JP4513160B2 - リチウムポリマー電池の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はリチウムポリマー電池の製造方法に関し、さらに詳しくは、最適なゲルを製造することにより、良好な電池特性を有するリチウムポリマー電池を安定して製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の発達に伴い、小型で軽量かつエネルギー密度が高く、更に繰り返し充放電が可能な二次電池の開発が要望されている。このような二次電池としては、リチウム金属又はリチウム合金を活物質とする負極と、モリブデン、バナジウム、チタンあるいはニオブなどの酸化物、硫化物もしくはセレン化物を活物質とする正極とを具備したリチウム二次電池が知られている。しかしながら、リチウム金属又はリチウム合金を活物質とする負極を備えた二次電池は、充放電を繰り返すと負極にリチウムのデンドライトが析出するため、充放電サイクル寿命が短いという問題点がある。
【0003】
このようなことから、負極に、例えばコークス、黒鉛、炭素繊維、樹脂焼成体、熱分解気相炭素のようなリチウムイオンを吸蔵放出する炭素質材料を用い、LiPF6のような電解質をエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートのような有機溶媒に溶解させた非水電解液を用いたリチウム二次電池が提案されている。前記リチウム二次電池は、デンドライト析出による負極特性の劣化を改善することができるため、充放電サイクル寿命と安全性を向上させることができる。
【0004】
一方、電解質を固化させると漏液の心配の無い電池が得られることから、究極の電池と目されてきたが、イオン伝導度が溶液系のものに比べて数桁低いなどの問題があったため、汎用性のある電池の出現までには至らなかった。ところが、近年になってポリマーを有機溶媒系の電解液と共にゲル化させると、イオン伝導度が10-3S/cm程度に向上し、イオン伝導度の高いポリマー電解質が得られるようになり、これを電池のセパレータとして使用することにより特性の良い電池が得られるようになったことから、ポリマー電池が脚光を浴びるようになった。
【0005】
米国特許第5296318号公報には正極、負極の結着剤及びセパレータにポリマーを用いることにより柔軟性が付与されたハイブリットポリマー電解質を有する充放電が可能なリチウムインターカレーション電池、即ちリチウムポリマー電池が開示されている。
【0006】
正極は例えば、リチウムコバルト複合酸化物からなる活物質と、ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロピレンの共重合体P(VDF−HFP)からなるポリマーと、DBP(フタル酸ジブチル)などの可塑剤とを含む正極用ペーストをアルミニウム製の集電体に塗布、乾燥、圧延した後、所定の寸法に切断して正極が作製される。
【0007】
そして、負極は例えば、リチウムイオンを吸蔵放出が可能な黒鉛のような炭素質材料からなる活物質と、ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロピレンの共重合体P(VDF−HFP)からなるポリマーと、DBP(フタル酸ジブチル)などの可塑剤とを含む負極用ペーストを銅製の集電体に塗布、乾燥、圧延した後、所定の寸法に切断して負極が作製される。
【0008】
次に、前記正極板及び負極板の間に電解液を未含浸のP(VDF−HFP)からなるポリマー製セパレータを介在させ、130℃に加熱した剛性ロールにて加熱圧着して積層化する。次に前記積層膜中に含まれる可塑剤をキシレンなどの有機溶媒を用いて抽出し、温度が100℃の真空減圧下で乾燥する。このようにして得られた発電要素を、樹脂フィルムの間にアルミニウム箔を配して全体を積層一体化したラミネートシートからなる袋状外装(以下これを外装ケースという)の内部に収容し、非水電解液を注入し、加温処理を施して正極板、負極板中のポリマー及びセパレータをゲル化させて、非水電解液を保持させる。
【0009】
ゲル化させる方法としては、特開平11−297357号公報にプロピレンカーボネートを電解液溶媒として含む非水電解液を用い、かつポリフッ化ビニリデンをポリマーとして用いて、90℃〜120℃の温度でゲル化させる方法が、特開2000−12076号公報に開路電圧が3.6V以下、60℃〜90℃の温度でゲル化させる方法が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記非水電解液のゲル電解質の形成に関して、ゲル化の際の加温温度が100℃を越える高い温度領域では、非水電解液を含有するポリマーとしてビニリデンフロライド−ヘキサフルオロピレンの共重合体を用いた場合、前記ポリマーの溶融点及び再結晶化温度が120℃ないしは130℃にあるため、ゲル化の進行と共にポリマーの溶融及び再結晶化が発生する。これは、イオン伝導度の低下やゲル電解質の電極内部での不均一な分布の発生につながり、放電容量が低下する。
【0011】
さらに、ゲル化時間が長時間となった場合、電解質の分解が進行してイオン伝導度が低下するため、電池の初期放電特性を低下させる危険性がある。
【0012】
ゲル化の際の加温温度が90℃よりも低い場合には、ゲル化が不十分で、内部抵抗が高い為に、放電容量が低下する。
【0013】
一方、ポリフッ化ビニリデンはプロピレンカーボネートに膨潤しやすいので、正極および/または負極の極板厚みを所定の厚みに一定して保つことが困難である。
【0014】
本発明においてはビニリデンフロライド−ヘキサフルオロピレンの共重合体P(VDF−HFP)を用いて、かつポリマーに対して膨潤度を制御しうる電解液溶媒を用い、ゲル化温度及び時間を最適化することで、極板厚みを制御でき、かつ電池特性や信頼性に優れたリチウムポリマー電池の製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本発明は、前記外装ケース内に、それぞれシート状またはフィルム状の正極板、ポリマー製セパレータおよび負極板からなる発電要素を収容し、この発電要素に非水電解液を保持させるとともに、前記正極板および負極板のそれぞれの一端が接続された正極リードおよび負極リードを、前記外装ケースのシール部より外部に引き出した状態で封口する工程と、所定の電池電圧を発生するまで充電処理を施して初期のガス発生を済ませる第1の充電工程と、90℃〜100℃の温度範囲で30分〜3時間保存する第1のエージング工程と、必要電気量だけ充電処理し、更に発電要素からガスを発生及び電池特性を安定化させる第2の充電工程と、この充電状態のまま約60℃〜70℃の環境下に保存する第2のエージング工程と、外装ケースの一部を開封して内部にたまったガスを排出する工程と、外装ケースを再度封口する工程とからなり、前記非水電解液を保持する発電要素がビニリデンフロライド−ヘキサフルオロピレンの共重合体P(VDF−HFP)からなるポリマーを含み、かつ非水電解液の溶媒成分が少なくともジエチルカーボネートを含む2種類以上であり、前記ジエチルカーボネートが非水電解液中に体積比で20%〜80%含まれるリチウムポリマー電池の製造方法を提供するものである。
【0016】
正極や負極内部の非水系電解液を保持するポリマーにビニリデンフロライド−ヘキサフルオロピレンP(VDF−HFP)の共重合体を用い、かつ電解液溶媒組成としてポリフッ化ビニリデンに対して比較的貧溶媒であるジエチルカーボネートを含んだ少なくとも2種類以上の混合電解液溶媒組成を用い、90℃〜100℃の温度範囲で30分〜3時間保存してゲル化させることにより、電池厚みを制御でき、電池特性に優れたリチウムポリマー電池が可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0018】
図1および図2は本発明の製造方法によるリチウムポリマー電池の上面図および断面図である。正極1は正極活物質と導電剤および結着剤兼電解液保持剤としてのポリマーを有機溶媒に混練分散させたペーストをアルミニウム箔製集電体1aの両面に塗着、乾燥、圧延して、正極活物質層1bとしたものである。この2枚の正極の間に、前記のフィルムからなるポリマー製セパレータ3を配置させ、このセパレータ3間に炭素質材料と前記結着剤兼電解液保持剤としてのポリマーを有機溶媒に混練分散させたペーストを銅箔製集電体2aの両面に塗着、乾燥、圧延して、負極活物質層2bを形成した負極2があり、全体が図2に示すように積層一体化されて発電要素4が構成される。
【0019】
1cは正極の集電体に設けたリード取り付け部であり、ここには正極リード5が溶接されている。2cは負極の集電体に設けたリード取り付け部であり、ここには負極リード6が溶接されている。7は金属箔を中間の一層とし、その内側に樹脂フィルムを、外側にも樹脂フィルムを積層一体化したラミネートフィルムからなる外装ケースである。この外装ケース7の内部に収容された発電要素4は、正極のリード5および負極のリード6が外装ケース7の外部へ引き出され、その先端が出入力端子8、9とされている。10、11はリード5、6の中間部分に設けられた絶縁保護フィルムであり、外装ケース7の開口部を熱融着などで封口する際にリード5、6の電気的絶縁と気密を確保するものである。尚、外装ケース7は、前記ラミネートフィルムを帯状に切断し、その長さ方向の中央部Tで2つ折りし、上下の2辺P1とP2を予め熱融着したものであり、開口している残り1辺のP3部分から発電要素4を挿入し、所定量の非水電解液を注入する。
【0020】
このときの非水電解液は、ポリフッ化ビニリデンに対して比較的貧溶媒であるジエチルカーボネート(DEC)を含んだ少なくとも2種類以上の混合電解液溶媒にLiPF6、LiBF4等の電解質を溶解させて調整したものを用いる。
【0021】
DECの非水電解液中における割合は、体積比で20%〜80%である。体積比で20%未満の場合には、ポリフッ化ビニリデンが膨潤し、極板厚みを一定に保つことが困難であり、体積比で80%を越えると電解質を安定して溶解させるのが困難で、内部抵抗が上昇し、放電容量比率が低下する。
【0022】
そして、前記開口している残り1辺のP3部分を熱融着して封口する。
【0023】
ついで、第1の充電工程は、所定の電池電圧を発生するまで充電処理を施して初期のガス発生を済ませる工程である。この工程における所定の電池電圧は3.7V以上必要である。
【0024】
3.7V以上の電池電圧があれば、後述する第1エージング工程の高温環境下での電池電圧の低下、即ち容量劣化が最小限に抑えられるからである。
【0025】
次の第1のエージング工程は、前記所定の電池電圧の状態で90℃〜100℃の温度範囲で30分〜3時間エージングして、発電要素内の正極板、負極板中のポリマー及びセパレータをゲル化させると同時に発電要素からガスを発生させる工程である。
【0026】
その次の第2の充電工程は、必要電気量だけ充電処理し、更に発電要素からガスを発生及び電池特性を安定化させる工程である。
【0027】
充電処理は、電池容量の95%〜105%の範囲が好ましい。
【0028】
第2のエージング工程は、この充電状態のまま約60℃〜70℃の環境下に保存し、発電要素から更なるガスを発生させ、ガスを出し切らせるとともに、電池特性を安定化させる工程である。温度が60℃未満の場合には、ガスを出し切るのが不十分で、70℃を超えると電池特性が劣化するので好ましくない。エージング時間は、60℃の環境下では、50時間〜72時間の範囲が好ましく、70℃の環境下では40時間〜55時間の範囲が好ましい。
【0029】
次に、外装ケースの一部を開封して内部に溜まったガスを排出した後、外装ケースを再度封口する工程とからなるリチウムポリマー電池の製造方法である。
【0030】
【実施例】
本発明を実施例によって更に詳細に説明する。
【0031】
(実施例1)
正極1はコバルト酸リチウムを主成分とする正極活物質100重量部と導電剤としてのアセチレンブラック5重量部および結着剤兼電解液保持剤としてのポリマーであるフッ化ビニリデン(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)との共重合体P(VDF−HFP)8重量部と可塑剤のDBP(フタル酸ジブチル)10重量部をNMP(N−メチルー2−ピロリドン)からなる有機溶媒に混練分散させたペーストをラス加工した厚さ40μmのアルミニウム箔製集電体1aの両面に塗着、乾燥、圧延した後、所定の寸法に切断して、正極活物質層1bとしたものである。この2枚の正極活物質層の間に、前記のP(VDF−HFP)のフィルムからなるポリマー製セパレータ3を配置させ、このセパレータ3間にカーボン粉末100重量部と前記結着剤兼電解液保持剤としてのポリマーであるP(VDF−HFP)の粉末15重量部と可塑剤のDBP(フタル酸ジブチル)30重量部をアセトンとシクロヘキサノンからなる混合有機溶媒に混練分散させたペーストをラス加工した銅箔製集電体2aの両面に塗着、乾燥、圧延した後、所定の寸法に切断して、負極活物質層2bを形成した負極2があり、全体が図2に示すように積層一体化されて発電要素4が構成される。次に前記発電要素中に含まれる可塑剤のDBPをキシレンなどの有機溶媒を用いて抽出し、温度100℃の真空減圧下で乾燥する。
【0032】
1cは正極の集電体に設けたリード取り付け部であり、ここにはアルミニウム製正極リード5が溶接されている。2cは負極の集電体に設けたリード取り付け部であり、ここには銅箔製負極リード6が溶接されている。7はアルミニウム箔を中間の一層とし、その内側にポリプロピレンフィルムを、外側にポリエチレンテレフタレートフィルムとナイロンフィルムを積層一体化したアルミラミネートフィルムからなる外装ケースである。この外装ケース7の内部に収容された発電要素4は、正極のリード5および負極のリード6が外装ケース7の外部へ引き出され、その先端が出入力端子8、9とされている。
【0033】
10、11はリード5、6の中間部分に設けられた絶縁保護フィルムであり、外装ケース7の開口部を熱融着などで封口する際にリード5、6の電気的絶縁と気密を確保するものである。
【0034】
第1の充電工程では、3.75Vの電池電圧を発生するまで充電処理を施して初期のガス発生を済ませた。
【0035】
第1のエージング工程では、3.75Vの電池電圧の状態で90℃、95℃、100℃の各温度で1時間エージングして、発電要素内の正極板、負極板中のポリマー及びセパレータをゲル化させると同時に発電要素からガスを発生させた。
【0036】
第2の充電工程では、電池容量の100%の電気量で充電処理し、更に発電要素からガスを発生及び電池特性を安定化させた。
【0037】
第2のエージング工程では、この充電状態のまま約60℃の環境下に65時間保存し、発電要素から更なるガスを発生させ、ガスを出し切らせるとともに、電池特性を安定化させた。
【0038】
ドライ雰囲気中で外装ケースの一部を開封して0.4MPaの荷重で1秒間押さえて、内部に溜まったガスを排出した後、外装ケースを再度封口して、電池容量が500mAhのリチウムポリマー電池を得た。
【0039】
(実施例2)
第1のエージング工程の温度を95℃に設定し、ゲル化させる時間を0.5時間、1.0時間、2.0時間、3.0時間の各時間に設定する以外は、実施例1と同様にして電池容量500mAhのリチウムポリマー電池を得た。
【0040】
(実施例3)
第1のエージング工程の温度を100℃、ゲル化時間を1.5時間にし、電解液の電解質がLiPF6、電解溶媒がジエチレンカーボネート/エチレンカーボネート(DEC/EC)からなる非水電解液を用い、DEC/(EC+DEC)の体積含有率を20%、40%、80%とする以外は実施例1と同様にしてリチウムポリマー電池を得た。
【0041】
(実施例4)
第1のエージング工程の温度を90℃、ゲル化時間を3時間にし、電解液の電解質がLiPF6、電解溶媒がジエチレンカーボネート/エチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート(DEC/EC/EMC)からなる非水電解液を用い、ECの体積含有量を20%に固定し、DEC/(EC+DEC+EMC)の体積含有率を20%、40%、80%とする以外は実施例1と同様にしてリチウムポリマー電池を得た。
【0042】
(比較例1)
第1のエージング工程の温度を、80℃、105℃、110℃、115℃、120℃で1時間エージングした以外は、実施例1と同様にしてリチウムポリマー電池を得た。
【0043】
(比較例2)
ゲル化させる時間を0.0時間、4.0時間、6.0時間、8.0時間、10.0時間、12.0時間、15.0時間の各時間に設定する以外は、実施例2と同様にして電池容量500mAhのリチウムポリマー電池を得た。
【0044】
(比較例3)
DEC/(EC+DEC)の体積含有率を0%、90%とする以外は実施例3と同様にしてリチウムポリマー電池を得た。
【0045】
(比較例4)
DEC/(EC+DEC+EMC)の体積含有率を0%、90%とする以外は実施例4と同様にしてリチウムポリマー電池を得た。
【0046】
(ゲル化温度と放電容量比率、内部抵抗の結果)
実施例1、比較例1で得られた各電池を、0.2CmA(100mA)の充電電流で4.2Vになるまで充電した後、0.2CmA(100mA)および2.0CmA(1000mA)の電流値で3.0Vまで放電したときの放電容量比率の結果を表1に示す。なお、90℃の温度で1時間ゲル化させて得られた0.2CmA放電容量を100%として、各温度の放電容量比率を求めた。各電池の内部抵抗は、内部抵抗測定器を用いて測定した結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
表1から、ゲル化温度が100℃を超えると、内部抵抗が上昇するために放電容量比率が低下し、2CmAの放電容量比率の低下が著しいことが明らかになった。
【0049】
ゲル化させる温度がポリマーの融点及び再結晶化温度付近に近づくため、ゲル化の進行と共にポリマーの溶融及び再結晶化が発生し、イオン伝導度の低下やゲル電解質の電極内部での不均一な分布の発生により電池特性が低下したものと考えられる。
【0050】
また、ゲル化温度が90℃未満の場合は、ゲル化が不十分で、内部抵抗が高く、放電容量比率が低下して、好ましくないことが明らかになった。
【0051】
(ゲル化時間と放電容量比率、内部抵抗の結果)
実施例2、比較例2で得られた各電池を、0.2CmA(100mA)の充電電流で4.2Vになるまで充電した後、0.2CmA(100mA)および2.0CmA(1000mA)の電流値で3.0Vまで放電したときの放電容量比率の結果を表2に示す。なお、95℃の温度で1.0時間ゲル化させて得られた0.2CmA放電容量を100%として、各温度の放電容量比率を求めた。各電池の内部抵抗は、内部抵抗測定器を用いて測定した結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】
表2から、ゲル化時間が3時間を超えると、内部抵抗が上昇しはじめ、0.2CmA、2.0CmAの放電容量比率が低下している。前述したように電解溶質の分解が進行してイオン伝導度が低下するため、電池の放電容量比率が低下したものと考えられる。
【0054】
(DEC/(DEC+EC)含有量と放電容量特性、内部抵抗、電池厚みの結果)
実施例3、比較例3で得られた各電池を、0.2CmA(100mA)の充電電流で4.2Vになるまで充電した後、0.2CmA(100mA)および2.0CmA(1000mA)の電流値で3.0Vまで放電したときの放電容量比率の結果を表3に示す。なお、DECの体積含有量が20%のときに得られた0.2CmA放電容量を100%として、各温度の放電容量比率を求めた。
【0055】
各電池の内部抵抗は、内部抵抗測定器を用いて測定した結果を表3に示す。電池厚みは、0.2MPaの荷重をかけ、マイクロメータを用いて測定した。
【0056】
【表3】
【0057】
表3からから、DECの体積含有量を増加させると、内部抵抗は80%まではわずかな上昇であるが、80%を越えると大きく上昇し、放電容量比率が低下するのは、電解質を安定して溶解させるのが困難で、内部抵抗が上昇し、放電容量比率が低下する為である。
【0058】
また、DECの増加に伴い電池厚みが薄くなることが分かる。電池厚みを低減できる理由はDECがビニリデンフロライド−ヘキサフルオロピレンP(VDF−HFP)に膨潤しにくいため、ポリマーの体積膨張が抑えられるためである。したがって、DECの好ましい範囲は20%〜80%の範囲である。
【0059】
(DEC/(DEC+EC+EMC)含有量と放電容量比率、内部抵抗、電池厚みの結果)
実施例4、比較例4で得られた各電池を、0.2CmA(100mA)の充電電流で4.2Vになるまで充電した後、0.2CmA(100mA)および2.0CmA(1000mA)の電流値で3.0Vまで放電したときの放電容量比率の結果を表4に示す。なお、DECの体積含有量が20%のときに得られた0.2CmA放電容量を100%として、各温度の放電容量比率を求めた。各電池の内部抵抗は、内部抵抗測定器を用いて測定した結果を表4に示す。電池厚みは、0.2MPaの荷重をかけ、マイクロメータを用いて測定した。
【0060】
【表4】
【0061】
表4からDECの体積含有量を増加させると、内部抵抗は80%まではわずかな上昇であるが、80%を越えると大きく上昇し、放電容量比率が低下するのは、電解質を安定して溶解させるのが困難で、内部抵抗が上昇し、放電容量比率が低下する為である。
【0062】
また、DECの増加に伴い電池厚みが薄くなることが分かる。電池厚みを低減できる理由はDECがビニリデンフロライド−ヘキサフルオロピレンP(VDF−HFP)に膨潤しにくいため、ポリマーの体積膨張が抑えられるためである。したがって、DECの好ましい範囲は20%〜80%の範囲である。
【0063】
【発明の効果】
以上のように本発明は、正極や負極内部の非水系電解液を保持するポリマーにビニリデンフロライド−ヘキサフルオロピレンP(VDF−HFP)の共重合体を用い、かつ電解液溶媒組成としてポリフッ化ビニリデンに対して比較的貧溶媒であるジエチルカーボネートを含んだ少なくとも2種類以上の混合電解液溶媒組成を用い、90℃〜100℃の温度範囲で30分〜3時間保存してゲル化させることにより、電池厚みを制御でき電池特性に優れたリチウムポリマー電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における電池の上面図
【図2】同電池の断面図
【符号の説明】
1 正極板
1a 正極集電体
1b 正極活物質層
1c 正極リード取り付け部
2 負極板
2a 負極集電体
2b 負極活物質層
2c 負極リード取り付け部
3 セパレータ
4 発電要素
5 正極リード
6 負極リード
7 外装ケース
8 正極出力端子
9 負極出力端子
10 正極リード絶縁保護フィルム
11 負極リード絶縁保護フィルム
P1 外装ケース熱溶着部
P2 外装ケース熱溶着部
P3 外装ケース熱溶着部
T 外装ケース折り曲げ部
Claims (2)
- 樹脂フィルムの間に金属箔を配して全体を積層一体化したラミネートシートからなる袋状外装ケース内に、それぞれシート状またはフィルム状の正極板、ポリマー製セパレータおよび負極板からなる発電要素を収容し、この発電要素に非水電解液を保持させるとともに、前記正極板および負極板のそれぞれの一端が接続された正極リードおよび負極リードを、前記外装ケースのシール部より外部に引き出した状態で封口する工程と、所定の電池電圧を発生するまで充電処理を施して初期のガス発生を済ませる第1の充電工程と、90℃〜100℃の温度範囲で30分〜3時間保存する第1のエージング工程と、必要電気量だけ充電処理し、更に発電要素からガスを発生及び電池特性を安定化させる第2の充電工程と、この充電状態のまま約60℃〜70℃の環境下に保存する第2のエージング工程と、外装ケースの一部を開封して内部にたまったガスを排出する工程と、外装ケースを再度封口する工程とからなり、前記非水電解液を保持する発電要素がビニリデンフロライド−ヘキサフルオロピレンの共重合体P(VDF−HFP)からなるポリマーを含み、かつ非水電解液の溶媒成分が少なくともジエチルカーボネートを含む2種類以上であり、前記ジエチルカーボネートが非水電解液中に体積比で20%〜80%含まれるリチウムポリマー電池の製造方法。
- 前記所定の電池電圧が3.7V以上である請求項1に記載のリチウムポリマー電池の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000093167A JP4513160B2 (ja) | 2000-03-30 | 2000-03-30 | リチウムポリマー電池の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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