JP4508882B2 - エレクトロルミネセンス素子 - Google Patents

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Description

本発明は、表示素子や表示素子の照明等の種々の用途に用いられるエレクトロルミネセンス素子に関するものである。
エレクトロルミネセンス素子(以降、EL素子と略す。)は、基本的には蛍光体物質からなる発光層を一対の電極ではさんで構成されるものであるが、実際には発光層の安定化を図る目的で、発光層と電極との間に誘電体層を介在させていることが多い。
当初、この誘電体層としては薄膜誘電体層を用いる試みがなされたが、欠陥の無い薄膜誘電体層を形成することは難しく、薄膜誘電体層の欠陥があると、発光体層が部分的に破壊される恐れがあるために、最近では厚膜誘電体層が多く用いられるようになってきている。薄膜誘電体層は種々の薄膜形成法、例えば蒸着等によって形成されるのに対し、厚膜誘電体層は誘電体粉体を含有するペーストを用いて形成される。薄膜誘電体層の厚みは概ね数十nm程度であるのに対し、厚膜誘電体層の厚みは概ね数μm程度である。
厚膜誘電体層を形成するには、通常、まず、誘電体粉体をペースト化する必要があり、ペースト化のため、付加的な種々の成分、例えば溶剤、もしくは樹脂と溶剤、さらには、ガラスフリット等を配合し、これらを混合して練る。得られた誘電体粉体のペーストは、厚膜の形成に適したスクリーン印刷等の方式により基板に適用される。適用後、溶剤や樹脂を除く目的で焼成を行ない、厚膜誘電体層が形成される。焼成温度は基板が耐える限り高温であることが好ましいが、基板の好ましくない変化を避ける意味で、焼成温度を無制限に高くすることはできない。基板がセラミックであるときは、1000℃以下の焼成温度での焼成が可能であるが、基板がガラスの場合には、プラズマディスプレイパネル用のガラス基板を用いても、焼成温度は700℃以下である。これに対し、代表的な誘電体であるチタン酸バリウムの融点は1610℃であり、通常は、誘電体粉体が溶融して一様な厚膜誘電体層を形成するには至らない。
従って、得られた厚膜誘電体層を観察すると、誘電体粉体どうしが互いに接触して接触部において固着し、誘電体粉体どうしの間には空隙を有する層を構成しており、また、厚膜誘電体層の表面は、誘電体粉体の形状が反映した凹凸を有するものとなっている。この誘電体層上には、直接に発光層を積層するか、もしくは他の層を介して発光層を積層するが、発光層や介在させることがある他の層は、薄膜であることが多く、厚膜誘電体層の表面の凹凸は、発光層や他の層の形成に支障を招き、また、発光層や他の層の性能に悪影響を与える。
上記の欠点を解消する目的で、基板上にスクリーン印刷等によりペーストを適用し、乾燥させた後、加温しつつ加圧する温間静水圧プレス工程を行ない、その後、焼成を行なうことにより、厚膜誘電体層の表面を平坦化させようとする試みがある。(特許文献1)。
特開2002−63987号公報(請求項1、段落0023〜0032。)。
特許文献1に記載された発明の方法によれば、温間静水圧プレス工程を行なわない方法にくらべ、若干の改善が見られるものの、誘電体粉体の粒径は変わらないから、誘電体粉体の形状が反映した凹凸自体は依然として残るし、EL素子を作成するための工程が増加する不利がある。また、圧力伝達媒体である水やシリコンオイルとプレス対象物との接触を避けるために、プレス対象物を真空包装する必要があるし、真空包装材とプレス対象物との間に剥離材を有する樹脂フィルムを介在させる必要も生じるので、真空包装するのに伴なう材料、真空包装工程等も加わる。
本発明においては、厚膜誘電体層の表面の平坦化を、従来技術におけるように、工程の増加や使用する材料の増加を伴なうことなく、達成することを課題とする。
発明者の検討によれば、厚膜誘電体層を構成する誘電体粉体のメジアン粒径を0.3μm以下とすることにより、上記の従来の方法におけるような、工程の追加や使用材料の増加を伴なうことなく、表面の平坦さの向上した厚膜誘電体層を形成することが可能となり、形成された厚膜誘電体層上に発光層やその他の層を形成すると、支障のないEL素子を構成することが可能となることが判明した。また、発明者の検討によれば、誘電体粉体で構成された厚膜誘電体層の鏡面光沢度Gとフレネルの式による鏡面光沢度GF(=GS(θ))との比、即ちG/GFを規定することにより、そのような厚膜誘電体層上に発光層やその他の層を形成すると、支障のないEL素子を構成することが可能となることが判明した。本発明はこれらの判明した事実に基づいてなされたものである。
第1の発明は、基板上に、少なくとも第1電極層、厚膜誘電体層、発光層、および第2電極層の各層が順に積層されており、前記厚膜誘電体層は誘電体粉体どうしが固着して構成されたものであって、前記厚膜誘電体層が前記発光層側の層および前記第1電極層側の層の2層で構成されており、前記発光層側の層を構成する前記誘電体粉体のメジアン粒径Bが0.3μm以下であり、前記メジアン粒径Bと前記第1電極層側の層を構成する前記誘電体粉体のメジアン粒径AとがA>Bの関係を満たすことを特徴とするエレクトロルミネセンス素子に関するものである。
第2の発明は、第1の発明において、前記メジアン粒径Bが、0.3μm以下、かつ0.05μm以上であることを特徴とするエレクトロルミネセンス素子に関するものである。
第3の発明は、第1の発明または第2の発明において、前記メジアン粒径Aが、0.4μm〜1.0μmであることを特徴とするエレクトロルミネセンス素子に関するものである。
第4の発明は、第1〜第3いずれかの発明において、前記第1電極層側の層の厚みが、前記発光層側の層の厚みの1.0〜3.0倍であることを特徴とするエレクトロルミネセンス素子に関するものである。
第5の発明は、前記厚膜誘電体層の前記発光層側の面の光沢度Gが以下の関係式(1)を満たすことを特徴とするエレクトロルミネセンス素子に関するものである。
G/GF>0.53 (1)
式(1)中、GF式(4)および(5)を用いて求められる鏡面光沢度S(θ)である
第1の発明によれば、厚膜誘電体層を2層で構成し、発光層側の層を構成する誘電体層の誘電体粉体のメジアン粒径Bと、第1電極層側の層を構成する誘電体粉体のメジアン粒径Aが、A>Bの関係を満たすことにより、厚膜誘電体層の発光層側の表面の平坦化を可能とし、かつ2層全体としての静電容量を確保したEL素子を提供することができる。また、前記発光層側の層を構成する前記厚膜誘電体粉体のメジアン粒径Bを0.3μm以下とすることにより、前記厚膜誘電体層の前記発光層側の表面の平坦化をより向上したEL素子を提供することができる。また、前記発光層側の層を構成する前記厚膜誘電体粉体のメジアン粒径Bを0.3μm以下としたことにより、前記厚膜誘電体層の前記発光層側の表面の平坦さを、工程数の増加を伴わずに向上させることが可能であり、この結果、厚膜誘電体層上に発光層やその他の層を形成しても支障の生じることがないEL素子を提供することができる。
第2の発明によれば、第1の発明の効果に加えて、誘電体粉体のメジアン粒径の下限を定めたので、厚膜誘電体層の静電容量の過度な低下が無いEL素子を提供することができる。
第3の発明によれば、第1または第2の発明の効果に加えて、A=1.3B〜A=20.0Bの関係を満たすEL素子を提供することができる。
第4の発明によれば、高い静電容量と平坦化の効果を備える厚膜誘電体層を得ることができる。
第5の発明によれば、厚膜誘電体層の表面の光沢度GとJIS Z 8741に基づいて求められたGF(GS(θ))との関係を定めたことにより、厚膜誘電体層上に発光層やその他の層を形成しても支障の生じることがなく、しかも、厚膜誘電体層の平坦さの評価を、下層の電極層等に起因するうねりの影響を排除して行なうことができ、厚膜誘電体層を形成する工程の管理が容易となるEL素子を提供することができる。
図1は、本発明のEL素子1の基本的な積層構造を示す模式的な断面図である。図1に示すように、EL素子1は、基板2上に、パターン状の第1電極層3A、厚膜誘電体層4、発光層5、および第2電極層3Bの各層が順に積層された積層構造を有するものである。
基板2としては、アルミナ(Al23 )、石英ガラス(SiO2 )、マグネシア(MgO)、フォルステライト(2MgO・SiO2 )、ステアタイト(MgO・SiO2 )、ムライト(3Al23 ・2SiO2 )、ベリリア(BeO)、ジルコニア(ZrO2 )、窒化アルミニウム(AlN)、窒化シリコン(SiN)、炭化シリコン(SiC+BeO)等のセラミック基板、結晶化ガラス、石英ガラス等を挙げることができる。その他、Ba系、Sr系、及びPb系ペロブスカイトを用いることができる。あるいは基板2としては、結晶化ガラスや、高耐熱ガラス等を用いてもよく、またホウロウ等の絶縁処理を行った金属基板等も使用可能である。
第1電極層3Aは例えば、Pd等の金属もしくはAg/Pd等の合金であって、導電性のよい素材からなり、好ましくは所定のストライプ状等のパターン状に形成されたものである。第1電極層3Aは、これらの素材の他、Au、Pt、Ir等の貴金属、もしくはNi、W、Mo、Nb、Ta等の高融点金属、またはこれらの貴金属もしくは高融点金属の合金を素材として構成されたものであってもよい。
第1電極層3Aの形成は、これらの貴金属もしくは高融点金属の合金の粉体を、例えば溶剤、もしくは樹脂と溶剤、さらには、ガラスフリット等を配合し、これらを混合して練って得られたペーストを用い、厚膜の形成に適したスクリーン印刷等の方式によって基板2上にパターン状に適用し、適用後、焼成することによって行なえる。あるいは、ペーストをパターン状にではなく、全面に適用して焼成した後に、フォトリソグラフィー法によりパターン状に形成してもよい。または、第1電極層3Aは、これらの金属もしくは合金を用いてめっき、蒸着、もしくはスパッタリングを行なうことにより、全面に一様に金属層もしくは合金層を形成した後、フォトリソグラフィー法によりパターン状に形成してもよい。めっき、蒸着、もしくはスパッタリングをマスクパターンを介して行なうことにより、パターン状に金属層もしくは合金層を形成することもできる。
第1電極層の厚みは、形成方式によっても異なるが、スクリーン印刷等の厚膜の形成に適した方式による場合は、1〜5μm程度であることが好ましく、蒸着やスパッタリング等の薄膜の形成に適した方式による場合は、0.1μm〜1.0μm程度であることが好ましい。
厚膜誘電体層4は種々の誘電体粉体を用いて構成されたもので、誘電体としては、例えばBaTiO3、(BaxCa1-x)TiO3、(BaxSr1-x)TiO3、PbTiO3、Pb(ZrxTi1-x)O3(以下、PZT)等のペロブスカイト構造を有するもの、強誘電体、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3(以下、PMN)等に代表される複合ペロブスカイトリラクサー型強誘電体、Bi4Ti312、SrBi2Ta29に代表されるビスマス層状化合物、(SrxBa1-x)Nb26、PbNb26等に代表されるタングステンブロンズ型強誘電体等を用いることができる。これらの中でも、特により高い誘電率を達成でき、かつより低い焼成温度で熱処理可能であるとの観点から、BaTiO3、PZT、PMN等のペロブスカイト型誘電体がより好ましく、さらにそれらのなかでも化学組成中に鉛元素を含む誘電体がより好ましい。この化学組成中に鉛元素を含む誘電体は、基板2としてガラスを用いる場合には特に好ましい。特にPMNに代表されるPbを含む複合ペロブスカイト型化合物はリラクサと呼ばれ、広い温度範囲で高い比有電率を示すことから、厚膜誘電体層4の材料として好ましい。
厚膜誘電体層4の形成は、これらの誘電体粉体を、例えば溶剤、もしくは樹脂と溶剤、さらには、ガラスフリット等を配合し、これらを混合して練って得られた誘電体粉体のペーストを用い、スクリーン印刷等の厚膜の形成に適した方式によって、基板2上の第1電極層3上に適用し、適用後、焼成することによって行なえる。
厚膜誘電体層4の厚みは2〜100μm程度が好ましく、5〜20μm程度が好ましい。100μmより厚いと緻密化が困難となり、また2μmより薄いと第1電極層3Aにおける電極層の有無に基づく段差の影響が大きくなり過ぎる。
厚膜誘電体層4は、その静電容量が高いことが好ましい。厚膜誘電体層4と発光層5は電気的に直列に配置されており、外部から電圧を与えたとき、発光層5に効率良く電圧がかかるようにするためには、厚膜誘電体層4の静電容量が、発光層5の静電容量よりも高いことが好ましく、10倍以上であることがより好ましい。厚膜誘電体層4の静電容量と発光層5の静電容量との比率は、それぞれの層の「比誘電率/膜厚」どうしの比率に等しい。仮に、発光層5の材料として典型的な蛍光体であるZnS:Mnを選択した場合、比誘電率は8.3であり、膜厚を好ましい一例として0.5μmとすると、比誘電率/膜厚=16.6/μmとなる。この場合、厚膜誘電体層4の比誘電率/膜厚の値は、166/μm以上となることが好ましいので、厚膜誘電体層4の材料としてチタン酸バリウムを使用した場合、その比誘電率は2000であるから、厚膜誘電体層4の膜厚は12μm以下であることが好ましい。
厚膜誘電体層4を構成する誘電体粉体のメジアン粒径は、0.3μm以下であることが好ましい。メジアン粒径が0.3μmを超えると、厚膜誘電体層4の表面の凹凸が大きくなり過ぎ、厚膜誘電体層4上に発光層5やその他の層を形成する際に均一で欠陥のない層を形成するのに支障があるからであり、この意味では、誘電体粉体のメジアン粒径は、小さければ小さいほどよいことになる。しかし、誘電体粉体のメジアン粒径が小さくなると比誘電率が低下し、厚膜誘電体層4の静電容量が低下するので、この観点から、誘電体粉体のメジアン粒径は0.05μm以上であることが好ましい。本発明において、厚膜誘電体層4を形成する際に、誘電体粉体のペーストを焼成する温度は、誘電体粉体の溶融温度より低いので、誘電体粉末自体は、焼成の前後で基本的に変化せず、形成された厚膜誘電体層4中では、誘電体粉末どうしが固着しており、固着は、ペーストに微量配合される低融点ガラス等によって行なわれている。従って、誘電体粉体のメジアン粒径は、素材の状態でも、厚膜誘電体層4中に存在する場合でも、基本的には同じである。なお、誘電体粉末のメジアン粒径とは、光学的(もしくは顕微鏡的)観察により誘電体粉末の個々の粒径を求め、粒径に対する累積相対頻度を表す累積分布曲線を描いた際の累積相対頻度が50%のときの粒径(通常はD50と表示される。)を指すものであり、実際には、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製、「LA−910」)を用い、測定対象となる誘電体粉末を20000倍に希釈し、測定して得ることができる。
なお、焼成により形成された後の厚膜誘電体層4を構成する誘電体粉体のメジアン粒径を求める場合には、厚膜誘電体層4の断面を走査型顕微鏡で観察し、誘電体粉末の個々の粒径を求めれば、上記と同様にして得ることができる。
厚膜誘電体層4の表面の凹凸は、JIS B0601の規定による算術平均粗さRa等の表面粗さで規定することが考えられる。厚膜誘電体層4の表面の状態の良否を、発光層やその他の層を形成することなく把握できるようにすることは、厚膜誘電体層4を形成する工程の管理上、必要な事項である。しかし、算術平均粗さRaを求めようとすると、基板2と厚膜誘電体層4との間には第1電極層3Aが介在し、電極層の有無に基づく段差の影響が厚膜誘電体層4の表面に及んで、比較的大きなうねりを生じることがあり、このような場合には、凹凸の測定がうまく行なえないことがある。また、厚膜誘電体層4の形成をペーストを用いたスクリーン印刷を利用して行なうと、得られる厚膜誘電体層4の表面にスクリーンメッシュの跡が残ることがあり、やはり、凹凸の測定に悪影響を及ぼすことがある。
そこで、発明者は、前段落に記載したようなうねりがある場合に、うねりの影響を避けて測定が可能であり、しかも、実用上、表面粗さとの対応がとれる測定方法を種々検討したところ、厚膜誘電体層4の表面の光沢度、特にJIS Z 8741に準拠した方法で測定した60°鏡面光沢度を求めることが好ましく、60°鏡面光沢度が120(%)以上であれば、厚膜誘電体層4上に発光層やその他の層を形成しても、支障のないEL素子を構成することが可能であった。凹凸のピッチにくらべて十分大きなピッチのうねりがある場合、光沢度は、うねりの影響をあまり受けず、光沢度が高ければ、表面がより平滑であると言える。光沢度、好ましくは60°鏡面光沢度は高いほどよいが、厚膜誘電体層3Aを構成する誘電体粉体のメジアン粒径が0.05μm〜0.3μmであり、厚膜誘電体層3Aの厚みが2〜100μm程度であり、厚膜誘電体層3Aの形成を、誘電体粉体のペーストをスクリーン印刷等の厚膜の形成に適した方式で行ない、格別の平坦化の方策を講じない場合、120(%)未満である。なお、光沢度の測定は、上記のJISの規定に準拠し、光沢度計((株)堀場製作所製、「グロスチェッカーIG−331」)を使用して行なったものである。
また、厚膜誘電体層4を有し、厚膜誘電体層4上に種々の層を積層して完成したEL素子1における厚膜誘電体層4の上面の光沢度、好ましくは60°鏡面光沢度を測定するには、第2電極層3B、発光層5、必要に応じて積層された厚膜誘電体層4とは別の誘電体層を取り除く必要があるが、例えば、第2電極層3BがITOからなるときは、希塩酸 を用いて溶解除去し、発光層5がZnS:Mnからなるときは、濃硫酸(16規定)に0.5Mの二クロム酸カリウムを加えた混酸を用いて除去し、厚膜誘電体層4とは別の誘電体層については、フッ酸と硝酸の混酸(フッ酸:硝酸:水=1:1:40)で化学的に除去
するか、もしくは物理的な研磨方法によって除去することが好ましい。
ところで、表面の鏡面光沢度は、表面を構成する素材の屈折率にも依存するから、代表的な誘電体であるPMN等の場合には、60°鏡面光沢度が120(%)以上であることが好ましいものの、屈折率がかなり異なる素材の場合には、60°鏡面光沢度の好ましい値も異なることがあり、60°鏡面光沢度を測定して厚膜誘電体層の表面状態を管理する際に、120(%)以上と一律に決めることは必ずしも適当ではない場合が生じる。
発明者は、屈折率が60鏡面光沢度に与える影響を排除する方法を種々検討した結果、
通常の鏡面光沢度に加え、JIS Z 8741におけるフレネルの式等を用いて求める鏡面光沢度GS(θ)との比、即ち、通常の鏡面光沢度をGとするとき、G/GS(θ)を求め、G/GS(θ)>0.53の関係を有する場合には、そのような厚膜誘電体層4上に発光層やその他の層を形成しても、支障のないEL素子を構成することが可能であることが判明した。
ここで、フレネルの式とは、JIS Z 8741における式(4)および(5)を指し、具体的には次のようなものである。
Figure 0004508882
式(4)および(5)において、ρ(θ,λ)は分光鏡面反射率、θは入射角、n(λ)は屈折率、GS(θ)は鏡面光沢度、ρV(θ)は(視感)鏡面反射率、である。
一例として、平滑なPMN表面を想定し、n(λ)は波長によらず一定で、2.56とし、入射角θ=60°とすると、式(4)により、ρ(θ,λ)=0.2270であり、この値をρV(θ)として、また、ρ0(θ)を表より0.001として、式(5)の値を求めると、鏡面光沢度GS(θ)=227である。
即ち、理想的なPMNの表面の60°鏡面光沢度は227であるにもかかわらず、PMNの厚膜の表面には凹凸があるため、光の散乱によるロスがあり、実測した60°鏡面光沢度は120となるが、実測した60°鏡面光沢度Gの値を理想的なGS(θ)の値で除することにより、規格化を行なうことができ、屈折率の影響をなくすことが可能となる。上記の例において、G/GS(θ)=120/227=0.529であるから、0.53以上であればよいことになる。従って、厚膜誘電体層4の素材を変更する場合には、理想的なGS(θ)の値を計算で求めておき、G>0.53×GS(θ)、特許請求の範囲の表記に従えば、G>0.53×GFとなる値のGを基準に管理すればよい。
先に述べたように、厚膜誘電体層4の表面の凹凸を少なくする平滑化の目的では、誘電体粉体のメジアン粒径は小さい方がよいが、誘電体粉体のメジアン粒径が小さくなると厚膜誘電体層4の比誘電率も低下する。そこで、厚膜誘電体層4の表面の凹凸と比誘電率のバランスを取るには、厚膜誘電体層4を二層に分けることが好ましいが、必要に応じて三層以上にわけてもよい。
図2は、厚膜誘電体層を二層で構成したEL素子を示す図である。図2に示すように、EL素子1は、基板2上に、パターン状の第1電極層3A、厚膜誘電体層a(符号4a)、厚膜誘電体層b(符号4b)、発光層5、および第2電極層3Bの各層が順に積層された積層構造を有するものである。そして、基板2側の厚膜誘電体層a(符号4a)は、誘電体粉体として比較的メジアン粒径の大きいものを用いて構成されており、厚膜誘電体層b(符号4b)は、誘電体粉体として比較的メジアン粒径の小さいものを用いて構成されている。
具体的には、発光層5側の厚膜誘電体層b(符号4b)を構成する誘電体粉体のメジアン粒径をBとし、第1電極層3A側の厚膜誘電体層a(符号4a)を構成する誘電体粉体のメジアン粒径をAとすると、Bは、0.3μm以下であって、好ましくは0.05μm以上であり、AおよびBの関係は、好ましくはA>Bであり、より好ましくは、A=1.3B〜A=20.0Bであるから、具体的には、A=0.4μm〜1.0μmである。厚膜誘電体層a(符号4a)および厚膜誘電体層b(符号4b)の各層の厚みは、両層の合計の厚みが、一層の場合の厚みと同様の程度になるよう定めればよく、両層に求められる静電容量を目標として、厚膜誘電体層a(符号4a)および厚膜誘電体層b(符号4b)の各々の厚みを、用いる誘電体粉体のメジアン粒径も考慮して決めればよい。
厚膜誘電体層aの厚みは、厚膜誘電体層bの厚みにくらべて厚い方が好ましいが、同時に、厚膜誘電体層bの厚みは、その層による平滑化の効果も考慮しなければならない。なぜならば、厚膜誘電体層aと厚膜誘電体層bの両層の厚みの合計が同じであれば、厚膜誘電体層aの厚みの比率が大きいほど、より高い静電容量が得られるが、厚膜誘電体層bの厚みが薄くなりすぎると、平坦化の効果が得られなくなってしまうからである。この点で発明者が検討した結果では、厚膜誘電体層aの厚みは、厚膜誘電体層bの厚みの1.0〜3.0倍であることが好ましい。
二層からなる厚膜誘電体層の形成も、一層の場合と同様にして誘電体粉体のペーストを用い、スクリーン印刷等の厚膜の形成に適した方式によって、基板2上の第1電極層3上に適用し、適用後、焼成することによって行なえる。なお、焼成は各層毎に行なっても、二層を重ねて適用した後に一度に行なってもよい。
発光層5は、蛍光体材料の薄膜で構成される。例えば、赤色発光を得る材料として、ZnS、Mn/CdSSe等、緑色発光を得る材料として、ZnS:TbOF、ZnS:Tb、ZnS:Tb等、青色発光を得るための材料として、SrS:Ce、(SrS:Ce/ZnS)n、Ca2Ga24:Ce、Sr2Ga24:Ce等、または白色発光を得るものとして、SrS:Ce/ZnS:Mn等である。
発光層5の形成は、上記の蛍光体材料を用いて、蒸着もしくはスパッタリング、またはCVD法等により行なうことができる。発光層5の厚みは、100〜2000nmが好ましく、より好ましくは300〜1500nm程度である。
第2電極層3Bは、好ましくはITO(酸化インジウム錫)、SnO2、ZnO−Al等の酸化物導電性材料で構成する。これらの素材で構成した第2電極層は透明性を有するので、第2電極層側(図中の上側)から発光を観察するのに適している。
第2電極層3Bの形成は、上記の酸化物導電性材料を用いて、蒸着もしくはスパッタリングにより行なうことができ、第2電極層3Bの厚みは、50nm〜200nm程度である。
本発明のEL素子1は、基本的には、以上に説明した各層が積層された積層構造を有するものであるが、必要に応じて、他の層を追加するができ、また、各層を形成する際に、層形成の効果を向上させるため等の工程を追加することもできる。例えば、下記に示すように、厚膜誘電体層4上に平坦化層を積層する、厚膜誘電体層4形成の際に静水圧プレスを適用する、発光層の上層もしくは下層、または上下両層に薄膜誘電体層を積層する等である。
図3に示すように、厚膜誘電体層4の表面には、平坦化層6を積層してもよい。本発明のEL素子1においては、厚膜誘電体層4を構成する誘電体粉体のメジアン粒径を0.3μm以下ですることにより、厚膜誘電体層4の表面の凹凸を、実用上の支障の無い程度にすることが可能であるが、誘電体粉体のメジアン粒径が小さくなると比誘電率が低下し、厚膜誘電体層4の静電容量が低下するので、厚膜誘電体層4を形成するのみで、表面の凹凸を小さくするのには限度があるからである。
平坦化層6は、厚膜誘電体層4の表面の凹凸をならすことが可能なごく薄い層であることが好ましく、厚みは0.5μm〜2μm程度である。平坦化層6は、EL素子1を構成する上では誘電体層であることが好ましいので、この意味で平坦化層6は、厚膜誘電体層4を構成する素材として挙げたものと同様の誘電体で構成されることが好ましい。また、平坦化層6の形成には、下層の厚膜誘電体層4の表面の凹凸をならすことを可能にするため、ゾルゲル法もしくはMOD(Metal organic deposition)法等の塗布液体を用いて行なうことが好ましい。
厚膜誘電体層4の平坦化を図る目的で、厚膜誘電体層4の形成の際に、焼成に先立って、静水圧プレスを行なってもよい。静水圧プレスの条件としては、50,000〜600,000Paが好ましく、より好ましくは100,000〜400,000Paである。静水圧プレスは、必要に応じて加熱を伴なってもよい。厚膜誘電体層4を形成する際の誘電体粉末のペーストが樹脂を含有する場合には、その樹脂のガラス転移温度(Tg)以上、300℃以下で加熱することが好ましく、より好ましくは60℃〜150℃で、もっと好ましくは70℃〜120℃程度である。静水圧プレスの圧力伝達流体(好ましくは水である。)と、プレス対象物とが直接に接触するのを避けるためには、プレス対象物を真空包装しておくことが好ましく、さらに必要であれば、プレス対象物と真空包装するのに用いる包装材とが接着するのを防止するために、剥離性フィルムを介在させてもよい。
図3に示すように、発光層5の上下には、発光層5に接して薄膜誘電体層A(符号7A)およびB(符号7B)を積層してもよい。あるいは、図示しないが、薄膜誘電体層A(符号7A)もしくはB(符号7B)のいずれか一方を積層してもよい。厚膜誘電体層4側に薄膜誘電体層A(符号7A)を設ければ、発光層5と誘電体層との間の界面の電子状態を調節し発光層5への電子注入を安定化、効率化することができる。また、発光層5の上下両面に薄膜誘電体層A(符号7A)およびB(符号7B)を設ければ、発光層5の両面における電子状態が、対称的になるため、交流駆動時の発光特性の正負対称性を改善することができる。
薄膜誘電体層A(符号7A)およびB(符号7B)の素材としては、例えば酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(SiN)、酸化タンタル(Ta25)、酸化イットリウム(Y23)、ジルコニア(ZrO2)、シリコンオキシナイトライド(SiON)、アルミナ(Al23)、BaTa26、SrTiO3、チタン酸バリウム(BaTiO3 )等を用いることができる。また、薄膜誘電体層A(符号7A)およびB(符号7B)の形成方法としては、スパッタ法、蒸着法、CVD法等を用いることができる。これらの薄膜誘電体層A(符号7A)およびB(符号7B)は、厚膜誘電体層4のように絶縁耐圧を保持する機能を考慮する必要はないため、厚みは小さくてよく、好ましくは10〜1000nmであり、より好ましくは20〜200nmである。
第2電極層3Bは、所定のストライプ状等のパターン状に形成され、例えば、EL素子1の表示様式を単純マトリクスタイプとする場合、第1電極層3Aのストライプ状のパターンと直交するストライプ状のパターンを有するように形成される。第2電極層3Bは、発光層5からの発光を透過させる必要があるために、透明電極であることが好ましく、具体的には、ITOやSnO2(ネサ膜)、ZnO−Al等の酸化物導電性材料等で構成することができる。第2電極層3Bの形成方法としては、蒸着法、スパッタ法、CVD法等を用いることができ、厚みは0.2〜1μm程度である。
プラズマディスプレイ用のガラス基板(旭硝子(株)製、PD200)を基板として準備し、ガラス基板上に、金ペーストを用いたスクリーン印刷法により印刷を行ない、ピーク温度:650℃で焼成を行なって、膜厚2.0μmの金電極層を形成した。
誘電体としてPMNを準備し、これを粉砕してメジアン粒径の異なる3種類のPMN粉体を準備して下記の配合により調製し、3種類のPMNペーストT−1、T−2、およびT−3を調製した。ペーストT−1、T−2、およびT−3の各々には、この順にD50が0.7μm、0.4μm、および0.3μmであるPMN粉体を、それぞれ単独で用いた。
(ペースト配合)
・PMN粉末………………………………………………………………………60質量部
・添加剤(分散剤、可塑剤、およびバインダー樹脂)…………………………6質量部
・溶剤(ターピネオール)………………………………………………………34質量部
金電極層が形成されたガラス基板の金電極層のある側の表面上を、得られた各ペーストのそれぞれを用い、アプリケーターを塗布ギャップ:3mil(約0.076mm)、速度:1cm/秒の条件で移動させて、塗布を行ない、塗布した後、150℃に加熱したオーブン中で20分間乾燥させ、ポリエチレンフィルムをベースとするフィルムを用いて、全体を真空包装し、圧力:2000kgf/cm2で10分間静水圧プレスし、その後、ピーク温度:650℃で焼成を行なって、厚膜誘電体層を形成した。
以上のように、メジアン粒径の異なるPMN粉体を用いて調製された各PMNペースを用いて作成された試料の厚膜誘電体層の焼成後の膜厚、および焼成後の光沢度を測定した。
膜厚は膜厚計(アルバック(株)製、触針式表面形状測定器、品番:DEKTAK SPD−650)を用いて測定し、光沢度については、光沢度計((株)堀場製作所製、「グロスチェッカーIG−331」)を用い、60°鏡面光沢度を測定した。
上記の試料の厚膜誘電体層上に、PZT前駆体溶液をスピンコーティング法により適用し、ピーク温度:650℃で焼成を行なって、厚みが1.0μmの平坦化層を形成した後、さらに平坦化層上に、対向電極として、Crの薄膜をスパッタリング法により成膜したものを対象にして、LCRメーターにて厚膜誘電体層の静電容量を測定し、静電容量から比誘電率を計算して求めた。
こうして得られた結果を、前段落における測定結果と共に、「表1」に示す。
Figure 0004508882
また、上記において、平坦化層を形成した段階で、平坦化層の表面の状態を光学顕微鏡および走査型電子顕微鏡で観察した。さらに、光学顕微鏡にCCDカメラを装着して0.1mm2の領域の観察画像を取り込んだ後、画像処理によって暗いコントラストを示す点の(空孔である。)数を算出した。1つの試料に対して任意の10箇所で点の数を測定し、その平均を取った。また、走査型電子顕微鏡で点の大きさを観察した結果を「表2」に示す。
Figure 0004508882
誘電体としてD50が0.15μmのPMNを準備して調製したペーストT−4、およびD50が0.05μmのBaTiO3を用いて調製したT−5を用い、厚膜誘電体層の形成の際の塗布をスクリーン印刷法により行なったこと、並びに塗布および乾燥を2回繰り返して行なった以外は、実施例1におけるのと同様に行ない、実施例1におけるのと同様にして、各項目について測定を行なった結果を「表3」および「表4」に示す。誘電体粉体のメジアン粒径が小さくなっているので、点(空孔)の数が著しく減少していることが判る。
Figure 0004508882
Figure 0004508882
ペーストT−1、T−2、T−3、およびT−4のうちから異なる2種類を選択し、用いるペーストの異なるスクリーン印刷を2回行なった以外は、実施例2におけるのと同様に行ない、実施例1におけるのと同様にして、各項目について測定を行なった結果を「表5」および「表6」に示す。2回目の塗布をD50の小さいペーストを用いて行なったた場合、点(空孔)の数が著しく減少していることが判る。
Figure 0004508882
Figure 0004508882
さらに、上記の試料の断面(図1等に表現されるのと同様な断面)を、走査型電子顕微鏡を用い、5000倍で観察したところ、厚膜誘電体層における誘電体粉体は、溶融して一様な膜を形成したものではなく、比較的粗い粒子が密に配置して構成された1層目と、比較的細かい粒子が密に配置して構成された2層目とが、ほぼ明瞭に分かれて存在している様子が確認できた。また、GaイオンによるFIB(Focused Ion Beam)で試料を表面から掘り込み、その断面を観察した場合でも同様に、1層目と2層目の積層構造が確認できた。
また、上記の1〜10において、厚膜誘電体層まで形成した段階のものの各々の厚膜誘電体層上に、発光層、絶縁体層、および上部電極層を順に形成して、EL素子を形成した。発光層の形成は200℃に加熱した状態でMnをドープしたZnSを蒸着源として用い、ZnS:Mnの薄膜の厚みが0.8μm となるよう真空蒸着法により行ない、その後、真空中にて温度:600℃で10分間熱処理することにより行なった。絶縁体層としては、厚みが0.1μmのSi34 の薄膜を、また、上部電極層としては、厚みが0.2μmのITO薄膜を、いずれもスパッタリング法により形成した。なお、ITO薄膜は、リフトオフ現像を用いることにより、ストライプパターン状に形成した。
得られた各EL素子の金電極層とITO薄膜との間に電圧を印加し、発光状態を観察したところ、いずれにおいても、実用上十分な発光輝度が得られ、また、発光の不均一さ、特に低輝度時に輝点が目立つ欠点がほとんど生じない優れたものであった。
本発明のEL素子の基本的な積層構造を示す図である。 厚膜誘電体層を2層としたEL素子の積層構造を示す図である。 本発明の一実施例のEL素子の積層構造を示す図である。
符号の説明
1……EL素子
2……基板
3……電極層(3A;第1電極層、3B;第2電極層)
4……厚膜誘電体層
5……発光層
6……平坦化層
7……薄膜誘電体層

Claims (5)

  1. 基板上に、少なくとも第1電極層、厚膜誘電体層、発光層、および第2電極層の各層が順に積層されており、
    前記厚膜誘電体層は誘電体粉体どうしが固着して構成されたものであって、
    前記厚膜誘電体層が前記発光層側の層および前記第1電極層側の層の2層で構成されており、
    前記発光層側の層を構成する前記誘電体粉体のメジアン粒径Bが0.3μm以下であり、
    前記メジアン粒径Bと前記第1電極層側の層を構成する前記誘電体粉体のメジアン粒径AとがA>Bの関係を満たすことを特徴とするエレクトロルミネセンス素子。
  2. 前記メジアン粒径Bが、0.3μm以下、かつ0.05μm以上であることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロルミネセンス素子。
  3. 前記メジアン粒径Aが、0.4μm〜1.0μmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレクトロルミネセンス素子。
  4. 前記第1電極層側の層の厚みが、前記発光層側の層の厚みの1.0〜3.0倍であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のエレクトロルミネセンス素子。
  5. 前記厚膜誘電体層の前記発光層側の面の光沢度Gが以下の関係式(1)を満たすことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のエレクトロルミネセンス素子。
    G/GF>0.53 (1)
    式(1)中、GF式(4)および(5)を用いて求められる鏡面光沢度S(θ)である
    Figure 0004508882
    ここで、ρ(θ,λ)は分光鏡面反射率、θは入射角、n(λ)は屈折率、G S (θ)は鏡面光沢度、ρ V (θ)は(視感)鏡面反射率である。
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