本発明は、画像形成装置に関し、より詳細には、複写機やプリンタなど電子写真プロセスによって画像を形成するようにした画像形成装置に関する。
電子写真方式の複写機やプリンタ等の画像形成装置は、記録材である転写紙のようなシートの片面のみに画像形成するものが多いが、今日では、環境保護や資源保護の観点からシートの両面に画像形成する、所謂、両面画像形成装置が製品化されている。この両面画像形成装置では、第1面をプリントしたあと、1面目がプリントされた用紙を用紙反転させる用紙反転機構と、用紙を再度給紙させる再給紙機構を備えることで第2面のプリントを実現している。
図1は、従来の電子写真方式のレーザビームプリンタの一例を示す構成図である。このレーザビームプリンタは、レーザビームプリンタ100の略中央に、シート反転部と再給送部を有し、装置本体に着脱可能な両面搬送部Dが設けられている。装置下部には、シートPを収納する給紙カセット101を有する。シートPは、このカセット101からシートPを繰り出すピックアップローラ104と、シートPの重送を防止する給紙ローラ105及びリタードローラ106と、を経由して、給送ローラ108にてプロセスカートリッジ112へと搬送される。プロセスカートリッジ112の前には、シートPを検知するレジスト前センサ110、及び、シートPを同期搬送するレジストローラ109が設けられている。
プロセスカートリッジ112は、装置本体に着脱可能に設けられており、スキャナ111からのレーザ光に基づいて像担持体としての感光ドラム1上に静電潜像を形成し、この潜像を現像することによって可視像、即ち、トナー像を形成する。スキャナ111は、レーザ光を発光するレーザユニット129、レーザユニット129からのレーザ光を感光ドラム1上に走査するためのポリゴンミラー130、ポリゴンモータ131、結像レンズ群132、折り返しミラー133等により構成されている。プロセスカートリッジ112は、公知の電子写真プロセスに必要な感光ドラム1、帯電器2、現像器134、クリーニング部6などを備えている。
従来、帯電器2としては、細いコロナ放電ワイヤに高圧を印加して発生するコロナを感光ドラム表面に作用させて帯電を行う、非接触帯電であるコロナ帯電が一般的であった。近年は、低圧プロセス、低オゾン発生量、低コストなどの点から有利な接触帯電方式が主流となりつつある。この方式は、例えばローラ帯電部材(以下、「帯電ローラ」という。)を感光ドラム1表面に当接し、この帯電ローラ2に電圧を印加して感光ドラム1を帯電する方式である。帯電ローラ2に対する印加電圧は直流電圧のみでも良いが、交流電圧を印加し、プラス側、マイナス側への放電を交互に起こすことで帯電を均一に行うことができる。均一に帯電された感光ドラム1に、スキャナ111によりレーザ露光することにより、所望の潜像が形成され、この潜像は、現像器134にてトナー像とされる。
現像器134を構成する現像ローラには、現像バイアスが印加されている。現像バイアス印加電圧は、現像ローラ134が感光ドラム1に対して接触している場合は直流電圧のみを印加し、非接触の場合は直流電圧に交流電圧が重畳されたものを印加する。そして、感光ドラム1上のトナー像は、転写器としての転写ローラ113によってシートP上に転写される。
プロセスカートリッジ112の下流には、シートP上に転写されたトナー像に熱と圧力を加えて定着させる定着器Fが設けられている。定着器Fは、定着ローラ117、定着ローラ117を加熱するヒータ116、加圧ローラ118、サーミスタなどの温度検知素子140などにより構成されている。加圧ローラ118は、図示しない付勢部によって定着ローラ117に加圧されている。この定着器Fの下流側には、定着排出ローラ139とシートPの通過を検知する定着排出センサ119が設けられている。
定着排出ローラ139の下流側において、搬送経路は二股に分かれており、フラッパ120によって行き先が選択される。ここで、通常の片面記録の場合には、排出ローラ122を介して機外に排出され、両面記録の場合には両面搬送部へと搬送される。
両面搬送部は、反転ローラ123及び反転センサ124を備えたシート反転部と、Dカットローラ125、両面センサ126及び両面搬送ローラ127を備えた再給送部とを有している。
反転ローラ123の上流側において、搬送路は分岐しており、分岐点近傍に反転センサ124が設けられている。そして、反転センサ124をシートP後端が通過してから所定量搬送した位置にて搬送停止し、反転ローラ123を逆回転させることによりシートPは再給送部へと搬送される。
両面センサ126によってシートPの通過を検知すると、下流の両面搬送ローラ127によって再び給送ローラ108に搬送され、再給送となる。その後、再びレジストローラ109を経由し、転写ローラ113によって第二面の画像形成を行い、定着器Fによってトナーを定着してから、フラッパ120により排出ローラ122に送られて排出される。
また、この種の画像形成装置においては、用紙反転機構および再給紙機構の搬送路上に待機させる枚数を紙サイズに応じて決定し、プリント順序を入れ替えて、効率良く両面プリントを行うような工夫がされている(例えば、特許文献7参照)。両面プリントの枚数が多い場合には、用紙反転機構および再給紙機構の搬送路上に待機させる枚数を紙サイズに応じて最大になるようにプリント順序を入れ替えている。プリント順序の入れ替えは、PCなどから受信する複数ページのプリント情報をプリント装置のメモリへ記憶してページ順を入れ替えることで行われている。
しかしながら、プリント装置のメモリの搭載量が少ない場合には、複数ページのプリント情報を記憶しておくことができず、ページ順の入れ替えができない。従って、メモリが少ないときは、1面目をプリントして用紙反転し、再給紙してその用紙の裏面に当たる2面目をプリントする方法となり、複数枚の両面プリントはこの方法を繰り返すこととなる。つまり、用紙反転機構および再給紙機構の搬送路上には複数の枚数ではなく1枚だけのプリント方法となる。
また、メモリの大小にかかわらず、両面プリントを1枚だけ行う場合には、1面目をプリントして用紙反転し、再給紙してその用紙の裏面に当たる2面目をプリントする方法となる。さらに、原稿読み取り装置から原稿を読み取って両面複写を行う両面プリントの場合、原稿を読み取り装置から読み取りしながらの両面プリントになるため、ページの入れ替えができず、複数枚原稿読み込みの両面複写においても、1面目をプリントして用紙反転し、再給紙して2面目をプリントする方法の繰返しとなることも多い。
このような1面目をプリントして用紙反転し、再給紙してその2面目をプリントするという用紙反転機構および再給紙機構の搬送路上には1枚だけとなるプリント方法においては、1面目を用紙反転して再給紙するための用紙搬送時間が長くなる。そこで、その期間に、電子写真プロセスの帯電出力を停止させたり、定着のためのヒータ駆動を停止させたりする工夫をして、像担持体の削れ防止や無駄なヒータ駆動を防止している(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−320642号公報
特開2002−046876号公報
特開2001−192132号公報
特開2001−088406号公報
特開2001−088370号公報
特開平10−39691号公報
特開2002−91102号公報
しかしながら、上述のような両面画像形成装置において、両面連続プリントを行う場合と、1枚のみの両面プリントを行う場合において、1枚あたりの感光体ドラムの回転時間に大きな差が生じる。
図2は、従来の画像形成装置における両面連続プリントのタイミングチャートを示す図で、両面連続4枚プリントを行う場合を示すタイミングチャートである。図3は、従来の画像形成装置における1枚両面プリントのタイミングチャートを示す図である。
一般的に、帯電交流高圧、帯電直流高圧を所定の値に立ち上げた後、現像バイアス電圧の直流高圧を立ち上げる前回転工程の後、プリント工程の画像領域において現像バイアス電圧の交流高圧を印加する。シートPが転写部を通過するときに転写高圧を印加しており、紙間工程では現像交流高圧を立ち下げ、転写高圧は紙間設定値になる。そして、最終ページがプリントされると後回転工程になり、転写高圧、現像直流高圧、帯電直流高圧、帯電交流高圧の順に立ち下げる。
図2において、1枚目の1面がプリントされ、反転部に到達したら2枚目の1面をプリントする。1枚目が両面搬送部、2枚目が反転部に到達したところで、3枚目の1面をプリントし、続けて1枚目の2面、4枚目の1面、2枚目の2面をプリントする。そして、3枚目の2面と4枚目の2面を続けてプリントすることにより、4枚連続の両面プリントが終了する。
両面連続プリント時は、図2に示すように、短い紙間でプリントされるため、1枚あたりの紙間相当時間が感光ドラム1の寿命に及ぼす影響が少なく、片面連続プリントに近い寿命を満足することができる。
これに対し、1枚のみの両面プリントが繰り返される場合は、図3に示すように、1面目プリント工程、紙間工程、2面目プリント工程の処理が繰り返される。このような動作は、メモリが少なく複数枚分の画像データを記憶できない場合、若しくは、リードスキャナを有する画像形成装置において、両面コピーを行う場合に行われる。1面目のプリントを行ってから2面目のプリントを行うまでの間、つまり、シートPを反転させて再び給紙するまでの間、感光ドラム1は紙間工程を継続している。シートPを反転させて再給紙するまでの時間は通常2ページから3ページをプリントするのに匹敵する時間を要するため、その時間分だけ感光ドラム1の寿命は短くなる。
また、ますます画像形成装置の高速化が進んできているため、1枚ずつ給紙動作完了させた後に、次の給紙動作に入るようにしていると、給紙速度を高速化する必要があったり、給紙速度を高速化してもスループットに限界が出てきたりといった問題が発生してきている。
そこで、プリント条件をプリント予約メモリに順次記憶しておき、その記憶されたプリント予約情報にもとづき、プリント可能条件が整い次第、プリント動作のための給紙を行うようにして、次の紙だけでなく以降の紙についても可能な限りあらかじめ給紙(以下、予備給紙という)を行うという工夫をしている(例えば、特許文献2〜5参照)。この工夫により、コストアップして給紙速度を極端に高速にすることもなく、記録用紙の給紙搬送路が長い場合でも、最大スループットを容易に実現している。
また、多くのプリント装置においては、像担持体の回転駆動と給紙搬送のローラ回転駆動は、コスト面から1つの駆動源(モータ)とし、モータを像担持体の回転駆動に直結させ、給紙搬送ローラ回転駆動はクラッチで駆動の切り離しができるような構成となっている。このような構成の画像形成装置において、1面目をプリントして用紙反転し、再給紙してその2面目をプリントするという用紙反転機構および再給紙機構の搬送路上には1枚だけとなるプリント方法で両面プリントを行う。この場合に、前述の予備給紙を行うことによる最大スループットの実現の工夫を採用すると、次のような問題が発生することとなる。
つまり、1枚だけの両面プリントであれば、1面目を用紙反転して再給紙させるまでの時間内に、従来例で示した通りに電子写真の高圧出力を停止させて像担持体の回転駆動を停止することが可能である。しかしながら、複数枚の連続両面プリントであれば、1面目を用紙反転して再給紙させるまでの時間に、さらに以降の予備給紙を実施するために給紙搬送ローラの回転駆動を行うこととなり、駆動源が同一である像担持体の回転を停止させることができない。
そのため、コストアップ無しで最大スループットは実現できるものの、1面目を用紙反転して再給紙させるまでの時間、像担持体が回転しかつ高圧出力もされ続けるため、像担持体の削れが早く進んで寿命が短くなってしまうという問題が起きている。
なお、両面プリントに限らず、通常の片面プリントの場合にも紙間が長くなることがあり、この場合にも上述した両面プリントと同様な問題が生じる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、記録材と記録材との間が必要以上に長くなる場合において、像担持体の寿命が著しく低下することのない画像形成装置を提供することである。
また、両面プリントにおいて、最大スループットを維持しつつ、像担持体の寿命を伸ばすようにした画像形成装置を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、記録材を給紙する給紙部と、像担持体と、前記像担持体を帯電する帯電部と、前記帯電部に帯電交流電圧を印加する帯電電圧印加部と、前記帯電部により帯電された前記像担持体に画像信号に応じた静電潜像を形成する潜像形成部と、前記像担持体に形成された前記静電潜像を現像剤で現像して現像剤像を形成する現像部と、前記給紙部によって給紙された記録材に、前記現像部により形成された現像剤像を転写する転写部と、前記転写部により記録材に転写された現像剤像を該記録材に定着する定着部と、前記定着部により第1面に現像剤像が定着された記録材の第2面に現像剤像を転写するために、第1面に現像剤像が定着された記録材を前記転写部へ搬送する両面搬送部と、複数の記録材に対する印字条件を予約する予約部と、複数の記録材の両面に連続して現像剤像を形成する際に、1枚目の記録材の第1面に対する現像剤像について、前記像担持体への前記現像部による現像、及び、前記転写部による転写が終了してから1枚目の記録材の第2面に対して現像剤像を形成するために前記帯電部による帯電が開始されるまでの第1期間において、前記帯電電圧印加部によって前記帯電部に印加する前記帯電交流電圧を、前記静電潜像形成部による前記像担持体への静電潜像の形成、及び、前記現像部による前記像担持体への現像、及び、前記転写部による記録材への現像剤像の転写を行う際に必要な第1の帯電交流電圧と前記第1の帯電交流電圧より低い第2の帯電交流電圧とに変更可能な制御部とを有し、前記予約部に1枚目と2枚目の記録材の両面に連続して現像剤像を形成する予約がなされている場合に、1枚目の記録材を前記両面搬送部で搬送している間に、2枚目の記録材を前記給紙部によって予備給紙するように前記給紙部を制御する画像形成装置において、前記制御部は、前記帯電交流電圧を前記第1の帯電交流電圧から前記第2の帯電交流電圧に変更するための期間と前記帯電交流電圧を前記第2の帯電交流電圧から前記第1の帯電交流電圧に変更するための期間とからなる電圧変更期間を前記第1期間から除いた第2期間において、前記帯電交流電圧を前記第2の帯電交流電圧に変更し、1枚目の記録材の第2面に対する現像剤像について、前記像担持体への前記現像部による現像、及び、前記転写部による転写が終了してから2枚目の記録材の第1面に対して現像剤像を形成するために前記帯電部による帯電が開始されるまでの期間であって、前記電圧変更期間より短い第3期間において、前記帯電交流電圧を前記第2の帯電交流電圧に変更することなく前記第1の帯電交流電圧に維持する。
このような構成により、片面プリントや、両面の待機枚数を複数枚とした両面交互プリント、両面に1枚だけ待機させる両面プリントといった各条件に応じた最適な制御により像担持体の削れ防止を可能とする。
また、両面搬送中で像担持体の回転駆動を停止している間に、予約が入ったときにおいても、像担持体の回転再開とともに予備給紙を行うことで、スループット低下を最小限に抑えたうえで像担持体の削れ防止を可能とする。
また、電圧が印加された帯電部材を像担持体に当接することで像担持体の帯電を行う画像形成装置について、連続プリント中に紙間が所定の長さよりも長くなることが確定している場合において、前記帯電部材に印加する交流電流、つまり、交流電圧の値を減らすことにより、像担持体の磨耗を減らすことができ、像担持体の寿命を大幅に伸ばすことが可能となった。
また、1面目と2面目のプリントの間で、1面目が用紙反転して再給紙位置まで両面搬送する間、さらに後続の予約が存在する場合には、後続の予備給紙をさせることによりコストアップ無しで最大スループットが出るようにし、この間は、帯電の交流成分の出力を低下させる制御を行うことで感光ドラムの削れを少なくする効果が得られた。1面目と2面目のプリントの間で、1面目が用紙反転して再給紙位置まで両面搬送する間、さらに後続の予約が存在しない場合には、予備給紙を行う必要がないので、この間は、帯電の直流成分と交流成分の両方の出力を停止させ、かつ、感光ドラムの回転も停止させ、感光ドラムの削れをさらに少なくする効果が得られた。そして、コストアップ無しで最大スループットを維持し、両面プリントのプリント状態に応じて、感光ドラム回転や帯電出力を制御し、最適な感光ドラム削れの防止効果が得られるとともに、無駄な回転や帯電出力を無くして省エネの効果も得られた。
本発明によれば、片面プリントや、両面の待機枚数を複数枚とした両面交互プリント、両面に1枚だけ待機させる両面プリントといった各条件に応じた最適な制御により像担持体の削れ防止を可能とする。
また、両面搬送中で像担持体の回転駆動を停止している間に、予約が入ったときにおいても、像担持体の回転再開とともに予備給紙を行うことで、スループット低下を最小限に抑えたうえで像担持体の削れ防止を可能とする。
また、電圧が印加された帯電部材を像担持体に当接することで像担持体の帯電を行う画像形成装置について、連続プリント中に紙間が所定の長さよりも長くなることが確定している場合において、前記帯電部材に印加する交流電流、つまり、交流電圧の値を減らすことにより、像担持体の磨耗を減らすことができ、像担持体の寿命を大幅に伸ばすことが可能となった。
また、1面目と2面目のプリントの間で、1面目が用紙反転して再給紙位置まで両面搬送する間、さらに後続の予約が存在する場合には、後続の予備給紙をさせることによりコストアップ無しで最大スループットが出るようにし、この間は、帯電の交流成分の出力を低下させる制御を行うことで感光ドラムの削れを少なくする効果が得られた。1面目と2面目のプリントの間で、1面目が用紙反転して再給紙位置まで両面搬送する間、さらに後続の予約が存在しない場合には、予備給紙を行う必要がないので、この間は、帯電の直流成分と交流成分の両方の出力を停止させ、かつ、感光ドラムの回転も停止させ、感光ドラムの削れをさらに少なくする効果が得られた。そして、コストアップ無しで最大スループットを維持し、両面プリントのプリント状態に応じて、感光ドラム回転や帯電出力を制御し、最適な感光ドラム削れの防止効果が得られるとともに、無駄な回転や帯電出力を無くして省エネの効果も得られた。
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
図4は、本発明に係る画像形成装置の実施例1であるレーザビームプリンタの概略構成図である。
本実施例にてレーザビームプリンタ100は、記録材である転写紙のようなシート、即ち、記録紙Pを収納する給紙カセット101を有し、更に、給紙カセット101内の記録紙Pの有無を検知する給紙カセット紙有無センサ102、給紙カセット101内の記録紙Pのサイズを検知する紙サイズ検知センサ103、給紙カセット101から記録紙Pを繰り出すピックアップローラ104、ピックアップローラ104によって繰り出された記録紙Pを搬送する給紙ローラ105、及び、給紙ローラ105と対をなし記録紙Pの重送を防止するためのリタードローラ106が設けられている。
そして、給紙ローラ105の下流には、後述する両面反転部Dからの給紙搬送状態を検知する給紙センサ107、更に、下流へと記録紙Pを搬送するための給紙搬送ローラ108、記録紙Pを同期搬送するレジストローラ対109、レジストローラ対109への記録紙Pの搬送状態を検知するレジ前センサ110が配設されている。
また、レジストローラ対109の下流には、後述するレーザスキャナ111からのレーザ光に基づいて感光ドラム1上にトナー像を形成するプロセスカートリッジ112、感光ドラム1上に形成されたトナー像を記録紙P上に転写するための転写ローラ113、記録紙P上の電荷を除去し感光ドラム1からの分離を促進するための放電部材114(以下、除電針という。)が配設されている。
さらに、除電針114の下流には、搬送ガイド115、記録紙P上に転写されたトナー像を熱定着するために内部に加熱用のハロゲンヒータ116を備えた定着ローラ117及び加圧ローラ118を有する定着部F、定着部Fから紙を送り出す定着排紙ローラ139、定着部Fからの搬送状態を検知する定着排紙センサ119、定着部Fから搬送されてきた記録紙Pを排紙部か両面反転部Dに行き先を切り換えるための両面フラッパ120が配設されている。排紙部側の下流には排紙部の紙搬送状態を検知する排紙センサ121、及び、記録紙を排紙する排紙ローラ対122が配設されている。
一方、記録紙Pの両面にプリントするために片面プリント終了後の記録紙Pを表裏反転させ、再度画像形成部へと給紙するための両面反転部Dには、正逆転によって記録紙Pをスイッチバックさせる反転ローラ対123、反転ローラ対123への紙搬送状態を検知する反転センサ124、記録紙Pの横方向位置を合わせるための横方向レジスト部(図示せず)から記録紙Pを搬送するためのDカットローラ125、両面反転部Dの記録紙P搬送状態を検知する両面センサ126、両面反転部Dから給紙部へと記録紙Pを搬送するための両面搬送ローラ対127とが配設されている。
また、スキャナ111には、後述の外部装置128から送出される画像信号に基づいて変調されたレーザ光を発光するレーザユニット129、レーザユニット129からのレーザ光を感光ドラム1上に走査するためのポリゴンミラー130とスキャナモータ131、結像レンズ群132、及び、折り返しミラー133により構成されている。
そして、プロセスカートリッジ112は、公知の電子写真プロセスに必要な感光ドラム1、帯電器である帯電ローラ2、現像器である現像ローラ134とトナー格納容器135、及び、クリーニング部であるクリーニングブレード6などを具備しており、レーザプリンタ100に対して着脱可能に構成されている。
また、レーザビームプリンタ100には高電圧電源部3及びプリンタ制御部4が設けられている。高電圧電源部3は、後述の帯電高圧出力回路30の他に、現像ローラ134、転写ローラ113、除電針114に所望の電圧を給電する高圧出力回路を有している。
レーザビームプリンタ100を制御するプリンタ制御部4は、RAM5a、ROM5b、タイマ5c、デジタル入出力ポート(以下「I/Oポート」という。)5d、アナログ−デジタル変換入力ポート(以下「A/Dポート」という。)5e、デジタル−アナログ出力ポート(以下「D/Aポート」という。)5fなどを具備したCPU5、及び、各種入出力制御回路(図示せず)等で構成されている。プリンタ制御部4は、インターフェース138を介してパーソナルコンピュータ等の外部装置128に接続されている。
図5は、高電圧電源部3の帯電高電圧出力回路30の一実施例を示す構成図で、CPU5が行う、帯電高電圧出力回路30を用いた帯電高電圧出力の制御について説明する。
帯電高電圧出力回路30は、帯電直流高電圧Vcdcに帯電交流高電圧Vcacが重畳された帯電高電圧Vを生成し、図5の出力端子31より出力する。出力端子31は、感光ドラム1に当接した帯電ローラ2に接続されている。
CPU5のI/O ポート5dからクロックパルス(PRICLK)が出力されると、プルアップ抵抗R1、ベース抵抗R2を介してトランジスタQ1がスイッチング動作し、プルアップ抵抗R3と、ダイオードD1を介して接続されているオペアンプOP1の出力に応じた振幅のクロックパルスに増幅される。オペアンプOP1は、電流検知部35を構成しており、詳しくは後述する。クロックパルスの振幅が大きいと、後述する高電圧トランスTRに入力される正弦波の駆動電圧振幅(ピーク間電圧)も大きくなり、結果として帯電交流高電圧Vcacの電圧レベルを示すピーク間電圧も大きくなる。
クロックパルス(PRICLK)は、フィルタ回路32と、プッシュプルの高電圧トランスドライブ回路33とを介して高電圧トランスTRの一次巻線に入力される。つまり、オペアンプOP1により増幅されたクロックパルス(PRICLK)は、コンデンサC1を介してフィルタ回路32へと入力され、抵抗R4〜R14、コンデンサC2〜C6、及び、オペアンプOP2、OP3によって構成されるフィルタ回路32からは+12Vを中心とした正弦波が出力される。
そして、フィルタ回路32からの出力は、トランジスタQ2、ツェナーダイオードD2、更に、抵抗R15〜R19、トランジスタQ3、Q4を備えたプッシュプルの高電圧トランスドライブ回路33、及び、コンデンサC7を介して高圧トランスTRの一次巻線に入力され、二次巻線側に正弦波の帯電交流高電圧Vcacが発生する。また、高電圧トランスTRの二次側の一方の端子は、抵抗R20を介して帯電直流高電圧発生回路34に接続されている。従って、帯電直流高電圧Vcdcに帯電交流高電圧Vcacが重畳された帯電高電圧Vが出力保護抵抗R21を介して出力端子31より出力され、帯電ローラ2に給電される。
次に、帯電高電圧出力回路30の電流検出部35について説明する。
上述のように、帯電高電圧出力回路30の駆動によって発生した帯電交流電流Iacは、電流検出回路、即ち、電流検出部35に入力される。この電流検出部35では、帯電高電圧出力回路30からの帯電交流電流Iacが、コンデンサC8を通過し、矢印A方向の半波はダイオードD3を、矢印B方向の半波はダイオードD4を介して流れる。ダイオードD3を通過した矢印A方向の半波はオペアンプOP4、抵抗R22、コンデンサC9で構成された積分回路に入力され、直流電圧に変換される。
オペアンプOP4の出力端子電圧(V1)は下記のような特性となる。
V1=−(Rs×Imean )+Vt ・・・(式1)
ここで、Imeanは帯電交流電流Iacの半波の平均値を示すものである。また、Rsは抵抗R22の抵抗値を示し、VtはオペアンプOP4の正入力に入力されている電圧を示す。この電圧Vtは、CPU5のI/Oポート5dからの出力(PRION)を、トランジスタQ5、及び、抵抗R23、R24により分圧した電圧である。
オペアンプOP4の出力は、オペアンプOP1の正入力に接続され、負入力に接続された電流制御信号(PRICNT)のレベルと比較される。電流制御信号(PRICNT)は帯電交流電流Iacの電流レベルを設定する信号である。
ここで、オペアンプOP4の出力電圧(V1)が、電流制御信号(PRICNT)が設定する設定電圧Vcよりも大きい場合は、オペアンプOP1の出力が大きくなる。前述したように、オペアンプOP1の出力が大きくなると、フィルタ回路32に入力されるクロックパルスの振幅が大きくなり、帯電交流高電圧Vcacのピーク間電圧は大きくなる。
このような構成とすることで、帯電交流高電圧Vcacの電圧レベルを示すピーク間電圧は、帯電交流電流Iacが、電流制御信号(PRICNT)が設定する設定電圧Vcに応じた値となるように制御される。即ち、電流制御信号(PRICNT)に応じた定電流制御が行われる。
図6乃至図8は、本実施例における帯電制御について説明するための図で、図6は、帯電交流高電圧Vcacと帯電電流Iacの特性図、図7は、帯電電流Iacと感光ドラム1の表面電位Vdの特性図、図8は、画像形成装置におけるタイミングチャートを示す図である。
図6において、グラフAは感光ドラム1の使用初期の特性を示し、グラフBは感光ドラム1が十分に使用された後の特性を示す。
帯電ローラ2に流れる帯電交流電流(Iac)は、帯電ローラ2に印加される帯電交流高電圧Vcacのピーク値が低い状態では直線的に立ち上がり、放電を開始する閾値電圧を超えると、その直線からさらに帯電交流電流Iacが増加する。つまり、感光ドラム1の使用初期の直線を延長した破線と実線の差が帯電放電電流Isとなる。そして、その帯電放電電流Isが所定の範囲に入るように定電流値を設定する。一般的に帯電放電電流Isが小さいと帯電不良による画像不良が発生し、帯電放電電流Isが大きいと感光ドラム1へのダメージが増加して削れ量が増加する。
本実施例において、CPU5は、感光ドラム1の使用初期には、D/Aポート5fから出力する電流制御信号をVc1にすることで、Fig.6に示すように交流電流値Iac1(交流印加電圧:Vpp1)の定電流制御を行い、放電電流量をIs1とする。一方、感光ドラム1が十分に使用された状態においてはグラフBのような特性になり、帯電電流IacがIac1になるように交流印加電圧Vpp1’を設定すると、放電電流量が感光ドラムの使用初期における放電電流量Is1からIs1’まで増加するため、前述のように感光ドラム1の削れ量も増加する。そのため、CPU5は、感光ドラム1の使用開始から所定時間使用した場合にはD/Aポート5fから出力する電流制御信号の設定電圧をVc1からVc2に変更するとともに、定電流値(帯電交流電流)IacをIac2(帯電交流高電圧Vcac=Vpp2)に切り換えることで放電電流量がIs2(≒Is1 )となるように制御する。
次に、図7を用いて、帯電交流電流Iacと感光ドラム電位Vdとの関係を説明する。CPU5が電流制御信号(PRICNT)の設定電圧Vcを増加させると、図6の特性によって帯電放電電流Isが増加すると共に感光ドラム1の感光ドラム電位Vdが増加し、感光ドラム電位Vdが帯電ローラ2に印加される帯電直流高電圧Vcdcに収束する。前述の帯電放電電流Isを所定値Is1(Is2)に設定するための帯電交流電流Iac1 (Iac2)は、十分に感光ドラム電位Vdを安定させることができ、かつ、帯電不良が発生しない領域(Fig.7における矢印で示される領域)に設定している。
次に、図8を用いて、記録紙Pの両面にプリント(画像形成)を行う際のCPU5による帯電制御について説明する。図8は、図3と同様に、1枚ずつ1面目と2面目を連続してプリントして、3枚の記録紙Pに連続して両面プリントを行う場合のタイミングチャートを示す図である。
図8に示すように、CPU5は、1面目の次のプリントがその紙の2面目であることが確定している場合、記録紙Pの1面目をプリントしてその記録紙Pを反転させて記録紙Pが再給紙されるまでの間(以下、両面搬送中)に、帯電交流高電圧Vcdcをプリント工程よりも低い設定(以下「LOW設定」という。)にする。
ここでLOW設定とは、CPU5がD/Aポート5fから出力する電流制御信号(PRICNT)の設定電圧Vcを、感光ドラム1から記録紙Pへのプリント時における設定電圧Vc1よりも低い設定電圧VcZする設定をいう。後述するように、帯電電流信号(PRICNT)の設定電圧Vcを切り換えてから、帯電ローラ2に流れる帯電交流電流Iacが一定値に安定するまでは、所定時間を要する。従って、帯電の立ち下げにおいては、CPU5が、電流制御信号(PRICNT)の設定電圧Vcをプリント時におけるVc1(感光ドラム1が十分使用された後はVc2)からLOW設定であるVcZに切り換えてから所定時間Tdnが経過した後に帯電電流値IacがIac1からIacZとなる。また、帯電の立ち上げにおいては、CPU5が、電流制御信号(PRICNT)の設定電圧VcをLOW設定であるVcZからプリント時における設定電圧Vc1(感光ドラム1が十分使用された後はVc2)に切り換えてから所定時間Tupが経過した後に帯電交流電流IacがIacZからIac1(感光ドラム1が十分使用された後はIac2)となる。
なお、LOW設定における帯電交流電流IacZは、図7の斜線部で示すように、プリント中に設定すると帯電不良が発生する電流レベルであり、プリント時における帯電交流電流Iac1、Iac2に比べ十分に小さい値である。
また、帯電交流電流IacがIacZとなる場合において、感光ドラム1の使用初期と感光ドラム1を十分に使用した後の放電電流Isは、それぞれIsZ、IsZ’となる。一方、プリント時における放電電流Isは、それぞれIs1、Is2である。図6からわかるように、Is1とIs2の差よりもIsZとIsZ‘との差が小さいので、感光ドラム1が十分使用された後において放電電流Isが増加することに起因する感光ドラム1の削れに対する影響も小さくなる。
そこで、実施例1においては、帯電ローラ2の使用状態において、複数の定電流制御値を設定可能な場合であっても、両面搬送中における帯電交流電圧Vcacの設定値を1つの値に設定することにより、装置及びシーケンスの簡略化を行っている。
一方、感光ドラム電位Vdが現像直流高電圧Vdcよりも大きい値に設定にすることで、感光ドラム1の白地部へのトナーの現像を防止するとともに、トナーが現像されることによる転写ローラ113の汚れや無駄なトナーの消費を防止することができる。即ち、図7の斜線部に示す領域に紙間(両面搬送中)における帯電交流電流Iacを設定(LOW設定)することにより、不具合の発生を防止するとともに感光ドラム1の削れを改善するようにした。
また、本実施例における帯電交流電流IacのLOW設定への切り換えのタイミングは画像の垂直同期信号(VSYNC)からの経過時間をもとに、1面目のプリント完了後とし、LOW設定を維持するのは2面目の再給紙まで(両面搬送中)とした。前述の切り換えタイミングは、搬送経路に設けた定着排紙センサ119、両面反転センサ124、両面センサ126の信号をもとに制御を行ってもよい。
本実施例において、1枚の記録紙Pの両面にプリントする時において、帯電交流電流がLOW設定となる時間は全帯電時間の50%に相当する。また、LOW設定のときにおける感光ドラム1の削れ量は、LOW設定となる帯電時間を設けない場合よりも30%の削減されることが実験結果としてわかった。従って、1枚の記録紙Pの両面にプリントするときにおいて、全体として、15%だけ感光ドラム1の寿命を増加させることができる。
なお、特許文献6に示すように、感光ドラム1の寿命を検知する寿命検知手段を備える画像形成装置においては、LOW設定となる帯電時間を設けない場合において単位使用時間当りに感光ドラム1が削れる量に対応する削れ係数を1とした場合、LOW設定の場合において単位使用時間当りに感光ドラム1が削れる量に対応する削れ係数は寿命アップ分30%を考慮して0 .7で計算すればよい。
本発明の実施例2について説明する。上述した実施例1では両面プリントを行う場合に、1面目の次にプリントするページが1面目にプリントされた記録紙Pの2面目である場合、即ち1枚ずつ両面プリントを行う場合において、記録紙Pの1面目をプリントした後から、その記録紙Pを反転させて記録紙Pを再給紙するまでの間(両面搬送中)において帯電交流高電圧Vcacを低下させて感光ドラム1の削れを防止する方法について説明した。
実施例2においては、記録紙Pの両面にプリントすることなく記録紙Pの片面にのみプリントをおこなう通常動作においても感光ドラム1の削れを防止できる方法について説明する。
図9は、実施例2におけるレーザビームプリンタの概略構成を示す断面図である。
図4を参照して説明した実施例1のレーザビームプリンタと同様の構成であるが、実施例1のものに加えて、記録紙Pを給紙する給紙口を3つ(図9において、上から給紙カセット101−1、101−2、101−3)を備える。従って、実施例1におけるレーザビームプリンタと同じ機能を有する構成要素については、同一の符号を付してある。
実施例2では、給紙カセット101−1と給紙カセット101−2は各々同じ仕様のものであり、給紙カセット101−3 は大容量のデッキタイプの給紙カセットである。
図10に帯電交流高電圧Vcacを切り換えたときの帯電交流電流の立ち下がり特性、及び、立ち上がり特性を示す。プリント中において、CPU5が、帯電ローラ2に印加する帯電交流高電圧Vcacを調整することで、プリント中における帯電交流電流Iac1から先行する記録紙Pと後続する他の記録師Pとの搬送間隔(紙間)における設定であるLOW設定のIacZへ切り換える場合、プリント中における帯電交流電流Iac1から立ち下がり時間Tdnが経過した後に帯電交流電流IacZに達する。また、LOW設定のIacZからプリント中における帯電交流電流Iac1に切り換える場合、立ち上がり時間Tupが経過した後に帯電交流電流IacZから帯電交流電流Iac1に達する。
先行する記録紙Pの後端が、転写ローラ113と感光ドラム1とが接する転写ニップ部を通過してから後続する記録紙Pの先端が転写ニップ部に到達するまでに要する時間を搬送間隔時間Trとすると、記録紙Pへのプリントを良好に行うためには、搬送間隔時間Trにおいて帯電交流電流Iacの立ち下げと立ち上げの両者を行う時間を確保する必要がある。
よって、少なくとも紙間の感光体ドラム回転時間Trが帯電電流の立ち上がり時間及び立ち下がり時間の合計(Tup+Tdn)よりも長くなければ感光ドラム1の寿命に対して十分な改善効果を得ることができない。
一般的に連続プリントを行う場合、スループット(単位時間あたりの記録紙Pの出力枚数)を上げるために、先のページに引き続く次のページのプリントを行うことが確定している場合はプリント予約(実施例4以降で詳述することとする)を行い、先のページを記録紙Pにプリントして記録紙Pを装置外へ排出する前に、先行して先行する記録紙Pに後続する記録紙Pの給紙動作を行う。そして、レジストローラ109において記録紙P を待機させ、所定のタイミングで再給送を行い連続プリント時の搬送間隔時間Tsを確保している。
ピックアップローラ104によって給紙カセット101からピックアップされてから、記録紙Pの先端がレジストローラ109に到達するまでの給紙搬送時間Ttと、搬送間隔時間Trを確保するためにレジストローラ109において記録紙Pを待機させるための最低時間Twは、画像形成装置の仕様により決定している。給紙搬送時間Ttは、各給紙カセット101−1、101−2、101−3の給紙口からレジストローラ109までの距離の違いによって、それぞれTt1<Tt2<Tt3の順に長くなる。
ここで、Tt1は、給紙カセット101−1の給紙口からレジストローラ109までの給紙搬送時間、Tt2、Tt3は、給紙カセット101−2、101−3のそれぞれの給紙口からレジストローラ109までの給紙搬送時間である。
以上のような条件の下に、連続プリント中に給紙カセット101、即ち、給紙口の変更があった場合、(例えば給紙カセット101−1から給紙カセット101−3に変わった場合)給紙搬送時間Ttは(Tt3−Tt1)分長くなる。よって、CPU5は、Ts+(Tt3−Tt1)>(Tup+Tdn)の条件が満足される搬送間隔時間Trになると判断し、帯電交流電流Iacの変更を行う。
図11は、複数の給紙口を備えた実施例2の画像形成装置における片面連続プリントのタイミングチャートを示す図で、1枚目、2枚目を給紙カセット101−1から給紙したのち、給紙カセット101−3に切り換えて3枚目、4枚目をプリントする場合のタイミングを示す。
この場合、CPU5は、給紙カセット、即ち、給紙口が切り替わったと判断した場合、2枚目の記録紙Pと3枚目の記録紙Pとの搬送間隔において帯電交流電流IacをLOW設定にする。これにより、実施例1と同様にLOW設定の時間は感光ドラム1の寿命が30%アップするため、プリントシステムによって給紙口を切り換える処理が多い場合には感光ドラム1の寿命改善効果が高まるものである。
図12は、複数の給紙口を備えた実施例2の画像形成装置における両面連続プリントのタイミングチャートを示す図である。
両面プリントを給紙カセット101、即ち、給紙口を変えて行う場合、つまり1枚目を給紙カセット101−1から給紙して両面プリントを行い、続けて2枚目を給紙カセット101−2から給紙して両面プリントを行う場合、搬送間隔時間に占めるLOW設定の時間の割合が増加するため、感光ドラム1の寿命は更に改善される。
本発明の実施例3について説明する。画像形成装置の使用方法として、表面の凹凸が大きな記録紙(ラフ紙)にプリントする場合があるが、ラフ紙は表面の凹凸により定着ローラ117からの熱が紙に伝わりにくく、表面の平滑な記録紙に比べて定着性(トナーの記録紙への付着し易さ)が劣る。そこで、ラフ紙をプリントする場合にはスループット(単位時間あたりの記録紙Pの出力枚数)を下げて定着性を改善する方法を採用している。一般に3割から5割スループットを下げることにより、加圧ローラ118表面の温度を上げることができるため、ラフ紙に伝える熱量を増加させて定着性を改善している。
このように、定着器Fに対して特殊な設定にする場合(以下、特殊シーケンスという。)などのように、先行する記録紙Pと後続する記録紙Pとの搬送間隔を調節して記録材の搬送間隔を長くすると、1枚の記録紙Pに画像を形成(プリント)する際に感光ドラム1に帯電交流電圧Vcacを印加する時間が長くなる。そして、帯電交流電圧Vcacの印加時間が長いほど感光ドラム1の寿命には悪影響をあたえることとなる。そこで、実施例3においては、上記特殊シーケンスを採用することにより記録紙Pの搬送間隔が長くなった場合において感光ドラム1の寿命への悪影響を防止する方法を説明する。
特殊シーケンスにより連続プリントを行う場合、最初から記録紙Pの搬送間隔が長くなることが確定している。画像形成装置本体若しくはホストコンピュータからの指示で特殊シーケンスが設定されると、片面連続プリントにおいても記録紙Pの搬送間隔において帯電交流電流IacをLOW設定にする。すなわち、CPU5は、感光ドラム1上の記録紙Pの搬送間隔に相当する領域に対する帯電交流電流IacをLOW設定にする。
図13は、実施例3における画像形成装置の動作のタイミングチャートを示す図である。
記録紙Pの片面に3枚連続して特殊シーケンスを行う場合のタイミングチャートを示す。先行する記録紙Pと後続する記録紙Pとの搬送間隔を広くして、例えばスループットを40%下げることにより、1枚あたりの搬送間隔時間Trは約400%増加する。そのため、搬送間隔時間Trの分だけ帯電交流電流IacがLOW設定にされるので、感光ドラム1の寿命は、LOW設定を行わない場合に比べて大幅に改善される。
上述した各実施例にて理解されるように、
(1)紙間が必要以上に長くなる場合、帯電部材に印加される交流印加電圧(電流)をプリント時(画像形成時)よりも小さい値にすることにより、感光体ドラムの削れ量を低減し、感光ドラムの長寿命化を図ることができる。
(2)複数ページを連続してプリントする際、紙間が所定の長さよりも長くなることが、紙間工程の前に確定している場合、紙間において帯電部材に印加される交流印加電圧(電流)を、プリント工程において設定した場合に帯電不良による画像不良を発生するレベルまで低下させる。
(3)紙間において帯電部材に印加される交流印加電圧(電流)によって得られる感光ドラム電位は、現像直流高電圧よりも大きな値に設定することにより、トナーの不要な現像を防止することができる。
(4)帯電部材の通電特性の変動を考慮して、帯電部材に印加する交流印加電圧(電流)の設定値を複数備える画像形成装置において、上記条件を満足する紙間の交流印加電圧(電流)を印加する場合、設定値の数によらず1つの紙間交流印加電圧(電流)に集約する。
(5)紙間の感光ドラム回転時間が帯電部材に印加する交流電圧(電流)の立ち上がり時間と立ち下り時間の合計時間よりも長くなることが確定している場合において、紙間における帯電部材の交流印加電圧(電流)を低下させる。
(6)両面画像形成装置において、1枚ずつ両面プリントを行う場合、即ち1面目のプリントのあとに2面目のプリントを行うことが確定している場合、両面反転処理中において帯電印加電圧(電流)を低下させる。
(7)異なる給紙カセットの給紙口から連続プリントを行う場合において、通常の連続プリント時よりも紙間が長くなる場合に、紙間における帯電印加電圧(電流)を低下させる。
(8)通常の連続プリントよりもスループットが低下する場合、紙間における帯電印加電圧(電流)を低下させる。
以下、図面を参照して本発明の第4及び第5実施例について説明する。
図14は、実施例4における画像形成装置としてのレーザビームプリンタを示す構成図である。
プリンタ本体201は,記録紙P(記録紙P)を収納する上段カセット202と下段カセット205を有する。上段カセット202から上段ピックアップ給紙ローラ203により記録紙Pを繰り出し、上段給紙搬送ローラ204により記録紙Pを搬送する。また、下段カセット205から下段ピックアップ給紙ローラ206により記録紙Pを繰り出し、下段給紙搬送ローラ207により記録紙Pを搬送する。上段カセット202もしくは下段カセット205より搬送された記録紙Pは、下流の給紙センサ208により検知され、再給紙ローラ209によりさらに搬送される。
また、記録紙Pを収納するマルチトレー210からは、マルチピックアップ給紙ローラ211により記録紙Pを1枚ずつ繰り出して、マルチ給紙搬送ローラ212により記録紙Pを搬送する。上段カセット202、下段カセット205、マルチトレー210から給紙搬送された記録紙Pは、さらに下流のレジセンサ213により検知され、レジストローラ対214に所定のループ量を形成した後に搬送を停止する。その後、画像形成タイミング(VSYNC信号)と同期をとって、レジストローラ対214により記録紙Pの搬送が再開される。
レジストローラ対214の搬送方向における下流には、レーザスキャナ部230からのレーザ光に基づいて感光ドラム(像担持体)215上にトナー像を形成する着脱可能なプロセスカートリッジ235が設けられている。感光ドラム215上のトナー像は、転写器240によって記録紙Pに転写される。さらに、下流には記録紙P上に形成されたトナー像を加熱加圧定着する定着器228が設けられており、定着器228の搬送方向における下流には記録紙Pの搬送状態を検知するための定着排紙センサ218および記録紙Pを排紙積載トレイ221へ搬送する定着排紙ローラ217が設けられており、記録紙Pはさらに、排紙ローラ220により排紙積載トレイ221に排紙される。
両面プリントする場合は、両面フラッパ219により、記録紙Pを反転部260へ導く。反転部260へ導かれた記録紙Pは、反転センサ222により検知され、反転ローラ223により引き込みされる。引き込みが終了すると、反転ローラ223の回転方向を逆にすることで記録紙Pを反転させ、両面搬送部へ導く。両面搬送部261へ導かれた記録紙Pは、切り欠けローラ225で搬送され、切り欠けローラ225の切り欠け部分が記録紙Pと接する位置で搬送を停止し、記録紙Pが自由になったところで横レジスト調整板224にて斜行を補正する。その後、切り欠けローラ225により搬送を再開し、搬送方向における下流の両面ローラ226に引き継がれ、両面センサ227で記録紙Pの搬送位置を確認する。そして、再給紙ローラ209にて搬送されて記録紙Pの2面目の画像形成を行う。
また、レーザスキャナ部230は、外部装置244から送出される画像信号に基づいて変調されたレーザ光を発光するレーザユニット231、このレーザユニット231からのレーザ光を感光ドラム215上に走査するためのスキャナモータユニット232、結像レンズ群233、折り返しミラー234により構成されている。スキャナモータユニット232は、スキャナモータ232aおよびポリゴンミラー232bから構成される。そして、プロセスカートリッジ235は、電子写真プロセスに必要な感光ドラム215、前露光ランプ236、帯電器237、現像器238、転写器240、クリーナー239から構成されている。
プリンタ制御部241は、プリンタ本体201を制御するものであり、ビデオコントローラ242およびエンジン制御部243から構成されている。ビデオコントローラ242は、マイクロコンピュータ242a、タイマ242b、メモリ242cなどで構成される。エンジン制御部243は、マイクロコンピュータ243a、タイマ243b、メモリ243cで構成されている。
さらに、プリンタ制御部241は、インターフェース245を介して外部装置244(ホストPCなど)と通信可能な状態で接続されている。また、ここでは図示しないが、プリンタ本体201には、ユーザに情報を通知したりユーザが選択設定を操作したりするための表示操作パネル250を持っている。また、定着器228は、熱ローラ方式の定着器であり、加熱ローラおよび加圧ローラからなる加熱加圧回転体216、加熱ローラ内部に設けられたハロゲンヒータであるヒータ229から構成されている。加熱ローラの表面には図示しない温度検知素子を当接し、温度検知結果にもとづきヒータをON/OFFして、ローラ表面温度を一定に制御している。
図15及び図16は、実施例4の機能構成図である。プリンタ本体201には、プリンタ制御装置241があり、ビデオコントローラ242とエンジン制御部243から構成される。ビデオコントローラ242は、ホストコンピュータなどの外部機器244からインターフェース245を介して送られてくる画像データを、プリントのプリントに必要なビットデータに展開する。
ビデオコントローラ242は、シリアルインターフェース(I/F)によってエンジン制御部243に対してプリントする画像毎にIDを割り当て、プリント条件指示部242dによりプリント条件(記録紙Pを給紙する給紙元、記録紙Pを排紙する排紙先など)を指定して、プリント予約指示部242eによりIDによってプリント予約を行う。ビデオコントローラ242は、ビットデータへの展開が終了すると、エンジン制御部243に対して、プリントプリント指示部242fによりプリント指示を行う。
エンジン制御部243は、プリント条件受信部243dによるビデオコントローラ242から受信したプリント条件と、プリント予約受信部243eで受信したプリント予約に従って、プリント条件とプリント予約の内容を予約メモリテーブル243gへ記憶して、プリント制御部243hによりプリントを制御する。エンジン制御部243は、感光ドラム215を回転させ、給紙ローラや搬送ローラやリフタなどの用紙搬送機構246を制御してプリント条件の給紙口より給紙を行う。また、エンジン制御部243は、高電圧ユニット249を制御することにより、帯電器237で帯電高電圧V(帯電交流高電圧Vcacと帯電直流高電圧Vcdcを重畳した電圧)を感光ドラム215に印加して感光ドラム215の表面を一様の感光ドラム電位Vdに帯電させ、現像器238で現像高電圧の直流成分(現像直流高電圧Vdc)を印加する。
そして、プリント指示受信部243fによりビデオコントローラ242から受信したプリント指示に従って、垂直同期要求信号(VSREQ信号)を出力し、ビデオコントローラ242より垂直同期信号(VSYNC信号)が来るのを待つ。VSYNC信号とともに、エンジン制御部243は、ビデオ信号の1ライン毎に水平同期信号(HSYNC信号)を出しながら、ビデオコントローラ242よりビデオ信号(VDO信号)に従って、レーザスキャナ部230を制御しながら画像形成を行う。
そして、画像形成された画像を、高電圧ユニット249によって、現像器238で現像高電圧の交流成分(現像交流高電圧Vac)を重畳して印加することにより感光ドラム215に形成された静電潜像をトナーにより現像する。更に、エンジン制御部243は、転写器240で転写高電圧を印加して感光ドラム215に現像されたトナー像を記録紙Pに転写するとともに、記録紙Pに転写されたトナー像を定着器228によって熱定着させる。更に、エンジン制御部243は、トナー像が熱定着された記録紙Pを用紙搬送機構246を制御することによりプリント条件として指定された排紙先への排紙を行う。
また、ビデオコントローラ242は、プリンタ本体201の動作状態を表示操作パネル250に表示する機能や、表示操作パネル250によってユーザが操作した設定内容を認識する機能をもっている。また、エンジン制御部243は、センサ入力部247により、各種のセンサからの情報が入力され、搬送路上に記録紙Pが有るか否かの検知をする。
実施例4で、エンジン制御部243は、予約メモリテーブル243gの内容により、第1〜第4の制御部243iや、給紙開始遅延制御部243jによる動作を実行するか否かを選択的に実行する。なお、用紙搬送機構246において、感光ドラム215の回転駆動と、給紙搬送ローラ203,204,206,207,209,211,212,214の回転駆動は、同一の駆動源であるモータにより行われるものであり、感光ドラム215の回転駆動はモータ駆動と直結し、給紙搬送ローラの回転は、モータ駆動が、クラッチにより伝達/非伝達のいずれかの状態となるよう構成されている。
図17(a)乃至図19(k)は、実施例4を示す画像形成装置のプリント予約テーブルに記憶されるデータの内容の一例を示す図である。また、図20は、実施例4を示す画像形成装置のプリント動作のタイムチャートを示す図である。これらの図を参照しながら、実施例4におけるプリントのための予約およびプリントのシーケンスについて説明する。
図17(a)〜図20は、図14における上段カセット202から2枚の記録紙Pを給紙して両面にプリントを行った後に、排紙積載トレイ221へ排紙する場合を示すものである。両面プリントの方法は、1枚目1面目、1枚目2面目、2枚目1面目、2枚目2面目という順序で、1枚ずつ表裏をプリントしていく方法としている。そして、上段カセット202には、A4サイズの用紙が2枚以上格納されているものとする。ビデオコントローラ242より、1枚目の記録紙Pの1面目に係る画像信号のビットデータへの展開処理が終了したら、シリアルインターフェース(I/F)を介して、エンジン制御部243に、1枚目の記録紙Pの1面目についてID番号を割り付け、プリント条件(ID=4、給紙口=上段、排紙口=両面)でのプリント予約指示およびプリント指示を行う(図17(a))。
ビデオコントローラ242からプリント予約指示及びプリント指示を受信したエンジン制御部243は、ビデオコントローラ242からのプリント予約に基づき、予約された順に、プリント条件(ID番号、給紙口、排紙口)とその予約時点の紙サイズを、プリント予約テーブル243gに記憶する。ここで、上段カセット202は、記録紙Pのサイズを自動的に検知するであるが、上段カセット202にはA4サイズの用紙が格納されていることから、検知したサイズをA4定型紙サイズとして登録する。また、プリンタ本体201の動作状態としては、まだ記録紙Pの給紙を実行していないので給紙待機を動作状態として登録する。また、プリンタ本体201に発生しているエラーとしては、エラー無しと登録する。この結果、図17(a)に示すように、1枚目の記録紙Pの1面目のプリント予約情報がプリント予約テーブルに登録される。
その後、ビデオコントローラ242より、続1枚目の記録紙Pの2面目のプリント条件(ID=4、給紙口=両面、排紙口=排紙トレイ)、2枚目1面目のプリント条件(ID=7、給紙口=上段、排紙口=両面)、2枚目2面のプリント条件(ID=7、給紙口=両面、排紙口=排紙トレイ)のプリント予約指示を行う。ビデオコントローラ242からプリント予約指示を受信したエンジン制御部243は、記録紙Pを給紙していないのでプリンタの動作状態として給紙待機状態を登録するとともに、エラーの発生についてはエラー無しとして登録する(図17(b))。
この時点において、エンジン制御部243は、最初の1枚目のプリント条件であるID=4について、プリントを開始する条件が整っていることから、プリント動作を開始させる。
まず始めに、エンジン制御部243は、スキャナモータ232aの回転を開始させてポリゴンミラー232bが一定の回転数となるように立ち上げ、感光ドラム215の回転を開始させるとともに高電圧の出力を開始する。高電圧の出力の開始は、帯電直流高電圧Vcdc及び帯電交流高電圧Vcacを出力した後に現像直流高電圧Vdcを出力することにより行う。
そして、最初のプリント条件であるID=4について、記録紙Pの給紙を開始する。これによって、図17(b)に示すように、1枚目1面目のID=4についてのプリンタの動作状態を給紙中に書き替える(図17(b))。
エンジン制御部243は、記録紙Pの先端がレジストローラ214に到達して給紙動作が完了した後は、ビデオコントローラ242よりすでにプリント指示を受けていることから、垂直同期(VSREQ信号とVSYNC信号)のやりとりをして、レジストローラ214に待機させてある記録紙Pについての画像形成を開始する(レーザスキャナ部230による感光ドラム215の露光、現像器238による感光ドラム215上の静電潜像の現像、および転写器240による感光ドラム215上のトナー像の記録紙Pへの転写を行う)。これによって、図17(c)に示すように、1枚目1面目のID=4についてのプリンタ本体201の動作状態をプリント中に書き替える。
エンジン制御部243は、1枚目の記録紙Pの1面目への画像形成を完了したことに応じて、感光ドラム215の回転を維持したまま、帯電交流高電圧Vcacの出力を低下させる。そして、定着して、用紙反転して両面搬送され再給紙の位置まで搬送されるのを待つ。その間、2枚目1面目のID=7の記録紙Pを給紙ローラ203,204にてクラッチで接続して駆動させて予備給紙(上段カセット202から再給紙ローラ209にニップされない給紙センサ208の手前まで給紙搬送させて待機させること)を行う。図17(d)に示すように、1枚目1面目のID=4についてのプリンタ本体201の動作状態を両面搬送中に書き替え、2枚目1面目のID=7の状態情報を給紙中に書き替える。
エンジン制御部243は、1枚目1面目が再給紙の位置まで搬送されたら、帯電交流高電圧Vcdcを立ち上げるとともに、1枚目の記録紙Pの2面目(裏面)にプリントさせるべく記録紙Pを再給紙する。この間、ビデオコントローラ242は、1枚目の記録紙Pの2面目の画像信号のビットデータへの展開処理を行うとともに、展開処理が終了したら、エンジン制御部243に対して、1枚目の記録紙Pの2面目についてのプリント指示を行う。図18(e)に示すように、1枚目の記録紙pの2面目についてのID=4の状態情報を給紙中に書き換えるとともに、1枚目の記録紙Pの1面目は2面目のプリント動作に移行しているのでプリンタ本体201の動作状態を2面管理に書き換える(図18(e))。
エンジン制御部243は、1枚目の記録紙Pの再給紙動作が完了すると、ビデオコントローラ242からプリント指示をすでに受けていることから、垂直同期(VSREQ信号とVSYNC信号)のやりとりをして、画像形成を開始するとともに、1枚目の記録紙Pの2面目についてのID=4の状態情報をプリント中に書き替える(図18(f))。
次に、エンジン制御部243は、2枚目の記録紙Pの1面目の給紙を再開し、1枚目の記録紙Pの2面目についての画像形成を完了し定着させる。そして、エンジン制御部243は、ビデオコントローラ242から2枚目の記録紙Pの1面目についてのプリント指示を受けて、2枚目の記録紙Pの1面目にいての画像形成を開始させる。図18(g)に示すように、1枚目の記録紙Pの2面目の画像形成が終了して装置外へ排出されたら、1枚目の記録紙Pの1面目および1枚目の記録紙Pの2面目についてのID=4の情報を削除し、2枚目の記録紙Pの1面目についてのプリンタ本体201の動作状態をプリント中に書き換える。
エンジン制御部243は、2枚目の記録紙Pの1面目についての画像形成が完了したら、高電圧を立ち下げて(現像直流高電圧Vdcおよび転写高電圧を立ち下げたのちに帯電直流高電圧Vcdc及び帯電交流高電圧Vcacも出力停止)、感光ドラム215の回転を停止させる。
ここでは、2枚目の記録紙Pの2面目に引き続きプリントすべきページについてのプリント予約が存在しないので、予備給紙をさせる必要がない。そのため、エンジン制御部243は、給紙ローラ203の駆動も不要であり、感光ドラム215の回転も停止させることが可能である。
そこで、エンジン制御部243は、2枚目の記録紙Pの2面目にトナー像を定着させた後、記録紙Pを反転部260にて反転させ、更に両面搬送部261にて両面搬送され再給紙の位置まで搬送させる。なお、2枚目の記録紙Pの2面目にトナー像を定着させた後から再給紙の位置(記録紙Pの先端が給紙センサ208に到達する位置)に到るまでは、図19(h)に示すように、2枚目1面目のID=7の状態情報を両面搬送中とする。
エンジン制御部243は、2枚目の記録紙P(2面目)が再給紙の位置まで搬送させたら、感光ドラム215の回転を再開させるとともに高電圧ユニット249を立ち上げ(帯電直流高電圧Vcdcおよび帯電交流高電圧Vcacを出力した後に、現像直流高電圧Vdcを出力する)、2枚目の記録紙P(2面目)を再給紙位置から搬送する。図19(i)に示すように、2枚目2面目のID=7の状態情報を給紙中に書き換えるとともに、2枚目1面目は2面目のプリント動作に移行しているので状態情報を2面管理に書き換える。
ビデオコントローラ242より、2枚目2面目の画像ビット展開が終了したら、エンジン制御部243に、2枚目2面目のプリント指示を行う。エンジン制御部243にて再給紙完了し、ビデオコントローラ242よりすでにプリント指示を受けているので、垂直同期(VSREQ信号とVSYNC信号)のやりとりをして、画像形成を開始する。これによって、図19(j)に示すように、2枚目2面目のID=7の状態情報をプリント中に書き替える。
エンジン制御部243は、2枚目の記録紙P(2面目)の画像形成を完了したら、高電圧ユニット249を立ち下げ(現像直流高電圧Vdcと転写高電圧を出力停止させたのちに帯電直流高電圧Vcdcと帯電交流高電圧Vcacの出力を停止させ)、感光ドラム215の回転を停止させる。そして、エンジン制御部243は、スキャナモータ232aの回転も停止させる。図19(k)示すように、2枚目の記録紙P(2面目)がプリンタ本体201から排紙積載トレイ221に排紙されたら、2枚目の記録紙Pの1面目および2枚目の記録紙Pの2面目についてのID=7の情報を削除し、一切プリント予約がされていない状態となる。
次に、2枚の記録紙Pを給紙して両面にプリントを行った後に排紙積載トレイ221に記録紙Pを排紙する際の動作についてタイミングチャート(図20)を用いつつ説明する。
最初に、エンジン制御部243は、感光ドラム215の回転を開始させるとともに(T1)、高電圧ユニット249を立ち上げるべく、帯電の交流成分である帯電交流高電圧Vcacと直流成分である帯電直流高電圧Vcdc、並びに現像の直流成分である現像直流高電圧Vdcを立ち上げる(T1)。
エンジン制御部243は、高電圧ユニット249が立ち上がったことに応じて、記録紙Pの給紙を開始させる(T1)。そして、エンジン制御部243は、記録紙Pをレジストローラ214まで給紙させた後、1枚目の記録紙Pの1面目に対する画像形成を行い(画像形成中(T2〜T3)は、現像の交流成分である現像交流高電圧Vacと転写高電圧を出力)、トナー像が転写された記録紙Pにトナー像を定着させつつ帯電の交流成分である帯電交流高電圧Vcacの出力を低下させ(T3〜T4)、2枚目の記録紙Pの1面目についての予備給紙を開始させる(T4)。
そして、エンジン制御部243は、1枚目の記録紙Pの1面目にトナー像を定着させて両面搬送部261を搬送させ(反転部260で記録紙Pを反転させて再給紙位置まで搬送)し、1枚目の記録紙P(1面目)を再給紙位置まで搬送させたことに応じて、帯電の交流成分である帯電交流高電圧Vcacの出力を立ち上げる(T5〜T6)。
なお、エンジン制御部243は、1枚目の記録紙Pの2面目にプリントするのに先立って、1枚目の記録紙Pの再給紙を開始する。また、エンジン制御部243は、高電圧ユニット249の立ち上げおよび再給紙が完了した後、1枚目の記録紙Pの2面目についての画像形成を開始させる(T6)。また、エンジン制御部243は、1枚目の記録紙Pの2面目への画像形成が終了するのに先立って2枚目の記録紙P(1面目)の給紙を再開し、給紙を再開させた後に1枚目2面目の定着を行う。
エンジン制御部243は、2枚目の記録紙P(1面目)の給紙完了後(T8)、2枚目の記録紙Pの1面目に対する画像形成を開始する。また、エンジン制御部243は、2枚目の記録紙Pの1面目に対する画像形成が終了(T9)した後に、2枚目の記録紙Pの1面目へトナー像を定着させつつ、T9から高電圧ユニット249を立ち下げ(現像直流高電圧Vdcおよび転写高電圧を出力停止したのちに帯電の直流成分である帯電直流高電圧Vcdcと交流成分である帯電交流高電圧Vcacともに出力停止)、感光ドラム215の回転を停止させる(T10)。
そして、2枚目の記録紙Pの1面目にトナー像を定着して両面搬送(用紙反転して再給紙位置まで搬送)し再給紙位置まで搬送されたら、ドラム回転を再開し(T11)、高電圧ユニット249を立ち上げるとともに(帯電の直流成分である帯電直流電圧Vcdcと交流成分である帯電交流電圧Vcacともに出力したのちに現像の直流成分である現像直流電圧Vdcを出力)、2枚目の記録紙P(2面目)の再給紙を開始する(T11)。エンジン制御部243は、高電圧ユニット249の立ち上げおよび再給紙完了後(T12)、2枚目の記録紙Pの2面目への画像形成を開始する。エンジン制御部243は、2枚目の記録紙Pの2面目についての画像形成を行って(T12〜T13)、高電圧ユニット249を立ち下げ(現像高圧および転写高圧を出力停止したのち帯電の直流成分と交流成分をともに出力停止し)、感光ドラム215の回転を停止させる(T15)。そして、エンジン制御部243は、2枚目の記録紙Pの2面目にトナー像を定着して排出する。
ここで説明したように、1枚目の記録紙Pの1面目の画像形成が終了してから1枚目2面目のプリントの間で、1枚目の記録紙P(1面目)を反転させて再給紙位置まで両面搬送する間、さらに後続の2枚目の記録紙P(1面目)の予備給紙をさせることで、コストアップすることなくプリンタ本体201が発揮できる最大スループットが出るようにした。
なお、両面搬送中においては感光ドラム215の回転を停止させるとともに、高電圧ユニット249を動作させないようにすれば、帯電交流高電圧Vcacが感光体ドラム215の寿命に悪影響を与えないようにすることができるが、実施例4におけるプリンタ本体201では、感光ドラム215を駆動する駆動源と両面搬送中に予備給紙を行うための給紙ローラの駆動源とが同一のモータとされている。このような構成のプリンタ本体201では、両面搬送中の予備給紙には給紙ローラの駆動が必要であり、駆動源が同一である感光ドラムの回転の停止ができない。そこで、両面搬送中は、帯電の交流成分である帯電交流高電圧Vcacの出力を低下させることで、予備給紙を行いながら感光ドラム215の削れを少なくすることを実現できた。
なお、帯電の交流成分である帯電交流高電圧Vcacの出力を低下させる場合において、帯電の直流成分である帯電直流高電圧Vcdcと低下させた交流成分である帯電交流高電圧Vcacを重畳した帯電高電圧Vによる感光ドラム電位Vdを、現像の直流成分である現像直流高電圧Vdc(交流成分である現像交流高電圧Vacは出力停止)よりも大きくしておくと、トナーの不要な現像を防止し汚れや無駄なトナー消費を防止できるので好適である。
1枚目の記録紙Pの2面目をプリントしてから2枚目の記録紙Pの1面目をプリントするまでの間では、通常の搬送間隔時間Trなので、帯電の出力は変化させることなくそのままとしている。2枚目1面目と2枚目2面目のプリントの間で、1枚目1面目が用紙反転して再給紙位置まで両面搬送する間、さらに後続の予約が存在しないため予備給紙を行う必要がない。
そこで、この間は、帯電の直流成分である帯電直流高電圧Vcdcと交流成分である帯電交流高電圧Vcacの両方の出力を停止させ、かつ、感光ドラム215の回転も停止させることで、感光ドラム215の削れをさらに少なくすることができる。2枚目2面目の画像形成後は、後続のプリントが無いので、すぐに帯電の直流成分も交流成分も両方とも出力を停止させ、感光ドラムの回転も停止させ、無駄な感光ドラムの削れを無くした。両面搬送中に、帯電の交流成分のみ出力低下させて、出力を戻すタイミングは、この実施例では再給紙のタイミングとし、出力を戻して高圧が立ち上がってから感光ドラム1周分の回転が入り、露光前に感光ドラムの表面が充分に一様になっているようにした。
同様に、帯電の直流成分と交流成分を出力停止させて、出力再開するタイミングは、実施例4では再給紙のタイミングとし、出力再開して高圧が立ち上がってから感光ドラム1周分の回転が入り、露光前に感光ドラム表面の感光ドラム電位Vdが充分に一様になっているようにした。
図21は、第1実施例を示す画像形成装置のエンジン制御部243におけるプリント動作に関する処理を説明するためのフローチャートである。プリント動作のうち給紙および画像形成に着目した処理を示している。エンジン制御部243は、プリント動作可能のプリント予約指示およびプリント指示をビデオコントローラ242から受信することによりプリント動作を開始する。
まず、エンジン制御部243は、感光ドラム215の回転駆動、高電圧ユニット249の立ち上げ(帯電の交流成分である帯電交流高電圧Vcacと直流成分である帯電直流高電圧Vcdcの両方を出力したのちに現像の直流成分である現像直流高電圧Vdcを出力)を行う(ステップS101)。
そして、エンジン制御部243は、記録紙Pの給紙を開始し(ステップS102)、転写(画像形成)が終了するのを待つ(ステップS103)。
なお、エンジン制御部243は、記録紙Pへの画像形成中は、現像の交流成分である現像交流高電圧Vacと転写高電圧の出力を行う。エンジン制御部243は、転写が終了したら、続いてプリント可能なプリント予約が存在しているかどうかをチェックする(ステップS104)。エンジン制御部243は、プリント可能なプリント予約が存在していなければ、高圧の立ち下げ(現像高圧と転写高圧の出力停止したのちに帯電の交流成分と直流成分の両方を出力停止)を行い(ステップS105)、感光ドラムの回転を停止し(ステップS106)、定着および排出が終了したら(ステップS107)、プリント動作を終了する。
転写終了後に、続いてプリント可能なプリント予約が存在していたら、次の予約が、プリント終了した用紙の2面目に当たる予約であるかどうかをチェックする(ステップS108)。転写終了した用紙の2面目に当たる予約でなければ、次の予約のプリントを行うためステップS102に戻る。プリント終了した用紙の2面目に当たる予約であれば、次の次にプリントすべきプリント可能なプリント予約が存在しているかどうかをチェックする(ステップS109)。
次の次にプリントすべきプリント可能なプリント予約が存在していれば、帯電の交流成分ACの出力を低下させ(ステップS110)、次の次にプリントすべきプリント可能なプリント予約の予備給紙を開始させる(ステップS111)。そして、1面目の用紙を定着して用紙反転されて再給紙の位置まで搬送される両面搬送が終了するのを待つ(ステップS112)。両面搬送が終了したら、再給紙の位置まで搬送した用紙を2面目として再給紙させ(ステップS113)、帯電の交流成分ACの出力を元に戻す(ステップS114)。そして、2面目の画像形成を行いステップS103へ戻る。
一方、ステップS109にて、次の次にプリントすべきプリント可能なプリント予約が存在していない場合は、高圧の立ち下げ(現像高圧と転写高圧を出力停止したのちに帯電の交流成分と直流成分の両方の出力を停止)を行い(ステップS115)、感光ドラムの回転を停止させる(ステップS116)。そして、1面目の用紙を定着して用紙反転されて再給紙の位置まで搬送される両面搬送が終了するのを待つ(ステップS117)。
両面搬送が終了したら、感光ドラムの回転を再開し(ステップS118)、高圧の立ち上げ(帯電の交流成分と直流成分の両方を出力したのちに現像の直流成分を出力)を行い(ステップS119)、再給紙の位置まで搬送した用紙を2面目として再給紙させる(ステップS120)。そして、2面目の画像形成を行いステップS103へ戻る。
以上説明したように、1枚目1面目と1枚目2面目のプリントの間で、1枚目1面目が用紙反転して再給紙位置まで両面搬送する間、さらに後続の2枚目1面目の予備給紙をさせることで、コストアップ無しで最大スループットが出るようにした。このとき、両面搬送中の予備給紙には給紙ローラの駆動が必要で、駆動源が同一である感光ドラムの回転の停止ができないので、この間は、帯電の交流成分の出力を低下させる制御を行うことで、予備給紙を行いながら感光ドラムの削れを少なくすることを実現できた。実際に、通常の紙間で帯電の交流成分の出力を低下させない時に比べて、帯電の交流成分の出力を低下させた時には30%程度の削れ削減の効果が得られた。
1枚目2面目と2枚目1面目のプリントの間では、通常の紙間時間なので、帯電の出力はそのままとしている。2枚目1面目と2枚目2面目のプリントの間で、1枚目1面目が用紙反転して再給紙位置まで両面搬送する間、さらに後続の予約が存在しないため予備給紙を行う必要がないので、この間は、帯電の直流成分と交流成分の両方の出力を停止させ、かつ、感光ドラムの回転も停止させ、感光ドラムの削れをさらに少なくできた。
感光ドラムの回転も高圧印加もしない時には、削れが発生しない。2枚目2面目の画像形成後は、後続のプリントが無いので、すぐに帯電の直流成分も交流成分も両方とも出力を停止させ、感光ドラムの回転も停止させ、無駄な感光ドラムの削れを無くした。これらの結果、コストアップ無しで最大スループットを維持し、両面プリントのプリント状態に応じて最適な感光ドラム削れの防止が可能となった。
また、上述した特許文献6に提案されているように、感光ドラムの回転時間、帯電の交流成分を通常出力している時間、帯電の交流成分を出力低下させている時間から、それぞれのドラム削れ実測データからあらかじめ求めておいた削れ率の係数を加味して、ドラム削れ量あるいはドラム残量といった数値をドラムの不揮発メモリ(接触式、アンテナによる非接触式を問わず)に記憶しておくと、削れ防止の効果によって伸びたドラム寿命まで使用できるので、より好適である。
図14は、本発明に係る画像形成装置の実施例5を示す構成図で、図15及び図16は、本発明の実施例5を示す画像記録装置における機能構成を示すブロック図である。どちらも、実施例4と同様であるので説明を省略する。
図22(a)乃至図24(k)は、実施例5を示す画像形成装置のプリント予約テーブルを示す図である。図25及び図30は、実施例5を示す画像形成装置のプリントのタイムチャートである。図22(a)乃至図24(k)と図25が対応し、図26(a)乃至図29(m)と図30が対応している。これらの図を参照しながら、本発明におけるプリントのための予約およびプリントのシーケンスを説明する。
図22(a)乃至図24(k)と図25は、上段カセット202から排紙トレイ221へ、2枚の両面プリントを行うことを想定している。両面プリントの方法は、1枚目1面目、1枚目2面目、2枚目1面目、2枚目2面目という順序で、1枚ずつ表裏をプリントしていく方法としている。そして、上段カセット202には、A4サイズの用紙が2枚以上格納されている。実施例4における図17(a)至図19(k)と図20とほぼ同様であるので、異なる部分について説明をする。
プリント予約テーブルの図では、実施例4の図19(h)と、実施例5の図24(h)のみが異なる。1面目の画像形成が終了して、高圧を立ち下げ(現像高圧および転写高圧を出力停止したのち帯電の直流成分と交流成分ともに出力停止)、感光ドラムの回転駆動を停止して、両面搬送(用紙反転して再給紙位置まで搬送)している間は、給紙ローラの駆動ができないため予備給紙ができない。そのため、本実施例では、その間を、予備給紙禁止期間として、予備給紙を待たせるようにした。
従って、図24(h)において、2枚目1面目が両面搬送中の状態のときに、以降のプリント順の予約に対して予備給紙禁止のエラーを書込みしている。2枚目1面目が両面搬送終り、感光ドラムの回転を再開させて、2枚目2面目の再給紙を開始するとともに、予備給紙も可能となるため、予備給紙禁止を解除する。図24(i)では、2枚目2面目の予備給紙禁止のエラーを削除し、給紙中にしている。
プリントのタイムチャートでは、実施例4の図20と、実施例5の図25において、1枚目2面目の再給紙タイミングと、帯電の交流成分を戻す高圧立ち上げタイミングのみが異なる。実施例5では、画像形成開始タイミング(T6)から帯電の交流成分の高電圧が立ち上がる時間分だけ遡ったタイミング(T5)で、帯電の交流成分を元に戻すようにした。従って、再給紙とともに、帯電の交流成分を元に戻す実施例4の図20に比べて、帯電の交流成分の出力が低下している時間(T4〜T5)をより長く設けることができるので、より感光ドラム215の削れを防止できる。
図26(a)乃至図29(m)と図30は、上段カセット202から排紙トレイ221へ2枚の両面プリントを行い、2枚目1面目の両面搬送中(感光ドラムの回転停止中)に、下段カセット205から排紙トレイ221へ1枚の片面プリントの指示が来て片面プリントを行うことを想定している。両面プリントの方法は、1枚目1面目、1枚目2面目、2枚目1面目、2枚目2面目という順序で、1枚ずつ表裏をプリントしていく方法としている。そして、上段カセット202には、A4サイズの用紙が2枚以上格納されており、下段カセット205にもA4サイズの用紙が1枚以上格納されている。
図26(a)乃至〜図28(h)は、図22(a)乃至図24(h)と同様であるので、図28(i)以降について説明をする。
1面目の画像形成が終了して、高圧を立ち下げ(現像高圧および転写高圧の出力停止したのち帯電の直流成分と交流成分ともに出力停止)、感光ドラムの回転駆動を停止して、両面搬送(用紙反転して再給紙位置まで搬送)している間は、給紙ローラの駆動ができないため予備給紙ができない。そのため、本実施例では、その間を、予備給紙禁止期間として、予備給紙を待たせるようにした。
従って、図28(h)において、2枚目1面目が両面搬送中の状態のときに、以降のプリント順の予約に対して予備給紙禁止のエラーを書込みしている。このときに、ビデオコントローラ242が、3枚目片面のプリント条件(ID=14、給紙口=下段カセット、排紙口=排紙トレイ)のプリント予約指示を行うことを想定した。エンジン制御部243は、3枚目片面のプリント予約指示を受け付けると、プリント予約テーブル243gに登録を行うが、給紙ローラを駆動できない予備給紙禁止期間であるため、予備給紙禁止のエラーを書込みして、予備給紙を行わない。図28(i)のように、3枚目片面のID=14を給紙待機で予備給紙禁止エラーとして登録する。
2枚目1面目の両面搬送が終り、感光ドラムの回転を再開させて、2枚目2面目の再給紙を開始するとともに、予備給紙も可能となるため、予備給紙禁止を解除し、3枚目片面の予備給紙も開始する。図28(j)では、2枚目2面目および3枚目片面の予備給紙禁止のエラーを削除し、2枚目2面目および3枚目片面の状態を給紙中にしている。また、2枚目1面目については、2枚目2面目のプリント動作へ移行したので、状態を2面管理中に書き替える。
ビデオコントローラ242より、2枚目2面目の画像ビット展開が終了したら、エンジン制御部243に、2枚目2面目のプリント指示を行う。エンジン制御部243にて再給紙完了し、ビデオコントローラ242よりすでにプリント指示を受けているので、垂直同期(VSREQ信号とVSYNC信号)のやりとりをして、画像形成を開始する。これによって、図28(k)に示すように、2枚目2面目のID=7の状態情報をプリント中に書き替える。
エンジン制御部243にて、2枚目2面目の画像形成を完了したら定着と排出を行い、3枚目片面のプリント指示を受けたら、3枚目片面の給紙完了とともに画像形成を開始する。図29(l)のように、2枚目2面目が排出完了したら、2枚目1面目と2枚目2面目の情報をすべて削除し、3枚目片面の状態はプリント中となる。3枚目片面の画像形成が終了したら、高圧を立ち下げ(現像高圧および転写高圧を出力停止したのち帯電の直流成分と交流成分を出力停止)、ドラム回転を停止させる。そして、スキャナモータ回転も停止させる。
図29(m)に示すように、3枚目片面が排出されたら、3枚目片面のID=14の情報を削除し、一切の予約無し状態となる。プリントのタイムチャートでは、図25と図30において、3枚目片面の部分が追加されているところだけが異なる。感光ドラム215の回転動作を停止している両面搬送中(T10〜T11)に、図30の矢印で示されるように、予約メモリ243gは、ビデオコントローラ242のプリント指示部242Fから、3枚目の記録紙Pの片面についての予約を受け付ける。しかし、T10〜T11では、感光ドラム215の回転が停止しており、エンジン制御部243は、給紙ローラを駆動させることができないので、記録紙Pの予備給紙は開始しない。エンジン制御部243は、感光ドラム215の回転を再開させて(T11)、給紙ローラの駆動が行えるタイミングまで待ってから、記録紙Pの予備給紙を開始させている。
このようにしたことで、給紙ローラの駆動が行えないときに、予備給紙を開始して、用紙搬送できずにジャムになってしまうことを防止するとともに、給紙ローラの駆動が行えるようになるやいなや予備給紙を開始させて、スループットをできるだけ落とさないようにしている。
図31は、実施例5を示す画像形成装置のエンジン制御部243におけるプリント動作に関する処理を説明するためのフローチャートである。プリント動作のうち給紙および画像形成に着目した処理を記した。実施例4の図21に示すフローチャートと同様のステップについては、図21と同じステップ番号を割り付けたので、同じステップについては説明を省略する。図31では、図21に対して、ステップS201、ステップS202、ステップS203の3つのステップのみが異なる。まず、ステップS201について説明する。
両面搬送が終了したら(ステップS112)、再給紙の位置まで搬送した用紙を2面目として再給紙させる(ステップS113)。そして所定タイミング経過を待って(ステップS201)、帯電の交流成分ACの出力を元に戻す(ステップS114)。そして、2面目の画像形成を行いステップS103へ戻る。実施例1に比べて、本実施例にて、所定タイミング経過してから、帯電の交流成分ACの出力を元に戻すことで、出力低下によって感光ドラム削れが少なくなっている時間を多くとっている。そして、このタイミングは、画像形成を開始するまでに、帯電の交流成分の出力が元に戻るまでの立ち上がり分だけ遡ったタイミングにすることが、ドラム削れ防止にとって好適である。
次に、ステップS202、S203について説明する。ステップS109にて、次の次にプリントすべきプリント可能なプリント予約が存在していな場合は、予備給紙禁止とし(ステップS202)、高圧の立ち下げ(現像高圧および転写高圧の出力停止したのち帯電の交流成分と直流成分の両方の出力を停止)を行い(ステップS115)、感光ドラムの回転を停止させる(ステップS116)。そして、1面目の用紙を定着して用紙反転されて再給紙の位置まで搬送される両面搬送が終了するのを待つ(ステップS117)。両面搬送が終了したら、感光ドラムの回転を再開し(ステップS118)、高圧の立ち上げ(帯電の交流成分と直流成分の両方を出力したのち現像の直流成分を出力)を行い(ステップS119)、再給紙の位置まで搬送した用紙を2面目として再給紙させ(ステップS120)、予備給紙禁止を解除する(ステップS203)。そして、2面目の画像形成を行いステップS103へ戻る。
このように、感光ドラムの回転を停止させていて給紙ローラ駆動ができないので、予備給紙不可能の期間においては、予備給紙禁止としておき、感光ドラムの回転を再開して予備給紙可能となったら予備給紙禁止を解除する。このようにすることで、予備給紙不可能なときに予備給紙を開始して、給紙ジャムを誤検知してしまうことを防止している。
以上説明したように、実施例5においては、実施例4に比べて、帯電の交流成分の出力を停止している期間を長くすることで、よりドラム削れを防止できた。また、ドラム削れ防止のために、感光ドラムの回転を停止している間は予備給紙禁止として、そのときにプリント予約を受付けた場合には、予備給紙を待たせて、感光ドラムの回転を再開するとともに予備給紙を開始させることで、ジャムを誤検知することなくスループットをできるだけ落とさずにドラム削れの防止を実現できた。
本発明は、記録材と記録材との間が必要以上に長くなる場合において、像担持体の寿命が著しく低下することのない画像形成装置を提供することができる。また、両面プリントにおいて、最大スループットを維持しつつ、像担持体の寿命を伸ばすようにした画像形成装置を提供することができる。
従来の画像形成装置の概略構成図である。
従来の画像形成装置における両面連続プリントのタイミングチャートを示す図である。
従来の画像形成装置における1枚両面プリントのタイミングチャートを示す図である。
本発明に係る画像形成装置の第1実施例の概略構成図である。
帯電高圧出力回路の一実施例の構成図である。
帯電交流電圧と帯電電流の特性図である。
帯電電流と感光ドラム電位の特性図である。
第1実施例の画像形成装置におけるタイミングチャートを示す図である。
本発明に係る画像形成装置の第2実施例の概略構成図である。
帯電電流の立ち下がり、立ち上がり特性図である。
複数の給紙口を備えた第2の実施例の画像形成装置における片面連続プリントのタイミングチャートを示す図である。
複数の給紙口を備えた第2の実施例の画像形成装置における両面連続プリントのタイミングチャートを示す図である。
第3実施例の画像形成装置におけるタイミングチャートを示す図である。
本発明に係る画像形成装置の第4及び第5実施例を示す概略構成図である。
本発明の第4及び第5実施例の機能構成図(その1)である。
本発明の第4及び第5実施例の機能構成図(その2)である。
(a)〜(d)は、第4実施例を示す画像形成装置のプリント予約テーブルを示す図(その1)である。
(e)〜(g)は、第4実施例を示す画像形成装置のプリント予約テーブルを示す図(その2)である。
(h)〜(k)は、第4実施例を示す画像形成装置のプリント予約テーブルを示す図(その3)である。
第4実施例を示す画像形成装置のプリントのタイムチャートを示す図である。
第4実施例を示す画像形成装置のエンジン制御部におけるプリント動作に関する処理を説明するためのフローチャートを示す図である。
(a)〜(d)は、第5実施例を示す画像形成装置のプリント予約テーブルを示す図(両面2枚プリント;その1)である。
(e)〜(g)は、第5実施例を示す画像形成装置のプリント予約テーブルを示す図(両面2枚プリント;その2)である。
(h)〜(k)は、第5実施例を示す画像形成装置のプリント予約テーブルを示す図(両面2枚プリント;その3)である。
第5実施例を示す画像形成装置のプリントのタイムチャート(両面2枚プリント)を示す図である。
(a)〜(d)は、第5実施例を示す画像形成装置のプリント予約テーブルを示す図(両面2枚プリント+片面プリント;その1)である。
(e)〜(g)は、第5実施例を示す画像形成装置のプリント予約テーブルを示す図(両面2枚プリント+片面プリント;その2)である。
(h)〜(k)は、第5実施例を示す画像形成装置のプリント予約テーブルを示す図(両面2枚プリント+片面プリント;その3)である。
(l),(m)は、第5実施例を示す画像形成装置のプリント予約テーブルを示す図(両面2枚プリント+片面プリント;その4)である。
第5実施例を示す画像形成装置のプリントのタイムチャート(両面2枚プリント+片面プリント)を示す図である。
第5実施例を示す画像形成装置のエンジン制御部におけるプリント動作に関する処理を説明するためのフローチャートを示す図である。
符号の説明
1 感光ドラム
2 帯電ローラ
3 高電圧電源部
4 プリンタ制御部
100レーザビームプリンタ
111 スキャナ
112 プロセスカートリッジ
113 転写ローラ
114 放電部材(除電針)
117 定着ローラ
118 加圧ローラ
134 現像ローラ
201 プリンタ本体
215 感光ドラム(像担持体)
228 定着器
230 レーザスキャナ部
235 プロセスカートリッジ
237 帯電器
238 現像器
240 転写器
241 プリンタ制御部
242 ビデオコントローラ
243 エンジン制御部