JP4511363B2 - 相互作用する分子を検出するためのfretプローブおよび方法 - Google Patents

相互作用する分子を検出するためのfretプローブおよび方法 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、相互作用する蛋白質と、近接して関連するその他の分子とを検出する分野に関する。より具体的には、本発明は、単細胞レベルでの高分子間における近接した相互作用の評価に関する。近年の豊富な遺伝子配列データは、細胞機能に影響するコード化された蛋白質ネットワークを解読する組織的プロテオミクスを必要としてきた。これらは、細胞−細胞相互作用、細胞活性化、細胞サイクル、シグナル経路、細胞増殖、分化、アポトーシス、発生、および多くのその他の細胞機能を含む。特徴付けされていない遺伝子産生物、すなわち新規な蛋白質の機能を解明する最初のステップは、しばしば、その他の蛋白質との相互作用の研究に関与する。蛋白質ネットワークの解明が、プレイヤーに関する豊富な情報を提供する一方で、個別の分子間の相互作用に対する見識は、各分子の分子ネットワークに対する寄与を理解するのに不可欠である。
共局在化研究は、関心ある1つの蛋白質の、関心ある別の蛋白質との近接性を監視するためにしばしば用いられる。共局在化はまた、遺伝子データから推測された蛋白質情報を評価する手段、たとえば、たとえば酵母2ハイブリッド分析から示唆された推定上の蛋白質相互作用を支持または反論する手段としても有用である。細胞内蛋白質の共局在化は、関心ある内因性蛋白質との特異的に反応する、区別して標識化された抗体の使用によって評価され、これらは、免疫傾向検査法を介して蛍光顕微鏡で視覚的に検出され得る。この点、固定された細胞は、第1に、関心ある蛋白質に特異的な一次抗体のセットによって処理され、その後、蛍光色素に複合された二次抗体のセットによって処理される。蛍光色素に直接複合された抗体を用いてもよい。これらの色素は、波長の励起および放射において相違しなければならず、したがって、これらは、独立に励起され、かつ分離した蛍光溝において観測されることができる。代替的に、関心ある蛋白質をコード化する遺伝子は、リポートされた蛋白質、たとえば緑色蛍光蛋白質(GFP)をコード化するリポーター遺伝子と融合し、またはMycもしくはHAのようなエピトープによって標識化し得る。リポーターおよびエピトープ標識は、標的遺伝子のNまたはC末端のいずれかと決まって融合する。薄膜または核酸に特異的な色素は、細胞小器官を明らかにするために追加的に用いられてもよく、たとえば、核は、DAPIで染色するDNAによって視覚化され得る。画像は、一般的に、共焦点の顕微鏡において収集され、この顕微鏡は、観察される蛋白質が同一の焦点面に存在することを確実にし、したがって、共局在化は、もしあるとしたら真実である。共局在化は、色彩の重複によって明らかにされる。
しかしながら、共焦点顕微鏡の解決手段のみが、蛋白質の大規模な共局在化を検出可能にするのではなく、近接した相互作用を必然的に証明しないことが強調されるべきである。色彩の重複は、相互作用する蛋白質、すなわち非常に小さい間隔、たとえば3〜100オングストロームの範囲内に位置する蛋白質を必然的に示すものではない。したがって、共局在化研究は、共局在化された分子が、相互作用のパートナーを本当に示しているか否かを調査する補助的な分析を決まって必要とする。推定上の相互作用する分子を評価するための典型的な標準生化学技術は、免疫沈降実験、親和性プルダウンアッセイおよび親和性クロマトグラフィを含む。
細胞表面分子、たとえば蛋白質AおよびBの共局在化は、いわゆる「パッチング(patching)/キャッピング(capping)」実験を介して決定されてもよい。手短に述べれば、生存能力のある細胞に対する蛋白質Aのための多価リガンドの追加において、蛋白質A分子の群集またはパッチは、薄膜に集合する。もし、細胞が生存し、かつ活発に新陳代謝する場合、パッチは形成され、「キャッピング」と称される過程においてキャップにさらに集合することができ、好ましくは37℃で生じる。パッチ/キャップは、間接蛍光染色手順によって染色され得る。続いて、細胞は、蛋白質Bが「パッチング/キャッピングされた」蛋白質Aと共に移動した、すなわち共局在化されるか否か、または蛋白質Bが細胞表面に未だ広く分布しているか否かについて評価するために、蛋白質Bに対する色素複合抗体によって、(パッチ/キャップを維持するために)4℃で対比染色され得る1。この方法は、表面薄膜蛋白質の共局在化を評価するために実際に機能するけれども、時間がかかり、経験を要し、色素顕微鏡によってしか評価することができず、フローサイトメトリーによって評価することができない。さらに、顕微鏡検査手順は、相互作用する分子の評価のための高い処理能力のある方法に適していない。
近接して相互作用する分子を検出するための特に優れた方法は、蛍光共鳴エネルギ転移(FRET)に関与する。FRETにおいて、色素(「ドナー」と称される。)は、光源による励起の後、そのエネルギを別の色素(「アクセプター」と呼ばれる。)に転移する。エネルギ転移は、ドナー色素の放出スペクトルは、アクセプターの励起スペクトルと著しく重複する。2つの色素の著しく近接した並列は、一般的には、100オングストロームよりも近く、好ましくは50オングストロームよりも近く、ドナー/アクセプターペア間のエネルギ転移に不可欠である。1オングストロームは、長さのメートル単位であって、0.1ナノメートルまたは10-10メートルと等しい。FRETは、通常、共に蛍光のドナーおよびアクセプター色素間の相互作用に基づく。しかしながら、FRETは、非蛍光アクセプター色素を用いてドナー蛍光の消光によって検出されてもよい。非蛍光アクセプター色素は、これらが、直接的なアクセプター励起によって生じる背景蛍光を除去するので、一般的に好都合である。本発明において、蛍光ドナー色素および非蛍光アクセプター色素を用いて相互作用する分子において並列されたプローブを監視することが可能である。相互作用しない分子のプローブのセットの特異的結合は、基底蛍光シグナルを与えるであろう。分子の近接した相互作用において、プローブ間のFRETは、ドナー蛍光を消光するであろう。アクセプター蛍光の増加の測定よりはむしろ、非蛍光アクセプターの使用は、ドナー蛍光の減少の測定に関与する。一般的に、シグナルの減少検出は、シグナルの増加検出に比較して感度が低い。したがって、本発明に従った方法は、好ましくは蛍光ドナーおよび蛍光アクセプター色素を用いて実行される。
FRETエネルギ転移効率は、ドナーおよびアクセプター間の距離の6乗の力に反比例する。FRETは、Forsterによって最初に述べられ、近代細胞生物学にとって極めて重要となった。なぜなら、FRETは、数ナノメートルの規模で分子間距離を測定することを可能にするからである。これは、目下約100nmである近代の光学遠距離顕微鏡の解像限界よりもずっと下である。FRET技術は、種々の個別の(生体)分子の検出のために用いられてきた。たとえば、米国特許第6,235,535号は、生物学的試料における検体の検出のための蛍光免疫学的検定法を開示する。この方法は、フルオロフォア(fluorophore)によって標識化された同一の受容体分子(抗体)の凝集を誘導するための多価の検体(抗原)の能力に基づき、これらの分子は、脂質薄膜上に自由に移動可能に固定化される。受容体の抗原誘導凝集は、FRETを実行させる。また、米国特許出願2002/0081617号において、同一のエピトープを対象とするが、ドナーまたはアクセプター色素のいずれかによって標識化される抗体が、この場合ビーズに固定される。関心ある検体(抗原)の追加において、検体は、架橋として機能するとともに、抗体のペアを互いに極めて近接させ、これはFRETに導く。したがって、米国特許第6,235,535号および米国特許出願2002/0081617号はともに、固定化された色素複合プローブおよびFRETに基づく検出方法を用いる検体の検出または測定に関する。米国特許第6,235,535号および米国特許出願2002/0081617号のプローブのセットが単一の分子または分子エピトープを対象とするので、これらは、区別可能な相互作用する分子を検出するのに本質的に適していない。
分子間の間隔におけるFRETプロセスの極めて高い感度は、細胞内蛋白質の配列および蛋白質ダイナミクスの解決のために非常に有用なツールを提供する。FRETの存在は、それがナノメートル規模のフルオロフォア間隔についてのみ観察可能であるので、細胞間の相互作用を示す。これは、2つの分子、たとえば蛋白質の単純な共局在化が、エネルギ転移を生じさせるのに不十分であることを特に暗示する。FRETは、蛋白質−蛋白質相互作用に関する疑問に明確な、あいまいでない解答を与えることができる技術である。FRET測定は、細胞表面における蛋白質相互作用を決定するために用いられ得る2。オワンクラゲ(Aequorea victoria)からの緑色蛍光蛋白質(GFP)の導入と、異なるスペクトル特性を有するGFP変異体の後の発生とによって開始される「グリーンレボリューション」は、同一の細胞における蛍光ドナーおよびアクセプタードメインによって人工的に標識化される異なる蛋白質の同時発現の可能性を提供した3,4。これは、FRETによるこれらの相互作用の測定を可能にした。シアノ蛍光蛋白質(CFP)(ドナー)および黄色蛍光蛋白質(YFP)(アクセプター)で標識化された蛋白質の組合せがしばしば用いられる。このFRETペアは、3〜6nmの2つの付着された蛍光標識の近接性を監視するために用いられ得る。CFP標識蛋白質およびYFP標識蛋白質の共発現が、生の細胞中の蛋白質−蛋白質相互作用、たとえばオリゴメリゼーション、共局在化、複合体形成、キナーゼ活性、および酵素活性マッピングにおける短時間の変化を分析するために、首尾よく用いられてきた。FRET技術はまた、細胞中の上皮成長因子受容体(EGFR)リン酸化反応を監視する、相当特異的な蛍光寿命イメージング顕微鏡(FLIM)法において用いられた。EGFRリン酸化反応は、GFP標識EGFRおよびCy3複合抗リン酸チロシン抗体を用いて監視された5
蛍光標識蛋白質は非常に有用であることを証明したけれども、これらは、限界を有し、たとえばこれらは、大きな寸法を有する(>200アミノ酸)。また、標識化された蛋白質の全体的な折畳みおよび三次構造は、天然の標識化されていない蛋白質と異なるかもしれない。これは、その他の分子との、異なる、間違った相互作用を生じさせ得る。標識化された蛋白質のペア間のFRETデータに基づいて取り扱われる蛋白質−蛋白質相互作用に関する推論、および生の細胞中の通常の細胞機能との実行比較は、組み換え標識蛋白質が、対応する内因性野生型蛋白質と同様に振舞う場合にのみ正しいとされる。たとえば、発現された蛍光標識蛋白質は、野生型蛋白質と同じ細胞内分布を示さなければならず、標識化された蛋白質それ自体の発現は、細胞機能を誘導または阻害してはならず、また、細胞中で発現された標識化蛋白質は、たとえば過剰発現、pH変動等に起因して、大きい背景FRETシグナルを生成してはならない。組み換え標識された蛋白質の別の主要な不都合は、関心あるキメラ構造物の、細胞に対する(共)トランスフェクションと、機能的蛋白質を産生するための構造物の適切な発現を示す細胞の選択とを必要とする事実にある。明らかに、かかるシステムは、内因性蛋白質の検出を可能とせず、したがって内因性の相互作用する分子を評価するために用いることができない。ある報告は、ドナー色素FITCまたはアクセプター色素Cy3のいずれかに直接に複合された受容体特異的な抗体を用いる、内因性細胞表面受容体のリガンド誘導二量化を監視するためのFRET技術の使用について述べる6。受容体の二量化を誘導するためのリガンドの能力を、FITCとCy3との間のFRETのフローサイトメトリー分析によって評価した。抗体複合物のペアを、ヒトリンパ球における細胞表面蛋白質を研究するために用い、CD8アルファ鎖は、異なるエピトープに対する抗体のペアによって検出し、very late antigen 4(VLA4)、ヘテロ二量アルファ4ベータ1インテグリンを、インテグリンベータ1(CD29)またはインテグリンアルファ4(CD49d)のいずれかに特異的な抗体複合体ペア間のFRETを介して検出し、可溶性抗原リガンドとT細胞受容体(TCR)との関連を、抗TCR抗体およびMHCクラスI/ペプチド複合体を用いるときにFRETによって検出した。さらに別の報告において、抗体仲介FRET技術を、c−kit受容体の、リガンドSCF(幹細胞刺激因子)との相互作用を測定するために用いた7。今までは、抗体仲介FRET技術は、細胞内蛋白質−蛋白質相互作用を検出するために適用されなかった。
FRET技術はまた、いわゆる間接結合原理に基づいて蛋白質DNA相互作用の検出に適用されてきた。たとえば、転写因子であるNF−kappaBのp65サブユニットとそのDNA結合部位との間の相互作用を監視するために用いた。NF−kappaBは、種々の免疫および炎症応答に関与する多数の遺伝子を調節する能力に起因して、薬学部門に大いに関連している。したがって、NF−kappaBは、種々のウイルス感染(HIV)、関節炎および癌を含むいくつかの疾患状態に関係してきた。Cy3(分子あたり約7〜12の色素)で標識化した抗GST抗体は、p65とGSTとの親和性精製GST融合蛋白質(p65GST)と、相互作用可能にされる。NF−kappaB結合部位を含有する二重鎖DNA(dsDNA)配列を、コード化配列の5´末端において、Cy5で個別に標識化した。その後、これを、Cy3標識抗体およびp65GSTとインキュベーションした。標識化された非特異的、または特異的な競合dsDNAの存在または不存在のいずれかにおいて、反応を行った。いずれかの競合物の不存在において、p65−GSTによる結合は、抗GSTにおけるCy3ドナー分子と、dsDNAにおけるCy5アクセプター分子との間でFRETを生じさせた。
したがって、内因性細胞内蛋白質ならびに/またはその他の分子、たとえば核酸、脂質および/もしくは炭水化物部分の間の相互作用の検出を可能にする方法を有することは好都合である。特に、単細胞レベルでの細胞間相互作用の検出が課題とされる。
本発明は、色素複合プローブ、たとえば抗体が、これらのプローブが充分に並列しているときに相互作用する内因性分子を検出するために用いることができるという見識を提供する。少なくとも第1および第2の分子プローブのセットを提供し、各プローブは、色素を備え、前記色素は、エネルギ転移を共に可能にし、少なくとも1つのプローブは、前記少なくとも第1および第2のプローブを並列可能にする反応基を備え、前記反応基は、前記色素間のエネルギ転移の可能性を高めるように、前記プローブの並列を調節可能にする。本発明に従って、分子プローブは、いわゆる結合ドメインを介して関心ある相互作用する分子と特異的に結合することができる。少なくとも第1および第2のプローブの、結合ドメインを介する分子との結合後、反応基は、プローブの並列を調節するために用いることができる。反応基は、相互作用する分子と結合するための結合ドメインと競合する傾向を有しないか、あるいは極小さい傾向を有する。したがって、本発明のプローブセットは、ある抗原性分子または複合体と単に結合することによって群集または並列する抗体プローブの既知のセットと区別することができる。反応基は、好ましくは、プローブが相互作用する分子と結合された後も、並列されたプローブの空間的構造を調節するために利用可能に維持される。
さらに、本発明は、少なくとも第1および第2分子プローブのセットを用いて細胞中の少なくとも2つの相互作用する分子を検出する方法を提供し、各プローブは、色素をさらに備え、前記色素は、エネルギ転移を共に可能にし、少なくとも1つのプローブは、前記色素間のエネルギ転移の可能性を高めるように前記少なくとも第1および前記第2のプローブの並列を調節可能にする反応基を備え、プローブセットを提供することと、細胞を含む試料を提供することと、前記相互作用する分子において前記プローブの並列を可能にする条件下で、前記試料を、前記プローブと接触させることと、あらゆる結合されないプローブおよびあらゆる非特異的結合プローブを除去することと、前記分子間の相互作用を決定するためにFRETを介して前記プローブの並列を検出することとを含む。
提供される方法は、細胞内蛋白質間の近接した相互作用を評価するのに特に適している。しかしながら、記載される方法は、適切なプローブが用いられるという条件で、その他の種類の分子間の相互作用、たとえば蛋白質−核酸相互作用を検出するために用いることもできる。適切なプローブは、特定の分子と特異的に結合することができる物質である。特定の分子は、蛋白質、核酸、脂質、炭水化物となり得る。核酸は、DNAまたはRNAとなり得る。プローブは、従来の(ポリクローナルもしくはモノクローナル)抗体もしくは合成抗体またはこれと機能的に均等な結合断片、たとえばFab´、Fabもしくは単鎖Fv断片となり得る。本発明に従ったプローブは、事実上、特定の分子、たとえば蛋白質、核酸、脂質分子、炭水化物部分またはその他の分類の生体分子と特異的に結合することができる、またはこれらとハイブリダイゼーションすることができるあらゆるタイプの結合分子を含む。
たとえば、本発明は、特定の核酸配列にハイブリダイゼーションすることができる核酸プローブによって実施され得る。種々の核酸プローブが、遺伝要素を同定するために本発明において用いることができる。これらは、デオキシリボ核酸(DNA)またはリボ核酸(RNA)、およびペプチド核酸(PNA)の小さい鎖のような伝統的なプローブを含む。PNAは、DNAに関連するが、これとは区別される。PNAの化学構造は、リン酸バックボーンの代わりにペプチド様バックボーンが核酸塩基を支持する点でDNAと異なる。本発明に従って用いられる核酸プローブは、調査されるべき核酸領域の配列分析に基づいて選択され得る。プローブは、本技術分野において既知の方法に従って、合成かつ標識化され得る。試料内の核酸領域に対するプローブの成功した結合は、遺伝子セグメントを同定する。
本発明において、少なくとも第1および第2のプローブのセットが提供され、各プローブは、エネルギ転移を可能にする色素を備え、各プローブは、前記第1および前記第2のプローブの並列を可能にする反応基を追加的に備える。本文中において、用語色素は、置換基であり、別の色素と呼応して、エネルギ転移、たとえばFRET分析のために用いることができる。好ましくは、前記色素のうち少なくとも1つは、蛍光色素である。共鳴エネルギ転移を達成するために、ドナー色素分子は、光を吸収して、それを、励起された電子の共鳴を通じて、第2の色素分子であるアクセプターに転移しなければならない。エネルギ転移を実行するために、ドナーの蛍光発光波長は、アクセプターの励起波長よりも低くなければならず、すなわち、そのプロセスは、エネルギ的に「下り坂」でなければならない。FRETが、通常、共に蛍光であるドナー色素とアクセプター色素との間の相互作用に基づく一方で、非蛍光アクセプター色素も用いることができる。これらは、直接的な(すなわち非増感の)アクセプター励起によって生じる背景蛍光を除去するので、時々好都合となり得る。適切な蛍光色素の例は、フルオレセインラベルであり、たとえば、5− (および 6) −カルボキシフルオレセイン(carboxyfluorescein)、5−または6−カルボキシフルオレセイン、6−(フルオレセイン)−5−(および6)−カルボキサミド(carboxamide)ヘキサン酸(hexanoic acid)およびフルオレセインイソチオシアネート(fluorescein isothiocyanate)、Alexa Fluor色素、シアニン色素、たとえばCy2、Cy3、Cy5、Cy7、任意に置換されたクマリン(coumarin)、R−フィコエリトリン(R-phycoerythrin)、アロフィコエリトリン(allophycoerythrin)、テキサスレッド(Texas Red)およびプリンストンレッド(Princeston Red)、ならびにR−フィコエリトリンおよびたとえばCy5またはテキサスレッドの複合体である。www. probes. com/handbook/tables/1570. htmlを参照のこと。関心あるその他の色素は、量子ドット色素であり、これは、ほぼ無限の色のパレットに入ってくる。
適切な色素の例は、従来のフローサイトメトリーによる分析に適したものである。最も従来のフローサイトメータによる検出に用いられ得るFRETペアは、たとえばSzollosi et al.で検討されている8。本発明を実施するための蛍光色素の好適な組合せは、デュオクロム(duochromes)とも称される古典的なタンデム複合体において用いられるそれらの色素を含む9
本発明の好適な実施形態において、試料は、2つの抗体と接触され、蛋白質Aおよび蛋白質Bの間の相互作用を監視するために、一方は蛋白質Aに対する抗体であり、他方は、蛋白質Bに対する抗体である。一方の抗体は、FRETドナー色素で標識化され、他方は、FRETアクセプター色素で標識化される。蛋白質Aが蛋白質Bと極めて近接している場合にのみ、たとえば両者がより大きい蛋白質複合体の部分である場合、2つの抗体は、共に充分に近接するようになり(並列される)、これは、ドナー/アクセプターペアが検出可能なFRET蛍光シグナルを誘導することを可能にする。しかしながら、完全な抗体は、大きいY型蛋白質分子であって、寸法が150kDa以下であり、2つの重鎖と2つの軽鎖とからなる。抗体分子の長さ(300〜400オングストローム)およびヒンジ領域の柔軟性に起因して、抗体分子は、比較的大きい間隔を架橋することができる。抗体の柔軟性は、並列された抗体プローブに複合される色素のペア間でのエネルギ転移の可能性を減少させ得る。また、プローブまたは色素の寸法は、発揮する負の立体効果を介して、エネルギ転移に干渉し得る。さらに、蛍光プローブのような色素複合体を調製すると、一般的に複合の部位を制御することができない。抗体複合体の場合において、色素部分は、抗体分子の異なる部分に付着し得る。色素複合体の部位次第で、プローブにおける色素の空間的配向は、エネルギ転移効率に関して、好都合にも不都合にもなり得、すなわち、プローブに付着される色素は、互いのエネルギ転移間隔内に存在する必然性を要しない。PE/APCのFRETペアが、相互作用する細胞表面蛋白質の分析によって、抗体仲介FRETにおける使用のために評価されたとき、FRETは、観察されたエネルギ転移効率が常に10%未満であるにもかかわらず、全ての場合において検出された。ことによると、これは、PEおよびAPCの寸法および構造に関連する立体効果を原因としていた。したがって、FRETプローブの近接した並列は、ドナー/アクセプターペア間のエネルギ転移のための要件である一方で、それは、相互作用する分子または複合体の部分である分子において、前記並列されたプローブに付着された色素間、たとえば蛍光色素複合抗体間の有効なエネルギ転移を達成するために、常に充分ではないかもしれない。
本発明は、この問題の解決手段を提供し、反応基を有する少なくとも1つのプローブを提供することによって、プローブの並列を安定化し、かつ/または高めることができるという見識を提供する。少なくとも第1および第2分子プローブのセットが提供され、各プローブは、色素を備え、前記色素はエネルギ転移を共に可能にし、少なくとも1つのプローブは、前記少なくとも第1および第2のプローブの並列を可能にする反応基を含み、前記反応基は、色素間のエネルギ転移の可能性を高めるように、前記プローブの並列を調節可能にする。かかるプローブセットの使用は、反応基なしのプローブの使用と比較してエネルギ転移を測定することによって、並列されたプローブを検出することについて、改良された感度を生じさせる。本文中において、用語「反応基」は、エネルギ転移が生じる可能性の増加、および/またはエネルギ転移効率が増加するように、プローブにおけるFRETの空間的構造を調節可能とする部分をいう。空間的構造とは、色素間の間隔のみならず、これらの相対的な配向の両方をいう。空間的構造を調節することは、色素の空間的構造を調節かつ安定化させることを含む。エネルギ転移が生じるための初期条件のうち1つは、ドナーおよびアクセプター分子が、極めて近接していなければならないことであり、典型的には2〜100Åである。好適な実施形態において、反応基は、前記色素を、互いに100Å以内の間隔に、より好ましくは50Å以内の間隔に、最も好ましくは互いに20Å以内の間隔に至らせることができる。したがって、好ましくは、反応基は、小さく、たとえば10キロダルトン(kD)よりも小さく、好ましくは5kDaよりも小さく、より好ましくは2kDaよりも小さく、または最も好ましくは1kDaよりも小さい。
反応基は、他のプローブと直接相互作用することによって、色素間のエネルギ転移の可能性を高めるように並列されたプローブ(これらの結合ドメインを介して相互作用する分子と結合するプローブ)を調節することができる。たとえば、第1プローブの反応基は、FRETが生じるのに好都合な空間的配向において前記プローブ間の安定的な複合体を形成するために、並列された第2プローブの一部と結合する。色素複合の部位に関して前述したように、たいてい、規定された部位で反応基を有するプローブを選択的に修飾することはできない。修飾部位は、特定の残基の存在およびアクセス可能性によって主として決定され、この残基を介して反応基がプローブに複合され、たとえば、第一級アミンまたはチオール基を介する。したがって、抗体プローブは、免疫グロブリンの定常領域および/または可変領域のいずれかにおいて反応基を含有し得る。たとえば立体障害に起因して、全ての部位が第2プローブとの相互作用に等しく適しているわけではないことが考えられる。したがって、好ましくは、プローブは、他のプローブと相互作用する能力を統計的に増加させる多数の反応基を備える。
ここにおいて、少なくとも第1および第2の分子プローブのセットを用いて細胞中の少なくとも2つの相互作用する分子を検出する方法が提供され、各プローブは、異なる分子と結合することができ、各プローブは色素をさらに備え、前記色素は、エネルギ転移を共に可能にし、少なくとも1つのプローブは、前記色素間のエネルギ転移の可能性を高めるように前記少なくとも第1および前記第2のプローブの並列を調節可能にする反応基を備え、プローブセットを提供することと、細胞を含む試料を提供することと、前記相互作用する分子における前記プローブの並列を可能にする条件下で、前記試料を、前記プローブと接触させることと、あらゆる結合されないプローブおよびあらゆる非特異的結合プローブを除去することと、前記分子間の相互作用を決定するためにFRETを介して前記プローブの並列を検出することとを含む。
第1のプローブが少なくとも第2のプローブに直接結合し得る場合において、プローブ間の自己会合を回避するために、大規模な断続的洗浄手順を有する連続的ステップにおいて、前記試料を、各プローブと接触させるのが好ましい。たとえば、プローブAおよびBのセットは、試料中の分子AおよびB間の相互作用を検出するために用いられる。ここに、前記試料を、分子Aの認識およびこれとの結合を可能にする反応基を含むプローブAと接触させる。次いで、あらゆる結合されないプローブAおよび非特異的結合プローブAを、洗浄ステップを繰り返すことによって除去する。続いて、前記試料を、相互作用する分子AおよびBにおけるプローブAおよびBの並列を可能にする条件下で、分子Bと特異的に反応するプローブBと接触させる。また、ここで、あらゆる結合されないプローブBおよび非特異的結合プローブBを、洗浄ステップを繰り返すことによって除去してもよい。プローブAの反応基は、前記色素間のエネルギ転移の可能性を高めるように、前記プローブに存在する色素の空間的配向を調節するために、並列されたプローブBと相互作用し得る。この方法が近接して相互作用する分子を検出するために用いられ得るけれども、明確にされるべきことは、複数の分離した接触および洗浄ステップに伴うかかる手順は、むしろ難儀であり、かつ時間がかかる。さらに、もしプローブが互いに直接相互作用することができるのであれば、大きな背景シグナルが予期され得、なぜなら、一般的に言えば、特異的なプローブは、これらの標的分子に対して、これらの分子が相互作用するかどうかにかかわらず、結合するからである。前述の例において、分子Bと相互作用しない分子Aと結合されるプローブAは、プローブBを未だ募り、プローブAおよびBと複合された色素間のエネルギ転移を可能にするかもしれない。また、もし、全ての結合されないプローブAが、試料とプローブAとの接触に続いて効果的に除去されないならば、プローブAおよびB間の望まれない相互作用が、その後の前記試料とプローブBとの接触において生じ得る。両方の出来事ともに、プローブBが相互作用する分子におけるプローブAと並列されないという事実にもかかわらず、検出可能なエネルギ転移シグナルを生じさせ得る。
したがって、本発明の好適な実施形態において、少なくとも第1のプローブの反応基は、前記プローブの自己会合を回避するために第2のプローブと直接に、または即座に反応しない。これはまた、各プローブの結合ドメインによる相互作用する分子の最適な認識、および前記分子における前記プローブの並列のために好都合である。さらに、直接結合された、多重結合されたプローブ間において生じる、場違いのエネルギ転移を回避するとともに、特定の背景シグナルを減少させる。このことは、エネルギ転移シグナルが並列されたプローブを真実に反映することを確実にするために重要である。
本発明は、プローブの自己会合を回避するために別のプローブと直接に相互作用しない反応基を含むプローブが、前記プローブ間の相互作用を仲介することができるいわゆる「架橋」物質を含むシステムにおいて好都合に用いられるという見識を提供する。かかるシステムは、前記プローブにおける色素間のエネルギ転移の可能性を高めるように前記プローブの並列を調節可能にすると同時に、プローブ間の特異的でない、および/または場違いの相互作用の機会を最小限にする。架橋物質と組み合わせたかかるプローブセットの使用は、直接に相互作用するプローブの使用を超えて、いくつかの好都合を有する。第一に、改良された特異性と、低減された背景染色が達成され得る。結局、架橋物質を介して効果を発揮する反応基のために、プローブは、前記物質の添加の前に、互いに近接して並列する必要があり、すなわち、1つのプローブが、近接して相互作用する分子において隣接する別のプローブと結合することによって生じる。第二に、分離した接触ステップおよび洗浄ステップが各個別プローブに必要とされないので、手順は、より早く、簡単である。したがって、単一の行為において全て一緒に、試料をプローブの混合物と接触させることができる。さらに、あらゆる結合されないプローブと、あらゆる非特異的結合プローブとが、一斉に除去され得る。
物質は、FRETに好ましいように並列されたプローブにおける色素の空間的構造を調節するために、プローブ、反応基、および/または色素と結合、またはこれらを修飾することができるあらゆる種類の化合物であってもよい。前記物質は、前記色素を、互いに2〜100オングストローム以内の間隔に至らせることを可能にする。前記物質は、好ましくは、色素複合プローブの、相互作用する分子との結合に続いて、並列された分子における前記色素の空間的構造を調節するために有効な量で、試料に添加される。好都合なことに、前記物質は、高い特異性および高い親和性を有する反応基と結合する。また、好ましくは、かかる物質は比較的小さく、したがって、架橋物質は、色素のペア間の間隔および色素のペアの相対的配向に、最小限にしか影響を与えない。
最も好ましくは、詳細な説明においてここで例示されるように、少なくとも第1および第2の分子プローブのセットであって、各プローブは、色素を備え、前記色素は、エネルギ転移を共に可能にし、各プローブは反応基を備える。物質は、好ましくは、少なくとも2つの反応基を結合、または「架橋」することができる。好適な実施形態において、プローブセット内の各プローブは、同一の反応基を備える。また、プローブセット内の各プローブは、同一の反応性を有する異なる反応基を備えてもよい。これは、反応基のための少なくとも2つの同一の結合部位を有する1つのタイプの架橋物質の使用を可能とする。本発明の1つの実施形態において、プローブは、多数の反応基、たとえば2つもしくは3つ、または10以下の反応基を備え、前記プローブは、架橋物質の複数の分子と相互作用することができる。複数の反応基を有するプローブを提供することは、前記プローブと架橋物質との間の相互作用の可能性を理論的に高めるであろう。さらに、本発明の実施容易性に関して、適切な反応基またはその誘導体は、商業的に入手可能であり、プローブと簡単かつ効果的に付着されることができる。
本発明に従って、特に関心ある反応基は、ビオチンであり、アビジンまたはストレプトアビジンは、特に適切な架橋物質である。アビジンは、卵白由来の糖蛋白質であって、約68000ダルトンの分子量および8〜10オングストロームの直径を有する。それは、4つの同一のサブユニット鎖からなる。1つのアビジンまたはストレプトアビジン分子は、4つのビオチン分子と結合することができる。アビジンは、ビオチンに関して、非凡に高い親和性(親和性定数>1015M−1)を有する。この高い親和性は、アビジンとビオチン標識プローブとの迅速に形成されかつ安定的な複合体を使用する者を安心させる。蛋白質ストレプトアビジンは、細菌Streptomyces avidiniiによって産生され、アビジンと非常に類似する構造を有するとともに、ビオチンと強固に結合する。それは、しばしば、より低い非特異的結合を示し、したがって、アビジンの代わりに頻繁に用いられる。ビオチン−アビジン複合体が形成されると、結合は、本質的に不可逆的である。ビオチン−アビジン系は、広く用いられ、ビオチン化抗体、レクチンまたは核酸プローブを用いることによる抗原、糖複合体および核酸の検出および局在化において、非常に有用であることを証明した。前述したように、かかる小さい寸法の反応基は、色素ペア間の近接した間隔を達成するのに好都合である。ビオチンは、たった244ダルトンの分子量を有するビタミンである。さらに、多くのビオチン分子は、蛋白質と結合することができ、ビオチン化プローブを複数の分子のアビジンと結合可能にする。アビジン、ストレプトアビジンおよびビオチンは、多くの商業的な供給源から入手可能である。ビオチン複合体を調製するための種々の標準的な手順が、当業者に知られており、これらのほとんどは、1日以内に完了することができる。さらに、商業的なビオチン化キットが、入手可能であり、これは、蛋白質ビオチン化のために必要な全ての構成要素を含む。
もし、プローブセットが用いられ、各プローブが異なる反応基を備える場合、適切な物質は、各反応基のうち少なくとも1つと結合することができる分子を含む。代替的に、かかる結合物質は、少なくとも2つの分子の複合体を含み、これらは、共有結合して、または共有結合せずに、互いに付着されることができ、各分子は、反応基と結合することができる。
本発明に従った方法は、細胞中の少なくとも2つの相互作用する分子の検出を可能にし、前記分子のうち少なくとも1つは、蛋白質性物質を含む。別の実施形態において、前記分子のうち少なくとも1つは、核酸である。本発明のさらに別の実施形態において、前記分子のうち少なくとも1つは、脂質または炭水化物である。たとえば、本発明は、少なくとも1つの蛋白質と、少なくとも1つの核酸との相互作用、たとえば特異的なDNA相補的配列と結合するDNA結合蛋白質を検出する方法を提供する。DNA結合分子のファミリーは、転写活性化因子、または抑制蛋白質のみならず、二重鎖および/または一重鎖DNAと結合するその他の蛋白質を含む。それはまた、血清中の特異的DNA結合蛋白質を含み、これは、悪性疾患のためのマーカーとして用いられ得る。本発明の1つの実施形態において、提供される方法は、RNA結合蛋白質とRNA分子との間の相互作用を検出するために適用される。RNA結合蛋白質は、遺伝子発現の翻訳調節に必要とされる。これらは、複数の翻訳後プロセス、たとえば、pre−mRNAスプライシング、mRNA安定性、および核と細胞質との間のRNA運搬の調節に関与する。たとえば、特異的なRNA配列を認識する第2のプローブと組み合わせて、RNA結合蛋白質、たとえば特定のスプライシング因子に対する抗体と結合するプローブを用いてもよい。
FRETシグナルは、相互作用が、スプライシング因子とRNAとの間で生じる場合にのみ、生成される。提供される方法は、単細胞レベルでの蛋白質−核酸相互作用の検出を可能にする。関心ある分子間の相互作用への干渉を回避するために、プローブの結合ドメインは、関心ある分子の領域を認識し、かつこれと結合し、この領域は、前記分子間の相互作用の部位から区別可能であるのが好ましい。
別の実施形態において、蛋白質、たとえば炭水化物結合蛋白質(CBP)と、炭水化物との間の相互作用を検出することができるプローブが提供される。蛋白質−炭水化物相互作用は、細胞コミュニケーションの重要な仲介物であると認識される。この10年間に、多くの新規なCBPについて述べられてきており、いくつかは、細胞トラフィッキングと細胞シグナリングにおいて重大な役割を果たすと証明されてきた。CBPは、糖蛋白質および糖脂質における炭水化物リガンドを認識する。CBPの4つの大きなファミリー、シグレック(siglec)、C型レクチン、ガレクチン、およびCD1およびMHC抗原提示細胞によって提示された炭水化物リガンドを認識するT細胞抗原受容体(TCR)のサブセットが含まれる。
別の局面において、本発明は、蛋白質−脂質相互作用の検出に用いられ得るプローブセットに関与し、少なくとも1つのプローブは、関心ある蛋白質と反応し、少なくとも1つのプローブは、関心ある脂質と反応する。蛋白質は、酵素、たとえばリパーゼ、脂質キナーゼ、または脂質ホスファターゼであってもよく、脂質基質と相互作用する。蛋白質プローブは、前記蛋白質と特異的に反応する抗体を含む。本発明に従った脂質プローブは、脂質結合特性を有する蛋白質部分であってもよい。特に、興味深いのは、シグナル形質導入経路に関与する脂質分子、たとえばホスフォイノシチドポリホスフェート(phosphoinositide polyphosphates)、または脂質二次メッセンジャーであるジアシルグリセロール(giacylglycerol)(DAG)もしくはホスファチジン酸(PA)を特異的に認識し、かつこれらと結合するこれらの脂質プローブである。キメラ緑色蛍光蛋白質−プレックストリン相同(PH)ドメイン蛋白質が、生の細胞中でホスフォイノシチドポリホスフェート(PtdInsP(n))を可視化するための分子センサとして用いられてきた。適切な脂質プローブは、組み換え産生されかつ精製されたPHドメインを含む。また、蛋白質キナーゼC(PKC)のDAG−結合ドメイン、およびRaf−1キナーゼのPA−結合領域が含まれる。脂質プローブは、特異的な脂質、たとえばPtdInsP(3)と特異的に反応するモノクローナル抗体に対する抗体を含む10。しかしながら、その他の脂質プローブも想到し得る。
本発明に従った色素複合プローブセットは、単細胞レベルでの、安定的または一時的な、多種多様の種々のシグナル形質転換イベントを検出するために用いることができる。これは、受容体と1または複数の分子との相互作用、たとえば受容体−リガンド相互作用、受容体クラスタリングまたは多重結合、レセプターと細胞内シグナル分子との相互作用を含む。ここで提供される方法を用いて検出されるべきその他のイベントは、種々のシグナル分子相互の相互作用、たとえばSrc−相同2(SH2)含有蛋白質と、別の蛋白質中の特異的なホスフォチロシン残基との結合、またはSrc−相同3(SH3)含有蛋白質と、別の蛋白質におけるプロリンリッチストレッチ(proline-rich stretch)との結合を含む。特異的なプローブを用いて、本発明は、細胞骨格蛋白質間のみならず、(いわゆるシグナロソーム(signalosome)における)核蛋白質間の相互作用を検出可能にする。シグナル形質導入経路の活性化は、しばしば、チロシンキナーゼ、および/またはセリン/トレオニンキナーゼによる蛋白質リン酸化反応を含む。蛋白質リン酸化反応は、酵素活性および蛋白質配座を変化させることができる。最終結果は、細胞活性の変性、および応答する細胞内で発現される遺伝子のプログラムの変化である。
別の実施形態において、プローブは、リン酸化状態において蛋白質を特異的に認識するリン酸特異的抗体を含む。リン酸化残基は、チロシン、セリン、またはトレオニン残基であってもよい。多種多様なシグナル蛋白質に対するリン酸特異的抗体は、多数の会社、たとえばアップステートバイオテクノロジー(Upstate Biotechnology)、ニューイングランドバイオラブス(New England Biolabs)、シグマ(Sigma)およびその他多数から入手可能である。たとえば、Erb受容体チロシンキナーゼに対するCy3標識ホスフォチロシン特異的抗体を、受容体の活性化形態を特異的に検出するために用いることができる。適切なプローブのその他の例は、横紋筋肉腫(FKHR)、蛋白質キナーゼB(PKB)、マイトジェン活性化蛋白質キナーゼ(MAPK)における核転写因子フォークヘッドのリン酸化形態のみを認識するリン酸特異的抗体を含む。数年間、酵素の基質または阻害剤として役立つヌクレオチドのアナローグ、およびヌクレオチド結合蛋白質の定常部位に選択的に結合する誘導体は、単離された蛋白質のための構造的、かつ力学的なプローブとして用いられた。これらのタイプの分子はまた、本発明に従った方法を実施するために関心あるプローブを示す。
ここで提供される方法は、単細胞レベルでの相互作用する分子の検出を可能にする。単細胞は、たとえばフローサイトメトリーまたは蛍光顕微鏡を用いて分析することができる。好適な実施形態において、前記検出は、フローサイトメトリーによって実行される、フローサイトメトリーの主要な好都合は、量的データを直接与えること、および非常に迅速であること(結果は、数時間内に得られる。)である。フローサイトメトリーによるエネルギ転移の検出は、相互作用する分子の処理能力の高い分析を可能にする。単細胞レベルでの分子相互作用の処理能力の高いフローサイトメトリー検出は、1または複数の前述した相互作用、たとえばシグナル形質導入イベント、転写因子相互作用の時間的経過および用量反応研究を可能にする。たとえば、Tcf−1転写因子とベータカテニンとの間の相互作用、または細胞質蛋白質チロシンキナーゼZAP−70とT細胞受容体(TCR)のCD3−zeta鎖との会合を、本発明に従った適切なプローブセットを用いて、単細胞レベルで研究することができる。1つの実施形態において、提供される方法は、浸透化された、および/または固定された細胞中で、単細胞レベルで分子相互作用の検出を可能にする。さらに、提供される方法が内因性分子を検出することができるので、初代細胞における分子相互作用を調査することは特に有用である。それは、たとえば1または複数の前述の相互作用に基づいて、正常な細胞と異常な細胞とを区別するために用いることができる。したがって、本発明は、好ましくは、フローサイトメトリーによるFRET検出に適したドナー/アクセプターペアによって実施される。FRETに広く用いられるペアは、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)およびテトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)を含む。しかしながら、FITCおよびTRITCに関して比較的低いモル吸光係数と低い量子収量に起因して、感度は乏しい。さらに、このペアのレーザ源は、標準的なフローサイトメータにおいて、通常発見されない。これらの問題は、R−フィコエリトリン(R−PE)/アロフィコシアニン(APC)ペアを用いるときに遭遇しない。これらの色素は、複数の鎖と共有結合された発色団とを含有する大きい蛋白質複合体である。これらは、フィコビリプロテイン(phycobiliprotein)の群に属する。フィコビリ蛋白質は、自然に産生され、フィコビリソーム(phycobilisome)と会合され、異なる藍色細菌(cyanobacteria)または藻類(algea)によって用いられる。PE/APCペアは、90%のFRET効率が、PEおよびAPCの寸法にもかかわらず達成され得るので、非常に期待できる。さらに、このFRETペアは、488および632nmで放射する構造において2つの一般的なレーザを備える、FACSカリバー、LSR、およびFACSバンテージのような、商業的に入手可能なフローサイトメータにおいて、容易に検出され得る。
フローサイトメトリーまたは蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)を用いるエネルギ転移の検出は、異種の集合において特定の個別細胞の迅速な多変量分析を実行する可能性を提供する。フローサイトメトリーによる細胞上の複数の蛍光マーカーの検出は、単細胞分析のための強力なツールを提供するとともに、標的細胞集合のサブセットゲーティングを可能にする。標的細胞集合内の選択的分析は、検出方法の感度を増加させる。
初代細胞における分子相互作用の検出のために、関心ある標的細胞集合を規定するための追加のマーカーを用いることは、特に好都合である。感染症、微小残存病変検出および監視、ならびに遺伝子療法における多数の重要な生物学的適用例は、大きい背景から稀な細胞(たとえば造血幹細胞/前駆細胞)の分析および単離を一般的に必要とする。本発明に従った方法は、細胞の混合物における標的細胞集合を規定するための表面マーカーの染色または細胞内染色を含み、前記細胞マーカーを選択的に同定することができる蛍光マーカー抗体によって染色することを含む。本発明は、免疫表現型特性を介して、細胞の混合物中に存在する細胞のサブセットのゲーティングを可能にし、すなわち細胞の稀な集合において相互作用する分子の検出を可能にする。
好適な実施形態において、提供される方法は、多変量フローサイトメトリー/細胞ソーティング技術を用いて稀な単細胞を同定、かつ/または単離し、および単細胞レベルでの分子相互作用を特徴付ける。提供される方法は、分子間の異常な相互作用に基づいて異常な細胞を同定かつ定量化するために、異常な細胞と正常な細胞との混合物において、相互作用する分子を検出可能にする。かかる方法は、免疫系発生、感染症、癌および遺伝子治療における多数の重要な問題に対する適用例に特に適応している。一般的に、プローブセットを用いて細胞試料を染色する前に、細胞は、細胞の混合物中の標的細胞集合を規定するために、標準的な手順に従って、少なくとも1つの関連色素複合抗体によって標識化される。細胞の混合物は、生の細胞を含む。それはまた、浸透化された、および/または固定された細胞を含む。提供される方法は、標的細胞集合を規定するための少なくとも1つの細胞マーカーのために試料を染色することを含み、前記試料を、細胞マーカーと選択的に結合することができる化合物と接触させることを含む。好適な実施形態において、かかる化合物は、蛍光色素で直接標識化される。適切な化合物は、蛍光標識抗体、またはこれに機能的に均等な結合断片を含む。また、細胞マーカーに選択的に結合することができる化合物を用いることができ、これは、色素複合二次試薬(たとえば蛍光標識二次抗体)を用いて検出され得る。細胞マーカーは、あらゆる種類の細胞内または膜結合マーカーを含み、これは、細胞の混合物中の細胞の亜集合を区別するために用いられ得る。細胞マーカーは、cluster of differentiation(CD)抗原であってもよい。CDマーカーは、モノクローナル抗体と区別可能な特に造血細胞の細胞表面分子である。造血細胞は、胸腺細胞、樹状細胞、ランゲルハンス細胞、好中球、好酸球、胚中心B細胞、濾胞樹状細胞、プラズマ細胞および骨髄細胞を含む。たとえば、適切な細胞マーカーは、CD1、CD3、CD4、CD8、CD10、CD19、CD20、CD33、CD34およびCD117を含む。多数のヒトCDマーカーを対象とするモノクローナル抗体は、種々の供給者、たとえばBDバイオサイエンス(BD Biosciences)またはアンセルイムノロジーリサーチプロダクツ(Ancell Immunology Research Products)、ベイポート、米国から入手することができる。しばしば、最適な蛍光色素、たとえばCD10−PEまたはCD19−FITCと直接複合される抗体が利用可能であり、この蛍光色素は、本発明に従った方法を実施するのに明らかに好ましい選択である。
色素の選択は、これに限られないが好ましくは、少なくとも2つの分子の近接した相互作用の検出のためのFRET色素を追加して免疫表現型を分類する2つまたは3つの色素の使用方法を目的としなければならない。たとえば、本発明に従ったFRETプローブセットは、免疫表現型特性を介して、白血球サブセットゲーティングを仲介する1または複数の色素と組み合せることができ、たとえば、CD10、CD19およびCD20は、骨髄中の前駆B細胞のサブセットを正確に規定し、またはCD1、CD4およびCD8は、胸腺細胞のサブセットを規定し、またはCD34および/もしくはCD117は、幹細胞/前駆細胞集合を同定する。
1つの実施形態において、本発明は、本発明に従ったプローブセットを用いて、少なくとも2つの相互作用する細胞内分子を検出する方法を提供し、各プローブは、異なる分子と反応し、細胞を含む試料を提供することと、これによって前記試料は、固定化および浸透化を受け、前記分子における前記プローブの並列を可能にする条件下で、前記調製物を、特異的な分子と結合することができるプローブセットと接触させることと、あらゆる結合されないプローブおよびあらゆる非特異的結合プローブを除去することと、FRETを介して前記プローブの並列を検出することとを含む。試料は、好ましくは、プローブに対する関心ある分子の充分なアクセス可能性を確保することを目的として、材料の形態の保存と、浸透化とを得るように処理される。処理のタイプは、いくつかの要因によって異なり、たとえば用いられる固定液、固定の程度、ならびに関心ある分子のタイプおよび特性である。固定は、ホルムアルデヒドのような固定液によって実行され得る。好適な実施形態において、相互に非常に狭い間隔内、たとえば100オングストローム以内、好ましくは50オングストローム以内、より好ましくは20オングストローム以内に位置する細胞内分子を検出する方法が実施される。
提供される方法において、試料は、生物学的試料から得られる初代細胞を含む。生物学的試料は、血液、骨髄、尿、脳脊髄液(CSF)、唾液を含む体液試料であってもよい。それはまた、組織試料、または組織ホモジェネートであってもよい。試料は、培養細胞を含み、培養された初代細胞、たとえば皮膚生体検査から得られた培養された皮膚繊維芽細胞であってもよい。さらに、試料は、確立された実験用の細胞系、たとえばHeLa、COS,MCF−7、またはジャーカット(Jurkat)細胞系からの培養細胞を含み、これらは、American Type Culture Collection(ATCC、オンラインカタログについてwww. atcc. orgを参照。)のような多数の供給源から得ることができる。
本発明は、プローブセットを調製する方法を提供し、各プローブを、適切な色素またはその誘導体に、前記プローブと前記色素との複合体を形成するために接触させることと、余剰の反応基から前記複合体を精製することとを含む。上に検討したように、プローブは、従来(ポリクローナルもしくはモノクローナル)の抗体もしくは合成抗体またはその他の結合分子、核酸結合プローブ、特異的な核酸配列とハイブリダイゼーションすることができるペプチド核酸プローブ、脂質結合分子、炭水化物結合分子を含み得る。本発明は、プローブに付着された色素間のエネルギ転移効率において最小の負の立体効果を有するプローブを用いて、好都合に実施される。たとえば、完全なIgG、たとえばFab´、Fab、単鎖Fv断片または二重特異性抗体(diabody)(scFv二量体)よりも小さい抗体プローブを用いることは好都合である。さらに、低い分子量の蛍光FRETペアを用いることができる。おそらく、もっとも便利かつ広く用いられる、生物学的分子の標識化のための官能基は、第一級アミノ基である。これは、リジン残基のイプシロン−アミノ基、またはペプチド/蛋白質の遊離N末端によって提供され得る。代替的に、たとえばオリゴヌクレオチドの自動合成の期間中、修飾基を含有する第一級アミンを導入することが可能である。固体材料として保存され得る蛍光標識化する種の安定的な活性エステル、特にN−ヒドロキシスクシニミド(NHS)エステルは、かかるアミノ基のアシル化のために多年に亘って広範囲に用いられてきた。第一級アミノ標識に代わって、システイン残基中に含有されるような基、または第一級アミノ基のように、(たとえばオリゴヌクレオチドの)自動合成の期間中に修飾物質として導入された基を含有するチオールは、マレイミド標識試薬(たとえばCy3およびCy5)によって特異的に標的にされ得る。全ての生物学的分子における第一級アミノ標識またはチオール標識のいずれかの使用を考慮することは、常に実現可能ではない。たとえば炭水化物種の標識のためのさらなる共通のルートは、ヒドラジド標識試薬によって標識化されたアルデヒド基を介する。
商業的なキットが、少なくとも2つのプローブを含み、各プローブが色素を備え、さらに反応基を備えるプローブセットを得るために、適切に用いられることができる。一般的に、かかる標識キットによる標識および精製プローブ複合体は、3時間足らずで、ほんのわずかの実地時間で、容易に達成され得る。たとえば、蛍光色素を有する蛋白質性プローブ、抗体またはペプチドを標識化するのに利用可能なキットが存在する(www. probes. com/handbook/tables/1570. html)。所望の蛋白質性試料に必要な色素の量は、キットのプロトコルにおいてまとめられたガイドラインを用いて計算される。一般的に、反応する色素は、安定的な色素複合体を形成する蛋白質性物質の第一級アミンと効果的に反応するスクシニミジルエステル部分を有する。複合体の精製は、スピンカラムまたは寸法排除スピンカラムを用いて容易に達成され得る。最終的な結合比は、当業者に知られている標準的な手順に従って決定され得る。約2.5〜1の色素・蛋白質比は、分子を特異的に認識するためのプローブの能力の保有と、FRET技術の使用に充分な蛍光とを生じさせる。さもなければ、種々の商業的なキットが利用可能であり、これは、ビオチンのような反応基を有するプローブを標識化するために用いられ得る。ビオチン−XX−スルホスクシニミジルエステル(SSE)は、水溶性であり、安定的なビオチン複合体を形成するために第一級アミンと反応する。ビオチン−XX SSEは、ビオチン誘導体とアビジンの比較的深い結合部位との結合を高める14原子スペーサを有する。標識キットは、一般的に、過剰な試薬からビオチン化プローブを精製するための即用スピンカラムを含む。本発明はまた、本発明に従ったプローブセットを含む、生物学的試料における相互作用する分子の決定のための診断検査キットを提供する。好適な実施形態において、相互作用する分子のFRET仲介検出のためのプローブセットを含む提供される検査キットは、細胞の混合物内の標的細胞集合を規定するために用いられ得る1または複数の色素複合抗体と組み合わされる。これは、一般的に、試料が生物学的試料を含む場合に好都合である。たとえば、それは、たとえば規定された異常シグナル複合体に基づいて、異常な細胞と正常な細胞との混合物中の異常な細胞の同定および定量化を可能にする。多くの異なるタイプの異常シグナル複合体を、本発明に従った方法を用いて診断適用例において検出することができる。たとえば、再配列が進行中のリンパ性白血病におけるRAG1およびRAG2蛋白質の相互作用を、評価することができる。RAG1およびRAG2二量体が標的DNA配列に対して拘束されるそれらの細胞においてのみ、再配列は進行中である。別の例は、脱ホスフォリル化ベータカテニンと、転写因子のTCFファミリーのメンバーとの相互作用の検出に関与する。細胞活性化後、シグナルが検出される細胞においてのみ、TCF因子は、転写的に活性である。したがって、ここで提供される方法は、結腸癌、黒色腫、前立腺癌、乳癌等における、正常、および病気のWhtシグナルを、任意に単細胞レベルで、監視する手段を備える。
さらに、本発明の方法またはプローブセットは、薬剤発見の領域において好都合に用いられ、たとえば、化合物のライブラリの中から(候補の)薬剤化合物を選択するために用いられる。薬剤標的同定に続いて、生物薬剤会社は、標的に影響を与えるとともに、有効な薬剤になる潜在能力を実証する化合物を同定するために、化合物のライブラリに対して標的をスクリーニングする迅速なシステムを必要とする。1つの実施形態において、本発明のFRETに基づく方法は、細胞中の2またはそれ以上のの分子間の相互作用に影響を与える化合物、たとえばsignalosomeなどのシグナル複合体の形成を促進または阻害することができる化合物のスクリーニングのために用いられる。これに関して、用いられるプローブセットは、シグナル複合体の第1の蛋白質と反応する第1のプローブと、該複合体の第2の蛋白質と反応する第2のプローブとを含む。複合体が無傷の場合、第1および第2の蛋白質は、色素複合プローブが並列されるとともに、FRETシグナルが検出され得るように、相互作用する。複合体の構成物質と結合する化合物(たとえば薬剤候補分子)の追加によって、複合体内の蛋白質の相互作用は、崩壊する。結果として、蛋白質結合プローブは、もはや並列されず、FRETはもはや生じない。もちろん、類似のアプローチが、分子間の相互作用を促進、または高揚させる化合物のスクリーニングのために行われ得る。このケースにおいて、FRETシグナルは、化合物の不存在において検出されないが、化合物の追加によって、2またはそれ以上の分子が、互いに極めて近接するに至り、FRETが生じる。別の実施形態において、ここで提供される方法は、化合物(薬剤)とその標的との間の相互作用を検出するために用いられ、すなわち、相互作用する分子は、化合物および標的である。これは、一方のプローブが化合物と反応し、他方のプローブが標的(蛋白質)と反応するプローブセットを必要とし、たとえば、化合物特異的抗体プローブおよび標的特異的抗体プローブが、用いられ得る。スクリーニングされるべき数百の異なる化合物に特異的な抗体の開発は、たとえば処理能力の高いスクリーニング設定においてあまり魅力的でないことが想像され得る。しかしながら、異なる化合物に、同一の(エピトープ)標識が付与されることができ、これによって、その標識を対象とするたった1つの(抗体)プローブが、化合物とその標的との間の相互作用を検出する標的特異的プローブとともに用いられ得る。
詳細な説明
本発明は、少なくとも第1および第2のプローブのセットを用いて、相互作用する蛋白質とその他の分子とを検出するための方法を提供し、各プローブは、色素を備え、前記色素は、エネルギ転移を共に可能にし、少なくとも1つのプローブは、反応基を備え、ここにおいて前記反応基は、前記色素間のエネルギ転移の可能性を高めるように、前記プローブの並列を調節可能である。排他的でないが、好ましくは、本発明に従ったプローブセットは、2つの色素複合抗体のセットを含み、各抗体は、反応基を追加的に備える。本発明を例示するために、かかるプローブセットの調製について説明する。
実施例
プローブセット調製
たとえばハイブリドーマ技術またはファージディスプレイを用いて抗体を産生する方法は、当業者に知られている。ポリクローナル抗体を得るために、実験動物を、イムノゲン、たとえば組み換え蛋白質または合成ペプチドによって免疫にする。動物の免疫応答を、検査出血を行い、反応性の力価を測定することによって監視する。適切に高い力価が得られるとき、血液を、動物から採取し、抗血清を調製する。必要に応じて、蛋白質と反応する抗体の質を高めるためのさらなる抗血清の分画を行うことができる。Harlow et al. Antibodies. A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Publications, New York (1988)を参照。モノクローナル抗体は、当業者に親しみのある種々の技術によって得ることができる。得られる抗体は、従来の免疫診断技術、たとえば組み換え融合蛋白質を発現する細胞の溶解物を用いるウエスタンブロッティングによって、またはELISAによって、特徴付けることができる。
抗体のビオチン標識化
ビオチンは、一般的に、第一級アミン(すなわちリジン)を介して蛋白質と複合される。通常、3〜6のビオチン分子が各抗体と複合される。100mMの炭酸塩、pH8.4中で、抗体を、カラムに亘って透析または交換する。緩衝液を均衡にした後、抗体の濃度を測定する(IgGに関して、1mg/mLは、1.4のA(280)を有する。)。もし、抗体の濃度が1mg/mL未満である場合、複合は、おそらく最適条件には及ばないであろう。必要に応じて、4mg/mLの濃度に抗体を希釈する。使用の直前に、10mgsのビオチン(N−ハイドロキシスクシニミドビオチン、ピアース(Pierce)社製)を、1mLの無水DMSO(無水ジメチルスルホキシド、オールドリッチ(Aldrich)社製)中で溶解する。反応するビオチン分子は、不安定である。ビオチンは可溶化すると、即座に用いなければならない。1mgあたり80μgの割合の抗体を与えるためにビオチンを加え、即座に混合させる。ホイルでチューブを包み、2時間室温でインキュベーションおよび回転させる。反応しなかったビオチンを除去し、抗体を、10mMのTrispH8.2、150mMのNaCl、pHix(95%エタノール(10,000x、または1リットルあたり3〜4滴用いる)中5mg/mLのペンタクロロフェノール、シグマ社製)に対して交換する。
プローブの蛍光色素複合
上で検討したように、大多数の色素または蛍光色素が、本発明に従ったプローブを標識化するために用いることができる。一例として、抗体プローブのCy5複合が与えられるが、もちろん多くのその他の蛍光色素を選択することができる。複合全体は、一般的に、約半日で実行され得る。反応するCy5分子は不安定である。水薬瓶を開き、必要な量だけ量り分ける(一般的に、1または2mgあれば充分である。)。水薬瓶を再び密封し、4℃で乾燥剤のもとで保存する。直ちに、10mg/mLの濃度で、DMSO中でCY5を溶解する。
I.抗体の調製
500mMの炭水化物、pH9.5中の抗体を、カラムに亘って透析または交換する。緩衝液を均衡にした後、抗体濃度を測定する(IgGに関して、1mg/mLは、1.4のA(280)を有する。)。もし、抗体濃度が1mg/mL未満である場合、複合は、おそらく最適条件に及ばないであろう。必要に応じて、抗体を、4mg/mLの濃度にまで希釈する。
II.共有結合複合
Cy5は、イムノグロブリンの第一級アミン(リジン)と共有結合される。使用の直前に、10mg/mLの濃度で、無水DMSO(ジメチルスルホキシド、オールドリッチ社製)中でCy5(Cy5−bis−OSU,N,N´−ビスカルボキシペンチル−5,5´−ジスルホナト−インドジカルボシアニン、アメルシャムライフサイエンス(Amersham Life Science)社製)を溶解する。Cy5の量り分けとDMSO中でのこれの溶解との間で遅らせない。さらに、可溶化された材料の、抗体に対する追加を遅らせない。5:1の最適な割合のために、抗体1mgあたり40μgのCy5を加え、直ちに混合させる。ホイルで管を巻き、1時間室温でインキュベーションおよび回転させる。反応していないCy5を除去し、抗体を、10mMのTrispH8.2、150mMのNaCl、pHix(シグマ社製、95%エタノール(10,000xまたは1リットルあたり3〜4滴を用いる。)中の5mg/mLペンタクロロフェノール)に対して、ゲル濾過または透析によって交換する。
Figure 0004511363
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ドナー色素としての蛍光色素Xとアクセプター色素としての蛍光色素Yを有する蛍光共鳴エネルギ転移(FRET)の原理の概略図である。A.アクセプター色素Yは、もしXY間の間隔が広すぎる場合、ドナー色素Xの放射光によって励起されないであろう。B.もし、ドナー色素およびアクセプター色素の間の間隔が充分に小さい場合(<80オングストローム、好ましくは<50オングストローム)、ドナー色素Xの放射光は、アクセプター色素Yを励起するであろう。 抗A抗体および抗B抗体によって認識される、近接して相互作用する蛋白質AおよびBの概略図である。A.プローブAは、ドナー色素Xと複合され、プローブBは、アクセプター色素Yと複合される。さらに、両プローブは、ビオチンと複合される。B.プローブAおよびBとインキュベーションした後、これらのプローブは、これらが、近接して相互作用する蛋白質AおよびBを実際に認識するとともに、これらと結合する条件下で、アビジンとのインキュベーションを介して共に結合され得る。(ビオチン−アビジン系によって安定化された)この2つの抗体プローブの並列は、FRET原理を解して検出可能である(図1を参照。)。

Claims (23)

  1. 少なくとも第1および第2の分子プローブのセットであって、各分子プローブは、色素を備え、前記色素は、エネルギ転移を共に可能にし、各分子プローブは、関心ある分子と特異的に結合することができる結合ドメインを含み、各分子プローブは、関心ある前記分子との結合に続いて、前記少なくとも第1および第2の分子プローブの並列を可能にする反応基を備え、前記反応基は、関心ある分子との結合に関与せず、前記反応基はビオチンであり、少なくとも2つの反応基が、アビジンまたはストレプトアビジンによって架橋されることを特徴とするセット。
  2. 前記反応基は、前記色素を、互いに100オングストローム以内の間隔で並列可能にすることを特徴とする請求項1記載のセット。
  3. 前記反応基は、前記色素を、互いに50オングストローム以内の間隔で並列可能にすることを特徴とする請求項2記載のセット。
  4. 前記反応基は、前記色素を、互いに20オングストローム以内の間隔で並列可能にすることを特徴とする請求項3記載のセット。
  5. 前記第1の分子プローブの反応基は、前記第2の分子プローブと直接反応しないことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載のセット。
  6. 少なくとも1つの分子プローブは、多数の前記反応基を備えることを特徴とする請求項1〜のうちいずれか1項に記載のセット。
  7. 前記分子プローブは、抗体、またはこれと機能的に均等な結合断片であることを特徴とする請求項1〜のうちいずれか1項に記載のセット。
  8. 少なくとも1つの分子プローブは、核酸であることを特徴とする請求項1〜のうちいずれか1項に記載のセット。
  9. 前記色素のうち少なくとも1つは、蛍光色素であることを特徴とする請求項1〜のうちいずれか1項に記載のセット。
  10. 前記蛍光色素は、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)、テキサスレッド(TR)、R−フィコエリトリン(R−PE)、アロフィコシアニン(APC)、フィコビリプロテインのメンバー、Cy3、Cy5、Cy5、Cy5.5、Cy7、シアニン色素、アレクサフルオール(Alexa Fluor)色素、これらのタンデム複合体、および量子ドット色素からなる群から選択されることを特徴とする請求項記載のセット。
  11. 少なくとも第1および第2の分子プローブのセットを用いて細胞中の少なくとも2つの相互作用する分子を検出する方法であって、各分子プローブは、色素を備え、前記色素は、エネルギ転移を共に可能にし、各分子プローブは、関心ある異なる分子と特異的に結合することができる結合ドメインを含み、各分子プローブは、関心ある分子との結合に関与しないが、前記色素間のエネルギ転移の可能性を高めるように、前記関心ある分子との結合に続いて、前記少なくとも第1および前記第2の分子プローブの並列を調節可能にする反応基を備え、前記反応基はビオチンであり、少なくとも2つの反応基が、アビジンまたはストレプトアビジンによって架橋され、
    分子プローブのセットを提供することと、
    細胞を含む試料を提供することと、
    前記相互作用する分子において、前記分子プローブの並列を可能にする条件下で、前記試料を、前記分子プローブセットと接触させることと、
    前記相互作用する分子を検出するためにFRETを介して前記分子プローブの並列を検出することとを含むことを特徴とする方法。
  12. 少なくとも第1および第2の分子プローブのセットを用いて細胞中の少なくとも2つの相互作用する分子を検出する方法であって、各分子プローブは、色素を備え、前記色素は、エネルギ転移を共に可能にし、各分子プローブは、関心ある異なる分子と特異的に結合することができる結合ドメインを含み、各分子プローブは、関心ある分子との結合に関与しないが、前記色素間のエネルギ転移の可能性を高めるように、前記関心ある分子との結合に続いて、前記少なくとも第1および前記第2の分子プローブの並列を調節可能にする反応基を備え、前記第1の分子プローブの反応基は、前記第2の分子プローブと直接反応せず、前記反応基はビオチンであり、少なくとも2つの反応基が、アビジンまたはストレプトアビジンによって架橋され、
    分子プローブセットを提供することと、
    細胞を含む試料を提供することと、
    前記相互作用する分子において、前記分子プローブの並列を可能にする条件下で、前記試料を、前記分子プローブセットと接触させることと、
    前記分子プローブを、前記第1の分子プローブの少なくとも反応基を前記第2の分子プローブに結合可能な物質と接触させることと、
    前記相互作用する分子を検出するために、FRETを介して前記分子プローブの並列を検出することとを含むことを特徴とする方法。
  13. 前記物質は、互いに2〜100オングストローム以内の間隔で前記色素を並列可能にすることを特徴とする請求項12記載の方法。
  14. 標的細胞集合を規定するための少なくとも1つの細胞マーカーのために前記試料を染色することを含み、前記試料を、前記細胞マーカーに選択的に結合可能な化合物と接触させることを含ことを特徴とする請求項1113のうちいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記細胞マーカーは、cluster of differentiation(CD)抗原であることを特徴とする請求項14記載の方法。
  16. 前記分子のうち少なくとも1つは、蛋白質性物質、核酸、脂質分子、または炭水化物であることを特徴とする請求項1115のうちいずれか1項に記載の方法。
  17. 単細胞レベルでの検出を可能にすることを含むことを特徴とする請求項1116のうちいずれか1項に記載の方法。
  18. フローサイトメトリーを用いることを含むことを特徴とする請求項17記載の方法。
  19. 少なくとも第1および第2の分子プローブを提供する方法であって、各分子プローブは、色素を備え、前記色素は、エネルギ転移を共に可能にし、各分子プローブは、関心ある分子と特異的に結合することができる結合ドメインを含み、各分子プローブは、前記関心ある分子との結合に続いて、前記第1および第2の分子プローブの並列を可能にする反応基を備え、前記反応基は、関心ある分子と結合に関与せず、前記反応基はビオチンであり、少なくとも2つの反応基が、アビジンまたはストレプトアビジンによって架橋され、
    関心ある分子と特異的に結合することができる分子プローブを提供することと、
    分子プローブを、前記分子プローブと前記色素との複合体を形成するために適切な色素と接触させることとを含み、
    少なくとも第1の分子プローブを、前記分子プローブと前記反応基との間で複合体を形成するために、反応基またはその誘導体と接触させることをさらに含むこと特徴とする方法。
  20. 前記反応基は、ビオチンを含むことを特徴とする請求項19記載の方法。
  21. 請求項1〜10のうちいずれか1項に記載の分子プローブセットを含む診断キット。
  22. 疾患の治療前、治療中または治療後に、前記治療の有効性を評価するための、または疾患を分類するための、請求項1〜10のうちいずれか1項に記載の分子プローブセット、または請求項1118のいずれか1項に記載の方法の使用。
  23. 化合物のライブラリの中から薬剤化合物を選択するための、請求項1〜10のうちいずれか1項に記載の分子プローブセット、または請求項1118のいずれか1項に記載の方法の使用。
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