JP4507526B2 - 印刷制御方法及びその装置 - Google Patents

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この発明はシリアルドットインパクトヘッドを有する印刷装置の印刷制御方法に関する
ドットプリンタでは文字、記号その他の図柄が細かいドットの集合体(ドットパターン
)として印刷される。縦一列に並べられた9本のワイヤ(9ドット)を用いるシリアルド
ットインパクトヘッド(以下、単に「ヘッド」ということがある)を有するドットプリン
タでは、ヘッドのワイヤ数に対応した9ドットの幅のドットパターン単位で印刷を行って
いる。即ち、図1に示すように単位行(L1、L2 …)毎に9ドット幅の独立したドッ
トパターン3を構成し、紙送りをしながら単位行毎に印刷をおこなう。かかるスタンダー
ドモードにおいて、ドットパターン3を強調印刷するには、単位行印刷した後に紙送りを
せずに、同一行を再印刷する。これにより、最初の印刷において印刷されたドットの上に
次の印刷において印刷されるドットが重なる。よって、各ドットが強調され、結果として
ドットパターンが強調されることとなる。この場合、イメージデータ毎に強調印刷するこ
とができる。つまり、図1(A)で“A”、“B”、“C”…をそれぞれの文字単位で強
調印刷する/しないを指定し、実施することができる。図中符号1はシリアルドットイン
パクトヘッドであり、符号2は帳票(印字媒体)を示す。
かかるスタンダードモード印刷では縦方向に9ドット幅を超えるイメージデータの印刷
をすることができない。そこで、縦方向に9ドット幅を超えるイメージデータを9ドット
の単位行(L1、L2、L3、L4 …)に分解し、当該行ごとに印刷を実行する。これ
により、図1(B)に示すように、9ドット幅を超える大きなドットパターン5が印刷で
きることとなる(ページモード印刷)。
電子小切手等の帳票を印刷対象とするシリアルドットインパクトヘッドを有する印刷装
置においては、当該ページモードは専ら文字の印刷方向を変更するときに用いられる。例
えば、図1(C)に示すように、文字を横転して帳票2の送り方向に文字を印刷する場合
、帳票2において被印刷領域7を1つのイメージデータとして、それを単位行(L1、L
2、L3 …)毎に展開して印刷が行われる。
本件に関連する文献として、特許文献1〜4を参照されたい。
特許第3364340号公報 特開平8−118683号公報 特開平7−106645号公報 特開昭62−189167号公報
既述のように、シリアルドットインパクトヘッドを有する印刷装置においてそのスタン
ダードモードにおいては、単位行毎に繰り返し印刷を行うことにより、ドットパターンを
強調印刷することができる。
他方、ページモード印刷においてはページメモリ容量の制約から強調印刷を行うことが
出来なかった。
そこでこの発明の一つの目的は、シリアルドットインパクトヘッドを有する印刷装置の
ページモード印刷においても強調印刷を可能とすることにある。
この発明の他の目的は、印刷装置のハード資源、特にメモリ資源にかかる負担を出来る
限り小さくしつつページモード印刷における強調印刷を可能とすることにある。
上記課題を解決するために、この発明では、ページモード印刷を行うときのイメージデータ(ページデータ)をメモリ(ページメモリ)に保存しておいて、当該ページデータに基づき印刷媒体の被印刷領域へページモード印刷を行う。その後、このページデータを再利用して同一の被印刷領域へページモード印刷を繰り返す。この2回のページモード印刷を実行する時、先行のページモード印刷後に、印字媒体の進行方向もしくは逆行方向に前記シリアルドットインパクトヘッドのドットサイズの略半分の距離だけ印字媒体を移動させ、さらに前記シリアルドットインパクトヘッドの移動方向に前記シリアルドットインパクトヘッドのドットサイズの略半分の距離だけ前記シリアルドットインパクトヘッドの印刷開始位置を移動させる。
これにより、先のページモード印刷を実行したときのドットの位置と後のページモード印刷を実行したときのドットの位置とが重なりあって被印刷領域の全域において強調印刷が行われることとなる。2回のページモード印刷を行うときの基礎データであるページデータは同一のものであるので、1つのページメモリにこれを保存しておけばよい。このページメモリは、強調印刷を実行するか否かに拘わらず、ページモード印刷においてページデータを保存するために不可欠であるため、印刷装置においてそのメモリ資源に何ら負荷が追加されることにはならない。


この発明の印刷制御方法は、印刷媒体の被印刷領域へシリアルドットインパクトヘッド
を用いてページデータに基づきページモード印刷を行う第1の印刷ステップと、前記ペー
ジデータを再度用いて前記印刷媒体の被印刷領域にページモード印刷を繰り返す第2の印
刷ステップとを有する。
このように、同一のページデータを用いることにより、印刷装置のハード資源、特にメ
モリ資源にかかる付加が可及的に小さくなる。よって、装置コストを安価に抑えた状態で
ページモード印刷時の強調印刷が可能となる。
以下、この発明の各要素について説明する。
印刷媒体はシリアルドットインパクトヘッドにより印刷可能なものであれば特に限定さ
れず、帳票等の紙やラベルなどを用いることができる。印刷媒体において被印刷領域は任
意に設定することができる。この発明において一旦設定された被印刷領域に対して結果と
して2度のページモード印刷が施される。
印刷媒体はシリアルドットインパクトヘッドの移動方向と実質的に垂直な方向へ移動さ
れる。ページモード印刷の9ドットの単位行に分解された最初の単位行の印刷が終了した
後、印字媒体を移動させずに同じ単位行の印刷データを使って、そこから2度目の単位行
の印刷を実行する。この動作をページモード印刷領域の中で繰り返す。
シリアルドットインパクトヘッドは所定数のワイヤ(実施例では9本のワイヤ)を直線
状に配置して印字ヘッドとしている。このヘッドはキャリッジに取付けられて印刷媒体の
送り方向と直交する方向へ往復移動される。
ページデータは印字媒体の被印刷領域全体のイメージデータ(ドットパターン)の基礎
となるものであり、印刷装置のページメモリに保存される。ページデータはドットパター
ンに対応したビットマップデータ形式とすることのほか、所定のルールに従って圧縮若し
くは変換されたイメージデータとすることもできる。いずれのデータ形式であっても、ペ
ージデータは単位行毎に展開されて、シリアルドットインパクトヘッドで印刷可能となる
1つの強調印刷例として、2回目のページモード印刷のドットパターンの各ドットを1
回目のページモード印刷のドットパターンの各ドットに実質的に重なるようにして強調印
刷が行われる。
また、図2(ア)〜(ウ)に示すように、1回目のドットに対して2回目のドットを僅
かにずらしてもよい。図2(ア)は、2回目のページモード印刷時の印刷媒体とヘッドと
の相対位置を印字媒体の進行方向にハーフドットずらした例を示す。これは、2回目のペ
ージモード印刷開始時に印字媒体をハーフドットの長さだけ進めておく(若しくは戻して
おく)ことにより実行される。図2(イ)では2回目のページモード印刷時の印刷媒体と
ヘッドとの相対位置がヘッドの移動方向にハーフドットずれている。これは、ヘッドの移
動開始位置を全体的に移動方向へハーフドット移動させることにより達成できる。図2(
ウ)は上記の(ア)と(イ)を同時に達成したものである。
いずれの場合においても、同一のページデータを利用する関係上、1回目のページモー
ド印刷と2回目のページモード印刷とにおいてシリアルドットインパクトヘッドは同一の
動作を行う。従って、強調印刷は被印刷領域の全体に渡って行われることとなる。
ここに、2回目のページモード印刷のシリアルドットインパクトヘッドの動作を1回目
のページモード印刷時のものと異なるようにするには、1回目と2回目のページモード印
刷にあわせてそれぞれのページデータを準備する必要がある。そのためには、ページメモ
リを増設する必要があり、印刷装置に要求されているコンパクト化及び低コスト化に反す
ることとなる。
ページモード印刷において強調印刷のオン・オフは強調指定の選択するコマンドを入力
することにより制御できる。また、印刷装置自体のディップスイッチ若しくはメモリスイ
ッチにより所定の条件において常に強調印刷が実行されるようにすることもできる。
図3には、実施例の印刷装置におけるシリアルドットインパクトヘッド11の構成を示
す。ヘッド11はキャリッジ15に取付けられている。このキャリッジ15は印刷媒体の
移動方向と垂直方向に移動される。ヘッド11は縦一列に並んだ9本の印字ワイヤ13を
有し、これをインクリボン14に打ち付けることにより帳票12へ印刷が施される。帳票
12は紙送りローラ16により上下方向に移動される。符号17はプラテンである。
図4及び図5には、実施例の印刷装置の構成をブロック図に表した。
図3で示したヘッド11、キャリッジ15及び紙送りローラ16はそれぞれのヘッド駆
動制御部41、キャリッジ駆動制御部43及び紙送りローラ駆動制御部45によりその動
作が制御される。これらの駆動制御部41、43及び45は主制御部21により制御され
ている。
主制御部21はモード切換部23、スタンダードモード制御部25、及びページモード
制御部27を有する。
スタンダードメモリ31はスタンダードモード印刷時に印刷可能な文字、記号等のキャ
ラクタデータ35を印刷データとして保存する。ページメモリ33にはページモード印刷
時に用いられるイメージデータ(被印刷領域7に印刷されるべきイメージ)が保存される

図5に示すように、ページメモリ33から読み出されたイメージデータは、ページモー
ド制御部27のページデータ生成部28において、被印刷領域7に対応したビットマップ
データに変換される。このビットマップデータの各ビット間のピッチはヘッド11の印刷
ワイヤ13のピッチに対応している。かかるページデータは展開部29において単位行(
L1、L2、L3 …)ごとに分解され、ヘッド駆動制御部41、キャリッジ駆動制御部
43及び紙送りローラ45駆動制御部45に送られる。
これらの各駆動制御部41、43、45は展開されたページデータが各単位行ごとに印
刷されるように、ヘッド11、キャリッジ15および紙送りローラ16を制御する。
次に、この実施例の印刷装置の動作について説明をする(図6参照)。
先ず、ステップ1でページモード印刷の実行指令が入力されると、主制御部21のモー
ド切換部23がページモード制御部27をONとする。ページモード印刷の実行指令の例
として、入力装置60としてのホストコンピュータ装置から「ESC L」のコマンドを
入力する。
続いて、帳票12の所定の被印刷領域に印刷すべきイメージデータを入力装置60から
入力する(ステップ3)。なお、この実施例では、図1(C)に示すように帳票へ横転し
た文字を印字しようとするとき、横転を指定するコマンドとして「ESCT」を入力装置
60から入力し、続いて所望の文字データを入力するとページメモリ33に所望の文字が
横転されたイメージで保存される。
次に、ステップ5において、入力装置60からページモード印刷実行指令が入力される
。この指令により、ページメモリ33からイメージデータが読み出されてページモード制
御部27のページデータ生成部28で被印刷領域に対応したページデータが生成される。
このページデータは展開部29で展開されて、ヘッド11、キャリッジ15および紙送り
ローラ16に対する具体的な動作条件が単位行毎に生成される。
ステップ7において、強調印刷実行指令の有無が判断される。強調印刷実行指令は例え
ば「ESC E」(二重印字)、「ESC G」(図2参照)等のコマンドを入力装置6
0から入力することにより行う。また、ディップスイッチ53を用いてハード的に入力す
ることもできる。
強調印刷実行指令が無いときは、単位行を印刷する毎に紙送りを行い、ページモードの
被印刷領域の全領域について印刷を完了させる(ステップ8、ステップ9)。
他方、強調印刷実行指令が有るときは、ステップ11に進む。ステップ11では単位行
の印刷を行った後、ステップ13で更に同じ単位行において同一の印刷を繰り返す。この
とき、帳票12をハーフドット進めると図2(ア)の状態の強調印刷が可能となる。これ
により、帳票の被印刷領域において既にドットの跡がある上に更にドットが重ねられ、も
って、ドットパターンが強調されることとなる。
同一単位行に対する2回目のページモード印刷の動作(ステップ13)は実質的に1回
目のページモード印刷動作(ステップ11)を繰り返せばよいので、印刷装置のハード資
源特にメモリ資源に何ら負荷を追加させることはない。
その後、紙送りをして、単位行についてのかかる2度の印刷を繰り返し、ページモード
の被印刷領域の全領域について印刷を完了させる(ステップ15)。
上記において、強調印刷実行指令はページモード印刷実行指令を入力するまでに入力さ
れればよい。即ち、ページモード印刷実行指令と同時に強調印刷実行のコマンドを入力す
ることに限定されず、ページモード印刷データの入力途中若しくはその終了後に入力する
ことができる。
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。
特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこ
の発明に含まれる。
図1はシリアルドットインパクトヘッドを用いたスタンダードモード印刷とページモード印刷を示す図である。 図2はこの発明の実施例の強調印刷の状態を示す図である。 図3はこの発明の実施例の印刷装置のヘッド周りの構成を示す。 図4は同じく印刷装置の構成を示すブロック図である。 図5はページモード制御部の構成を示すブロック図である。 図6は同じく印刷装置の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1、11 シリアルドットインパクトヘッド
2、12 帳票
13 印刷ワイヤ
15 キャリッジ

Claims (2)

  1. ページモード実行指令の入力に基づき、印刷モードをページモードに設定し、被印刷領域全体の印刷ドットパターンを印刷単位行毎に展開可能な形態のページデータとして、ページメモリに保存するステップと、
    ページモード印刷実行指令の入力に基づき、印刷媒体の前記被印刷領域へシリアルドットインパクトヘッドを用いて、前記ページメモリに保存されたページデータに基づきページモード印刷を行う第1の印刷ステップと、
    強調印刷実行指令の有無を判断して、前記強調印刷実行指令が有る場合に、前記ページメモリに保存され第1の印刷ステップで用いられた前記ページデータ全てを再度用いて、前記印刷媒体の前記被印刷領域全体にページモード印刷を繰り返す第2の印刷ステップと、
    前記第1の印刷ステップと前記第2の印刷ステップとの間に、
    印字媒体の進行方向もしくは逆行方向に前記シリアルドットインパクトヘッドのドットサイズの略半分の距離だけ印字媒体を移動させるステップと、
    前記シリアルドットインパクトヘッドの移動方向に前記シリアルドットインパクトヘッドのドットサイズの略半分の距離だけ前記シリアルドットインパクトヘッドの印刷開始位置を移動させるステップと、
    を有することを特徴とする印刷制御方法。
  2. ページモード実行指令の入力に基づき、印刷モードをページモードに設定し、シリアルドットインパクトヘッド及び被印刷領域全体の印刷ドットパターンを印刷単位行毎に展開可能な形態のページデータを保存するページメモリを備え、
    ページモード印刷実行指令の入力に基づき、印刷媒体の前記被印刷領域へ、前記ページメモリに保存された前記ページデータに基づいて前記シリアルドットインパクトヘッドにより第1のページモード印刷を行い、
    強調印刷実行指令の有無を判断して、前記強調印刷実行指令が有る場合に、
    前記第1のページモード印刷後に、
    印字媒体の進行方向もしくは逆行方向に前記シリアルドットインパクトヘッドのドットサイズの略半分の距離だけ印字媒体を移動させ、
    さらに前記シリアルドットインパクトヘッドの移動方向に前記シリアルドットインパクトヘッドのドットサイズの略半分の距離だけ前記シリアルドットインパクトヘッドの印刷開始位置を移動させて、
    前記ページメモリに保存され前記第1のページモード印刷で用いられた前記ページデータ全てを再度利用して、前記印刷媒体の前記被印刷領域全体に対して第2のページモード印刷を行う、
    ことを特徴とする印刷装置。
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