JP4507414B2 - サセプタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造時に半導体基板を保持するサセプタに関し、特に、アッシング処理時における処理効率の向上を図ることが可能なサセプタに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造工程は、主に、酸化やCVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長法)等によって、半導体基板であるシリコン基板等に酸化膜や窒化膜を堆積させる酸化膜・窒化膜堆積工程、デバイスの不純物領域を形成するイオン注入・熱処理工程、デバイス間を接続する配線となる金属膜を堆積させる金属膜堆積工程、配線を絶縁する層間膜を形成する層間膜形成工程、堆積した各膜を所望のパターンに微細加工するリソグラフィ・エッチング工程、リソグラフィ・エッチング工程のパターン形成において使用した感光性有機レジスト等の残存有機物を除去するアッシング工程、及びシリコン基板表面の自然酸化膜や汚染物を洗浄除去する洗浄工程によって構成されている。
【0003】
これらの製造工程のうち、アッシング工程等における処理は、複数の半導体基板を同時に処理するバッチ処理によって行われることが一般的であり、このような処理は、複数の半導体基板をサセプタ(Susceptor)と呼ばれる台の上に配置した状態で行われる。
【0004】
図9は、従来構成におけるこのようなサセプタ100の構成を例示した外観図である。ここで、(a)は、サセプタ100の平面図を、(b)は、サセプタ100の正面図を、(c)は、サセプタ100の右側面図をそれぞれ例示している。
【0005】
図9に例示するように、サセプタ100は、例えば、以下に述べる半導体基板を載せた石英皿を配置する台座部101、及び台座部101を支持する脚部102a〜102dを有している。
【0006】
図10の(a)及び(b)は、半導体基板を載せる石英皿120の構成を例示した図である。ここで、(a)は、石英皿120の平面図を、(b)は、(a)におけるE−E断面図をそれぞれ例示している。
【0007】
石英皿120は、例えば、石英によって構成され、図10の(a)及び(b)に例示するように、その上面部分に、半導体基板を配置する基板配置部120aを有している。
【0008】
図10の(c)は、半導体基板130〜132を載せた石英皿120〜122をサセプタ100の台座部101に配置した様子を例示した平面図である。
図10の(c)に例示するように、半導体基板130〜132は、それぞれ石英皿120〜122の基板配置部120a〜122aに配置され、さらに、このように半導体基板130〜132が配置された石英皿120〜122は、台座部101の上部に並べられる。このようにサセプタ100上に配置された半導体基板130〜132は、サセプタ100ごとアッシング装置等の処理装置内に収納され、半導体基板130〜132に対するアッシング処理等の各種処理が行われることとなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のサセプタ100では、半導体基板130〜132が配置された石英皿120〜122を固定せずに台座部101上に配置することとしている。そのため、例えば、このサセプタ100を処理装置内へ収納する際、この石英皿120〜122が台座部101上から滑り落ち、石英皿120〜122に配置された半導体基板130〜132が、石英皿120〜122とともにサセプタ100上から落下してしまう場合があるという問題点がある。
【0010】
また、従来のサセプタ100では、半導体基板130〜132の配置に石英皿120〜122を用いることとしていたため、半導体基板配置時における台座部101の省スペース化が図れない。そのため、サセプタ100上に半導体基板を高密度で配置することができず、半導体基板のバッチ処理枚数を増加させ、処理効率の向上を図ることが困難であるという問題点もある。
【0011】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、処理装置内への収納時等における半導体基板の落下を防止することが可能なサセプタを提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明の他の目的は、半導体基板のバッチ処理枚数を増加させ、処理効率の向上を図ることが可能なサセプタを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記課題を解決するために、半導体装置の製造時に半導体基板を保持するサセプタにおいて、上面に形成された前記半導体基板形の凹部である複数の半導体基板収納凹部と、前記複数の半導体基板収納凹部のそれぞれの一部に設けられた切り込み部とを有し、前記複数の切り込み部はそれぞれ、前記サセプタのエッジ部分に配置され、前記複数の半導体基板収納凹部のそれぞれに1箇所ずつ設けられ、前記エッジ部分からの奥行き寸法が5〜30mmで、横幅が3〜10mmであることを特徴とするサセプタが提供される。
【0014】
ここで、半導体基板収納凹部は、半導体基板がサセプタから落下しないように保持し、切り込み部は、半導体基板収納凹部に保持された半導体基板の取り出しを容易にする。
【0015】
また、本発明のサセプタは、好ましくは、石英によって構成される。
また、本発明のサセプタは、好ましくは、6つ以上の半導体基板収納凹部を有する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1〜図5は、本形態におけるサセプタ10の構成を例示した構成図である。ここで、図1は、サセプタ10の平面図を、図2は正面図を、図3は背面図を、図4の(a)は右側面図を、図4の(b)は左側面図をそれぞれ例示している。また、図5の(a)は、図1のA−A断面図を、図5の(b)は、図1のB−B断面図をそれぞれ例示している。
【0017】
図1から図4に例示するように、サセプタ10は、例えば、半導体基板を保持する台座部11、台座部11を支持する脚部12a〜12d、及び脚部12a〜12dを補強する補強柱部13a〜13dを有している。
【0018】
サセプタ10を構成する材質としては、熱伝導性が高く、加工しやすい材質であれば、石英、カーボン等、特に制限なく使用することができるが、熱伝導性の高さ、半導体基板処理時におけるガス吸着の少なさ等の観点から石英がより望ましい。
【0019】
図1等に例示するように、台座部11は、例えば、上面に形成された半導体基板形の溝である半導体基板収納溝11a〜11f、及び半導体基板収納溝11a〜11fの一部に設けられた切り込み部11aa〜11faを有している。
【0020】
上述のように、半導体基板収納溝11a〜11fは、例えば、半導体基板の形状に形成された溝であり、台座部11の上面に複数形成される。具体的には、半導体基板収納溝11a〜11fは、例えば、台座部11の上面に形成された複数の略円筒状の溝であり、図1の例の場合、6つの半導体基板収納溝11a〜11fが台座部11の上面に形成される。なお、図1では、台座部11の上面に6つの半導体基板収納溝11a〜11fを設けた構成を例示したが、台座部11の上面に6つ以上の半導体基板収納溝を設けることとしてもよく、また、6つ以下(1つのみも含む)の半導体基板収納溝を設ける構成としてもよい。また、図1の例では、半導体基板収納溝11a〜11fが2列に配置される構成を例示したが、半導体基板収納溝11a〜11fを別の配置で構成することとしてもよい。このような配置例としては、例えば、台座部11上のスペースを有効利用するため、半導体基板収納溝11a〜11cの列と、半導体基板収納溝11d〜11fの列とを相互にずらして配置する構成が挙げられる。さらに、図1の例では、同一形状の半導体基板収納溝11a〜11fを複数構成することとしたが、他の半導体基板収納溝と形状が異なる1つ以上の半導体基板収納溝を有する構成としてもよい。これにより、形状が異なる半導体基板を同時に処理することが可能となる。
【0021】
半導体基板収納溝11a〜11fの内径寸法は、半導体基板収納溝11a〜11fに保持される半導体基板の外径よりもわずかに大きく形成されることが望ましい。これは半導体基板収納溝11a〜11fの内径寸法が小さすぎると、半導体基板収納溝11a〜11fへの半導体基板装着時における作業効率が悪化し、半導体基板収納溝11a〜11fの内径寸法が大きすぎると、半導体基板収納溝11a〜11f内に装着した半導体基板の位置が安定せず、また、作業時において半導体基板収納溝11a〜11f内から半導体基板が飛び出してしまう可能性を増大させてしまうからである。具体的な半導体基板収納溝11a〜11fの内径寸法は、それらに保持される半導体基板の外径寸法によって異なるが、例えば、半導体基板収納溝11a〜11fが、直径3インチ(約7.6cm)程度の半導体基板を保持するものであった場合、半導体基板収納溝11a〜11fの内径rは、例えば、7.8cm程度が望ましい。また、半導体基板収納溝11a〜11fの深さは、半導体基板収納溝11a〜11fに収納された半導体基板が外部に飛び出さないような深さに構成されることが望ましく、半導体基板をより確実に保持するため、半導体基板の厚み寸法よりも深く構成されることが望ましい。具体的な半導体基板収納溝11a〜11fの深さ寸法は、それらに保持される半導体基板の寸法によって異なるが、例えば、半導体基板収納溝11a〜11fが、直径3インチ(約7.6cm)、厚さ150μm程度の半導体基板を保持するものであった場合、半導体基板収納溝11a〜11fの深さ寸法H1は、例えば、150μm以上に構成されることが望ましい。
【0022】
切り込み部11aa〜11faは、半導体基板収納溝11a〜11fの一部、例えば、半導体基板収納溝11a〜11fの縁部分に設けられたさらに深い溝であり、例えば、半導体基板収納溝11a〜11fに装着された半導体基板を取り出す際等にピンセット等の工具を挿入させる部分である。図1の例の場合、切り込み部11aa〜11faは、台座部11のエッジ部分に配置されることとなる半導体基板収納溝11a〜11fの縁部分に1箇所ずつ形成される。また、図1〜図3及び図5の(b)に例示するように、切り込み部11aa〜11faは、例えば、略直方体形状に形成されることが望ましい。また、切り込み部11aa〜11faの寸法は、ピンセット等の工具を挿入させるに十分な寸法に形成されることが望ましい。切り込み部11aa〜11faは、半導体基板の取り出し時等においてピンセット等の工具を挿入させる部分だからである。具体的な寸法としては、例えば、台座部11のエッジ部分からの奥行き寸法Lを5〜30mm程度、半導体基板収納溝11a〜11fの外周接線方向における横幅Wを3〜10mm程度、半導体基板収納溝11a〜11fの底面からの深さ寸法H2を1〜10mm程度に構成することが望ましい。
【0023】
図2〜図4に例示するように、脚部12a〜12dは、例えば、円柱、角柱等の形状に形成された柱部材であり、台座部11の下部に強固に固着される。また、補強柱部13a〜13dは、例えば、円柱、角柱等の形状に形成された柱部材である。補強柱部13a〜13dは、例えば、その両端が脚部12a〜12dの側面に固着され、これにより、脚部12a〜12dの台座部11に対する固着を補強する。
【0024】
図6は、本形態におけるサセプタ10に半導体基板を保持させた状態を例示した平面図であり、図7は、図6におけるC−C断面図である。
図6の例では、6枚の半導体基板21〜26が、6つの半導体基板収納溝11a〜11fに1枚ずつ装着されている。ここで、前述のように、半導体基板収納溝11a〜11fの内径を半導体基板21〜26の外径よりもわずかに大きく形成し、半導体基板収納溝11a〜11fの深さを半導体基板収納溝11a〜11fに収納された半導体基板21〜26が外部に飛び出さないような深さに形成することにより、後述するサセプタ10の処理装置内への収納時等において、半導体基板21〜26がサセプタ10からの落下することを防止することができる。
【0025】
図7に例示するように、半導体基板23、26は、例えば、半導体基板収納溝11c、11fに収納されることとなるが、この際、切り込み部11ca、11faの上部に配置されるエッジ部23a、26aは、切り込み部11ca、11fa底面から所定の空間を空けて配置されることとなる。これにより、この空間にピンセット等の一端を挿入することが可能となり、この空間に挟み込まれたピンセット等の一端と、半導体基板23、26の上部に配置されることとなるピンセット等の別の一端とで半導体基板23、26を挟み込むことにより、半導体基板収納溝11c、11fに収納された半導体基板23、26の取り出し等を容易に行うことが可能となる。これは、その他の半導体基板収納溝11a、11b、11d、11eに収納される半導体基板21、22、24、25についても同様である。
【0026】
図8は、上述のように半導体基板を保持したサセプタ10をアッシング装置30に収納する様子を例示した概念図である。
アッシング装置30は、例えば、前述したリソグラフィ・エッチング工程のパターン形成において使用した感光性有機レジスト等の残存有機物を半導体基板から除去するアッシング処理を行う装置であり、例えば、アッシング処理を行う半導体基板が収納される石英チャンバ31、半導体基板を保持したサセプタ10が配置されるトレー32、及び石英チャンバ31と外部とを気密を保った状態で遮断する装置前扉33を有している。
【0027】
ここでのアッシング処理は、例えば、まず、半導体基板を保持したサセプタ10をトレー32上に配置する。そして、そのまま、トレー32及び装置前扉33を図8に示すD方向に移動させ、装置前扉33によって石英チャンバ31内の外部との気密を保った状態で、半導体基板を保持したサセプタ10を石英チャンバ31内に配置する。次に、例えば、石英チャンバ31内を所定の真空度まで真空にし、その後、石英チャンバ31内に酸素を注入する。石英チャンバ31内に注入された酸素は、例えば、図示していない電極を用いた放電によってプラズマ分解され、これによって発生した活性な酸素原子及びオゾンにより半導体基板上の残存有機物の除去を行う。
【0028】
このように、本形態では、半導体基板形の溝である半導体基板収納溝11a〜11fをサセプタ10の上面に形成することとしたため、この半導体基板収納溝11a〜11fによって半導体基板を保持することにより、処理装置内への収納時等における半導体基板の落下を防止することが可能となる。
【0029】
また、本形態では、半導体基板形の溝である半導体基板収納溝11a〜11fによって半導体基板を直接保持することとし、半導体基板の保持に石英皿等を用いないこととしたため、サセプタ10に高密度で半導体基板を配置することが可能となり、半導体基板のバッチ処理枚数を増加させ、処理効率の向上を図ることが可能となる。
【0030】
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではない。例えば、本形態では、アッシング処理時に半導体基板を保持するサセプタを中心に説明したが、酸化膜・窒化膜堆積工程等その他の製造工程において使用するサセプタに対して本発明を適用することとしてもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、半導体基板形の溝である半導体基板収納溝をサセプタの上面に形成することとしたため、この半導体基板収納溝によって半導体基板を保持することにより、処理装置内への収納時等における半導体基板の落下を防止することが可能となる。
【0032】
また、半導体基板形の溝である半導体基板収納溝によって半導体基板を直接保持することとし、半導体基板の保持に石英皿等を用いないこととしたため、サセプタに高密度で半導体基板を配置することが可能となり、半導体基板のバッチ処理枚数を増加させ、処理効率の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本形態におけるサセプタの平面図を例示した図である。
【図2】本形態におけるサセプタの正面図を例示した図である。
【図3】本形態におけるサセプタの背面図を例示した図である
【図4】(a)は、本形態におけるサセプタの右側面図を、(b)は左側面図をそれぞれ例示した図である。
【図5】(a)は、図1のA−A断面図を、(b)は、図1のB−B断面図をそれぞれ例示した図である。
【図6】本形態におけるサセプタに半導体基板を保持させた状態を例示した平面図である。
【図7】図6におけるC−C断面図である。
【図8】半導体基板を保持したサセプタをアッシング装置に収納する様子を例示した概念図である。
【図9】(a)は、従来構成におけるサセプタの平面図を、(b)は、その正面図を、(c)は、その右側面図をそれぞれ例示している。
【図10】(a)は、石英皿の平面図を、(b)は、(a)におけるE−E断面図をそれぞれ例示している。また、(c)は、半導体基板を載せた石英皿をサセプタの台座部に配置した様子を例示した平面図である。
【符号の説明】
10、100…サセプタ、11…台座部、11a〜11f…半導体基板収納溝、11aa〜11fa…切り込み部、21〜26、130〜132…半導体基板、30…アッシング装置、31…石英チャンバ、32…トレー、33…装置前扉
Claims (3)
- 半導体装置の製造時に半導体基板を保持するサセプタにおいて、
上面に形成された前記半導体基板形の凹部である複数の半導体基板収納凹部と、
前記複数の半導体基板収納凹部のそれぞれの一部に設けられた切り込み部と、
を有し、
前記複数の切り込み部はそれぞれ、前記サセプタのエッジ部分に配置され、前記複数の半導体基板収納凹部のそれぞれに1箇所ずつ設けられ、前記エッジ部分からの奥行き寸法が5〜30mmで、横幅が3〜10mmであることを特徴とするサセプタ。 - 石英によって構成されることを特徴とする請求項1記載のサセプタ。
- 6つ以上の前記半導体基板収納凹部を有することを特徴とする請求項1記載のサセプタ。
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KR20070056565A (ko) | 반도체 커패시터의 제조 방법 |
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