JP4513504B2 - 熱電材料 - Google Patents

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Description

本発明は、熱電材料に関し、さらに詳しくは、熱電発電や熱電加熱・冷却に使用される熱電素子を構成する熱電材料に関する。
熱電変換とは、ゼーベック効果やペルチェ効果を利用して、電気エネルギーを冷却や加熱のための熱エネルギーに、また逆に熱エネルギーを電気エネルギーに直接変換することをいう。熱電変換は、(1)エネルギー変換の際に余分な老廃物を排出しない、(2)排熱の有効利用が可能である、(3)材料が劣化するまで継続的に発電を行うことができる、(4)モータやタービンのような可動装置が不要であり、メンテナンスの必要がない、等の特徴を有していることから、エネルギーの高効率利用技術として注目されている。
熱エネルギと電気エネルギとを相互に変換できる材料、すなわち、熱電材料の特性を評価する指標としては、一般に、性能指数Z(=Sσ/κ、但し、S:ゼーベック係数、σ:電気伝導度、κ:熱伝導度)、又は、性能指数Zと、その値を示す絶対温度Tの積として表される無次元性能指数ZTが用いられる。ゼーベック係数は、1Kの温度差によって生じる起電力の大きさを表す。熱電材料は、それぞれ固有のゼーベック係数を持っており、ゼーベック係数が正であるもの(p型)と、負であるもの(n型)に大別される。
また、熱電材料は、通常、p型の熱電材料とn型の熱電材料とを接合した状態で使用される。このような接合対は、一般に、「熱電素子」と呼ばれている。熱電素子の性能指数は、p型熱電材料の性能指数Z、n型熱電材料の性能指数Z、並びに、p型及びn型熱電材料の形状に依存し、また、形状が最適化されている場合には、Z及び/又はZが大きくなるほど、熱電素子の性能指数が大きくなることが知られている。従って、性能指数の高い熱電素子を得るためには、性能指数Z、Zの高い熱電材料を用いることが重要である。
このような熱電材料としては、Bi−Te系、Pb−Te系、Si−Ge系等の化合物半導体、NaCoO(0.3≦x≦0.8)、(ZnO)In(1≦m≦19)、CaCo等の酸化物セラミックスが知られている。これらの材料は、一般に、p型の熱電材料であって、柱状に加工されたもの(以下、これを「バルク熱電材料」という。)及びn型のバルク熱電材料の両端に電極を接合した熱電素子(いわゆる、「π型素子」)、あるいは、p型及びn型のバルク熱電材料の一端を直接、接合した熱電素子(いわゆる、「U型素子」)の状態で使用されている。
しかしながら、従来の熱電材料は、加工しにくいという問題がある。また、希少元素や毒性元素を含む場合があり、製造コストや環境に問題を生じることがある。
また、熱電材料の性能指数Zを決めるゼーベック係数S、電気伝導度σ及び熱伝導率κは、いずれもキャリア濃度の関数であることが知られている。そのため、単に熱電材料中のキャリア濃度を調整するだけでは、到達可能な性能指数Zには限界がある。
そこでこの問題を解決するために、従来から種々の提案がなされている。例えば、特許文献1には、カルシウムコバルト酸化物等の熱電材料と、ポリマ被覆されたカーボンナノチューブ、ポリマ被覆されたカーボンファイバー、又は、導電性ポリマとを含むハイブリッド熱電材料が開示されている。同文献には、熱電材料中にポリマ被覆されたカーボンナノチューブ等を添加することによって、電気伝導度を低下させることなく、熱伝導度を低下させることができる点が記載されている。
また、特許文献2には、導電性高分子の一種であるポリ(2−ブトキシ−5−メトキシ−1,4−フェニレンビニレン)をクロロホルムに溶解させ、この溶液をスライドガラス上に滴下してキャスト製膜し、膜を乾燥させ、さらにこの膜にヨウ素を気相ドーピングすることにより得られる熱電材料が開示されている。同文献には、ポリフェニレンビニレンにドーピング処理し、電気伝導度σを所定の範囲に調整することによって、性能指数Zを向上させることができる点、フェニレン基の一部をアルコキシ基に置換することによって易加工性を付与できる点、及び、導電性高分子の表面をエポキシ樹脂等で封止することによって、耐久性を向上させることができる点が記載されている。
特開2002−245592号公報 特開2003−332639号公報
従来の熱電材料(特に、Bi−Te系やPb−Te系の化合物半導体)は、相対的に比重が大きい。そのため、このような熱電材料を用いた熱電素子を移動体に大量に搭載すると、エネルギ効率がかえって低下するという問題がある。また、従来の熱電材料は、硬く、かつ、脆いので、振動や熱応力によって、熱電材料の破損や電極の接合不良が生じやすいという問題がある。
これに対し、ある種の有機化合物の中には、電気伝導性を示すもの(例えば、導電性高分子)が知られており、帯電防止、電磁波シールド材などに用いられている。また、ある種の導電性高分子は、電気伝導性だけでなく、相対的に大きな熱電特性を示すことが知られている。しかも、導電性高分子は、従来の熱電材料に比べて軽量であり、かつ、希少元素や毒性元素を必ずしも含まないという特徴がある。さらに、導電性高分子は、従来の熱電材料に比べて柔軟性があり、加工も容易である。
一方、導電性高分子は、通常、そのままでは電気伝導度σが低いので、電気伝導度σを高くするためにドーピングを行うのが一般的である。ドーピングは、一般に、導電性高分子の表面から気相又は液相を介してドーパントを添加することにより行われている。しかしながら、添加されたドーパントが使用中に導電性高分子の表面から揮発すると、電気伝導度σが低下し、これによって熱電特性が低下するという問題がある。
この問題を解決するために、特許文献2に記載されているように、導電性高分子の表面を適当な材料で封止することも考えられる。しかしながら、封止は、熱電素子の製造コストを増加させる原因となり、あるいは、熱電素子の形状等によっては、封止が困難な場合もある。
さらに、導電性高分子は、キャリアが高分子鎖に沿って動くことによって導電性を発現するので、高い電気伝導度σを得るためには、高分子鎖を一方向に配向させることによりキャリアの移動度を向上させるのが好ましい。しかしながら、導電性高分子を含む溶液をガラス基板表面に塗布する方法では、高分子鎖を一方向に配向させるのは困難である。
本発明が解決しようとする課題は、軽量で、希少元素や毒性元素を必ずしも含まない熱電材料を提供することにある。また、本発明が解決しようとする他の課題は、相対的に高い熱電特性を有し、かつ、熱電特性の経時劣化の少ない熱電材料を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る熱電材料の1番目は、担体と、該担体の表面に担持された電気伝導性及び熱電特性を有する有機化合物と、前記担体と前記有機化合物の界面に担持されたドーパントとを備えた複合体からなり、該複合体の出力因子(Sσ)が10−7Wm−1−2以上であり、前記ドーパントは、前記担体の表面に化学結合で固定されていることを要旨とする。
また、本発明に係る熱電材料の2番目は、多孔質の担体と、該担体の細孔内に担持された電気伝導性及び熱電特性を有する有機化合物と、前記有機化合物と前記細孔の内壁面との界面に担持されたドーパントとを備えた複合体からなり、該複合体の出力因子(Sσ)が10−7Wm−1−2以上であり、前記ドーパントは、前記細孔の内壁面に化学結合で固定されていることを要旨とする。
本発明に係る熱電材料は、電気伝導性及び熱電特性を有する有機化合物と担体との複合体からなるので、従来の熱電材料に比べて、軽量であり、しかも、希少元素や毒性元素を必ずしも含まない。また、有機化合物の導電性を高めるためのドーパントを添加する場合において、ドーパントを有機化合物と担体との界面に担持させると、ドーパントの揮発に起因する熱電特性の経時劣化を抑制することができる。さらに、導電性の有機化合物を多孔質の担体の細孔内に担持させると、細孔内において高分子鎖が一方向に配向しやすくなり、配向方向の熱電特性が向上する。
以下に本発明の一実施の形態について詳細に説明する。本発明の第1の実施の形態に係る熱電材料は、担体と、有機化合物と、ドーパントとを備えた複合体からなる。
担体は、その表面に有機化合物を担持するためのものである。本実施の形態において、担体は、緻密質のものが用いられる。担体の形状は、特に限定されるものではなく、板状、シート状、筒状等、目的に応じて種々の形状をとることができる。また、担体が板状又はシート状である場合、熱電材料は、1枚の板状又はシート状の担体と、担体表面に担持された1層の有機化合物からなるものでも良く、あるいは、2枚以上の板状又はシート状の担体と、担体間に担持された1又は2以上の有機化合物を備えたものでも良い。
さらに、担体は、粉末状であっても良い。粉末状の担体表面に有機化合物を担持させたものであっても、これを圧粉成形することや、これを適当な他の材料(例えば、高分子、ゴム等)と複合化させることにより、所定の形状を有する熱電素子を構成することができる。
担体の材質は、特に限定されるものではなく、導電体、半導体、絶縁体のいずれであっても良い。一般に、熱電材料の性能指数Zは、熱伝導度κに反比例するので、高い熱電特性を有する熱電素子を得るためには、担体は、その熱伝導度が相対的に小さいものが好ましい。
高い熱電特性を有する熱電素子を得るためには、担体の熱伝導度は、具体的には、20Wm−1−1以下が好ましく、さらに好ましくは、5Wm−1−1以下である。
このような条件を満たす担体としては、SiO、TiO等の無機材料がある。
有機化合物は、電気伝導性及び熱電特性を有するものからなり、担体の表面に担持される。このような有機化合物には、以下のようなものがある。
有機化合物の第1の具体例は、導電性高分子である。導電性高分子は、軽量で、かつ、希少元素及び/又は毒性元素を必ずしも含まないので、本発明に係る熱電材料を構成する有機化合物として特に好適である。導電性高分子としては、具体的には、ポリアセチレン系、ポリアセン系、ポリビニレン系、ポリピロール系、ポリアニリン系、ポリチオフェン系、ポリキノリン系等がある。
これらの導電性高分子は、主鎖骨格に種々の置換基が結合していても良い。主鎖骨格に種々の置換基を結合させると、導電性高分子に種々の機能を付与することができる。
例えば、主鎖骨格にアルコキシ基を導入すると、導電性高分子に溶剤可溶性や加熱成形性を付与することができる。この場合、アルコキシ基の炭素数は、1〜20が好ましく、さらに好ましくは、1〜10である。また、アルコキシ基は、直鎖状、分岐状、あるいは、脂環式であっても良い。さらに、アルコキシ基には、他の置換基が結合していても良い。
また、例えば、主鎖にスルホン基やアルキル基などを付加すると、導電性高分子のキャリア濃度を変化させることができる。さらに、付加した側鎖の末端をスルホン基などで置換しても良い。
有機化合物の第2の具体例は、有機電荷移動錯体である。「有機電荷移動錯体」とは、有機固体であって、電子供与体(ドナー、D)と、電子受容体(アクセプター、A)との間での電荷移動により生じる錯体(Dγ+γ−、γは電荷移動量)をいう。有機電荷移動錯体は、そのすべてが電気伝導性及び熱電特性を有しているわけではないが、ある種の有機電荷移動錯体は、相対的に高い電気伝導性及び熱電特性を有している。
このような有機電荷移動錯体としては、具体的には、p−フェニレンジアミン・テトラシアノキノジメタンや、テトラチアフルバレン・テトラシアノキノジメタン等がある。
ドーパントは、有機化合物の電気伝導度σを高めるために添加される。本実施の形態において、ドーパントの少なくとも一部は、有機化合物と担体の界面に担持される。ドーパントは、界面にのみ担持されていても良く、あるいは、界面に加えて、有機化合物の表面又は内部に担持されていても良い。また、ドーパントを界面に担持させる場合、ドーパントは、界面の全面に担持されていても良く、あるいは、界面の内、必要な部分にのみ担持されていても良い。
また、ドーパントは、界面に物理的に担持されていても良く、あるいは、化学結合により固定されていても良い。特に、ドーパントを化学結合により固定すると、ドーパントの揮発が抑制されるので、経時劣化の少ない熱電材料となる。
さらに、ドーパントの添加量は、特に限定されるものではなく、ドーパント及び有機化合物の種類、熱電材料に要求される特性等に応じて、最適な量を選択する。
ドーパントには、有機化合物から電子を受け取るアクセプタードーパント(p型ドーパント)と、有機化合物に電子を与えるドナードーパント(n型ドーパント)がある。
導電性高分子に添加するアクセプタードーパントとしては、具体的には、
(1) Cl、Br、I、ICl、ICl、IBr、IF等のハロゲン、
(2) PF、AsF、SbF、BF、BCl、BBr、SO等のルイス酸、
(3) HF、HCl、HNO、HSO、HClO、リン酸等のプロトン酸、
(4) 2−ナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、カンファースルホン酸等の有機酸、
(5) FeCl、FeOCl、TiCl、ZrCl、HFCl、NbF、NbCl、TaCl、MoF、WF等の遷移金属化合物、などがある。
また、ドナードーパントとしては、具体的には、
(1) Li、Na、K、Rb、Cs等のアルカリ金属、
(2) Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属、
(3) Eu等のランタノイド、
(4) R、R、RAs、R(R:アルキル基)、アセチルコリン、
などがある。
有機電荷移動錯体の場合には、ハロゲンを添加することや、錯体に置換基を導入することによって電気伝導度σが増大する場合がある。
さらに、本実施の形態に係る熱電材料は、上述のような複合体からなり、かつ、複合体の出力因子(Sσ)が10−7Wm−1−2以上であることを特徴とする。高い熱電特性を有する熱電素子を得るためには、使用温度における有機化合物の出力因子(Sσ)は、10−5Wm−1−2以上が好ましく、さらに好ましくは、10−4Wm−1−2以上である。出力因子(Sσ)は、有機化合物及びドーパントの種類、担体に担持されるこれらの量等を最適化することにより調整することができる。
次に、本実施の形態に係る熱電素子の製造方法について説明する。まず、公知の方法を用いて、有機化合物を合成する。例えば、導電性高分子は、共役二重結合を有するモノマ、芳香族化合物からなるモノマ等を、電界重合法、化学酸化重合法等により重合させることにより得られる。また、有機電荷移動錯体は、DとAの両者を溶解させた溶液から、所定の条件下で溶媒を蒸発させ、錯体を形成させること等により得られる。
次に、適当な形状を有する担体表面に、ドーパントを担持させる。担体表面にドーパントを担持させる方法としては、具体的には、
(1) (a)担体表面にOH基を導入し(例えば、第2成分が無機材料であるときには、第2成分をキャロス液(H:HSO=1:4)で処理し)、
(b)担体表面のOH基とアルキルアルコキシシラン(例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなど)のアルコキシル基とを縮合反応させることにより、担体表面にアルキルアルコキシシランを化学結合させ、
(c)末端のアルキル基にドーパントを導入(例えば、硫酸等を用いてスルホン化)する方法、
(2) 担体の表面にドーパントを含む溶液を塗布、噴霧又は散布し、溶媒を揮発させる方法、
などがある。
次に、ドーパントが担持された担体の表面に、さらに有機化合物を担持させる。有機化合物の担持方法は、特に限定されるものではなく、有機化合物の種類に応じて、種々の方法を用いることができる。
例えば、有機化合物がポリアニリン類等の導電性高分子である場合、導電性高分子を適当な溶媒(例えば、1−メチル−2−ピロリドン、クロロホルムなど)に溶解させ、この溶液を担体表面に塗布、散布等し、溶媒を揮発させる方法などがある。
また、例えば、有機化合物がテトラチアフルバレン・テトラシアノキノジメタン等の有機電荷移動錯体である場合、錯体原料を含むクロロベンゼンなどの溶液から、溶媒を蒸発乾固させる方法などがある。
なお、担体表面に有機化合物を担持させた後、さらに、気相又は液相を介してドーパントを添加しても良い。また、2以上の板状又はシート状の担体と、担体の間に担持された有機化合物からなる複合体は、上述した各種の方法を用いて板状又はシート状の担体表面にドーパントを担持させ、次いで、担体の表面に有機化合物を担持させ、これを重ね合わせることにより得られる。
次に、本実施の形態に係る熱電材料の作用について説明する。ある種の有機化合物は、電気伝導性及び熱電特性を有し、相対的に軽量で、しかも、希少元素や毒性元素を必ずしも含まない。そのため、これを例えば、移動体(例えば、自動車)のエネルギー変換に適用すれば、環境に対する負荷を増大させることなく、エネルギー変換効率を向上させることができると考えられる。
しかしながら、この種の有機化合物において、高い熱電特性を得るためには、一般に、電気伝導度σを向上させるためのドーパントの添加が必要となる場合が多い。ドーパントは、従来、気相又は液相を介して有機化合物の表面から添加されていたので、使用中にドーパントが揮発し、電気伝導度σが経時劣化しやすいという問題があった。
これに対し、ドーパントの少なくとも一部を、有機化合物及びこれを担持する担体の界面に固定すると、ドーパントの揮発が抑制され、熱電特性の経時劣化を抑制することができる。特に、ドーパントが担体表面に化学結合により固定されている場合には、ドーパントの揮発に起因する熱電特性の経時劣化をさらに抑制することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る熱電素子について説明する。本実施の形態に係る熱電材料は、担体と、有機化合物とを備えた複合体からなる。この内、有機化合物は、第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
本実施の形態において、担体は、多孔体からなり、有機化合物の少なくとも一部は、細孔内に担持されている。すなわち、有機化合物は、細孔内にのみ担持されていても良く、あるいは、細孔内に加えて、担体の表面に担持されていても良い。また、担体内の細孔は、電流を取り出し又は電流を印加するための一方の端部から他方の端部に向かって、連続している必要がある。特に、一方の端部から他方の端部に向かって細孔が繋がっている1次元の細孔を有する多孔体を担体に用いると、熱電特性の高い複合体が得られる。
担体内に含まれる細孔の体積分率は、特に限定されるものではなく、有機化合物や担体の材質、熱電材料の用途等に応じて任意に選択することができる。一般に、担体内の細孔の体積分率が多くなるほど、より多くの有機物を細孔内に担持させることができる。
同様に、担体内に含まれる細孔の細孔径は、特に限定されるものではなく、目的に応じて任意に選択することができる。一般に、細孔径が大きくなるほど、細孔内への有機化合物の担持が容易となる。また、1次元の細孔を有する多孔体を担体に用いる場合において、細孔径を最適化すると、細孔の長手方向に沿って有機化合物を配向させることができるので、熱電特性の高い熱電材料が得られる。
担体としては、具体的には、
(1) ゼオライト、メソポーラスシリカ、TiO、ZrO、Al、SnO、AlPO等の無機材料からなる多孔体、
(2) 細孔壁にエチレン基かフェニル基が均一に分散したメソポーラスシリカ、
などがある。
これらの中でも、メソポーラスシリカは、その合成条件を最適化することにより、メソ孔を一方向に配列させることができるので、有機化合物を担持させる担体として特に好適である。
担体の細孔内に有機化合物を担持させる場合、細孔内に、直接、有機化合物を担持させても良く、あるいは、有機化合物と、細孔の内壁面との界面にドーパントを担持させても良い。また、ドーパントを界面に担持させる場合において、ドーパントは、細孔の内壁面に物理的に担持されていても良く、あるいは、細孔の内壁面に化学結合により固定されていても良い。なお、ドーパントに関するその他の点については、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
さらに、本実施の形態に係る熱電材料は、上述のような複合体からなり、かつ、複合体の出力因子(Sσ)が10−7Wm−1−2以上であることを特徴とする。高い熱電特性を有する熱電素子を得るためには、使用温度における有機化合物の出力因子(Sσ)は、10−5Wm−1−2以上が好ましく、さらに好ましくは、10−4Wm−1−2以上である。出力因子(Sσ)は、有機化合物及びドーパントの種類、担体に担持されるこれらの量を最適化することにより調整することができる。
次に、本実施の形態に係る熱電素子の製造方法について説明する。
まず、多孔質の担体を用意する。例えば、担体として、ゼオライトを用いる場合、市販のゼオライト粉末をそのまま用い、あるいは、これを板状、シート状、筒状等、所定の形状に成形し、圧粉成形して担体とする。
また、例えば、メソポーラスシリカは、界面活性剤(例えば、ヘキサドデシルトリメチルアンモニウムクロライド)を鋳型として、シリカ原料(例えば、テトラアルコキシシラン等のシラン化合物、メタケイ酸ナトリウム(NaSiO)等のケイ酸ナトリウム、カネマイト(NaHSi・3HO)等の層状シリケートなど)を3次元的に重合させることにより得られる。具体的には、
(1) 水に適量の界面活性剤とシリカ原料(及び必要に応じて他の原料)とを加え、塩基性条件下でシリカ原料(及び必要に応じて添加された他の原料)を加水分解させ、
(2) 溶液から生成物を分離し、界面活性剤を除去すること、
により得られる。
この時、溶液中の界面活性剤の濃度、シリカ原料の濃度、及び、両者の比率を最適化すると、メソ孔が規則的に配列したメソポーラスシリカが得られる。また、合成条件を最適化することにより、粉末状、あるいは、シート状のメソポーラスシリカが得られる。
次に、市販の又は公知の方法を用いて合成された有機化合物を、担体の細孔内に担持させると、本実施の形態に係る熱電材料が得られる。細孔内への有機化合物の担持方法は、特に限定されるものではないが、有機化合物を適当な溶媒に溶解させ、この溶液中に担体を浸漬させ、溶媒を除去する方法が好適である。
また、ドーパントを含む熱電材料は、具体的には、
(1) 第1の実施の形態において説明した各種のドーパントの固定方法をそのまま多孔体に適用して細孔の内壁面にドーパントを担持させ、次いで、内壁面にドーパントが担持された細孔内に、さらに有機化合物を担持させる方法、
(2) 先に、細孔内に有機化合物を担持させ、次いで、気相又は液相を介してドーパントを細孔内に導入する方法、
(3) 有機化合物を適当な溶媒に溶解させた溶液にさらにドーパントを添加し、有機化合物及びドーパントを含む溶液中に担体を浸漬させ、溶媒を除去する方法、
などにより作製することができる。このような方法を用いると、ドーパントの少なくとも一部が細孔内壁面と有機化合物の界面に担持された熱電材料が得られる。
本実施の形態に係る熱電材料は、熱電特性を有する有機化合物を含んでいるので、従来の熱電材料に比べて軽量であり、しかも、希少元素や毒性元素を必ずしも含まない。また、有機化合物は、担体の細孔内に担持されているので、特に、細孔が1方向に配向している場合には、配向方向の熱電特性が向上する。
さらに、ドーパントの少なくとも一部を、細孔の内壁面と細孔内に担持された有機化合物との界面に固定すると、ドーパントの揮発が抑制され、熱電特性の経時劣化を抑制することができる。特に、ドーパントが細孔の内壁面に化学結合により固定されている場合には、ドーパントの揮発に起因する熱電特性の経時劣化をさらに抑制することができる。
(比較例1)
塩基性ポリアニリンを1−メチル−2−ピロリドンに溶解させた溶液(塩基性ポリアニリンの濃度:10wt%)を調製した。この溶液をスピンコート法でSiO基板上にキャストし、塩基性ポリアニリンの薄膜(膜厚〜5000Å(500nm))を形成した。さらに、得られた薄膜を室温、窒素気流中で24h乾燥させた。その後、薄膜を硫酸溶液に浸漬し、液相ドーピングした。
(実施例1)
SiO基板をキャロス液(H:HSO=1:4溶液)に1時間浸漬し、SiO基板表面にOH基を導入した。その後、純水で十分に洗浄した。次に、基板表面の水分を除去するために、基板をエタノールに10分浸漬し、次いで、エタノール+トルエン(1:1)溶液に10分浸漬し、さらに、トルエンに10分浸漬した。
次に、基板を3−メルカプトプロピルトリメトキシシランのトルエン溶液(濃度5wt%)に24時間浸漬した。次いで、60℃のトルエン溶液で基板を洗浄し、さらに、純水で十分に洗浄し、最終的に乾燥機(50℃)で乾燥させた。この操作により、基板表面に3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが化学結合により固定された。
次に、基板を硫酸溶液に15分浸漬し、次いで、純水で十分に洗浄し、乾燥機(50℃)で乾燥させた。この処理で、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランの末端がスルホン化された。すなわち、スルホン基がその表面に化学的に固定されたSiO基板を得た。
この基板表面に、スピンコート法を用いて比較例1で作製した塩基性ポリアニリン溶液をキャストし、ポリアニリンの薄膜(膜厚〜5000Å(500nm))を形成した。
比較例1及び実施例1で得られた熱電材料について、熱電特性の重要因子である電気伝導度σを4端子法で測定した。また、得られた薄膜は、室温で大気気流中にさらし、電気伝導度σの経時変化を測定した。表1に、その結果を示す。なお、表1において、製膜直後の電気伝導度σを100とし、一定時間経過後の電気伝導度σは、製膜直後の値に対する相対値で表した。
Figure 0004513504
比較例1では、ドーパントの揮発に起因すると考えられる電気伝導度σの顕著な低下が見られた。これに対し、実施例1では、電気伝導度σは大きく変化しなかった。これは、基板上に固定されたスルホン基がドーパントとして作用し、かつ、揮発しないため、電気伝導度σの低下が起こらなかったものと考えられる。また、実施例1におけるわずかな電気伝導度σの低下は、薄膜中に残存していた溶媒の揮発に起因する可能性がある。つまり、溶媒の揮発による高分子膜の収縮などの影響で電気伝導度σが変化したものと推察される。
(実施例2)
[1. 多孔体の作製]
700℃で仮焼したカネマイト(NaHSi・3HO)50gを、ヘキサドデシルトリメチルアンモニウムクロライドの0.1mol/dm水溶液に分散させた。この溶液を70℃で3h攪拌した。溶液を室温に冷却した後、HCl溶液を添加し、水溶液のpHを8.5に調整した。その後、濾過、水洗し、得られた粉末を大気中で乾燥させた。さらに、得られた粉末を700℃で6h焼成した。XRD測定、窒素吸着測定から、得られた粉末は、細孔径約2.7nm、比表面積約800m/gのメソポーラスシリカであることがわかった。
[2. 細孔表面のスルホン化]
メソポーラスシリカ1.2gを3−メルカプトプロピルトリメトキシシランのクロロホルム溶液(濃度2wt%)に浸漬し、室温で24h攪拌した。その後、濾過し、粉末を十分に水洗した。次に、メソポーラスシリカを硫酸溶液に15分浸漬した後、純水で十分に洗浄し、乾燥機(50℃)で乾燥させた。以上の操作により、メソポーラスシリカの細孔表面に付加した3−メルカプトプロピルトリメトキシシランの末端がスルホン化された。
[3. 導電性高分子の導入]
スルホン化メソポーラスシリカを、塩基性ポリアニリンの1−メチル−2−ピロリドン溶液(濃度2wt%)に浸漬し、減圧中、24時間攪拌した。その後、50℃で48時間、減圧乾燥し、過剰の1−メチル−2−ピロリドンを除去した。この処理により、細孔内に塩基性ポリアニリンが担持された。
(比較例2)
実施例2の[1.]で作製したメソポーラスシリカの細孔内に、実施例2の[3.]と同様の手順で塩基性ポリアニリンを担持させた。
[評価]
メソポーラスシリカ(比較例3)、ポリアニリン担持メソポーラスシリカ(比較例2)、及び、ポリアニリン担持スルホン化メソポーラスシリカ(実施例2)を、それぞれ圧粉成形し、得られた成形体の電気伝導度σを4端子法で測定した。
メソポーラスシリカとポリアニリン担持メソポーラスシリカは絶縁体だったのに対し、ポリアニリン担持スルホン化メソポーラスシリカは、電気伝導性を示した。また、このポリアニリン担持スルホン化メソポーラスシリカの電気伝導度σは、作製直後と、24hにおいて、ほぼ同等であることが確認された。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
本発明に係る熱電材料は、太陽熱発電器、海水温度差熱電発電器、化石燃料熱電発電器、工場排熱や自動車排熱の回生発電器等の各種の熱電発電器、光検出素子、レーザーダイオード、電界効果トランジスタ、光電子増倍管、分光光度計のセル、クロマトグラフィーのカラム等の精密温度制御装置、恒温装置、冷暖房装置、冷蔵庫、時計用電源等に用いられる熱電素子を構成する熱電材料として使用することができる。

Claims (5)

  1. 担体と、
    該担体の表面に担持された電気伝導性及び熱電特性を有する有機化合物と、
    前記担体と前記有機化合物の界面に担持されたドーパントとを備えた複合体からなり、
    該複合体の出力因子(Sσ)が10−7Wm−1−2以上であり、
    前記ドーパントは、前記担体の表面に化学結合で固定されている熱電材料。
  2. 多孔質の担体と、
    該担体の細孔内に担持された電気伝導性及び熱電特性を有する有機化合物と、
    前記有機化合物と前記細孔の内壁面との界面に担持されたドーパントとを備えた複合体からなり、
    該複合体の出力因子(Sσ)が10−7Wm−1−2以上であり、
    前記ドーパントは、前記細孔の内壁面に化学結合で固定されている熱電材料。
  3. 前記有機化合物は、ポリアセチレン系、ポリアセン系、ポリ芳香族ビニレン系、ポリピロール系、ポリアニリン系、及び、ポリチオフェン系から選ばれる一種以上の導電性高分子である請求項1又は2に記載の熱電材料。
  4. 前記有機化合物は、置換基をさらに備えている請求項3に記載の熱電材料。
  5. 前記有機化合物は、有機電荷移動錯体である請求項1又は2に記載の熱電材料。
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