JP4512307B2 - ストリッピング装置の雌型およびストリッピング装置 - Google Patents

ストリッピング装置の雌型およびストリッピング装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、打抜き処理されたシートの製品部から屑を分離させるストリッピング装置の雌型およびストリッピング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
段ボールシートや薄紙等のシートを所定の形状に打抜くシート打抜き製品製造機においては、シート移送装置に設けられた保持具によって図14(I)に示す矩形のシートSの先端部を保持し、そのシート移送装置によって一定ストローク間歇的に移送されるシート移送路に、打抜き装置、ストリッピング装置および製品分離装置を順に設け、前記打抜き装置によって前記シートSに打抜き切断線を形成するようにしている。
【0003】
図14(II)は、打抜き装置によって打抜き処理されたシートSの一例を示し、そのシートSには製品と同形状の打抜き切断線L1 と、先端部両側縁から上記切断線L1 に至る破線状の打抜き線L2 が形成され、前記打抜き切断線L1 の内側が製品部aとされ、外側が外形打抜き屑bとされている。また、外形打抜き屑bの前記打抜き線L2 より前側がシート移送装置の保持具で保持される保持片cとされている。b1 は上記外形打抜き屑bに形成されたスロット屑を示す。
【0004】
なお、図では詳細を省略したが、打抜き切断線L1 は複数の僅かな非切断部を有し、隣接する打抜き切断線L1 間に形成されるつなぎ部によって製品部aと外形打抜き屑bとはつながれて、打抜き装置の位置で外形打抜き屑bが分離されないようになっている。
【0005】
打抜き後のシートSはストリッピング装置の位置まで送られ、そのストリッピング装置によって外形打抜き屑bが打抜き分離される。
【0006】
図14(III )は外形打抜き屑bが分離されたシートSを示し、このシートSは次に製品分離装置の位置まで送られて、保持片cから製品部aが分離される。図14(IV)は分離された製品部aを示す。
【0007】
製品部aから外形打抜き屑bを除去するストリッピング装置は、雌型と、その上方に配置された雄型とを有し、その両型を相対的に移動させて、雄型の下面に設けられた屑押圧部材により外形打抜き屑bを押し下げて製品部aから外形打抜き屑bを分離させるようにしている。
【0008】
ここで、雌型は、シートSの製品部aおよび保持片cを支持可能とされ、製品部aを支持する部分は、製品部aと同形状でその外周が製品部aの外周から少し内側に入り込む大きさとされている。
【0009】
一方、雄型の屑押圧部材は、シートSの外形打抜き屑bと対応する位置に設けられて枠状をなし、その内側に前記雌型が余裕をもって嵌合し得るようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のストリッピング装置における雌型は、厚さ15mm以上の合板等の板体で形成されているため、図14(II)に示すシートSの外形打抜き屑bの幅寸法が小さい場合、製品部aから分離された外形打抜き屑bが雌型の外周と雄型の屑押圧部材の内面間に挟まって下方に落下排出されず、雄型と雌型とが離反する方向に相対的に移動した際に、屑押圧部材との接触によって外形打抜き屑bが引き上げられ、製品部a上に乗り移るおそれがあった。
【0011】
この場合、製品部aはシート打抜き製品製造機の排出部でその上面に外形打抜き屑bが残る状態で積み重ねられ、あるいは数枚を一組として結束されることになり、積み重ねの際には製品部aに乱れが生じて安定よく積み重ねることができなくなる。
【0012】
一方、積み重ねられた製品部aが紐で結束された場合には外形打抜き屑が圧縮されるため、製品部aに傷をつけるおそれが生じる。
【0013】
また、製品部a間に外形打抜き屑bが残っていると、その製品部を箱形成装置の給紙部に供給して箱を形成した場合に、その箱内に外形打抜き屑bが入り込み、箱詰めされる商品中に混入してメーカの信頼性を著しく低下させることになる。
【0014】
また、従来の雌型は木製の板体により形成されているため、シートとの接触によって雌型の外周のエッジが摩耗し易く、その摩耗によって外形打抜き屑の分離が悪くなり、耐久性が低いという不都合もあった。
【0015】
この発明の課題は、製品部から打抜き分離された外形打抜き屑等の屑が製品部上に乗り移るのを確実に防止することができると共に、長期の使用に耐えることができるようにしたストリッピング装置の雌型およびストリッピング装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明に係るストリッピング装置の雌型においては、雄型の下方に設けられ、その雄型との相対的な移動によって打抜き処理されたシートの製品部からその外側の外形打抜き屑を押し下げにより分離させるストリッピング装置の雌型において、前記シートの製品部を支持する製品支持部を備えた厚さ0.3〜5mmの金属板から成るシート支持板と、そのシート支持板を支持する支持体とから成り、前記シート支持板の製品支持部をシートの製品部相似形状として、その製品部を支持する状態で製品支持部の外周が製品部の外周より内側に位置する大きさとし、前記支持体を前記シート支持板と相似形状として、支持体の外周がシート支持板の外周より内側に位置する大きさとした構成を採用したのである。
【0017】
上記のように構成すれば、雌型と雄型の相対的な移動によって、シートの外形打抜き屑を押し下げて製品部から分離させると、その分離した外形打抜き屑はシート支持板の外周を直ちに通過するため、外形打抜き屑が雌型の外周と雄型の対向面間に挟まって残ることはなく、シート支持板の通過後、下方にスムーズに落下排出され、製品部上に乗り移るようなことはない。
【0018】
ここで、ストリッピング装置が外形打抜き屑を分離除去するショット速度はきわめて高速であるため、製品部から分離除去した外形打抜き屑が風圧等によって上方に移動する場合が考えられる。仮に、外形打抜き屑が上方に移動したとしても、シート支持板の外周が支持体の外周からひさし状に張り出しているため、そのシート支持板の外周部によって上方に移動するのが防止される。また、外形打抜き屑が支持体に邪魔されることなく確実に落下する。このため、製品部上に外形打抜き屑が乗り込むという不都合の発生を未然に防止することができる。
【0019】
また、この発明に係るストリッピング装置の雌型においては、雄型の下方に設けられ、その雄型との相対的な移動によって打抜き処理されたシートの製品部からその外側の外形打抜き屑と製品部内に設けられた孔形成用屑とを押し下げにより分離させるストリッピング装置の雌型において、前記シートの製品部を支持する製品支持部を備えた厚さ0.3〜5mmの金属板から成るシート支持板と、そのシート支持板を支持する支持体とから成り、前記シート支持板の製品支持部をシートの製品部相似形状として、その製品部を支持する状態で製品支持部の外周が製品部の外周より内側に位置する大きさとし、前記支持体を前記シート支持板と相似形状として、支持体の外周がシート支持板の外周より内側に位置する大きさとし、前記製品支持部には孔形成用屑と対応する位置に、その孔形成用屑より大きい排出孔を形成し、支持体には前記排出孔と対応する位置に、その排出孔より大きい落下孔を設けた構成を採用したのである。
【0020】
上記の構成から成るストリッピング装置の雌型においては、製品支持部の外周が支持体の外周から外側に張り出し、また、排出孔の内周が落下孔の内周から内側に張り出しているため、雌型と雄型の相対的な移動によって製品部から分離された外形打抜き屑や孔形成用屑が製品部上に乗り移るのを防止することができる。
【0023】
この発明に係るストリッピング装置の雌型において、シート支持板は、硬質の合成樹脂板から成るものであってもよく、あるいはステンレス鋼板等の金属板から成るものであってもよい。シート支持板を金属板によって形成すると、上面の外周エッジあるいは屑排出孔の内周のエッジがシートとの接触によって短期間で摩耗するのを防止することができ、耐久性に優れた雌型を得ることができる。
【0024】
また、前記シート支持板の製品支持部の外周に、その製品支持部で支持された製品部の外周から外側に先端部が位置する爪を設け、あるいは排出孔の内周に、先端部が孔形成用屑の外周部に臨む爪を設けると、製品部から分離された外形打抜き屑や孔形成用屑の上方への移動をより確実に防止し、製品部上に外形打抜き屑や孔形成用屑が乗り込むのをより確実に防止することができる。
【0025】
上記爪を下向きに傾斜させておくと、製品部から分離された外形打抜き屑や孔形成用屑を爪の下方位置までスムーズに移動させることができると共に、各屑の上方への移動をより確実に防止することができる。
【0026】
この発明に係るストリッピング装置においては、打抜き切断線が形成されたシートの先端部の保持片を保持して雌型とその上方に配置された雄型間に送り、上記両型の相対的な移動によって前記打抜き切断線の外側に設けられた外形打抜き屑を雄型で押し下げて、シートの保持片およびその保持片に繋がる製品部から前記外形打抜き屑を分離させるようにしたストリッピング装置において、前記雌型が、シートの製品部を支持する製品支持部を備えた厚さ0.3〜5mmの金属板から成るシート支持板と、そのシート支持板を支持する支持体とから成り、前記シート支持板の製品支持部をシートの製品部相似形状として、その製品部を支持する状態で製品支持部の外周が製品部の外周より内側に位置する大きさとし、前記支持体を前記シート支持板と相似形状として、支持体の外周がシート支持板の外周より内側に位置する大きさとした構成を採用したのである。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図に基づいて説明する。図1乃至図3に示すように、ストリッピング装置は、雌型1と、その上方に設けられた雄型11とから成り、上記両型1、11は相対的に移動自在とされている。この場合、雌型1を固定し、雄型11を上下動させるようにしてもよく、あるいは、雄型11を固定し、雌型1を上下動させるようにしてもよい。また、雌型1および雄型11の双方を相反する方向に上下動させるようにしてもよい。
【0028】
ここで、雌型1および雄型11は、図14(II)の工程でシートSの外形打抜き屑bの分離に用いられるものが示されている。
【0029】
図4に示すように、雌型1は、シート支持板2と、そのシート支持板2を支持する支持体3とから成っている。シート支持板2は鋼板等の曲げ剛性の高い硬質の金属製板体から成り、図14(II)に示すシートSの製品部aと保持片cとを支持し得る大きさとされ、上記製品部aを支持する製品支持部2aは、製品部aと相似形状であって、上記製品部aを支持する状態で、その外周が製品部aの外周(打抜き切断線L1 )より少し内側に位置する大きさとされている。
【0030】
図6(I)に示すδ1 は、製品部aとシート支持板2の製品支持部2aの寸法差を示す。この寸法差δ1 は、シートSの材質や厚み、あるいは製品部aの形状によって相違し、段ボールシートの場合には、1〜3mm程度とされる。
【0031】
なお、実施の形態では、シート支持板2を厚さ0.3〜5mm程度のステンレス鋼板等の金属板製としているが、硬質の合成樹脂板によってシート支持板2を形成してもよい。
【0032】
支持体3は、合板等の厚さ15mm程度の木板から成り、その支持体3はシート支持板2とほぼ相似形状とされて、外周がシート支持板2の外周より内側に位置する大きさとされている。
【0033】
図6(I)に示すδ2 は、シート支持板2の外周と支持体3の寸法差を示し、その寸法差δ2 は、シートSの材質等によって相違するが、段ボールシートの場合には10mm程度とされている。
【0034】
図2、図3および図5に示すように、雄型11は、合板等の厚さ15mm程度の木板から成る型板12を有し、その型板12の下面には、図14(II)に示すシートSの外形打抜き屑bを押し下げる屑押圧部材13が取付けられている。また、型板12には、シートSの外形打抜き屑bの押圧時に、シートSの製品部aと保持片cを押える押え板14がスポンジ等の弾性体15を介して弾性支持されている。
【0035】
図6(I)に示すように、屑押圧部材13は、シートSに形成された打抜き切断線L1 に近接する位置を押圧するようになっており、その内面と打抜き切断線L1 の間隔δ3 は、シートSの材質や厚み等によって異なるが、段ボールシートの場合は2〜10mm程度とされている。
【0036】
なお、図14(II)に示すように、シートSの外形打抜き屑bにスロット屑b1 が存在する場合、屑押圧部材13の内側には、そのスロット屑b1 を押し下げる押圧片16が取付けられる。
【0037】
いま、図14(II)に示すシートSの先端の保持片cが保持されてシートSが図1に示すように、雌型1と雄型11間に送り込まれて停止すると、雌型1と雄型12とが接近する方向に相対的に移動し、その移動によって、図6(I)に示すように、シートSの製品部aおよび保持片cは雌型1のシート支持板2によって支持されると共に、雄型11の押え板14で弾力的に押え込まれる。
【0038】
上記のようなシートSの押え後に弾性体15が圧縮されて、雄型11の屑押圧部材13がシートSの外形打抜き屑bを押し下げ、その外形打抜き屑bはその押し下げによって打抜き工程で予め設けられている打抜き切断線L1 で製品部aから分離され、図6(II)に示すように、下方に落下排出される。
【0039】
上記のような外形打抜き屑bの打抜き分離後、雌型1と雄型11は離反する方向に相対的に移動する。
【0040】
ここで、雄型11とでシートSの外形打抜き屑bを打抜き分離させる雌型1は、支持体3上に厚みの薄いシート支持板2を設けた構成であるため、雄型11の屑押圧部材13の押圧によって製品部aから外形打抜き屑bが分離されると、その外形打抜き屑bはシート支持板2の外周の位置を直ちに通過してその下方まで押し下げられることになる。このとき、シート支持板2を支持する支持体3の外周は図6(I)、(II)に示すように、シート支持板2の外周より内側に位置し、その支持体3の外周に屑押圧部材13が対向すると、その対向部間に広い間隙が形成されているため、外形打抜き屑bは雌型1の外周(支持体3の外周)と屑押圧部材13の対向面間に挟まれることなく雌型1の下方にスムーズに落下排出されることになる。その落下排出時に、風圧等によって外形打抜き屑bが仮に上方に移動したとしても、シート支持板2の外周は支持体3の外周より外方に張り出しているため、シート支持板2の外周部によって外形打抜き屑bがシート支持板2上に移動するのが防止される。
【0041】
このため、外形打抜き屑bがシート支持板2で支持される製品部a上に乗り移るのを確実に防止することができる。
【0042】
実施の形態では、雄型11に設けられた押え板14でシートSの製品部aおよび保持片cを弾力的に押えるようにしたが、押え板14を省略し、型板12の下面に設けたスポンジ等の弾性体15によって弾力的に押えるようにしてもよい。
【0043】
また、シート支持板2の外周における各辺を直線状としたが、凸形曲線と凹形曲線が交互に滑らかに連続する波形としてもよい。
【0044】
図7(I)、(II)は、この発明に係るストリッピング装置の他の実施形態を示す。この実施の形態では、雌型1におけるシート支持板2の製品支持部2aの外周に爪4を設けた点で図1乃至図6に示すストリッピング装置と相違している。
【0045】
このため、図1乃至図6に示すストリッピング装置と同一の部品には同一の符号を付して説明を省略する。
【0046】
製品支持部2aの外周に設けられた爪4は、上記外周に間隔をおいて複数設けられている。
【0047】
上記爪4は実施の形態では、外形打抜き屑bがスムーズに下方へ移動、落下できるよう先端に向けて下向きに傾斜させているが、シート支持板2と同一平面上に配置されるもの、すなわち、曲げ加工が施されていないものであってもよい。爪4の先端は製品支持部2aの外周より突出しており、シート支持板2によってシートSの製品部aが支持される状態で先端が製品部aの外周より外方に位置する長さとされている。
【0048】
δ4 は、爪4の先端と製品部aの外周との寸法差を示す。この寸法差δ4 は、シートSの材質、厚みあるいは製品部aの形状によって相違し、段ボールシートの場合では0.3〜6mm程度とされて、雌型1と雄型11とが相対的に近接する方向に移動した際に、雄型11の屑押圧部材13が爪4に干渉することのないようにされている。その干渉を確実に防止するため、前記屑押圧部材13には、爪4と対応する位置に切欠部17が形成されていてもよい。
【0049】
図7(I)、(II)に示すように、シート支持板2の製品支持部2aの外周に複数の爪4を設けておくと、爪4の先端がシートSの打抜き切断線L1 より外側に位置しているため、一旦下方に位置した外形打抜き屑bが何らかの原因によりシート支持板2上に移動するのを確実に防止することができる。
【0050】
図8は、打抜き装置によって打抜き処理されたシートSの第2の例を示す。この例に示すシートSには、図14(II)に示すシートSと同様に、複数の僅かな非切断部を有する矩形の打抜き切断線L1 および破線状の打抜き線L2 が形成されていると共に、打抜き切断線L1 の内側の製品部a内にも孔形成用打抜き線L3 が形成されている。
【0051】
ここで、bは外形打抜き屑、cは保持片、dは孔形成用打抜き切断線L3 の内側に形成された孔形成用屑を示す。
【0052】
図9は、図8に示す打抜き処理されたシートSの外形打抜き屑bおよび孔形成用屑dを製品部aから分離するストリッピング装置を示す。
【0053】
ストリッピング装置は、相対的に移動する雌型1と雄型11とを有し、雌型1はシート支持板2の製品支持部2aの形状をシートSの製品部aに対応させ、その製品支持部2aに孔形成用屑d用の排出孔5を形成し、支持体3に落下孔6を設けた点で図2に示す雌型1と相違している。このため、図2に示す雌型1と同じ部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0054】
一方、雄型11は型板12の下面に屑押し下げ部材18を設けた点で図2に示す雄型11と相違する。このため、図2に示す雄型11と同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0055】
シート支持板2の製品支持部2aに形成された前記排出孔5はシートSの孔形成用屑dと対応する位置に設けられている。この排出孔5は孔形成用屑dと相似形状をなし、その孔形成用屑dより少し大きな寸法とされている。また、排出孔5の内周には先端部が孔形成用屑dの外周部に臨む複数の爪4aが設けられている。
【0056】
一方、支持体3に形成された落下孔6は屑排出孔5と同じ位置に設けられ、その落下孔6は排出孔5より大きな寸法の相似形状とされている。
【0057】
また、雄型11の型板12に設けられた屑押し下げ部材18は雌型1の排出孔5と対応する位置に設けられている。
【0058】
上記の構成から成るストリッピング装置においては、雌型1と雄型11の相対的な移動時に、その両型1、11間に送り込まれて停止するシートSの外形打抜き屑aおよび孔形成用屑dを雄型11の屑押圧部材13および屑押し下げ部材18で押し下げて製品部aから分離させるようになっている。
【0059】
このとき、シート支持板2の製品支持部2aの外周部は第1の例と同様に支持体3の外周より外側に張り出しており、また、排出孔5の内周部は落下排出孔6の内周より内側に張り出しているため、製品部aから分離された外形打抜き屑bおよび孔形成用屑dは、支持体3に邪魔されることなく確実に落下し、また、一旦下方へ位置した後に何らかの原因により仮に上方に移動しようとしても、製品支持部2aの外周部および排出孔5の内周部に当接することになり、これらの各屑b、dが製品部a上に乗り移るようなことはない。
【0060】
製品支持部2aの外周および排出孔5の内周に爪4、4aを設けておくことによって、外形打抜き屑bや孔形成用屑dがシート支持板2上に移動するのをより確実に防止することができる。
【0061】
図10は、打抜き装置によって打抜き処理されたシートSの第3の例を示す。この例に示すシートSには両側縁間に渡る破線状の打抜き線L2 によって製品部aと、これに繋がる保持片cとが形成され、製品部aには複数の孔形成用打抜き線L4 が設けられ、円形状の各孔形成用打抜き線L4 の内側が孔形成用屑eとされている。
【0062】
図11乃至図13は、図10に示す打抜き処理されたシートSの孔形成用屑eを製品部aから分離するストリッピング装置を示す。
【0063】
ストリッピング装置は、雌型1と雄型11とから成る。雌型1はシートSを支持するシート支持板2と、そのシート支持板2を支持する支持体3を有し、シート支持板2はステンレス鋼板等の金属板や硬質の合成樹脂板等の薄肉厚の硬質の板体から成り、そのシート支持板2の製品部aを支持する製品支持部2aにはシートSの孔形成用屑eと対応する位置に排出孔7が形成されている。
【0064】
排出孔7は孔形成用屑eより少し大きい相似形状であって、その孔形成用屑eより少し小さくなり、その内側には爪8が、その先端部が孔形成用屑eの外周部に臨むよう設けられている。
【0065】
一方、支持体3は合板等の木板から成り、その支持体3には排出孔7と同位置に、排出孔7より大きい落下孔9が設けられている。
【0066】
雄型11は、型板12の下面にスポンジ等の弾性体15を介してシートSを押える押え板14が設けられ、その押え板14には排出孔7と対向する位置に透孔19が形成されている。また、型板12には、雌型1と雄型11の相対的な移動時に、シートSの孔形成用屑eを押し下げる屑押し下げ部材20が取付けられている。
【0067】
上記の構成から成るストリッピング装置は、雌型1と雄型11の相対的な移動によって両型1、11間に送り込まれたシートSを押え板14で押えると共に、雄型11の屑押し下げ部材20により孔形成用屑eを押し下げてシートSから孔形成用屑eを分離する。
【0068】
図12(II)は孔形成用屑eを分離させた状態を示す。
【0069】
このストリッピング装置においても、シート支持板2に形成された排出孔7の内周部が落下孔9の内周より内側に張り出しているため、分離された孔形成用屑eは、支持体3に邪魔されることなく確実に落下し、また一旦下方へ位置した後に何らかの原因で上方に移動したとしても排出孔7の内周部に当接することになり、孔形成用屑eがシートS上に乗り移ることはない。
【0070】
この実施の形態の場合も、排出孔7の内周に爪8を設けておくことによって、孔形成用屑eがシート支持板2上に移動するのをより確実に防止することができる。
【0071】
この実施の形態の場合も、シートSを押え板14で押えるようにしたが、その押え板14を省略し、弾性体15でシートSを押えるようにしてもよい。
【0072】
【発明の効果】
以上のように、この発明においては、雌型と雄型との相対的な移動によってシートから分離された外形打抜き屑や孔形成用屑が製品部上に乗り移るのを防止することができる。
【0073】
また、シート支持板の製品支持部の外周や排出孔の内周に爪を設けたことによって、製品部上への屑の乗り移りをより確実に防止することができる。
【0074】
さらに、シート支持板を金属板で形成することによって、製品支持部の上面の外周エッジや屑排出孔の内周のエッジがシートとの接触によって摩耗するのを防止することができ、耐久性に優れた雌型を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(I)、(II)はこの発明に係るストリッピング装置の実施形態を示し、(I)は外形打抜き屑の打抜き前の状態を示す正面図、(II)は打抜き後の状態を示す正面図
【図2】図1(I)のイ−イ線に沿った断面図
【図3】図1(I)のロ−ロ線に沿った断面図
【図4】図1に示す雌型の斜視図
【図5】図1に示す雄型の斜視図
【図6】(I)は外形打抜き屑の打抜き前の状態を示す断面図、(II)は外形打抜き屑の打抜き後の状態を示す断面図
【図7】(I)は図1に示す雌型の他の例を示す断面図、(II)は平面図
【図8】打抜き処理されたシートの第2の例を示す斜視図
【図9】図8に示すシートの外形打抜き屑および孔形成用屑を分離するストリッピング装置の縦断正面図
【図10】打抜き処理されたシートの第3の例を示す斜視図
【図11】図10に示すシートの孔形成用屑を分離するストリッピング装置の雄型および雌型を示し、(I)は雄型斜視図、(II)は雌型の斜視図
【図12】(I)は図11に示すストリッピング装置の縦断正面図、(II)は孔形成用屑を分離させた状態の縦断正面図
【図13】(I)は図12(I)の一部を拡大して示す断面図、(II)は平面図
【図14】(I)乃至(IV)はシートの打抜きを段階的に示す斜視図
【符号の説明】
S シート
1 打抜き切断線
a 製品部
b 外形打抜き屑
c 保持片
d 孔形成用屑
e 孔形成用屑
1 雌型
2 シート支持板
2a 製品支持部
3 支持体
4 爪
4a 爪
5 排出孔
6 落下孔
7 排出孔
8 爪
9 落下孔
11 雄型
12 型板
13 屑押圧部材
14 押え板
15 弾性体
18、20 屑押し下げ部材

Claims (5)

  1. 雄型の下方に設けられ、その雄型との相対的な移動によって打抜き処理されたシートの製品部からその外側の外形打抜き屑を押し下げにより分離させるストリッピング装置の雌型において、前記シートの製品部を支持する製品支持部を備えた厚さ0.3〜5mmの金属板から成るシート支持板と、そのシート支持板を支持する支持体とから成り、前記シート支持板の製品支持部をシートの製品部相似形状として、その製品部を支持する状態で製品支持部の外周が製品部の外周より内側に位置する大きさとし、前記支持体を前記シート支持板と相似形状として、支持体の外周がシート支持板の外周より内側に位置する大きさとしたことを特徴とするストリッピング装置の雌型。
  2. 雄型の下方に設けられ、その雄型との相対的な移動によって打抜き処理されたシートの製品部からその外側の外形打抜き屑と製品部内に設けられた孔形成用屑とを押し下げにより分離させるストリッピング装置の雌型において、前記シートの製品部を支持する製品支持部を備えた厚さ0.3〜5mmの金属板から成るシート支持板と、そのシート支持板を支持する支持体とから成り、前記シート支持板の製品支持部をシートの製品部相似形状として、その製品部を支持する状態で製品支持部の外周が製品部の外周より内側に位置する大きさとし、前記支持体を前記シート支持板と相似形状として、支持体の外周がシート支持板の外周より内側に位置する大きさとし、前記製品支持部には孔形成用屑と対応する位置に、その孔形成用屑より大きい排出孔を形成し、支持体には前記排出孔と対応する位置に、その排出孔より大きい落下孔を設けたことを特徴とするストリッピング装置の雌型。
  3. 前記シート支持板の製品支持部の外周に、その製品支持部で支持される製品部の外周から外側に先端部が位置する爪を設けた請求項1又は2に記載のストリッピング装置の雌型。
  4. 前記排出孔の内周に、孔形成用屑の外周部に先端部が臨む爪を設けた請求項2に記載のストリッピング装置の雌型。
  5. 打抜き切断線が形成されたシートの先端部の保持片を保持して雌型とその上方に配置された雄型間に送り、上記両型の相対的な移動によって前記打抜き切断線の外側に設けられた外形打抜き屑を雄型で押し下げて、シートの保持片およびその保持片に繋がる製品部から前記外形打抜き屑を分離させるようにしたストリッピング装置において、前記雌型が、シートの製品部を支持する製品支持部を備えた厚さ0.3〜5mmの金属板から成るシート支持板と、そのシート支持板を支持する支持体とから成り、前記シート支持板の製品支持部をシートの製品部相似形状として、その製品部を支持する状態で製品支持部の外周が製品部の外周より内側に位置する大きさとし、前記支持体を前記シート支持板と相似形状として、支持体の外周がシート支持板の外周より内側に位置する大きさとしたことを特徴とするストリッピング装置。
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