JP4513135B2 - 繊維状中空グラファイトを含む砥石 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば鏡面研削などに用いられるレジンボンド砥石などの砥石に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レジンボンド砥石は、エポキシ樹脂やフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の原料粉末と、ダイヤモンドやCBN等の超砥粒とを混合し、単独で、或いは必要に応じて台金と共に型込めした上、プレス成形及び焼成してレジンボンド砥粒層を形成したものである。
レジンボンド砥石は超砥粒を保持する樹脂結合相が比較的軟質で脆いために、比較的硬い被削材に対して研削を行った場合、超砥粒の先端が摩耗して切れ味が低下するより早く、超砥粒を支える樹脂結合相が破砕または摩耗して超砥粒が脱落する。そのため、レジンボンド砥石は摩耗が激しい欠点を有するが、研削面の目詰まりや砥粒の摩耗による切れ味低下が起きにくく、メタルボンド砥石などと比較して研削を効率よく行え、しかも樹脂結合相で保持された超砥粒に弾性効果があるために被削材のダメージが小さく仕上げ面が良好である。そのため、例えば半導体ウエーハなどの被削材の鏡面研削など、小さい面粗さが要求される研削に好適に用いられるという利点を有している。
【0003】
ところで、従来のレジンボンド砥石では、研削抵抗により発生する摩擦熱を抑制するために例えばhBNや黒鉛などの固体潤滑剤がフィラーとして樹脂結合相中に分散されたものがある。
このようなレジンボンド砥石を用いて研削を行う場合、樹脂結合相中の固体潤滑剤が樹脂結合相や超砥粒と共に逐次脱落する際、潤滑剤として機能して超砥粒による研削を円滑に行うと共に超砥粒及び樹脂結合相からなる砥粒層や被削材の摩擦熱を抑制することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のレジンボンド砥石ではフィラーとして固体潤滑剤を用いることで研削抵抗を低減できるが、同時に固体潤滑剤を含めた分だけ樹脂結合相の強度が低下するために砥粒層の形状くずれが一層早くなり、砥石寿命が短くなるという問題があった。
本発明は、このような実情に鑑みて、研削抵抗を低減できると共に機械的強度を向上させて寿命を向上させることのできる砥石を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る繊維状中空グラファイトを含む砥石は、結合相中に超砥粒が分散配置されてなる砥石において、電着砥石又は電鋳砥石の金属めっき相中に、固体潤滑剤が第一のフィラーとして分散され、繊維状中空グラファイトが第二のフィラーとして分散され、超砥粒を含むめっき液中に界面活性剤を投入するとともに繊維状中空グラファイトを分散混合して、一方の電極に繊維状中空グラファイトが分散された金属めっき相を超砥粒と共に析出させて製作される構成としたことを特徴とする。
この場合には繊維状中空グラファイトによって潤滑性を高めて研削抵抗を抑制すると共に耐摩耗性を向上でき、更に相手攻撃性を弱めて被削材の加工損傷を加工面の周辺に及ばせないという効果を奏する。
そして、繊維状中空グラファイトは比表面積が大きくてアスペクト比が高く、潤滑性とその形状による保水性があるために砥粒層の外表面における存在比率が高く、ぬれ性と冷却効果が高くて結合相の耐摩耗性と潤滑性と耐衝撃性と摺動性に優れ、結合相から脱落しにくいために結合相の強度を向上させて形状保持力が高く寿命を向上できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1により説明する。図1は実施の形態によるレジンボンド砥石の砥粒層の要部拡大断面図である。
図1に示すレジンボンド砥石1は、例えば鏡面研削用の砥石であり、砥粒層2は例えばカップ型砥石の図示しない台金に固定されていてもよいし、台金を設けることなく砥粒層2のみによって砥石が構成されていてもよい。
そして砥粒層2は、例えばフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を主組成物とする樹脂結合相3と、この樹脂結合相3中に分散されたダイヤモンド(またはCBN等)の超砥粒4とを備えている。更に樹脂結合相3中には複数種類のフィラーが分散配置されており、これらフィラーのうち第一のフィラーとして固体潤滑剤、例えばCaF2(ふっ化カルシウム)5を含み、第二のフィラーとして繊維状中空グラファイト6を含んでいる。
ここで、固体潤滑剤としてCaF25等を樹脂結合相4中に分散させることで、研削抵抗による摩擦熱を抑制することができる。
【0008】
また繊維状中空グラファイト6は、例えば直径0.01〜0.015μm程度、長さ1〜10μm程度とする。好ましくは、繊維状中空グラファイト6はカーボンチューブ、カーボンナノチューブであり、上記外観寸法に加えて内径0.005μm以上0.01μm未満の孔を備えた中空形状または円筒形状とされている。
この繊維状中空グラファイト6はアスペクト比(縦横比)が強大であり、砥粒層2の表面に露出する部分の見掛け上の存在比率が大きく樹脂結合相3中に分散配置されて脱落しにくい。そのため樹脂結合相3の強度を高め、耐衝撃性と弾性率を向上させることができる。しかも耐摩耗性と非溶着性が高く、摺動性が良くて研削抵抗を低減でき相手攻撃性が少ないために樹脂結合相3中にフィラーとして用いられて被削材を傷つけることがなく被削材の加工損傷が加工面の周辺に及ばないという利点を有する。
また樹脂結合相3中に含有される繊維状中空グラファイト6はその表面積が大きいために潤滑性と保水性を確保でき、樹脂とのぬれ性と冷却効果を高めることができる。
繊維状中空グラファイト6は、砥粒層2において超砥粒4を除く樹脂結合相3全体中に3〜15vol%の範囲で含まれている。繊維状中空グラファイト6が3vol%未満であると上述した効果が発揮されず、また15vol%を越えると樹脂結合相3の耐摩耗性が増大しすぎて樹脂結合相3の強度が上がりすぎて自生発刃作用が十分に働かず、研削精度と研削能力が低下するという欠点が生じる。
【0009】
上述のように本実施の形態によれば、レジンボンド砥石1の樹脂結合相3中に繊維状中空グラファイト6をフィラーとして含有することで、樹脂結合相3の強度を高め、耐衝撃性と弾性率と摺動性を向上させることができ、形状崩れを防いで砥石寿命を向上できる。しかも自生発刃作用を確保できて研削精度を維持できる。
【0010】
尚、上述の実施の形態では、樹脂結合相3中のフィラーとして繊維状中空グラファイト6以外に固体潤滑剤5を分散配置したがこれに限定されることなく他の種類のフィラーを配設してもよい。
或いは図2に示すように、フィラーとして繊維状中空グラファイト6のみを樹脂結合相3中に含有するようにしてもよい。この場合でも研削抵抗を抑制して樹脂結合相3の強度と耐衝撃性と弾性率と摺動性を向上させることができる。
【0011】
尚、上述の説明では、レジンボンド砥石1に繊維状中空グラファイト6を分散配置した砥石について説明したが、これに限定されることなく他の種類の砥石に繊維状中空グラファイト6を分散配置するようにしてもよい。
例えば電着砥石や電鋳砥石の金属めっき相中に繊維状中空グラファイト6を分散させてもよい。この場合、繊維状中空グラファイト6は水、アルコール、ケトン中に分散できるから、超砥粒を含むめっき液中に繊維状中空グラファイト6を分散混合して一方の電極に繊維状中空グラファイト6が分散された金属めっき相を超砥粒と共に析出させて電着砥石や電鋳砥石を製作することができる。
この場合には繊維状中空グラファイト6によって潤滑性を高めて研削抵抗を抑制すると共に耐摩耗性を向上でき、更に相手攻撃性を弱めて被削材の加工損傷を加工面の周辺に及ばせないという効果を奏する。
この場合、繊維状中空グラファイト6はめっき液中に8vol%程度まで分散させて含有させることができ、金属めっき相中への析出割合は8vol%を下回るが、界面活性剤をめっき液に投入することで8vol%まで析出割合を上げることができる。
尚、フィラーを含む樹脂結合相3や金属めっき相は結合相を構成する。
【0012】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る繊維状中空グラファイトを含む砥石は、結合相中に超砥粒が分散配置されてなる砥石において、電着砥石又は電鋳砥石の金属めっき相中に、固体潤滑剤が第一のフィラーとして分散され、繊維状中空グラファイトが第二のフィラーとして分散されているから、 砥石の超砥粒を保持する結合相の強度、耐衝撃性、弾性率、摺動性を向上でき、耐摩耗性に優れ形状保持力が高く寿命を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態によるレジンボンド砥石の要部断面図である。
【図2】 図1に示すレジンボンド砥石の変形例を示す同様な要部断面図である。
【符号の説明】
1 レジンボンド砥石
2 砥粒層
3 樹脂結合相
4 超砥粒
6 繊維状中空グラファイト
Claims (1)
- 結合相中に超砥粒が分散配置されてなる砥石において、電着砥石又は電鋳砥石の金属めっき相中に、固体潤滑剤が第一のフィラーとして分散され、繊維状中空グラファイトが第二のフィラーとして分散され、前記超砥粒を含むめっき液中に界面活性剤を投入するとともに前記繊維状中空グラファイトを分散混合して、一方の電極に前記繊維状中空グラファイトが分散された金属めっき相を前記超砥粒と共に析出させて製作される構成としたことを特徴とする繊維状中空グラファイトを含む砥石。
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