JP2004012435A - 膜厚測定方法および膜厚測定装置 - Google Patents

膜厚測定方法および膜厚測定装置 Download PDF

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秦  直己
Kenta Hayashi
林  謙太
Masahiko Soeda
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Abstract

【課題】非破壊、非接触かつ高精度に、導体上に塗布された絶縁体膜の膜厚を測定できる膜厚測定方法を提供する。同時に、そのような膜厚測定方法を実施できる膜厚測定装置を提供する。
【解決手段】順に、(a)絶縁体膜の表面位置もしくは導体の表面位置を測定可能な変位計を使用して、変位計により絶縁体膜の表面の位置もしくは導体の表面の位置を測定する表面位置測定ステップと、(b)測定された表面と静電容量センサとの距離が、所定の一定値になり、且つ、静電容量センサが絶縁体膜の表面よりはなれるように調整して、静電容量センサにて、導体と静電容量センサ間の静電容量の測定を行なう静電容量測定ステップと、(c)あらかじめ用意していた、前記測定した表面と静電容量センサとの距離が所定の一定値における静電容量センサの出力と膜厚との関係を表す、静電容量センサ出力−膜厚関係データにより、静電容量センサの出力を膜厚に換算する膜厚換算ステップとを行なう。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導体上に配設された絶縁体膜の膜厚を、非破壊、非接触で測定する膜厚測定方法と、該膜厚測定方法を実施するための膜厚測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、膜厚の測定方法には、膜材質や基材の材質、サイズ、膜厚の測定レンジ、測定環境、測定時間等の違いにより、様々ものが存在する。
例としては、光の干渉や吸収を利用したもの、X線やβ線を利用したもの、あるいは、変位計を利用したもの等がある。
コーティングの技術の発達に伴ない、膜や基材の種類も多岐にわたるようになり、品質に対する要求もますます高いものとなっているため、要求される精度で膜厚を測定するためには様々な測定方式の中から最適なものを選択する必要がある。
【0003】
また、工場ラインで、基材に塗布した直後のウェット状態の膜を、非破壊、非接触で測定し、塗布工程にフィードバックすることは、コーティング品質の安定とロスの低減につながることがある。
そのため、非破壊、非接触かつインライン測定可能で、測定時間の短い測定方法を採用することは大変重要である。
【0004】
コーティング膜を非接触に、膜厚を測定する方法としては、一般に、▲1▼光の干渉や吸収を利用したもの、▲2▼X線やβ線を用いたもの、▲3▼変位計を利用したもの、▲4▼静電容量センサを利用したものものが知られている。
▲1▼光の干渉や吸収を利用したものは、測定対象の膜が光を通過することが必須であり、不透明な膜の厚さを測定することはできない。
測定レンジも、光の波長により数μm以下に制限される。
▲2▼X線やβ線を用いたものは、金属めっき膜厚の測定に多く用いられるが、非金属の膜厚あるいは金属膜でも基材の材質との組み合せによっては測定不可能な場合が多い。
また、センサヘッドが大きく、測定時間も数10秒必要なため、インラインには適さない。
測定レンジについても、光同様数μm以下であることがほとんどである。
▲3▼変位計を利用したものは、塗布前後の表面の変位の差を求めるものや、塗布後に、膜の一部を剥離し周囲との段差を測定する方法である。
そのため、インラインの非破壊検査に使用することは難しい。
また、変位計とワークとの間の距離を測定するため、ワークおよび変位計自身の上下動の影響を受け易いという問題がある。
【0005】
近年、各種ディスプレイ製品が各種機器の表示部として、益々多量に用いられるようになってきたが、これら製品の作製においては、導体上に配設された、絶縁体膜の膜厚を正確に測定したい場合が多々ある。
特に、製造工程中、インラインで測定したい場合がある。
図4(a)に示すように、膜が絶縁体422で、基材が導体421の場合、絶縁体膜422表面の変位が測定可能な変位センサ(例:レーザー変位計)412と、膜に影響されずにセンサと基材である導体421間の距離が測定可能な変位センサ(例:渦電流式変位計)411を利用すれば、絶縁膜422膜厚測定が可能であるが、絶縁膜の表面状態により、センサと絶縁膜の距離を精度良く測定することが困難であったり、また、基材の導体421の材質によりセンサと基材である導体421間の距離も同様に測定困難なため、このような変位計を2種類使用する方式は、適用不能であることが多い。
尚、図4(a)中、G1、G2はギャップを表す。
【0006】
導体上に塗布された絶縁体膜であれば、▲4▼静電容量センサを利用したものものも膜厚測定に使用可能である。
ここで、従来知られている、静電容量センサを用いた導電体上の絶縁体膜の膜厚測定について、簡単に説明しておく。
静電容量センサによる膜厚測定の模式図を図4(b)、図4(c)に示す。
しかし、絶縁体膜表面とセンサ間あるいは、基材である導体とセンサ間の距離が、絶縁体膜の膜厚測定時に毎回一定でないと、静電容量センサの測定を正しく絶縁体膜の膜厚に換算できない。
そのため、図4(b)による絶縁体膜422の膜厚測定は、測定対象物(以下、ワークとも言う)の上下位置決め精度のばらつきおよび基材のたわみに弱い。
また、高い測定精度を求めると測定レンジの狭いセンサを使用する必要がある。
そのため、上下位置のばらつきおよびたわみの量によっては、精度が得られないばかりか、測定範囲から外れ、最悪の場合には、センサとワークが接触することもありえる。
図4(c)による測定方法は、絶縁体膜422の膜表面とセンサ414間あるいは基材である導体421とセンサ415間の距離のばらつきによる測定値のばらつきはないものの、ワーク420下側は、基材である導体421が露出している必要がある。
ワーク下側露出面が導体でない、図4(d)のような場合、絶縁体膜の厚さによっては測定レンジからはずれてしまい、この方法では計測不能となる。
また、絶縁体基材423の厚みのばらつきの影響も受け、図4(b)や図4(c)の測定方法に比べて測定精度が低下する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、導体上に塗布された絶縁体膜の膜厚を、非破壊、非接触かつ高精度に測定するには、種々問題があり、その対応が求められていた。
本発明は、これに対応するもので、非破壊、非接触かつ高精度に、導体上に塗布された絶縁体膜の膜厚を測定できる膜厚測定方法を提供しようとするものである。
同時に、そのような膜厚測定方法を実施できる膜厚測定装置を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の膜厚測定方法は、導体上に配設された絶縁体膜の膜厚を、非破壊、非接触で測定する膜厚測定方法であって、順に、(a)絶縁体膜の表面位置もしくは導体の表面位置を測定可能な変位計を使用して、変位計により絶縁体膜の表面の位置もしくは導体の表面の位置を測定する表面位置測定ステップと、(b)測定された表面と静電容量センサとの距離が、所定の一定値になり、且つ、静電容量センサが絶縁体膜の表面よりはなれるように調整して、静電容量センサにて、導体と静電容量センサ間の静電容量の測定を行なう静電容量測定ステップと、(c)あらかじめ用意していた、前記測定した表面と静電容量センサとの距離が所定の一定値における静電容量センサの出力と膜厚との関係を表す、静電容量センサ出力−膜厚関係データにより、静電容量センサの出力を膜厚に換算する膜厚換算ステップとを行なうことを特徴とするものである。
【0009】
本発明の膜厚測定装置は、導体上に配設された絶縁体膜の膜厚を、非破壊、非接触で測定する膜厚測定装置であって、絶縁体膜の表面位置もしくは導体の表面位置を測定可能な変位計と、それと導体表面間の静電容量を測定する(即ち、それと導体表面間にある絶縁体膜と空気層をあわせた静電容量を測定する)静電容量センサと、絶縁体膜の表面位置もしくは導体の表面位置からの静電容量センサ位置を制御する位置制御機構と、絶縁体膜の表面もしくは導体の表面と静電容量センサとの距離が、所定の一定値における静電容量センサの出力と膜厚との関係を表す、静電容量センサ出力−膜厚関係データベースとを備え、 変位計により、絶縁体膜の表面の位置もしくは導体の表面の位置を測定し、位置制御機構により、絶縁体膜の表面もしくは導体の表面と静電容量センサとの距離が、所定の一定値になり、且つ、静電容量センサが絶縁体膜の表面よりはなれるように調整して、静電容量センサにて、導体と静電容量センサ間の静電容量を測定し、(即ち、それと導体表面間にある絶縁体膜と空気層をあわせた静電容量を測定し、)更に、静電容量センサ出力−膜厚関係データベースを用い、測定された静電容量の値から、絶縁体膜の膜厚を導出するものであることを特徴とするものである。
【0010】
【作用】
本発明の膜厚測定方法は、このような構成にすることにより、非破壊、非接触かつ高精度に、且つ、短時間に、導体上に塗布された絶縁体膜の膜厚を測定できる膜厚測定方法の提供を可能にしている。
即ち、非破壊、非接触で、基材のたわみや、測定時における基材の厚さ方向の位置決め精度のばらつきに影響されない膜厚測定を行なうことを可能としている。
具体的には、順に、(a)絶縁体膜の表面位置もしくは導体の表面位置を精度良く測定可能な変位計を使用して、変位計により絶縁体膜の表面の位置もしくは導体の表面の位置を測定する表面位置測定ステップと、(b)測定された表面と静電容量センサとの距離が、所定の一定値になり、且つ、静電容量センサが絶縁体膜の表面よりはなれるように調整して、静電容量センサにて、導体と静電容量センサ間の静電容量の測定を行なう、(即ち、それと導体表面間にある絶縁体膜と空気層をあわせた静電容量を測定する)静電容量測定ステップと、(c)あらかじめ用意していた、前記測定した表面と静電容量センサとの距離が所定の一定値における静電容量センサの出力と膜厚との関係を表す、静電容量センサ出力−膜厚関係データにより、静電容量センサの出力を膜厚に換算する膜厚換算ステップとを行なうことにより、これを達成している。
特に、基材のたわみや搬送精度のばらつきが大きくなる大型基板や剛性の低い基材上の絶縁膜の膜厚測定に有効である。
また、光学的な方法では測定不可能な、不透明な膜が測定可能となる。
尚、本発明では、短時間(数秒以内)での測定が可能であるが、X線、β線では、これらの条件を満たすのは難しい。
また、測定レンジは、絶縁体膜の誘電率に左右され、0〜数100μm更に数mmとなり、測定精度は0. 1μm〜1μmとなる。
本発明の膜厚測定方法は、厚さ10μm以上の膜を測定するときに有効である。
【0011】
本発明の膜厚測定装置は、このような構成にすることにより、非破壊、非接触かつ高精度に、且つ、短時間で、導体上に塗布された絶縁体膜の膜厚を測定できる膜厚測定装置の提供を可能にしている。
詳しくは、センサ部を上下に駆動する機構を有することにより、基材のたわみや搬送精度のばらつきに影響されない膜厚測定が可能となり、基材のたわみや搬送精度のばらつきが大きくなる大型基板や剛性の低い基材上の絶縁膜の膜厚測定に適用可能である。
勿論、光学的な方法では測定不可能な、不透明な膜が測定可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態例を、図に基づいて説明する。
図1は本発明の膜厚測定方法の実施の形態の第1の例、第2の例のフローを示した処理フロー図で、図2(a)は本発明の膜厚測定装置の実施の形態の1例の概略図で、図2(b)はセンサヘッドの先端の拡大断面図で、図2(c)は図2(b)のA0部を拡大して示した図で、図3(a)は第1の例の膜厚測定方法の場合の静電容量センサ出力と膜厚の関係データを示した図で、図3(b)は第2の例の膜厚測定方法の場合の静電容量センサ出力と膜厚の関係データを示した図で、図5はレーザを用いた変位計を説明するための図で、図6は渦電流変位計を説明するための図で、図7は静電容量センサの原理を説明するための図である。図2、図5〜図7において、10は制御部、20はデータ処理部、30はセンサヘッド、31は静電容量センサ、32はレーザ変位センサ、40はステージ、41は架台、43はグランド、45はバッファ、50はロボット、60はヘッド指示部、61は支持部、61aはレール、70は静電容量センサ出力−膜厚関係データベース、80は検査対象物、81は基材(ガラス基板)、82は導体、83は絶縁体膜、90はディスプレイ、500は変位計、510は半導体レーザ駆動回路、520は半導体レーザ(発光素子)、530は透光レンズ、540はレーザ光、545は反射光、550は受光レンズ、560は光位置検出素子(光センサー部)、570、575は信号増幅回路、580は試料、D0、D1、D2は試料面、S0、S1、S2は光位置検出素子(光センサー部)の光到達位置、610は高周波発振回路、620はコイル、630は高周波磁界、640は渦電流、680は検出体(導体)、710は静電容量センサ、720は導体、G0はギャップである。
また、図3中、SO11、SO21は静電容量センサの出力における空気層の寄与分、SO12、SO22は静電容量センサの出力における絶縁膜の寄与分である。
【0013】
はじめに、本発明の膜厚測定方法の実施の形態の第1の例を図1に基づいて説明する。
図1において、S10〜S17は処理ステップを示す。
第1の例の膜厚測定方法は、図1において、処理ステップS10、S11、S12、S13、S17の順に処理を行ない、導体上に配設された絶縁体膜の膜厚を、非破壊、非接触で測定する膜厚測定方法である。
先ず、絶縁体膜の表面位置を測定可能なレーザ変位計により、絶縁体膜の表面位置を測定する。(S10〜S11)
ここでは、この処理ステップを表面位置測定ステップと言う。
【0014】
レーザを用いた変位計(変位センサとも言う)としては、例えば、図5に示す三角測量式レーザ変位計が挙げられるが、この変位計500の変位測定原理を簡単に説明しておく。
この変位計500においては、透光レンズ530を介して試料580に照射された反射光が、試料580の面が基準位置D0にあるとき受光レンズ550を介して光位置検出素子560の基準の位置S0に到達するようになっており、且つ、試料580の面が基準位置D0からずれたD1位置にあるとき、これにともない、試料面D1からの反射光は、光位置検出素子560の基準の位置S0から所定の距離だけずれた位置S1へ到達するようになっており、同様に、試料580の面が基準位置D0からずれたD2位置にあるとき、これにともない、試料面D2からの反射光は、光位置検出素子560の基準の位置S0から所定の距離だけずれた位置S2へ到達するようになっている。
即ち、光位置検出素子における光到達位置と試料面の位置とが対応がとれるようになっている。
このため、光位置検出素子における光到達位置を検出することにより、試料面の位置を検出ができるものである。
【0015】
次いで、測定された絶縁体表面と静電容量センサとの距離が、所定の一定値になり、且つ、静電容量センサが絶縁体膜の表面よりはなれるように調整して、静電容量センサにて、導体と静電容量センサ間の静電容量の測定を行なう。(S12)
ここでは、この処理ステップを静電容量測定ステップと言う。
そして、測定により得られた静電容量センサ出力を、予めもとめておいた静電容量センサ出力−膜厚の関係データから、膜厚に換算し(S13)、絶縁体膜の膜厚を求める。(S17)
ここでは、この処理ステップ(S13)を膜厚換算ステップと言う。
【0016】
静電容量センサの測定とその出力の膜厚換算の仕方について、図7、図3に基づいて簡単に説明しておく。
図7に示す導体720と静電容量センサ710間の距離(ギャップとも言う)、静電容量、両者の対向面積、空気の誘電率を、それぞれG0、C、S、εとすると、
C=ε*S/G0
となり、面積が一定とすれは、距離G0は、静電容量Cに反比例することとなる。
リニアライザ(例えば、高精度演算回路)により、この距離G0の値に比例する電圧を出力とすることができる。
ここで、出力が上記G0の値に比例する静電容量センサを用いるとすると、図7に示す静電容量センサ710と導体720との間に、厚さtの絶縁体膜をおき、静電容量センサ710と絶縁体膜との距離を一定にすると、静電容量センサ710の出力は、絶縁体膜の厚さtに比例して増え、静電容量センサ710の出力は、図3(a)のように変化することとなるが、予め、このような関係の、静電容量センサ出力−膜厚の関係データを、試料等の実測により求めておく。
尚、導体720と静電容量センサ710間の静電容量は、絶縁体膜の静電容量と導体720と静電容量センサ710間の大気の静電容量との和になり、絶縁体膜の静電容量は膜厚により静電容量が異なる。
そして、測定により得られた静電容量センサ出力を絶縁体の膜厚に換算する。
【0017】
次に、本発明の膜厚測定方法の実施の形態の第2の例を図1に基づいて説明する。
第2の例の膜厚測定方法は、図1において、処理ステップS10、S14、S15、S16、S17の順に処理を行ない、導体上に配設された絶縁体膜の膜厚を、非破壊、非接触で測定する膜厚測定方法である。
先ず、導体の表面位置を測定可能な渦電流変位計により、導体の表面位置を測定する。(S10〜S14)
ここでは、この処理ステップを表面位置測定ステップと言う。
【0018】
渦電流変位計(変位センサとも言う)の測定原理を以下、簡単に説明する。
図6に示すように、高周波発振回路610により高周波電流を流し、コイル620に高周波磁界630を発生させ、検出体(導体)680をコイル近くに置いた場合、発振状態が変化するが、渦電流変位計は、この磁界内の検出体(導体)680による発振状態の変化を利用たものである。
例えば、発振の振幅の変化と位相の変化を検出することにより、距離とほぼ比例した値が得られる。
そして、デジタル処理で、検出体(導体)680の材質に合せ、高精度リニアライズ補正を行ない、距離に比例した出力を得る。
これに限定はされない。
【0019】
次いで、測定された導体表面と静電容量センサとの距離が、所定の一定値になり、且つ、静電容量センサが絶縁体膜の表面よりはなれるように調整して、静電容量センサにて、導体と静電容量センサ間の静電容量の測定を行なう。(S15)
ここでは、この処理ステップを静電容量測定ステップと言う。
そして、測定により得られた静電容量センサ出力を、予めもとめておいた静電容量センサ出力−膜厚の関係データから、膜厚に換算し(S16)、絶縁体膜の膜厚を求める。(S17)
ここでは、この処理ステップ(S16)を膜厚換算ステップと言う。
第2の例の場合、静電容量センサ出力−膜厚の関係は、図3(b)のように変化することとなるが、予め、このような関係の、静電容量センサ出力−膜厚の関係データを、試料等の実測により求めておく。
そして、測定により得られた静電容量センサ出力を絶縁体の膜厚に換算する。
【0020】
次に、本発明の膜厚測定装置の実施の形態の第1の例を、図2に基づいて説明する。
第1の例は、導体上に配設された絶縁体膜の膜厚を、非破壊、非接触で測定するための膜厚測定装置で、図1に示す第1の例の膜厚測定方法(処理ステップS10、S11、S12、S13、S17)を実施するための膜厚測定装置である。
そして、絶縁体膜の表面位置を測定可能するためのレーザ変位計32と、それと導体表面間との静電容量を測定する静電容量センサ31と、絶縁体膜の表面位置からの静電容量センサ位置を制御する位置制御機構と、絶縁体膜の表面と静電容量センサとの距離が、所定の一定値における静電容量センサの出力と膜厚との関係を表す、静電容量センサ出力−膜厚関係データベース70とを備えており、変位センサ32により、絶縁体膜(図2(c)の83に相当)の表面の位置を測定し、位置制御機構により、絶縁体膜83の表面と静電容量センサ(図2の31)との距離が、所定の一定値になり、且つ、静電容量センサ31が絶縁体膜83の表面よりはなれるように調整して、静電容量センサ31にて、導体と静電容量センサ間の静電容量を測定し、更に、静電容量センサ出力−膜厚関係データベース70の静電容量センサ出力−膜厚関係データから、測定された静電容量の値から、絶縁体膜83の膜厚を導出するものである。
【0021】
尚、絶縁体膜の表面位置からの静電容量センサ位置を制御する位置制御機構は、ヘッド支持部60に支持され、図2のZ方向にセンサヘッド30を制御して移動させるもので、図2では、はっきりとは図示してはいないが、センサヘッドのZ方向駆動部と、この動作を管理する制御部10等からなる。
また、第1の例の膜厚測定装置においては、ヘッド支持部60は、センサヘッド30とともに、支持部61に沿いX方向に制御されて移動でき、支持部61は、ヘッド支持部60、センサヘッド30とともに、レール61aに沿いY方向に制御されて移動できる。
結局、第1の例の膜厚測定装置においては、センサヘッド30は、X、Y、Zの各方向に移動できるものである。
【0022】
静電容量センサ出力−膜厚関係データベース70は、静電容量センサ出力−膜厚関係データを蓄積したもので、本例においては、図3(a)に示すような特性のデータを用いる。
データ処理部20は、静電容量センサ30の出力値を得て、これを静電容量センサ出力−膜厚関係データベース70の静電容量センサ出力−膜厚関係データから絶縁体膜83の厚さに換算する処理を行なうものである。
ロボット50はバッファ45と架台41との間での検査対象物80の受け渡しを行なうものである。
架台41は、その上に検査対象物80を載せ、Y方向制御移動ステージ40のY方向移動により、Y方向に制御して移動できるものである。
バッファ45は、検査対象物80を、ステージ40の架台41上に置く際、あるいは、架台41から取り出す際の、検査対象物80の一時置き場となるものである。
ディスプレイ90は、検査結果や条件を表示するためのものである。
制御部10は、各部を関連付けて制御するものである。
尚、ここでは図示していないが、本例では、パソコン等の入力装置を配設しており、これにより、予め、測定条件等を決めておく。
尚、第1の例においては、検査対象物80の端部に導体82が露出している箇所に導体のコンタクトピンなどを接触させ、導体のグランド43をとっているが、接地方法はこれに限定されない。
【0023】
ここで、第1の例の膜厚測定装置の動作の1例を、簡単に、説明しておく。
先ず、ステージ40を所定の位置にして、バッファ45からステージ40の架台41上に検査対象物80を、ロボット50を用いて載置する。
次いで、架台41を検査時の位置に移動する。
次いで、膜厚測定の位置に、ヘッド支持部60とともにセンサヘッド30をX、Y移動させる。
次いで、センサヘッドをZ方向所定の位置にして、レーザ変位計32により、絶縁体膜83の表面位置を検出し、静電容量センサ31の測定面が絶縁体膜83の表面位置から決められた所定の距離L0となるZ方向位置にセンサヘッド位置を調整する。
次いで、静電容量センサ31にて、導体82と静電容量センサ31間(図2(c)の点線矢印間)の静電容量の測定を行なう。
次いで、あらかじめ用意していた、前記絶縁体膜83の表面と静電容量センサとの距離が所定の一定値L0における、静電容量センサの出力と膜厚との関係を表す、静電容量センサ出力−膜厚関係データにより、静電容量センサの出力を膜厚に換算して、絶縁体膜83の膜厚を得る。
同様に、必要な測定点における測定を終えた後、センサヘッド30をZ方向所定の位置に戻し、架台41を所定の位置まで移動し、測定済の検査対象物80を、ロボット50を用いて、架台41からバッファ45へと移動する。
尚、絶縁体膜83の測定原理や、静電容量センサ出力−膜厚関係データを用いた静電容量センサの出力の膜厚への換算方法については、先に述べたので、ここでは、説明を省く。
【0024】
次に、本発明の膜厚測定装置の実施の形態の第2の例を挙げる。
第2の例は、第1の例と同様、導体上に配設された絶縁体膜の膜厚を、非破壊、非接触で測定するための膜厚測定装置で、図1に示す第2の例の膜厚測定方法(処理ステップS10、S14、S15、S16、S17)を実施するための膜厚測定装置である。
第2の例は、図2に示す第1の例の膜厚測定装置において、レーザ変位計32に代え、渦電流変位計を用いたもので、且つ、図3(b)に示す特性の静電容量センサ出力−膜厚関係データを蓄積したデータベース用いるもので、他の各部については、第1の例と同じである。
第2の例の場合は、レーザ変位計32の絶縁体膜83の表面位置測定に代え、導体82の表面位置測定を行い、静電容量センサ31と導体82の表面間の距離を、所定の距離にして、静電容量センサ31と導体82の表面間の静電容量を測定する。
そして、静電容量センサ31と導体82の表面間の静電容量の測定出力を基に、図3(b)に示す特性の静電容量センサ出力−膜厚関係データから出力を膜厚へ換算する。
上記膜厚測定動作以外は、基本的に第1の例と同様で、ここでは、説明を省く。
【0025】
【発明の効果】
本発明は、上記のように、非破壊、非接触かつ高精度に、導体上に塗布された絶縁体膜の膜厚を測定できる膜厚測定方法の提供を可能とした。
同時に、そのような膜厚測定方法を実施できる膜厚測定装置の提供を可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の膜厚測定方法の実施の形態の第1の例、第2の例のフローを示した処理フロー図である。
【図2】図2(a)は本発明の膜厚測定装置の実施の形態の1例の概略図で、図2(b)はセンサヘッドの先端の拡大断面図で、図2(c)は図2(b)のA0部を拡大して示した図である。
【図3】図3(a)は第1の例の膜厚測定方法の場合の静電容量センサ出力と膜厚の関係データを示した図で、図3(b)は第2の例の膜厚測定方法の場合の静電容量センサ出力と膜厚の関係データを示した図である。
【図4】各種膜厚測定方法を示した図である。
【図5】レーザを用いた変位計を説明するための図である。
【図6】渦電流変位計を説明するための図である。
【図7】静電容量センサの原理を説明するための図である。
【符号の説明】
10        制御部
20        データ処理部
30        センサヘッド
31        静電容量センサ
32        レーザ変位センサ
40        ステージ
41        架台
43        グランド
45        バッファ
50        ロボット
60        ヘッド支持部
61        支持部
61a       レール
70        静電容量センサ出力−膜厚関係データベース
80        検査対象物
81        基材(ガラス基板)
82        導体
83        絶縁体膜
90        ディスプレイ
410       センサヘッド
411       変位センサ
412       変位センサ
413〜415   静電容量センサ
420、420A  検査対象物
421       導体
422       絶縁体膜
423       絶縁体基材
500       変位計
510       半導体レーザ駆動回路
520       半導体レーザ(発光素子)
530       透光レンズ
540       レーザ光
545       反射光
550       受光レンズ
560       光位置検出素子(光センサー部)
570、575   信号増幅回路
580       試料
D0、D1、D2  試料面
S0、S1、S2  光位置検出素子(光センサー部)の光到達位置
610       高周波発振回路
620       コイル
630       高周波磁界
640       渦電流
680       検出体(導体)
710       静電容量センサ
720       導体
G0        ギャップ
SO11、SO21 静電容量センサの出力における空気層の寄与分
SO12、SO22 静電容量センサの出力における絶縁膜の寄与分

Claims (2)

  1. 導体上に配設された絶縁体膜の膜厚を、非破壊、非接触で測定する膜厚測定方法であって、順に、(a)絶縁体膜の表面位置もしくは導体の表面位置を測定可能な変位計を使用して、変位計により絶縁体膜の表面の位置もしくは導体の表面の位置を測定する表面位置測定ステップと、(b)測定された表面と静電容量センサとの距離が、所定の一定値になり、且つ、静電容量センサが絶縁体膜の表面よりはなれるように調整して、静電容量センサにて、導体と静電容量センサ間の静電容量の測定を行なう静電容量測定ステップと、(c)あらかじめ用意していた、前記測定した表面と静電容量センサとの距離が所定の一定値における静電容量センサの出力と膜厚との関係を表す、静電容量センサ出力−膜厚関係データにより、静電容量センサの出力を膜厚に換算する膜厚換算ステップとを行なうことを特徴とする膜厚測定方法。
  2. 導体上に配設された絶縁体膜の膜厚を、非破壊、非接触で測定する膜厚測定装置であって、絶縁体膜の表面位置もしくは導体の表面位置を測定可能な変位計と、それと導体表面間の静電容量を測定する静電容量センサと、絶縁体膜の表面位置もしくは導体の表面位置からの静電容量センサ位置を制御する位置制御機構と、絶縁体膜の表面もしくは導体の表面と静電容量センサとの距離が、所定の一定値における静電容量センサの出力と膜厚との関係を表す、静電容量センサ出力−膜厚関係データベースとを備え、 変位計により、絶縁体膜の表面の位置もしくは導体の表面の位置を測定し、位置制御機構により、絶縁体膜の表面もしくは導体の表面と静電容量センサとの距離が、所定の一定値になり、且つ、静電容量センサが絶縁体膜の表面よりはなれるように調整して、静電容量センサにて、導体と静電容量センサ間の静電容量を測定し、更に、静電容量センサ出力−膜厚関係データベースを用い、測定された静電容量の値から、絶縁体膜の膜厚を導出するものであることを特徴とする膜厚測定装置。
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