JPH07316205A - シクロデキストリン誘導体 - Google Patents

シクロデキストリン誘導体

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JPH07316205A
JPH07316205A JP7097753A JP9775395A JPH07316205A JP H07316205 A JPH07316205 A JP H07316205A JP 7097753 A JP7097753 A JP 7097753A JP 9775395 A JP9775395 A JP 9775395A JP H07316205 A JPH07316205 A JP H07316205A
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JP
Japan
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cyclodextrin
derivative
hydrogen atom
group
compound
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Application number
JP7097753A
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English (en)
Inventor
Takayuki Kawaguchi
口 隆 行 川
Masahiro Ikeda
田 政 浩 池
Kazukiyo Inoue
上 和 泓 井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
D D S KENKYUSHO KK
Original Assignee
D D S KENKYUSHO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記式(I)で表されるシクロデキストリン
誘導体およびその塩。 【化1】 (上記式中、Rは、水素原子または脱離基を表し、R
2〜4は、同一または異なっていてもよく、それぞれ水
素原子または低級アシル基を表し、Xは、−(CH
p−(ここで、pは1〜10の整数を表す)または−C
−O−CH−を表し、そしてnは、6〜8の整数
を表す) 【効果】 シクロデキストリン誘導体は、高分子化合物
に化学結合によって担持される。シクロデキストリン誘
導体を高分子化合物に担持させることによって、シクロ
デキストリンの包接能の向上が図られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】発明の分野 本発明は、シクロデキストリン誘導体およびこのシクロ
デキストリン誘導体を担持してなる高分子化合物に関
し、更に詳しくは、官能基を有したシクロデキストリン
誘導体と、その官能基を利用してシクロデキストリンが
導入された高分子化合物に関する。
【0002】背景技術 シクロデキストリンはグルコースがα1→4結合で環状
に結合した環状化合物である。このシクロデキストリン
は、適当な大きさの分子をその中に包接するとの興味あ
る性質を有する。この性質から、このシクロデキストリ
ンは種々の用途に利用されており、例えば医薬品を包接
させて薬物複合体としたり、食品中に含まれる香料の揮
撥防止剤、香辛料の安定化剤などとして広く用いられ
る。
【0003】
【発明の概要】本発明者らは、今般、このシクロデキス
トリンの包接能をより向上させるにあたり、シクロデキ
ストリンが特定の基を介して高分子化合物に導入される
ことが望ましい、との知見を得た。本発明はこの知見に
基づくものである。従って、本発明は、高分子化合物へ
の効率の良い導入が行える官能基を有したシクロデキス
トリン誘導体の提供をその目的としている。また本発明
は、そのシクロデキストリン誘導体が導入された、シク
ロデキストリンを担持してなる高分子化合物の提供をそ
の目的としている。
【0004】そして、本発明によるシクロデキストリン
誘導体は、下記式(I)で表されるもの、である。
【0005】
【化9】 (上記式中、Rは、水素原子または脱離基を表し、R
2〜4は、同一または異なっていてもよく、それぞれ水
素原子または低級アシル基を表し、Xは、−(CH
p−(ここで、pは、1〜10の整数を表す)または−
CH−O−CH−を表し、そしてnは、6〜8の整
数を表す)
【0006】また、本発明によるシクロデキストリンを
担持してなる高分子化合物は、下記式(Ia)で表わさ
れるシクロデキストリン誘導体が担持されてなるもの、
である。
【0007】
【化10】 (上記式中、R2〜4は、同一または異なっていてもよ
く、それぞれ水素原子または低級アシル基を表し、X
は、−(CH)p−(ここで、pは1〜10の整数を
表す)または−CH−O−CH−を表し、mは、0
または1の整数を表し、そしてnは、6〜8の整数を表
す)
【0008】本発明によるシクロデキストリン誘導体
は、好ましくは高分子化合物に担持させて使用される。
すなわち、本発明による誘導体にはアミノ基またはカル
ボキシル基と反応し得る官能基(すなわちカルボキシル
基またはアミノ基)を有する。従って、アミノ基または
カルボキシル基を有する高分子化合物、例えばペプチド
鎖が導入された高分子化合物、に複数個担持させること
ができる。
【0009】このようにシクロデキストリンが担持され
た高分子化合物であると、包接された分子(包接分子)
が一つのシクロデキストリンを離れても、その近傍に他
のシクロデキストリン分子が存在しており、この脱離し
た包接分子は再びシクロデキストリンに包接されること
となる。その結果、シクロデキストリンの包接能の向上
が期待できる。
【0010】
【発明の具体的説明】シクロデキストリン誘導体 本発明によるシクロデキストリン誘導体は、前記式
(I)で表されるものである。式(I)において、R
が表す脱離基とは高分子化合物への導入に際し、脱離可
能な基を意味し、好ましい具体例としてはスクシンイミ
ド基、p−ニトロフェニル基、1−ベンゾトリアゾール
基など一般に活性エステルとして用いられる脱離基およ
びベンジル基が挙げられる。特に好ましくはスクシンイ
ミド基、ベンジル基等が挙げられる。
【0011】式(I)において、R2〜4が表す低級ア
シル基の好ましい例としては、直鎖あるいは分枝鎖の炭
素数1〜6、好ましくは1〜4、のアルキルカルボニル
基が挙げられ、より好ましい具体例としてはアセチル
基、プロピオニル基、などが挙げられる。また、このア
ルキルカルボニル基のアルキル基上の水素原子はC1−
アルコキシ、好ましくはC1−4アルコキシで置換さ
れていてもよく、その具体例としてはメトキシアセチル
基などが挙げられる。
【0012】R2〜4の好ましい組み合わせとしては、
2〜4が全て水素原子を表すもの、およびR2〜4
全て低級アシル基(より好ましくはアセチル基)を表す
もの、が挙げられる。
【0013】式(I)においてnは6〜8の整数を表
す。式(I)で表される化合物は、n=6の場合にはα
−シクロデキストリン誘導体を、n=7の場合にはβ−
シクロデキストリン誘導体を、n=8の場合にはγ−シ
クロデキストリン誘導体を、それぞれ表す。また、基X
においてpは1〜10、好ましくは2〜4、の整数を表
す。
【0014】本発明によるシクロデキストリン誘導体の
好ましい例としては、式(I)で表される化合物であっ
て、Rが、水素原子、ベンジル基、またはスクシンイ
ミド基を表し、R2〜4が、それぞれ水素原子またはア
セチル基を表し、Xが、−(CH−、−(C
−、または−CH−O−CH−を表すも
の、が挙げられる。
【0015】本発明によるシクロデキストリン誘導体は
その塩として存在することができ、好ましくは薬理学上
許容される塩である。このような塩としてはナトリウム
塩、カリウム塩、カルシウム塩、およびアミン類の塩な
どが挙げられる。
【0016】本発明によるシクロデキストリン誘導体
は、好ましくは高分子化合物に担持させて使用される。
すなわち、本発明による誘導体はその一つの態様におい
てアミノ基と反応し得る官能基、すなわちカルボキシル
基、を有する。従って、アミノ基を有する高分子化合
物、例えばペプチド鎖が導入された高分子化合物、にシ
クロデキストリン誘導体を複数個担持させることができ
る。なお、本明細書において「担持する」とは、化学結
合、すなわち共有結合によって例えば高分子化合物とシ
クロデキストリン誘導体とが結合している状態をいうも
のとする。
【0017】本発明のもう一つの態様として本発明によ
るシクロデキストリンが担持された高分子化合物(以下
「高分子化合物誘導体」ということがある)が提供され
る。この場合、担持されたシクロデキストリン誘導体
は、前記式(Ia)で表されるものである。
【0018】式(Ia)においてmは0または1を表
す。mが0のときは−(CO−X−CO)m−は結合を
表す。
【0019】式(Ia)においてR2〜4が表す低級ア
シル基の好ましい例、およびR2〜4の好ましい組み合
わせとしては式(I)の説明において記載されたものが
挙げられる。
【0020】本発明による高分子化合物誘導体によれ
ば、包接された分子(包接分子)が一つのシクロデキス
トリンを離れても、その近傍に他のシクロデキストリン
分子が存在しており、この脱離した包接分子は再びシク
ロデキストリンに包接されることとなる。その結果、高
分子化合物誘導体のシクロデキストリンに由来する包接
能の向上が期待できる。
【0021】本発明によるシクロデキストリン誘導体を
担持することができる高分子化合物としては、例えばア
ミノ基を有する高分子化合物、アミノ基を有するように
修飾された高分子化合物等が挙げられる。具体的には、
キトサン、カルボキシアルキルキトサン(例えば、カル
ボキシメチルキトサン)、ポリアスパラギン酸、ポリリ
ジン、脱N硫酸化ヘパリン、およびポリガラクトサミ
ン、並びにこれらに1〜4個の同一または異なっていて
もよいアミノ酸を含んでなるペプチド鎖が導入された誘
導体などが挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。これらの高分子化合物中の一部のアミノ基はアシ
ル化(好ましくはアセチル化)されていてもよい。
【0022】また、本発明によるシクロデキストリン誘
導体を担持することができる高分子化合物としては、カ
ルボキシル基を有する高分子化合物およびカルボキシル
基を有するように修飾された高分子化合物等が挙げられ
る。具体的には、カルボキシアルキルキトサン(例え
ば、カルボキシメチルキトサン)、ポリグルタミン酸、
ポリアスパラギン酸、並びにこれらに1〜4個の同一ま
たは異なっていてもよいアミノ酸を含んでなるペプチド
鎖が導入された誘導体等が挙げられるが、これらに限定
されるものではない。これらの高分子化合物中のアミノ
基はアシル化(好ましくはアセチル化)されていてもよ
く、ほとんど全てのアミノ基がアシル化されていること
が好ましい。
【0023】薬物担体として用いる場合には、例えば上
記カルボキシメチルキトサン等の高分子化合物のアミノ
基またはカルボキシル基に、好ましくはペプチド鎖を導
入した後、本発明によるシクロデキストリン誘導体をそ
のカルボキシル基またはアミノ基とアミド結合させるこ
とによって導入することができる。またこれらの高分子
化合物の数平均分子量は1,000〜1,000,00
0程度が好ましく、10,000〜200,000が特
に好ましい。
【0024】高分子化合物に担持されるシクロデキスト
リン誘導体の数は、高分子化合物誘導体の用途に従って
適宜決定されてよいが、例えば、薬物担体として用いる
場合には、高分子化合物に担持されるシクロデキストリ
ンの量は一般的には10〜80重量%が好ましく、より
好ましくは40〜80重量%である。
【0025】本発明の好ましい態様によれば、本発明に
よる高分子化合物誘導体は、高分子化合物自体が腫瘍移
行性、炎症部移行性が高いという性質を有する場合、誘
導体中のシクロデキストリンに医薬化合物を包接させて
腫瘍組織、炎症部位などに医薬を送達することができる
薬物担体として用いることができる。
【0026】抗ガン剤、抗炎症剤などの医薬化合物を担
持した本発明による高分子化合物誘導体は、医薬化合物
の生体内動態、生体内安定性および生体刺激性を改善
し、作用時間を延長し、またバイオアベイラビリティー
を改善することができる。すなわち高分子化合物誘導体
を用いることによって医薬化合物の血中滞留性の向上お
よび腫瘍等への選択移行性の向上、並びに、医薬化合物
の血中安定性の改善および副作用の回避または軽減を図
ることができる。
【0027】また、本発明の好ましい態様によれば、本
発明による高分子化合物誘導体は、以下のような用途に
おいて用いることができる。 (1)カラムクロマトグラフィーの担体として用いるこ
とにより、カラムクロマトグラフィーの分離能力を向上
させることができる。 (2)コレステロールを含む食品の中のコレステロール
除去に用いることにより、低コレステロール食品の生産
効率を向上させることができる。 (3)食品添加物として食品に添加することにより、食
品の辛味、香りの保持およびレトルト臭の発生を防止す
ることができる。 (4)抗菌性物質を包接させ、鮮度保持剤として用いる
ことにより、抗菌シート、抗菌パック、抗菌フィルムに
応用することがでる。 (5)毒性物質の吸収体として用いることにより、発酵
工業において発酵生産物(例えば、抗生物質、抗腫瘍物
質)の収率向上をもたらすことができる。 (6)香料の保持基剤として用いることにより、化粧品
などに応用することができる。
【0028】シクロデキストリン誘導体に包接させるこ
とができる化合物は、その用途に応じて適宜選択されて
よいが、例えば、抗腫瘍薬(例えば、ドキソルビシン、
ダウノルビシンなどのアンスラサイクリン系抗ガン抗生
物質、5−フッ化ピリミジン誘導体、メトトレキサート
誘導体などの代謝拮抗薬、カンプトテシン誘導体、エト
ポシド、ポドフィロトキシン誘導体などのトポイソメラ
ーゼ阻害薬、タキソールなどのチュブリン作用薬)、抗
炎症薬(例えば、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、
デキサメタゾンなどのステロイド系抗炎症薬、ジクロフ
ェナック、フルルビプロフェンなどの非ステロイド系抗
炎症薬)、コレステロール類、食品香料(例えば、β−
ピネン、リナロール、オクタノールなどテルペン系炭化
水素から成る香料)、種々の臭いまたは刺激性の物質
(例えば、抱水クロラール、前述の非ステロイド系抗炎
症薬)、揮発性の抗菌剤(例えば、アリルイソチオシア
ネート)、種々の毒性物質、(例えば、ランカシジン
C)および香料などが挙げられる。なお、高分子化合物
誘導体へ医薬化合物を導入する場合には、その導入量は
高分子化合物および導入する医薬の組み合わせによって
適宜決定することができる。
【0029】カルボキシメチルキトサン誘導体 本発明の更なる態様として、式(Ia)のシクロデキス
トリン誘導体を担持してなるカルボキシメチルキトサン
(以下「カルボキシメチルキトサン誘導体」という)が
提供される。このカルボキシメチルキトサン誘導体は、
カルボキシメチルキトサンの少なくとも1つのD−グル
コサミン残基のアミノ基の水素原子が下記式(Ib)で
表されるシクロデキストリン誘導体で置換されてなるも
の、である。
【0030】
【化11】 (上記式中、R2〜4、X、m、およびnは、式(I)
で定義されたものと同義であり、そしてPは、1〜4個
の同一もしくは異なっていてもよいアミノ酸を含んでな
るペプチド鎖または単結合を表す)
【0031】上記カルボキシメチルキトサン誘導体は、
また、下記式(II)、(III )、および(IV)で表され
る単位を含んで構成されてなるもの、である。
【0032】
【化12】 (上記式中、Pは、式(Ib)で定義されたものと同義
であり、Rは、水素原子または低級アシル基を表し、
Yは、水素原子、水酸基、または低級アシル基を表し、
Zは、前記式(Ia)と同一内容の基を表す)
【0033】式(II)および(III )において、R
よびYが表す低級アシル基の好ましい例としては、前記
2〜4について挙げたものが挙げられる。
【0034】式(Ib)、(III )、および(IV)にお
いて、Pは1〜4個の同一または異なっていてもよいア
ミノ酸を含んでなるペプチド鎖を表す。ここで、このア
ミノ酸の数は薬物放出特性や抗原性を考慮すると1〜2
個が好ましい。
【0035】本明細書において「アミノ酸を含んでなる
ペプチド鎖」とは、このペプチド鎖がアミノ酸のみから
なる場合に加えて、鎖中の一部にアミノ酸以外の化合物
を含む場合をもいうものとする。例えば、コハク酸のよ
うな二塩基性カルボン酸がペプチド鎖の中にまたは末端
に存在していてもよい。また、このペプチド鎖を構成す
るアミノ酸は、α−アミノ酸のほかに、ε−アミノカプ
ロン酸、γ−アミノ酪酸、β−アラニンなどのアミノカ
ルボン酸であってもよい。また、ペプチド鎖の結合方向
は、2位のアミノ基にC末端から酸アミド結合によって
結合しているのが通常であるが、例えば、ペプチド鎖中
にグルタミン酸が存在する場合にはそのγ−カルボキシ
ル基を2位のアミノ基と結合させることによって、ある
いはペプチド鎖中にリジンが存在する場合にはそのε−
アミノ基をスクシニル化させることによってペプチド鎖
の結合方向を逆転させてもよい。
【0036】なお、このペプチド鎖の末端がY(すなわ
ち水素原子、水酸基、または低級アシル基)の場合に
は、それぞれのそのペプチド鎖の末端アミノ酸のアミノ
基の水素原子もしくは低級アシル基または末端アミノ酸
のカルボキシル基の水酸基を表すものとする。
【0037】Pが表すペプチド鎖のアミノ酸配列は、目
的とするカルボキシメチルキトサン誘導体を、式(I)
で示されるシクロデキストリン誘導体と式(II)および
式(III )から成るカルボキシメチルキトサンとから合
成する場合に適したものであることが好ましい。ペプチ
ド鎖Pの好ましい例としてはGly (グリシン)、Ala
(アラニン)、Ser (セリン)、β−Ala (β−アラニ
ン)、γ−アミノ酪酸が挙げられる。
【0038】カルボキシメチルキトサンの2位のアミノ
基へのペプチド鎖の導入は全てのアミノ基にされていて
もよいが、そのペプチド鎖に導入されるシクロデキスト
リン誘導体に包接させる医薬化合物の物理化学的性質お
よび薬理学的性質に応じて適宜決定されるのが好まし
い。一般には、カルボキシメチルキトサン誘導体におけ
る糖残基あたりのペプチド置換度は0.05〜1.0が
好ましく、より好ましくは0.3〜0.6である。
【0039】式(IV)において、ペプチド鎖Pはその鎖
の末端に、基Z、すなわち前記式(Ia)で表されるシ
クロデキストリン誘導体を有する。カルボキシメチルキ
トサン誘導体における糖残基あたりのシクロデキストリ
ン置換度(シクロデキストリン/糖残基)は0.05〜
0.3が好ましく、より好ましくは0.1〜0.3であ
る。
【0040】式(II)、(III )、および(IV)で表さ
れる単位を含んで構成されるカルボキシメチルキトサン
誘導体中における存在は、連続であってもランダムであ
っても良い。また、誘導体中における式(II)、(III
)、および(IV)で表される単位の割合は好ましくは
それぞれ0〜90%、5〜70%、5〜30%であり、
より好ましくは0〜80%、10〜70%、10〜30
%である。なお、シクロデキストリン誘導体は、α、
β、γ−シクロデキストリンのいずれであっても良い。
【0041】本発明によるカルボキシメチルキトサン誘
導体の好ましい具体例としては、式(II)、(III )、
および(IV)で表される単位を含んで構成されてなる化
合物であって、Rが水素原子またはアセチル基を表
し、PがGly または単結合を表し、Yが水素原子を表
し、Z中、mが1であり、R2〜4がそれぞれ水素原子
またはアセチル基を表し、そしてXが−(CH
−、−(CH−、または−CH−O−CH
−を表すもの、が挙げられる。
【0042】Z中におけるR2〜4の好ましい組み合わ
せとしては式(I)の説明において記載されたものが挙
げられる。
【0043】本発明においては、更に、カルボキシメチ
ルキトサンの少なくとも1つのD−グルコサミン残基の
カルボキシメチル基の水酸基が前記式(Ia)(但しm
は0である)のシクロデキストリン誘導体で置換されて
なる、カルボキシメチルキトサン誘導体が提供される。
【0044】上記のカルボキシメチルキトサン誘導体
は、また、下記式(V)および(VI)で表される単位を
含んで構成されてなるもの、である。
【0045】
【化13】 (上記式中、Rは、式(II)で定義されたものと同義
であり、Zは、前記式(Ia)(但しmは0である)と
同一内容の基を表す)
【0046】上記カルボキシメチルキトサン誘導体にお
ける糖残基あたりのシクロデキストリン置換度(シクロ
デキストリン誘導体/糖残基)は0.05〜0.3が好
ましく、より好ましくは0.1〜0.3である。
【0047】式(V)および(VI)で表される単位のカ
ルボキシメチルキトサン誘導体中における存在は、連続
であってもランダムであっても良い。また、該誘導体中
における式(V)及び(VI)で表される単位の割合は、
好ましくはそれぞれ70〜95%、5〜30%であり、
より好ましくは70〜90%、10〜30%である。な
お、シクロデキストリン誘導体は、α、β、γ−シクロ
デキストリンのいずれであっても良い。
【0048】上記カルボキシメチルキトサン誘導体の好
ましい具体例としては、式(V)および(VI)で表され
る単位を含んで構成されてなる化合物であって、R
水素原子またはアセチル基を表し、Z中、R2〜4がそ
れぞれ水素原子またはアセチル基を表すもの、が挙げら
れる。
【0049】Z中におけるR2〜4の好ましい組み合わ
せとしては式(I)の説明において記載されたものが挙
げられる。
【0050】本発明によるカルボキシメチルキトサン誘
導体は、その塩とすることができ、好ましくは薬理学上
許容される塩である。このような塩の例としては、ナト
リウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム
塩およびその他有機アミンの塩などが挙げられる。
【0051】本発明によるカルボキシメチルキトサン誘
導体の分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー法によっ
て測定した数平均分子量が1,000〜1,000,0
00であるものが好ましく、10,000〜200,0
00であるものが特に好ましい。
【0052】ポリグルタミン酸誘導体 本発明の更なる態様として、前記シクロデキストリン誘
導体を担持してなるポリグルタミン酸(以下「ポリグル
タミン酸誘導体」という)が提供される。このポリグル
タミン酸誘導体は、ポリグルタミン酸の少なくとも一つ
のγ−カルボキシル基の水酸基が前記式(Ia)(但し
mは0である)で表されるシクロデキストリン誘導体で
置換されてなるもの、である。
【0053】上記ポリグルタミン酸は、また、下記式(V
II)および(VIII)で表される単位を含んで構成される
ものである。
【0054】
【化14】 (上記式中、Zは前記式(Ia)(但しmは0である)
と同一内容の基を表す)
【0055】上記ポリグルタミン酸誘導体における残糖
基あたりのシクロデキストリン置換度(シクロデキスト
リン誘導体/糖残基)は0.1〜0.5が好ましく、よ
り好ましくは0.3〜0.5である。
【0056】式(VII )および(VIII)で表される単位
のポリグルタミン酸誘導体中における存在は、連続であ
ってもランダムであっても良い。また、該誘導体中にお
ける式(VII )および(VIII)で表される単位の割合
は、好ましくはそれぞれ90〜50%、10〜50%で
あり、より好ましくは70〜50%、30〜50%であ
る。なお、シクロデキストリン誘導体は、α、β、γ−
シクロデキトスリンのいずれであっても良い。
【0057】本発明によるポリグルタミン酸誘導体の好
ましい具体例としては、式(VII )および(VIII)で表
される単位を含んで構成されてなる化合物であって、Z
中、R2〜4がそれぞれ水素原子またはアセチル基を表
すもの、が挙げられる。Z中におけるR2〜4の好まし
い組み合わせとしては式(I)の説明において記載され
たものが挙げられる。
【0058】本発明によるポリグルタミン酸誘導体は、
その塩とすることができ、好ましくは薬学上許容される
塩である。このような塩の例としては、ナトリウム塩、
リチウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩およびそ
の他有機アミンの塩などが挙げられる。
【0059】本発明によるポリグルタミン酸誘導体の分
子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー法によって測定し
た数平均分子量が1,000〜1,000,000であ
るものが好ましく、10,000〜200,000であ
るものが特に好ましい。
【0060】カルボキシメチルキトサンおよびポリグル
タミン酸は、腫瘍移行性、炎症部移行性が高いという性
質を有する。従って、本発明によるカルボキシメチルキ
トサン誘導体およびポリグルタミン酸誘導体は、誘導体
中のシクロデキストリンに医薬化合物を包接させて腫瘍
組織、炎症部位などに医薬を送達することができる薬物
担体として用いることができる。
【0061】抗ガン剤、抗炎症剤などの医薬化合物を担
持した本発明によるカルボキシメチルキトサン誘導体お
よびポリグルタミン酸誘導体は、医薬化合物の生体内動
態、生体内安定性、および生体刺激性を改善し、作用時
間を延長し、またバイオアベイラビリティーを改善する
ことができる。すなわちカルボキシメチルキトサン誘導
体およびポリグルタミン酸誘導体を用いることによって
医薬化合物の血中滞留性の向上および腫瘍等への選択移
行性の向上、並びに、医薬化合物の血中安定性の改善を
図ることができる。
【0062】本発明によるカルボキシメチルキトサン誘
導体およびポリグルタミン酸誘導体は、また、それ自
身、薬物送達に必要な時間内において十分な血中安定性
を示す一方、生体内で適度の分解性を有し長期間の体内
残留が起こらない点でも有利である。また、生体に対す
る毒性が少なく、更に医薬化合物の担持に際して官能基
を必要としないという利点を有する。
【0063】カルボキシメチルキトサン誘導体およびポ
リグルタミン酸誘導体に包接させることができる医薬化
合物としては、アンスラサイクリン系抗ガン薬(例えば
ドキソルビシン)、トポイソメラーゼ阻害薬(例えばエ
トポシド)、チュブリン作用薬(例えばタキソール)等
の抗腫瘍薬、ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン等のス
テロイド系抗炎症薬、ジクロフェナック、フルルビプロ
フェン等非ステロイド系の抗炎症薬等が挙げられる。
【0064】なお、カルボキシメチルキトサン誘導体へ
の医薬化合物の導入量は、ドキソルビシンの場合には、
1〜20%が好ましく、5〜10%が特に好ましい。ま
た、ヒドロコルチゾンの場合には1〜20%が好まし
く、5〜10%が特に好ましい。
【0065】ポリグルタミン酸誘導体への医薬化合物の
導入量は、エトポシドの場合には、1〜20%が好まし
く、3〜10%が特に好ましい。また、タキソールの場
合には、1〜10%が好ましく、3〜8%が特に好まし
い。デキサメサゾンの場合には、1〜30%が好まし
く、5〜20%が特に好ましい。
【0066】シクロデキストリン誘導体の合成 本発明によるシクロデキストリン誘導体、すなわち式
(I)で表される化合物は、次に示す2つの方法(方法
AおよびB)により合成することができる。
【0067】(方法A)式(I)の化合物は、下記式
(IX):
【化15】 (上記式中、Rはアミノ基を表し、R2〜4およびn
は、式(I)で定義されたものと同義である)の化合物
と、下記式(X):
【化16】 (上記式中、Xは式(I)で定義されたものと同義であ
る)の化合物とを、反応に関与しない溶媒中、4−ジメ
チルアミノピリジンの存在下または非存在下で、0℃〜
40℃、好ましくは5〜25℃、の反応温度で、0.5
〜24時間、好ましくは1〜4時間、反応させ、必要に
応じて保護または脱保護することにより得ることができ
る。
【0068】(方法B)式(I)の化合物は、前記式
(IX)の化合物と、下記式(XI):
【化17】 (上記式中、Xは、式(I)で定義されたものと同義で
あり、Suは、スクシンイミド基を表し、Bnは、ベン
ジル基を表す)の化合物とを、反応に関与しない溶媒
中、4−ジメチルアミノピリジンの存在下または非存在
下で、0℃〜40℃、好ましくは5〜25℃、の反応温
度で、0.5〜24時間、好ましくは1〜4時間、反応
させ、必要に応じて保護または脱保護することによって
も得ることができる。
【0069】カルボキシメチルキトサン誘導体の合成 カルボキシメチルキトサン誘導体は、D−グルコサミン
残基の2位のアミノ基またはカルボキシメチル基に式
(Ia)のシクロデキストリン誘導体を導入することに
よって得ることができる。
【0070】(2位のアミノ基に導入する場合)式(I
I)、(III )、および(IV)で表される単位を含んで
構成される本発明によるカルボキシメチルキトサン誘導
体は、例えば、式(II)および(III )で表される単位
を含んで構成されてなる化合物と、式(I)の化合物と
を、反応に関与しない溶媒中、炭酸水素ナトリウムの存
在下または非存在下で、0℃〜50℃、好ましくは20
〜30℃、の反応温度で、6〜120時間、好ましくは
48〜72時間、反応させ、必要に応じて保護または脱
保護することによって得ることができる。
【0071】式(II)および(III )で表される単位を
含んで構成されてなる上記の化合物は、式(II)で表さ
れる単位からなる化合物と、N末端が保護基によって保
護され(例えば、Boc基)、かつ、C末端が活性化エ
ステル(例えばN−ヒドロキシスクシンイミドエステ
ル)によって活性化されたペプチドとを、反応に関与し
ない溶媒中、炭酸水素ナトリウムの存在下または非存在
下で、0〜50℃、好ましくは20〜30℃、の反応温
度で、6〜72時間、好ましくは12〜24時間、反応
させ、必要に応じて保護または脱保護することによって
得ることができる。
【0072】また、本発明によるカルボキシメチルキト
サン誘導体は、式(II)で表される単位からなる化合物
に式(I)の化合物を導入することによっても得ること
ができる。
【0073】(カルボキシメチル基に導入する場合)糖
残基にシクロデキストリン誘導体が導入されたカルボキ
シメチルキトサン誘導体、すなわち上記式(V)および
(VI)で表される単位を含んでなる化合物は、N−アセ
チルカルボキシメチルキトサンと、式(IX)の化合物と
を、反応に関与しない溶媒中、水溶性カルボジイミドま
たはエトキシカルボニルエトキシジヒドロキノリンの存
在下で、0〜50℃、好ましくは5〜30℃、の反応温
度で、6〜120時間、好ましくは12〜72時間、反
応させ、必要に応じて保護または脱保護することにより
得ることができる。
【0074】なお、N−アセチルカルボキシメチルキト
サンは、式(II)で表される単位からなるカルボキシメ
チルキトサンを反応に関与しない溶媒中、炭酸水素ナト
リウムの存在下または非存在下で、0〜50℃、好まし
くは5〜30℃、の反応温度で、6〜72時間、好まし
くは12〜24時間、無水酢酸と反応させ、N−アセチ
ル化することによって得ることができる。
【0075】ポリグルタミン酸誘導体の合成 ポリグルタミン酸誘導体は、ポリグルタミン酸のγ−カ
ルボキシル基に前記式(IX)のシクロデキストリン誘導
体を導入することによって得ることができる。反応は、
カルボキシメチルキトサン誘導体の合成の方法(カルボ
キメチル基に導入する場合)に従って行うことができ
る。
【0076】
【実施例】本発明を以下の実施例によって詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、実施例において以下の略号を用いることがある。 DCC:ジシクロヘキシルカルボジイミド、DCU:ジ
シクロヘキシルウレア、DMAP:4−ジメチルアミノ
ピリジン、EDC:1−(3−ジメチルアミノプロピ
ル)−3−エチルカルボジイミド、DMF:ジメチルホ
ルムアミド、EEDQ:1−エトキシカルボニル−2−
エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン、Boc:第三ブ
チルオキシカルボニル、GPC:ゲル浸透カラムクロマ
トグラフィー、DXR:ドキソルビシン、DEX:デキ
サメサゾン、TAX:タキソール、VP−16:エトポ
シド、Gly :グリシン。
【0077】合成例1 α‐シクロデキストリンの6位
モノメシチレンスルホニル化 5.0g(5.1mmol)のα‐シクロデキストリン
(100〜120℃、5時間減圧乾燥)を500mlの
乾燥ピリジンに溶解し、10g(9当量)のメシチレン
スルホニルクロリドの乾燥ピリジン溶液(50ml)を
室温下で攪拌しながら10分で滴下して加えた。室温下
で1時間攪拌した後、反応液をエタノール(1リット
ル)中に加えさらに1時間攪拌した。減圧濃縮した後5
0%エタノール(200ml)を加える操作を数回繰り
返した。残渣を0.2リットルのアセトンと混合し、攪
拌した。得られた粉末をろ取し、減圧下乾燥して4.4
gの粉末を得た。これを温20%メタノール水溶液40
mlに溶解し、沈殿物をろ過して除いた。ろ液をCosmos
il 140(ナカライテスク社製)を用いたカラムクロマト
グラフィー(60g、20%aq.MeOH→30%a
q.MeOH)により分離して1.42gの白色粉末状
のモノ‐6‐メシチレンスルホニル‐α‐シクロデキス
トリンを得た。
【0078】収率24%、分解点190−191℃、
[α]D =+109(C=0.98、27℃、メタノー
ル) NMR(500MHz,inDO):δDSS =2.3
1(3H,s,CHon Mst)、2.55(6H,
s,CH×2 on Mst)、3.35−4.0(36
H,m,2−CH,3−CH,4−CH,5−CH,an
d 6−CH×6)、4.98−5.04(6H,m,
1−CH×6)、7.15(2H,s,arom−CH
×2) IR(nujol):νcm-1=3360(OH)、14
60、1380(ArSOR) FAB−MS:m+ /z=1155(M+H+ )、11
77(M+Na+
【0079】合成例2 β‐シクロデキストリンの6位
モノメシチレンスルホニル化 71.1g(63mmol)のβ‐シクロデキストリン
(100〜120℃、5時間減圧乾燥)を600mlの
乾燥ピリジンに溶解し、20.6g(1.5当量)のメ
シチレンスルホニルクロリドの乾燥ピリジン溶液(10
0ml)を室温下で攪拌しながら30分かけて滴下して
加えた。室温下で2時間攪拌した後、メタノール‐水混
合液(1:1、0.2リットル)を加え、さらに30分
攪拌した。減圧濃縮した後50%エノタール水溶液(2
00ml)を加える操作を数回繰り返した。残渣を0.
7リットルのアセトンと混合し、一晩攪拌した。得られ
た粉末をろ取し、3日間減圧乾燥して約110gの粉末
を得た。これを温30%メタノール水溶液250mlに
懸濁し、沈殿物をろ過して除いた。ろ液をメルク社製lo
bar column(RP−18,37×440,30%aq.
MeOH→40%aq.MeOH)により分離して1
4.23gの白色粉末状のモノ‐6‐メシチレンスルホ
ニル‐β‐シクロデキストリンを得た。
【0080】収率17.3%、分解点173−4℃、
[α]D =+123(C=1.01、27℃、メタノー
ル) NMR(500MHz,inDO):δDSS =2.3
2(3H,s,CHon Mst)、2.53(6H,
s,CH×2 on Mst)、3.3−4.1(42
H,m,2−CH,3−CH,4−CH,5−CH,an
d 6−CH×7)、4.9−5.1(7H,m,1−
CH×7)、7.12(2H,s,arom−CH×
2) IR(nujol):νcm-1=3350(OH)、14
60、1380(ArSOR) FAB−MS:m+ /z=1339(M+Na+
【0081】合成例3 γ‐シクロデキストリンの6位
モノメシチレンスルホニル化 56.8g(44mmol)のγ‐シクロデキストリン
(100〜120℃、5時間減圧乾燥)を500mlの
乾燥ピリジンに溶解し、14.4g(1.5当量)のメ
シチレンスルホニルクロリドの乾燥ピリジン溶液(10
0ml)を室温下で攪拌しながら30分で滴下して加え
た。室温下で2時間攪拌した後、メタノール‐水混合液
(1:1、0.2リットル)を加えさらに2時間攪拌し
た。減圧濃縮した後50%エタノール水溶液(200m
l)を加える操作を数回繰り返した。残渣を1リットル
のアセトンと混合し、一晩攪拌した。得られた粉末をろ
取し、3日間減圧乾燥して約89gの粉末を得た。これ
を温30%メタノール水溶液200mlに懸濁し、沈殿
物をろ過して除いた。ろ液をメルク社製lobar column
(RP−18,37×440,30%aq.MeOH)
により分離して26.2gの白色粉末状のモノ‐6‐メ
シチレンスルホニル‐γ‐シクロデキストリンを得た。
【0082】収率40.4%、分解点175−6℃、
[α]D =+133(C=0.96、27℃、水) NMR(500MHz,inDO):δDSS =2.4
5(3H,s,CHon Mst)、2.65(6H,
s,CH×2 on Mst)、3.4−4.6(48
H,m,2−CH,3−CH,4−CH,5−CH,an
d 6−CH×8)、4.9−5.1(8H,m,1−
CH×8)、7.22(2H,s,arom−CH×
2) IR(nujol):νcm-1=3360(OH)、13
80(ArSOR) FAB−MS:m+ /z=1501(M+Na+
【0083】合成例4 β‐シクロデキストリンの6位
モノトシル化 56.75g(50mmol)のβ‐シクロデキストリ
ンを500mlのピリジンに溶解し、23.83g(1
25mmol)のp‐トルエンスルホニルクロリドを攪
拌下にて加えた。室温下で16時間攪拌した後、エノタ
ール‐水混合液(2:1、150ml)を加え減圧濃縮
する操作を数回繰り返した。残渣を水1〜0.6リット
ルから再結晶し、これを3回繰り返し、さらに30%エ
タノール水溶液より再結晶して11.4gの白色針状晶
のモノ‐6‐トシル‐β‐シクロデキストリンを得た。 収率18%、分解点164℃。
【0084】合成例5 γ‐シクロデキストリンの6位
モノトシル化 3.89g(3mmol)のγ‐シクロデキストリン
(90〜100℃、5時間減圧乾燥)を60mlの乾燥
ピリジンに溶解し、858mg(1.5当量)のp‐ト
ルエンスルホニルクロリドの乾燥ピリジン溶液(30m
l)を氷冷下で攪拌しながら15分で滴下して加えた。
室温下で2.5時間攪拌した後、再度氷冷し50mlの
エタノールを加え一晩攪拌した。減圧濃縮した後、残渣
を200mlのアセトンと混合し、得られた粉末をろ取
し、減圧乾燥して粉末を得た。これを30%メタノール
水溶液100mlに懸濁し、沈殿物をろ過して除いた。
ろ液をメルク社製lobar column(RP−18,37×4
40,30%aq.MeOH)により分離して1.08
6gの白色粉末状のモノ‐6‐p‐トルエンスルホニル
‐γ‐シクロデキストリンを得た。
【0085】収率24.9%、分解点156℃(分
解)、[α]D =+136(C=1.01、25℃、D
MF) NMR(500MHz,inDO):δDSS =2.5
5(3H,s,CHon Ts)、3.4−4.5(4
8H,m,2−CH,3−CH,4−CH,5−CH,
and 6−CH×8)、5.0−5.45(8H,m,
1−CH×8)、7.56and 7.84(2H×2,
d,arom−CH×4) IR(nujol):νcm-1=3360(OH)、13
80(ArSOR) FAB−MS:m+ /z=1473(M+Na+
【0086】合成例6 モノ−(6‐デオキシ‐6‐ア
ジド)‐β‐シクロデキストリンの合成(1) 10.0g(7.8mmol)のモノ‐6‐トシル‐β
‐シクロデキストリン(合成例4)を5.0gのアジ化
ナトリウムと共に水200ml中に混合し、3時間加熱
還流した。50〜70mlに減圧濃縮した後フィルター
でろ過し、ろ液を800mlのエタノール中に攪拌下に
て加えた後一晩攪拌した。生じた沈殿物をろ取して集め
減圧乾燥し、8.45gの白色粉末状の標題化合物を得
た。 収率94%、融点>200℃。
【0087】合成例7 モノ−(6‐デオキシ‐6‐ア
ジド)‐β‐シクロデキストリンの合成(2) 6.58g(5mmol)のモノ‐6‐メシチレンスル
ホニル‐β‐シクロデキストリン(合成例2)を3.0
gのアジ化ナトリウムと共に水80ml中で混合し、1
6時間加熱還流した。反応液を500mlのアセトン中
に攪拌下にて加えた後30分間攪拌した。生じた沈殿物
をろ取して集め減圧乾燥し、5.75gの白色粉末状の
標題化合物を得た。
【0088】収率99%、融点>200℃、[α]D
+122(C=1.00、26℃、DMF) NMR(500MHz,inDO):δDSS =3.4
5−3.62(14H,m,2−CHand 4−CH×
7)、3.74−3.95(28H,m,3−CH×
7,5−CH×7and 6−CH×7)、4.97−
5.03(7H,m,1−CH×7) IR(nujol):νcm-1=3350(OH)、21
00(N) FAB−MS:m+ /z=1182(M+Na+ )、1
157(M+H+
【0089】合成例8 モノ−(6‐デオキシ‐6‐ア
ジド)‐γ‐シクロデキストリンの合成 7.40g(5mmol)のモノ‐6‐メシチレンスル
ホニル‐γ‐シクロデキストリン(合成例3)を3.0
gのアジ化ナトリウムと共に水80ml中で混合し、一
晩加熱還流した。反応液を500mlのアセトン中に攪
拌下にて加えた後30分間攪拌した。生じた油状沈殿物
を傾斜して分離し、200mlのエタノールを加え攪拌
して結晶化した。次いで結晶をろ取し、アセトンで洗浄
し、減圧乾燥して6.25gの白色粉末状の標題化合物
を得た。
【0090】収率94.5%、融点>200℃、[α]
D =+163(C=0.985、26℃、水) NMR(500MHz,inDO):δDSS =3.5
5−3.71(16H,m,2−CHand 4−CH×
8)、3.77−4.05(32H,m,3−CH×
8,5−CH×8and 6−CH×8)、5.10−
5.15(8H,m,1−CH×8) IR(nujol):νcm-1=3350(OH)、21
00(N) FAB−MS:m+ /z=1182(M+Na+ )、1
157(M+H+
【0091】合成例9 モノ−(6‐デオキシ‐6‐ア
ジド)‐β‐シクロデキストリン‐ペルアセテートの合
2.50g(2.2mmol)の合成例6または7の化
合物と0.1gの4‐ジメチルアミノピリジンを乾燥ピ
リジン80ml中に混合して氷冷し、攪拌下にて10m
lの無水酢酸を滴下した。反応液を5℃で一晩攪拌した
後、−20〜−40℃に冷却して70mlのメタノール
を加えた。30分間室温下で攪拌した後、減圧下で濃縮
し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10
0g、ヘキサン:アセトン=3:2)によって分離して
4.00gの白色無定形粉末状の標題化合物を得た。
【0092】収率93%、[α]D =+122(C=
0.960、26℃、メタノール) NMR(500MHz,inCDCl):δTMS
2.00−2.22(60H,m,CHCO×2
0)、3.66−3.82(9H,m,4−CH×7,
and 6−CH)、4.04−4.35(13H,
m,5−CH×7,and 6−CH×1/2×6)、
4.50−4.64(6H,m,6−CH×1/2×
6)、4.74−4.88(7H,m,2−CH×
7)、5.00−5.16(7H,m,1−CH×
7)、5.19−5.38(7H,m,3−CH×7) IR(nujol):νcm-1=2100(N)、17
50(AcO) FAB−MS:m+ /z=2000(M+H+
【0093】合成例10 モノ−(6‐デオキシ‐6‐
アジド)‐γ‐シクロデキストリン‐ペルアセテートの
合成 6.20g(4.2mmol)の合成例8の化合物と
0.1gの4‐ジメチルアミノピリジンを乾燥ピリジン
80ml中で混合して、氷冷し、攪拌下にて25mlの
無水酢酸を滴下した。反応液を5℃で一晩攪拌した後、
−20〜−40℃に冷却して70mlのメタノールを加
えた。30分間室温下で攪拌した後、減圧下で濃縮し、
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(100
g、ヘキサン:アセトン=3:2)によって分離して
9.67gの白色無定形粉末状の標題化合物を得た。
【0094】収率100%、[α]D =+131(C=
1.03、26℃、メタノール) NMR(500MHz,inCDCl):δTMS
2.04−2.20(69H,m,CHCO×2
3)、3.65−3.80(10H,m,4−CH×
8,and 6−CH)、3.96−4.12(8
H,m,5−CH×7)、4.20−4.34(7H,
m,6−CH×1/2×7)、4.44−4.60
(7H,m,6−CH×1/2×7)、4.70−
4.81(8H,m,2−CH×8)、5.06−5.
20(8H,m,1−CH×8)、5.24−5.40
(8H,m,3−CH×8) IR(KBr):νcm-1=2100(N)、1750
(AcO) FAB−MS:m+ /z=2290(M+H+
【0095】実施例1 アジピン酸‐モノ(6‐デオキ
シ‐6‐アミノ‐β‐シクロデキストリン‐O‐ペルア
セテート)アミドの合成 1.0g(0.5mmol)の合成例9の化合物および
0.1gのメシル酸を15mlの乾燥ジオキサンに溶解
し、1gの10%パラジウム‐炭素を混合し、水素気流
下で1.5時間攪拌した。パラジウム触媒をろ過して除
き、氷冷下で300mgのアジピン酸無水物と2mlの
ピリジンを加えた。室温下で30分攪拌した後、減圧下
で濃縮し、残渣をクロロホルム30mlに溶解し、5%
クエン酸で洗浄し、飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグ
ネシウムで乾燥し減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(70g、酢酸エチル‐クロロホ
ルム‐メタノール=6:3:0.5→2)により分離し
て640mgの白色粉末状の標題化合物を得た。
【0096】収率60.9%。 NMR(500MHz,inCDCl):δTMS
1.58−1.74(4H,m,−CHCH−)、
2.0−2.2(60H,m,CHCO×20)、
2.24−2.30(2H,m,CHCO)、2.3
2−2.41(2H,m,CHCO)、3.32(1
H,m,6−CHN×1/2)、3.45(1H,
m,6−CHN×1/2)、3.75−3.90(7
H,m,4−CH×7)、3.95−4.70(19
H,m,6−CH×6and 5−CH×7)、4.72
−4.90(7H,m,2−CH×7)、4.95−
5.20(7H,m,1−CH×7)、5.12−5.
40(7H,m,3−CH×7)、6.66(1H,b
rs,CONH) IR(KBr):νcm-1=3550(w)、2960
(w)、1750(CHCO)、1640(CON
H or COOH) FAB−MS:m+ /z=2103(M+H+
【0097】実施例2 アジピン酸‐モノ(6‐デオキ
シ‐6‐アミノ‐γ‐シクロデキストリン‐O‐ペルア
セテート)アミドの合成 8.01g(3.5mmol)の合成例10の化合物お
よび0.7gのメシル酸を180mlの乾燥ジオキサン
に溶解し、7.5gの10%パラジウム‐炭素を混合
し、水素気流下で1.5時間攪拌した。パラジウム触媒
をろ過して除き、氷冷下にて2gのアジピン酸無水物と
15mlのピリジンを加えた。室温下で30分攪拌後、
減圧下で濃縮し、残渣をクロロホルム300mlに溶解
し、5%クエン酸で洗浄し、飽和食塩水で洗浄した後、
硫酸マグネシウムで乾燥し減圧濃縮した。残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(100g、酢酸エチル
‐クロロホルム‐メタノール系)により分離して5.9
3gの白色粉末状の標題化合物を得た。
【0098】収率70.9%、融点150−151℃、
[α]D =+111(C=1.00、26℃、メタノー
ル) NMR(500MHz,inCDCl):δTMS
1.55−1.80(4H,m,−CHCH−)、
2.00−2.20(69H,m,CHCO×2
3)、2.20−2.48(4H,m,CHCO×
2)、3.05(1H,m,6−CHN×1/2)、
3.38(1H,m,6−CHN×1/2)、3.6
−3.9(8H,m,4−CH×8)、3.88−4.
65(22H,m,6−CH×7and 5−CH×
8)、4.95−5.20(8H,m,1−CH×
8)、5.25−5.47(8H,m,3−CH×
8)、6.77(1H,brs,CONH) IR(KBr):νcm-1=1750(CHCO)、
1650(CONH or COOH) FAB−MS:m+ /z=2392(M+1)
【0099】合成例11 モノ−(6‐デオキシ‐6‐
アミノ)‐β‐シクロデキストリンの合成 2.30g(2mmol)の合成例6または7の化合物
を2.3gの10%パラジウム‐炭素とジオキサン‐水
混合液(1:1)80mlの中に混合し、1気圧水素気
流下にて1.5時間攪拌した。パラジウム触媒をろ過し
て除いた後、ろ液を減圧濃縮し、残渣を水(40℃)3
0mlに溶解し、フィルター(0.22μm)でろ過し
た。ろ液を300mlのエタノール中に攪拌下にて加え
た後1時間攪拌した。生じた沈殿物をろ取した後減圧乾
燥して2.03gの白色粉末状の標題化合物を得た。
【0100】収率90%。一部を水より再結晶して白色
針状晶を得た。融点>250℃。 NMR(500MHz,inDO):δDSS =2.7
8(1H,dd,J=13and 7Hz,6−CHN×
1/2)、3.03(1H,d,J=13Hz,6−C
N×1/2)、3.4−3.6(14H,m,2−
CHand 4−CH×7)、3.7−3.9(26H,
m,3−CH×7,5−CH×7,and 6−CH×
6)、4.99(7H,brs,1−CH×7) IR(nujol):νcm-1=3370(OH) FAB−MS:m+ /z=1134(M+H+
【0101】合成例12 モノ−(6‐デオキシ‐6‐
アミノ)‐γ‐シクロデキストリンの合成 4.0g(3mmol)の合成例8の化合物を3gの1
0%パラジウム‐炭素とメタノール‐水混合液(2:
1)120mlの中に混合し、1気圧水素気流下にて
1.5時間攪拌した。パラジウム触媒をろ過して除いた
後、ろ液を減圧濃縮し、残渣をLH−20カラムクロマ
トグラフィー(100ml、30%メタノール)に付し
た。得られた粉末を温水25mlに溶解し、フィルター
(0.22μm)でろ過した。ろ液にエタノール(15
0ml)を攪拌下にて小量づつ加え、沈殿精製した。生
じた沈殿物をろ取した後減圧乾燥して3.17gの白色
粉末状の標題化合物を得た。
【0102】収率82%。一部を水より再結晶して白色
針状晶を得た。融点>220℃。 NMR(500MHz,inDO):δDSS =2.8
5−2.95(1H,m,6−CHN×1/2)、
3.08−3.18(1H,m,6−CHN×1/
2)、3.48(1H,m,5−CH)、3.56−
3.70(18H,m,2−CHand 4−CH×8)、
3.84−4.0(29H,m,3−CH×8,5−C
H×7,and 6−CH×7)、5.10−5.16
(8H,m,1−CH×8) IR(nujol):νcm-1=3350(OH) FAB−MS:m+ /z=1296(M+H+
【0103】実施例3 (6‐デオキシ‐6アミノ‐β
‐シクロデキストリン)‐ジグリコール酸アミドの合成 50mgの合成例11の化合物を1mlの50%ジオキ
サン水溶液に混合し、氷冷下にて50mgのジグリコー
ル酸無水物(オキシ酢酸無水物)を加えた。室温下で
1.5時間反応させた後10mlのアセトンを加え、生
じた沈殿物をろ取して集めた後、減圧乾燥して49.9
mgの白色粉末状の標題化合物を得た。 分解点>220℃、収率91%。
【0104】NMR(500MHz,inDO):δ
DSS =3.2−3.6(16H,m,2−CH×7,4
−CH×7and 6−CHN)、3.6−3.8(26
H,m,3−CH×7,5−CH×7and 6−CH×
6)、3.91(2H,m,OCHCO)、3.96
(2H,m,OCHCO)、4.9−5.0(7H,
m,1−CH×7) IR(nujol):νcm-1=3550(OH)、17
30、1660(CONH)、1650(CONH) FAB−MS:m+ /z=1250(M+H+
【0105】実施例4 ジグリコール酸‐モノN(6‐
デオキシ‐6‐アミノ‐β‐シクロデキストリン‐6)
アミド‐モノベンジルエステルの合成 (a)ジグリコール酸モノベンジルエステルの合成 5.8g(50mmol)のオキシ酢酸無水物および
0.1gの4‐ジメチルアミノピリジンをピリジン‐ア
セトニトリル混合液(20ml−50ml)の中に溶解
し、10.8g(2当量)のベンジルアルコールを滴下
した。室温下で一晩攪拌した後、氷を加えて反応を終了
させた。減圧濃縮した後、残渣をクロロホルム50ml
に溶解し、重曹水で抽出した。抽出液を塩酸で中和し、
塩析しながらクロロホルム抽出した。硫酸マグネシウム
で乾燥し、濃縮し、得られた油状物質をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーにより分離して6.96gのジグ
リコール酸モノベンジルエステルを得た。
【0106】収率62%。 NMR(500MHz,inCDCl):δTMS
3.8(1H,br,COH)、4.25(2H,
s,OCHCO)、4.28(2H,s,OCH
O)、5.22(2H,s,PhCHO)、7.37
(5H,m,C
【0107】(b)ジグリコール酸モノベンジルモノN
‐ヒドロキシコハク酸イミドエステルの合成 5.70g(25mmol)のジグリコール酸モノベン
ジルエステルおよび3.45gのN‐ヒドロキシコハク
酸イミド(1.2当量)を乾燥アセトニトリル(100
ml)の中に溶解し、6.19g(1.2当量)のDC
Cを氷浴上攪拌下にて加えた。氷浴上30分攪拌した
後、さらに室温下で一晩攪拌した。減圧濃縮した後、残
渣をエーテルと混合し、不溶物(DCU)をろ過して除
いた。ろ液を減圧濃縮して得られた油状物質をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(100g、クロロホルム
‐酢酸エチル=1:1)により分離して1.695gの
ジグリコール酸モノベンジルモノN‐ヒドロキシコハク
酸イミドエステルを得た。
【0108】収率21%。 NMR(500MHz,inCDCl):δTMS
2.86(4H,brs,CHCH on Su)、
4.32(2H,s,OCHCOBn)、4.62
(2H,s,OCHCOSu)、5.21(2H,
s,PhCHO)、7.37(5H,m,C) IR(neat):νcm-1=1820(N‐ヒドロキシ
コハク酸イミド−ester)、1785、1750
【0109】(c)1.0g(0.9mmol)の合成
例11の化合物を50%ジオキサン水溶液75mlに溶
解し氷浴上攪拌下にて575mg(2当量)のジグリコ
ール酸モノベンジルモノN‐ヒドロキシコハク酸イミド
エステルを加えた。氷浴上で1時間攪拌した後、減圧濃
縮し、残渣をエタノール40mlと混合し生じた粉末を
ろ取して集め、減圧下乾燥して標題化合物1.07gを
白色粉末状として得た。
【0110】融点>250℃、収率90%。 NMR(500MHz,in d6−DMSO−D
O):δTMS =3.1−3.8(42H,m,2−C
H×7,3−CH×7,4−CH×7,5−CH×7,
6−CH×7)、4.01(2H,s,OCHCO
N)、4.28(2H,s,OCHCOBn)、
4.84(7H,m,1−CH×7)、5.17(2
H,m,PhCHO)、7.39(5H,m,C
) IR(nujol):νcm-1=3350(OH)、17
50(COOBn)、1665(CONH)、1655
(CONH) FAB−MS:m+ /z=1340(M+1)
【0111】実施例5 ジグリコール酸‐モノN(6‐
デオキシ‐6‐アミノ‐β‐シクロデキストリン‐O‐
ペルアセチル‐6)アミド‐モノベンジルエステルの合
1.095g(0.8mmol)の実施例4の化合物お
よび0.1gのDMAPを乾燥ピリジン20mlに溶解
し、氷浴中攪拌下にて無水酢酸‐ピリジン(12−6m
l)を加えた。1.5日間4℃にて攪拌した。20ml
のメタノールを加えた後、減圧濃縮し、残渣をクロロホ
ルムに溶解し、5%クエン酸、飽和重曹水により順次洗
浄した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(80g、酢酸エチ
ル‐クロロホルム‐アセトン=6:3:1)により分離
して1.52gの無定形粉末状の標題化合物を得た。
【0112】収率87%。 NMR(500MHz,inCDCl):δTMS
2.0−2.15(60H,m,CHCO×20)、
3.4−3.8(9H,m,4−CH×7and 6−CH
N)、4.0−4.7(23H,m,5−CH×7,
6−CH×6,and OCHCO×2)、4.75−
4.8(7H,m,2−CH×7)、5.0−5.15
(7H,m,1−CH×7)、5.15−5.25(2
H,m,PhCH)、5.2−5.4(7H,m,3
−CH×7)、7.3−7.4(5H,m,C) IR(nujol):νcm-1=1750(COO) FAB−MS:m+ /z=2181(M+1)
【0113】実施例6 ジグリコール酸‐モノN(6‐
デオキシ‐6‐アミノ‐β‐シクロデキストリン‐O‐
ペルアセチル‐6)アミドの合成 1.524g(0.7mmol)の実施例5の化合物お
よび0.4gの10%パラジウム‐炭素を50%ジオキ
サン水溶液80mlに混合し、水素気流下にて1.5時
間攪拌した。パラジウム触媒をろ過して除き、減圧濃縮
し、残渣をアセトンに溶解し、フィルターでろ過した
後、ろ液を10倍量のヘキサンに混合した。生じた沈殿
をろ過して集め減圧乾燥して1.385gの白色粉末状
の標題化合物を得た。
【0114】収率93%。 NMR(500MHz,in d6−DMSO):δ
TMS =2.0−2.1(60H,m,CHCO×2
0)、3.45−3.9(9H,m,4−CH×7and
6−CHN)、3.99(2H,m,OCH
O)、4.0−4.5(21H,m,5−CH×7,6
−CH×6and OCHCO)、4.65−4.80
(7H,m,2−CH×7)、5.02−5.13(7
H,m,1−CH×7)、5.15−5.26(7H,
m,3−CH×7)、7.55(1H,brs,CO
H) IR(nujol):νcm-1=3550(OH)、17
45(CHCO)、1680(CONH or COO
H) FAB−MS:m+ /z=2091(M+H+
【0115】実施例7 ジグリコール酸‐モノN(6‐
デオキシ‐6‐アミノ‐β‐シクロデキストリン‐O‐
ペルアセチル‐6)アミド‐モノN‐ヒドロキシコハク
酸イミドエステルの合成 419mg(0.2mmol)の実施例6の化合物およ
び230mg(10当量)のN‐ヒドロキシコハク酸イ
ミドを50%ジオキサン水溶液8mlに溶解し、氷浴上
で攪拌下しながら383mg(10当量)のEDCを加
え、室温下で6時間攪拌した。減圧濃縮した後、残渣を
クロロホルムに溶解し、水洗して、有機層を硫酸マグネ
シウムで乾燥した後、濃縮した。濃縮残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(6g、クロロホルム‐メタ
ノール=6:1)により分離して351mgの白色粉末
状の標題化合物を得た。
【0116】収率80%。 NMR(500MHz,inCDCl):δTMS
1.95−2.2(60H,m,CHCO×20)、
2.8−2.95(4H,m,CHCH onS
u)、3.4−3.9(9H,m,6−CHNand 4
−CH×7)、4.0−4.7(23H,m,OCH
CO×2,5−CH×7,6−CH×6)、4.7−
4.95(7H,m,2−CH×7)、5.0−5.2
(7H,m,1−CH×7)、5.2−5.4(7H,
m,3−CH×7) IR(nujol):νcm-1=1815(w,N‐ヒド
ロキシコハク酸イミドester)、1750(CH
CO)、1680(CONH or COH)FAB−
MS:m+ /z=2088(M+1)
【0117】実施例8 アジピン酸‐モノN(6‐デオ
キシ‐6‐アミノ‐β‐シクロデキストリン)アミド‐
モノベンジルエステルの合成 (a)アジピン酸モノベンジルエステルの合成 14.61g(0.1mol)のアジピン酸をピリジン
‐アセトニトリル混合液(40−100ml)の中に溶
解し、30g(1.45当量)のDCCを攪拌下にて加
えた。室温下で4時間攪拌した後、氷浴上にて攪拌し
た。0.4gのDMAPおよび10.8g(1.0当
量)のベンジルアルコールを順次加え、室温下で一晩攪
拌した。不溶物(DCU)をろ過して除き、減圧濃縮し
た後の残渣をエーテルと混合し、冷重曹水抽出した。水
層を塩酸で酸性とし、塩析しながらクロロホルム抽出し
た。抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して
得られた油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(160g、クロロホルム‐酢酸エチル=1:2)に
より分離して7.57gのアジピン酸モノベンジルエス
テルを得た。
【0118】収率32%。 NMR(500MHz,inCDCl):δTMS
1.6−1.8(4H,m,CHCH)、2.38
(2H,t,J=7Hz,CHCO)、2.39(2
H,t,J=7Hz,CHCO)、5.12(2H,
s,PhCHO)、7.3−7.4(5H,m,C
【0119】(b)アジピン酸モノベンジルエステルモ
ノN‐ヒドロキシコハク酸イミドエステルの合成 831mg(3.5mmol)のアジピン酸モノベンジ
ルエステルおよび810mg(2当量)のN‐ヒドロキ
シコハク酸イミドを乾燥ジオキサン35mlに溶解し氷
浴上で攪拌した。726mg(1当量)のDCCを含む
ジオキサン15mlを加えた後、室温下で一晩攪拌し
た。沈殿物(DCU)をろ過して除き、アジピン酸モノ
ベンジルモノN‐ヒドロキシコハク酸イミドエステルの
溶液を得た。
【0120】(c)合成例11の化合物2.66gをジ
オキサン‐水混合液150ml(1:2)に溶解し、氷
浴上攪拌しながら、アジピン酸モノベンジルモノN‐ヒ
ドロキシコハク酸イミドエステル溶液を加えた。室温下
にて1.5時間攪拌した。減圧濃縮し、残渣をエタノー
ル80mlと混合し生じた粉末をろ取して集め、減圧下
乾燥して3.11gの白色粉末状の標題化合物を得た。
【0121】収率98%。 NMR(500MHz,inDO):δDSS =1.5
−1.7(4H,m,−CHCH−)、2.2−
2.55(4H,m,CHCO×2)、3.3−4.
0(42H,m,2−CH×7,3−CH×7,4−C
H×7,5−CH×7,6−CH×7)、5.0−
5.2(9H,m,1−CH×7and PhCH)、
7.3−7.5(5H,m,C) IR(nujol):νcm-1=3350(OH)、17
10(COOBn)、1660(CONH) FAB−MS:m+ /z=1374(M+Na+
【0122】実施例9 アジピン酸‐モノN(6‐デオ
キシ‐6‐アミノ‐β‐シクロデキストリン‐O‐ペル
アセチル‐6)アミド‐モノベンジルエステルの合成 3.11g(2.3mmol)の実施例8の化合物およ
び0.1gのDMAPを乾燥ピリジン60mlに溶解
し、氷浴攪拌下にて無水酢酸(30ml)を加えた。3
日間室温下にて攪拌した。ドライアイス‐アセトン浴中
攪拌下にて100mlのメタノールを加え、減圧濃縮し
た後、残渣をクロロホルムに溶解し、5%クエン酸、飽
和重曹水により順次洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥
した後、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(80g、酢酸エチル‐クロロホルム‐アセトン=6
0:30:1)により分離して3.01gの無定形粉末
状の標題化合物を得た。
【0123】収率60%。 NMR(500MHz,inCDCl):δTMS
1.62−1.7(4H,m,−CHCH−)、
2.0−2.15(60H,m,CHCO×20)、
2.15−2.25(2H,m,CHCO)、2.3
5−2.42(2H,m,CHCO)、3.4−3.
8(9H,m,4−CH×7and 6−CHN)、4.
05−4.2(7H,m,5−CH×7)、4.2−
4.7(12H,m,6−CH×6)、4.7−4.
9(7H,m,2−CH×7)、5.0−5.2(9
H,m,1−CH×7and PhCH)、5.2−5.
4(7H,m,3−CH×7)、7.25−7.4(5
H,m,C) IR(nujol):νcm-1=1750(COO)、1
675(CONH) FAB−MS:m+ /z=2193(M+H+
【0124】実施例10 アジピン酸‐モノN(6‐デ
オキシ‐6‐アミノ‐β‐シクロデキストリン‐O‐ペ
ルアセチル‐6)アミドの合成 2.95g(1.34mmol)の実施例9の化合物お
よび1.5gの10%パラジウム‐炭素を50%ジオキ
サン水溶液100mlに混合し、水素気流下にて3時間
攪拌した。パラジウム触媒をろ過して除き、減圧濃縮
し、残渣をクロロホルム抽出し、硫酸マグネシウムで乾
燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(70g、酢酸エチル‐クロロホルム‐アセ
トン=6:3:1)により分離して1.63gの白色粉
末状の標題化合物を得た。
【0125】収率58%。 NMR(500MHz,inCDCl):δTMS
1.58−1.74(4H,m,−CHCH−)、
2.0−2.2(60H,m,CHCO×20)、
2.24−2.30(2H,m,CHCON)、2.
32−2.41(2H,m,CHCOO)、3.32
(1H,m,6−CHN×1/2)、3.45(1
H,m,6−CHN×1/2)、3.75−3.90
(7H,m,4−CH×7)、3.9−4.70(19
H,m,6−CH×6and 5−CH×7)、4.72
−4.90(7H,m,2−CH×7)、4.95−
5.20(7H,m,1−CH×7)、5.12−5.
40(7H,m,3−CH×7)、6.66(1H,b
rs,COH) IR(nujol):νcm-1=1750(CH
)、1640(CONH or COOH) FAB−MS:m+ /z=2103(M+H+
【0126】実施例11 アジピン酸‐モノN(6‐デ
オキシ‐6‐アミノ‐β‐シクロデキストリン‐O‐ペ
ルアセチル‐6)アミド‐モノN‐ヒドロキシコハク酸
イミドエステルの合成 0.2gの実施例1または10の化合物および40mg
のN‐ヒドロキシコハク酸イミドを乾燥DMF6mlに
溶解し、氷冷下攪拌しながら200mgのEDCを加え
た。室温下で4時間攪拌した後減圧濃縮した。冷水10
mlを加えて生じた沈殿を遠心分離し、5mlの水で2
〜3回洗浄した。減圧乾燥して197mgの白色粉末状
の標題化合物を得た。
【0127】収率95%。 NMR(500MHz,inCDCl):δTMS
1.7−1.85(4H,m,−CHCH−)、
2.0−2.2(60H,m,CHCO×20)、
2.25−2.3(2H,m,CHCON)、2.6
4−2.7(2H,m,CHCOOSu)、2.8−
2.9(4H,m,−CHCH− on Su)、3.
4−3.8(9H,m,4−CH×7and 6−CH
N)、3.97−4.7(19H,m,6−CH×
6and 5−CH×7)、4.72−4.87(7H,
m,2−CH×7)、4.97−5.17(7H,m,
1−CH×7)、5.17−5.38(7H,m,3−
CH×7) IR(nujol):νcm-1=1815(W,CO
u)、1750(CHCO)、1675(COO
H) FAB−MS:m+ /z=2199(M+H+
【0128】実施例12 アゼライン酸‐モノN(6‐
デオキシ‐6‐アミノ‐β‐シクロデキストリン)アミ
ド‐モノベンジルエステルの合成 (a)アゼライン酸モノベンジルエステルの合成 18.82g(0.1mol)のアゼライン酸をピリジ
ン‐アセトニトリル混液(40−250ml)の中に溶
解し、20.63g(1当量)のDCCを攪拌下にて加
えた。室温で一晩攪拌後、氷浴上にて攪拌した。0.2
gのDMAPおよび8.65g(0.8当量)のベンジ
ルアルコールを順次加え、氷浴を除いて、室温7時間攪
拌した。不溶物(DCU)をろ過して除き、減圧濃縮後
の残渣をイソプロピルエーテル200mlと混合溶解
し、有機層を水洗した。抽出液を硫酸マグネシウム乾燥
し、減圧濃縮して得られた油状物質をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(150g、クロロホルム‐酢酸エ
チル=20:1)により分離して11.51gのアゼラ
イン酸モノベンジルエステルを得た。
【0129】融点=43−46℃、収率52%。 NMR(500MHz,inCDCl):δTMS
1.2−1.4(6H,m,CHCHCH)、
1.55−1.7(4H,m,CHCHCO×
2)、2.34and 2.35(4H,t,J=7Hz,
CHCO×2)、5.11(2H,s,PhCH
O)、7.3−7.4(5H,m,C
【0130】(b)アジピン酸モノベンジルモノN‐ヒ
ドロキシコハク酸イミドエステルの合成 980mg(3.5mmol)のアジピン酸モノベンジ
ルエステルおよび810mg(2当量)のN‐ヒドロキ
シコハク酸イミドを乾燥ジオキサン35mlに溶解し氷
浴上攪拌した。726mg(1当量)のDCCを含むジ
オキサン15mlを加えた後、室温下で一晩攪拌した。
沈殿物(DCU)をろ過して除き、アジピン酸モノベン
ジルモノN‐ヒドロキシコハク酸イミドエステルの溶液
を得た。
【0131】(c)合成例11の化合物2.66gをジ
オキサン‐水混合液150ml(1:2)に溶解し氷浴
上攪拌しながら、先のアジピン酸モノベンジルモノN‐
ヒドロキシコハク酸イミドエステル溶液を加えた。室温
下にて2時間攪拌した。減圧濃縮し、残渣をエタノール
80mlと混合し生じた粉末をろ取して集め、減圧下乾
燥して3.10gの白色粉末状の標題化合物を得た。収
率94%。
【0132】実施例13 アゼライン酸‐モノN(6‐
デオキシ‐6‐アミノ‐β‐シクロデキストリン‐O‐
ペルアセチル‐6)アミド‐モノベンジルエステルの合
3.1g(2.2mmol)の実施例10の化合物およ
び0.2gのDMAPを乾燥ピリジン60mlに溶解
し、氷浴中攪拌下にて無水酢酸(30ml)を加えた。
1日間室温下にて攪拌した。ドライアイス‐アセトン浴
中攪拌下にて冷却した100mlのメタノール中に反応
液を加え、さらに室温下で1時間攪拌した。減圧濃縮し
た後、残渣を酢酸エチルに溶解し、5%クエン酸、飽和
重曹水により順次洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥し
た後、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(80g、酢酸エチル‐クロロホルム=4:1)により
分離して2.47gの無定形粉末状の標題化合物を得
た。収率50%。
【0133】NMR(500MHz,inCDC
):δTMS =1.5−1.7(10H,m,−(C
−)、2.0−2.2(62H,m,CH
O×20and CHCO)、2.38(2H,t,CH
CO)、3.49(1H,t,J=7Hz,6−CH
×1/2)、3.55−3.8(8H,m,4−CH
×7and 6−CH×1/2)、3.96−4.66
(19H,m,5−CH×7and 6−CH×6)、
4.72−4.88(7H,m,2−CH×7)、4.
98−5.2(9H,m,1−CH×7and PhC
)、5.17−5.37(7H,m,3−CH×
7)、6.25(1H,m,NH)、7.26(5H,
s,C) IR(nujol):νcm-1=1750(CHCO
O)、1675(CONH) FAB−MS:m+ /z=2235(M+H+
【0134】実施例14 アゼライン酸‐モノN(6‐
デオキシ‐6‐アミノ‐β‐シクロデキストリン‐O‐
ペルアセチル‐6)アミドの合成 2.45g(1.1mmol)の実施例13の化合物お
よび1.5gの10%パラジウム‐炭素を水‐ジオキサ
ン溶液(1:2)75mlに混合し、水素気流下にて3
時間攪拌した。パラジウム触媒をろ過して除き、減圧濃
縮し、残渣をクロロホルム抽出し、硫酸マグネシウムで
乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(100g、酢酸エチル‐クロロホルム‐
メタノール=6:3:1)により分離して941mgの
白色粉末状の標題化合物を得た。収率40%。
【0135】NMR(500MHz,inCDC
):δTMS =1.2−1.4(10H,m,−(C
−)、2.0−2.25(62H,m,CH
CO×20and CHCO)、2.33(2H,t,J
=7Hz,CHCON)、3.50(1H,t,J=
7Hz,6−CH×1/2)、3.58−3.8(8
H,m,4−CH×7and 6−CHN×1/2)、
3.98−4.67(19H,m,6−CH×6and
5−CH×7)、4.7−4.9(7H,m,2−CH
×7)、4.98−5.18(7H,m,1−CH×
7)、5.18−5.38(7H,m,3−CH×7) IR(nujol):νcm-1=1755(CH
)、1675(CONH) FAB−MS:m+ /z=2145(M+H+
【0136】実施例15 アゼライン酸‐モノN(6‐
デオキシ‐6‐アミノ‐β‐シクロデキストリン‐O‐
ペルアセチル‐6)アミド‐モノN‐ヒドロキシコハク
酸イミドエステルの合成 0.3gの実施例14の化合物および60mgのN‐ヒ
ドロキシコハク酸イミドを乾燥DMF9mlに溶解し、
氷冷下攪拌しながら300mgのEDCを加えた。室温
下で2時間攪拌した後減圧濃縮した。冷水10mlを加
えて生じた沈殿を遠心分離し、5mlの水で2〜3回洗
浄した。減圧乾燥して308mgの白色粉末状の標題化
合物を得た。
【0137】収率98%。 NMR(500MHz,inCDCl):δTMS
1.2−1.5(10H,m,−(CH−)、
2.0−2.2(60H,m,CHCO×20)、
2.15−2.25(2H,m,CHCON)、2.
60(2H,t,J=7Hz,CHCOOSu)、
2.75−2.9(4H,m,−CHCH−on S
u)、3.55−3.79(7H,m,4−CH×
7)、3.97−4.66(21H,m,6−CH×
7and 5−CH×7)、4.70−4.90(7H,
m,2−CH×7)、4.99−5.2(7H,m,1
−CH×7)、5.2−5.4(7H,m,3−CH×
7) IR(nujol):νcm-1=3600(OH)、34
00(OH)、1830(COSu)、1750(A
cO)、1670(CONH) FAB−MS:m+ /z=2242(M+H+
【0138】合成例13 N‐アセチルカルボキシメチ
ルキトサンの調製 カルボキシメチルキトサン(平均分子量10万、カルボ
キシメチル基の置換度はキトサンの糖残基あたり0.7
残基、脱アセチル化度は糖残基あたり0.5残基)2g
を飽和重曹水200mlとともに一晩攪拌することによ
り溶解し、氷浴で10℃以下に冷却し2mlの無水酢酸
を加え、攪拌し1時間反応させた。10℃以下に保ち、
2mlの無水酢酸を加え、攪拌1時間反応するという操
作を6回繰り返し、さらに一晩4℃で攪拌し反応させ
た。この間にpHが7以上であるように炭酸水素ナトリ
ウムを追加した。酢酸を加えてpH5.5以下とし、2
規定水酸化ナトリウムを加えてpH8.5に調整した。
室温下で攪拌した後、フィルター(0.45μm)でろ
過した。ろ液を1.5リットルのエタノールに注ぎ、攪
拌した。生じた沈殿を遠心分離により集め、150ml
の水に溶解し、10mlの酢酸ナトリウム飽和メタノー
ルを加え、フィルター(0.45μm)でろ過した。ろ
液を1リットルのエタノールに注ぎ、1時間攪拌した
後、生じた沈殿を遠心分離により集めた。得られた沈殿
を95%エタノール、アセトン、エーテルにより順次洗
浄し、減圧乾燥して1.86gの白色粉末状の標題化合
物を得た。
【0139】実施例16 N‐アセチル‐β‐シクロデ
キストリン修飾カルボキシメチルキトサンの合成 1.0gの合成例13の化合物と2.0gの合成例11
の化合物を水150ml中に加え攪拌して溶解した。D
MF150mlを加えてしばらく攪拌した後、2.0g
のEEDQを加えて一日かけて攪拌した。ろ過した後、
ろ液をエタノール‐酢酸ナトリウム飽和メタノール(5
00ml−10ml)中に攪拌しながら注いだ。しばら
く攪拌した後、生じた沈殿を遠心分離して集めた。沈殿
を125mlの水に溶解し、フィルター(0.45μm
および0.22μm)でろ過した。ろ液を750mlの
エタノールに注ぎ、酢酸ナトリウム飽和メタノール5m
lを加えて攪拌した。生じた沈殿を遠心分離により集
め、沈殿を125mlの水に溶解し、フィルター(0.
45μmおよび0.22μm)でろ過した。ろ液を75
0mlのエタノールに注ぎ、酢酸ナトリウム飽和メタノ
ール5mlを加えて攪拌した。生じた沈殿を遠心分離に
より集め、得られた沈殿を95%エタノール、アセト
ン、エーテルにより順次洗浄し、減圧乾燥して1.45
gの白色粉末状の標題化合物を得た。
【0140】フェノール‐硫酸法により求めたシクロデ
キストリン置換度はキトサン糖残基あたり0.12であ
った。
【0141】実施例17 N‐アセチル‐γ‐シクロデ
キストリン修飾カルボキシメチルキトサンの合成 1.0gの合成例13の化合物と3.5gの合成例12
の化合物を水100ml中に加え攪拌して溶解した。D
MF100mlを加えてしばらく攪拌した後、4.0g
のEEDQを加えて2日間攪拌した。ろ過した後、ろ液
をエタノール‐酢酸ナトリウム飽和メタノール(500
ml−10ml)中に攪拌しながら注いだ。しばらく攪
拌した後、生じた沈殿を遠心分離して集めた。沈殿を1
00mlの水に溶解し、フィルター(0.45μmおよ
び0.22μm)でろ過した。ろ液を400mlのエタ
ノールに注ぎ、酢酸ナトリウム飽和メタノール4mlを
加えて攪拌した。生じた沈殿を遠心分離により集め、沈
殿を100mlの水に溶解し、フィルター(0.45μ
mおよび0.22μm)でろ過した。ろ液を400ml
のエタノールに注ぎ、酢酸ナトリウム飽和メタノール4
mlを加えて攪拌した。生じた沈殿を遠心分離により集
め、得られた沈殿を95%エタノール、アセトン、エー
テルにより順次洗浄し、減圧乾燥して1.40gの白色
粉末状の標題化合物を得た。フェノール‐硫酸法により
求めたシクロデキストリン置換度はキトサン糖残基あた
り0.14であった。
【0142】合成例14 N‐Bocグリシルカルボキ
シメチルキトサンの合成 (a)3.5gのBocグリシンと3.5gのN‐ヒド
ロキシコハク酸イミドを乾燥アセトニトリル200ml
中に溶解し、4.2gのジシクロヘキシルカルボジイミ
ド(DCC)を混合溶解し、一晩室温下で攪拌した。ろ
過した後、ろ液を減圧濃縮して粗結晶のBocグリシン
活性エステルを得た。
【0143】(b)カルボキシメチルキトサン(平均分
子量10万、カルボキシメチル基の置換度(キトサンの
糖残基あたり)0.7残基)2.37gを水300ml
に加え、一晩攪拌して溶解した。3gの炭酸水素ナトリ
ウムを加え、さらに300mlのDMFを加えて1時間
室温攪拌した。この混合液と粗結晶Bocグリシン活性
エステルとを混合し、24時間攪拌反応した。ろ過した
後、ろ液をエタノール4リットル中に注ぎ、30分間攪
拌した。沈殿を遠心分離した後、得られた沈殿を95%
エタノール、アセトン、エーテルにより順次洗浄し、減
圧乾燥して白色粉末状の標題化合物を得た。
【0144】(c)得られたN‐Bocグリシルカルボ
キシメチルキトサンのグリシン置換度はNMR‐スペク
トルの測定により求めた。置換度が充分でないときは上
記した操作を数回繰り返すことにより希望するグリシン
置換度の標題化合物を得ることができた。
【0145】合成例15 N‐Bocグリシル‐N‐ア
セチルカルボキシメチルキトサンの合成 合成例14の化合物2.8gを飽和重曹水280mlと
ともに一晩攪拌することにより溶解し、氷浴で10℃以
下に冷却し、2mlの無水酢酸を加えて、攪拌下で1時
間反応させた。10℃以下に保ち、2mlの無水酢酸を
加え、攪拌1時間反応する操作を6回繰り返し、さらに
一晩4℃で攪拌して反応させた。この間pHが7以上で
あるように炭酸水素ナトリウムを追加した。酢酸を加え
てpH5.5以下とし、2規定水酸化ナトリウムを加え
てpH8.5に調整した。室温下で攪拌した後、フィル
ター(0.45μm)でろ過した。ろ液を1.6リット
ルのエタノールに注ぎ、攪拌した。生じた沈殿を遠心分
離により集め、200mlの水に溶解し、12mlの酢
酸ナトリウム飽和メタノールを加え、フィルター(0.
45μm)でろ過した。ろ液を1.6リットルのエタノ
ールに注ぎ、1時間攪拌した後、生じた沈殿を遠心分離
により集めた。得られた沈殿を95%エタノール、アセ
トン、エーテルにより順次洗浄し、減圧乾燥して3.3
6gの白色粉末状の標題化合物を得た。得られた標題化
合物のグリシン置換度は、NMR‐スペクトルの測定に
よりアセチル基とBoc基の積分値から求めた。糖残基
あたりのBocグリシン置換度が0.24、0.48の
標題化合物が得られた。
【0146】合成例16 N‐グリシル‐N‐アセチル
カルボキシメチルキトサンの合成 合成例15の化合物3.36gを水150mlとともに
1.5時間攪拌することにより溶解し、1規定塩酸15
0mlを加え、室温下で15時間攪拌し反応させた。氷
浴上で冷却しながら2規定水酸化ナトリウムを加えてp
H11に調整した。室温下で一晩攪拌した後、酢酸を加
えてpH8.5に調整した。フィルター(0.45μm
および0.22μm)でろ過した。ろ液を2リットルの
エタノールに注ぎ、攪拌した。生じた沈殿を遠心分離に
より集め、得られた沈殿を95%エタノール、アセト
ン、エーテルにより順次洗浄し、減圧乾燥して1.95
gの白色粉末状の標題化合物を得た。
【0147】実施例18 γ‐シクロデキストリン修飾
N‐グリシル‐N‐アセチル‐カルボキシメチルキトサ
ンの合成(1) 0.7gの合成例16の化合物を水90ml中に加え攪
拌溶解した。1gの炭酸水素ナトリウム並びにDMF9
0mlを加えてしばらく攪拌した後、3.4mmolの
アジピン酸‐モノN(6‐デオキシ‐6‐アミノ‐γ‐
シクロデキストリン‐O‐ペルアセチル‐6)アミド‐
モノN‐ヒドロキシコハク酸イミドエステル(実施例1
1参照)を加えて4日間攪拌した。反応後、混合液をエ
タノール(900ml)中に攪拌しながら注いだ。しば
らく攪拌した後、生じた沈殿を遠心分離して集め、沈殿
を100mlの水に溶解し、フィルター(0.45μ
m)でろ過した。ろ液を600mlのエタノールに注
ぎ、酢酸ナトリウム飽和メタノール4mlを加えて攪拌
した。生じた沈殿を遠心分離により集め、得られた沈殿
を95%エタノール、アセトン、エーテルにより順次洗
浄し、減圧乾燥して1.79gの白色粉末状の標題化合
物を得た。
【0148】実施例19 γ‐シクロデキストリン修飾
N‐グリシル‐N‐アセチル‐カルボキシメチルキトサ
ンの合成(2) 1.78gの実施例18の化合物を水150ml中に加
え攪拌して溶解した。2規定水酸化ナトリウム150m
lを加えて24時間攪拌した。反応後、pHを8.5〜
9に調整し、20mlの3M食塩水を加え、フィルター
(0.22μm)でろ過した。ろ液をエタノール2.5
リットル中に攪拌下注ぎ、しばらく攪拌した後、生じた
沈殿を遠心分離して集めた。沈殿を100mlの水に溶
解し、フィルター(0.22μm)でろ過した。ろ液を
400mlのエタノールに注ぎ、酢酸ナトリウム飽和メ
タノール4mlを加えて攪拌した。生じた沈殿を遠心分
離により集め、得られた沈殿を95%エタノール、アセ
トン、エーテルにより順次洗浄し、減圧乾燥して1.0
1gの白色粉末状の標題化合物を得た。フェノール‐硫
酸法により求めたシクロデキストリン置換度はキトサン
糖残基あたり0.11であった。
【0149】実施例20 N‐アセチル‐γ‐シクロデ
キストリン修飾カルボキシメチルキトサン/ドキソルビ
シン複合体の調製 10mgの実施例17の化合物を0.5mlの0.2M
ホウ酸緩衝液(pH=8.0)に加え、攪拌して溶解し
た後、塩酸ドキソルビシン1mgを含む0.2Mホウ酸
緩衝液混合液(0.5ml)を加えて、室温下にて混合
した。30分後、フィルター(0.45μm)でろ過
し、ろ液をエタノール(5ml)に攪拌しながら加え
た。生じた赤色沈殿物を遠心分離して集め、これを1m
lの水に溶解した後、フィルター(0.22μm)でろ
過した後、ろ液をエタノール‐酢酸ナトリウム飽和メタ
ノール(5ml−50μl)中に攪拌しながら混合し、
生じた沈殿を遠心分離して集めた。得られた沈殿を95
%エタノール(2ml)、エタノール(2ml)、エー
テル(5ml)にて洗浄した後、減圧乾燥して紫色粉末
状のドキソルビシン複合体3.6mgを得た。λ=48
5nmにおける吸収より求めたDXR含量は2%であっ
た。
【0150】実施例21 γ‐シクロデキストリン修飾
N‐グリシル‐N‐アセチル‐カルボキシメチルキトサ
ン/ドキソルビシン複合体の調製 10mgの実施例19の化合物を用いて実施例20と同
様に処理することによってドキソルビシン複合体5.6
mgを得た。λ=485mmにおける吸収より求めたD
XR含量は2%であった。
【0151】実施例1〜15のシクロデキストリン誘導
体を式(I)で表わした場合のR 〜4、X、mおよび
nの内容は第1表に示されるとおりである。
【0152】 第1表 実施例 R2〜4 X n 1 H Ac −(CH− 7 2 H Ac −(CH− 8 3 H H −CH−O−CH− 7 4 Bn H −CH−O−CH− 7 5 Bn Ac −CH−O−CH− 7 6 H Ac −CH−O−CH− 7 7 Su Ac −CH−O−CH− 7 8 Bn H −(CH− 7 9 Bn Ac −(CH− 7 10 H Ac −(CH− 7 11 Su Ac −(CH− 7 12 Bn H −(CH− 7 13 Bn Ac −(CH− 7 14 H Ac −(CH− 7 15 Su Ac −(CH− 7 Acはアセチル基、Bnはベンジル基、Suはスクシン
イミド基をそれぞれ表す。
【0153】また実施例18および19のカルボキシメ
チルキトサン誘導体を式(II)、式(III )および式
(IV)で表した場合の内容は第2表に示されるとおりで
ある。
【0154】 第2表 実施例 R2〜4 X n P R 18 Ac −(CH− 8 Gly Ac 19 H −(CH− 8 Gly Ac Acはアセチル基を表す。
【0155】実施例22 α−シクロデキストリン修飾
ポリグルタミン酸の合成 (1)6−デオキシ−6−アミノ−α−シクロデキスト
リンの合成 合成例1の化合物を出発物質として、合成例2〜8およ
び11〜12の方法に従って標題化合物を合成した。
【0156】(2)α−シクロデキストリン修飾ポリグ
ルタミン酸の合成 ポリグルタミン酸(平均分子量120,500(LAL
LS))250mg及び2.50gの前記(1)の化合
物を超純水50mlに溶解し、pH7〜8に調整した。
氷冷下にてEDC2.5gを加えて、一晩4℃にて撹拌
した。反応混合物のpHをおよそ10に調整し、アセト
ン250mlを加えて30分撹拌し、生じた沈殿を遠心
分離して集めた。沈殿物をイオン交換カラムクロマトグ
ラフィー(Bio−Rad AG50W−X2,Na
型,HO)およびゲルろ過カラムクロマトグラフィー
(Sephadex G−25)に賦し、凍結乾燥後5
30mgの白色無定形粉末を得た。得られた粉末を超純
水10mlに溶解し、0.5mlの3M食塩水を加え、
フィルターろ過(0.22μm)した後、50mlのエ
タノール中に撹拌下混合した。室温で1時間撹拌した
後、生じた沈殿を遠心分離し、95%エタノール、エタ
ノール、アセトン、エーテルにて順次洗浄し、50℃減
圧乾燥し465mgの標題化合物を得た。
【0157】α−シクロデキストリン含量をフェノール
−硫酸法により測定し、これをグルタミン酸あたりのシ
クロデキストリン置換度に換算した。グルタミン酸あた
り0.27残基のシクロデキストリンが導入された標題
化合物を得た。また、この化合物についてGPC−LA
LLS法(GPC:TSK−gelG4000SWXL
G3000SWXL,0.1M酢酸緩衝液(pH=5.
0,0.8ml/分、RI検出;LALLS:低角度光
散乱光度計,633nm)により絶対分子量分布及び平
均分子量を測定したところ、重量平均分子量が17万、
多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が2.94
であった。同様にして平均分子量の異なるポリグルタミ
ン酸(例えば、平均分子量15,300、39,40
0)よりαシクロデキストリン修飾ポリグルタミン酸を
調製した。
【0158】実施例23 β−シクロデキストリン修飾
ポリグルタミン酸の合成 ポリグルタミン酸(平均分子量120,500(LAL
LS))250mg及び2.50gの合成例11の化合
物を超純水50mlに溶解し、pH7〜8に調整した。
氷冷下にてEDC2.5gを加えて、一晩4℃にて撹拌
した。反応混合物のpHをおよそ10に調整し、アセト
ン250mlを加えて30分撹拌し、生じた沈殿を遠心
分離して集めた。沈殿物をイオン交換カラムクロマトグ
ラフィー(Bio−Rad AG50W−X2,Na
型,HO)およびゲルろ過カラムクロマトグラフィー
(Sephadex G−25)に賦し、凍結乾燥後5
40mgの白色無定形粉末の粗標題化合物を得た。
【0159】得られた粉末を超純水10mlに溶解し、
0.5mlの3M食塩水を加え、フィルターろ過(0.
22μm)した後、50mlのエタノール中に撹拌下混
合した。室温で1時間撹拌した後、生じた沈殿を遠心分
離し、95%エタノール、エタノール、アセトン、エー
テルにて順次洗浄し、50℃減圧乾燥し520mgの標
題化合物を得た。
【0160】β−シクロデキストリン含量をフェノール
−硫酸法により測定し、これをグルタミン酸あたりのβ
−シクロデキストリン置換度に換算した。グルタミン酸
あたり0.30残基のβ−シクロデキストリンが導入さ
れた標題化合物を得た。また、この化合物についてGP
C−LALLS法により絶対分子量分布及び平均分子量
を測定したところ、重量平均分子量が18.3万、多分
散度(重量平均分子量/数平均分子量)が2.17であ
った。同様にして平均分子量の異なるポリグルタミン酸
(例えば、平均分子量15,300、39,400)よ
りβ−シクロデキストリン修飾ポリグルタミン酸を調製
した。
【0161】実施例24 γ−シクロデキストリン修飾
ポリグルタミン酸の合成 ポリグルタミン酸(平均分子量120,500(LAL
LS))500mg及び5.0gの合成例12の化合物
を超純水100mlに溶解し、pH7〜8に調整した。
氷冷下にてEDC2.5gを加えて、一晩4℃にて撹拌
した。反応混合物のpHをおよそ10に調整し、アセト
ン400mlを加えて30分撹拌し、生じた沈殿を遠心
分離して集めた。沈殿物をイオン交換カラムクロマトグ
ラフィー(Bio−Rad AG50W−X2,Na
型,HO)並びにゲルろ過カラムクロマトグラフィー
(Sephadex G−25)に賦し、凍結乾燥後7
50mgの白色無定形粉末の粗標題化合物を得た。得ら
れた粉末を超純水10mlに溶解し、0.5mlの3M
食塩水を加え、フィルターろ過(0.22μm)した
後、50mlのエタノール中に撹拌下混合した。室温で
1時間撹拌した後、生じた沈殿を遠心分離し、95%エ
タノール、エタノール、アセトン、エーテルにて順次洗
浄し、50℃減圧乾燥し620mgの標題化合物を得
た。
【0162】γ−シクロデキストリン含量をフェノール
−硫酸法により測定し、これをグルタミン酸あたりのγ
−シクロデキストリン置換度に換算した。グルタミン酸
あたり0.23残基のγ−シクロデキストリンが導入さ
れた標題化合物を得た。また、この化合物についてGP
C−LALLS法により絶対分子量分布及び平均分子量
を測定したところ、重量平均分子量が18.2万、多分
散度(重量平均分子量/数平均分子量)が3.31であ
った。同様にして平均分子量の異なるポリグルタミン酸
(例えば、分子量15,300、39,400)よりγ
−シクロデキストリン修飾ポリグルタミン酸を調製し
た。
【0163】実施例25 β−シクロデキストリン修飾
N−アセチル−カルボキシメチルキトサンの合成 N−アセチル−カルボキシメチルキトサン(平均分子量
80,000(GPC)、カルボキシメチル化度=0.
7(カルボキシメチル基/糖残基)1.0gを150m
lの超純水に撹拌溶解し、2.0gの合成例11の化合
物及びDMF150mlを加えて室温で撹拌した。2g
のEEDQを加えた後2日間撹拌反応した後、さらに2
gのEEDQを加え2日間撹拌反応した。反応液を50
0mlのエタノール中に撹拌しながら注ぎ、10mlの
酢酸ナトリウム飽和メタノールを加えてしばらく撹拌し
た。生じた沈殿を遠心分離して集め、超純水125ml
に溶解し、フィルターろ過(0.45μm、0.22μ
m)した後、750mlのエタノールに撹拌下注ぎ、5
mlの酢酸ナトリウム飽和メタノールを加えて撹拌し
た。室温で1時間撹拌した後、生じた沈殿を遠心分離
し、95%エタノール、エタノール、アセトン、エーテ
ルにて順次洗浄し、50℃減圧乾燥し1.456gの粗
標題化合物を得た。
【0164】得られた粉末1.2gを超純水28mlに
溶解し、イオン交換クロマトグラフィー(Bio−Ra
d AG50W−X2,Na型,40ml,HO)に
賦し、フィルターろ過(0.22μm)した。得られた
フラクションと同量の1M食塩水を加え、さらにその全
量の1.5倍量のメタノールを激しく撹拌しながら加え
た。遠心分離して沈殿を除き、上澄みをフィルターろ過
(0.5μm)した後、全量の3分の2倍量のエタノー
ルを加え1時間撹拌した。生じた沈殿を遠心分離して集
め、95%エタノール、エタノール、アセトン、エーテ
ルにて順次洗浄し、50℃減圧乾燥し710mgの標題
化合物を得た。
【0165】β−シクロデキストリン含量をフェノール
−硫酸法により測定し、これを糖残基あたりのβ−シク
ロデキストリン置換度に換算した。糖残基あたり0.1
3残基のβ−シクロデキストリンが導入された標題化合
物を得た。また、この化合物についてGPC−LALL
S法により絶対分子量分布及び平均分子量を測定したと
ころ、重量平均分子量が4.25万、多分散度(重量平
均分子量/数平均分子量)が1.60であった。同様に
して平均分子量の異なるN−アセチル−カルボキシメチ
ルキトサン(例えば、平均分子量40,000、15,
000)よりβ−シクロデキストリン修飾N−アセチル
−カルボキシメチルキトサンを調製した。
【0166】実施例26 γ−シクロデキストリン修飾
N−アセチル−カルボキシメチルキトサンの合成 N−アセチル−カルボキシメチルキトサン(平均分子量
80,000(GPC)、カルボキシメチル化度=0.
7(カルボキシメチル基/糖残基)1.0gを100m
lの超純水に撹拌溶解し、3.50g(2.7mmo
l)の合成例12の化合物及びDMF100mlを加え
て室温で撹拌した。さらに4gのEEDQを加えた後2
日間撹拌して反応させた。反応液を500mlのエタノ
ール中に撹拌しながら注ぎ、9mlの酢酸ナトリウム飽
和メタノールを加えてしばらく撹拌した。生じた沈殿を
遠心分離して集め、超純水100mlに溶解し、フィル
ターろ過(0.45μm)した後、400mlのエタノ
ールに撹拌下注ぎ、4mlの酢酸ナトリウム飽和メタノ
ールを加えて撹拌した。室温で1時間撹拌した後、生じ
た沈殿を遠心分離し、95%エタノール、エタノール、
アセトン、エーテルにて順次洗浄し、50℃で減圧乾燥
し、1.404gの粗標題化合物を得た。
【0167】得られた粉末1.2gを超純水28mlに
溶解し、イオン交換クロマトグラフィー(Bio−Ra
d AG50W−X2,Na型,40ml,HO)に
賦し、フィルターろ過(0.22μm)した。得られた
フラクションと同量の1M食塩水を加え、さらにその全
量の1.5倍量のメタノールを激しく撹拌しながら加え
た。遠心分離して沈殿を除き、上澄みをフィルターろ過
(0.5μm)した後、全量の3分の2倍量のエタノー
ルを加え1時間撹拌した。生じた沈殿を遠心分離して集
め、95%エタノール、エタノール、アセトン、エーテ
ルにて順次洗浄し、50℃減圧乾燥し、660mgの標
題化合物を得た。
【0168】γ−シクロデキストリン含量をフェノール
−硫酸法により測定し、これを糖残基あたりのγ−シク
ロデキストリン置換度に換算した。糖残基あたり0.1
1残基のγ−シクロデキストリンが導入された標題化合
物を得た。また、この化合物についてGPC−LALL
S法により絶対分子量分布及び平均分子量を測定したと
ころ、重量平均分子量が5.14万、多分散度(重量平
均分子量/数平均分子量)が1.85であった。同様に
して平均分子量の異なるN−アセチル−カルボキシメチ
ルキトサン(例えば、平均分子量40,000、15,
000)よりγ−シクロデキストリン修飾N−アセチル
−カルボキシメチルキトサンを調製した。
【0169】シクロデキストリン修飾高分子による薬物
包接試験 以下に示す方法に従って溶解度相図を求めた。シクロデ
キストリンまたはシクロデキストリン修飾高分子の一定
量を超純水に溶かしてシクロデキストリン溶液とした。
得られたシクロデキストリン溶液のシクロデキストリン
濃度は単体シクロデキストリン濃度に換算して100〜
10mMとした。薬物(デキサメサゾン、タキソールま
たはエトポシド)の10〜0.1mgを1.5mlのバ
イアルに秤取り、一定量の超純水を加えた。これに一定
量のシクロデキストリン溶液を加え、全量250または
500μlとし、25℃にて撹拌しながら5秒間で10
分間超音波照射した(日本精器社製:UltrasonicStirre
r; MODEL USS−1)。0.5μmのフィルタ
ーを用いてろ過し、得られたろ液を逆相系高速液体クロ
マトグラフィーにより分析し、溶解した薬物量を定量し
た。高速液体クロマトグラフィーの分析条件は以下の通
りである。
【0170】薬物がデキサメサゾンのとき:Inertsil
ODS−2 カラム,40℃,UV−検出(λ=240
nm)、25mM リン酸緩衝液(pH=7.0):C
CN=70:30,1ml/分。 薬物がタキソールのとき:Inertsil ODS−2 カラ
ム,40℃,UV−検出(λ=227nm)、25mM
リン酸緩衝液(pH=7.0):CHCN=40:
60,1ml/分。 薬物がエトポシドのとき:Inertsil ODS−2 カラ
ム,40℃,UV−検出(λ=240nm)、25mM
リン酸緩衝液(pH=7.0):CHCN=65:
35,1ml/分。
【0171】尚、シクロデキストリンを導入しなかった
高分子(N−アセチル−カルボキシメチルキトサンおよ
びポリグルタミン酸)は、いずれも相当する濃度におい
て薬物の溶解性に何ら影響を与えないことを確認した。
【0172】得られた溶解度相図の解析はT.Higuchi お
よびK.A. Connorsの方法(Adv. Anal. Chem. Instr. 19
65, 4, 117-212)に従った。結果は第3表に示される通
りであった。
【0173】
【表1】
【0174】表中以下の記号を用いた。*1:シクロデ
キストリンの置換度はフェノール硫酸法によって求め
た。 *2:GPCの条件は、TSK−gel G4000S
XLまたはG3000SWXL、0.5M酢酸緩衝液(p
H5.0)、0.8ml/分、25℃。 *3:Cyclolab Cyclodextrin R&D Lab. Ltd. から市販
されている。γ−シクロデキストリン含量は54%であ
った。 *4:高分子とTSK−gelカラムとの相互作用が観
察されたので、測定できず。 *5:5mmolより大きいβ−シクロデキストリン濃
度で、溶解度の顕著な減少が観察された。 AL:溶解度相図が線形であった。 AN:高いシクロデキストリン濃度において薬物濃度が
プラトーに近づいた。 Bs:高いシクロデキストリン濃度において急激な薬物
濃度の減少が見られた。 Ap:高いシクロデキストリン濃度においてより高い薬
物濃度を示した。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(I)で表される、シクロデキスト
    リン誘導体およびその塩。 【化1】 (上記式中、 Rは、水素原子または脱離基を表し、 R2〜4は、同一または異なっていてもよく、それぞれ
    水素原子または低級アシル基を表し、 Xは、−(CH)p−(ここで、pは1〜10の整数
    を表す)または−CH−O−CH−を表し、そして
    nは、6〜8の整数を表す)
  2. 【請求項2】Rが水素原子、ベンジル基またはスクシ
    ンイミド基を表し、R2〜4がそれぞれ水素原子または
    アセチル基を表し、Xが−(CH−、−(C
    −、または−CH−O−CH−を表す、請
    求項1に記載のシクロデキストリン誘導体またはその
    塩。
  3. 【請求項3】下記式(Ia)で表されるシクロデキスト
    リン誘導体を担持してなる高分子化合物。 【化2】 (上記式中、 R2〜4は、同一または異なっていてもよく、それぞれ
    水素原子または低級アシル基を表し、 Xは、−(CH)p−(ここで、pは1〜10の整数
    を表す)または−CH−O−CH−を表し、 mは、0または1の整数を表し、そしてnは、6〜8の
    整数を表す)
  4. 【請求項4】式(Ia)においてR2〜4が同一または
    異なっていてもよく、それぞれ水素原子またはアセチル
    基を表し、Xが−(CH−、−(CH−、
    または−CH−O−CH−を表す、請求項3に記載
    の高分子化合物。
  5. 【請求項5】高分子化合物が、キトサン、カルボキシア
    ルキルキトサン、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン
    酸、ポリリジン、脱N硫酸化ヘパリン、およびポリガラ
    クトサミン、並びにこれらに1〜4個の同一または異な
    っていてもよいアミノ酸を含んでなるペプチド鎖が導入
    された誘導体から選択されるものである、請求項4に記
    載の高分子化合物。
  6. 【請求項6】高分子化合物が、カルボキシメチルキトサ
    ン、およびポリグルタミン酸、並びにこれらに1〜4個
    の同一または異なっていてもよいアミノ酸を含んでなる
    ペプチド鎖が導入された誘導体から選択されるものであ
    る、請求項5に記載の高分子化合物。
  7. 【請求項7】下記式(II)、(III )、および(IV)で
    表される単位を含んで構成され、ゲル浸透クロマトグラ
    フィー法による分子量が1,000〜1,000,00
    0である、カルボキシメチルキトサン誘導体およびその
    塩。 【化3】 (上記式中、 Rは、水素原子または低級アシル基を表し、 Pは、1〜4個の同一もしくは異なってもよいアミノ酸
    を含んでなるペプチド鎖または単結合を表わし、 Yは、水素原子、水酸基、または低級アシル基を表し、
    そしてZは、下記式(Ia): 【化4】 (上記式中、R2〜4、X、m、およびnは請求項1で
    定義されたものと同義である)で表される基を表す)
  8. 【請求項8】Rが水素原子またはアセチル基を表し、 PがGly または単結合を表し、 Yが水素原子を表し、 Z中、mが1であり、R2〜4がそれぞれ水素原子また
    はアセチル基を表し、そしてXが−(CH−、−
    (CH−または−CH−O−CH−を表す、
    請求項7に記載のカルボキシメチルキトサン誘導体およ
    びその塩。
  9. 【請求項9】下記式(V)および(VI)で表される単位
    を含んで構成され、ゲル浸透クロマトグラフィー法によ
    る分子量が1,000〜1,000,000である、カ
    ルボキシメチルキトサン誘導体およびその塩。 【化5】 (上記式中、 Rは、水素原子または低級アシル基を表し、 Zは、下記式(Ia): 【化6】 (上記式中、mは0であり、R2〜4、X、およびnは
    請求項1で定義されたものと同義である)で表される基
    を表す)
  10. 【請求項10】Rが、水素原子またはアセチル基を表
    し、 Z中、R2〜4がそれぞれ水素原子またはアセチル基を
    表す、請求項9に記載のカルボキシメチルキトサン誘導
    体およびその塩。
  11. 【請求項11】下記式(VII )および(VIII)で表され
    る単位を含んで構成され、ゲル浸透クロマトグラフィー
    法による分子量が1,000〜1,000,000であ
    る、ポリグルタミン酸誘導体およびその塩。 【化7】 (上記式中、Zは下記式(Ia): 【化8】 (上記式中、mは0であり、R2〜4、X、およびnは
    請求項1で定義されたものと同義である)で表される基
    を表す)
  12. 【請求項12】Z中、R2〜4がそれぞれ水素原子また
    はアセチル基を表す、請求項11に記載のポリグルタミ
    ン酸誘導体およびその塩。
  13. 【請求項13】請求項7〜10いずれか一項に記載のカ
    ルボキシメチルキトサン誘導体もしくはその塩、および
    /または請求項11または12に記載のポリグルタミン
    酸誘導体もしくはその塩を含んでなる、薬物担体。
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