以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置は、本体部1と、記録紙の両面印刷を行うためにこの本体部1から搬送されてきた記録紙を反転させて再び本体部1へ搬送する反転機構としての反転部2と、を備えており、記録紙の片面印刷または両面印刷が可能に構成されている。そして、図1及び図2に示すように、この本体部1には、感光ドラム3と、この感光ドラム3の表面全体を帯電させる帯電装置10と、感光ドラム3の表面にレーザ光を照射する露光装置20と、感光ドラム3の表面のうちレーザ光が照射された部分にトナー31を付着させることで現像を行う現像装置30と、感光ドラム3の表面に付着したトナー31を記録紙に転写する転写装置40と、記録紙に転写されたトナー31を記録紙に定着させる定着装置50と、定着装置50で生じる熱を画像形成装置の外部へ放熱することで画像形成装置の内部を冷却する冷却ファン60と、が設置されている。
また、図1に示すように、この本体部1には、給紙カセット70と、この給紙カセット70から記録紙を送り出す給紙ローラ71と、この給紙ローラ71から送り出された記録紙を搬送する搬送ローラ72と、この搬送ローラ72を通過した記録紙の向きを矯正するとともに記録紙が搬送されるタイミングを調整する一対のレジストローラ73と、この一対のレジストローラ73から感光ドラム3へ記録紙を搬送するとともに感光ドラム3を通過した記録紙を定着装置50へ搬送する搬送ガイド74と、定着装置50を通過した記録紙の排出方向を切り換える切換ガイド75と、この切換ガイド75を通過した記録紙を画像形成装置の外部へ排出するための排紙ローラ76と、この排紙ローラ76から画像形成装置の外部へ排出された記録紙を貯めておくための排紙トレイ77と、搬送ローラ72の上流側に設置されるとともに記録紙の印刷面の状態を検知する印字検知センサ78と、が設置されている。
また、図1に示すように、この反転部2には、切換ガイド75を通過後の片面印刷された記録紙を搬送する搬送ローラ79と、その間に搬送ローラ79が設置されるとともに記録紙を下方へ搬送する搬送部80と、この搬送部80を通過した記録紙が一時的に送り込まれる下段トレイ81と、この下段トレイ81から送り出された記録紙を反転させる反転ローラ82と、その間に複数の搬送ローラ79が設置されるとともにこの反転ローラ82を通過した記録紙を本体部1へ向けて搬送するための上段トレイ83と、が設置されている。
更に、図2に示すように、この画像形成装置は、記録紙に印刷するための画像データ及び印字検知センサ78の検知信号に基づき記録紙の印刷面が印刷済みであることが確認されたときに当該記録紙に付されるページ番号の情報が記憶されるメモリ90と、冷却ファン60、帯電装置10、露光装置20、現像装置30、転写装置40、定着装置50、及び制御装置92のそれぞれに電力を供給する電源装置91と、記録紙の連続印刷枚数を計数するカウンタ(不図示)が設置されるとともに画像形成装置の内部に設置された各装置の動作を制御する制御装置92と、を備えている。そして、この画像形成装置は、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、及び定着工程の各工程を順に行う。
尚、図2には示さないが、この画像形成装置では、図1に示す給紙ローラ71、本体部1の搬送ローラ72、一対のレジストローラ73、排紙ローラ76、反転部2の搬送ローラ79、及び反転ローラ82のそれぞれに対しても電源装置91から電力が供給されるとともに、制御装置92によって給紙ローラ71、本体部1の搬送ローラ72、一対のレジストローラ73、排紙ローラ76、反転部2の搬送ローラ79、及び反転ローラ82のそれぞれが制御される。
このような構成の画像形成装置において、まず、帯電装置10は、図1に示す帯電ローラ11を備えており、この帯電ローラ11は、感光ドラム3に近接する位置に設置されるとともに帯電した帯電ローラ11の放電によって感光ドラム3の表面をマイナスに帯電させる。また、図1に示すように、露光装置20は、感光ドラム3へ向けてレーザスキャナ(不図示)からレーザ光を照射するものであり、感光ドラム3のうちレーザ光が当たった部分をプラスに帯電させることでこの部分に静電潜像を形成する。
また、図1に示すように、現像装置30は、感光ドラム3の近傍に設置されており、その内部にトナー31が収容されるとともにトナー31を感光ドラム3へ供給するための現像ローラ32を備えている。そして、現像装置30は、感光ドラム3の表面に形成された静電潜像にトナー31を付着させることで現像を行う。また、転写装置40は、図1に示す転写ローラ41を備えており、この転写ローラ41と感光ドラム3との間に記録紙を挟むニップ部が形成される。そして、転写装置40は、このニップ部を記録紙が通過する際に、プラスに帯電した転写ローラ41に感光ドラム3に付着したトナー31を引き寄せることでこのトナー31を記録紙に転写する。
更に、図1に示すように、定着装置50は、定着ローラ51と、この定着ローラ51の内部に設置されるとともに該定着ローラ51を加熱するための定着ヒータ52と、この定着ローラ51に圧接される加圧ローラ53と、を備えており、定着ローラ51と加圧ローラ53との間に記録紙を挟むニップ部が形成される。そして、定着装置50は、定着ローラ51と加圧ローラ53との間に形成されるニップ部を記録紙が通過する際に、定着ローラ51の熱によって記録紙に転写されたトナー31を溶解させるとともに加圧ローラ53によって記録紙に圧力を加えることでトナー31を記録紙に定着させる。
また、この定着装置50は、図2に示すように、定着ローラ51の温度を検出するサーミスタ等の温度センサ54を備えており、定着ヒータ52及び温度センサ54のそれぞれが制御装置92に接続されている。そして、制御装置92によって定着装置50が駆動制御されているときには、温度センサ54によって定着ローラ51の温度が検出されるとともに温度センサ54で検出された温度情報が制御装置92に入力されることで、制御装置92がこの温度情報に基づいて定着ヒータ52の温度を制御する。
また、図1に示す印字検知センサ78は、図1に実線の矢印で示す記録紙の搬送路を境として、感光ドラム3や現像装置30等と同じ側に設置されている。また、この印字検知センサ78は、記録紙の印刷面へ向けてレーザ光を出射する半導体レーザ及び記録紙の印刷面で反射したレーザ光を受光する受光素子(何れも不図示)から構成されている。そして、一対のレジストローラ73へ向けて搬送される記録紙の印刷面へ半導体レーザからレーザ光が照射されるとともに、記録紙の印刷面で反射したレーザ光を受光素子で受光したときに、受光素子において光量に比例した量の電流が発生する。また、受光素子において発生する電流の値が所定値未満の場合と所定値以上の場合とで、印字検知センサ78から制御装置92へ異なる種類の検知信号が送信される。
ここで、一対のレジストローラ73へ向けて搬送される記録紙の印刷面に画像が印字されているときには、記録紙の印刷面にトナー31が付着している部分とトナー31が付着していない部分とが存在する。そして、半導体レーザから出射されたレーザ光が記録紙の印刷面のうちトナー31が付着した部分に照射されたときの方が、半導体レーザから出射されたレーザ光が記録紙の印刷面のうちトナー31が付着していない部分に照射されたときよりも、記録紙の印刷面で反射して受光素子へ入射するレーザ光の光量が多くなり、受光素子で発生する電流の値が大きくなる。
よって、一対のレジストローラ73へ向けて搬送される記録紙の印刷面のうちトナー31が付着していない部分にレーザ光が照射されたときに受光素子で発生する電流の最大値よりも高いところに閾値を設定することにより、記録紙の印刷面のうちトナー31が付着していない部分にレーザ光が照射されたときに受光素子において発生する電流の最大値が所定の閾値よりも小さくなり、このとき、印字検知センサ78から制御装置92へ第1の検知信号が送信される。また、記録紙の印刷面のうちトナー31が付着している部分にレーザ光が照射されたときに受光素子において発生する電流の最大値が所定の閾値よりも大きくなり、このとき、印字検知センサ78から制御装置92へ第2の検知信号が送信される。
そして、制御装置92は、記録紙の印刷面の状態の誤検知を防止するため、記録紙の先端部分が印字検知センサ78の設置位置に到達してから記録紙の後端部分が印字検知センサ78の設置位置を通過するまでの間に、印字検知センサ78から制御装置92へ送信される第2の検知信号の回数が所定の回数を超えたとき、記録紙の印刷面が印刷済みであると判断する。つまり、制御装置92は、記録紙の先端部分が印字検知センサ78の設置位置に到達してから記録紙の後端部分が印字検知センサ78の設置位置を通過するまでの間に、印字検知センサ78から制御装置92へ送信される第2の検知信号の回数が所定の回数に満たないとき、記録紙の印刷面が印刷済みでないと判断する。
このように構成された画像形成装置において、画像形成装置の電源をONにすると、図2に示すように、電源装置91から冷却ファン60、帯電装置10、露光装置20、現像装置30、転写装置40、定着装置50、及び制御装置92のそれぞれへ電力が供給される。また、記録紙の片面のみ印刷を行う片面印刷モードと記録紙の両面の印刷を行う両面印刷モードとの何れか一方がユーザによって指示されると、この指示に従った情報が図2に示す制御装置92へ入力される。そして、制御装置92からの制御信号により、冷却ファン60、帯電装置10、露光装置20、現像装置30、転写装置40、及び定着装置50がそれぞれ制御される。よって、図1に示す画像形成装置において、上述した帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、及び定着工程の各工程が順に行われる。
具体的に、画像形成装置の本体部1では、図1に実線の矢印で示すように、給紙ローラ71によって給紙カセット70から記録紙が送り出される。そして、給紙カセット70から送り出された記録紙が印字検知センサ78の設置位置に到達すると印字検知センサ78から制御装置92へ記録紙の印刷面の状態に応じた検知信号が送信されるとともに、記録紙の先端部分が印字検知センサ78の設置位置に到達してからその後端部分が印字検知センサ78の設置位置を通過するまでの間に、印刷面の状態が印字検知センサ78によって検知される。
このとき、半導体レーザから記録紙の印刷面へ向けてレーザ光が照射されるとともに、記録紙の印刷面で反射したレーザ光が受光素子へ入射すると、この受光素子において電流が発生する。そして、印字検知センサ78から制御装置92へ第1の検知信号が送信されるとともに印字検知センサ78から制御装置92へ送信される第2の検知信号の回数が所定の回数に満たないと、制御装置92において、記録紙の印刷面が印刷済みでないことが確認される。また、印字検知センサ78から制御装置92へ第1の検知信号が送信されるとともに印字検知センサ78から制御装置92へ送信される第2の検知信号の回数が所定の回数を超えると、制御装置92において、記録紙の印刷面が印刷済みであることが確認される。
続いて、印字検知センサ78の設置位置を通過した記録紙は、搬送ローラ72を通って一対のレジストローラ73へ搬送される。そして、一対のレジストローラ73に到達した記録紙は、このレジストローラ73において記録紙の向きが矯正されるとともに感光ドラム3への搬送タイミングを調整された後、搬送ガイド74を通って感光ドラム3と転写ローラ41との間のニップ部へ搬送される。
このように記録紙が感光ドラム3へ向かって搬送されるとき、まず、帯電装置10が、帯電工程において帯電ローラ11の放電により感光ドラム3の表面全体を帯電させるとともに、露光装置20が、露光工程においてレーザスキャナ(不図示)から感光ドラム3へ向けてレーザ光を照射し、感光ドラム3の表面のうちレーザ光が当たった部分に静電潜像を形成する。
次に、現像装置30が、現像工程において帯電したトナー31を現像ローラ32により感光ドラム3へ供給することで感光ドラム3の表面に形成された静電潜像にこのトナー31を付着させて現像を行う。続いて、転写装置40が、転写工程において感光ドラム3と転写ローラ41との間のニップ部を通過する記録紙に感光ドラム3の表面に付着したトナー31を転写する。そして、転写工程においてトナー31が転写された記録紙は、搬送ガイド74を通って定着装置50へ向けて搬送される。
また、図2に示すように、制御装置92から定着ヒータ52へ出力される制御信号をONとすることで電源装置91から定着ヒータ52への電力の供給が開始され、この定着ヒータ52によって記録紙にトナー31を安定して定着させることが可能な温度まで定着ローラ51が加熱される。そして、定着装置50が、定着工程において定着ローラ51と加圧ローラ53との間のニップ部を通過する記録紙に付着したトナー31を定着ローラ51の熱によって溶解させるとともに加圧ローラ53によって記録紙に圧力を加えることで、トナー31を記録紙に定着させる。
その後、片面印刷モードのときには、切換ガイド75が図1に実線で示す方向に切り換わり、定着工程においてトナー31が定着した記録紙が、図1に実線の矢印で示すように切換ガイド75を通過した後に排紙ローラ76によって画像形成装置の外部へ送り出され、排紙トレイ77へ排出される。
また、両面印刷モードにおいて、制御装置92が記録紙の印刷面が印刷済みであることを確認したときには、切換ガイド75が図1に実線で示す方向に切り換わる。そして、定着工程においてトナー31が定着した記録紙が、図1に実線の矢印で示すように切換ガイド75を通過した後に排紙ローラ76によって画像形成装置の外部へ送り出され、排紙トレイ77へ排出される。つまり、両面印刷モードにおいて、制御装置92が記録紙の印刷面が印刷済みであることを確認したときには、片方の印刷面が印刷された記録紙のもう一方の面に印刷が行われることなく記録紙が排紙トレイ77へ排出される。
一方、両面印刷モードにおいて、制御装置92が記録紙の印刷面が印刷済みでないことを確認したときには、切換ガイド75が図1に破線で示す方向に切り換わる。そして、定着工程においてトナー31が定着した記録紙が、図1に破線の矢印で示すように切換ガイド75を通過した後に画像形成装置の反転部2へ搬送される。画像形成装置の反転部2において、片方の印刷面が印刷された記録紙は、搬送ローラ79によって搬送部80へ搬送され、その後に反転ローラ82を通って一旦下段トレイ81へ送り込まれる。下段トレイ81へ送り込まれた片方の印刷面が印刷された記録紙は、再び反転ローラ82へ搬送され、この反転ローラ82を通過するときにその印刷面が反転する。反転ローラ82を通過した片方の印刷面が印刷された記録紙は、上段トレイ83上を複数の搬送ローラ79によって搬送され、画像形成装置の本体部1へ再給紙される。
その後、画像形成装置の本体部1へ再給紙された片方の印刷面が印刷された記録紙が印字検知センサ78の設置位置に到達すると、印字検知センサ78から制御装置92へ記録紙の印刷面の状態に応じた検知信号が送信される。そして、片方の印刷面が印刷された記録紙の先端部分が印字検知センサ78の設置位置に到達してからその後端部分が印字検知センサ78の設置位置を通過するまでの間に、片方の印刷面が印刷された記録紙のもう一方の印刷面の状態が印字検知センサ78によって検知される。
このとき、半導体レーザから片方の印刷面が印刷された記録紙のもう一方の印刷面へ向けてレーザ光が照射されるとともに、片方の印刷面が印刷された記録紙のもう一方の印刷面で反射したレーザ光が受光素子へ入射すると、この受光素子において電流が発生する。そして、印字検知センサ78から制御装置92へ第1の検知信号が送信されるとともに印字検知センサ78から制御装置92へ送信される第2の検知信号の回数が所定の回数に満たないと、制御装置92において、片方の印刷面が印刷された記録紙のもう一方の印刷面が印刷済みでないことが確認される。また、印字検知センサ78から制御装置92へ第1の検知信号が送信されるとともに印字検知センサ78から制御装置92へ送信される第2の検知信号の回数が所定の回数を超えると、制御装置92において、片方の印刷面が印刷された記録紙のもう一方の印刷面が印刷済みであることが確認される。
続いて、印字検知センサ78の設置位置を通過した片方の印刷面が印刷された記録紙は、搬送ローラ72を通って一対のレジストローラ73へ搬送される。そして、一対のレジストローラ73に到達した片方の印刷面が印刷された記録紙は、このレジストローラ73において記録紙の向きが矯正されるとともに感光ドラム3への搬送タイミングが調整された後、搬送ガイド74を通って感光ドラム3と転写ローラ41との間のニップ部へ搬送される。そして、画像形成装置の本体部1において、上述した帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、及び定着工程の各工程が順に行われる。このとき、反転ローラ82において片方の印刷面が印刷された記録紙を反転させることで記録紙の印刷面が反転しているため、既に印刷された記録紙の印刷面とは反対の面へ印刷が行われる。その後、定着工程においてトナー31が定着した記録紙は、切換ガイド75が図1に実線で示す方向に切り換わることで、図1に実線の矢印で示すように、切換ガイド75を通過した後に排紙ローラ76によって画像形成装置の外部へ送り出され、排紙トレイ77へ排出される。
このような動作を行う画像形成装置において、図2に示す制御装置92の動作を、図4及び図5に示すフローチャートに基づいて説明する。尚、上述した画像形成装置の動作と重複する部分については、その詳細な説明を省略する。
まず、ユーザによって記録紙の印刷枚数が設定されるとともにユーザによって記録紙の印刷を開始するために印刷開始ボタン(不図示)が押されると、制御装置92へ記録紙の印刷を開始するための信号が送信される。このとき、記録紙に印刷を行うための画像データが取り込まれてメモリ90に記憶される。また、片面印刷モードと両面印刷モードとの何れか一方が印刷開始ボタンを押すことでユーザによって指示されると、この指示に従った情報が制御装置92へ入力される。
そして、図4に示すように、電源装置91から定着ヒータ52への電力供給が開始されるとともに(ステップS11)、定着ローラ51の温度が記録紙にトナー31を安定して定着させることのできる温度に達するまで、制御装置92によって温度センサ54の温度情報に基づく定着ヒータ52の温度制御が行われる(ステップS12)。
次に、制御装置92において、温度センサ54の温度情報に基づき定着ローラ51の温度が記録紙にトナー31を安定して定着させることのできる温度に達したと判断されると、記録紙の給紙が開始される(ステップS13)。そして、記録紙が給紙されることによりカウンタが1回カウントされてカウンタの計数値が1つ増加した後(ステップS14)、制御装置92において、記録紙の印刷モードが両面印刷モードであるか否かの判断が行われる(ステップS15)。
続いて、制御装置92において、記録紙の印刷モードが両面印刷モードであることが確認されると(ステップS15でYes)、次に、記録紙の印刷面が印刷済みであるか否かの判断が行われる(ステップS16)。一方、制御装置92において、記録紙の印刷モードが両面印刷モードでないことが確認されると(ステップS15でNo)、即ち、記録紙の印刷モードが片面印刷モードであることが確認されると、次に、記録紙の印刷面が印刷済みであるか否かの判断が行われる(ステップS17)。
ここで、上述のように、本体部1を搬送される記録紙は、その先端部分が印字検知センサ78の設置位置に到達してからその後端部分が印字検知センサ78の設置位置を通過するまでの間に、印刷面の状態が印字検知センサ78によって検知される。このとき、記録紙の印刷面に画像が印字されていなければ、印字検知センサ78から制御装置92へ第1の検知信号が送信される。一方、記録紙の印刷面に画像が印字されており、記録紙の印刷面のうちトナー31が付着した部分で反射したレーザ光が受光素子へ入射すると、印字検知センサ78から制御装置92へ第2の検知信号が送信される。
そして、ステップS15で記録紙の印刷モードが両面印刷モードであることが確認された場合において、印字検知センサ78から制御装置92へ第1の検知信号が送信されるとともに印字検知センサ78から制御装置92へ送信される第2の検知信号の回数が所定の回数に満たないと、制御装置92において記録紙の印刷面が印刷済みでないことが確認され(ステップS16でNo)、画像データがメモリ90から読み出されて記録紙の印刷面に画像データの印刷が行われる(ステップS18)。
続いて、片方の印刷面が印刷された記録紙は、図1に示す画像形成装置の本体部1から反転部2へと搬送されるとともに、反転部2に設置された反転ローラ82を通過するときにその印刷面が反転する(ステップS19)。印刷面が反転した記録紙は、本体部1へ再給紙されるとともに、本体部1を搬送される印刷面が反転した記録紙が印字検知センサ78の設置位置を通過するときに、この印字検知センサ78から制御装置92へ検知信号が送信される。そして、制御装置92において、ステップS16と同様に、片方の印刷面が印刷された記録紙のもう一方の印刷面が印刷済みであるか否かの判断が行われる(ステップS20)。
このとき、印字検知センサ78から制御装置92へ第1の検知信号が送信されるとともに印字検知センサ78から制御装置92へ送信される第2の検知信号の回数が所定の回数に満たないと、制御装置92において片方の印刷面が印刷された記録紙のもう一方の印刷面が印刷済みでないことが確認され(ステップS20でNo)、画像データがメモリ90から読み出されて片方の印刷面が印刷された記録紙のもう一方の印刷面に画像データが印刷される(ステップS21)。
また、ステップS15で記録紙の印刷モードが片面印刷モードであることが確認された場合において、印字検知センサ78から制御装置92へ第1の検知信号が送信されるとともに印字検知センサ78から制御装置92へ送信される第2の検知信号の回数が所定の回数に満たないと、制御装置92において記録紙の印刷面が印刷済みでないことが確認され(ステップS17でNo)、画像データがメモリ90から読み出されて記録紙の印刷面に画像データが印刷される(ステップS22)。
一方、ステップS15で記録紙の印刷モードが両面印刷モードであることが確認された場合において、或いは、ステップS15で記録紙の印刷モードが片面印刷モードであることが確認された場合において、印字検知センサ78から制御装置92へ第1の検知信号が送信されるとともに印字検知センサ78から制御装置92へ送信される第2の検知信号の回数が所定の回数を超えると、制御装置92において記録紙の印刷面が印刷済みであることが確認され(ステップS16でYes、ステップS17でYes、或いは、ステップS20でYes)、記録紙の印刷面の下端に図3(A)に示すような黒帯と記録紙のページ番号とが印刷される(ステップS23)。
つまり、制御装置92が記録紙の印刷面が印刷済みであることを確認したときには、記録紙の印刷面に画像データが印刷されず、この記録紙が無効であることを示す黒帯とこの記録紙が何枚目に印刷されたものであるかを示すページ番号とが記録紙の印刷面の下端に印刷される。
また、制御装置92が記録紙の印刷面が印刷済みであることを確認したとき、制御装置92において、記録紙の連続印刷枚数を計数するカウンタの計数値からこの記録紙が何ページ目に印刷されるものであるかが確認される。すなわち、図3(A)に示すように、制御装置92が記録紙の印刷面が印刷済みであることを確認したときにおけるカウンタの計数値が64であるとき、制御装置92において、この記録紙が64ページ目に印刷されるものであることが確認される。
そして、制御装置92が記録紙の印刷面が印刷済みであることを確認したとき、図2に示す制御装置92から露光装置20へ制御信号が送信され、図3(A)に示すような黒帯とカウンタの計数値と等しいページ番号とが記録紙の印刷面の下端に印刷されるように感光ドラム3に静電潜像を形成する。これにより、制御装置92が記録紙の印刷面が印刷済みであることを確認したとき、この記録紙が無効であることを示す黒帯とともに画像データを印刷することができない記録紙のページ番号が記録紙の印刷面の下端に印刷される。そして、カウンタの計数値に基づき、画像データを印刷することができない記録紙のページ番号の情報がメモリ90に記憶される(ステップS24)。尚、以下では、画像データを印刷することができない記録紙が、ステップS16、ステップS17、或いは、ステップS20において記録紙の印刷面が印刷済みであると確認された記録紙を表すものとする。
続いて、記録紙の連続印刷枚数を計数するカウンタの計数値が1つだけ引かれる(ステップS25)。すなわち、制御装置92が記録紙の印刷面が印刷済みであることを確認したときにおけるカウンタの計数値が64であるとき(図3(A)参照)、ステップS25において、カウンタの計数値を1つだけ引くことでカウンタの計数値が63に減少する。
その後、図5に示すように、制御装置92において、記録紙の印刷面に画像データを印刷することができたか否かの判断が行われる(ステップS26)。そして、制御装置92において、記録紙の印刷面に画像データを印刷することができたことが確認されると(ステップS26でYes)、即ち、両面印刷モードにおいて記録紙の両方の印刷面に画像データを印刷することができたことが確認されると、或いは、片面印刷モードにおいて記録紙の印刷面に画像データを印刷することができたことが確認されると、記録紙に印刷済みの画像データがメモリ90から削除される(ステップS27)。
一方、制御装置92において、記録紙の印刷面に画像データを印刷することができないことが確認されると(ステップS26でNo)、即ち、両面印刷モードにおいて記録紙の印刷面のうちの少なくとも一方の面に画像データを印刷することができないことが確認されると、或いは、片面印刷モードにおいて記録紙の印刷面に画像データを印刷することができないことが確認されると、再びステップS13に戻って記録紙の給紙が開始される。そして、画像データを印刷することができない記録紙のページを印刷するために、ステップS14からステップS25までの動作が再び行われる。すなわち、上述のように、記録紙の64ページ目に画像データを印刷することができないとき、再び記録紙の64ページ目に画像データを印刷するための動作が行われる。
そして、ステップS27において記録紙に印刷済みの画像データがメモリ90から削除されると、制御装置92において、次に印刷を行う記録紙があるか否かが判断される(ステップS28)。ここで、記録紙の印刷時には、ユーザによって設定された印刷枚数の情報がメモリ90に記憶される。また、上述のように、制御装置92には、記録紙の連続印刷枚数を計数するカウンタが設置されている。そして、複数枚の記録紙が連続して印刷されるとき、記録紙が1枚印刷されるごとにカウンタの計数値が1つずつ増えてゆくとともに、ステップS28では、制御装置92において、メモリ90に記憶された印刷枚数とカウンタの計数値との大小が比較されることで次に印刷を行う記録紙があるか否かが判断される。
これにより、制御装置92において、次に印刷を行う記録紙がないことが確認されると(ステップS28でNo)、カウンタの計数値がゼロに戻される(ステップS29)。そして、制御装置92において、画像データを印刷することができない記録紙のページ番号の情報がメモリ90に記憶されているか否かが判断される(ステップS30)。一方、制御装置92において、次に印刷を行う記録紙があることが確認されると(ステップS28でYes)、再びステップS13へ戻って給紙が開始されるとともに、ステップS14からステップS27までの動作が繰り返し行われる。
そして、制御装置92において、画像データを印刷することができない記録紙のページ番号の情報がメモリ90に記憶されていることが確認されると(ステップS30でYes)、画像データを印刷することができない記録紙のページ番号の情報がメモリ90から読み出されて記録紙に印刷される(ステップS31)。つまり、ステップS13からステップS28の動作が繰り返し行われることによってユーザが設定した枚数だけ記録紙の印刷が行われた後、画像データを印刷することができない記録紙のページ番号が記録紙に印刷されて出力される。このとき、図3(B)に示すように、記録紙には、ユーザが設定することで印刷が行われた記録紙の総ページ数と、画像データを印刷することができない記録紙のページ番号と、が書き込まれる。
続いて、図5に示すように、画像データを印刷することができない記録紙のページ番号の情報がメモリ90から削除され(ステップS32)、その後に、電源装置91から定着ヒータ52への電力供給が停止されて(ステップS33)、処理が終了する。一方、制御装置92において、画像データを印刷することができない記録紙のページ番号の情報がメモリ90に記憶されていないことが確認されると(ステップS30でNo)、電源装置91から定着ヒータ52への電力供給が停止されて(ステップS33)、処理が終了する。
このように、本実施形態では、画像データの印刷を行うことができない記録紙の印刷面の下端にこの記録紙が無効であることを示す黒帯とこの記録紙が何枚目に印刷されたものであるかを示すページ番号とを印刷するようにしている。そして、印刷後の記録紙において、記録紙の印刷面に印刷された黒帯は、すべてその向きが揃うこととなる。
よって、印刷後の記録紙の束に画像データの印刷を行うことができない記録紙、即ち黒帯が印刷された記録紙が混ざっている場合に、記録紙の一方の印刷面を対象に記録紙の下端を捲る作業を行うだけで黒帯が印刷された記録紙を探し出すことができ、画像データを印刷することができた記録紙と画像データを印刷することができない記録紙とを容易に判別することができる。また、無効である記録紙の印刷面に黒帯だけでなくページ番号も印刷するようにしているため、記録紙の印刷面に印刷されたページ番号から画像データを印刷することができなかった記録紙のページ番号を容易に知ることができる。
また、本実施形態では、ユーザが設定した枚数だけ記録紙の印刷を行った後に、画像データを印刷することができない記録紙のページ番号を記録紙に印刷して出力するようにしている。
よって、記録紙に印刷された画像データを印刷することができない記録紙のページ番号を参照することで、印刷後の記録紙の束に画像データの印刷が行うことができない記録紙、即ち黒帯が印刷された記録紙が混ざっている場合に、記録紙を1枚ずつ捲る作業を行うことなく、画像データを印刷することができない記録紙が存在するおおよその位置をすぐに知ることができる。そして、画像データを印刷することができない記録紙が存在する位置の前後の記録紙のみを対象として印刷面の下端に黒帯が印刷された記録紙を探し出す作業を行うだけで、印刷後の記録紙の束から画像データを印刷することができない記録紙を抜き取ることができる。
従って、本実施形態によれば、記録紙の連続印刷枚数が多いときにも、短い時間で、且つ、容易に、印刷後の記録紙の束から画像データを印刷することができない記録紙を抜き取ることができる。また、印刷後の記録紙に画像データの印刷が行われた記録紙と画像データを印刷することができない記録紙とが混在する場合に、画像形成装置に新たな部品を追加することなく、簡易な構成の画像形成装置を用いてこれらの記録紙を容易に判別することができる。
尚、上記画像形成装置において、制御装置92が記録紙の印刷面が印刷済みであることを確認したときに印刷面が印刷済みである記録紙の枚数を計数するカウンタ(不図示)を制御装置92に設置するようにしてもよい。そして、カウンタの計数値に基づき、複数枚の記録紙の印刷面が連続して印刷済みであることが制御装置92によって確認されたとき、記録紙の印刷を一旦中止し、給紙カセット70にセットされた記録紙の印刷面の向きが正しいかどうかを確認するように促す表示を画像形成装置の設定画面に行ってもよい。
また、上記画像形成装置において、記録紙が無効であることを示す黒帯とこの記録紙が何枚目に印刷されたものであるかを示すページ番号とは、記録紙の印刷面の下端に印刷されるに限らない。すなわち、記録紙が無効であることを示す黒帯とこの記録紙が何枚目に印刷されたものであるかを示すページ番号とを、記録紙の印刷面の上端に印刷することとしてもよいし、或いは、記録紙の印刷面の左端や右端に印刷することとしてもよい。また、ユーザが容易に視認できるものであれば、記録紙の印刷面に黒帯以外の印を付すことでこの記録紙が無効であることを表すようにしてもよい。
また、上記画像形成装置において、図4に示すように、片面印刷モードにおいて、制御装置92が記録紙の印刷面が印刷済みであることを確認したとき(ステップS17でYes)、記録紙の印刷面の下端に黒帯とページ番号とを印刷せずにそのまま記録紙を反転させ、印刷面が反転した記録紙のもう一方の印刷面に画像が印字されているか否かを確認するようにしてもよい。
このとき、制御装置92において、印刷面が反転した記録紙のもう一方の印刷面が印刷済みでないことが確認されると、この印刷面が反転した記録紙のもう一方の印刷面に画像データの印刷を行う。一方、このとき、制御装置92において、印刷面が反転した記録紙のもう一方の印刷面が印刷済みであることが確認されると、即ち、記録紙の両方の印刷面が印刷済みであることが確認されると、印刷面が反転した記録紙のもう一方の印刷面の下端に黒帯とページ番号とを印刷する。
更に、上記画像形成装置において、図4に示すように、片面印刷モードにおいて、制御装置92が記録紙の印刷面が印刷済みでないことを確認すると(ステップS17でNo)、記録紙の印刷面に画像データが印刷される(ステップS22)。そして、ステップS22の動作を行った後、記録紙を反転させて、印刷面が反転した記録紙のもう一方の印刷面が印刷済みであるか否かを確認するようにしてもよい。
このとき、制御装置92において、印刷面が反転した記録紙のもう一方の印刷面が印刷済みでないことが確認されると、印刷面が反転した記録紙のもう一方の印刷面に何の処理も行うことなくこの記録紙を画像形成装置の外部へ排出する。一方、制御装置92において、印刷面が反転した記録紙のもう一方の印刷面が印刷済みであることが確認されると、印刷面が反転した記録紙のもう一方の印刷面にこの印刷面が無効であることを示す無効印を印刷する。
ここで、片面印刷モードのときに、一方の印刷面が印刷済みであるとともにもう一方の印刷面が印刷済みでない記録紙(即ち、裏紙)を用いて記録紙のもう一方の印刷済みでない印刷面に印刷を行うと、印刷後の記録紙はその両方の印刷面が印刷されたこととなる。よって、このとき、記録紙の両面が印刷済みとなるため、印刷後の記録紙を誤って反転させてしまった場合に、ユーザが有効な印刷面を判断することが困難となる。よって、記録紙の有効な印刷面とは異なる記録紙の反対側の印刷面に無効印を印刷することで、ユーザが有効な印刷面を容易に判断することができる。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2は、上記実施形態1の画像形成装置の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態について、上記実施形態1と異なる点を説明する。
本実施形態の画像形成装置は、記録紙が印字検知センサ78の設置位置を通過するときに記録紙の印刷面で反射して受光素子へ入射するレーザ光の光量に比例して受光素子で発生する電流の大きさの違いにより、印字検知センサ78から制御装置92へ異なる3つの種類の検知信号が送信されるように構成される。
ここで、図6に示すように、片面印刷モード及び両面印刷モードにおいて、記録紙の両方の印刷面が印刷済みでないとき(状態A及び状態E)と、記録紙の印刷面のうちレーザ光が照射される面(印刷面1)が印刷済みでなく、且つ、記録紙の印刷面のうちレーザ光が照射される面と反対の面(印刷面2)が印刷済みであるとき(状態B及び状態F)と、記録紙の印刷面のうちレーザ光が照射される面(印刷面1)が印刷済みであり、且つ、記録紙の印刷面のうちレーザ光が照射される面と反対の面(印刷面2)が印刷済みでないとき(状態C及び状態G)及び記録紙の両方の印刷面が印刷済みであるとき(状態D及び状態H)とのそれぞれにおいて、受光素子で発生する電流の値が異なる。
すなわち、図6に示す状態B及び状態Fにおいて、図7(A)に示すように、記録紙へ向けて照射されるレーザ光が記録紙を透過し、この記録紙を透過したレーザ光が記録紙の印刷面のうちレーザ光が照射される面と反対の面(印刷面2)におけるトナー31が付着した部分に照射されると、この記録紙の印刷面におけるトナー31が付着した部分でレーザ光の一部が反射する。また、図7(A)に示すように、記録紙の印刷面のうちレーザ光が照射される面と反対の面(印刷面2)におけるトナー31が付着した部分に照射されたレーザ光のうち、残りがこの記録紙の印刷面におけるトナー31が付着した部分を透過する。
よって、記録紙の印刷面のうちレーザ光が照射される面と反対の面が印刷済みであるときの方が、記録紙の両方の印刷面が印刷済みでないときよりも、受光素子へ入射するレーザ光の光量の最大値が大きくなり、受光素子で発生する電流の最大値が大きくなる。つまり、図6に示す状態B及び状態Fでは、図6に示す状態A及び状態Eよりも受光素子へ入射するレーザ光の光量の最大値が大きくなり、受光素子で発生する電流の最大値が大きくなる(図8参照)。
また、図6に示す状態C及び状態Gと図6に示す状態D及び状態Hとにおいて、図7(B)に示すように、記録紙へ向けて照射されるレーザ光が記録紙の印刷面のうちレーザ光が照射される面(印刷面1)におけるトナー31が付着した部分に照射されると、この記録紙の印刷面におけるトナー31が付着した部分でレーザ光の一部が反射する。また、図7(B)に示すように、記録紙の印刷面(印刷面1)におけるトナー31が付着した部分に照射されたレーザ光のうち、残りがこの記録紙の印刷面におけるトナー31が付着した部分を透過する。
ここで、図6に示す状態B及び状態Fにおいて、記録紙をその印刷面のうちレーザ光が照射される面から紙面奥側へ見たとき、記録紙の厚みの分だけレーザ光が照射される面と反対の面におけるトナー31が付着した部分が薄く見える(図7(A)参照)。つまり、記録紙の印刷面のうちレーザ光が照射される面と反対の面が印刷済みであるときの方が、記録紙の印刷面のうちレーザ光が照射される面が印刷済みであるときよりも、記録紙の印刷面におけるトナー31が付着した部分を透過するレーザ光の光量が多くなる。
よって、記録紙の印刷面のうちレーザ光が照射される面が印刷済みであるときの方が、記録紙の印刷面のうちレーザ光が照射される面と反対の面が印刷済みであるときよりも、受光素子へ入射するレーザ光の光量の最大値が大きくなり、受光素子で発生する電流の最大値が大きくなる。つまり、図6に示す状態C及び状態Gと図6に示す状態D及び状態Hとでは、図6に示す状態B及び状態Fよりも受光素子へ入射するレーザ光の光量の最大値が大きくなり、受光素子で発生する電流の最大値が大きくなる(図8参照)。
このように、片面印刷モード及び両面印刷モードにおいて、図6に示す状態A及び状態Eよりも図6に示す状態B及び状態Fの方が受光素子で発生する電流の最大値が大きくなり、更には、図6に示す状態B及び状態Fよりも図6に示す状態C及び状態Gと図6に示す状態D及び状態Hとの方が受光素子で発生する電流の最大値が大きくなる(図8参照)。
よって、一対のレジストローラ73へ向けて搬送される記録紙の印刷面の状態が図6に示す状態A及び状態Eであるときに受光素子で発生する電流の最大値よりも高いところに第1の閾値を設定するとともに、一対のレジストローラ73へ向けて搬送される記録紙の印刷面の状態が図6に示す状態B及び状態Fであるときに受光素子で発生する電流の最大値よりも高いところに第2の閾値を設定する。
これにより、図8に示すように、一対のレジストローラ73へ向けて搬送される記録紙の印刷面の状態が図6に示す状態A及び状態Eであるときに、受光素子において発生する電流の最大値が第1の閾値よりも小さくなり、このとき、印字検知センサ78から制御装置92へ検知信号αが送信される。
また、図8に示すように、一対のレジストローラ73へ向けて搬送される記録紙の印刷面の状態が図6に示す状態B及び状態Fであるときに、受光素子において発生する電流の最大値が第2の閾値よりも小さくなり、このとき、印字検知センサ78から制御装置92へ検知信号αまたは検知信号βが送信される。
更には、図8に示すように、一対のレジストローラ73へ向けて搬送される記録紙の印刷面の状態が図6に示す状態C及び状態G又は図6に示す状態D及び状態Hであるときに、受光素子において発生する電流の最大値が第2の閾値よりも大きくなり、このとき、印字検知センサ78から制御装置92へ検知信号α、検知信号β、或いは検知信号γが送信される。
そして、制御装置92は、記録紙の印刷面の状態の誤検知を防止するため、記録紙の先端部分が印字検知センサ78の設置位置に到達してから記録紙の後端部分が印字検知センサ78の設置位置を通過するまでの間に、印字検知センサ78から制御装置92へ送信される検知信号βの回数が所定の回数を超え、且つ、印字検知センサ78から制御装置92へ送信される検知信号γの回数が所定の回数に満たないとき、記録紙の印刷面が図6に示す状態B及び状態Fであると判断する。つまり、制御装置92は、記録紙の先端部分が印字検知センサ78の設置位置に到達してから記録紙の後端部分が印字検知センサ78の設置位置を通過するまでの間に、印字検知センサ78から制御装置92へ送信される検知信号β,γの回数がそれぞれ所定の回数に満たないとき、記録紙の印刷面が図6に示す状態A及び状態Eであると判断する。
また、制御装置92は、記録紙の印刷面の状態の誤検知を防止するため、記録紙の先端部分が印字検知センサ78の設置位置に到達してから記録紙の後端部分が印字検知センサ78の設置位置を通過するまでの間に、印字検知センサ78から制御装置92へ送信される検知信号γの回数が所定の回数を超えたとき、記録紙の印刷面が図6に示す状態C及び状態Gまたは図6に示す状態D及び状態Hであると判断する。
このように構成された画像形成装置において、片面印刷モードと両面印刷モードとの何れか一方が印刷開始ボタンを押すことでユーザによって指示されると、この指示に従った情報が制御装置92へ入力される。
そして、まず、片面印刷モードにおいて、一対のレジストローラ73へ向けて搬送される記録紙が印字検知センサ78の設置位置を通過するとき、印字検知センサ78が記録紙の印刷面を検知すると、この印字検知センサ78から制御装置92へ検知信号が送信される。このとき、印字検知センサ78から制御装置92へ検知信号αが送信されるとともに印字検知センサ78から制御装置92へ送信される検知信号β,γの回数がそれぞれ所定の回数に満たないと(図6に示す状態A)、制御装置92において記録紙の両方の印刷面が印刷済みでないことが確認され、画像データがメモリ90から読み出されて記録紙の印刷面へ印刷が行われる。
また、片面印刷モードにおいて、印字検知センサ78から制御装置92へ検知信号βが送信されるとともに印字検知センサ78から制御装置92へ送信される検知信号βの回数が所定の回数を超え、且つ、印字検知センサ78から制御装置92へ送信される検知信号γの回数が所定の回数に満たないと(図6に示す状態B)、制御装置92において記録紙の印刷面のうちレーザ光が照射される面が印刷済みでなく、且つ、記録紙の印刷面のうちレーザ光が照射される面と反対の面が印刷済みであることが確認され、画像データがメモリ90から読み出されて記録紙の印刷面へ印刷が行われる。
更に、片面印刷モードにおいて、印字検知センサ78から制御装置92へ検知信号γが送信されるとともに印字検知センサ78から制御装置92へ送信される検知信号γの回数が所定の回数を超えると(図6に示す状態C及び状態D)、制御装置92において記録紙の印刷面のうちレーザ光が照射される面が印刷済みであることが確認される。
ここで、図6に示す状態Cと図6に示す状態Dとは、記録紙の印刷面のうちレーザ光が照射される面と反対の面が印刷済みであるか否かの点で異なる。また、記録紙の印刷面のうちレーザ光が照射される面におけるトナー31が付着した部分で反射して受光素子へ入射するレーザ光の光量は、記録紙の印刷面のうちレーザ光が照射される面と反対の面におけるトナー31が付着した部分で反射して受光素子へ入射するレーザ光の光量よりも遙かに多い。このため、図6に示す状態Cと図6に示す状態Dとにおいて受光素子で発生する電流値に大きな差異が生じず、受光素子で発生する電流値の違いから図6に示す状態Cと図6に示す状態Dとを区別して判断することが困難となる。
よって、制御装置92が記録紙の印刷面のうちレーザ光が照射される面が印刷済みであることを確認したとき(図6に示す状態C及び状態D)、記録紙の印刷面に何の処理も行うことなく記録紙が反転される。そして、制御装置92において、印刷面が反転した記録紙のもう一方の印刷面が印刷済みであるか否かの確認が行われる。
このとき、印字検知センサ78から制御装置92へ検知信号γが送信されるとともに印字検知センサ78から制御装置92へ送信される検知信号γの回数が所定の回数を超えると、制御装置92において、印刷面が反転した記録紙のもう一方の印刷面が印刷済みであることが確認される。そして、記録紙の印刷面が反転しているため、制御装置92において、記録紙の両方の印刷面が印刷済みであることが確認され(図6に示す状態D)、この記録紙が無効であることを示す黒帯とこの記録紙が何枚目に印刷されたものであるかを示すページ番号とが印刷面が反転した記録紙のもう一方の印刷面の下端に印刷される。
一方、このとき、印字検知センサ78から制御装置92へ検知信号βが送信されるとともに印字検知センサ78から制御装置92へ送信される検知信号βの回数が所定の回数を超え、且つ、印字検知センサ78から制御装置92へ送信される検知信号γの回数が所定の回数に満たないと、制御装置92において、印刷面が反転した記録紙のもう一方の印刷面が印刷済みでないことが確認される(図6に示す状態C)。そして、画像データがメモリ90から読み出されて、印刷面が反転した記録紙のもう一方の印刷面へ印刷が行われる。
また、次に、両面印刷モードにおいて、一対のレジストローラ73へ向けて搬送される記録紙が印字検知センサ78の設置位置を通過するとき、印字検知センサ78が記録紙の印刷面を検知すると、この印字検知センサ78から制御装置92へ検知信号が送信される。そして、印字検知センサ78から制御装置92へ検知信号αが送信されるとともに印字検知センサ78から制御装置92へ送信される検知信号β,γの回数がそれぞれ所定の回数に満たないと(図6に示す状態E)、制御装置92において記録紙の両方の印刷面が印刷済みでないことが確認され、画像データがメモリ90から読み出されて記録紙の印刷面へ印刷が行われる。
また、両面印刷モードにおいて、印字検知センサ78から制御装置92へ検知信号βが送信されるとともに印字検知センサ78から制御装置92へ送信される検知信号βの回数が所定の回数を超え、且つ、印字検知センサ78から制御装置92へ送信される検知信号γの回数が所定の回数に満たないと(図6に示す状態F)、制御装置92において記録紙の印刷面のうちレーザ光が照射される面が印刷済みでなく、且つ、記録紙の印刷面のうちレーザ光が照射される面と反対の面が印刷済みであることが確認される。
そして、このとき、記録紙の印刷面に何の処理も行うことなく記録紙が反転されることにより、記録紙の印刷面のうちレーザ光が照射される面に、即ち、印刷面が反転した記録紙のもう一方の印刷済みの面に、この記録紙が無効であることを示す黒帯とこの記録紙が何枚目に印刷されたものであるかを示すページ番号とが印刷される。
更に、両面印刷モードにおいて、印字検知センサ78から制御装置92へ検知信号γが送信されるとともに印字検知センサ78から制御装置92へ送信される検知信号γの回数が所定の回数を超えると(図6に示す状態G及び状態H)、制御装置92において記録紙の印刷面のうちレーザ光が照射される面が印刷済みであることが確認される。そして、このとき、この記録紙が無効であることを示す黒帯とこの記録紙が何枚目に印刷されたものであるかを示すページ番号とが記録紙の印刷面に印刷される。
このように、本実施形態では、一対のレジストローラ73へ向けて搬送される記録紙の両方の印刷面の状態を印字検知センサ78によって一度に検知するようにしている。このため、印字検知センサ78によって記録紙の印刷面のうち一方の印刷面の状態を検知した後に記録紙を反転させ、印字検知センサ78によって記録紙の印刷面のうちもう一方の印刷面の状態を検知する場合と比べて、制御装置92の動作を単純化することができる。
尚、上記画像形成装置では、1つの印字検知センサ78を用いて記録紙の両方の印刷面の状態を検知することとしたが、これに限るものではない。すなわち、画像形成装置に記録紙の搬送路を境として2つの印字検知センサを向き合うように設置するようにしてもよい。このとき、一方の印字検知センサから記録紙の印刷面のうち一方の印刷面にレーザ光を照射することで記録紙の一方の印刷面の状態が検知されるとともに、もう一方の印字検知センサから記録紙の印刷面のうち一方の印刷面にレーザ光を照射することで記録紙のもう一方の印刷面の状態が検知される。