本発明は、例えば、金属膜成膜装置やCMP装置等の種々のプロセスを行う装置に適用でき、また、シリコン基板やガラス基板等の種々の基板にも適用しうるものである。
【0089】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、基板上に形成された導電性の薄膜の膜厚を効率良く、しかも安価で測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の概略全体構成図
【図2】本発明のインダクタンスブリッジを説明する回路図
【図3】本実施形態の測定コイルと基準コイルの相対的な位置関係を説明するための図
【図4】本発明の一実施形態のアーム先端部付近を説明する断面図
【図5】本発明の一実施形態のアーム先端部付近を説明する側面図
【図6】本発明の一実施形態の回路構成を説明する図
【図7】本発明の一実施形態に係るレーザセンサとコイル保持部との位置関係を説明する断面図
【図8】本発明の他の実施形態の概略全体構成図
【図9】本発明の他の実施形態のアーム先端部付近を説明する断面図
【図10】本発明の他の実施形態のアーム先端部付近を説明する側面図
【図11】本発明の他の実施形態のセンサ保持部を説明する断面図
【図12】本発明の測定原理を説明するグラフ
【符号の説明】
1…膜厚測定装置 11…測定コイル (インダクタンス素子) 12…基準コイル(インダクタンス素子) 14、15…抵抗素子 25…プリアンプ 50…基板(測定対象) 52…導電膜 61…回路保持部 81…コイル保持部 78…ケーブル(導線)
Claims (6)
- 互いに直列接続された二個のインダクタンス素子と、
前記二個のインダクタンス素子を保持するコイル保持部と、
互いに直列接続された二個の抵抗素子と、
前記インダクタンス素子の直列接続回路と、前記抵抗素子の直列接続回路とが並列に接続されて構成されるインダクタンスブリッジの出力信号を増幅するプリアンプと、
少なくとも前記プリアンプを保持する回路保持部とを有し、前記出力信号から測定対象の膜厚を求める膜厚測定装置であって、
前記一方のインダクタンス素子は測定コイルとして、他方のインダクタンス素子よりも前記測定対象に対して近い位置で前記コイル保持部に保持され、
前記測定コイルである前記インダクタンス素子が前記測定対象に渦電流を形成して前記出力信号を発生させ、
前記コイル保持部と前記回路保持部とは互いに固定され、
前記測定コイルである前記インダクタンス素子の一端は、前記測定対象との間にドーナツ状の平行平板コンデンサを構成させるリング状の中心電極の穴から前記測定対象に面するように配置され、
前記平行平板コンデンサを構成する部分の前記測定対象に前記渦電流が流れるように構成され、
前記中心電極と前記測定対象との間の電極間距離が、前記平行平板コンデンサの容量値と流れる電流と測定される電圧とから求められ、
求められた前記電極間距離から、前記測定対象と前記測定コイルである前記インダクタンス素子とが相対的に移動されてその間が所定距離にされて前記出力信号が生成される膜厚測定装置。 - 前記出力信号と、前記中心電極と前記測定対象との間に形成されるドーナツ状の平行平板コンデンサの容量値と流れる電流と測定される電圧とから、前記膜厚が求められる請求項1記載の膜厚測定装置。
- 互いに直列接続された二個のインダクタンス素子と、
前記二個のインダクタンス素子を保持するコイル保持部と、
互いに直列接続された二個の抵抗素子と、
前記インダクタンス素子の直列接続回路と、前記抵抗素子の直列接続回路とが並列に接続されて構成されるインダクタンスブリッジの出力信号を増幅するプリアンプと、
少なくとも前記プリアンプを保持する回路保持部とを有し、前記出力信号から測定対象の膜厚を求める膜厚測定装置であって、
前記一方のインダクタンス素子は測定コイルとして、他方のインダクタンス素子よりも前記測定対象に対して近い位置で前記コイル保持部に保持され、
前記測定コイルである前記インダクタンス素子が前記測定対象に渦電流を形成して前記出力信号を発生させ、
前記コイル保持部と前記回路保持部とは互いに固定され、
前記測定コイルである前記インダクタンス素子の一端は、前記測定対象との間にドーナツ状の平行平板コンデンサを構成させるリング状の中心電極の穴から前記測定対象に面するように配置され、
前記平行平板コンデンサを構成する部分の前記測定対象に前記渦電流が流れるように構成され、
前記回路保持部は、前記二個の抵抗素子を保持するように構成され、
前記二個のインダクタンス素子の直列接続回路と、前記二個の抵抗素子の直列接続回路とを接続する導線の長さは、10cm以下であるように構成されたことを特徴とする膜厚測定装置。 - 前記プリアンプの入力端子は、前記二個のインダクタンス素子の接続中点又は前記二個の抵抗素子の接続中点のいずれか一方又は両方に接続されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の膜厚測定装置。
- 互いに直列接続された二個のインダクタンス素子と、
前記二個のインダクタンス素子を保持するコイル保持部と、
互いに直列接続された二個の抵抗素子と、
前記インダクタンス素子の直列接続回路と、前記抵抗素子の直列接続回路とが並列に接続されて構成されるインダクタンスブリッジの出力信号を増幅するプリアンプと、
少なくとも前記プリアンプを保持する回路保持部とを有し、前記出力信号から測定対象の膜厚を求める膜厚測定装置であって、
前記一方のインダクタンス素子は測定コイルとして、他方のインダクタンス素子よりも前記測定対象に対して近い位置で前記コイル保持部に保持され、
前記測定コイルである前記インダクタンス素子が前記測定対象に渦電流を形成して前記出力信号を発生させ、
前記コイル保持部と前記回路保持部とは互いに固定され、
前記測定コイルである前記インダクタンス素子の一端は、前記測定対象との間にドーナツ状の平行平板コンデンサを構成させるリング状の中心電極の穴から前記測定対象に面するように配置され、
前記平行平板コンデンサを構成する部分の前記測定対象に前記渦電流が流れるように構成され、
前記プリアンプの入力端子は、前記二個のインダクタンス素子の接続中点又は前記二個の抵抗素子の接続中点のいずれか一方又は両方に接続され、
前記二個のインダクタンス素子の直列接続回路と、前記二個の抵抗素子の直列接続回路とを接続する導線の長さは、10cm以下であるように構成されたことを特徴とする膜厚測定装置。 - 前記回路保持部は、前記二個の抵抗素子を保持するように構成された請求項5記載の膜厚測定装置。
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