JP4513184B2 - ポリロタキサンおよびε−ポリリジンの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリロタキサンおよびε−ポリリジンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ε−ポリリジンは抗菌活性を有することから、食品をはじめとする各分野で抗菌剤として使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ε−ポリリジンは極めて親水性が高く、容易に溶解することからその抗菌活性の発現は速効的であり、緩効的な抗菌活性の発現は困難であった。
【0004】
また、ε−ポリリジン発酵液から菌体その他の固形物を遠心分離またはフィルター濾過などにより除去した上澄液からのε−ポリリジンの分離精製は、従来、複数のイオン交換樹脂を用いて行われていたが、該方法では多大な工数と長時間を要し、且つε−ポリリジンの回収効率が低いことから、より簡便な分離精製法が求められていた。
【0005】
【課題を解決する手段】
本発明者らは前述の従来技術の問題点に鑑み鋭意研究を重ねた。その結果ε−ポリリジンを軸分子とし、α−シクロデキストリンを回転子とするポリロタキサンであれば、ε−ポリリジンの抗菌活性が緩効化すること、更に、ε−ポリリジンとそれ以外の成分とを含む例えば発酵液にα−シクロデキストリンを添加し、ε−ポリリジンを軸分子としα−シクロデキストリンを回転子とするポリロタキサンを形成させ、沈殿させ、回収することによって分離精製されたε−ポリリジンの製造方法であれば、簡便にε−ポリリジンの分離精製が達成されることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。
【0006】
本発明は下記の(1)〜(8)の構成からなる。
(1)ε−ポリリジンを軸分子とし、α−シクロデキストリンを回転子とするポリロタキサン。
【0007】
(2)リジン1ユニット当たりのα−シクロデキストリンの個数が0.3〜1個の割合であるポリロタキサン。
【0008】
(3)前記第1項または第2項記載のポリロタキサンを含有することを特徴とする食品保存料。
【0009】
(4)前記第1項または第2項記載のポリロタキサンを含有することを特徴とする抗菌剤。
【0010】
(5)前記第1項または第2項記載のポリロタキサンおよび該ポリロタキサンを化学修飾して得られる化合物から選ばれた1種以上を含有する刺激応答材料。
【0011】
(6)前記第1項または第2項記載のポリロタキサンおよび該ポリロタキサンを化学修飾して得られる化合物から選ばれた1種以上に薬効成分を化学修飾および/または担持して得られる医薬品。
【0012】
(7)ε−ポリリジンとそれ以外の成分とを含む液体にα−シクロデキストリンを添加し、ε−ポリリジンを軸分子としα−シクロデキストリンを回転子とするポリロタキサンを形成させて分離精製することを特徴とするε−ポリリジンの製造方法。
【0013】
(8)α−シクロデキストリンの添加割合が、リジン1ユニット当たりα−シクロデキストリン1〜3個の割合である前記第7項記載のε−ポリリジンの製造方法。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるε−ポリリジンは何れの方法で得たものであっても良い。具体的にはε−ポリリジン生産菌であるストレプトマイセス属に属するストレプトマイセス・アルブラス・サブスピーシーズ・リジノポリメラスを培養し、得られた培養物からε−ポリリジンを分離、採取する方法(特公昭59−20359号公報)によって得られたε−ポリリジンを挙げることができる。該ε−ポリリジンは厚生省の既存添加物名簿にも記載されている物質であり、食品保存料等に利用されている。
【0015】
本発明で用いるα−シクロデキストリンは、澱粉にバチルス属のバチル・スマセランス菌やバチルス・ステアロサーモフィラス菌などが生産するシクロデキストリングルカノトランスフェラーゼを作用させることにより生成される天然由来の化合物である。該α−シクロデキストリンは厚生省の既存添加物名簿にも記載されている物質であり、食品などの安定化剤や粉末化基剤等に利用されている。
【0016】
なお、本発明で用いるα−シクロデキストリンは、β−シクロデキストリンやγ−シクロデキストリンとの混合物を用いてもよいが、α−シクロデキストリンのみからなる純品であることが好ましい。
【0017】
本発明のポリロタキサンは、α−シクロデキストリンの水溶液にε−ポリリジンを添加・溶解させる操作、もしくはε−ポリリジンの水溶液にα−シクロデキストリンを添加・溶解させる操作によって得ることができる。具体的には前述の操作によって生成した白色沈殿を回収・水洗し、減圧乾燥などにより水分を取り除くことによって得ることができる。
【0018】
本発明のポリロタキサンを生成させる際の温度としては、10℃から50℃が好ましく、この範囲内であれば温度が高いほど、また、α−シクロデキストリンの濃度が飽和に近いほど、リジン1ユニット当たりのα−シクロデキストリンの個数が増加し1に近づく。
【0019】
本発明のポリロタキサンにおける、軸分子であるε−ポリリジンと回転子であるα−シクロデキストリンとの割合は特に限定されるものではないが、リジン1ユニット当たりのα−シクロデキストリンの個数が0.3〜1個の割合であることが好ましい。該割合を変えることによりε−ポリリジンの抗菌効果の持続期間を制御することが可能である。
【0020】
該割合は、ポリロタキサンの調製温度(10℃〜50℃)、水洗の回数、およびα−シクロデキストリンの水溶液にε−ポリリジンを添加・溶解させる操作によってポリロタキサンを得る場合には、α−シクロデキストリン水溶液の濃度により、ε−ポリリジンの水溶液にα−シクロデキストリンを添加・溶解させる操作によってポリロタキサンを得る場合には、ε−ポリリジンの添加量により調節することができる。
【0021】
本発明の食品保存料は、本発明のポリロタキサンを含有するものであればその組成については特に限定されるものではなく、該ポリロタキサンのみからなるものであってもよく、該ポリロタキサン以外の成分として、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖エステル、グリシン、カテキン、キトサン、プロタミン、リボソーム、竹抽出物、有機酸および/または有機酸塩などを挙げることができる。
【0022】
食品保存料として用いた場合は、調理中の加熱による食材との相互作用を防ぐことによりε−ポリリジンの使用量を低減できる。また、本発明の食品保存剤の用途並びにその使用方法は限定されるものではなく、例えば、魚のすり身、ハンバーグ、パン、麺および野菜の煮物や炒め物などの食品に、そのままの状態または食用に供する液体に溶解または懸濁した状態で添加すればよい。
【0023】
本発明の抗菌剤は、本発明のポリロタキサンを含有するものであればその組成については特に限定されるものではなく、該ポリロタキサンのみからなるものであってもよく、該ポリロタキサン以外の成分として、カテキン、キトサン、パラベン、銀ゼオライト、第4級アンモニウム塩、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖エステル、有機酸および/または有機酸塩などを挙げることができる。
【0024】
本発明の抗菌剤の用途並びにその使用方法は限定されるものではなく、例えば、合成樹脂、紙、不織布、塗料、インキ、漆、ワニス、エナメルおよび化粧品などに対して、そのままの状態または各用途に適した液体に溶解または懸濁した状態で添加すればよい。
【0025】
本発明の刺激応答材料は、本発明のポリロタキサンおよび該ポリロタキサンを化学修飾して得られる化合物から選ばれた1種以上を含有するものであればその組成については特に限定されるものではない。
該ポリロタキサンのみからなるものであってもよく、該ポリロタキサン以外の成分として、該ポリロタキサンとは異なる刺激に応答する化合物を挙げることができる。
【0026】
本発明のポリロタキサンは、塩酸、アンモニア水および60℃以上の温水において溶解するため、特定の刺激に対して応答することが要求される化合物またはその中間体として有用である。
【0027】
本発明のポリロタキサンを化学修飾して得られる化合物としては、例えば、軸分子であるε−ポリリジンの末端にポリエチレングリコールをペプチド結合させた化合物や、ε−ポリリジンの両末端に安息香酸およびフェニルアラニンを、ペプチド結合を介して導入した化合物などを挙げることができる。
【0028】
前者の化合物では、水素イオン濃度や温度の刺激により軸分子と回転子および回転子間の水素結合性が変化し、回転子であるα−シクロデキストリンがε−ポリリジンとポリエチレングリコールとの間を可逆的に移動することができる。
後者の化合物では、ペプチド結合を分解するような刺激を与えることにより、安息香酸およびフェニルアラニンが両末端から分離し、回転子であるα−シクロデキストリンが軸分子であるε−ポリリジンから解離することによって、ε−ポリリジンが有するカチオン性を発現することが可能となる。
【0029】
本発明の医薬品は、本発明のポリロタキサンおよび該ポリロタキサンを化学修飾して得られる化合物から選ばれた1種以上に薬効成分を化学修飾および/または担持したものであれば特に限定されるものではない。
該ポリロタキサンの化学修飾としては、例えば両末端に安息香酸およびフェニルアラニンを、ペプチド結合を介して導入することをあげることができ、これにより薬効成分を必要とする消化器官まで、回転子かつ該薬効成分の担体であるα−シクロデキストリンが解離しないようにすることができる。
【0030】
薬効成分としては、消化性潰瘍用剤、健胃消化剤、制酸剤、利胆剤および整腸剤などを挙げることができ、ポリロタキサンの化学修飾および/または該薬効成分の化学修飾の具体的方法としては、イミド結合、ペプチド結合およびエステル結合など、該薬効成分を必要とする消化器官で分解する結合様式を選択することができる。本発明の医薬品であれば、特定の消化器官で該薬効成分を解離・溶解して放出することが可能である。
【0031】
本発明の分離精製されたε−ポリリジンの製造方法は、ε−ポリリジンとそれ以外の成分とを含む液体にα−シクロデキストリンを添加し、ε−ポリリジンを軸分子としα−シクロデキストリンを回転子とするポリロタキサンを形成させる工程を有するものである。
ε−ポリリジンとそれ以外の成分とを含む液体としては、具体的には、ε−ポリリジン発酵液を挙げることができる。
【0032】
ε−ポリリジン発酵液の製造方法は特に限定されるわけではないが、例えば、ε−ポリリジン生産菌として、ストレプトマイセス・アルブラス・リジノポリメラスNo.346−D株(微工研菌寄第3834号)、ストレプトマイセス・アルブラス・リジノポリメラス11011A−1株(微工研条寄第1109号)およびストレプトマイセス・アブプラス・リジノポリメラス50833株(微工研条寄第1110号)から選ばれた1種以上を、シュークロース、グルコース、グリセリン、スターチなどの炭素源、ペプトン、カゼイン分解物、アミノ酸、無機アンモニウム塩などの窒素源、燐酸イオン、カリウムイオン、ナトリウムイオン、マグネシウムイオンなどの無機物、その他栄養物として酵母エキスなどを適当に含有する培地を用いて培養することにより得ることができる。
ε−ポリリジンとそれ以外の成分とを含む液体がε−ポリリジン発酵液の場合、該液体は該発酵液から菌体その他の固形物を遠心分離またはフィルター濾過などにより除去した上澄液であることが好ましい。
【0033】
該液体に添加するα−シクロデキストリンの添加割合は、ε−ポリリジンのリジン1ユニット当たり1〜3個の割合であることが好ましい。1個より少ないと回収率が低下し、3個より多くても回収率の増大は見込まれない。
【0034】
該液体に添加するα−シクロデキストリンは、α−シクロデキストリンのみからなる純品であることが好ましいが、本発明の製造方法においては、β−シクロデキストリンやγ−シクロデキストリンとの混合物を用いてもよい。
【0035】
該液体にα−シクロデキストリンを添加・溶解させることにより、ε−ポリリジンを軸分子としα−シクロデキストリンを回転子とするポリロタキサンが形成されると、該ポリロタキサンは白色の沈殿物となることから、この白色沈殿物を回収し塩酸またはアンモニア水に溶解させ、次いで陽イオン交換樹脂またはゲル濾過などにかけることにより、ε−ポリリジンのみを分離精製することができる。
【0036】
本発明の製造方法において、前述のようにβ−シクロデキストリンやγ−シクロデキストリンを含有するα−シクロデキストリンを用いた場合には、β−シクロデキストリンやγ−シクロデキストリンはε−ポリリジンとの間でポリロタキサンを形成せず、α−シクロデキストリンのみがポリロタキサンを形成し白色沈殿として回収されることから、本発明の製造方法はα−シクロデキストリンの分離方法としても利用可能である。
【0037】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
実施例1
[ε−ポリリジン粉末の製造]
ε−ポリリジンの25wt%水溶液(チッソ株式会社製)150mlを、40℃に設定したロータリーエバポレーターを用いて、液量が60ml程度となるまで減圧脱水を行った。純度99.5wt%の特級エチルアルコール(以下、「エタノール」という。)を、残っている該ε−ポリリジン水溶液と等量加え共沸混合物とした後、再度40℃にて液量が60ml程度となるまで減圧条件で共沸・脱水を行った。上記共沸操作を三回繰り返し、三回目の減圧共沸操作は、エタノールの蒸発が認められなくなるまで行い、半固形状のε−ポリリジンを得た。次に、40℃に設定した減圧乾燥装置で、該ε−ポリリジンを12時間乾燥し、残存するエタノールを除去して得られた固形物をフードミル(フィリップス(株)製HL2053)で粉砕し、ε−ポリリジン粉末を得た。
【0038】
[ε−ポリリジンを軸分子とし、α−シクロデキストリンを回転子とするポリロタキサンの調製]
20mlのα−シクロデキストリン飽和水溶液(0.15g/ml)に0.4gのε−ポリリジン粉末を加え、完全に溶解するまで撹拌した後、一晩静置した。得られた白色沈殿を遠心分離により回収し、イオン交換水で2回洗浄した後、50℃で24時間減圧乾燥した。固形物の収量は、3.1gであった。
【0039】
[ポリロタキサンの同定]
以下の、重水素核磁気共鳴、熱分析および粉末X線回折により、得られた固形物は、ε−ポリリジンを軸分子とし、α−シクロデキストリンを回転子とするポリロタキサンであることが確認された。
【0040】
[1H−NMR分析]
得られた固形物の0.5wt%重塩酸重水溶液の1H−NMRスペクトルはα−シクロデキストリンとε−ポリリジンの単体のスペクトルを重ね合わせたものと同等であった。このことから、該固形物は両成分を含有し、かつ、該重塩酸重水溶液中ではε−ポリリジンからα−シクロデキストリンが解離していることが確認された。
【0041】
[DSC分析]
ε−ポリリジンおよび該固形物の示差走査熱量分析の結果、本実施例で用いたε−ポリリジンの融点は162℃であったが、該固形物の融解ピークは250℃まで認められなかったことから、該固形物はε−ポリリジンとα−シクロデキストリンによって形成された錯体であることが確認された。
【0042】
[TGA分析]
ε−ポリリジンおよび該固形物の熱重量分析の結果、該固形物の熱分解温度は313℃であり、本実施例で用いたε−ポリリジンの熱分解温度である297℃と比較して16℃上昇していることから、該固形物はε−ポリリジンとα−シクロデキストリンによって形成された錯体であることが確認された。
【0043】
[粉末X線回折]
図1はα−シクロデキストリン、ε−ポリリジンおよび該固形物の粉末X線回折パターンを示す線図であり、横軸のθは回折角を、縦軸のcounts/sは回折強度を表す。図1から、該固形物はα−シクロデキストリンとε−ポリリジンの単体のスペクトルを重ね合わせたものとは異なり、2θ=20゜のチャンネル型構造に特徴的なピークが認められることから、ポリロタキサンを形成していることが確認された。
【0044】
実施例2
[ε−ポリリジンの発酵生産]
グリセロール50g、硫酸アンモニウム10g、酵母エキス5g、硫酸マグネシウム(7水化物)0.5g、硫酸亜鉛(7水化物)0.04g、および硫酸第一鉄(7水化物)0.03gを0.02M燐酸緩衝液(pH6.8)1000mlに加えて調製した培地を、121℃で20分間加熱滅菌する。これに、ε−ポリリジン生産菌であるストレプトマイセス・アルブラス・サブスピーシーズ・リジノポリメラスNo.346−D株の斜面培養物を1白金耳接種し、ミニジャーファーメンターにて30℃、48時間好気培養を行い発酵液を得た。
【0045】
[ε−ポリリジンの分離精製]
該発酵液から、菌体その他の固形物を孔径0.45μmのメンブランフィルターで減圧濾過した濾過液100mlに、α−シクロデキストリン14gを添加し完全に溶解するまで撹拌した後、一晩静置した。得られた白色沈殿を遠心分離(20℃、毎分10000回転、30分)により回収し、イオン交換水で2回洗浄した後、60℃の温水100mlに溶解し、ゲル濾過(60℃)にてε−ポリリジンとα−シクロデキストリンを分画し、ε−ポリリジン水溶液を得た。
【0046】
比較例
[ε−ポリリジンの分離精製]
実施例2で生産した発酵液から、菌体その他の固形物を孔径0.45μmのメンブランフィルターで減圧濾過した濾過液を、陽イオン交換樹脂IRC−50(H+型)(ローム・アンド・ハース社製)を充填したカラムに通し、ε−ポリリジンを吸着させる。該カラムを0.2N酢酸で洗浄後、ε−ポリリジンを0.1N塩酸で溶出する。該溶出液を強塩基性陰イオン交換樹脂IRA−402(OH-型)(ローム・アンド・ハース社製)を充填したカラムに通した後、活性炭で処理して脱色し、ε−ポリリジン水溶液を得た。
【0047】
実施例2
実施例2による濾過液中のε−ポリリジンに対する回収率は85%であり、比較例の回収率73%を上回った。
【0048】
【発明の効果】
本発明のε−ポリリジンを軸分子としα−シクロデキストリンを回転子とするポリロタキサンであれば、緩効的な抗菌活性の発現が可能であり、本発明のε−ポリリジンの製造方法であれば、簡便且つ高い回収率で分離精製されたε−ポリリジンを得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はα−シクロデキストリン、ε−ポリリジンおよび本生成物の粉末X線回折パターンを示す線図である。
Claims (2)
- ε−ポリリジンとそれ以外の成分とを含む液体にα−シクロデキストリンを添加し、ε−ポリリジンを軸分子としα−シクロデキストリンを回転子とするポリロタキサンを形成させて分離精製することを特徴とするε−ポリリジンの製造方法。
- α−シクロデキストリンの添加割合が、リジン1ユニット当たりα−シクロデキストリン1〜3個の割合である請求項1記載のε−ポリリジンの製造方法。
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