JP2008251224A - 非水電解質二次電池の製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】層状構造を有し、かつ遷移金属としてNiを主に含有するリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として用いた非水電解質二次電池において、高温保存時の電池膨れ及び電池の内部抵抗増加を抑制し、優れた充電保存特性を得る。
【解決手段】層状構造を有し、かつ遷移金属としてNiを主に含有するリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として含む正極と、リチウムを吸蔵・放出する材料を負極活物質として含む負極と、非水電解質とを含む非水電解質二次電池の製造方法であって、正極、負極、及び非水電解質を用いて電池を組み立てる工程と、正極の電位が4.0V(vs.Li/Li)以上となるまで電池を充電する工程と、充電後の電池を85〜120℃の範囲内の温度で保存し、ガスを発生させる工程と、発生したガスを除去する工程とを備えることを特徴としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解質二次電池の製造方法に関するものである。
近年、金属リチウムまたはリチウムイオンを吸蔵・放出し得る合金、もしくは炭素材料などを負極活物質とし、化学式:LiMO(Mは遷移金属)で表わされるリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質とする非水電解質二次電池が、高エネルギー密度を有する電池として注目されている。
一般に、非水電解質二次電池に用いられる正極活物質は、主活物質であるリチウムに、ニッケル、コバルトをはじめとする遷移金属を固溶させた複合酸化物からなる。用いられる遷移金属の種類によって、電気容量、可逆性、作動電圧、安全性などの電極特性が異なり、LiNi0.8Co0.2で表されるR−3m菱面体岩塩層状複合酸化物を正極活物質に用いた非水電解液二次電池は、180〜200mAh/gと比較的高い容量であり、良好な可逆性を示す。
しかしながら、層状構造を有し、かつ遷移金属としてNiを主に含有する上記のようなリチウム遷移金属複合酸化物を、正極活物質として用いた場合、充電状態において、実際の車中での携帯電話などの使用条件として想定される80℃を超える高温下で保存すると、ガスの発生が著しく、大気圧以上の内圧で容易に変形し得る外装体材料を密閉材に用いた電池においては、電池の膨れが生じる。
特許文献1及び非特許文献1においては、上記のリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として用いた非水電解質二次電池において、電池の高温保存時の膨れを抑制するため、正極活物質のpH値が10.0〜11.5のものを用いることが提案されている。しかしながら、このような正極活物質を用いた場合においても、充電状態での高温保存により著しく電池が膨れ、十分に改善することができないことがわかっている。
また、上記のpHの範囲となるように作製したリチウム遷移金属複合酸化物は、上記のpH値の範囲よりも高いものに比べ、その容量が小さくなる場合が多い。
特許文献2においては、電池を作製した後、40〜80℃の範囲の温度で第1のエイジングを行い、さらに第2のエイジングを第1のエイジングよりも低い温度で行うことにより、非水電解質二次電池の使用時におけるガスの発生を抑制する製造方法が提案されている。
しかしながら、ここで提案されているガス発生の抑制は、負極と水分の反応による水素ガスの発生の抑制であり、後述するように、このような条件では、電池の膨れを十分に抑制することはできず、優れた充電保存特性を得ることができないことがわかっている。
特開2002−203552号公報 特開2005−327592号公報 第43回電池討論会講演要旨集、第122頁〜第123頁
本発明の目的は、層状構造を有し、かつ遷移金属としてNiを主に含有するリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として用いた非水電解質二次電池において、高温保存時の電池膨れ及び電池の内部抵抗増加を抑制することができ、優れた充電保存特性を有する非水電解質二次電池を製造する方法及びこの方法により製造された非水電解質二次電池を提供することにある。
本発明は、層状構造を有し、かつ遷移金属としてNiを主に含有するリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として含む正極と、リチウムを吸蔵・放出する材料を負極活物質として含む負極と、非水電解質とを含む非水電解質二次電池の製造方法であって、正極、負極、及び非水電解質を用いて電池を組み立てる工程と、正極の電位が4.0V(vs.Li/Li)以上となるまで電池を充電する工程と、充電後の電池を85〜120℃の範囲内の温度で保存し、ガスを発生させる工程と、発生したガスを除去する工程とを備えることを特徴としている。
本発明においては、正極、負極、及び非水電解質を用いて電池を組み立てた後、正極の電位が、4.0V(vs.Li/Li)以上となるまで充電し、充電後の電池を85〜120℃の範囲内の温度で保存してガスを発生させ、発生したガスを除去している。後述するように、このようにして発生したガスは、リチウム遷移金属複合酸化物中に含まれる炭酸塩に基づく炭酸ガス(COガス)であると考えられ、本発明においては、このようにリチウム遷移金属複合酸化物中に含まれる炭酸ガス発生の原因物質を予め取り除くことにより、高温保存時における電池の膨れを防止することができる。
本発明においては、正極の電位が4.0V(vs.Li/Li)となるまで電池を充電した後に、充電後の電池を85〜120℃の範囲内の温度で保存し、ガスを発生させている。充電条件として、正極の電位が4.0V(vs.Li/Li)以上となるように充電しているが、正極の充電終止電位がこれよりも低いと、リチウム炭酸塩の分解によるガス発生を抑制する効果が十分に得られない。正極の充電終止電位の上限値は、特に限定されるものではないが、一般には、4.5V(vs.Li/Li)以下である。
本発明においては、充電後の電池のガス発生・除去工程における保存温度を85〜120℃の範囲内としている。ガス発生・除去工程における保存温度が85℃より低いと、使用した際の高温保存時の電池の膨れを防止する効果が十分に得られない。また、保存温度が120℃よりも高くなると、正極と負極の間のセパレータに目詰まりが生じるなどの悪影響が生じる。
ガス発生・除去工程における保存時の温度は、さらに好ましくは、85〜100℃の範囲内である。
また、ガス発生・除去工程における保存時間は、0.5〜3時間の範囲内であることが好ましい。
保存時間が短過ぎると、ガス発生量が不十分となり、使用の際の高温保存時の電池膨れを十分に抑制できない場合がある。また、保存時間が長くなると、初期効率が低下したり、電池の内部抵抗が増加するなど電極特性が低下する場合がある。
本発明においては、上記のようにして発生したガスを除去した後、電池内を密封して最終的な電池を作製させる。
本発明におけるリチウム遷移金属複合酸化物は、リチウム遷移金属複合酸化物5gを純水50mlに浸漬したときのpH値が、11.0以上であることが好ましい。pH値が、11.0未満であると、正極活物質としての容量が低下し、高エネルギー密度の電池とすることができないことがある。また、pH値が11.0未満であると、高温保存時に発生するガスの量を低減する効果が十分に得られない場合がある。pH値の上限値は特に限定されるものではないが、一般的には、12以下である。
本発明において用いるリチウム遷移金属複合酸化物の具体例としては、LiNi(1−x)(0≦a≦1.1、0.5<x≦1.0、Mは、Co、Al、Mn、Cu、Mg、Ba、Ti、Zrからなるグループより選ばれる少なくとも1種)で表わされるものが挙げられる。この化学式において、Mは、特に好ましくは、Co、Al、Mnが挙げられる。
本発明の非水電解質二次電池は、上記本発明の方法により製造されたことを特徴としている。
本発明の非水電解質二次電池における負極活物質は、特に限定されるものではないが、炭素材料が好ましく用いられ、特に黒鉛材料が好ましく用いられる。
本発明の非水電解質二次電池に用いられる非水電解質の溶媒としては、環状カーボネートあるいは鎖状カーボネートが好ましい。環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等が挙げられる。これらの中でも、特にエチレンカーボネートが好ましく用いられる。鎖状カーボネートとしては、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート等が挙げられる。さらに溶媒としては、2種以上の溶媒を混合した混合溶媒であることが好ましい。特に、環状カーボネートと鎖状カーボネートとを含む混合溶媒であることが好ましい。
また、上記環状カーボネートと、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル系溶媒との混合溶媒も好ましく用いられる。
また、本発明の非水電解質には、ビニレンカーボネートが添加されていてもよい。ビニレンカーボネートを添加することにより、添加することにより、初期充電時に負極表面上に被膜を形成し、負極の充放電による特性低下を抑制することができる。
ビニレンカーボネートの添加量としては、0.5〜5重量%程度であることがこい。
また、非水電解質の溶質としては、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO)、LiN(CSO)、LiN(CFSO)(CSO)、LiC(CFSO)、LiC(CSO)、LiAsF、LiClO、Li10Cl10、Li12Cl12など及びそれらの混合物が例示される。
本発明によれば、高温保存時の電池膨れ及び電池内部抵抗増加を抑制することができ、優れた充電保存特性を有する非水電解質二次電池を製造することができる。
以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
<実験1>
(実施例1)
〔正極活物質の作製〕
LiOHと、Ni0.80Co0.15Al0.05(OH)で表わされる共沈水酸化物とを、Liと遷移金属全体のモル比が1:1となるように混合し、酸素雰囲気中にて750℃にて2時間熱処理し、その後粉砕することにより、BET比表面積が0.31m/gであるLiNi0.80Co0.15Al0.05(O)を得た。
この正極活物質5gを、50mlの純水に分散させ、pH値を測定したところ、11.70であった。
〔正極の作製〕
分散媒としてのN−メチル−2−ピロリドンに、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを溶解させ、上記の正極活物質と、導電剤としての炭素とを、活物質:導電剤:結着剤の重量比が95:2.5:2.5となるように、これらを混合した後、混練して、正極スラリーを作製した。作製したスラリーを集電体としてのアルミニウム箔上に塗布した後、乾燥し、その後圧延ローラーを用いて圧延し、集電タブを取り付けて、正極を作製した。
〔負極の作製〕
増粘剤であるカルボキシメチルセルロースを水に溶解した水溶液中に、負極活物質としての人造黒鉛と、結着剤としてのスチレン−ブタジエンゴムとを、活物質:結着剤:増粘剤の重量比が95:3:2の比率となるように加えた後混練して負極スラリーを作製した。作製したスラリーを集電体としての銅箔上に塗布した後、乾燥し、その後、圧延ローラーを用いて圧延し、集電タブを取り付けることにより、負極を作製した。
〔電解液の作製〕
エチレンカーボネート(EC)と、メチルエチルカーボネート(MEC)とを、体積比(EC:MEC)で、3:7となるように混合した混合溶媒に対し、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)が1モル/リットルとなるように溶解した。さらに、ビニレンカーボネート(VC)を電解液全量に対し、2.0重量%となるように溶解させ、電解液を作製した。
〔電池の作製〕
上記のようにして得た正極及び負極を、セパレータを介して対向するように巻き取って、巻き取り体を作製し、アルゴン雰囲気下のグローブボックス中にて、巻き取り体を電解液と共に、アルミニウムラミネートからなる外装体内に封入し、電池規格サイズとして、厚み3.6mm×幅3.5cm×長さ6.2cmの非水電解質二次電池を作製した。
図1は、作製した非水電解質二次電池を示す平面図である。図1に示すように、外装体1内には、上記巻き取り体が挿入されており、巻き取り体からの正極集電タブ3及び負極集電タブ4が外装体1の外部に取り出されている。外装体1の周辺部は、融着することにより、封止部2が形成されている。外装体1には、後述するガス発生・除去工程により、発生したガスを溜めるための予備室1aが設けられている。後述するガス発生・除去工程により発生したガスは、予備室1aに溜められ、封止部2aで封止することにより、電池部1bと、ガスの溜まった予備室1aを分離し、その後、予備室1aを切り取って除去することができる。
〔ガス発生・除去工程〕
上記のように作製した非水電解質二次電池を、室温にて800mAの定電流で10分間充電した後、60℃の恒温槽内にて15時間エイジングし、室温にて冷却した後、800mAの定電流で電圧が4.2V(正極電位が4.3V(vs.Li/Li))に達するまで充電し、さらに4.2Vの定電圧で電流値が40mAになるまで充電した後、85℃の恒温槽内で3時間保存した。発生したガスを上述のように、予備室1aに溜め、電池部1bと予備室1aを分離した後、800mAの定電流で、電圧が2.5V(正極電位が2.5V(vs.Li/Li))に達するまで放電することにより、非水電解質二次電池A1を得た。
なお、正極活物質及び負極活物質のそれぞれの量は、充電終止電圧を4.2Vとした場合の対向する部分における正極と負極の充電容量比(負極の充電容量/正極の充電容量)が1.10となるようにしている。なお、この正極と負極の充電容量比は、以下の実施例及び比較例においても、同様である。
上記の充放電サイクルにおける充放電容量から、初期効率を次の式を用いて算出した。
初期効率(%)=(初期放電容量/初期充電容量)×100
なお、本実施例においては、上述のように、外装体に予備室を設け、発生したガスを予備室に溜めた後、予備室を切り取ることにより、ガスを除去しているが、本発明においては、このような方法に限定されるものではない。例えば、注射器を用いて、発生したガスを抜き取る方法や、アルゴン雰囲気下のグローブボックス内で外装体を開放するなどの方法を用いてもよい。
〔充電保存特性の評価〕
上記のようにして作製した非水電解質二次電池A1を、室温にて、800mAの定電流で、電圧が4.2Vに達するまで充電し、さらに4.2Vの定電圧で電流値が40mAになるまで充電した後、800mAの定電流で、電圧が2.5Vに達するまで放電することにより、電池の放電容量(mAh)を測定した。また、この充電条件にて再度充電し、85℃の恒温槽内で3時間保存した後、室温にて冷却後、電池の厚み増加量及び電池内部の抵抗増加量を測定した。その後、上記放電条件で放電し、そのときの容量を測定し、残存容量を求め、さらに上記充放電条件において充放電を行い、復帰容量を求めた。残存率及び復帰率は以下の式により算出した。
残存率(%)=(残存容量/保存前放電容量)×100
復帰率(%)=(復帰容量/保存前放電容量)×100
以上のようにして測定した初期効率、保存前放電容量、電池の厚み増加量、電池の内部抵抗増加量、残存率、及び復帰率を表1に示す。
(実施例2)
ガス発生・除去工程において、800mAの定電流で、電池電圧が4.1V(正極電位が4.2V(vs.Li/Li))に達するまで充電し、85℃の恒温槽内で3時間保存した後、発生したガスを取り除き、800mAの定電流で、電圧が2.5V(正極電位が2.5V(vs.Li/Li))に達するまで放電した以外は、上記実施例1と同様にして非水電解質二次電池A2を作製し、充電保存特性を評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
ガス発生・除去工程において、室温にて800mAの定電流で、10分間充電した後に、60℃の恒温槽内で15時間エイジングし、室温にて冷却した後、800mAの定電流で、電圧が4.2Vに達するまで充電し、さらに4.2Vの定電圧で電流値が40mAに達するまで充電した後、恒温槽内で保存することなく、800mAの定電流で、電圧が2.5Vに達するまで放電した以外は、上記実施例1と同様にして比較の非水電解質二次電池X1を作製し、充電保存特性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例2)
ガス発生・除去工程において、室温にて800mAの定電流で、10分間充電した後に、60℃の恒温槽内で15時間エイジングし、室温にて冷却した後、800mAの定電流で、電圧が4.2Vに達するまで充電し、さらに4.2Vで電流値が40mAになるまで充電した後、60℃の恒温槽内で48時間保存した後、発生したガスを取り除き、800mAの定電流で、電圧が2.5Vに達するまで放電した以外は、上記実施例1と同様にして比較の非水電解質二次電池X2を作製し、充電保存特性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2008251224
表1から明らかなように、本発明に従う実施例1の電池A1及び実施例2の電池A2は、比較例1の電池X1よりも、電池の厚み増加量、及び電池の内部抵抗増加量が小さく、また残存率及び復帰率が高くなっており、充電保存特性が優れていることがわかる。
また、比較例2の電池X2は、充電保存特性の改善の効果はみられるものの、その効果は、本発明に従う実施例1及び実施例2の電池A1及びA2より小さくなっている。また、ガス発生・除去工程による初期効率の低下が、実施例1及び実施例2の電池A1及びA2よりも大きくなっている。
上記のように、本発明に従えば、ガス発生・除去工程による初期効率の低下を抑え、高温保存時の電池の膨れを抑制し、優れた充電保存特性が得られることがわかる。
<参考実験>
ここでは、非水電解質二次電池を充電状態で高温保存したときに発生するガスの主成分が、リチウム炭酸塩の分解によるCOガスであることを以下の条件により確認した。
(正極活物質中に含まれるリチウム炭酸塩の定量)
実施例1及び比較例1の電池を、アルゴン雰囲気下のグローブボックス内で解体し、正極活物質を回収し、注射器による液の注入が可能な密閉容器内にこの正極活物質を封入した。これに、0.05モル/リットルのHCl溶液を注入し、30分後に発生したガスのCOガス量をガスクロマトグラフィーにて定量し、正極活物質中のリチウム炭酸塩濃度を計算した。
なお、ここでは、リチウム炭酸塩は炭酸リチウムであるとし、以下の式から、COが発生するとして、炭酸リチウム濃度を算出した。
LiCO+HCl→2LiCl(aq)+HO+CO
上記のようにして求めた炭酸リチウム濃度及び表1に示す電池厚み増加量を、以下の表2に示す。
Figure 2008251224
表2から明らかなように、実施例1においては、炭酸リチウム濃度が比較例1よりも少なくなっており、ガス発生・除去工程により炭酸リチウムが消費され、電池の厚み増加量が低減されていることがわかる。
(高温保存時に発生するガスの定性・定量分析)
正極活物質の作製において、LiOHと、Ni0.82Co0.18(OH)で表わされる共沈水酸化物と、Liと遷移金属全体のモル比が1:1になるように混合した以外は、実施例1と同様にして、参考電池Y1を作製した。この参考電池Y1を、室温にて、800mAの定電流で、電圧が4.2Vに達するまで充電し、さらに4.2Vの定電圧で電流値が40mAになるまで充電した後、85℃の恒温槽内で1時間保存した後に発生したガスを収集した。
収集したガスをガスクロマトグラフィーによって、ガスの定性及び定量分析を行い、その結果を表3に示した。
Figure 2008251224
表3に示す結果から明らかなように、発生したガスの80%程度はCOガスである。
以上のように、層状構造を有し、かつ遷移金属としてNiを主に含有するリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として用いた非水電解質二次電池において、高温保存時に発生するガスの主成分は、COガスであり、そのCOガスは、リチウム炭酸塩の分解により生じることが明らかとなった。
本発明に従う実施例において作製した非水電解質二次電池を示す平面図。
符号の説明
1…外装体
1a…予備室
1b…電池部
2…封止部
2a…予備室を分離するための封止部
3…正極集電タブ
4…負極集電タブ

Claims (4)

  1. 層状構造を有し、かつ遷移金属としてNiを主に含有するリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として含む正極と、リチウムを吸蔵・放出する材料を負極活物質として含む負極と、非水電解質とを含む非水電解質二次電池の製造方法であって、
    前記正極、前記負極、及び前記非水電解質を用いて電池を組み立てる工程と、
    前記正極の電位が4.0V(vs.Li/Li)以上となるまで前記電池を充電する工程と、
    充電後の前記電池を85〜120℃の範囲内の温度で保存し、ガスを発生させる工程と、
    発生したガスを除去する工程とを備える非水電解質二次電池の製造方法。
  2. 前記リチウム遷移金属複合酸化物5gを純水50mlに浸漬したときのpH値が、11.0以上であること特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池の製造方法。
  3. 前記リチウム遷移金属複合酸化物が、LiNi(1−x)(0≦a≦1.1、0.5<x≦1.0、Mは、Co、Al、Mn、Cu、Mg、Ba、Ti、Zrからなるグループより選ばれる少なくとも1種)で表わされることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法で製造されたこと特徴とする非水電解質二次電池。
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