JP4510659B2 - 研磨装置 - Google Patents
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Description
キャリア208を回転駆動する機構としては、図4に示すようなインターナルギア204と、そのほぼ中央に配置される太陽ギア206とを用いた構成が使用されている。
インターナルギア204と太陽ギア206は、各々独立して回転する。そして、板状のキャリア208は、その外周縁に沿って外歯が形成されており、この外歯がインターナルギア204の内歯と太陽ギア206の外歯に歯合することで、自転しながら太陽ギア206の周りを公転する。
インターナルギア204と太陽ギア206との間には、上記構成からなるキャリア208が複数個配置されており、さらに1個のキャリア208には、研磨対象であるワークを保持するための透孔207が複数個設けられて、1度に多数のワークを研磨できるように構成されている。
特許文献1に記載の両面研磨装置では、インターナルギアの作用をなすものとして外側ピン歯車が、太陽ギアの作用をなすものとして内側ピン歯車が配設されている。内側ピン歯車の外歯は、内側ピン歯車の外周に沿って配設された複数個の歯部によって構成されている。また、外側ピン歯車の内歯も、外側ピン歯車の内周に沿って配設された複数個の歯部によって構成されている。そして、キャリアの外歯が外側ピン歯車の歯部と内側ピン歯車の歯部にそれぞれ係合することにより、キャリアが回転駆動される。
内側ピン歯車の本体である内側ピンリング306bには貫通穴306cが設けられ、貫通穴306cには下方からピン体314が挿入されて、ナット315によって固定されている。上方に突出したピン体314には、円筒状のカラー313がピン体314の外側に回転可能に遊嵌されている。上部に大径化されたつまみ部311を有するキャップ310は、ピン体314の上部に螺入されてカラー313の抜け止めの役目をしている。
外側ピン歯車の歯部も、内側ピン歯車の歯部と同様の構成を有している。
上記構成からなる外側ピン歯車の歯部と内側ピン歯車の歯部は、キャリアの外歯に係合しながらカラー313がピン体314の外側で回転するので、カラー313に対する摩擦が低減され、カラー313の摩耗を減らすことができる。これにより、外側ピン歯車と内側ピン歯車の耐久性が向上する。
すなわち、本発明は、ワークを保持するキャリアの外歯が、外側ピン歯車の内歯と内側ピン歯車の外歯にそれぞれ係合し、研磨液が供給されつつ、該キャリアが自転及び公転されて、前記ワークを上定盤と下定盤で研磨する研磨装置であって、前記外側ピン歯車の内歯と内側ピン歯車の外歯とが、ピンリングに周方向に一定の間隔をおいて複数個設けられた歯部からなり、前記外側ピン歯車の歯部と内側ピン歯車の歯部の少なくとも一方が、前記ピンリングに上方に突出して固定されたピン体と、下方に開放する有底円筒状をなし、ピン体との間に設けた嵌合部によりピン体に対して着脱可能に、かつ該ピン体に回転可能に外嵌されるカラーとを有し、前記カラーが有底円筒状に形成されていることにより、前記ピン体とカラーとの間に研磨液が侵入するのを阻止することを特徴とする。
次に説明する実施形態は、ウェーハ等のワークの両面を同時に研磨する両面研磨装置である。両面研磨装置は、下定盤と上定盤とがそれぞれ独立して回転し、両者の間で、ワークを保持するキャリアを回転駆動することにより、上定盤と下定盤によってワークの両面を同時に研磨することができる。
キャリア13を回転駆動する機構としては、図3に示すような外側ピン歯車11と、そのほぼ中央に配置される内側ピン歯車12とを用いた機構が使用される。
外側ピン歯車11と内側ピン歯車12は、各々独立して回転する。板状のキャリア13は、その外周に外歯13aが形成されており、この外歯13aが外側ピン歯車11の内歯11aと内側ピン歯車12の外歯12aに係合することで、自転しながら内側ピン歯車12の周りを公転する。
外側ピン歯車11と内側ピン歯車12との間には、キャリア13が複数個配置されており、さらに1個のキャリア13には、研磨対象であるワークを保持するための透孔13bが複数個設けられて、1度に多数のワークを研磨できるように構成されている。
内側ピン歯車12は、歯車の本体である外周が円形の板状の内側ピンリング(ピンリング)12bを有し、その外歯12aは、複数個の歯部20で構成されている。歯部20は、上方に突出した状態で内側ピンリング12bに固定されたピン体22と、ピン体22に回転可能に外嵌されるカラー23とからなる(図1(a)、(b)参照)。複数個の歯部20は、内側ピンリング12bに周方向に一定間隔をおいて設けられている。
図3に示されるように内側ピンリング12bの外周側には、複数個の貫通する取付穴21が、外周に沿って等間隔あけて設けられている。取付穴21の位置は、内側ピンリング12bの外周縁から所定距離内側に入った位置である。この複数の取付穴21には、歯部20を構成するピン体22が、内側ピンリング12bから上方へ突出した状態でそれぞれ固定される(図1(b)参照)。
ピン体22は、その外周面でリング状に張り出して形成されるフランジ部24を有する。フランジ部24は、ピン体22の軸線方向の中途部に設けられており、ピン体22のフランジ部24より上部側、下部側はそれぞれ小径部22a、22bとなっている。また、ピン体22は、その上面周囲の角部が面取りされている。
このピン体22は、取付穴21内に圧入固定される。詳しくは、ピン体22は、そのフランジ部24の下面が内側ピンリング12bの上面に当接し、フランジ部24より下部側の小径部22bが取付穴21内に圧入され、フランジ部24より上部側の小径部22aが内側ピンリング12bから上方へ突出した状態で、取付穴21に位置決めして固定される。
そして、図2(b)に示されるようにカラー23は、底部23aを上方に向けた姿勢で、内側ピンリング12bに固定されたピン体22に回転可能に外嵌されて装着される。このとき、カラー23は、底部23aがピン体22の上面に当接して、ピン体22に支持される。つまり、カラー23は、その底部23aの内面がピン体22の上面に当接し、下端面23bと内側ピンリング12bとの間に若干隙間を有する状態でピン体22に装着される。
さらに、フランジ部24の上縁部24b側は、1周にわたって切欠部23d内に進入するが、切欠内面23cとフランジ部24の上面との間には若干隙間が設けられる。
ピン体22に設けられた嵌合凸部27は、ピン体22の外周面から突出して形成されている。嵌合凸部27は、ピン体22の外周1周にわたって形成するとよい。例えば、嵌合凸部27を、ピン体22の外周面からリング状に突出して形成する。或いは、嵌合凸部27を、ピン体22の外周1周において間隔をあけて数ヵ所に部分的に突出して形成してもよい。
また、嵌合凸部27の設けられる位置は、ピン体22の内側ピンリング12bから突出する部位の下部側であるとカラー23が嵌め込み易く好適である。
カラー23をピン体22に取り付ける際には、図2(a)に示されるようにカラー23をピン体22に被せて押し下げ、カラー23の嵌合凹部26内にピン体22の嵌合凸部27を進入させて嵌め合せる。
これにより、カラー23は、嵌合部25によって抜け止めされた状態で、回転可能にピン体22に外嵌される。
そして、内側ピンリング12bに固定されているピン体22に対して、カラー23を上方へ持ち上げる作業により、嵌合凹部26と嵌合凸部27との嵌め合わせが外されて、カラー23をピン体22から取り外すことができる。
上記構成からなるピン体22は、金属、合成樹脂等で形成するとよい。また、カラー23は、金属、合成樹脂、セラミックス等で形成するとよい。カラー23を弾性を有する材料で形成すると、カラー23のピン体22に対する脱着が容易となる。特に、ピン体22を金属で形成し、カラー23を、弾性を有する合成樹脂で形成するとよい。
外側ピンリング11bの内周側には、複数個の貫通する取付穴31が、内周に沿って等間隔あけて設けられている。取付穴31の位置は、外側ピンリング11bの内周縁から所定距離外側の位置である。この複数の取付穴31に歯部30がそれぞれ設けられ、複数個の歯部30は外側ピンリング11bに周方向に一定間隔をおいて設けられる。外側ピン歯車11の歯部30としては、図1、図2を用いて説明した内側ピン歯車12の歯部20と同様のものが使用される。
このような構成からなる内側ピン歯車12の歯部20と、外側ピン歯車11の歯部30は、キャリア13の外歯13aと係合する際には、外歯13aと直接接触するカラー23がピン体22の外側で回転する。
上記実施形態によれば、カラー23の抜け止めのためのキャップが不要となり、部品点数を減らして装置を簡略化することができる上に、カラー23の交換が簡単にできるようになる。例えば、300個の歯部が設けられた外側ピン歯車11と、100個の歯部が設けられた内側ピン歯車12を備えた研磨装置がある。従来の技術で説明した図5の歯部306aの場合、キャップ310は外側ピン歯車、内側ピン歯車について各々歯部と同数あり、多数の細々としたキャップ310の管理が面倒であった。また、カラー313の交換の際には、歯部1個ずつに対してキャップ310を螺入しなければならず、煩わしい作業となっていた。これに比べて、上記実施形態の歯部20、30は、キャップ310が不要となって部品の管理を簡略化できる。さらに、ピン体22に対するカラー23の脱着が、カラー23を被せる、引き抜くという簡単な動作でできるので、素早くカラー23の交換ができる。
また、カラー23の下部側に設けられた切欠部23d内に、フランジ部24の上縁部24d側が進入する構成としたことにより、液体やスラリーの浸入をさらに効果的に防止できる。
例えば、内側ピン歯車12の歯部20及び外側ピン歯車11の歯部30に対して、次のようにそれぞれ変更してもよい。
ピン体22は、ピンリング12b、11bに対して螺入されて固定される構成であってもよい。
さらに、カラー23は、その切欠内面23cがフランジ部24の上面に当接して、ピン体22に支持される構成であってもよい。つまり、カラー23の切欠内面23cがフランジ部24の上面に当接し、底部23aの内面とピン体22の上面との間、及び下端面23bとピンリング11b、12bとの間に隙間を有する構成であってもよい。この構成によれば、上記同様、より確実に隙間への液体やスラリーの侵入を防止できる。
また、実施形態として下定盤と上定盤がそれぞれ独立して回転する研磨装置を挙げて説明したが、回転せずに静止している上定盤と、回転する下定盤を有する研磨装置であってもよい。
また、研磨装置は、上定盤、下定盤、外側ピン歯車及び内側ピン歯車が、各々別個に設けられたモータ等の駆動源によって回転駆動する構成であってもよいし、1個の駆動源の回転力をギア及びクラッチを介してそれぞれに伝達し回転駆動する構成であってもよい。
12 内側ピン歯車
13 キャリア
20 歯部
22 ピン体
23 カラー
25 嵌合部
26 嵌合凹部
27 嵌合凸部
Claims (8)
- ワークを保持するキャリアの外歯が、外側ピン歯車の内歯と内側ピン歯車の外歯にそれぞれ係合し、研磨液が供給されつつ、該キャリアが自転及び公転されて、前記ワークを上定盤と下定盤で研磨する研磨装置であって、
前記外側ピン歯車の内歯と内側ピン歯車の外歯とが、ピンリングに周方向に一定の間隔をおいて複数個設けられた歯部からなり、
前記外側ピン歯車の歯部と内側ピン歯車の歯部の少なくとも一方が、
前記ピンリングに上方に突出して固定されたピン体と、
下方に開放する有底円筒状をなし、ピン体との間に設けた嵌合部によりピン体に対して着脱可能に、かつ該ピン体に回転可能に外嵌されるカラーとを有し、
前記カラーが有底円筒状に形成されていることにより、前記ピン体とカラーとの間に研磨液が侵入するのを阻止することを特徴とする研磨装置。 - 前記ピン体に外方に突出するフランジ部が設けられ、前記カラーの開口部の内周縁に、前記フランジ部が進入する切欠部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の研磨装置。
- 前記切欠部の下方に向く切欠内面が前記フランジ部の上面に当接することを特徴とする請求項1または2記載の研磨装置。
- 前記カラーの下端面がピンリングに当接することを特徴とする請求項1または2記載の研磨装置。
- 前記嵌合部は、カラーに設けられた嵌合凹部と、ピン体に設けられた嵌合凸部とからなることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の研磨装置。
- 前記カラーが樹脂で形成され、前記ピン体が金属で形成されていることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の研磨装置。
- 前記カラーが金属またはセラミックで形成され、前記ピン体が樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の研磨装置。
- 前記カラーが金属またはセラミックで形成され、前記嵌合凸部が樹脂リングまたはゴムリングで形成されていることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の研磨装置。
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