JP2004356024A - 複合基板とel素子の製造方法、および複合基板とel素子の製造装置 - Google Patents
複合基板とel素子の製造方法、および複合基板とel素子の製造装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】電気絶縁性を有する基板11の一方の側に第1の電極層12を形成する第1の工程と、前記第1の電極層12上に粉体又は粒体上のセラミックス材料を用いた厚膜グリーンを形成し、この厚膜グリーンを焼成して厚膜絶縁体層13を形成する第2の工程と、前記厚膜絶縁体層の多数の凹凸を有する表面に、摩擦ヘッドを摺り合わせることで、前記凹凸を有する表面の構成材料により凹部内が充填されるか、あるいは前記凹部の内面の少なくとも一部が覆われる第3の工程とを有する複合基板の製造方法およびこの方法に使用される製造装置とした。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘電体と電極を有する複合基板の製造方法、この製造方法により得られた複合基板を用いたエレクトロルミネッセンス素子(EL素子)の製造方法、複合基板、EL素子の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電界の印加によって物質が発光する現象をエレクトロルミネセンス(EL)といい、この現象を用いた素子は液晶ディスプレイ(LCD)や時計のバックライトとして実用化されている。
【0003】
EL素子には粉末蛍光体を有機物やホウロウに分散させ、上下に電極を設けた構造をもつ分散型素子と、電気絶縁性の基板上に2つの電極と2つの薄膜絶縁体の間に挟む形で形成した薄膜蛍光体を用いた薄膜型の素子がある。また、それぞれについて、駆動方式により直流電圧駆動型、交流電圧駆動型がある。分散型EL素子は古くから知られており、製造が容易であるという利点があるが、輝度が低く寿命も短いのでその利用は限られていた。一方、薄膜型EL素子は高輝度、長寿命という特性を有することから、近年広く利用されている。
【0004】
従来の薄膜EL素子は、液晶ディスプレイやPDP等に用いられている青板ガラスなどの透明基板上に膜厚0.2μm〜1μm程度のITOなどからなり所定のストライプ状のパターンを有する透明電極層、薄膜透明第1絶縁体層、0.2μm〜1μm程度の膜厚の発光層、薄膜透明第2絶縁体層とが積層され、さらに透明電極層と直交するようにストライプ状にパターニングされたAl薄膜等の電極層が形成され、透明電極層と電極層で構成されるマトリックスで選択された特定の発光体に電圧を選択的に印加することにより特定画素の発光体を発光させ、その発光を基板側から取り出す。このような薄膜絶縁体層は発光層内を流れる電流を制限する機能を有し薄膜EL素子の絶縁破壊を抑えることが可能であり安定な発光特性が得られることに寄与し、この構造の薄膜EL素子は商業的にも広く実用化されている。
【0005】
しかしながら、このような薄膜EL素子は、絶縁体層が薄膜で形成されているため、大面積のディスプレイとしたとき、透明電極のパターンエッジの段差部や、製造工程で発生するゴミ等による薄膜絶縁体の欠陥を皆無にすることが難しく、局所的な絶縁耐圧の低下により発光層の破壊が生じるという構造上の問題があった。このような欠陥は、ディスプレイデバイスとして致命的な問題となる。特に、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイと比較した場合、大面積のディスプレイとして広く実用化する上で大きな問題となっていた。
【0006】
このような薄膜絶縁体の欠陥が生じるという問題を解決するため、下記特許文献5(特公平7−44072公報)に基板として電気絶縁性のセラミック基板を用い、発光体下部の薄膜絶縁体のかわりに、印刷・塗布などを用いた厚膜法にて厚膜誘電体を形成したEL素子が開示されている。このEL素子は従来の薄膜EL素子の構造とは異なり、発光体の発光を基板とは反対の上部側から取り出すため、透明電極層は上部に構成されている。
【0007】
このEL素子では厚膜絶縁体層は数10μm 〜数100μm と薄膜絶縁体層の数100〜数1000倍の厚さに形成される。そのため、電極の段差や製造工程のゴミ等によって形成されるピンホールに起因する絶縁破壊が非常に少なく、高い信頼性と製造時の高い歩留まりを得ることができるという利点を有している。また、この厚膜絶縁体層を用いることによって発光層に印加される実効電圧が降下する問題を生じるが、例えば前記特許文献5では鉛を含む複合ペロブスカイト高誘電率材料を厚膜絶縁体層に用いることによりこの問題を改善している。
【0008】
このように、セラミックス高誘電率誘電体厚膜を用いることにより、下部電極層のパターンエッジの段差部や、製造工程で発生するゴミ等による薄膜絶縁体の欠陥を回避し、局所的な絶縁耐圧の低下により発光層の破壊が生じるといった問題を解決することができる。
【0009】
しかしながら、厚膜絶縁体層上に形成される発光層は数100nmと厚膜絶縁体層の1/100程度の厚さしか有していない。このため、厚膜絶縁体層は、その表面が発光層の厚み以下のレベルで平滑でなければならないが、通常の厚膜工程で作製された誘電体表面を十分平滑にすることは困難であった。
【0010】
すなわち、厚膜絶縁体層は本質的に粉体原料を用いたセラミックスで構成されるため、緻密に焼結させるためには通常30〜40%程度の体積収縮を生じる。通常のセラミックスが焼結時に3次元的に体積収縮して緻密化するのに対し、基板上に形成された厚膜セラミックスの場合、厚膜は基板に拘束されているため、基板の面内方向には収縮できず、厚さ方向に1次元的にしか体積収縮できない。このため厚膜絶縁体層の焼結は不十分なまま本質的に多孔質体となってしまう。さらに厚膜の表面粗さは、多結晶焼結体の結晶粒サイズ以下にはならないため、その表面はサブミクロンサイズ以上の凹凸形状になる。
【0011】
このように厚膜絶縁体層の表面の欠陥、あるいは膜質が多孔質であることや凹凸形状であると、その上に蒸着法やスパッタリング法で形成される発光層が表面形状に追随して均一に形成する事が出来ない。このため、このような基板の非平坦部に形成された発光層部には効果的に電界を印加できないために、有効発光面積が減少することや、膜厚の局所的な不均一性から発光層が部分的に絶縁破壊して発光輝度の低下を生じ、信頼性の上でも問題があった。さらに、膜厚が局所的に大きく変動するため、発光層に印加される電界強度が局所的に大きくばらつき、明確な発光電圧しきい値が得られないという問題があった。
【0012】
このような問題を解決するために、下記特許文献4(特開平7−50197公報)では、ニオブ酸鉛からなる厚膜誘電体表面にゾル−ゲル法によって形成されるチタン酸ジルコン酸鉛等の高誘電率層を積層し表面の平坦性を改善する事が開示されている。
【0013】
しかしながら、前記のゾル−ゲル法を用いても簡便に十分な表面の平坦化処理を行うことが困難な場合がある。例えば、下地の凹凸や低密度(ポアが多い)などの原因により、ゾル−ゲル液が凹部やポア部に染み込み、所望の層を形成させるには、複数回の塗布を要し、工程数の増加によってコストアップにつながる。またゾル−ゲル法にて1μmを超えるような膜厚で層を形成しようとすると、通常、応力の関係からクラックが生じてしまう。逆に応力に耐えるように膜自体をポアにする方法もあるが、それでは平坦化およびバリア層の効果が得られない。
【0014】
厚膜絶縁体層焼成前に平坦化を達成する目的の技術も開示されおり、厚膜絶縁体層焼成前に金型プレスあるいは加圧ロール処理することが特開2001−250677号公報に、厚膜絶縁体層焼成前に温間静水圧プレス処理することが特開2002−063987号公報に、厚膜絶縁体層焼成前にラビング処理することが特開2002−280173号公報に記載されている。
【0015】
しかし、誘電体焼成後に行う機械的研磨では、研磨砥粒ペーストによる汚染の問題を解決するのは困難である。また、下記特許文献6(特開昭64−63292号公報)には、誘電体表面をスパッタエッチング法、サンドブラスト法で処理する手法が記載されている。しかし、スパッタエッチング法に関しては、真空装置使用によるタクト時間の増加など製造工程的に不利である。サンドブラスト法に関しては、厚膜絶縁体層静電破壊の問題を解決しなければならない。さらに誘電体焼成前に各種表面平坦化処理を施す方法は、数10μm以上の大きなうねりを軽減する効果は認められるが、焼成によりバインダー樹脂成分が抜けることで発生するポアに関しては効果が得られない。
【0016】
結局、厚膜絶縁体層焼成後の処理は行わずに、ゾル−ゲル液を使用して複数回塗布・焼成を繰り返し行って所望の表面性を実現させているのが現状である。つまり工程数も多く、コスト的にも不利なため、より簡便な方法で良好な厚膜絶縁体層表面が得られる方法が望まれていた。
【0017】
【特許文献1】
特開2001−250677号公報
【特許文献2】
特開2002−063987号公報
【特許文献3】
特開2002−280173号公報
【特許文献4】
特開平7−50197公報
【特許文献5】
特公平7−44072号公報
【特許文献6】
特開昭64−63292号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、発光特性の異常、発光輝度の低下、耐圧欠陥の発生を防止した複合基板とEL素子の製造方法、EL素子の製造装置を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
すなわち上記目的は、以下の本発明の構成により達成される。
(1) 電気絶縁性を有する基板の一方の側に第1の電極層を形成する第1の工程と、
前記第1の電極層上に粉体または粒体状のセラミックス材料を用いた厚膜グリーンを形成し、この厚膜グリーンを焼成して厚膜絶縁体層を形成する第2の工程と、
前記厚膜絶縁体層の多数の凹凸を有する表面に、摩擦ヘッドを摺り合わせることで、前記凹凸を有する表面の構成材料により凹部内が充填されるか、あるいは前記凹部の内面の少なくとも一部が覆われる第3の工程と、
を有する複合基板の製造方法。
(2) 前記摩擦ヘッドが、砥粒を含まない面を有する上記(1)の複合基板の製造方法。
(3) 前記摩擦ヘッドが、前記基板と平行な平面を有する上記(1)または(2)の複合基板の製造方法。
(4) 上記(1)〜(3)のいずれかの方法で複合基板を形成し、
さらに前記厚膜絶縁体層上に発光層を形成する第4の工程と、
前記発光層上に第2の電極層を形成する第5の工程と、
を有するEL素子の製造方法。
(5) 電気絶縁性を有する基板の一方の側に第1の電極層が形成され、前記第1の電極層上に粉体または粒体状のセラミックス材料を用いた厚膜グリーンを焼成した厚膜絶縁体層が形成されている複合基板の製造装置であって、
前記厚膜絶縁体層の多数の凹凸を有する表面に、摩擦ヘッドを摺り合わせて前記凹凸を有する表面の構成材料により凹部内を充填させるか、あるいは前記凹部の内面の少なくとも一部が覆われるように平坦化する複合基板の製造装置。
(6) 前記摩擦ヘッドが、砥粒を含まない面を有する上記(5)の複合基板の製造装置。
(7) 前記摩擦ヘッドが、前記基板と平行な平面を有する上記(5)または(6)の複合基板の製造装置。
(8) 上記(5)〜(7)の複合基板上にはさらに発光層および第2の電極が形成されるEL素子の製造装置。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の方法により製造される複合基板、これを用いたEL素子の基本構成例を示す。本発明の方法により製造される複合基板は、電気絶縁性を有する基板11上に、所定のパターンを有する第一の電極(下部電極)層12と、その上に厚膜法で形成された厚膜絶縁体層(誘電体層)13とを有する。また、このような複合基板を有するEL素子は、前記厚膜絶縁体13上にゾルゲル平坦化層14、薄膜絶縁体層15、発光層16、薄膜絶縁層17、第二の電極層である透明電極18を有している。
【0021】
このうち、ゾルゲル平坦化層14、薄膜絶縁体層15、薄膜絶縁体層17は省略してもよいが、これらの層を備えることが好ましい。
【0022】
下部電極層12と上部透明電極層18はそれぞれストライプ状に形成され、互いに直交する方向に配置される。この下部電極層と上部透明電極層をそれぞれ選択し、両電極の直交部の発光層に選択的に電圧を印加することによって特定画素の発光を得ることが可能である。
【0023】
基板は電気絶縁性を有しその上に形成される下部電極層、厚膜絶縁体層を汚染することなく、所定の耐熱強度を維持できるもので有れば特に限定されるものではない。
【0024】
具体的な材料としては、アルミナ(Al2O3)、石英ガラス(SiO2)、マグネシア(MgO)、フォルステライト(2MgO・SiO2)、ステアタイト(MgO・SiO2)、ムライト(3Al2O3・2SiO2)、ベリリア(BeO)、ジルコニア(ZrO2)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化シリコン(SiN)、炭化シリコン(SiC)等のセラミック基板や結晶化ガラスや、高耐熱ガラス等を用いてもよく、またホウロウ処理を行った金属基板等も使用可能である。
【0025】
これらのなかでも特にアルミナ基板が好ましく、熱伝導性が必要な場合にはベリリア、窒化アルミニウム、炭化シリコン等が好ましい。基板材料として厚膜絶縁体層と同じ組成物を用いた場合、熱膨張の違いによる反り、剥がれ現象等を生じないので好ましい。
【0026】
第1の電極である下部電極層は、複数のストライプ状のパターンを有するように形成され、その線幅が1画素の幅となりライン間のスペースは非発光領域となるため、極力ライン間のスペースを小さくしておくことが好ましく、目的とするディスプレイの解像度にもよるが、例えば線幅200〜500μm、スペース20μm程度が必要である。
【0027】
下部電極層の材料としては、高い導電性が得られ、かつ厚膜絶縁体層形成時にダメージを受けず、さらに厚膜絶縁体層や発光層と反応性が低い材料が好ましい。このような下部電極層材料としては、Au、Pt、Pd、Ir、Ag等の貴金属や、Au−Pd、Au−Pt、Ag−Pd,Ag−Pt等の貴金属合金や、Ag−Pd−Cu等の貴金属を主成分とし非金属元素を添加した電極材料が厚膜絶縁体層焼成時の酸化雰囲気に対する耐酸化性が容易に得られるため好ましい。また、ITOやSnO2(ネサ膜)、ZnO−Al等の酸化物導電性材料を用いてもよく、あるいは、Ni,Cu等の卑金属を用い、厚膜絶縁体層を焼成するときの酸素分圧をこれらの非金属が酸化されない範囲に設定して用いることもできる。
【0028】
下部電極層は、通常の厚膜法により製造することができる。前述のようなAl2O3 や結晶化ガラスなどの電気絶縁性を有するセラミック基板上に、PdやAg/Pdのような導体粉末にバインダーや溶媒を混合して作製された電極ペーストを、スクリーン印刷法等によりストライプ状のパターンに印刷する。
【0029】
この電極層を、例えばベルト炉にて大気中で800〜900℃(850℃)、10〜20分(15分)程度焼成することにより、電極層が形成される。
【0030】
なお下部電極層の形成方法としては、スクリーン印刷法で直接パターンに印刷せず、全面に形成し、焼成後、通常のフォトリソグラフィーの手法を用いてエッチングで形成してもよい。また、電極層の形成方法として、印刷法に限る必要はなく、スパッタ法、蒸着法、めっき法等の公知の技術を用いればよい。
【0031】
次いで、その上に厚膜絶縁体層を形成する。具体的には、粉末状の誘電体材料に、必要によりバインダーと溶媒を混合して作製された厚膜ペーストをスクリーン印刷法により印刷し、厚膜グリーン層を形成する。あるいは、厚膜ペーストをキャスティング成膜することによりグリーンシートを形成し、これを電極上に積層してもよい。
【0032】
以上のようにして形成された厚膜グリーン層を、所定の時間と温度で乾燥後、表面を処理して平坦・緻密化する。
【0033】
厚膜絶縁体層は、所定の絶縁性を有していればよいが、望ましくは高誘電率でかつ高耐圧であることが必要であり、さらに基板の耐熱性を考慮して低温焼成可能な物質であることが要求される。
【0034】
厚膜絶縁体層を構成する材料としては、特に限定されるものではなく、種々の厚膜用絶縁材料を用いることができ、特に誘電体材料を用いるとよい。例えば高誘電率系誘電体材料である、ペロブスカイト系強誘電体材料、すなわちチタン酸系複合酸化物(BaTiO3 ,PZT等)や、複合ペロブスカイト型リラクサー強誘電体(PMN,PWN,PFW等)、やタングステンブロンズ系強誘電体材料(PBN,SBN)等や、これらの複合材料が、高誘電率が得られるため、特にEL素子への応用に適している。
【0035】
厚膜ペーストの有機バインダーとしては、特に限定されるものではなく、セラミックス材のバインダーとして一般的に使用されているものの中から、適宜選択して使用すればよい。このような有機バインダーとしては、エチルセルロース、アクリル樹脂、ブチラール樹脂等が挙げられ、溶剤としては、α−ターピネオール、ブチルカルビトール、ケロシン等が挙げられる。ペースト中の有機バインダーおよび溶剤の含有量は、特に限定されるものではなく、通常使用されている量、例えば有機バインダー1〜5質量%、溶剤10〜50質量%程度とすればよい。
【0036】
さらに、厚膜ペースト中には、必要に応じて各種分散材、可塑剤、絶縁体等の添加物が含有されていてもよい。
【0037】
厚膜絶縁体層の抵抗率としては、108 Ω・cm以上、特に1010 〜1018 Ω・cm程度である。
【0038】
また、比較的高い誘電率を有する物質であることが好ましく、その誘電率εとしては、好ましくはε=100〜10000程度である。膜厚としては、100μm 以下、特に5〜50μm が好ましく、さらには10〜40μm が好ましい。
【0039】
本発明では、誘電体焼成前にその表面を平坦・緻密化処理することが好ましい。誘電体焼成前の平坦・緻密化処理(以下予備平坦化処理と称する)は、スクリーン印刷などによる網目のうねりを緩和し、焼結密度を高める為に行われる。この予備平坦化処理は、特開2001−250677号公報に記載されているような機械的な金型プレスなども使用できるが、凹凸のある基板にも均一に加圧できる特開2002−063987号公報等に記載されているような温間静水圧プレス方法が好ましい。予備平坦化処理は、必要に応じて行っても行わなくてもよいが、上記の理由から複合基板、EL素子の性能向上の面からは行うことが望ましい。
【0040】
次に、厚膜グリーン層を焼成し、厚膜絶縁体層を形成する。
【0041】
厚膜グリーン層の焼成条件は、その材料およびバインダーの種類に応じて適量決定すればよいが、通常、脱バインダー処理として、酸化性雰囲気中で350〜500℃にて5分〜10時間程度、脱バインダー処理後の焼成条件として650〜1200℃程度である。焼成温度が前記範囲未満であると、緻密化が不十分であり、前記範囲を超えると、電極層や基板との反応が起こりやすくなる。また、焼成時の温度保持時間は5分から1時間程度が好ましい。
【0042】
図2に未処理の厚膜絶縁体層表面SEM写真を、図3に本発明の平坦化処理を行った厚膜絶縁体層表面SEM写真を示す。この処理によって、厚膜絶縁体層表面の凹凸の凸部構成材料が凹部に移動するように、換言すれば凸凹やポア等が押し潰されるように埋まり、シーリング性が向上する。
【0043】
本発明の平坦化処理とは、一般に金属部品の仕上げ研磨等に用いるバフ研磨に近似した手法を用いることが望ましい。部材としては特に限定されるものではないが、例えばフェルト、綿布、フィルム等を円筒や円盤状に成形した部材を高速回転させ、厚膜絶縁体層上に所定の圧力で接触させながら処理すればよい。また、このとき部材は研磨剤を含まないことが好ましい。
【0044】
処理条件としては、用いる部材の種類にもよるが、例えばフェルト、不織布、綿布、クロス等を円盤状や円筒状に成形したバフ部材を用いる場合、押圧時の圧力:0.1〜1kg/cm2 、線速度:1〜50m/sec 程度である。なお、バフ部材の大きさとしては、円筒状に成形したもので、直径1〜30cm程度が取り扱い上の面から好ましい。
【0045】
この処理は、厚膜絶縁体層表面の凹凸やポアの消滅・平坦化を目的とし行われるものであり、その平均膜厚を変化させない程度に処理することが好ましい。すなわち、研削するのではなく、凸部を滑らかにさせる程度とすればよい。
【0046】
ここで、本発明方法に用いられる複合基板、EL素子の製造装置について一例を示して説明する。図4は、本発明装置の第1の態様を示した外観斜視図である。この例では、円筒状の摩擦ヘッド21の端面、つまり円盤状の面を用いて処理を行う装置を示している。この端面は、被加工面となる基板に対して平行となるように配置されている。また、この摩擦ヘッドの少なくとも基板と接触する面には砥粒等の研磨剤は含まない。
【0047】
図4において、x−y方向に移動可能なx−yテーブル20上に複合基板10が固定されている。この複合基板10の表面には、回転可能な支持軸22に支持された摩擦ヘッド21が矢印c方向に回転しながら押圧される。このため、摩擦ヘッド21と凹凸を有する基板表面とが摺り合わされ、複合基板10表面の凹凸は押しつぶされるようにして平坦化される。なお、支持軸22は図示しない回転機構に接続され、摩擦ヘッド21を所定の回転数で回転させるとともに、基板10に対して一定の圧力で押圧できるようになっている。また、必要に応じて摩擦ヘッド自体が基板に対してx−y方向に自在に移動できるようにしてもよい。
【0048】
平坦化処理に当たっては基板面を均一に平坦化処理できるように、x−yテーブルが駆動されるが、上記のように摩擦ヘッド21を移動させてもよいし、両者を相互に移動させるようにしてもよい。
【0049】
図5は本発明装置の第2の態様を示した概略側面図である。この例では、円筒状の摩擦ヘッド21の周面を用いて処理を行う装置を示している。また、この摩擦ヘッドの少なくとも基板と接触する面には砥粒等の研磨剤は含まない。
【0050】
図5において、y方向に移動可能なテーブル20a上に複合基板10が固定されている。この複合基板10の表面には、外枠24に支持された摩擦ヘッド21が矢印c方向に回転しながら押圧される。この場合も、摩擦ヘッドの周面と基板表面とが摺り合わされ、複合基板10表面の凹凸は押しつぶされるようにして平坦化される。
【0051】
なお、外枠24は支持軸22を介して駆動装置23に固定されていて、図示しない動力伝達装置により、摩擦ヘッド21を所定の回転数で回転させるとともに、基板10に対して一定の圧力で押圧できるようになっている。また、図示例では摩擦ヘッド21の幅は、基板10の幅と略同一であるため、テーブル20はy方向の移動のみ行えばよいようになっているが、摩擦ヘッド21の幅を小さくして、テーブルをx−y方向に移動させてもよい。また、矢印dで示すようように、支持軸22を左右に回動させることで、平坦化ムラを少なくすることもできる。
【0052】
これらの装置は平坦化処理を行うための機構の一例を示したにすぎず、上記方法を実現可能なものであれば図示例の構造に規制されるものではない。
【0053】
処理後の洗浄等は、研磨砥粒ペースト等を使用していないので、ワイプ材等でふき取る程度で良い。または、空気等のガスを吹き付けて行う乾式洗浄であっても、純水超音波洗浄などの湿式洗浄を施しても良い。
【0054】
その後、さらにゾルゲル法によりPZT等の誘電体を溶液塗布焼成法により形成し、表面を平坦化させるとさらに効果的である。この場合、通常のゾルゲル法により平坦化してもよいが、プロパンジオールなどのジオール類(OC(CH2)nOH)の溶媒中に金属化合物を溶解させることにより作製されるものが好ましい。金属化合物原料として、金属アルコキシドがゾルゲル溶液作製にはよく用いられるが、金属アルコキシドは加水分解しやすいので、高密度溶液を作製する場合、原料の析出沈殿や溶液の同化を防ぐためにアセチルアセトネート化合物およびその誘導体を用いるのが好ましい。
【0055】
ゾルゲル平坦化層の膜厚としては、0.1〜5μm 、特に0.5μm 以上が好ましい。
【0056】
本発明の複合基板は、その上に発光層、他の絶縁層、他の電極層(第二の電極層)等の機能性膜を形成することにより、EL素子とすることができる。特に本発明の複合基板の厚膜絶縁体層に高誘電率材料を用いることで、良好な特性のEL素子を得ることができる。本発明の複合基板は焼結材料であるため、機能性膜である発光層を形成した後に加熱処理を行うようなEL素子にも適している。
【0057】
発光層の材料としては、例えば、月刊ディスプレイ ’98 4月号 最近のディスプレイの技術動向 田中省作 p1〜10に記載されているような材料を挙げることができる。具体的には、赤色発光を得る材料として、ZnS、Mn/CdSSe等、緑色発光を得る材料として、ZnS:TbOF、ZnS:Tb等、青色発光を得るための材料として、SrS:Ce、(SrS:Ce/ZnS)n、Ca2Ga2S4:Ce、Sr2Ga2S4:Ce等を挙げることができる。
【0058】
また、白色発光を得るものとして、SrS:Ce/ZnS:Mn等が知られている。
【0059】
なお、上記したEL素子は単一発光層のみを有するように説明しているが、本発明のEL素子は、このような構成に限定されるものではなく、膜厚方向に発光層を複数積層してもよいし、マトリックス状にそれぞれ種類の異なる発光層(画素)を組み合わせて平面的に配置するような構成としてもよい。
【0060】
これらのなかでも、上記IDW(International Display Workshop)’97 X.Wu ”Multicolor Thin−Film Ceramic Hybrid EL Displays” p593 to 596 で検討されている、SrS:Ceの青色発光層を有するELに本発明を適用することにより特に好ましい結果を得ることができる。
【0061】
発光層の膜厚としては、特に制限されるものではないが、厚すぎると駆動電圧が上昇し、薄すぎると発光効率が低下する。具体的には、蛍光材料にもよるが、好ましくは100〜2000nm、特に300〜1500nm程度である。
【0062】
発光層の形成方法は、気相堆積法を用いることができる。気相堆積法としては、スパッタ法や蒸着法等の物理的気相堆積法や、CVD法等の化学的気相堆積法を挙げることができる。
【0063】
また、特に上記IDWに記載されているように、SrS:Ceの発光層を形成する場合には、H2S雰囲気下、エレクトロンビーム蒸着法により形成すると、高純度の発光層を得ることができる。
【0064】
発光層の形成後、好ましくは加熱処理を行う。加熱処理は、基板側から電極層、絶縁層、発光層と積層した後に行ってもよいし、基板側から電極層、絶縁層、発光層、絶縁層、あるいはこれに電極層を形成した後にアニールしてもよい。熱処理の温度は、好ましくは300〜基板の焼結温度、より好ましくは400〜900℃程度、処理時間は10〜600分、特に10〜180分程度である。アニール処理時の雰囲気としては、大気雰囲気中、N2、Ar、He雰囲気中で行うことができる。また、600℃以上の高温で処理を行う場合には、N2 、Ar、H2 等の不活性ガス雰囲気が好ましい。
【0065】
発光層の上下に形成される上部または下部薄膜絶縁体層は、前記したように省略してもよいがこれを有することが好ましい。
【0066】
この薄膜絶縁体層は、その機能として発光層と厚膜絶縁体層との間の界面の電子状態を調節し発光層への電子注入を安定化、効率化する事と、この電子状態が発光層の両面で対象的に構成することにより交流駆動時の発光特性の正負対称性を改善することが主要な目的であり、発光層厚膜絶縁体層の役割である絶縁耐圧を保持する機能を考慮する必要はないため膜厚は小さくてよい。
【0067】
この薄膜絶縁体層は抵抗率として、108Ω・cm以上、特に1010〜1018Ω・cm程度が好ましい。また、比較的高い比誘電率を有する物質であることが好ましく、その比誘電率εとしては、好ましくはε=3以上である。この薄膜絶縁体層の構成材料としては、例えば酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(SiN)、酸化タンタル(Ta2O5)、酸化イットリウム(Y2O3)、ジルコニア(ZrO2)、シリコンオキシナイトライド(SiON)、アルミナ(Al2O3)、等を用いることができる。また、薄膜絶縁体層を形成する方法としては、スパッタ法や蒸着法、CVD法を用いることができる。また、薄膜絶縁体層の膜厚としては、好ましくは10〜1000nm、特に好ましくは20〜200nm程度である。
【0068】
透明電極層は膜厚0.2μm〜1μmのITOやSnO2(ネサ膜)、ZnO−Al等の酸化物導電性材料等が用いられる。透明電極層の形成方法としては、スパッタ法のほか蒸着法等の公知の技術を用いればよい。
【0069】
本発明の薄膜EL素子は、焼成により得られる基板材料を用いることにより、高輝度の青色発光が可能な発光層も容易に得られ、しかも、発光層が積層される厚膜絶縁体層の表面が平坦、平滑であるため、高性能、高精細のカラーディスプレイを構成することもできる。また、比較的製造工程が容易であり、製造コストを低く抑えることができる。そして、効率の良い、高輝度の青色発光が得られることから、白色発光の素子としてカラーフィルターと組み合わせてもよい。
【0070】
カラーフィルター膜には、液晶ディスプレイ等で用いられているカラーフィルターを用いればよいが、EL素子の発光する光に合わせてカラーフィルターの特性を調整し、取り出し効率、色純度を最適化すればよい。
【0071】
本発明の薄膜EL素子は、通常、パルス駆動、交流駆動され、その印加電圧は、50〜300V程度である。
【0072】
なお、上記例では、複合基板の応用例として、薄膜EL素子について記述したが、本発明の複合基板はこのような用途に限定されるものではなく、種々の電子材料等に適用可能である。例えば、薄膜/厚膜ハイブリツド高周波用コイル素子等への応用が可能である。
【0073】
【実施例】
次に、実施例により本発明をより具体的に説明する。
【0074】
まず、下部電極としてレジネート金ペースト(ヘラウスRP2003/237−22%)を、96%Al2O3 基板上に1.5mm幅、ギャップ0.5mmのストライプ状のパターンに印刷し、110℃で数分間乾燥を行った後、850℃で15分焼成を行い、膜厚1μmの金電極を形成した。
【0075】
この下部電極が形成された基板上に、さらにスクリーン印刷法により厚膜ペーストを印刷・乾燥し、厚膜グリーン層を形成した。
【0076】
厚膜ペーストは、平均粒径が約0.2〜0.3μmのPb(Mg1/3Nb2/3 )O3 −PbTiO3 粉末原料に、焼結助剤としてPbO−CuOを約7wt%添加したものを用い、バインダーとして、エチルセルロース(平均分子量20,000)5wt%と溶媒としてα−ターピネオール30〜50wt%、不飽和脂肪酸系分散剤0.5wt%、フタル酸エステル系可塑剤2wt%混合することにより作製した。
【0077】
厚膜法によって形成された厚膜グリーン層を、液温30℃−圧力3t/cm2−保持時間1minにて温間静水圧プレス処理した。その後、ベルト炉を用い、十分な空気を供給した雰囲気で850℃−20minの保持時間条件で焼成した。焼成後で約20μmの膜厚であった。
【0078】
比較例1および2は、未処理で次の工程に進み、実施例1は、図4に示すような装置を用い、回転数10,000rpm、直径10mmの円筒状回転ポリッシングディスク(フェルト)を圧力1kgf/cm2の条件で押し付けながら平坦化処理を施した後、次の工程に進んだ。なお汚染原因となる研磨砥粒ペーストは使用しておらず、処理後ワイプ材で軽く拭取ってゴミ等を除去した。
【0079】
この基板に、溶液塗布焼成法を用いてゾル−ゲル平坦化層であるPZT厚膜絶縁体層を形成した。溶液塗布焼成法による形成方法として、以下の方法で作製したゾル−ゲル液をPZT前駆体溶液として基板にスピンコーティング法にて塗布し、700℃で15分間焼成した。
【0080】
基本的なゾルゲル液の作製方法は、8.49gの酢酸鉛三水和物と4.17gの1,3プロパンジオールを約2時間、加熱攪拌し、透明な溶液を得た。これとは別に、3.70gのジルコニウム・ノルマルプロポキシド70wt%1−プロパノール溶液と、1.58gのアセチルアセトンを乾燥窒素雰囲気中で30分間加熱攪拌し、これに3.14gのチタニウム・ジイソプロポキシド・ビスアセチルアセトネート75wt%2−プロパノール溶液と、2.32gの1,3プロパンジオールを加え、更に2時間加熱攪拌した。これら2つの溶液を80℃で混合し、乾燥窒素雰囲気中で2時間加熱攪拌し、褐色透明な溶液を作製した。この溶液を130℃で数分間保持することにより副生成物を取り除き、さらに3時間加熱攪拌することによりPZT前駆体溶液を作製した。この前駆体溶液は、スピンコーティングに適するように溶媒にて希釈し、粘度を20cpとした。
【0081】
比較例1及び実施例1においては、1回塗布・焼成のみとした。また比較例2においては、PZT前駆体溶液を3回塗布・焼成を繰り返した。
【0082】
以上の実施例、比較例において、溶液塗布焼成法によるゾル−ゲル平坦化層形成後に表面性を測定した。結果を表1に示す。
【0083】
【表1】
【0084】
表面性の測定は、レーザーテック株式会社製、高詳細コンフォーカル顕微鏡VH2000を用いて行った。表面粗さの算出はJISB0601に準拠し、測定機付帯の計測コマンドにて行った。なお測定長は70μmとした。
【0085】
EL素子は、上記実施例および比較例で作製された複合基板上に、気相堆積法にて、TiO3Baバリア層(400nm)、Al2O3下部薄膜絶縁層(30nm)、蛍光層、Al2O3 上部薄膜絶縁層(70nm)、ITO透明電極層(200nm)を順に積層して作製した。
【0086】
なお蛍光層は、バリウムチオアルミネートを母体材料・Euを発光中心として用いた200nmの層をZnS100nmで上下挟み込んだ構造となっている。
【0087】
発光特性は、得られた素子構造の下部電極層、透明電極層から電極を引き出し、120Hzのパルス幅100μsの電界を印加して測定した。
【0088】
比較例1はほとんど発光せず、200V加電圧時で輝度は1cd/m2 であった。
【0089】
比較例2と実施例1においては、同様な輝度−加電圧曲線を描き、200V加電圧時で、共に輝度は150cd/m2 であった。
【0090】
比較例1と実施例1の比較により、本発明の平坦化処理を行った厚膜絶縁体層はゾル−ゲル法による表面平坦化効果に優れていることが明らかである。
【0091】
さらにEL素子としたときの特性から見ても、実施例1において発光特性が比較例2と同等であることから、工数が少なく、より簡便に良好なEL素子の作製が可能となっていることがわかる。
【0092】
これは、厚膜絶縁体層表面のSEM写真図2、3から明らかなように、平坦化処理を行うことで、表面に微細なうねりは残るが極端な凹凸やポア等が押しつぶされているように埋まっており、ゾル−ゲル液の浸透を防ぎ、少量及び少数回の塗布でも平坦化層を形成できることを示している。
【0093】
このような凹凸やポア等が押しつぶれたような表面が得られる理由として、熱やせん断力、押し圧などが考えられるが未だ明確ではない。本実施例では、フェルトを使用したポリッシングディスクにて処理することで、この表面状態を得ることができたが、同様な表面性が得られる材質や処理方法があれば、同様な効果が得られる。ただし研磨砥粒ペーストの汚染による問題解決は困難であり、それらを回避した形態でなければ、実用性には乏しい。
【0094】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、従来にない簡単かつ低コストに厚膜絶縁体層の表面を平坦化することができ、これを用いた複合基板及び発光特性の良好なEL素子の製造方法、製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合基板、EL素子の基本構成を示した概略断面図である。
【図2】厚膜グリーン層焼成後の表面SEM写真である。
【図3】本発明の厚膜グリーン層焼成後に平坦化処理を施した表面SEM写真である。
【図4】本発明装置の第1の態様を示した外観斜視図である。
【図5】本発明装置の第2の態様を示した概略側面図である。
【符号の説明】
10 複合基板
11 基板
12 下部電極層
13 厚膜絶縁体層(誘電体層)
14 ゾルゲル平坦化層
15 下部薄膜絶縁体層
16 発光層
17 上部薄膜絶縁体層
18 透明電極層
20 x−yテーブル
20a テーブル
21 摩擦ヘッド
Claims (8)
- 電気絶縁性を有する基板の一方の側に第1の電極層を形成する第1の工程と、
前記第1の電極層上に粉体または粒体状のセラミックス材料を用いた厚膜グリーンを形成し、この厚膜グリーンを焼成して厚膜絶縁体層を形成する第2の工程と、
前記厚膜絶縁体層の多数の凹凸を有する表面に、摩擦ヘッドを摺り合わせることで、前記凹凸を有する表面の構成材料により凹部内が充填されるか、あるいは前記凹部の内面の少なくとも一部が覆われる第3の工程と、
を有する複合基板の製造方法。 - 前記摩擦ヘッドが、砥粒を含まない面を有する請求項1の複合基板の製造方法。
- 前記摩擦ヘッドが、前記基板と平行な平面を有する請求項1または2の複合基板の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかの方法で複合基板を形成し、
さらに前記厚膜絶縁体層上に発光層を形成する第4の工程と、
前記発光層上に第2の電極層を形成する第5の工程と、
を有するEL素子の製造方法。 - 電気絶縁性を有する基板の一方の側に第1の電極層が形成され、前記第1の電極層上に粉体または粒体状のセラミックス材料を用いた厚膜グリーンを焼成した厚膜絶縁体層が形成されている複合基板の製造装置であって、
前記厚膜絶縁体層の多数の凹凸を有する表面に、摩擦ヘッドを摺り合わせて前記凹凸を有する表面の構成材料により凹部内を充填させるか、あるいは前記凹部の内面の少なくとも一部が覆われるように平坦化する複合基板の製造装置。 - 前記摩擦ヘッドが、砥粒を含まない面を有する請求項5の複合基板の製造装置。
- 前記摩擦ヘッドが、前記基板と平行な平面を有する請求項5または6の複合基板の製造装置。
- 請求項5〜7の複合基板上にはさらに発光層および第2の電極が形成されるEL素子の製造装置。
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