JP4513554B2 - データ処理端末,データ処理端末のデータ管理方法及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Description
また、BHTでは、読み取ったバーコードデータやホストなどの外部装置より送信されたデータを電源が遮断された場合も記憶保持しておくために、フラッシュメモリなどの不揮発性の記憶手段を備えている。そして、BHTがホストと通信を行うために備えている通信インターフェイスとしてはRS−232Cなどの低速なシリアル通信が多いが、最近は例えば無線LANなどの高速な通信インターフェイスを備えて、大容量のデータを短時間内に転送する場合もある。
例えば、特許文献1には、BHTに使用されるフラッシュメモリについて最適化処理を行うタイミングを、ユーザに対して処理が停滞したかのような印象を与えることなく実行させるようにした技術が開示されている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高速で揮発性の記憶デバイスと低速で不揮発性の記憶デバイスとを併用する場合に、データを記憶保持するため必要なデータ転送処理を、ユーザに使用感の低下を感じさせることなく実行させることができるデータ処理端末,及びそのデータ処理端末のデータ管理方法,並びに前記データ処理端末を構成するCPUによって実行されるコンピュータプログラムを提供することにある。
ここで、「特定の条件」とは、例えば、ユーザがデータ処理端末に対して操作を行っていない状態が所定期間継続したことを示すものや、ユーザの操作に対して即時に応答を返す必要がない状態、又は、高速記憶デバイス上のデータを低速記憶デバイス側に緊急に転送する必要がある状態などを示すものである。従って、ユーザがデータ処理端末を操作した場合にデータ転送処理が行われていることで当該操作に対する応答が遅れてしまい、処理が滞る感じをユーザに対して与えることを極力回避でき、良好な使用感を与えることができる。
そして、記憶デバイスのファイルシステムはファイルデータを単位ブロック毎に管理し、CPUは、データ転送処理の実行中に他の優先順位が高い処理要求が発生した場合は、その時点に転送中となっている単位ブロックの転送が完了するまで転送処理を継続し、前記単位ブロックの転送が完了すると前記処理要求を実行する。従って、転送処理が任意の時点で中断することがなく、他の処理が割り込んだ結果、転送処理が中断しても未転送のデータ量と転送後のデータ量とは単位ブロック毎になるので、その後のデータ管理を容易に行うことができる。
以下、本発明を、バーコード(QRコード(登録商標)などの2次元コードを含んでいても良い)を光学的に読取るバーコードハンディターミナル(BHT)に適用した場合の第1実施例について、図1乃至図4を参照して説明する。図4は、本実施例のBHT(データ処理端末)1を中心とする電気的構成の概略を示す機能ブロック図である。この図4に示すように、BHT1は、CPU2を中心に構成されている。
CPU2には、受光センサを備えて構成された受光部3、LED等を備えて構成された照明部4、受光部3からの受光信号をAD変換部5を通じて受ける画像メモリ部6、外部装置たるパーソナルコンピュータ(PC,パソコン)15との間でデータを送受信するための高速通信インターフェイス(I/F)部7F,低速通信インターフェイス(I/F)部7S、メモリ部8、液晶ディスプレイ等からなる表示部9、各種の操作キーを備えてなる操作部10などが接続されている。
また、BHT1内には、CPU2などにバッテリ(電池)16の電源を供給するための電源部14が設けられている。電源部14は、バッテリ16の電圧も監視しており、その電圧が低下した場合には、CPU2に対して残容量低下検出信号を出力するようになっている。
(1)ユーザによってBHT1が操作されない期間が所定期間に達したため、
CPU2がスリープモードに移行する場合
(2)或いは、CPU2がスリープモードに移行した時点から、更に無操作期間が継続
したため、BHT1の電源をOFFする場合(所謂オートパワーOFF機能)
(3)ユーザの操作によってBHT1のパワーOFFが行われる場合
(4)アプリケーションプログラムにおいて使用される特定のステートメント
(例えば、マスタファイルのダウンロード)を実行する場合
等である。
また、(4)のケースについては、マスタファイルの容量が比較的大きいため、ホストたるパソコン15側よりBHT1へのダウンロードには相当の時間を要することが予めユーザにも認識されている(特許文献1参照)。従って、そのダウンロードに付随してデータ転送処理を行なったとしても、ユーザが処理停滞感を感じる可能性は低い。
CPU2は、1つの単位ブロックの転送が終了した時点で(ステップS12,「YES」)処理要求フラグがセットされているか否かを判断し(ステップS15)、当該フラグがセットされていなければ(「NO」)全ての未転送データの転送が完了したか否かを判断する(ステップS16)。そして、転送が完了していなければ(「NO」)ステップS11に戻り、次の単位ブロックの転送を開始する。
また、データ転送を起動するイベントを、(1)CPU2がスリープモードに移行する場合、(2)BHT1をオートパワーOFFする場合、(3)ユーザの操作によってBHT1のパワーOFFが行われる場合、(4)アプリケーションプログラムで特定のステートメント実行する場合の何れかとしたので、これらの何れかが成立した場合にデータ転送を実行すれば、ユーザの使用感の低下を確実に防止することができる。
更に、CPU2は、データ転送処理の実行中に他の優先順位が高い処理要求が発生したことで当該転送処理を中断させる場合は、要求された処理の実行が完了した後、中断させた転送処理を再開するので、データ転送処理が不完全な状態で中断することがない。また、優先順位が同等以下の処理要求の場合は、データ転送処理が完了した後に要求された処理を実行するので、各処理について設定されている優先順位に基づいて適切に処理を行なうことができる。
図5は本発明の第2実施例である。第2実施例は、図1に示すフローチャートのステップS3において転送起動イベントを発生させるケースの一例であり、CPU2のスリープモードへの移行、及びBHT1のオートパワーOFF処理を示すものである。図5のフローチャートは第2実施例の要旨に係る部分のみを示しており、CPU2が図1に示す処理と並行して処理を行なっている。
ステップS37において一定時間が経過する前に処理要求が発生すると(ステップS36,「YES」)、CPU2はウェイクアップして(ステップS39)ステップS33に移行する。また、ステップS37において更に一定時間が経過した場合は(「YES」)、BHT1自体のパワーOFF処理を行ない、CPU2に対する電源供給も停止させる(ステップS38)。この場合は、いわゆる「オートパワーOFF」処理となる。
図6は本発明の第3実施例である。第3実施例は、第2実施例と同様に図1に示すフローチャートのステップS3において転送起動イベントを発生させるケースの一例であり、ユーザの操作によってBHT1のパワーOFF処理が行なわれる場合を示すものである。即ち、ユーザがBHT1の操作部10におけるパワースイッチをOFF操作すると、CPU2は、先ず、第2実施例におけるステップS34と同様に転送起動イベントを発生させる(ステップS41)。それから、表示部9に、パワーOFF処理中であることを示すメッセージ[PW−OFF処理中]を表示させる(ステップS42)。
それから、CPU2は、第1,第2実施例と同様に、RAM12上に未転送データが存在する場合はデータ転送処理を開始する。そして、転送処理が終了若しくは処理不履行の場合は、表示部9の表示をOFFさせた後(ステップS43)、ステップS38と同様にBHT1次体のパワーOFF処理を行なう(ステップS44)。
図7及び図8は本発明の第4実施例を示すものである。図7は、第1実施例における図1相当図であるが、CPU2は、ステップS4の実行後に、RAM12に記憶させるデータの内容(属性)に応じて転送の優先順位を設定する(ステップS23)。図8は、RAM12に記憶されるデータイメージの一例を示すものである。RAM12に記憶されるデータとしては、例えば、(A)ユーザプログラム、(B)ユーザデータ(読取り専用)、(C)ユーザデータ(読み書き可能)などがある。
そして、例えば図8に示すように、各データ(A),(B),(C)に対して、転送優先順位「3」,「2」,「1」を設定する(この場合、数字が小さいほど順位が高い)。この優先順位は、例えばユーザにとって必要性が高い情報ほど順位が高くなるように設定する。
以上のように第4実施例によれば、CPU2によるRAMファイルシステムは、RAM12に記憶させる受信データにその属性に応じた優先順位を設定し、CPU2は、設定されている優先順位に応じてデータ転送を行なうようにした。従って、転送起動イベントが発生した場合は、優先度の高いデータからフラッシュメモリ13側に転送が行なわれるので、重要性が高いデータが記憶保持される確率を高めることができる。
図9は、本発明の第5実施例を示すものである。図9は、第1実施例の図2相当図であり、CPU2は、ステップS12において「YES」と判断すると、ステップS3で発生した転送起動イベントが、データ転送処理を緊急に行なう必要があることを示すものであるか否かを判断する(ステップS25)。ここで、データ転送処理を緊急に行なう必要がある場合とは、例えば、電源部14がバッテリ16の残容量低下を検出した場合などである。即ち、バッテリ16の電圧が低下すると、RAM12に記憶されているデータのバックアップが確保されずに消失してしまうおそれがある。従って、未転送データは早急にフラッシュメモリ13側に転送する必要がある。
以上のように第5実施例によれば、CPU2は、発生した転送起動イベントが電池16の残容量低下である場合は、他の処理要求が発生してもデータ転送処理を優先して完了させ、当該転送処理が完了した後に他の処理要求を実行するので、RAM12上に存在するデータが失われる可能性が極めて高い場合にデータ転送処理を優先実行することで、データの記憶保持を確実に行うことができる。
データ転送処理にDMA(Direct Memory Access)コントローラを使用しても良い。尚、DMA転送の途中において、図2に示すように転送を中断させる必要がある場合は、DMAをコントロールする制御ソフトにいわゆる「トランザクション性」を有する形で実装すれば良い。
第1実施例において例示した転送起動イベント(1)〜(4)は、何れか1つであっても、また、個別のアプリケーションに応じて必要となるものを適宜組み合わせて採用しても良い。
図2において、ステップS17,S18,S21,S22を削除し、優先順位を考慮することなく、転送処理中に発生した処理要求は、1つの単位ブロックの転送が終了した時点で逐次実行するようにしても良い。
第2実施例の図5において、転送起動イベントを発生させる処理ステップは、ステップS38の直前に配置しても良い。この場合、データ転送処理を実行するにはCPU2を一旦ウェイクアップさせる必要がある。また、ステップS34の時点と双方で転送起動イベントを発生させても良い。
第4実施例において、RAM12上のデータに内容に応じて転送優先順位を設定することに替えて、各データの転送を行うタイミング、即ち、特定の転送起動イベントが発生した場合に転送を行うようにしても良い。その場合、ステップS23における処理を「データ内容に応じて転送起動イベントを設定」として、ステップS24における処理を「RAM上のデータを、発生した転送起動イベントに応じてフラッシュメモリに転送」とすれば良い。例えば、第4実施例における転送優先順位が高いデータには、発生頻度が比較的高い起動イベントを割り当てるようにする。斯様に構成すれば、発生した起動イベントに応じて転送するのに最適なデータをフラッシュメモリ13側に転送させて記憶保持させることができる。
BHT1に限ることなく、電池駆動され、CPUが外部との間で通信を行うと共にデータ処理を行なうように構成されるデータ処理端末であれば広く適用が可能である。
Claims (15)
- 電池駆動され、CPUが外部との間で通信を行うと共にデータ処理を行なうように構成されるデータ処理端末において、
高速通信インターフェイスを介して受信したデータを、前記CPUが高速で且つ揮発性の記憶デバイスに記憶させるための高速デバイスファイルシステムと、
低速通信インターフェイスを介して受信したデータを、前記CPUが低速で且つ不揮発性の記憶デバイスに記憶させるための低速デバイスファイルシステムとを備え、
前記ファイルシステムは、ファイルデータを所定容量の単位ブロック毎に管理するように構成され、
前記CPUは、予め定めた特定の条件が成立した場合に前記高速記憶デバイス側に未転送データが存在する場合は、当該高速記憶デバイス側より前記低速記憶デバイス側に対するデータ転送処理を実行し、前記データ転送処理の実行中に他の優先順位が高い処理要求が発生した場合は、その時点に転送中である単位ブロックの転送が完了するまで転送処理を継続し、前記単位ブロックの転送が完了すると前記処理要求を実行することを特徴とするデータ処理端末。 - 前記特定の条件は、前記CPUに対する特定の処理要求の発生、前記CPUに対する処理要求が一定時間発生しない場合、電源遮断処理要求の発生、前記電池の残容量低下の何れかであることを特徴とする請求項1記載のデータ処理端末。
- 前記CPUは、前記データ転送処理の実行中に他の優先順位が高い処理要求が発生したことで当該転送処理を中断させる場合は、前記要求された処理の実行が完了した後、中断させた転送処理を再開することを特徴とする請求項1又は2記載のデータ処理端末。
- 前記CPUは、成立した特定条件が前記電池の残容量低下である場合は、前記他の処理要求が発生しても前記データ転送処理を優先して完了させ、当該転送処理が完了した後に前記他の処理要求を実行することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のデータ処理端末。
- 前記高速デバイスファイルシステムは、前記高速記憶デバイスに記憶させる受信データに、当該データの属性に応じて前記特定条件との対応付けを行い、
前記CPUは、成立した特定条件の種類に対応するデータを転送することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のデータ処理端末。 - CPUが外部との間で通信を行うと共にデータ処理を行なうもので、
高速通信インターフェイスを介して受信したデータを、前記CPUが高速で且つ揮発性の記憶デバイスに記憶させるための高速デバイスファイルシステムと、
低速通信インターフェイスを介して受信したデータを、前記CPUが低速で且つ不揮発性の記憶デバイスに記憶させるための低速デバイスファイルシステムとを備え、電池駆動されるデータ処理端末において前記CPUが行うデータ管理方法であって、
前記ファイルシステムは、ファイルデータを所定容量の単位ブロック毎に管理し、
予め定めた特定の条件が成立した場合に前記高速記憶デバイス側に未転送データが存在する場合は、当該高速記憶デバイス側より前記低速記憶デバイス側に対するデータ転送処理を実行し、前記データ転送処理の実行中に他の優先順位が高い処理要求が発生した場合は、その時点に転送中である単位ブロックの転送が完了するまで転送処理を継続し、前記単位ブロックの転送が完了すると前記処理要求を実行することを特徴とするデータ処理端末のデータ管理方法。 - 前記特定の条件は、前記CPUに対する特定の処理要求の発生、前記CPUに対する処理要求が一定時間発生しない場合、電源遮断処理要求の発生、前記電池の残容量低下の何れかであることを特徴とする請求項6記載のデータ処理端末のデータ管理方法。
- 前記CPUは、前記データ転送処理の実行中に他の優先順位が高い処理要求が発生したことで当該転送処理を中断させる場合は、前記要求された処理の実行が完了した後、中断させた転送処理を再開することを特徴とする請求項6又は7記載のデータ処理端末のデータ管理方法。
- 前記CPUは、成立した特定条件が前記電池の残容量低下である場合は、前記他の処理要求が発生しても前記データ転送処理を優先して完了させ、当該転送処理が完了した後に前記他の処理要求を実行することを特徴とする請求項6乃至8の何れかに記載のデータ処理端末のデータ管理方法。
- 前記高速デバイスファイルシステムは、前記高速記憶デバイスに記憶させる受信データに、当該データの属性に応じて前記特定条件との対応付けを行い、
前記CPUは、成立した特定条件の種類に対応するデータを転送することを特徴とする請求項6乃至9の何れかに記載のデータ処理端末のデータ管理方法。 - CPUが外部との間で通信を行うと共にデータ処理を行なうもので、
高速通信インターフェイスを介して受信したデータを、前記CPUが高速で且つ揮発性の記憶デバイスに記憶させるための高速デバイスファイルシステムと、
低速通信インターフェイスを介して受信したデータを、前記CPUが低速で且つ不揮発性の記憶デバイスに記憶させるための低速デバイスファイルシステムとを備え、電池駆動されるデータ処理端末において前記CPUによって実行されるプログラムであって、
前記ファイルシステムが、ファイルデータを所定容量毎に管理するための単位ブロック毎に取扱う場合に、
予め定めた特定の条件が成立した場合に前記高速記憶デバイス側に未転送データが存在する場合は、当該高速記憶デバイス側より前記低速記憶デバイス側に対するデータ転送処理を実行させ、前記データ転送処理の実行中に他の優先順位が高い処理要求が発生した場合は、その時点に転送中である単位ブロックの転送が完了するまで転送処理を継続させ、前記単位ブロックの転送が完了すると前記処理要求を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。 - 前記特定の条件は、前記CPUに対する特定の処理要求の発生、前記CPUに対する処理要求が一定時間発生しない場合、電源遮断処理要求の発生、前記電池の残容量低下の何れかであることを特徴とする請求項11記載のコンピュータプログラム。
- 前記データ転送処理の実行中に他の優先順位が高い処理要求が発生したことで当該転送処理を中断させる場合は、前記要求された処理の実行が完了した後、中断させた転送処理を再開させることを特徴とする請求項11又は12記載のコンピュータプログラム。
- 成立した特定条件が前記電池の残容量低下である場合は、前記他の処理要求が発生しても前記データ転送処理を優先して完了させ、当該転送処理が完了した後に前記他の処理要求を実行させることを特徴とする請求項11乃至13の何れかに記載のコンピュータプログラム。
- 前記高速デバイスファイルシステムは、前記高速記憶デバイスに記憶させる受信データに、当該データの属性に応じて前記特定条件との対応付けを行うものであり、
成立した特定条件の種類に対応するデータを転送させることを特徴とする請求項11乃至14の何れかに記載のコンピュータプログラム。
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