JP4507910B2 - 端子金具の取付構造 - Google Patents
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Description
また、端子金具の外周縁には係止片が突設され、基台には係止片と対応する位置に係止溝が設けられている。係止片が係止溝に嵌め入れられることにより、端子金具が回り止めされた状態で固定され、ナットの締め付けに伴う端子金具の連れ回りを回避できるようになっている。
ところが、基台の中には係止溝の溝幅が規格により定まっていて自由に設計変更できないものもあった。そうすると、係止片と係止溝のサイズが合わなくなるから、係止片を係止溝に無理嵌めしなければならず、組み付け作業に難渋する懸念があった。
ボルトに端子本体を挿通させつつ端子本体を基台上に載せ、さらにこのボルトに取付部材を挿通させつつ取付部材を端子本体上に被せ付ける。その後、ナットの締め付けにより端子本体を取付部材とともに基台に固定する。このとき、端子本体の係止面が取付部材の一対の係止片に面接触して係止するとともにこれらの係止片が基台に設定された係止部に係止することで端子本体を基台に対して回り止めした状態に保持するから、ナットの締め付けに伴う端子本体の連れ回りを回避できる。
この場合において、端子本体と取付部材とが互いに別体として構成されるから、大電流を流すときは端子本体の板厚を肉厚に変更するだけでよく係止片の板厚を肉厚に変更する必要がない。その結果、係止溝の溝幅も変更しなくて済む。しかも、端子本体は周知の丸端子や角端子で賄えるから、汎用性に優れる。
基台に設定されたいずれか2つの係止部に端子本体に設定されたいずれか2つの係止面を位置合わせし、そこに係止片を係止させることによって端子本体を一の姿勢で保持する。この状態から端子本体を軸周り方向に90度より小さい回動角で回動することにより、いずれか2つの係止部にいずれか2つの係止面を位置合わせし、そこに係止片を係止させて端子本体を他の姿勢で保持する。したがって、端子本体を軸周り方向の複数位置にそれぞれ異なる姿勢で取り付けることが可能となる。
隣接する2つの係止部間の軸周り方向の角度差を2以上の整数で割った値の角度で、端子本体を軸周り方向に回動することにより、変換前とは異なる組み合わせの2つの係止面を変換前と同じ組み合わせの2つの係止部に位置合わせし、端子本体を一の姿勢から他の姿勢に変換する。これにより、軸周り方向における端子本体の取付姿勢を受け部の個数を2以上整数倍した数だけ細かく設定することが可能となる。
基台における正多角形の外角に相当する角度で、端子本体を軸周り方向に回動することにより、2つの係止面を変換前とは異なる組み合わせの一対の係止部に位置合わせし、端子本体を一の姿勢から他の姿勢に変換する。これにより、軸周り方向における端子本体の姿勢を正多角形の角数に相当する数だけ細かく設定することが可能となる。
本発明の実施形態1を図1ないし図3によって説明する。本実施形態の端子金具Tは、自動車のエンジンルームに配備されたオルタネータ(発電機)のスタッドボルト61に挿通接続されるものである。
各係止片32は、全体として略長方形状をなし、取付孔33の中心を挟んで互いに対称位置する構成とされる。各係止片32間の離間距離は基台60の上面において対向する一対の係止溝62間の離間距離と等しくなるように設定してあり、取付部材30をスタッドボルト61に挿通しつつ端子本体10に被せ付けると、各係止片32が前記一対の係止溝62に緊密に嵌入するようになっている(図3を参照)。このとき、端子本体10は取付部材30にスタッドボルト61の軸周り方向にがたつくことなく保持されるから、その後にナット70の締め付けがなされても、それに伴い端子本体10が連れ回りすることがない。
次に、本発明の実施形態2を図4及び図5によって説明する。実施形態2では、端子本体10の先端部の形状と取付部材30の係止片32の配設位置が実施形態1とは異なっている。その他は実施形態1とほぼ同一であるから、構造上の同一部位には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
具体的には、端子本体10を上記一の姿勢から軸周り方向(詳しくは図5に示す反時計回り)に45度回動すると、今度は第4係止面10D及び第5係止面10Eがそれぞれ対応する係止溝62に位置合わせされる。これら係止溝62は、先に第1係止面10A及び第3係止面10Cによって位置合わせされたものであって、各係止片32を嵌入可能な前記隣接する2つの係止溝62に相当する。
図6及び図7は本発明の実施形態3を示す。実施形態3では基台60の断面形状が実施形態1及び実施形態2と異なっているが、端子本体10を軸周り方向に8通りの姿勢で取り付け可能とする点は実施形態2と同様である。
そして、実施形態3の基台60の断面形状はスタッドボルト61の軸芯を中心とした正8角形状をなし、軸芯を挟んで対向する各辺63間の離間距離は、端子本体10の先端部の幅寸法つまり第6係止面10Fと第7係止面10Gとの間の離間距離と等しくなるように設定されている。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態2及び実施形態3では、端子本体の取付姿勢を軸周り方向に45度間隔で変換可能な構成としたが、本発明においては、端子本体の取付姿勢を軸周り方向に例えば60度間隔または30度間隔で変換可能な構成としてもよい。具体的には、実施形態3において基台の断面形状を正3角形状または正6角形状にしたり、実施形態2において係止溝を軸周り方向に等間隔(120度間隔)をあけて3つ設けたり、あるいは実施形態2において端子本体の係止面の数を7つにすればよい。要は、端子本体を軸周り方向に90度よりも小さい回動角で回動したときに、変換前と変換後のいずれにおいても、端子本体に設定された2つの係止面が基台に設定された2つの係止部に位置合わせ可能となり、そこに取付部材の係止片が係止可能となる構成であればよい。
10…端子本体
11…本体部
12…電線接続部
13…接続孔
30…取付部材
31…押当部
32…係止片
33…取付孔
50…電線
51…芯線
60…基台
61…スタッドボルト
62…係止溝
70…ナット
Claims (4)
- 基台上に載置されて導電路を構成する板状の端子本体とこの端子本体上に被さるように組み付けられる板状の取付部材とを別々に備え、これら取付部材と端子本体とをボルトに挿通して前記基台との間にナット締めして固定するようになっており、かつ、
前記基台には、複数の係止部が前記ボルトの軸周り方向に設定され、
前記取付部材には、前記複数の係止部のいずれか2つと係止する一対の係止片が設けられ、
前記端子本体の先端外縁には、係止面が設けられ、組み付け時に前記係止面と前記一対の係止片とが面接触して係止することにより前記端子本体を前記基台に対して回り止めした状態に保持することを特徴とする端子金具の取付構造。 - 前記係止面は複数設定され、かつ、
前記端子本体を軸周り方向に90度より小さい回動角で回動することによって一の姿勢から他の姿勢に変換した場合に、変換前と変換後のいずれにおいても、前記複数の係止面のうちのいずれか2つが前記複数の係止部のうちのいずれか2つに位置合わせ可能とされるとともに、ここに前記一対の係止片が係止可能とされることを特徴とする請求項1に記載の端子金具の取付構造。 - 前記係止部は前記基台において前記軸周り方向に等間隔をあけて設定された3つ以上の係止溝によって構成され、前記係止片はこのうちの隣接する2つの係止部に嵌入可能とされ、かつ、
前記隣接する2つの係止部間の軸周り方向の角度差を2以上の整数で割った値の角度で、前記端子本体を前記軸周り方向に回動して姿勢変換することにより、変換前とは異なる組み合わせの2つの係止面が変換前と同じ組み合わせの隣接する2つの係止部に位置合わせ可能とされることを特徴とする請求項2に記載の端子金具の取付構造。 - 前記係止部は前記基台において軸芯を挟んで対称形をなす正多角形の各辺によって構成され、前記係止片はこのうちの前記軸芯を挟んで対向する一対の係止部に係止可能とされ、かつ、
前記端子本体の幅方向両側面に前記2つの係止面が設定され、
前記正多角形の外角に相当する角度で、前記端子本体を前記軸周り方向に回動して姿勢変換することにより、前記2つの係止面が変換前とは異なる組み合わせの一対の係止部に位置合わせ可能とされることを特徴とする請求項2に記載の端子金具の取付構造。
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