JP4512966B2 - 感熱記録体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は感熱記録体に関し、特に印字前の保管環境に影響されることなく発色性に優れ、且つ記録により得られた画像の安定性が良好な感熱記録体に関する。
【0002】
【従来技術】
感熱記録法に関しては、古くから多くの方式が知られている。例えば電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物を使用した感熱記録材料は、特公昭45−14039号公報、特公昭43−4160号公報等に開示されている。かかる感熱記録材料は一次発色であり、ハードのメンテナンスが容易である等の特徴からファクシミリ、各種プリンター、計測機器等の記録紙に巾広く利用され、近年ではハンディターミナル、レジ用紙等の分野に使用されるケースが増大している。
【0003】
しかし、ハンディターミナル、レジ用紙等に使用される場合、ハンディターミナル機器並びに記録紙を車中に置くケースが多く、車内温度の増加によって記録濃度が低下する現象が認められる。またハンディターミナル用紙、レジ用紙等は記録後、水や財布の可塑剤などに触れることが多く、接触による記録像の濃度の低下や長期間の保管による記録濃度の低下も認められる。そのため、耐可塑剤性、耐水性等の保存性を備え、更に印字前の環境変化によっても印字濃度低下のない記録体が要請されている。
【0004】
従来、記録像の保存性を改良するために、特公昭50−1498353号公報には記録像の光退色を改良するための記録層中に特定のアミンを添加する方法が提案されている。しかしこの方法では光に対する退色については改良効果が認められるものの、湿気、熱による記録像の退色傾向はむしろ増進され記録の損失をも招く。又、特公昭51−1436号公報には、記録像の退色を防止するために、フェノ−ル化合物とフェノ−ル樹脂を併用する方法が提案されている。しかしこの方法では退色防止効果が未だ不十分なばかりでなく、記録体の製造時あるいは記録体の保存中に不必要な発色、いわゆる”地色カブリ”が発生する。特に高湿度、熱の影響で著しく発生するため、記録体は時に全く商品価値を無くしてしまうことすらある。
また、記録に用いるプリンター等が高速化、小型化しており、サーマルヘッドからのエネルギー量が小さい機器が増えているため、感熱記録体の特性として高感度も要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、発色性に優れ、記録により得られた画像の保存安定性が良好であり、且つ記録前の環境変化によっても記録濃度の低下の少ない感熱記録体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の本発明によって達成される。
すなわち本発明にかかる感熱記録体は、支持体上に、無色ないし淡色のロイコ化合物と、該ロイコ化合物を加熱時に呈色させる顕色剤及び発色促進剤を含有する感熱記録層を少なくとも有する感熱記録体であって、前記顕色剤として4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルホン、前記ロイコ化合物として6´−[エチル(3−メチルブチル)アミノ]−3´−メチル−2´−(フェニルアミノ)−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−(9H)キサテン]−3−オン及び4−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオランの二種類を使用し、上記発色促進剤がシュウ酸ジ(P−メチルベンジル)及び脂肪酸アマイドであり、該脂肪酸アマイドが上記感熱記録層の全固形分に対し5%〜20%含有されているものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、支持体上に、無色ないし淡色のロイコ化合物と、該ロイコ化合物を加熱時に呈色させる顕色剤、及び発色促進剤とを主成分として含む感熱記録層を有する感熱記録体であって、前記顕色剤として4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルホン、前記ロイコ化合物として6´−[エチル(3−メチルブチル)アミノ]−3´−メチル−2´−(フェニルアミノ)−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−(9H)キサテン]−3−オン及び4−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオランの二種類を使用し、前記発色促進剤がシュウ酸ジ(P−メチルベンジル)及び脂肪酸アマイドであり、該脂肪酸アマイドが感熱記録層の全固形分に対し5%〜20%含有されせたことを特徴とし、該顕色剤及び発色促進剤の使用量としては特に限定されないが、顕色剤は、感熱記録層の全固形分に対し5〜45重量部%、好ましくは10〜40重量部%程度である。
【0008】
該ロイコ化合物として、6´−[エチル(3−メチルブチル)アミノ]−3´−メチル−2´−(フェニルアミノ)−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−(9H)キサテン]−3−オン及び、4−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオランの二種を含有することで、より一層の記録像の安定性が得られる。該ロイコ化合物の使用量としては特に限定されないが、感熱記録層の全固形分に対し5〜20重量部%、好ましくは10〜15重量部%程度である。また、6´−[エチル(3−メチルブチル)アミノ]−3´−メチル−2´−(フェニルアミノ)−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−(9H)キサテン]−3−オンと4−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオランの混合比率は、特に限定されるものではない。
【0009】
発色促進剤のシュウ酸ジ(P−メチルベンジル)の使用量としては、感熱記録層の全固形分に対し5〜45重量部%、好ましくは10〜40重量部%程度である。更に、脂肪酸アマイドの使用量としては、5%重量部を切ると発色濃度並びに感度が得られず、20%重量部を超えると発色濃度並び感度は良好であるが印字後の記録部濃度の低下が大きく、使用量として5%重量部〜20重量部含有することで、より一層の発色性と記録像の安定性が得られる。
【0010】
また、水溶性高分子樹脂または、水不溶性高分子樹脂を主体とした保護層を設けることにより、さらにより一層の保存性を向上した感熱記録体が提供される。
【0011】
次に本発明の代表的な感熱層の使用条件及び製造条件について述べる。
ロイコ化合物・顕色剤・発色促進剤は一般的に、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子水溶液とともにボールミル、サンドミル等を用い2μm以下に粉砕する。発色促進剤は、ロイコ化合物、顕色剤のいずれかに加えるか、または両方に加え、同時に粉砕するか、場合によっては予め共融物を作成し、分散しても良い。
これらの分散液は、分散後混合され、必要に応じ顔料・界面活性剤・バインダー(接着剤)・金属石鹸・ワックス・酸化防止剤・紫外線吸収剤等を加え感熱記録用塗液とする。
得られた感熱記録用塗液は、上質紙・下塗り層を有する上質紙・合成紙・再生紙・プラスチックフィルム等に乾燥重量が2〜10g/m、好ましくは3〜8g/mになるように塗布乾燥し、キャレンダー処理により平滑性を付与し、目的の感熱記録体となる。また、前記の保護層を付与しても良い。
【0012】
本発明の感熱記録用塗液に使用する顔料としては、有機あるいは無機の顔料が使用できる。好ましい具体例としては、炭酸カルシウム・硫酸バリウム・酸化チタン・タルク・ロウ石・カオリン・焼成カオリン・水酸化アルミニウム・非晶質シリカ・尿素ホルマリン樹脂粉末・ポリエチレン樹脂粉末等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0013】
感熱記録用塗液に使用するバインダーとしては、水溶性高分子及び、水不溶性高分子が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、バインダーは1種類もしくは2種類以上混合しても良い。
【0014】
水溶性高分子の具体例として例えば、メチルセルロース・カルボキシメチルセルロース・ヒドロキシメチルセルロース・デンプン糖・ゼラチン・アラビアゴム・カゼイン・スチレン-無水マレイン酸共重合体加水分解物・エチレン-無水マレイン酸共重合体加水分解物・イソブチレン-無水マレイン酸共重合体加水分解物・ポリビニールアルコール・カルボキシ変性ポリビニールアルコール・ポリアクリルアミドなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0015】
水不溶性高分子としては、合成ゴムラテックスあるいは、合成樹脂エマルジョンが一般的であり、スチレン−ブタジンゴムラテックス、アクリロニトリルーブタジエンゴムラテックス・アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス・酢酸ビニルエマルジョンなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0016】
ワックスとしては、ポリエチレンワックス・カルナバロウワックス・パラフィンワックス・マイクロクリスタリンワックス・キヤンデリアワックス・モンタンワックスなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0017】
金属石鹸としては、高級脂肪酸金属塩が用いられ、ステアリン酸亜鉛・ステアリン酸カルシウム・ステアリン酸アルミニウム等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0018】
保護層に使用される水溶性高分子としては、メチルセルロース・カルボキシメチルセルロース・ヒドロキシメチルセルロース・デンプン糖・ゼラチン・アラビアゴム・カゼイン・スチレン-無水マレイン酸共重合体加水分解物・エチレン-無水マレイン酸共重合体加水分解物・イソブチレン-無水マレイン酸共重合体加水分解物・ポリビニールアルコール・カルボキシ変性ポリビニールアルコール・ポリアクリルアミドなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0019】
保護層に使用される水不溶性高分子としては、合成ゴムラテックスあるいは、合成樹脂エマルジョンが一般的であり、スチレン−ブタジンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス・アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス・酢酸ビニルエマルジョンなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0020】
保護層は、水溶性高分子又は水不溶性高分子を主体としたものであり、さまざまなワックスや金属石鹸、更に必要に応じて添加剤を加えることもできる。
【0021】
記録層の形成については特に限定されず、例えばエアーナイフコーティング、ロッドブレードコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアーブレードコーティング等適当な塗布方法により感熱記録塗液を支持体に塗布乾燥する等の方法で形成される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に実施例を示すが、本発明はこれらに特に限定されるものではない。
実施例1
(アンダーコート層の形成)
焼成クレーの分散液(40%溶液)を100部、ポリビニールアルコール(40%溶液)を80部、水を100部の割合で混合してアンダーコート用塗液を調製した。この液を乾燥後の塗布量が6g/mとなるように上質紙に塗布・乾燥してアンダーコート層を形成した。
【0023】
(A−1液の調成)
6´−[エチル(3−メチルブチル)アミノ]−3´−メチル−2´−(フェニ
ルアミノ)−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−(9H)キサテン]
−3−オン 25重量部
ポリビニルアルコール(10%溶液) 40重量部
水 35重量部
この組成物を平均粒子径が1μmになるまでボールミルで粉砕してA−1液を得た。
【0024】
(A−2液の調成)
4−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン 25重量部
ポリビニルアルコール(10%溶液) 40重量部
水 35重量部
この組成物を平均粒子径が1μmになるまでボールミルで粉砕してA−1液を得た。
【0025】
(B液の調成)
4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルホン 25重量部
ポリビニルアルコール(10%溶液) 15重量部
水 60重量部
この組成物を平均粒子径が1μmになるまでボールミルで粉砕してB1液を得た。
【0026】
(C液の調成)
シュウ酸ジ(P−メチルベンジル) 25重量部
ポリビニルアルコール(10%溶液) 15重量部
水 60重量部
この組成物を平均粒子径が1μmになるまでボールミルで粉砕してC1液を得た。
【0027】
(D液の調成)
炭酸カルシウム 20重量部
ポリビニルアルコール(10%溶液) 60重量部
ステアリン酸亜鉛分散体(30%溶液) 20重量部
この組成物を分散機で混合しD液とした。
【0028】
感熱記録用塗液の調製
A−1液2部、A−2液8部、B液20部、C液20部、D液30部、脂肪酸アマイド(21.7%溶液)10部からなる組成物を混合攪拌して感熱記録用塗液を得た。
【0029】
感熱記録体の作成
感熱記録用塗液を、上記アンダーコート層上に塗布後の乾燥重量が5g/mとなるように塗布乾燥後、スーパーキャレンダー処理にて、ベック平滑度が約300秒の感熱記録体を得た。
【0030】
実施例2
実施例1の感熱記録用塗液の調製において、A−1液2部、A−2液8部の代わりにA−1液8部、A−2液2部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0031】
実施例3
(オーバーコート液の調成)
水 15重量部
ポリビニルアルコール(10%溶液) 60重量部
パラフィンワックス分散体(30%溶液) 10重量部
ステアリン酸亜鉛分散体(30%溶液) 10重量部
水酸化アルミニュウム 5重量部
この組成物を混合攪拌してE液を得た。
実施例1と同様にして得られた感熱記録用塗液をアンダーコート層上に塗布後の乾燥重量が5g/mとなるように塗布乾燥後、感熱記録層上にE液を乾燥重量1g/mとなるように塗布乾燥し、スーパーキャレンダー処理にてベック平滑度が約500秒の感熱記録シートを得た。
【0032】
実施例4
実施例2と同様にして得られた感熱記録用塗液をアンダーコート層上に塗布後の乾燥重量が5g/mとなるように塗布乾燥後、感熱記録層上にE液を乾燥重量1g/mとなるように塗布乾燥し、スーパーキャレンダー処理にてベック平滑度が約500秒の感熱記録シートを得た。
【0033】
実施例5
実施例1の感熱記録用塗液の調製において、脂肪酸アマイド(21.7%溶液)25部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0034】
実施例6
実施例2の感熱記録用塗液の調製において、脂肪酸アマイド(21.7%溶液)25部とした以外は、実施例2と同様にして感熱記録体を得た。
【0035】
実施例7
実施例3の感熱記録用塗液の調製において、脂肪酸アマイド(21.7%溶液)25部とした以外は、実施例3と同様にして感熱記録体を得た。
【0036】
実施例8
実施例4の感熱記録用塗液の調製において、脂肪酸アマイド(21.7%溶液)25部とした以外は、実施例4と同様にして感熱記録体を得た。
【0037】
比較例1
実施例1の感熱記録用塗液の調製において、A−1液2部、A−2液8部の代わりにA−1液10部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0038】
比較例2
実施例1の感熱記録用塗液の調製において、A−1液2部、A−2液8部の代わりにA−2液10部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0039】
比較例3
実施例1のB液の調成において4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルホンの代わりに4,4´ビス(4´−オキシフェニル)プロパンを使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0040】
比較例4
実施例1のC液の調成においてシュウ酸ジ(P−メチルベンジル)の代わりにパラベンジルビフェニールを使用した以外は、実施例8と同様にして感熱記録体を得た。
【0041】
比較例5
実施例1の感熱記録用塗液の調製において、A−1液2部、A−2液8部の代わりにA−1液10部とした以外は、実施例3と同様にして感熱記録体を得た。
【0042】
比較例6
実施例1の感熱記録用塗液の調製において、脂肪酸アマイド(21.7%液)5部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0043】
比較例7
実施例2の感熱記録用塗液の調製において、脂肪酸アマイド(21.7%液)5部とした以外は、実施例2と同様にして感熱記録体を得た。
【0044】
比較例8
実施例3の感熱記録用塗液の調製において、脂肪酸アマイド(21.7%液)5部とした以外は、実施例3と同様にして感熱記録体を得た。
【0045】
比較例9
実施例4の感熱記録用塗液の調製において、脂肪酸アマイド(21.7%液)5部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0046】
比較例10
実施例1の感熱記録用塗液の調製において、脂肪酸アマイド(21.7%液)35部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0047】
比較例10
実施例2の感熱記録用塗液の調製において、脂肪酸アマイド(21.7%液)35部とした以外は、実施例2と同様にして感熱記録体を得た。
【0048】
比較例11
実施例3の感熱記録用塗液の調製において、脂肪酸アマイド(21.7%液)35部とした以外は、実施例3と同様にして感熱記録体を得た。
【0049】
比較例12
実施例4の感熱記録用塗液の調製において、脂肪酸アマイド(21.7%液)35部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
上記実施例および比較例で、得られた感熱記録体は、次の評価を行ない、その結果を表1に示す。
【0050】
(1)発色性試験
感熱試験機 TH−FMR(大倉電機(製))を使用して評価した。印字は下記の条件で行った。
印加電圧 24.0V
印字パルス巾 1.0msec
印字エネルギー 0.5mj/dot
記録部及び非記録部の濃度を大日本スクリーン製造(製)DM-400型反射濃度計で測定した。
【0051】
(2)記録前の環境変化の影響による記録濃度の低下試験
60℃の高温乾燥条件下に白紙(印字前の記録体)を24時間保存し、(1)発色性試験と同様にして印字を行い、記録部の濃度を大日本スクリーン製造(製)DM-400型反射濃度計で測定した。
【0052】
(3)耐湿性試験
40℃―90%RHの高湿度条件下に72時間保存し、保存後の記録部の濃度を測定した。
【0053】
(4)耐熱性試験
60℃の高温乾燥条件下に72時間保存し、保存後の記録部の濃度を測定した。
【0054】
(5)耐水性試験
水道水に24時間浸漬し、自然乾燥の後、記録部の濃度を測定した。
【0055】
(6)耐可塑剤性試験
プラッスチック消しゴム(株式会社トンボ鉛筆社製)を記録部に加重200g/cmの圧力で24時間接触し、試験後の記録部の濃度を測定した。
尚、保存試験に供した感熱記録体の記録部は印字エネルギーが0.4mj/dotで印字したものを使用し、記録部の濃度を大日本スクリーン製造(製)DM-400型反射濃度計で測定した。
【0056】
表1における(1)発色性試験の記録部の測定値は、大きい数値ほど発色濃度が高いことを表している。
また(2)における試験後の記録部の測定値は、大きい数値ほど試験後の濃度が高く、環境による影響が少ないことを表している。
(3)〜(5)における試験後の記録部の測定値は、大きい数値ほど試験後の濃度が高く、消色が少ないことを表している。
【0057】
【表1】
Figure 0004512966
【0058】
【発明の効果】
表1に示す如く実施例はいずれも比較例に比べ、記録前の環境変化の影響による記録濃度の低下が少なく、記録により得られた画像安定性は、特に耐水性、耐可塑剤性に優れている。
【0059】
以上から明らかな如く、本発明は諸種の性質に悪影響を及ぼすことなく発色性に優れ、記録前の環境の影響による記録濃度の低下が少なく、更に記録により得られた画像安定性は湿度、熱、水、可塑剤などの外部条件による退色が少ない品質的に安定した感熱記録体を得ることができる。

Claims (2)

  1. 支持体上に、無色ないし淡色のロイコ化合物と、該ロイコ化合物を加熱時に呈色させる顕色剤及び発色促進剤を含有する感熱記録層を少なくとも有する感熱記録体において、前記顕色剤として4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルホン、前記ロイコ化合物として6´−[エチル(3−メチルブチル)アミノ]−3´−メチル−2´−(フェニルアミノ)−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−(9H)キサテン]−3−オン及び4−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオランの二種類を使用し、前記発色促進剤がシュウ酸ジ(P−メチルベンジル)及び脂肪酸アマイドであり、該脂肪酸アマイドが上記感熱記録層の全固形分に対し5%〜20%含有されていることを特徴とする感熱記録体。
  2. 水溶性高分子樹脂または、水不溶性高分子樹脂を主体とした保護層を上記感熱記録層上に設けた事を特徴とする請求項1記載の感熱記録体。
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