JP4513323B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description
本発明は半導体装置に係わり、特に高い周波数で信号を入出力可能な半導体集積回路装置に関する。さらには信号入力バッファ回路に関する。
背景技術
この明細書で参照される文献は以下の通りであり、文献はその文献番号によって参照することとする。[文献1]:B.Keeth and R.J.Baker,’DRAM circuit design:a tutorial,’IEEE Press,pp.16−22,(2001).[文献2]:特開2000−231787。[文献3]:I.A.Young,J.K.Greason and K.L.Wong.″A PLL clock generator with 5 to 10 MHz of lock range for microprocessors,″IEEE Journal of Solid−State Circuits vol.27,no.11,pp.1599−1607(Nov.1992).[文献4]:T.Sakata,et al.,″ADDR/SDR−Compatible SDRAM Design with a Three−Size Flexible Column Redundancy,″2000 Symposium on VLSI Circuits Digest of Technical Papers,pp.116−119,(June 2000).
近年の半導体集積回路では、外部との信号の授受を外部クロックと同期させて行っている。例えば、DRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ)でも、文献1のFig.1.18に示されているようなSDRAM(シンクロナスDRAM)が主流となっている。図2に、同期式インタフェースの半導体装置の入力部の構成例を模式的に示す。入力信号IN0,IN1,…及び外部クロックCLKにそれぞれ対応して入力バッファIBUFを設け、基準電圧Vrefと比較して内部信号IN0I,IN1I,…及び内部クロックCKIを得る。内部信号IN0I,IN1I,…をラッチ回路LCに入力し、ラッチ回路の動作を内部クロックCKIにより制御する。ラッチ回路LPの出力信号IN0L,IN1L,…を、半導体装置の内部回路の動作に用いる。
図3は、図2に示したような入力部を用いる際の入力タイミング仕様を示している。入力信号のセットアップ時間tsとホールド時間thを、クロックの立ち上がりに対して定義している。すなわち、ロウレベルからハイレベルに立ち上がり’1’となる入力信号INr1に対し、入力信号INr1の立ち上がりで基準電圧Vrefを横切ってから、クロックCLKの立ち上がりで基準電圧Vrefを横切るまでに、セットアップ時間ts以上の時間があれば、入力信号INr1を’1’と判別することを保証する。また、’1’の状態であるハイレベルからロウレベルに立ち下がる入力信号INf1に対し、クロックCLKの立ち上がりで基準電圧Vrefを横切ってから、入力信号INf1の立ち下がりで基準電圧Vrefを横切るまでに、ホールド時間th以上の時間があれば、入力信号INf1を’1’と判別することを保証する。同様に、立ち下がり’0’となる入力信号INf0のセットアップ時間tsを、クロックCLKの立ち上がりよりもどれだけ早く立ち下がれば良いかで規定する一方、’0’の状態から立ち上がる入力信号INr0のホールド時間は、クロックCLKの立ち上がりからどれだけ後なら立ち上がって良いかで規定する。
実際には、図3のような理想的な波形は得られず、図4に示すような信号伝送の状態も有りうる。この図で、INrは立ち上がりの入力信号、INrIはINrを入力バッファで受けて発生した内部信号、INfは立ち下がりの入力信号、INfIはINfを入力バッファで受けて発生した内部信号である。まず、入力信号の立ち上がり時間trと立ち下がり時間tfは、該信号を駆動する半導体集積回路の出力バッファの駆動能力などに依存し、同じとは限らない。ここでは、立ち上がり時間trに比べ、立ち下がり時間tfが長い場合を示している。また、入力信号のハイレベルVIHとロウレベルVILに対し、参照電圧Vrefが半分の電圧(VIH+VIL)/2に設定されるとは限らない。抵抗で(VIH+VIL)/2に終端している場合などは、入力バッファでの貫通電流を低減するために、意図的に参照電圧Vrefを(VIH+VIL)/2からずらすこともある。ここでは、参照電圧Vrefが半分の電圧(VIH+VIL)/2よりも低い場合を示している。この場合、立ち上がりの信号INrに比べ、立ち下がりの信号INfが参照電圧Vrefに到達するまでの時間が長くなる。さらに、入力信号を受けた入力バッファの遅延時間も、’1’に変化する時と’0’に変化する時とで遅延時間を同じにするのは困難である。ここでは、’1’に変化する時の遅延時間t1に比べ、’0’に変化する時の遅延時間t0が大きい場合を示している。以上により、立ち上がりの内部信号INrIと立ち下がりの内部信号INfIとに遅延時間差Δtが生じる。ここでは、立ち上がりの内部信号INrIより立ち下がり内部信号INfIが遅れる場合を示しているが、反対の場合も当然有り得る。図3に示したようなタイミング仕様は、この遅延時間差Δtがあっても正常動作できるようにしなければならない。そのため、入力信号のセットアップ時間tsとホールド時間thを小さくできない。
文献2では、入力バッファの出力の立ち上がり時間と立ち下がり時間の差を小さくする手法を提案しているが、入力信号自体の遅延時間差は考慮されていない。したがって、文献2の方式では、入力信号のセットアップ時間とホールド時間を小さくできる効果は小さい。
高い周波数でのインタフェースを実現するため、ダブルデータレート(DDR)SDRAMでは、図5に示すような差動クロックを用いている。トゥルーのクロックCLKt(トゥルークロック)とバーのクロックCLKb(バークロック)を、入力バッファIBUFで比較して、内部クロックCKIdを発生する。図6は、この場合の入力タイミング仕様を示している。入力信号のセットアップ時間tsとホールド時間thを、差動クロックCLKt,CLKbの交点に対して定義している。この方式でも、図7に示すように遅延時間差が発生してしまう。まず、入力信号の立ち上がり時間trと立ち下がり時間tfに差が有るとき、交点までの時間は、1/(1/tr+1/tf)となり、立ち上がり時間trと立ち下がり時間tfの短い方の影響が強い。また、参照電圧Vrefが半分の電圧(VIH+VIL)/2からずれている時、クロックだけ影響を受けず、他の信号と遅延時間差が生じる。さらに、入力バッファの遅延時間についても、クロックだけ差動であることにより差動信号振幅が大きく、同じ構成の入力バッファを用いると、クロックの遅延時間tdだけ短くなる。これらにより、立ち上がりと立ち下がりの信号伝送の遅延時間差の影響は、必ずしも小さくならず、むしろ大きくなる場合もある。そのため、差動クロックを用いても、入力信号のセットアップ時間tsとホールド時間thを小さくできない。
そこで本願発明の目的は、信号の立ち上がりと立ち下がりに遅延時間差があっても、短いセットアップ時間とホールド時間で安定動作し、高い周波数で信号を入出力可能な半導体装置を提供することにある。
発明の開示
本願発明の代表的な構成を示せば以下の通りである。入力信号IN0,IN1,…及び外部クロック対CLKt,CLKbが入力され、それらにそれぞれ対応して入力バッファIBUFを設け、内部信号IN0I,IN1I,…及び内部クロック対CKIt,CKIbを得て、内部信号IN0I,IN1I,…をラッチ回路LPに入力し、ラッチ回路の動作を内部クロック対CKIt,CKIbにより制御し、ラッチ回路LPの出力信号IN0L,IN1L,…を内部回路の動作に用いる半導体装置を構成する。
望ましくは、前記ラッチ回路は、第1NMOSトランジスタMN1と第1PMOSトランジスタMP1と第2NMOSトランジスタMN2と第2PMOSトランジスタMP2を含むトライステートインバータを有し、前記第1NMOSトランジスタと前記第1PMOSトランジスタのゲートに、前記内部信号に応じた信号Dbを入力し、前記第2NMOSトランジスタと前記第2PMOSトランジスタのゲートに、前記内部クロック対をそれぞれ入力する構成として、前記半導体装置を構成する。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明する。実施例の各機能ブロックを構成する回路素子は、特に制限されないが、公知のCMOS(相補型MOSトランジスタ)等の集積回路技術によって、単結晶シリコンのような半導体基板上に形成される。図面で、PMOSトランジスタにはボディに矢印の記号を付すことで、NMOSトランジスタと区別することとする。図面にはMOSトランジスタの基板電位の接続は特に明記していないが、MOSトランジスタが正常動作可能な範囲であれば、その接続方法は特に限定しない。また、特に断りの無い場合、信号のロウレベルを’0’,ハイレベルを’1’とする。
図1に、本発明による半導体装置の入力部を模式的に示す。トゥルーとバーの外部クロック対CLKt,CLKbから、それぞれ発生した内部クロック対CKIt,CKIbにより、入力信号IN0,IN1,…のラッチ回路LPを制御することが特長である。入力信号IN0,IN1,…及び外部クロック対CLKt,CLKbにそれぞれ対応して入力バッファIBUFを設け、基準電圧Vrefと比較して内部信号IN0I,IN1I,…及び内部クロック対CKIt,CKIbを得る。内部信号IN0I,IN1I,…を、一時記憶回路であるラッチ回路LPに入力し、ラッチ回路の動作を内部クロック対CKIt,CKIbにより制御する。ラッチ回路LPの出力信号IN0L,IN1L,…を、半導体装置の内部回路の動作に用いる。なお、ここでは図示していないが、必要であれば、クロックドライバを内部クロック対CKIt,CKIbのために設ける。
このように、トゥルーとバーの外部クロック対CLKt,CLKbをそれぞれ、他の入力信号と同様な入力バッファで受け内部クロック対CKIt,CKIbを発生し、その両方を入力信号のラッチ回路LPに用いることにより、外部クロックの立ち上がりと立ち下がりの両方を、ラッチ回路LPのタイミング制御に用いることができる。それにより、入力信号の立ち上がりを外部クロックの立ち上がりで判定し、入力信号の立ち下がりを外部クロックの立ち下がりで判定することができる。
図8は、図1に示したような入力部を用いる際の入力タイミング仕様を示している。入力信号のセットアップ時間とホールド時間を、立ち上がりはクロックの立ち上がりに対して、立ち下がりはクロックの立ち下がりに対して、定義していることが特長である。ここでは、クロックCLKtの立ち上がり,クロックCLKbの立ち下がりで、入力信号をラッチするとしている。また、クロック及び入力信号の立ち下がりが立ち上がりよりも遅くなる場合を示している。ロウレベルからハイレベルに立ち上がり’1’となる入力信号INr1のセットアップ時間ts1を、トゥルーのクロックCLKtの立ち上がりよりもどれだけ早く立ち上がれば良いかで規定する。すなわち、入力信号INr1の立ち上がりで基準電圧Vrefを横切ってから、クロックCLKtの立ち上がりで基準電圧Vrefを横切るまでに、セットアップ時間ts1以上の時間があれば、入力信号INr1を’1’と判別することを保証する。一方、’1’の状態であるハイレベルからロウレベルに立ち下がる入力信号INf1のホールド時間は、バーのクロックCLKbの立ち下がりからどれだけ後なら立ち下がって良いかで規定する。すなわち、クロックCLKtの立ち下がりで基準電圧Vrefを横切ってから、入力信号INf1の立ち下がりで基準電圧Vrefを横切るまでに、ホールド時間th1以上の時間があれば、入力信号INf1を’1’と判別することを保証する。同様に、立ち下がり’0’となる入力信号INf0のセットアップ時間ts0を、バーのクロックCLKbの立ち下がりよりもどれだけ早く立ち下がれば良いかで規定する一方、’0’の状態から立ち上がる入力信号INr0のホールド時間は、トゥルーのクロックCLKtの立ち上がりからどれだけ後なら立ち上がって良いかで規定する。
このように、入力信号のタイミング仕様を、立ち上がりについてはクロックの立ち上がりで、立ち下がりについてはクロックの立ち下がりで規定することにより、立ち上がりと立ち下がりで遅延時間に差があっても、入力信号のパスとクロック信号のパスとで揃っていれば補償される。その結果、セットアップ時間とホールド時間の仕様を短くでき、クロックのサイクル時間を短くできる。なお、図8では’1’と’0’とで、セットアップ時間とホールド時間を別な記号で示しているが、一般には長く必要な方に合せて同じ時間にすることが望ましい。
図9は、図1中のラッチ回路LPの構成例を示している。トゥルーとバーの内部クロック対CKt,CKbを入力し、トライステートインバータのNMOSトランジスタとPMOSトランジスタを別々に制御することが特長である。同図で、INV0,INV5は周知のCMOSインバータであり、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタ1個ずつにより構成される。PMOSトランジスタMP1,MP2とNMOSトランジスタMN1,MN2は、ラッチ回路がトランスペアレント(もしくは、スルー)状態かラッチ状態かを定める第1のトライステートインバータを構成している。また、PMOSトランジスタMP3,MP4とNMOSトランジスタMN3,MN4は、ラッチ状態でレベルを保持するために正帰還となる第2のトライステートインバータを構成している。内部クロック対CKt,CKbが、図1の内部クロック対CKIt,CKIbに対応する。入力Dに、図1の入力信号IN0,IN1,…のいずれかが入力され、出力Qが図1の出力信号IN0L,IN1L,…のいずれか対応する信号となる。
トゥルーの内部クロックCKtがロウでバーの内部クロックCKbがハイの時には、PMOSトランジスタMP2とNMOSトランジスタMN2がオン(導通状態)となり、第1のトライステートインバータがインバータとして動作し、PMOSトランジスタMP4とNMOSトランジスタMN4がオフ(非導通状態)となり、第2のトライステートインバータはハイインピーダンス状態となる。その結果、このラッチ回路はトランスペアレント状態となり、入力Dがそのまま出力Qに伝達される。トゥルーの内部クロックCKtがハイでバーの内部クロックCKbがロウの時には、PMOSトランジスタMP2とNMOSトランジスタMN2がオフとなり、第1のトライステートインバータがハイインピーダンス状態となり、PMOSトランジスタMP4とNMOSトランジスタMN4がオンとなり、第2のトライステートインバータはインバータとして動作する。その結果、このラッチ回路はラッチ状態となり、入力Dからのパスが遮断され出力Qの状態が維持される。
ここで、このラッチ回路がトランスペアレント状態からラッチ状態に切り換わるタイミングについて説明する。トゥルーの内部クロックCKtの立ち上がりとバーの内部クロックCKbの立ち下がりが実質的に同時であれば、そのタイミングでラッチ状態に切り換わる。しかし、図1に示したような入力部の構成では、外部クロック対CLKt,CLKbのパスでの立ち上がりと立ち下がりの遅延時間差により、トゥルーの内部クロックCKtの立ち上がりとバーの内部クロックCKbの立ち下がりとに時間差が生じる。例えば、トゥルーの内部クロックCKtの立ち上がりに対して、バーの内部クロックCKbの立ち下がりが遅いとする。この場合、トゥルーの内部クロックCKtとバーの内部クロックCKbが両方ハイレベルの期間に、ラッチ回路の内部ノードDbが変化した時に、それが出力Qに伝えられるかが問題である。
まず、図10に示すように、入力Dが立ち上がり、内部クロック対CKt,CKbが両方ハイレベルの期間に、内部ノードDbが立ち下がる場合を考える。トゥルーの内部クロックCKtがロウレベルでトランスペアレント状態となっているときに、内部ノードDbがハイレベルであるため、出力Qはロウレベル、内部ノードQbはハイレベルとなっている。トゥルーの内部クロックCKtがハイレベルになることにより、PMOSトランジスタMP2がオフになり、NMOSトランジスタMN4がオンになる。内部ノードQbがハイレベルとなっているため、NMOSトランジスタMN3はオンになっており、出力Qをロウレベルに保つ正帰還が働く。内部ノードDbが立ち下がり、PMOSトランジスタMP1がオンになっても、PMOSトランジスタMP2がオフなので、出力Qはロウレベルを保つ。すなわち、入力Dの立ち上がりに対しては、トゥルーの内部クロックCKtの立ち上がりで、ラッチ状態になっている。
次に、図11に示すように、入力Dが立ち下がり、内部クロック対CKt,CKbが両方ハイレベルの期間に、内部ノードDbが立ち上がる場合を考える。トゥルーの内部クロックCKtがロウレベルでトランスペアレント状態となっているときに、内部ノードDbがロウレベルであるため、出力Qはハイレベル、内部ノードQbはロウレベルとなっている。トゥルーの内部クロックCKtがハイレベルになることにより、PMOSトランジスタMP2がオフになり、NMOSトランジスタMN4がオンになる。内部ノードQbがロウレベルとなっているため、NMOSトランジスタMN3はオフになっており、出力Qはフローティング状態となり、インバータINV5の入力容量などでハイレベルを保つ。内部ノードDbが立ち上がり、NMOSトランジスタMN1がオンになると、バーの内部クロックCKbがハイレベルであるため、NMOSトランジスタMN2はオンなので、出力Qはロウレベルとなる。インバータINV5により、内部ノードQbがハイレベルとなり、NMOSトランジスタMN3はオンになっており、出力Qをロウレベルに保つ正帰還が働く。すなわち、入力Dの立ち下がりに対しては、バーの内部クロックCKbの立ち下がりまで、トランスペアレント状態になっている。
同様に、バーの内部クロックCKbの立ち下がりに対して、トゥルーの内部クロックCKtの立ち上がりが遅い場合には、入力Dの立ち下がりに対しては、バーの内部クロックCKbの立ち下がりで、ラッチ状態になり、入力Dの立ち上がりに対しては、トゥルーの内部クロックCKtの立ち上がりまで、トランスペアレント状態になっている。したがって、このラッチ回路がトランスペアレント状態からラッチ状態に切り換わるタイミングは、入力Dの立ち上がりについてはトゥルーの内部クロックCKtの立ち上がりで、入力Dの立ち下がりについてはバーの内部クロックCKbの立ち下がりで定まる。これにより、入力信号の立ち上がりを外部クロックの立ち上がりで判定し、入力信号の立ち下がりを外部クロックの立ち下がりで判定することができる。
図1中のラッチ回路は、図9の構成に限らず、種々の変形が可能である。図12は、ラッチ回路の別な構成例を示しており、ダイナミック回路にしていることが特徴である。インバータINV0と、第1のトライステートインバータを構成するPMOSトランジスタMP1,MP2及びNMOSトランジスタMN1,MN2からなり、図9のラッチ回路から第2のトライステートインバータとインバータINV5を取り除いた構成となっている。このラッチ回路も、図9のラッチ回路と同様に、トランスペアレント状態からラッチ状態に切り換わるタイミングは、入力Dの立ち上がりについてはトゥルーの内部クロックCKtの立ち上がりで、入力Dの立ち下がりについてはバーの内部クロックCKbの立ち下がりで定まる。ただし、ラッチ状態で、図9のラッチ回路では正帰還により出力Qの電圧を維持するが、この回路ではトライステートインバータがハイインピーダンスとなり出力Qの容量により電圧を維持する。ダイナミック回路のため、ラッチ状態で出力を維持できる期間に上限があるが、内部クロック対CKt,CKbのサイクル時間を特に長くしなければ問題ない。図9のラッチ回路に比べ、半分の素子数で構成されており、レイアウト面積を小さくできる。また、内部クロック対CKt,CKbが、それぞれトランジスタ1個ずつに入力されるだけなので、内部クロック対CKt,CKbの負荷容量が小さく、高い周波数での分配が容易であり、消費電力が小さくて済む。
図13は、ラッチ回路のさらに別な構成例を示しており、トランスペアレント状態でも正帰還をかけていることが特徴である。3個のインバータINV0,INV3,INV5と、第1のトライステートインバータを構成するPMOSトランジスタMP1,MP2及びNMOSトランジスタMN1,MN2からなり、図9のラッチ回路の第2のトライステートインバータの代わりにインバータINV3を設けた構成となっている。このインバータを構成するMOSトランジスタは、ゲート幅を小さくし、場合によってはゲート長を長くするなどして、駆動能力を小さく設定する。このラッチ回路も、図9あるいは図12のラッチ回路と同様に、トランスペアレント状態からラッチ状態に切り換わるタイミングは、入力Dの立ち上がりについてはトゥルーの内部クロックCKtの立ち上がりで、入力Dの立ち下がりについてはバーの内部クロックCKbの立ち下がりで定まる。ただし、トランスペアレント状態でも、インバータINV5,INV3の正帰還が働き、トライステートインバータの駆動能力がインバータINV3を上回ることにより出力Qを駆動する。図9の回路では、図11に関して説明したように、トゥルーの内部クロックCKtの立ち上がりとバーの内部クロックCKbの立ち上がりとの時間差で出力がフローティング状態になる。この回路では、クロックの立ち上がりと立ち下がりの遅延時間差が大きくても、常時正帰還が働き出力Qがフローティングにならないため、安定な動作が可能である。また、図12のラッチ回路と同様に、内部クロック対CKt,CKbが、それぞれトランジスタ1個ずつに入力されるだけなので、内部クロック対CKt,CKbの負荷容量が小さく、高い周波数での分配が容易であり、消費電力が小さくて済む。
図1について、内部信号IN0I,IN1I,…をラッチ回路LPでラッチすると説明したが、ラッチ回路ではなくフリップフロップ回路でとりこむ構成も可能である。図14は、その場合に好適なマスタスレーブ型フリップフロップ回路の構成例を示している。マスタ(MAS)は、図9のラッチ回路と同じ構成で、2個のインバータINV0,INV5と、PMOSトランジスタMP1,MP2及びNMOSトランジスタMN1,MN2からなる第1のトライステートインバータと、PMOSトランジスタMP3,MP4及びNMOSトランジスタMN3,MN4からなる第2のトライステートインバータで構成される。入力Dは、インバータINV0と第1のトライステートインバータの2段により、中間ノードNtに伝達される。スレーブ(SLA)は、PMOSトランジスタMP6,MP7及びNMOSトランジスタMN6,MN7からなる第3のトライステートインバータと、PMOSトランジスタMP8,MP9及びNMOSトランジスタMN8,MN9からなる第4のトライステートインバータと、インバータINV10で構成される。ここで、内部クロック対CKt,CKbの接続が、第3のトライステートインバータは第1のトライステートインバータと逆、第4のトライステートインバータは第2のトライステートインバータと逆になっている。中間ノードNtの信号は、第3のトライステートインバータとインバータINV10の2段を介して、出力Qに伝達される。
図15を用いて、図14のフリップフロップ回路の動作を説明する。ここでは、クロックの立ち上がりに比べ立ち下がりの遅延時間が大きく、トゥルーの内部クロックCKtとバーの内部クロックCKbが両方ハイレベルとなるオーバーラップ期間がある場合を示している。マスタは、トゥルーの内部クロックCKtがロウレベルでバーの内部クロックCKbがハイレベルの期間はトランスペアレント状態(TRA)となり、トゥルーの内部クロックCKtがハイレベルでバーの内部クロックCKbがロウレベルの期間はラッチ状態(LAT)となる。内部クロック対CKt,CKbが両方ハイレベルとなるオーバーラップ期間は、入力Qに依存し、立ち上がりに対してはラッチ状態で、立ち下がりに対してはトランスペアレント状態である。一方、スレーブは、内部クロック対CKt,CKbの接続関係がマスタと反対であるので、トゥルーの内部クロックCKtがロウレベルでバーの内部クロックCKbがハイレベルの期間はラッチ状態となり、トゥルーの内部クロックCKtがハイレベルでバーの内部クロックCKbがロウレベルの期間はトランスペアレント状態となる。内部クロック対CKt,CKbが両方ハイレベルとなるオーバーラップ期間では、中間ノードNtの信号に依存し、立ち上がりに対してはトランスペアレント状態で、立ち下がりに対してはラッチ状態である。この期間で、マスタがトランスペアレント状態となる入力Dの立ち下がりは、中間ノードNtの立ち下がりとして伝達され、スレーブはラッチ状態となる。そのため、マスタとスレーブが両方トランスペアレント状態となることはなく、入力Dから出力Qへ信号が突き抜ける恐れがない。したがって、このフリップフロップ回路は、入力Dを、立ち上がりについてはトゥルーの内部クロックCKtの立ち上がりで、立ち下がりについてはバーの内部クロックCKbの立ち下がりで取り込み、トゥルーの内部クロックCKtの立ち上がりとバーの内部クロックCKbの立ち下がりの遅い方から、次のサイクルでの早い方まで出力Qを保持する。ここでは説明を省略するが、クロックの立ち下がりに比べ立ち上がりの遅延時間が大きく、トゥルーの内部クロックCKtとバーの内部クロックCKbが両方ロウレベルとなるオーバーラップ期間がある場合にも同様な動作となる。すなわち、出力Qのバリッド状態(VAL)の期間は、内部クロック対CKt,CKbのサイクル時間からから内部クロック対CKt,CKbのオーバーラップ期間を引いた時間となる。図9,図12,図13のラッチ回路に比べ、出力Qのバリッド期間が長く、内部回路とのタイミング整合をとることが容易である。
図16は、本発明による入力部に好適なフリップフロップ回路の別な構成例を示している。内部クロック対CKt,CKbの論理をとり、スレーブ制御用クロック対CKSt,CKSbを発生することが特徴である。マスタ(MAS)は、3個のインバータINV0,INV5,INV11と、PMOSトランジスタMP1,MP2及びNMOSトランジスタMN1,MN2からなる第1のトライステートインバータと、PMOSトランジスタMP3,MP4及びNMOSトランジスタMN3,MN4からなる第2のトライステートインバータで構成される。スレーブ(SLA)も図14のフリップフロップ回路と同じく、PMOSトランジスタMP6,MP7及びNMOSトランジスタMN6,MN7からなる第3のトライステートインバータと、PMOSトランジスタMP8,MP9及びNMOSトランジスタMN8,MN9からなる第4のトライステートインバータと、インバータINV10で構成される。ただし、内部クロック対CKt,CKbではなくスレーブ制御用クロック対CKSt,CKSbにより、第3及び第4のトライステートインバータが制御される。スレーブ制御用クロック対CKSt,CKSbは、2個のインバータINV12,INV13と、NANDゲートNA14とNORゲートNO14により、内部クロック対CKt,CKbの論理をとることにより発生する。なお、このスレーブ制御用クロック発生用論理回路は、フリップフロップ回路毎に設けず、複数のフリップフロップ回路で共有することも可能であり、それにより素子数を低減し、レイアウト面積を縮小できる。
図17を用いて、図16のフリップフロップ回路の動作を説明する。ここでも図15と同様、トゥルーの内部クロックCKtとバーの内部クロックCKbが両方ハイレベルとなるオーバーラップ期間がある場合を示している。マスタは、図14のフリップフロップ回路と同様に、トランスペアレント状態(TRA)とラッチ状態(LAT)の間で、内部クロック対CKt,CKbが両方ハイレベルとなるオーバーラップ期間には、入力Qに依存し、立ち上がりに対してはラッチ状態で、立ち下がりに対してはトランスペアレント状態である。一方、スレーブは、トゥルーのスレーブ制御用クロックCKStがロウレベルでバーのスレーブ制御用クロックCKSbがハイレベルの期間はラッチ状態となり、トゥルーのスレーブ制御用クロックCKtがハイレベルでバーのスレーブ制御用クロックCKSbがロウレベルの期間はトランスペアレント状態となる。ここで、スレーブ制御用クロック対CKSt,CKSbは、トゥルーの内部クロックCKtがハイレベルでバーの内部クロックCKbがロウレベルの期間のみ、トゥルーのCKStがハイレベル,バーのCKSbがロウレベルとなる。その他の期間は、トゥルーのCKStがロウレベル,バーのCKSbがハイレベルとなる。原則的に、スレーブ制御用クロック対CKSt,CKSbは、同じタイミングで切り換わりオーバーラップすることはない。その結果、スレーブは、マスタがラッチ状態の期間のみトランスペアレント状態となり、その他の期間はラッチ状態となる。これにより、マスタとスレーブが両方トランスペアレント状態となることはなく、入力Dから出力Qへ信号が突き抜ける恐れがない。なお、スレーブ制御用クロックの発生のために、インバータINV12あるいはINV13と、NANDゲートNA14あるいはNORゲートNO14の、2段分の遅延時間があるが、マスタでの遅延時間を、インバータINV5,INV11の2段分だけ、図14の構成よりも大きくしており、問題ない。したがって、このフリップフロップ回路は、入力Dを、立ち上がりについてはトゥルーの内部クロックCKtの立ち上がりで、立ち下がりについてはバーの内部クロックCKbの立ち下がりで取り込み、トゥルーの内部クロックCKtの立ち上がりとバーの内部クロックCKbの立ち下がりの遅い方から、次のサイクルでの遅い方まで出力Qを保持する。ここでは説明を省略するが、クロックの立ち下がりに比べ立ち上がりの遅延時間が大きく、トゥルーの内部クロックCKtとバーの内部クロックCKbが両方ロウレベルとなるオーバーラップ期間がある場合にも同様な動作となる。すなわち、出力Qのバリッド状態(VAL)の期間は、内部クロックCKt,CKbのサイクル時間となる。図14のフリップフロップ回路よりも、内部クロック対CKt,CKbがオーバーラップする期間分だけ、出力Qのバリッド期間が長く、内部回路とのタイミング整合をとることがさらに容易である。
図18は、本発明による入力部の別な構成例を模式的に示している。内部クロック対CKRt,CKRbの発生に、クロック再生回路PLLを用いていることが特徴である。図1に示した構成と同様に、入力信号IN0,IN1,…及び外部クロック対CLKt,CLKbにそれぞれ対応して入力バッファIBUFを設け、基準電圧Vrefと比較して内部信号IN0I,IN1I,…及び内部クロック対信号CLKIt,CLKIbを得る。内部信号IN0I,IN1I,…をラッチ回路LPに入力し、それの出力信号IN0L,IN1L,…を、半導体装置の内部回路の動作に用いる。ラッチ回路の動作は、クロック再生回路である2個のフェーズロックトループPLLにより発生した内部クロック対CKRt,CKRbにより制御する。フェーズロックトループPLLは、内部クロック信号CLKItあるいはCLKIbと内部クロックCKRtあるいはCKRbを比較する位相・周波数比較器PFD,位相・周波数検出器PFDの出力に応じて制御電圧VctあるいはVcbを発生するチャージポンプ回路CP,制御電圧VctあるいはVcbにより制御される電圧制御発信器VCO,電圧制御発信器VCOの出力を内部クロックCKRtあるいはCKRbとして駆動するクロックドライバCKDを含んで構成される。クロックドライバCKDは、偶数段のCMOSインバータを徐々に駆動能力が大きくなるよう接続した周知のカスコードドライバなどで実現できる。以下、他の回路ブロックの要部を、簡単に説明する。
図19は、位相・周波数検出器PFDの構成例の回路図である。8個のインバータINV00〜INV07,6個の2入力NANDゲートNA100〜NA105,2個の3入力NANDゲートNA106,NA107,4入力NANDゲートNA108からなり、CMOS論理ゲートの組み合わせで構成されている。内部クロック信号CLKIと内部クロックCKRの位相及び周波数に応じて、制御信号UP1,DN1を発生する。
図20は、チャージポンプ回路CPの構成例の回路図である。インバータINV108と、2個のPMOSトランジスタMN100,MP101と、2個のNMOSトランジスタMN100,MN101と、2個の容量C100,C101と、抵抗R100により構成されている。PMOSトランジスタMP100とNMOSトランジスタMN100は、ゲートにそれぞれバイアス電圧Vbp1,Vbn1が印加され、制御電圧Vcのノードに電源電圧VCCから流れ込む電流あるいはVSSへ引き抜く電流の大きさを制限する。PMOSトランジスタMP101とNMOSトランジスタMN101は、位相・周波数検出器PFDの出力である制御信号UP1とDN1が、ゲートにそれぞれ印加され、制御電圧Vcのノードに電流を流し込む期間あるいは引き抜く期間を制御する。容量C100,C101と抵抗R100は、ループフィルタを構成し、制御電圧Vcを安定化する。
図21は、電圧制御発信器VCOの構成例を示している。6個の全差動型遅延回路DDE0〜DDE5と2個のインバータINV116,INV117からなる。全差動型遅延回路DDE0〜DDE5は、入力と出力がいずれも差動信号で、制御電圧Vcにより遅延時間が制御される遅延回路である。ここでは6個としているが、所望の可変周波数領域が得られるように、適当な個数とする。なお、ここでは6個と偶数個であるが、DDE5のトゥルー出力をDDE0のバー入力に、DDE5のバー出力をDDE0のトゥルー入力に戻しているため、発振する。インバータINV116は、出力として内部クロックCKRを取り出すために設けられている。さらに、全差動型遅延回路DDE5の出力の負荷を揃えるために、インバータINV117が設けられている。
このようなクロック再生回路を用いることにより、クロックドライバCKDなどによる遅延時間を補償し、内部クロック対CKRt,CKRbを所望のタイミングにすることができ、入力信号IN0,IN1,…のホールド時間を小さくして、短いクロックサイクル時間での動作が可能になる。ここで、フェーズロックトループPLLを、トゥルーとバーの内部クロック対CKRt,CKRbにそれぞれ設けることにより、内部クロック対CKRt,CKRbが外部クロック対CLKt,CLKbにそれぞれ応じたタイミングとなる。それにより、入力信号の立ち上がりを外部クロックの立ち上がりに応じたタイミングで判定し、入力信号の立ち下がりを外部クロックの立ち下がりに応じたタイミングで判定することができる。その結果、立ち上がりと立ち下がりで遅延時間に差があっても、入力信号のパスとクロック信号のパスとで揃っていれば補償され、セットアップ時間とホールド時間を削減してクロックのサイクル時間を短縮できる。なお、内部クロックの発生にクロック再生回路を用いて高速なインタフェースを可能にする方式は、文献3に述べられている。本実施例は、そこでの効果に加え、立ち上がりと立ち下がりでの遅延時間差を補償することによりさらに高速な動作が可能になる。
図22は、本発明による入力部のさらに別な構成例を模式的に示している。内部クロック対CKRt,CKRbの発生に用いるクロック再生回路を部分的に共有化していることが特徴である。図18に示した構成と同様に、入力信号IN0,IN1,…及び外部クロック対CLKt,CLKbにそれぞれ対応した入力バッファIBUFと、内部クロック対CKRt,CKRbにより制御され内部信号IN0I,IN1I,…をラッチするラッチ回路LPが設けられている。バーの内部クロックCKRbは、ディレイロックトループDLLで発生する。ディレイロックトループDLLは、内部クロック信号CLKIbと内部クロックCKRbを比較する位相比較器PC,位相比較器PCの出力に応じて制御電圧Vc2を発生するチャージポンプ回路CP,制御電圧Vcにより制御される電圧制御遅延器VCD,電圧制御遅延器VCDの出力を内部クロックCKRbとして駆動するクロックドライバCKDを含んで構成される。それに対し、トゥルーの内部クロックCKRtは、内部クロック信号CLKItを、ディレイロックトループDLLの制御電圧Vc2により制御される電圧制御遅延器VCDで遅延させ、クロックドライバCKDで駆動することにより発生する。なお、言うまでもなく、トゥルーの内部クロックCKRtをディレイロックトループDLLで発生し、バーの内部クロックCKRbを電圧制御遅延器VCDとクロックドライバCKDのみで発生することもできる。以下では、図18に示した構成と異なる回路ブロックである位相比較器PCと電圧制御遅延VCDの構成を、簡単に説明する。
図23は、位相比較器PCの構成例の回路図である。4個の3入力NANDゲートNA140〜NA143と、4個のインバータINV140〜INV143で構成されている。エネーブル信号LEN0がハイレベルの間、内部クロック信号CLKIと内部クロックCKRの位相に応じて、制御信号UP0,DN0を発生する。フェーズロックトループと異なりディレイロックトループでは周波数の違いを検出する必要がないため、図19に示した位相・周波数検出器PFDに比べ簡単な構成の、このような位相比較器を用いることができる。
図24は、電圧制御遅延器の構成例を示している。5個のインバータ型遅延回路IDE0〜IDE4とインバータINV116からなる。インバータ型遅延回路IDE0〜IDE4は、遅延時間が制御電圧Vcにより制御されるインバータである。ここでは5個としているが、所望の可変周波数領域が得られるように、適当な個数とする。ただし、出力を取り出すインバータINV116を含め、位相が反転しないようにする。
図22に示した構成は、図18に示した構成に比べ、回路ブロック数が少ない上、各回路ブロックも簡単な構成で、クロックドライバCKDなどによる遅延時間を補償することができる。これは、クロック再生回路として、フェーズロックトループではなくディレイロックトループを用いていることによる。フェーズロックトループで用いる電圧制御発振器は、制御電圧が同じ時に出力の発振周波数が同じであるが位相は異なるため、図18では、トゥルーとバーの内部クロックのそれぞれに対してループを設けている。それに対し、ディレイロックトループで用いる電圧制御遅延器は、制御電圧が同じ時に遅延時間が同じにできるので、トゥルーとバーの内部クロックでループの一部を共有できる。
次に、図1,図18あるいは図22に示した入力部で用いる入力バッファIBUFの構成について説明する。図25は、カレントミラー型差動増幅器を用いた入力バッファの構成例の回路図である。3個のNMOSトランジスタMN200〜MN202と2個のPMOSトランジスタMP201,MP202でNMOS入力のカレントミラー型差動増幅器が構成され、入力信号INを参照電圧Vrefに対して差動増幅する。PMOSトランジスタMP201,MP202のソースは、入出力用電源電圧VDDQに接続される。差動増幅器の出力を2入力NANDゲートNA203で受け、内部信号INIを出力する。このNANDゲートNA203とNMOSトランジスタMN200には、バーのパワーダウン信号PWDIbが入力され、PWDIbがロウレベルのパワーダウン時には差動増幅器の電流を遮断し内部信号INIを固定する。
この入力バッファIBUFは、一般にSSTLインタフェースなどの小振幅インタフェースで用いられているものである。このような一般的な入力バッファを用いて、本発明の方式により、従来よりも高い周波数でのインタフェースが実現できる。
図26は、入力バッファの別な構成例の回路図である。NMOS入力差動増幅器とPMOS入力差動増幅器を組み合わせた相補型差動増幅器を用いていることが特徴である。このような入力バッファについては、文献4で述べられている。NMOS入力差動増幅器DANは、3個のNMOSトランジスタMN210〜MN212と3個のPMOSトランジスタMP210〜MP212で構成されている。PMOS入力差動増幅器DAPも、3個のNMOSトランジスタMN213〜MN215と3個のPMOSトランジスタMP213〜MP215で構成されている。NMOS入力差動増幅器DANとPMOS入力差動増幅器DAPは、出力が短絡されており、入力信号INを参照電圧Vrefに対して差動増幅する。差動増幅器の出力INI0にはPMOSトランジスタMP210が設けられ、NMOS入力差動増幅器DAN中とPMOS入力差動増幅器DAP中で入出力用接地電圧VSSQに接続されたNMOSトランジスタMN210,MN213とともに、バーのパワーダウン信号PWDIbがゲートに入力され、パワーダウン時には差動増幅器の電流を遮断しその出力を固定する。NMOS入力差動増幅器DAN中のPMOSトランジスタはMP210は、PMOS入力差動増幅器DAP中のNMOSトランジスタMN213とバランスをとるために設けられている。差動増幅器の出力には、PMOSトランジスタMP217とNMOSトランジスタMN217からなり、入出力用電源電圧VDDQと入出力用接地電圧VSSQを電源としたインバータが接続され、さらにその出力にインバータINV218が接続され、内部信号INIを駆動する。
この入力バッファは、NMOS入力の差動増幅器とPMOS入力の差動増幅器が同時に動作し、入力の同相成分の影響が小さく、立ち上がりと立ち下がりでの遅延時間差を小さくできる。それにより、図1に示したような本発明による入力部で、内部クロック対のトゥルーとバーの時間差が小さくなり、安定な動作が容易になる。
図27は、入力バッファのさらに別な構成例である。図26に示した入力バッファと同様に、NMOS入力差動増幅器とPMOS入力差動増幅器を組み合わせており、交互に動作させることが特徴である。このような入力バッファについても、文献4で述べられている。NMOS入力差動増幅器DANとPMOS入力差動増幅器DAPは、図26と同様に、3個のNMOSトランジスタと3個のPMOSトランジスで構成され、入力信号INを参照電圧Vrefに対して差動増幅する。さらに、パワーダウンの制御用にPMOSトランジスタMP210と、PMOSトランジスタMP217とNMOSトランジスタMN217からなるインバータと、インバータが設けられている。ここで、NMOS入力差動増幅器DAN中のNMOSトランジスタMN210とPMOS入力差動増幅器DAP中のPMOSトランジスタMP213のゲートに、インバータINV212の入力ノードINI0bから帰還がかけられている。それにより、ノードINI0bがハイレベルの時には、PMOS入力差動増幅器DAPの電流経路が遮断され、ノードINI0bがロウレベルの時には、NMOS入力差動増幅器DANの電流経路が遮断される。この帰還により、NMOS入力差動増幅器DANとPMOS入力差動増幅器DAPの内、貫通電流が小さい方が自動的に選択され、交互に動作する。バーのパワーダウン信号PWDIbは、PMOSトランジスタMP210と、PMOS入力差動増幅器DAP中のNMOSトランジスMN213に接続され、NMOS入力差動増幅器DANに入力されていないが、パワーダウン時には、ノードINI0がハイレベルになり、ノードINI0bがロウレベルになることにより、NMOS入力差動増幅器DANの電流も遮断される。
この入力バッファは、比較的小さな消費電流で、参照信号Vrefとの差動増幅が可能である。特に、入力信号INの振幅が、ハイレベルが入出力用電源電圧VDDQに近く、ロウレベルが入出力用接地電圧VSSQに近いものであれば、差動増幅器での貫通電流が小さくなる。図26に示したような入力バッファに比べると、立ち上がりと立ち下がりでの遅延時間差が、若干大きくなるが、図1に示したような本発明による入力部では、その遅延時間差を補償できるので、高速なインタフェースが可能になる。
図28は、またさらに別な入力バッファの構成例の回路図である。2個のNMOSトランジスタMN220,MN221と2個のPMOSトランジスタMP220,MP221で、入出力用電源電圧VDDQと入出力用接地電圧VSSQを電源としたNORゲートが構成され、入力信号INとパワーダウン信号PWDIが入力される。このNORゲートの出力に、インバータINV222が接続され、内部信号INIを駆動する。
図1などでは、参照電圧Vrefを用いた入力部の構成を示していたが、この入力バッファのように、参照電圧Vrefを用いないものも用いることができる。この入力バッファは、LVTTLなど振幅の大きいインタフェースで良く用いられているものである。参照電圧Vrefを用いてずに、論理ゲートの論理しきい値で判定しているため、プロセスや電圧変動の影響が大きく、立ち上がりと立ち下がりでの遅延時間差が大きくなる。そのため、遅延時間差を補償できる本発明の効果が大きい。
図29に、本発明による半導体装置の出力部を模式的に示す。出力信号OUT0,OUT1,…及び外部クロック対CLKOt,CLKObにそれぞれ対応して出力バッファOBUFを設け、出力制御回路OCによるエネーブル信号QOE,CKOEで制御する。また、内部信号OUT0P,OUT1P,…をフリップフロップ回路FFOに入力し、内部クロックCKOにより制御し、その出力OUT0Q,OUT1Q,…を出力バッファOBUFに入力する。出力タイミング発生回路OTGが、内部クロックCKOとともに、相補な出力用クロック対信号CLKPt,CLKPbも出力する。
このように、出力信号と外部クロックを一つの半導体装置から同様な出力バッファで駆動することにより、遅延時間を揃えることができ、本発明によるインタフェースに好適である。それらのタイミングを、出力タイミング発生回路OTGで制御することにより、所望の関係にできる。
図30は、出力バッファOBUFの構成例の回路図である。インバータINV230と、NANDゲートNA231と、NORゲートNO231と、2個のレベル変換回路LC23P,LC23Nと、出力段のPMOSトランジスタMP233及びNMOSトランジスタMN233からなる。ここで、レベル変換回路LC23P,LC23Nはそれぞれ、PMOSトランジスタ3個とNMOSトランジスタ3個で構成され、内部回路用電源電圧VDDから入出力用電源電圧VDDQへ、信号振幅を変換する。この出力バッファOBUFは、エネーブル信号QOEがロウレベルVSSの時には、ハイインピーダンス状態となり、エネーブル信号QOEがハイレベルVDDの時には、内部信号OUTQに応じて出力OUTを駆動する。
この出力バッファは、プロセスや電圧変動が駆動能力に影響し、立ち上がりと立ち下がりでの遅延時間差が大きくなる恐れがある。本発明のインタフェースでは、遅延時間差を補償できるため、このような単純な出力バッファを用いても、高い周波数でのインタフェースが実現できる。
図31は、2個の半導体集積回路CHPL,CHPR間の、本発明によるインタフェースを示している。クロックオシレータOSCから、動作の基準となる基準クロックCKOが、半導体集積回路CHPL,CHPRに送られる。半導体集積回路CHPLからCHPRへ、データDATALとともにクロック対CKLt,CKLbを送る。逆に半導体集積回路CHPLからCHPRへも、データDATARとともにクロック対CKRt,CKRbを送る。このように、データとともにクロック対を互いに送りあうことにより、前述のように高い周波数でのインタフェースを実現できる。このような構成は、例えばCPUとキャッシュメモリ間のインタフェースに好適である。
図32は、図31での信号伝送部を模式的に示している。半導体集積回路CHPL,CHPRはそれぞれ、出力バッファOBUFと入力バッファIBUFを有する。ここでは、簡単のためのために1個ずつだけ示している。出力バッファOBUFは、終端抵抗RPLあるいはRPRを介して伝送線路TLの一端に接続される。伝送線路の他端は、他方の半導体集積回路の入力バッファIBUFに接続される。このように、終端抵抗を設けることにより、信号の反射を抑え、受信側での波形の乱れを防止できる。それにより、以前のデータ系列に対する波形の依存性を小さくし、立ち上がり及び立ち下がりの遅延時間を、データとクロック対とで揃えることができるので、本発明のインタフェースに好適である。この図に示した様に、送信側で直列に終端抵抗を設けるいわゆる送信終端は、信号が変化しない時に貫通電流が流れることがないため、図31に示した様なポイントトゥポイントのインタフェースに好適である。なお、ここでは参照電圧Vrefを示していないが、インタフェースの電圧レベルの仕様に応じて、必要であれば半導体集積回路CHPL,CHPRに入力する。
図33は、本発明をメモリシステムに適用した例を示している。メモリコントローラMCTLとn個のメモリMCHP1〜MCHPnとの間が、クロック対CLKt,CLKbとコマンドバスCMDとアドレスバスADDとデータバスDQLとデータストローブ対DQSt,DQSbで結ばれている。クロック対CLKt,CLKbとコマンドバスCMDとアドレスバスADDは、メモリコントローラMCTLにより駆動され、メモリMCHP1〜MCHPnに送られる。それに対し、データバスDQLとデータストローブ対DQSt,DQSbは双方向であり、ライト動作ではメモリコントローラからメモリへ、リード動作ではメモリからメモリコントローラへ送られる。このように、一方向のバスと双方向のバスを両方使う場合に、それぞれに信号のラッチタイミングを定める信号を併せて送ることにより、どちらも高い周波数でのインタフェースを実現できる。なお、一方向バスと双方向バスのいずれか一方の周波数が低くて良い場合には、そちらのタイミングを定める信号は対にせず、伝送線路数を削減することもできる。
図34は、図33での信号伝送部を模式的に示している。ここでは、簡単のためのために、一方向の信号と双方向の信号を1個ずつだけ示している。メモリコントローラMCTLからメモリMCHP1〜MCHPnへの一方向の信号については、メモリコントローラMCTL内の出力バッファOBUFの出力OUTCが、伝送線路TLを介して、メモリMCHP1〜MCHPn内の入力バッファIBUFの入力INM1〜INMnに接続される。一方、メモリコントローラMCTLとメモリMCHP1〜MCHPnとの双方向の信号については、メモリコントローラMCTL内の出力バッファOBUFの出力であり入力バッファIBUFの入力であるIOCが、伝送線路TLを介して、メモリMCHP1〜MCHPn内の入力バッファIBUFの入力であり出力バッファOBUFの出力であるIOM1〜IOMnに接続される。両者とも、伝送線路の両端に終端抵抗RTL,RTRが設けられ、終端電圧VTTに接続される。このように、両側で終端することにより、バス上での信号の反射を抑え、波形の乱れを防止できる。バス上の位置により、信号が伝達されるタイミングが異なるが、図33に示した様に、バスに送る信号と合わせてタイミング信号対を同じ半導体集積回路から送ることにより、遅延時間を揃えることができる。一方向のバスと双方向のバスとで、出力バッファOBUFの有無により、メモリMCHP1〜MCHPnの入力インピーダンスが異なっていても、それぞれに対しタイミング信号対を設けることにより、その影響を除去できる。
図35は、図33の半導体メモリMCHP1〜MCHPnとして用いることができる同期式DRAMの要部ブロック図を示している。間接周辺回路は、クロックバッファCKB、制御信号バッファCB、コマンドデコーダCD、アドレスバッファAB、カラムアドレスカウンタYCT、データストローブ入力回路DSB、データストローブ出力回路QSB、データ入力回路DIB、データ出力回路DOBを含む。さらに、メモリアレーMARに対応してロウ系欠陥救済回路XR、ロウプリデコーダXPD、カラム系救済判定回路YR、カラムプリデコーダYPD、ライトバッファWB、メインアンプMAなどが設けられ、メモリコアのセクタSCT0,SCT1,…を構成している。メモリコアのセクタは、メモリ容量やバンク数などの仕様に応じたメモリアレーの個数に対応するが、ここでは簡単のため2個だけ示している。
各回路ブロックは、以下のような役割を果たす。クロックバッファCKBは、外部クロック対CLKt,CLKbに応じて内部クロック対CKIt,CKIbを、制御信号バッファCB,アドレスバッファABなどに分配する。コマンドデコーダCDは、外部からの制御信号CMDに応じて、アドレスバッファAB、カラムアドレスカウンタYCT、データ入力回路DIB、データ出力回路DOBなどを制御する制御信号を発生する。アドレスバッファABは、外部クロックCLKに応じた所望のタイミングで、外部からのアドレスADRを取り込み、ロウアドレスBXをセクタSCT0,SCT1に分配する。アドレスバッファABはまた、カラムアドレスを取り込んでカラムアドレスカウンタYCTへ送り、カラムアドレスカウンタYCTが、入力されたカラムアドレスを初期値として、バースト動作を行うカラムアドレスBYを発生し、セクタSCT0,SCT1に分配する。データストローブデータ入力回路DSBは、データストローブ対DQSt,DQSbに応じて、内部データストローブ対DSIt,DSIbなどを発生し、データ入力回路DIBを制御する。データ入力回路DIBは、外部との入出力データDQのデータを所望のタイミングで取り込んで、ライトデータGIを出力する。一方、データ出力回路DOBは、入出力データDQへ所望のタイミングで、リードデータGOを出力する。それと合わせ、データストローブ出力回路QSBが、データストローブ対DQSt,DQSbを駆動する。
セクタSCT0あるいはSCT1内で、ロウ系欠陥救済回路XRは、ロウアドレスBXに対して、置換の有無を判定し、ロウ系救済判定結果RXHをロウプリデコーダXPDへ出力する。ロウプリデコーダXPDは、ロウアドレスBX及びロウ系救済判定結果RXHを受けて、所望のマット選択信号MS及びロウプリデコードアドレスCXをメモリアレーMARへ出力する。一方、カラム系救済判定回路YRは、ロウアドレスBX及びカラムアドレスBYに対して、置換の有無を判定し、カラム系救済判定結果RYHをカラムプリデコーダYPDへ出力する。カラムプリデコーダYPDは、カラムアドレスBY及びカラム系救済判定結果RYHを受けて、カラムアドレスBYをプリデコードし、カラムプリデコードアドレスCYをメモリアレーMARへ出力する。ライトバッファWBは、ライトデータGIをメイン入出力線MIOへ出力する。一方、メインアンプMAは、メイン入出力線MIOの信号を増幅し、リードデータGOを出力する。
図36は、図35中のメモリアレーMARの構成例を示している。ここでは、メモリセルがマトリクス状に配置されたメモリセルアレーが16個のマットMCA0〜MCA15に分割されている。各マットの両側には、センスアンプ部SAB0〜SAB16が設けられている。また、マットMCA0〜MCA15に対応してロウデコーダXDEC0〜XDEC15が、センスアンプ部SAB0〜SAB16に対応してセンスアンプ制御回路SAC0〜SAC16が設けられている。ここで、カラムデコーダYDEC及び冗長カラムドライバRYD2は、分割されたマットMCA0〜MCA7に共通であり、256本のカラム選択線YS0〜YS255及び2本の冗長カラム選択線RYS0,RYS1を選択的に駆動する。なお、これらのマット分割数やカラム選択線数に、本発明が限定されないことは言うまでもない。
図37は、図36中のセンスアンプ部SAB1及びマットMCA1の構成例を示している。マットMCA1は、ビット線対BL0tとBL0b,BL0tとBL0b,…の各々いずれか一方と、ワード線WL0,WL1,…との交点に、メモリセルMCが配置された周知の折り返し型ビット線構成をなしている。メモリセルMCは、1個のNMOSトランジスタと1個の蓄積容量からなる1トランジスタ1キャパシタ型メモリセルである。センスアンプ部SAB1は、2個のマットMCA0及びMCA1で共有されており、シェアードゲートSHL0,SHL1,…及びSHR0,SHR1,…、プリチャージ回路PC0,PC1,…、センスアンプSA0,SA1,…、入出力ゲートIOG0,IOG1,…で構成されている。プリチャージ回路PC0,PC1,…は、両側のマットMCA0,MCA1内のビット線対をプリチャージ電圧HVCにプリチャージする。シェアードゲートSHL0,SHL1,…及びSHR0,SHR1,…は、マットMCA0,MCA1のいずれか一方内のビット線対とセンスアンプを接続し、他方内のビット線対を分離する。センスアンプ部に接続されたマット内で、いずれかのワード線が選択的に駆動されることにより、メモリセルMCから各ビット線対BL0tとBL0b,BL0tとBL0b,…に信号が読み出され、センスアンプSA0,SA1,…により増幅される。入出力ゲートIOG0,IOG1,…は、カラム選択線YS0,YS1,…により選択され、所望のセンスアンプを入出力線対IO0tとIO0b,IO1tとIO1bに接続する。ここでは、カラム選択線がセンスアンプ部内のセンスアンプ2個毎、すなわちマット内のビット線4対毎に配置されている例を示している。
図38は、図35に示した同期式DRAMの構成例について、リード動作のタイミングの例を示している。外部クロックCLKtの立ち上がり,CLKbの立ち下がり毎に、コマンドデコーダCDが制御信号CMDを判断し、アクティベイトコマンドAが与えられることにより、アドレスADRからロウアドレスXをアドレスバッファABに取り込み、ロウアドレスBXを出力する。これを受けてセクタSCT0あるいはSCT1内で、所望のマット選択信号MS及びロウプリデコードアドレスCXが出力される。それにより、メモリアレーMAR内で、ワード線WLが選択され、センスアンプが動作する。また、制御信号CMDにリードコマンドRが与えられることにより、アドレスADRからカラムアドレスYをアドレスバッファABに取り込み、カラムアドレスカウンタYCTがクロックサイクル毎に動作し、カラムアドレスBYを出力する。セクタSCT0あるいはSCT1内で、ロウアドレスBXとカラムアドレスBYを受けて、カラム系救済判定回路YRが動作し、その結果に応じてカラムプリデコードアドレスCYあるいは冗長カラムアドレス信号RCYが出力される。それにより、メモリアレーMAR内で、カラム選択線YSあるいは冗長カラム選択線RYSが選択される。その結果、メイン入出力線MIOへ信号が読み出され、メインアンプMAがリードデータGOを出力し、さらにデータ出力回路DOBが外部クロック対CLKt,CLKbに応じたタイミングでデータを入出力データDQへ出力する。それに合わせ、データストローブ出力回路QSBが、データストローブ対DQSt,DQSbを駆動する。このデータストローブ対DQSt,DQSbを、メモリコントローラ側で、入出力データDQの取り込みタイミングの制御に用いる。なお、入出力データDQが外部クロックCLKtの立ち上がり,CLKbの立ち下がりから切り換えタイミングが定められるのに対し、データストローブ対DQSt,DQSbは、外部クロックCLKtの立ち下がり,CLKbの立ち上がりでも切り換えられる。
図39は、ライト動作のタイミングの例を示している。アクティベイトコマンドAが与えられることにより、ロウ系の動作を行う。また、制御信号CMDにライトコマンドWが与えられることにより、カラム系の動作を行う。外部クロックCLKtの立ち上がり,CLKbの立ち下がりにより、アドレスADRからカラムアドレスYをアドレスバッファABに取り込む。また、データストローブDQStの立ち上がり,DQSbの立ち下がりにより、入出力データDQをデータ入力回路DIBが取り込む。データ入力回路DIBは、次の外部クロックCLKtの立ち上がり,CLKbの立ち下がりで、ライトデータGIを出力し、ライトバッファWBからメイン入出力線MIOへ信号が送られる。また、カラムアドレスカウンタYCTがクロックサイクル毎に動作し、カラムアドレスBYを出力し、カラムプリデコードアドレスCYあるいは冗長カラムアドレス信号RCYが出力されて、カラム選択線YSあるいは冗長カラム選択線RYSが選択される。その結果、メイン入出力線MIOの信号がセンスアンプに送られ、書き込み動作が行われる。
以上の動作において、信号の取り込みに、図1などを用いて説明した方式を用いることにより、高い周波数でメモリコントローラなどとのインタフェースが実現できる。
図39に示したライト動作を実現するための、回路構成について以下に説明する。図40は、データストローブ入力回路DSBの構成例を示している。2個の入力バッファDStB,DSbBと、3個のインバータINV300,INV308,INV309と、NORゲートNO301と、2個のインバータ型遅延回路IDE302,IDE303と、4個のNANDゲートNA304〜NA307で構成される。入力バッファDStB,DSbBは、データストローブ対DQSt,DQSbと参照電圧Vrefとを比較し、内部データストローブ対DSIt,DSIbを出力する。インバータINV300とNORゲートNO301は内部ノードDS0を、トゥルーのデータストローブDQStがハイレベルでバーのDQSbがロウレベルの期間にロウレベルとし、他の期間はハイレベルとする。NANDゲートNA306,NA307はSRラッチを構成している。例えば図35のコマンドデコーダCDにより供給される内部クロックCKDIの立ち上がりで、遅延回路IDE302で定まる所望のパルス幅だけ、SRラッチのバーのリセット信号Rbをロウレベルとする。また、内部ノードDS0の立ち上がりで、遅延回路IDE303で定まる所望のパルス幅だけ、SRラッチのバーのセット信号Sbをロウレベルとする。インバータ2段INV308,INV309で、SRラッチの出力を増幅してタイミング制御信号DSCKとして出力する。
図41は、データ入力回路DIBの1ビット分の構成例を示している。入出力データDQが多ビットの場合、図41の回路をビット数分設けて、データ入力回路DIBを構成する。1ビット分は、入力バッファDIBと、第1から第3のラッチ回路L301〜L303で構成されている。入力バッファDIBは、入力DQiを参照電圧Vrefと比較し、内部信号D0iを出力する。第1のラッチ回路L301は、図9と同じ構成で、内部データストローブ対DSIt,DSIbにより制御される。第2のラッチ回路L302は、通常のラッチ回路であり、2個のインバータINV0C,INV5Cと4個のPMOSトランジスタMP1C〜MP4Cと4個のNMOSトランジスタMN1C〜MN4Cからなり、タイミング制御信号DSCKにより制御される。第3のラッチ回路L303も、通常のラッチ回路であり、第2のラッチ回路L302と同様に構成でき、内部クロックCKDIにより制御される。
図42に示すタイミングチャートに従い、図40に示したデータストローブ入力回路DSBと図41に一部を示したデータ入力回路DIBの動作を説明する。ここでは、データストローブの立ち上がりに比べ立ち下がりの遅延時間が大きく、トゥルーの内部データストローブDSItとバーの内部データストローブDSIbが両方ハイレベルとなるオーバーラップ期間がある場合を示している。図41中の第1のラッチ回路L301は、トゥルーの内部データストローブDSItがロウレベルでバーの内部データストローブDSIbがハイレベルの期間はトランスペアレント状態(TRA)となり、トゥルーの内部データストローブDSItがハイレベルでバーの内部データストローブDSIbがロウレベルの期間はラッチ状態(LAT)となる。内部データストローブ対DSIt,DSIbが両方ハイレベルとなるオーバーラップ期間は、入力D0iに依存する。第2のラッチ回路L302を制御するタイミング制御信号DSCKは、図40に示したデータストローブ入力回路DSBで、次のように発生される。トゥルーの内部データストローブDSItの立ち上がりとバーの内部データストローブDSIbの立ち下がりの遅い方、図42では内部データストローブDSIbの立ち下がりで、バーのセット信号Sbにロウレベルのパルスが発生し、タイミング制御信号DSCKが立ち上がる。また、内部クロックCKDIの立ち上がりで、バーのリセット信号Rbにロウレベルのパルスが発生し、タイミング制御信号DSCKが立ち下がる。このタイミング制御信号DSCKにより制御され、第2のラッチ回路L302は、DSCKがハイレベルの時にラッチ状態,ロウレベルの時にトランスペアレント状態となる。第3のラッチ回路L303は、内部クロックCKDIにより制御され、CKDIがハイレベルの時にラッチ状態,ロウレベルの時にトランスペアレント状態となる。その結果、第3のラッチ回路L303が出力する内部信号Diは、内部クロックCKDIの立ち下がりに応じたサイクル時間でバリッド状態(VAL)となる。
このように、内部データストローブ対で制御するラッチ回路と、内部クロックで制御するラッチ回路との間に、内部データストローブと内部クロックとの論理により発生したタイミング制御信号で制御するラッチ回路を挿入することで、データストローブ対とクロックとのタイミング関係に自由度を持たせられる。データストローブ対とクロック対では、図34に関連して述べたように、伝送線路のマッチングをとることが困難であるが、それにより遅延時間差が生じても、安定動作を可能になる。図41の構成で、入力バッファDIBの出力D0iを、図9と同じ構成の第1のラッチ回路L301で取り込むことにより、入力DQiの立ち上がりについてはデータストローブの立ち上がりで、入力DQiの立ち下がりについてはデータストローブの立ち下がりで定めることができ、高い周波数でのインタフェースが可能になる。
図38と図39に示した動作は、クロックとデータの周波数が同じ、いわゆるシングルデータレートの動作を示している。本発明は、シングルデータレートだけでなくダブルデータレートの同期式メモリにも適用可能である。図43は、図35に示した同期式DRAMの構成例について、ダブルデータレートのリード動作のタイミングの例を示している。図38と同様に、アクティベイトコマンドAが与えられることにより、ロウ系動作を行う。制御信号CMDにリードコマンドRが与えられることにより、クロックサイクル毎にカラム系動作を行うが、この際入出力データDQの倍のビット数でリードデータをマットからデータ出力回路DOBに読み出してくる、いわゆる2ビットプリフェッチ動作を行う。データ出力回路DOBは、外部クロック対CLKt,CLKbに応じたタイミングでデータを入出力データDQへ出力する。ここでは、外部クロック対CLKt,CLKbの交点で、入出力データDQが切り換わるようにしている。これは、図35には示していないが、クロック再生回路を出力タイミングの制御に用いることにより実現できる。外部クロックCLKtの立ち上がり,CLKbの立ち下がりに加え、外部クロックCLKtの立ち下がり,CLKbの立ち上がりでも切り換えることにより、データの周波数は、外部クロック対CLKt,CLKbの2倍となる。入出力データDQに合わせ、データストローブ出力回路QSBが、データストローブ対DQSt,DQSbを駆動する。ここでは、入出力データDQの最初のデータの駆動よりも1サイクル前から、データストローブ対DQSt,DQSbを駆動している。このデータストローブ対DQSt,DQSbを、メモリコントローラ側で、入出力データDQの取り込みタイミングの制御に用いる。
図44は、ダブルデータレートのライト動作のタイミングの例を示している。アクティベイトコマンドAが与えられることにより、ロウ系の動作を行う。また、制御信号CMDにライトコマンドWが与えられることにより、カラム系の動作を行う。外部クロックCLKtの立ち上がり,CLKbの立ち下がりにより、アドレスADRからカラムアドレスYをアドレスバッファABに取り込む。ほぼ1サイクル後から、データストローブDQStの立ち上がり,DQSbの立ち下がりにより、入出力データDQをデータ入力回路DIBが取り込む。さらに、データストローブDQStの立ち下がり,DQSbの立ち上がりでも、入出力データDQをデータ入力回路DIBが取り込む。その後の、次の外部クロックCLKtの立ち上がり,CLKbの立ち下がりで、データ入力回路DIBは、入出力データDQの倍のビット数のライトデータGIを出力し、ライトバッファWBからメイン入出力線MIOへ信号が送られる。また、カラムアドレスカウンタYCTがクロックサイクル毎に動作し、カラムアドレスBYを出力し、カラムプリデコードアドレスCYあるいは冗長カラムアドレス信号RCYが出力されて、カラム選択線YSあるいは冗長カラム選択線RYSが選択される。その結果、メイン入出力線MIOの信号がセンスアンプに送られ、書き込み動作が行われる。このようにして、いわゆる2ビットプリフェッチ動作を行う。
このようにダブルデータレートにすることにより、シングルデータレートに対し、同じクロック周波数で倍のデータレートにできる。本発明のインタフェースは、入出力データのセットアップ時間及びホールド時間の仕様を短くできるため、好適である。
図44に示したライト動作を実現するための、回路構成について以下に説明する。図45は、データストローブ入力回路DSBの構成例を示している。2個の入力バッファDStB,DSbBと、3個のインバータINV310,INV308,INV309と、NORゲートNO301と、2個のインバータ型遅延回路IDE302,IDE303と、4個のNANDゲートNA304〜NA307で構成される。図40の構成とは、図40中のインバータINV300が取り除かれ、インバータINV310が挿入されていることが違いである。インバータINV310とNORゲートNO301は内部ノードDSB0を、トゥルーのデータストローブDQStがロウレベルでバーのDQSbがハイレベルの期間にロウレベルとし、他の期間はハイレベルとする。内部ノードDSB0の立ち上がりで、SRラッチのバーのセット信号Sbをロウレベルとする。インバータ2段INV308,INV309で、SRラッチの出力を増幅してタイミング制御信号DSBCKとして出力する。
図46は、データ入力回路DIBの1ビット分の構成例を示しており、入出力データDQが多ビットの場合、図41の回路をビット数分設けて、データ入力回路DIBを構成する。1ビット分は、入力バッファDIBと、第1のフリップフロップ回路FF301eと、第1から第5のラッチ回路L301o〜L303o,L302e,L303eで構成されている。第1のフリップフロップ回路FF301eは、図14と同じ構成で、内部データストローブ対DSIt,DSIbにより制御される。第1のラッチ回路L301oは、図41中の第1のラッチ回路L301と同じく図9と同じ構成で、内部データストローブ対DSIt,DSIbにより制御されるが、図41中の第1のラッチ回路L301とは内部データストローブ対DSIt,DSIbの接続が逆になっている。第2から第5のラッチ回路L302o,L303o,L302e,L303eは、通常のラッチ回路であり、図41中の第2のラッチ回路L302と同様に構成できる。第2のラッチ回路L302oと第4のラッチ回路L302eは、タイミング制御信号DSBCKにより制御され、第3のラッチ回路L303oと第5のラッチ回路L303eは、内部クロックCKDIにより制御される。
図47に示すタイミングチャートに従い、図45に示したデータストローブ入力回路DSBと図46に一部を示したデータ入力回路DIBの動作を説明する。ここでは、図44と同様に、データストローブの立ち上がりに比べ立ち下がりの遅延時間が大きく、トゥルーの内部データストローブDSItとバーの内部データストローブDSIbが両方ハイレベルとなるオーバーラップ期間がある場合を示している。図46中の第1のフリップフロップ回路FF301eは、図15を用いて説明したように動作し、トゥルーの内部データストローブDSItの立ち上がりとバーの内部データストローブDSIbの立ち下がりの遅い方、図42では内部データストローブDSIbの立ち下がりから、トゥルーの内部データストローブDSItの立ち上がりとバーの内部データストローブDSIbの立ち下がりの早い方、図42では内部データストローブDSItの立ち上がりまで、第1のフリップフロップ回路FF301eの出力D1ieはバリッド状態(VAL)である。図46中の第1のラッチ回路L301oは、トゥルーの内部データストローブDSItがハイレベルでバーの内部データストローブDSIbがロウレベルの期間はトランスペアレント状態(TRA)となり、トゥルーの内部データストローブDSItがロウレベルでバーの内部データストローブDSIbがハイレベルの期間はラッチ状態(LAT)となる。内部データストローブ対DSIt,DSIbが両方ハイレベルとなるオーバーラップ期間は、入力D0iに依存する。第2のラッチ回路L302oと第4のラッチ回路L302eを制御するタイミング制御信号DSBCKは、図45に示したデータストローブ入力回路DSBで、次のように発生される。トゥルーの内部データストローブDSItの立ち下がりとバーの内部データストローブDSIbの立ち上がりの遅い方、図42では内部データストローブDSItの立ち下がりで、バーのセット信号Sbにロウレベルのパルスが発生し、タイミング制御信号DSBCKが立ち上がる。また、内部クロックCKDIの立ち上がりで、バーのリセット信号Rbにロウレベルのパルスが発生し、タイミング制御信号DSBCKが立ち下がる。このタイミング制御信号DSBCKにより制御され、第2のラッチ回路L302oと第4のラッチ回路L302eは、DSBCKがハイレベルの時にラッチ状態,ロウレベルの時にトランスペアレント状態となる。第3のラッチ回路L303oと第5のラッチ回路L303eは内部クロックCKDIにより制御され、CKDIがハイレベルの時にラッチ状態,ロウレベルの時にトランスペアレント状態となる。その結果、第3のラッチ回路L303oと第5のラッチ回路L303eが出力する内部信号Die,Dioは、内部クロックCKDIの立ち下がりに応じたサイクル時間でバリッド状態(VAL)となる。
このように、内部データストローブ対DSIt,DSIbの両方のエッジで、安定的にデータを取り込み、クロックでタイミングを制御して動作を行うことができる。データストローブ対は双方向の信号であるため、書き込みデータを送った後はハイインピーダンス状態で不定となるが、クロック対のタイミングでデータを内部回路に送る前に、データストローブが不定になっても、誤動作が防止できる。図46の構成で、入力バッファDIBの出力D0iを、図14と同じ構成の第1のフリップフロップ回路FF301eと、図9と同じ構成の第1のラッチ回路L301oで取り込むことにより、ダブルデータレートの両方の取り込みタイミングを、入力DQiの立ち上がりについてはデータストローブの立ち上がりで、入力DQiの立ち下がりについてはデータストローブの立ち下がりで定めることができる。それにより、ダブルデータレートのインタフェースを安定的に実現できる。
本発明によって得られる主な効果は以下の通りである。
クロックに同期して入力信号を取り込む同期式インタフェースの入力部を有する半導体装置において、入力信号の立ち上がりを外部クロックの立ち上がりで判定し、入力信号の立ち下がりを外部クロックの立ち下がりで判定することができる。立ち上がりと立ち下がりで遅延時間に差があっても、入力信号のパスとクロック信号のパスとで揃っていれば補償される。その結果、セットアップ時間とホールド時間の仕様を短くでき、クロックのサイクル時間を短くできる。すなわち、高い周波数でのインタフェースが実現できる。
産業上の利用可能性
本願発明は、高い周波数で信号の授受を行う半導体装置一般に好適である。例えば、シングルデータレートやダブルデータレートの同期式DRAMに適用できる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明による半導体装置の入力部を示す図である。
図2は、従来の半導体装置の入力部の例を示す図である。
図3は、従来の半導体装置の入力部のタイミング仕様を示す図である。
図4は、従来の信号伝送を模式的に示す図である。
図5は、従来の半導体装置の入力部の別な例を示す図である。
図6は、図5の入力部のタイミング仕様を示す図である。
図7は、図5の入力部での信号伝送を模式的に示す図である。
図8は、図1の入力部のタイミング仕様を示す図である。
図9は、図1の入力部に好適なラッチ回路の回路図である。
図10及び図11は、図9のラッチ回路の動作を示す図である。
図12は、ラッチ回路の別な構成例の回路図である。
図13は、ラッチ回路のさらに別な構成例の回路図である。
図14は、図1の入力部に好適なフリップフロップ回路の回路図である。
図15は、図14のフリップフロップ回路の動作を示す図である。
図16は、フリップフロップ回路の別な構成例の回路図である。
図17は、図16のフリップフロップ回路の動作を示す図である。
図18は、フェーズロックトループを用いた入力部の構成例を示す図である。
図19は、図18中のフェーズロックトループで用いられる位相・周波数検出器の構成例の回路図である。
図20は、図18中のフェーズロックトループで用いられるチャージポンプ回路の構成例の回路図である。
図21は、図18中のフェーズロックトループで用いられる電圧制御発振器の構成例の回路図である。
図22は、ディレイロックトループを用いた入力部の構成例を示す図である。
図23は、図22中のディレイロックトループで用いられる位相比較器の構成例の回路図である。
図24は、図22中のディレイロックトループで用いられる電圧制御遅延器の構成例の回路図である。
図25は、入力バッファの構成例の回路図である。
図26は、入力バッファの別な構成例の回路図である。
図27は、入力バッファのさらに別な構成例の回路図である。
図28は、入力バッファのまたさらに別な構成例の回路図である。
図29は、出力部の構成例を示す図である。
図30は、出力バッファの構成例の回路図である。
図31は、2個の半導体集積回路間の本発明によるインタフェースを示す図である。
図32は、図31のインタフェースでの信号伝送部を示す図である。
図33は、バス形式での本発明によるインタフェースを示す図である。
図34は、図33のインタフェースでの信号伝送部を示す図である。
図35は、同期式DRAMの構成例を示す図である。
図36は、図36中のメモリアレーの構成例を示す図である。
図37は、図36中のセンスアンプ部とマットの構成例を示す図である。
図38は、図35の同期式DRAMのリード動作を示す図である。
図39は、図35の同期式DRAMのライト動作を示す図である。
図40は、図35の同期式DRAM中のデータストローブ入力回路の構成例の回路図である。
図41は、図35の同期式DRAM中のデータ入力回路の構成例の回路図である。
図42は、図40のデータストローブ入力回路と図41のデータ入力回路の動作を示す図である。
図43は、ダブルデータレートのリード動作を示す図である。
図44は、ダブルデータレートのライト動作を示す図である。
図45は、ダブルデータレート用のデータストローブ入力回路の構成例の回路図である。
図46は、ダブルデータレート用のデータ入力回路の構成例の回路図である。
図47は、図45のデータストローブ入力回路と図46のデータ入力回路の動作を示す図である。
Claims (16)
- 第1入力信号が入力され、第1内部信号を出力する第1入力バッファと、
第1外部クロックが入力され、前記第1外部クロックと所望のしきい値とを比較して第1内部クロックを出力する第1クロック入力バッファと、
第2外部クロックが入力され、前記第2外部クロックと所望のしきい値とを比較して第2内部クロックを出力する第2クロック入力バッファと、
前記第1内部信号が入力される第1記憶回路とを有し、
前記第1記憶回路は、前記第1及び第2内部クロックにより制御される半導体装置。 - 請求項1に記載の半導体装置は、さらに、第2入力信号が入力され、第2内部信号を出力する第2入力バッファと、前記第2内部信号が入力される第2記憶回路とを有し、
前記第2記憶回路は、前記第1及び第2内部クロックにより制御され、前記第1外部クロックと前記第2外部クロックとは相補な信号であり、
前記所望のしきい値は基準電圧に対応する半導体装置。 - 請求項1に記載の半導体装置において、
前記第1記憶回路は、第1NMOSトランジスタと、第1PMOSトランジスタと、第2NMOSトランジスタと、第2PMOSトランジスタとを含む第1トライステートインバータを具備し、
前記第1NMOSトランジスタと前記第1PMOSトランジスタのゲートには前記第1内部信号に応じた信号が入力され、
前記第2NMOSトランジスタのゲートには前記第1内部クロックが入力され、
前記第2PMOSトランジスタのゲートには前記第2内部クロックが入力される半導体装置。 - 請求項3に記載の半導体装置において、
前記第1記憶回路は、さらに、
前記第1トライステートインバータの出力が入力される第1インバータと、
第3NMOSトランジスタと、第3PMOSトランジスタと、第4NMOSトランジスタと、第4PMOSトランジスタとを含む第2トライステートインバータとを具備し、
前記第1トライステートインバータと前記第2トライステートインバータは出力ノードを共有し、
前記第3NMOSトランジスタと前記第3PMOSトランジスタのゲートには前記第1インバータの出力が入力され、
前記第4NMOSトランジスタのゲートには前記第2内部クロックが入力され、
前記第4PMOSトランジスタのゲートには前記第1内部クロックが入力される半導体装置。 - 請求項3に記載の半導体装置において、
前記第1記憶回路は、さらに、
前記第1トライステートインバータの出力が入力される第1インバータと、
前記第1インバータの出力が入力される第2インバータとを具備し、
前記第1トライステートインバータと前記第2インバータは出力ノードを共有する半導体装置。 - 請求項1に記載の半導体装置において、前記第1記憶回路はラッチ回路である半導体装置。
- 請求項1に記載の半導体装置において、前記第1記憶回路はフリップフロップ回路である半導体装置。
- 第1入力信号と、第1外部クロック信号と、前記第1外部クロック信号と相補な第2外部クロック信号が入力される半導体装置であって、
前記第1入力信号の'1'のセットアップ時間は、前記第1外部クロック信号に対して規定され、
前記第1入力信号の'0'のセットアップ時間は、前記第2外部クロック信号に対して規定され、
前記第1入力信号の'1'のホールド時間は、前記第2外部クロック信号に対して規定され、
前記第1入力信号の'0'のホールド時間は、前記第1外部クロック信号に対して規定される半導体装置。 - 請求項8に記載の半導体装置において、
前記第1入力信号の'1'のセットアップ時間は、前記第1外部クロック信号の立ち上がりに対して規定され、
前記第1入力信号の'0'のセットアップ時間は、前記第2外部クロック信号の立ち下がりに対して規定され、
前記第1入力信号の'1'のホールド時間は、前記第2外部クロック信号の立ち下がりに対して規定され、
前記第1入力信号の'0'のホールド時間は、前記第1外部クロック信号の立ち上がりに対して規定される半導体装置。 - 第1データ入出力端子と、
第1データストローブ端子と、
第2データストローブ端子と、
前記第1データ入出力端子に接続され、第1内部信号を出力する第1入力バッファと、
前記第1データストローブ端子から入力される信号と所望のしきい値とを比較することにより、第1内部データストローブを出力する第1データストローブ入力バッファと、
前記第2データストローブ端子から入力される信号と所望のしきい値とを比較することにより、第2内部データストローブを出力する第2データストローブ入力バッファと、
前記第1内部信号が入力され、前記第1及び第2内部データストローブにより制御される第1記憶回路とを有し、
前記第1記憶回路は、第1NMOSトランジスタと、第1PMOSトランジスタと、第2NMOSトランジスタと、第2PMOSトランジスタとを含む第1トライステートインバータを具備し、
前記第1NMOSトランジスタと前記第1PMOSトランジスタのゲートには前記第1内部信号に応じた信号が入力され、
前記第2NMOSトランジスタのゲートには前記第1内部データストローブが入力され、
前記第2PMOSトランジスタのゲートには前記第2内部データストローブが入力される半導体装置。 - 請求項10に記載の半導体装置は、さらに、
第1外部クロックが入力される第1クロック端子と、
第2外部クロックが入力される第2クロック端子と、
前記第1クロック端子に接続され、第1内部クロックを出力する第1クロック入力バッファと、
前記第1クロック端子に接続され、第2内部クロックを出力する第2クロック入力バッファとを有し、
上記所望のしきい値は基準電圧に対応する半導体装置。 - 請求項11に記載の半導体装置において、
前記第1データ入出力端子に入出力されるデータの周波数は、前記第1外部クロック及び前記第2外部クロックの周波数と等しい半導体装置。 - 請求項11に記載の半導体装置において、
前記第1データ入出力端子に入出力されるデータの周波数は、前記第1外部クロック及び前記第2外部クロックの周波数の2倍である半導体装置。 - 請求項10に記載の半導体装置は、さらに、多数のメモリセルがマトリクス状に配置されたメモリセルアレーを有する半導体装置。
- 請求項14に記載の半導体装置において、前記多数のメモリセルの各々は、ダイナミックメモリセルである半導体装置。
- 請求項10に記載の半導体装置において、前記第1データストローブ端子には、トゥルークロックが供給され、前記第2データストローブ端子には前記トゥルークロックと対をなすバークロック信号が供給される半導体装置。
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