JP4509583B2 - 液状物収納容器 - Google Patents

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本発明は、いずれも回転操作されることで脱着される構造を有して、同方向の回転操作で脱着できるようにしながら、共回りを確実に阻止することが可能な液状物収納容器に関する。
従来、蓋がされて封止される容器本体から液体を抽出する部分に、中栓などのパーツを付加し、これらを互いに回転操作することで脱着できるようにした液状物の収納容器が知られている(特許文献1〜3参照)。
特許文献1では、容器の口頸部に装着される中栓と、この中栓に装着される外蓋とを備え、中栓の内周面に雌螺条が、外周面に雄螺条が形成されるとともに、外蓋の内周面に雌螺条が、また容器の外周面に雄螺条が形成されていて、これら螺条を締め込んだり、緩めたりすることで、容器に対して中栓が、また中栓に対して外蓋が脱着されるようになっている。
特許文献2では、コップと中栓とがねじ嵌合され、中栓と容器の肩体とがねじ嵌合されるもので、特に共回りを防ぐために、容器に対する中栓のねじ嵌合よりも、中栓に対するコップのねじ嵌合を弱くできるように、コップと中栓のねじ嵌合の完了を凹突嵌合で分かるようにしたり、あるいはこれら2つのねじ嵌合を逆ねじとするようにしている。
特許文献3では、内側ねじ部を有する容器本体と、外側ねじ部およびこれとは逆ねじとなる内側ねじ部を有する本キャップと、外側ねじ部を有する栓体とを備え、共回りを防ぎながら、これらねじ部を螺合させることができるようにしている。
実開平5−40167号公報 実開平5−18438号公報 実開平6−38810号公報
ところで従来にあっては、互いに回転操作される蓋や容器本体、付加したパーツなどの脱着構造に関して、逆ねじを採用したり、凹突嵌合で一方のねじ嵌合に対し他方のねじ嵌合が緩くなされるようにするなどして、共回りを防止できるようにしていたが、逆ねじは一般的な右ねじ操作に対し、逆向きの操作が要求されるため、使用する際の締め込み操作が分かりづらいなど、不便さがあった。また、凹突嵌合で2つのねじ嵌合の締め込み強さを変えるようにしても、締め込みを強くすべきねじ嵌合がしっかりと締め込まれるとは限らず、締め込みが緩めであると共回りを避けることはできないという、不都合があった。
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、いずれも回転操作されることで脱着される構造を有して、同方向の回転操作で脱着できるようにしながら、共回りを確実に阻止することが可能な液状物収納容器を提供することを目的とする。
本発明にかかる液状物収納容器は、抽出首部の下方に縮径部が形成され、液状物を抽出可能に収納する容器本体と、抽出口を有すると共に、上記抽出首部に被さる筒部が上方にかつ上記縮径部に被さる環状スカート部が下方に形成され、上記容器本体の該抽出首部に第1ネジ部を介して該筒部が締め緩め自在に螺合される抽出筒と、該抽出筒の上記環状スカート部上に位置する上記筒部にその抽出口を封鎖すべく、第2ネジ部を介して締め緩め自在に螺合されるキャップと、上記容器本体の上記縮径部に設けられたロック用溝と、上記抽出筒の上記環状スカート部にスリットを介して帯状形態で形成され、当該環状スカート部に連結される一端がヒンジを介して折り曲げ可能とされて、上記第1ネジ部による該抽出筒と上記容器本体との相対回転を阻止するために、該環状スカート部の外周面に沿うように位置されて上記ロック用溝に係合される一方、折り曲げられて該ロック用溝から離脱されるロック用レバーと、上記抽出筒と上記容器本体との間に設けられ、上記ロック用溝に対して上記ロック用レバーを位置決めする位置決め機構とを備えたことを特徴とする。
本発明にかかる液状物収納容器にあっては、いずれも回転操作されることで脱着される構造を有して、同方向の回転操作で脱着できるようにしながら、共回りを確実に阻止することができる。
以下に、本発明にかかる液状物収納容器の好適な一実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。本実施形態にかかる液状物収納容器は基本的には、図1〜図4に示すように、抽出首部12の下方に縮径部13が形成され、液状物を抽出可能に収納する容器本体1と、抽出口2を有すると共に、抽出首部12に被さる筒部18が上方にかつ縮径部13に被さる環状スカート部17が下方に形成され、容器本体1の抽出首部12に第1ネジ部3を介して筒部18が締め緩め自在に螺合される抽出筒4と、抽出筒4の環状スカート部17上に位置する筒部18にその抽出口2を封鎖すべく、第2ネジ部5を介して締め緩め自在に螺合されるキャップ6と、容器本体1の縮径部13に設けられたロック用溝7と、抽出筒4の環状スカート部17にスリット27を介して帯状形態で形成され、当該環状スカート部17に連結される一端がヒンジ30を介して折り曲げ可能とされて、第1ネジ部3による抽出筒4と容器本体1との相対回転を阻止するために、環状スカート部17の外周面に沿うように位置されてロック用溝7に係合される一方、折り曲げられてロック用溝7から離脱されるロック用レバー8と、抽出筒4と容器本体1との間に設けられ、ロック用溝7に対してロック用レバー8を位置決めする位置決め機構9とを備えて構成される。
容器本体1は底部が封鎖された中空筒体状に形成され、その内部に、例えばローションやミルクなどの液状化粧料などの液状物が収納される。容器本体1には、その上端部に上下2つの第1段差部10と第2段差部11を介して、最上部に抽出首部12が、そしてまたその下方に縮径部13が形成され、抽出首部12には液状物を抽出可能とする開口14が形成される。他方、抽出筒4は、上端が天面部15で封鎖された中空筒体状に形成されるとともに、一つの段差部16を介して、下方に環状スカート部17が、上方に筒部18が形成される。天面部15には、その中央に抽出口2が、抽出口2周囲に上方へ突出させて環状の注ぎ口部19が、また下方へ垂下させて容器本体1の開口14に嵌脱自在に嵌め込まれる環状嵌合部20が形成される。この抽出筒4は、その段差部16が容器本体1の第1段差部10に重ね合わされて、筒部18が抽出首部12に、また環状スカート部17が縮径部13に被さるようにして、容器本体1に装着される。
容器本体1と抽出筒4との間には右ネジの第1ネジ部3が形成される。具体的には、容器本体1の抽出首部12の外周面には第1雄ネジ3aが形成されるとともに、抽出筒4の筒部18の内周面には、第1雄ネジ3aに締め緩め自在に螺合される第1雌ネジ3bが形成され、これにより抽出筒4が容器本体1に着脱自在に装着される。
キャップ6は、周側壁部21と天板部22とから上端が封鎖された中空筒体状に形成される。このキャップ6にはその天板部22から垂下させて、内側に抽出口2を封鎖すべく注ぎ口部19内方に挿抜自在に挿入される栓部23が、外側に抽出筒4の天面部15に当接される環状シール24が形成される。キャップ6と抽出筒4との間には、第1ネジ部3と同じ右ネジとされた第2ネジ部5が形成される。具体的には、キャップ6の周側壁部21の内周面には第2雌ネジ5aが形成されるとともに、抽出筒4の筒部18の外周面には、第2雌ネジ5aに締め緩め自在に螺合される第2雄ネジ5bが形成され、これによりキャップ6が抽出筒4に着脱自在に装着される。
ロック用溝7は容器本体1の縮径部13にこれを窪ませて形成される。詳細にはこのロック用溝7は、V字形状の切り込みが縮径部13の表面からその径方向に対し左方向から右方向へ向かって斜めに形成され、これにより、縮径部13の周方向に沿ってロック用溝7の右側に、鍔状の係止部25が形成されるようになっている。また縮径部13には、係止部25に隣接させて、ロック用レバー8に手指を掛けるための凹部26が形成される。
他方、ロック用レバー8は、抽出筒4の環状スカート部17にその下端から立ち上がるL字状のスリット27を介して、横向きの帯状形態で形成されたレバー部28と、このレバー部28から環状スカート部17の内方に右方向へ向けて突出され、縮径部13の係止部25にその左側から係脱自在に係止される係止片29とから構成される。レバー部28は、環状スカート部17と連結される一端がヒンジ30を介して折り曲げ可能とされるとともに、他端はスリット27により環状スカート部17との間に広い隙間が形成される。またこのレバー部28にはその上端に、これを環状スカート部17の内周面側に係止して、ヒンジ30による振れ動きを止める突起31が形成される。
そしてこのロック用レバー8は、ヒンジ30を介してレバー部28が環状スカート部17の外周面に沿うように位置されることで、その係止片29が係止部25と抽出筒4の左回転方向に深く係止され、右ネジの第1ネジ部3による抽出筒4と容器本体1との相対回転、特に緩み方向の相対回転を阻止するようになっている。
位置決め機構9は、抽出筒4の筒部18と容器本体1の抽出首部12との間に設けられる。詳細には、位置決め機構9は、抽出首部12の外周面に径方向外方へ向かって突出させて形成された凸部32と、筒部18の内周面に、その径方向内方へ向かって突出させて形成され、第1ネジ部3が締め込まれることで凸部32に当接される制止突起33とから構成される。凸部32は、容器本体1の第1段差部10直上であって、第1雄ネジ3aの下方となる抽出首部12の下端に形成された環状段部34に設けられる。また制止突起33は、抽出筒4の段差部16直上であって環状段部34と向かい合う筒部18の下端に形成される。そしてこの位置決め機構9の凸部32および制止突起34は、ロック用溝7にロック用レバー8を係脱操作可能とするために、第1ネジ部3を介して筒部18を抽出首部12に締め込んでいく際に、ロック用溝7にロック用レバー8が向かい合う位置で互いに当接されて、第1ネジ部3によるそれ以上の締め込み操作を阻止するようになっている。
本実施形態に係る液状物収納容器の作用について説明すると、容器本体1に抽出筒4が螺合され、さらに抽出筒4にキャップ6が螺合された状態の液状物収納容器から液状物を抽出する際には、第2ネジ部5を介してキャップ6を取り外す。このときには、抽出筒4のロック用レバー8が容器本体1のロック用溝7に係合していて、第2ネジ部5と同じ向きのネジである第1ネジ部3における抽出筒4と容器本体1との相対回転を阻止でき、すなわち第1ネジ部3が緩むのを防止でき、第2ネジ部5のみの螺合解除によりキャップ6だけを抽出筒4、ひいては容器本体1からスムーズに取り外すことができる。そしてキャップ6を取り外すことにより、容器本体1に対して装着状態にある抽出筒4の抽出口2から液状物を抽出することができる。抽出後は、キャップ6を第2ネジ部5を介して抽出筒4に螺合していけば、このときもロック用溝7とロック用レバー8の係合で容器本体1と抽出筒4との相対回転を阻止することができて、適切に抽出口2を封鎖することができる。
他方、容器本体1内に液状物を収納したり、補充する際には、キャップ6をしたままでも、また外した状態のいずれでもよいが、容器本体1の凹部26に手指をかけて、抽出筒4のロック用レバー8をヒンジ30を介して手前に折り曲げると、係合していたロック用溝7の係止部25から当該ロック用レバー8の係止片29が離脱されるとともに、突起31も環状スカート部17から外れ、これにより抽出筒4と容器本体1とを相対回転させることができるようになり、第1ネジ部3を介して抽出筒4を容器本体1から取り外すことができて、抽出首部12の開口14から液状物を補充など、することができる。
液状物を補充などした後は、第1ネジ部3により抽出筒4を容器本体1に螺合していく。この螺合操作の際、ロック用レバー8がロック用溝7位置に達すると、位置決め機構9の制止突起33が凸部32と当接するので、これによりロック用レバー8の係止片29とロック用溝7の係止部25との位置合わせを行うことができ、その後ロック用レバー8を縮径部13に向かって押し込むことでロック用溝7に係合させることができて、容器本体1と抽出筒4の相対回転を阻止することができ、その後の円滑なキャップ6操作を保証することができる。
以上説明したように本実施形態に係る液状物収納容器にあっては、抽出首部12の下方に縮径部13が形成され、液状物を抽出可能に収納する容器本体1と、抽出口2を有すると共に、抽出首部12に被さる筒部18が上方にかつ縮径部13に被さる環状スカート部17が下方に形成され、容器本体1の抽出首部12に第1ネジ部3を介して筒部18が締め緩め自在に螺合される抽出筒4と、抽出筒4の環状スカート部17上に位置する筒部18にその抽出口2を封鎖すべく、第2ネジ部5を介して締め緩め自在に螺合されるキャップ6と、容器本体1の縮径部13に設けられたロック用溝7と、抽出筒4の環状スカート部17にスリット27を介して帯状形態で形成され、当該環状スカート部17に連結される一端がヒンジ30を介して折り曲げ可能とされて、第1ネジ部3による抽出筒4と容器本体1との相対回転を阻止するために、環状スカート部17の外周面に沿うように位置されてロック用溝7に係合される一方、折り曲げられてロック用溝7から離脱されるロック用レバー8と、抽出筒4と容器本体1との間に設けられ、ロック用溝7に対してロック用レバー8を位置決めする位置決め機構9とを備えたので、容器本体1のロック用溝7と抽出筒4のロック用レバー8との係脱によって、第2ネジ部5の締め緩め操作に伴う第1ネジ部3の緩みを防止したり、また第1ネジ部3の締め緩め操作を確保できて、これにより2つのネジ部3,5の共回りを確実に阻止しつつ容器本体1への抽出筒4の脱着も、抽出筒4へのキャップ6の脱着も、ともに同方向の回転操作で行うことができ、便利で良好な操作性を確保することができる。
このような構成を備えた液状物収納容器は、液状物を直接入れ替える入れ替え式であるので、交換用のレフィルなどの別容器を容器本体1に脱着する形態のものに比べて、省資源化に適している。また、容器本体1をガラス製とし、抽出筒4を合成樹脂製とした場合など、異種材料で構成した場合に、抽出筒4を容器本体1から容易に取り外すことができて、分別収集に対し高い適応性を発揮することができる。
本発明にかかる液状物収納容器の好適な一実施形態を示す分解斜視図である。 図1に示した液状物収納容器の側面図である。 図1に示した液状物収納容器の側断面図である。 図3中A−A線矢視断面図である。
符号の説明
1 容器本体
2 抽出口
3 第1ネジ部
4 抽出筒
5 第2ネジ部
6 キャップ
7 ロック用溝
8 ロック用レバー
9 位置決め機構

Claims (1)

  1. 抽出首部の下方に縮径部が形成され、液状物を抽出可能に収納する容器本体と、抽出口を有すると共に、上記抽出首部に被さる筒部が上方にかつ上記縮径部に被さる環状スカート部が下方に形成され、上記容器本体の該抽出首部に第1ネジ部を介して該筒部が締め緩め自在に螺合される抽出筒と、該抽出筒の上記環状スカート部上に位置する上記筒部にその抽出口を封鎖すべく、第2ネジ部を介して締め緩め自在に螺合されるキャップと、上記容器本体の上記縮径部に設けられたロック用溝と、上記抽出筒の上記環状スカート部にスリットを介して帯状形態で形成され、当該環状スカート部に連結される一端がヒンジを介して折り曲げ可能とされて、上記第1ネジ部による該抽出筒と上記容器本体との相対回転を阻止するために、該環状スカート部の外周面に沿うように位置されて上記ロック用溝に係合される一方、折り曲げられて該ロック用溝から離脱されるロック用レバーと、上記抽出筒と上記容器本体との間に設けられ、上記ロック用溝に対して上記ロック用レバーを位置決めする位置決め機構とを備えたことを特徴とする液状物収納容器。
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