JP4507100B2 - 記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録装置に関し、搬送される帯状等の台紙にそれぞれ無線通信記憶媒体を備えた複数のラベルが仮付けされた用紙において、ラベル部分と台紙部分とを自動判別し、ラベル部分に連続的に印刷による記録を行う記録装置に関する。特に、用紙において記憶媒体を内蔵するラベル部分に印刷する際のラベル部分の検出に関する。
近年、非接触で情報を送受信可能なRF-ID(Radio Frequency Identification)システムと呼ばれる自動認識システムが開発されている。このRF-IDシステムは、内部に搭載する電子回路によって情報の書き込みと保持を行うRF-IDタグと呼ばれる無線通信記憶媒体(ここでは、以下RF-IDタグと言う)を備えるほか、このRF-IDタグとの間で無線通信によって情報の書き込み及び読み出しを行うために、RF-IDリーダ/ライタを備えている。
このRF-IDシステムの特徴として、情報を新規に書き込むと共に、書き込んだ情報を記憶することができること、複数のRF-IDタグに対して同時通信を行うことができること、また、障害物等の影響を受けにくいことなどが挙げられている。
このRF-IDシシテムでは、RF-IDタグのみでは取り扱いに難があるため、このRF-IDタグをラベル紙等の媒体に搭載し、これら複数枚のラベルを、容易に取り外すことができる程度の弱い接着力で台紙上に仮付けすることによって、利用者が利用する際の利便性を高めている。台紙上に配置されたラベルは、必要に応じて台紙から外して対象物に貼り付けることによって使用される。
このように、RF-IDタグをラベル紙等の媒体に搭載して使用する形態では、台紙に仮付けされた状態において、ラベル等の媒体表面に各ラベルを識別するといった目的で印刷を施す他、RF-IDタグに対して情報の書き込みを行なう必要がある。
これら、ラベルに印刷する記録動作と、RF-IDタグに情報を書き込む記憶動作とを、それぞれ別々の装置で分担するのではなく、記録装置にRF-IDタグに対する記録機能を搭載し、媒体表面への印刷と、RF-IDタグへの情報記憶を一括して行なう記録機能置が普及しつつある。
なお、以下、RF-IDタグ(無線通信記憶媒体)に情報を書き込む動作を“記憶”により表し、ラベルに印刷を行う動作を“記録”によって表すことにする。
図10は、RF-IDタグ等の無線通信記憶媒体を内蔵したラベルと、このラベルを複数枚仮付けした用紙の一例を示している。図10(a)は平面図を示し、図10(b)は断面図を示している。
ここで、用紙はラベル紙112で表される。ラベル紙112は、台紙を構成する長尺状で且つ半透明のセパレータ112aの上に、複数のラベル112bが剥離可能に仮着されている。
図10に示すように、RF-IDタグ等の記憶媒体はラベル112b内に内蔵される。より詳細には、RF-IDタグ112fは電子情報を記憶するための不揮発性メモリを搭載したICチップ112dと、ICチップ112dに電気的に接続されたアンテナ112eとがラベル112bの内部に封入されて構成されている。
セパレータ112a上に配置されたラベル112bの表面に印刷により記録を行うには、セパレータ112a上のラベル112bの位置を知る必要がある。ラベル部分の判別は、ラベル間ギャップ112cの光の透過光量が、ラベル112bの透過光量より多いことを利用することで行うことができ、例えばラベル紙112の下側に配置したLED光源等の発光部から発光し、ラベル紙112を透過する光をラベル紙112の上側に設けた受光部により検出し、この受光部の出力によって検出する。
記録装置の搬送路の上流側にラベルの検知部分を、下流側に記録ヘッドを配置する構成としてラベル112bを搬送部により搬送し、検知部分によってラベル112bの先端部、或いは後端部を検知して印刷位置を決定し、下流側の記録ヘッドによってラベル上に印刷する。また、ラベル間ギャップ112cは、アンテナ112eの位置を把握するためにも用いることができる。
図11は透過センサ114の出力波形例を示し、図11の出力波形例はRF-IDタグを内蔵していないラベル紙112の場合を示している。なお、図11(a)はラベル紙の断面を示し、図11(b)は出力波形を示し、図11(c)は出力電圧301の閾値Vthによる比較結果を示している。
ここでセパレータ112aには種々の材料が用いられるため、その透明度も異なってくる。そのため、受光部の出力波形の最小電圧値をラベル部分とし、受光部の出力波形の最大電圧値をラベル間ギャップ部分として、閾値電圧Vthをこれらの値の中間値になるように演算して決定する方法が用いられている場合がある。
図11において、出力電圧Vbは、セパレータ112a及びラベル間ギャップ112cを透過した出力であり、出力電圧Vaは、ラベル112bを透過した出力である。ここで、閾値Vthを、透過センサ114から得られる出力電圧の上下の中間値で設定すると、閾値Vthによって出力電圧301を比較することにより、図11(c)の比較結果302が得られる。この比較結果302の“L”の部分によって、ラベル112bを検出することができる。(例えば、特許文献1)
特開2003−145858号公報
しかし、上記従来の方法では、ラベル紙の下側に配置したLED光源等からの発光経路に対して、同一線上にICチップ112dやアンテナ112eを含むラベル112bが配置された場合、LED等の光源から光がこれらのICチップ112dやアンテナ112eで遮断されることになる。ICチップ112dやアンテナ112eによる遮断によって、受光量はラベル112bの場合よりも少なくなるため、出力電圧も低下する。
図12の出力波形例はRF-IDタグを内蔵しているラベル紙112の場合を示している。なお、図12(a)はラベル紙の断面を示し、図12(b)は出力波形を示し、図12(c)は出力電圧301の閾値Vthによる比較結果を示している。
図12において、出力電圧Vbは、ラベル紙112a及びラベル間ギャップ112cを透過した出力であり、出力電圧Vaは、ラベル112bを透過した出力であり、出力電圧Vcは、RF-IDタグが備えるICチップ112dあるいはアンテナ112eを透過した出力である。
ここで、閾値Vthは、透過センサ114から得られる出力電圧の上下の中間値で設定されている。
このように出力電圧が低下すると、閾値電圧VthはICチップ112dあるいはアンテナ112eの部分による最小電圧値、及びラベル間ギャップ112cの部分による最大電圧値の中間値で決定される。そのため、図12のようにRF-IDタグを内蔵するラベル紙112の場合には、VbとVcの中間値で閾値Vthは定まる。出力電圧301は、VbとVcの中間値で定まる閾値Vthによって比較され、図12(c)の比較結果302′が得られる。
図11(c)の比較結果302と図12(c)の比較結果302′において、出力が“H”から“L”に変化する位置はラベル112bの先端を示し、出力が“L”から“H”に変化する位置はラベル112bの後端を示している。
図12(c)では、本来ラベル部分とラベル間の台紙部分との中間で定まるべき閾値電圧がより低い電圧で設定されることになるため、得られるラベル112bの位置も異なることになる。不適切な閾値電圧によって検出が行われると、ラベル位置を正確に検出することができないという問題が発生する。
従来、このような問題に対する対応として、ラベル紙においてICチップやアンテナを配置する位置を制限し、これらICチップやアンテナが、センサの走査経路と重ならないようしている。
図13は、ICチップやアンテナの配置位置を説明するための図である。図13(a)はラベル紙112の正面図を示し、図13(b)はラベル紙112の断面図を示している。
ラベル112bにおいて、ICチップ112dやアンテナ112eを配置する領域を制限し、センサ114の光の経路が通る領域120と重ならないように設定している。
このようにICチップ112dやアンテナ112eを配置する領域を制限した場合、ラベルが小さい場合には、ICチップやアンテナの配置領域の自由度も小さくなり、センサの走査経路領域からずらすことが困難となり、ICチップやアンテナの配置領域とセンサの走査経路領域との重なりを避けることができない。また、逆に、ICチップやアンテナ等の記憶媒体の配置領域と重ならずにセンサの走査経路を設定することができない。
本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたものであり、記録媒体の有無や記憶媒体の配置位置に係わらず、ラベル上に正確な位置に印刷することを目的とする。
本発明の記録装置は上記目的を達成するために、無線通信記憶媒体を内蔵する複数のラベルが台紙上に配列された用紙の各ラベルに印字記録する記録部と、用紙を走査するセンサと、センサの走査出力を閾値電圧と比較する比較器と、比較器に前記閾値電圧を出力する閾値電圧出力部と、センサの走査出力からラベル部を検出する閾値電圧を求め、この閾値電圧を閾値電圧出力部に設定する閾値電圧設定部とを備える。
本発明は、閾値電圧設定部によって、用紙上に記憶媒体が存在するしないに係わらず、また、用紙上のどの位置に記憶媒体が配置されているかに係わらず、センサの走査出力からラベル部を検出するための閾値電圧を求め、閾値電圧出力部に設定することによって、ラベル上に正確な位置に印刷する。
センサの走査出力には、台紙部、ラベル部、ラベル部中の記憶媒体が内蔵される部分の各部分に相当する出力サンプルを含んでいるが、本発明の閾値電圧設定部は、この走査出力サンプルから記憶媒体が内蔵される部分に相当する出力サンプルを除いて、台紙部とラベル部を検出することによって、ラベル部を検出するための閾値電圧を求める。即ち、本発明の記録装置は、用紙上における記憶媒体の有無や、用紙上における記憶媒体の配置に係わらず、ラベル上の所定位置に印刷による記録を行うことができる。
閾値電圧設定部は、センサの走査出力を記憶するセンサ出力記憶部と、センサ出力記憶部に記憶した走査出力に基づいて閾値電圧を算出する閾値電圧算出部と、算出した閾値電圧を記憶する閾値電圧記憶部とを備える構成とし、用紙の交換後、及び/又は、同一用紙上に配列されるラベルの走査毎に閾値電圧を求め、閾値電圧による閾値電圧記憶部に記憶する閾値電圧を更新して補正する。
また、閾値電圧設定部は、センサの走査出力の前記閾値電圧記憶部への記憶を制御するセンサ出力記憶制御部を備え、このセンサ出力記憶制御部によって、無線通信記憶媒体が内蔵される部分から得られたセンサ出力サンプルは無効とし、ラベル部のセンサ出力及び台紙部のセンサ出力を有効として前記センサ出力記憶部に記憶させる制御を行う。
以上述べたように、本発明によれば、記憶媒体の有無や記憶媒体の配置位置に係わらず、ラベル上に正確な位置に印刷することができる。
また、複数種類のラベル用紙に対して一種類の装置で記録することができる。
また、RF-IDタグ等の記憶媒体を内蔵するラベル紙の他にも、記憶媒体を内蔵していないラベル紙についても記録することができる。
以下、本発明を実施するための形態を図を用いて説明する。なお、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
図1は、本発明の実施形態の記録装置を説明するための模式図である。図1において、記録装置100は、長尺の被記録媒体に対して印刷による記録を行う、ラベルプリンタと呼ばれるタイプと同様に構成を備えるものである。
記録装置100は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、及びイエロー(Y)の各記録ヘッド102〜105を有する。各々の記録ヘッドは用紙幅分のノズル列を持ったインクジェット方式のラインヘッドである。
これら4本の記録ヘッド102〜105からそれぞれブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、及びイエロー(Y)のインクを選択的に吐出し、カラー記録を行う。
吐出するインクは、インクカートリッジ(K)106、(C)107、(M)108、及びインクカートリッジ(Y)109から、図示しないポンプ、チューブによってそれぞれ対応する記録ヘッド102〜105に供給される。
ロールユニット101は、ロール状に巻かれたラベル紙112を装着するロール駆動軸113、ロール駆動軸113を駆動するモータ(図示していない)等から構成される。操作パネル117は、電源をON/OFF制御するスイッチ、ONLINE/OFFLINEの切り替えスイッチ、状態表示用のLCD等を備える。
ラベル紙112は、前記図10を用いて説明したように、長尺状(帯状)で且つ半透明のセパレータ112a上に複数のラベル112bが剥離可能に仮着されている。さらに、ラベル112bの内部には、電子情報を記憶するための不揮発性メモリを搭載したICチップ112dとICチップ112dに電気的に接続されたアンテナ112eが封入されている。
記録装置100は、セパレータ112a上に仮着された状態のラベル112bの表面に、記録ヘッド102〜105によって印刷により記録が行われる。この記録は、文字であっても、また、画像であってもよい。
記録装置100は、記録動作中にラベル紙112をロールユニット101によって概ね定速度で搬送する。記録ヘッド(K)102より更に上流側には、センサ114が設けられる。センサ114は、透過型光検出器であり、LED等の光源を持つ発光部と、発光部から発光された光を受光する受光部を備え、発光部と受光部との間にラベル紙112を通過させ、ラベル紙112を透過して検出される受光量に基づいてラベル112bを検出する。
センサ114は、発光部を用紙搬送路の下側(あるいは上側)に配置し、また、受光部を用紙搬送路の上側(あるいは下側に)に配置し、この間を通過するラベル紙112のラベル112bとこのラベルとの隣接するラベルとの間のギャップ部112c、即ちセパレータ部分112aとの透過光量の違いによってラベル112bの先端(搬送方向の先端)、または後端(搬送方向の後端)を検知することができる。
さらに、センサ114の下流側、例えば、センサ114から搬送入口側の位置に、記憶媒体に情報を書き込む書き込み部、及び/又は、記憶媒体に記憶される情報を読み出す読み出し部等の、記憶媒体との間で情報の受け渡しを行う情報受け渡し部が設けられる。例えば、情報受け渡し部は、ラベル112b内に備えるRF-IDタグ等の無線通信記録媒体112fに対して情報を書き込むため、あるいは、情報を読み出すためのアンテナ120を備える。書き込む情報や読み出す情報は任意とすることができ、ラベル上に印刷する内容と対応付けることもできる。例えば、読み出した内容に応じた印刷を行うようにしてもよい。
セパレータ112aは、高い検出出力を得ることを考慮すると、透明度が高い程望ましいが、仮着時におけるラベル112bの接着信頼性や、セパレータ112aからラベル112bを剥離する時の操作性等の点から種々の材料が用いられる。現状では、半透明な材質のセパレータが用いられ、その透明度も素材によって種々である。
なお、透過型のセンサの発光部の光源の光量は大きい程、受光側での感度の調整が容易であり、また、外来光(Noise)に対する動作信頼度も高まる。通常、この種の光源としては、集光レンズを付加した赤外LEDが多く使用されている。
図2は、本発明の記録装置に適用する回路構成の一例を説明するためのブロック図である。図2において、ホストPC200は、ラベル112bに印刷するための記録データをインターフェースコントローラ202に転送し、CPU201に印刷処理の開始を指示する。また、記録する記録媒体の枚数、記録媒体の種類やサイズ等を指示するコマンドも、インターフェースコントローラ202に転送して指示することができる。CPU(Central Processing Unit)201は、記録データの受信、記録動作、記録媒体のハンドリング等全般の制御を掌る演算処理装置である。
CPU201は、受信したコマンドを解析した後、メモリコントローラ206に描画動作を指示して、記録データの各色成分のイメージデータをVRAM607にビットマップ展開させる。
CPU201は、記録前の動作処理として、ヘッドアップダウン(U/D)モータ211を制御し、記録ヘッド102〜105を上下に駆動して記録位置に移動させる。この時、キャップ機構(図示していない)を搬送方向左右に移動させるキャッピングモータ212についても駆動制御する。
さらに、CPU201は、給紙部101の給紙モータ613により駆動軸113を動作させ、ラベル紙112の給紙を開始する。続いて搬送モータ110によって搬送ベルト111を駆動し、ラベル紙112を記録位置に搬送する。
ヘッドU/Dモータ211,キャッピングモータ212,搬送モータ110、給紙モータ213,ポンプモータ214等の各モータは、入出力ポート209及びモータ駆動部210を介してCPU201により駆動される。
透過型のセンサ114はラベル112bの搬送方向の先端を検出し、定速度で搬送されるラベル紙112上に仮着されたラベル112bが内蔵するRF-IDタグに対して情報を書き込むタイミング、および記録を行うタイミングを決定する。
CPU201は、透過型のセンサ114の出力レベル(アナログ値)をADコンバータ217経由でほぼリアルタイムで読み出すことができる。
また、センサ114の出力は、比較器216の一方の入力に供給され、比較器216の他方の入力にはCPU201によってDAコンバータ215を経由して変更可能な基準レベル(閾値電圧(スレッシュホールド電圧))が供給される。
また、CPU201は、比較器216の出力についても、入力ポート209からほぼリアルタイムに読み出すことができる。
メモリコントローラ206は、ラベル紙112の搬送に同期してVRAM207から対応する色のイメージデータを順次読み出し、記録ヘッド制御回路208を介して記録ヘッド(K)102、(C)103、(M)104、及び記録ヘッド(Y)105にデータ転送し、カラー記録する。ここで、Kはブラック、Cはシアン、Mはマゼンタ、Yはイエローを意味する。
以上の動作の内、CPU201が司る動作はプログラムROM(Flash ROM)203に記憶され、後述するフロー(図6、図9のフローチャート)に対応した処理プログラムに基づいて実行される。
また、ワークRAM204は作業用のメモリとして使用され、EEPROM205は不揮発性のメモリであり、記録ヘッド相互の微小記録位置調整値等の装置特有の設定値等を保存する。
ポンプモータ214は、インクの供給、記録ヘッド102〜105のクリーニング動作、インクの加圧等に使用するが、本発明に直接的な関連がないために説明は省略する。
次に、本発明の記録装置によるラベル紙の検知について、図3及び図4を用いて説明する。
図3は、本発明の記録装置に用いることができる用紙検知回路を示す構成図である。また、図4は内部に記録媒体(RF-IDタグ)を内蔵するラベル紙112が透過センサ114を通過したときの出力波形を表している。
図3に示す用紙検知回路は、透過型のセンサ114と、センサ出力を処理する回路とを備える。センサ114は、発光LED等で構成される発光部114aと、発光部114aからの発光を受光し、受光量に応じた信号を出力するフォトトランジスタ等で構成される受光部114bとを備える。フォトトランジスタのエミッタ側には出力感度を決定するための可変抵抗114cが接続されている。
発光部114aと受光部114bとは所定の間隔を開けて対向配置され、ラベル紙112は、発光部114aと受光部114bの間を通過する。受光部114bは、ラベル紙112を透過した光を検出し、受光量に応じた電圧がADコンバータ217を介してほぼリアルタイムに読み出しできる。
処理回路は比較器216を備え、センサ114の出力電圧と、DAコンバータ215から供給される閾値(スレッシュホールド)電圧とを比較する。比較器216の比較結果は、インターフェース209を介してCPU201に送られる。
ラベル紙112がセンサ114を通過すると、ラベル112bとラベル間のギャップ(セパレータ)112cおよび記録媒体(RF-IDタグ)のICチップ114dおよびアンテナ114eの透過光量の違いによって、受光部114bの出力電圧301は図4(b)に示すように変化する。
例えば、図4(b)において、受光部114bの出力電圧301は、ラベル112bを透過した場合にはVaが得られ、ICチップ114dおよびアンテナ114eを透過した場合にはVcが得られ、ラベル間ギャップ(セパレータ)114cを透過した場合にはVbが得られる。
ここで、ラベル112bの先端や後端の端部位置は、ラベル112bとラベル間ギャップ(セパレータ)114cとの変化点に対応している。したがって、ラベル112bとラベル間ギャップ(セパレータ)114cとの変化点を検出することで、ラベル112bの端部位置を求めることができる。この変化点は、ラベル112bの出力電圧Vaとラベル間ギャップ(セパレータ)114cの出力電圧Vbとの間の電圧値で定まる閾値Vthによって受光部114bの出力電圧301を比較することで求めることができる。
図4(c)は、114cの出力電圧Vbと閾値Vth(図4(b)中の破線で示す)との比較結果を示し、“H”はラベル間ギャップ(セパレータ)114c部分を表し、“L”はラベル112b部分を表している。ここで、“H”から“L”への変化点は、ラベル112bの先端を表し、“L”から“H”への変化点は、ラベル112bの後端を表す。
センサ114の出力電圧は、ラベル中の記憶媒体(RF−IDタグ)部分ではラベル112bの出力電圧Vaよりも低い電圧となる。そのため、センサ114の走査により得られる出力電圧の内で、記録媒体(RF-IDタグ部分)から得られる出力電圧を無効として、閾値Vthの形成に寄与しないようにする必要がある。
本発明の記録装置は、この記録媒体(RF-IDタグ部分)から得られる出力電圧を無効とするために2つの形態を備える。第1の形態は、センサ114の出力の変化に基づいて、記録媒体(RF-IDタグ部分)から得られる出力電圧を読み飛ばす制御を行うものである。また、第2の形態は、ラベル中における記録媒体(RF-IDタグ部分)の既知の配置位置に基づいて、その位置から得られる出力電圧を読み飛ばす制御を行うものである。
はじめに、図5、図6を用いて第1の形態について説明する。図5は本発明の記録装置の第1の形態による概略構成図であり、図5は本発明の記録装置の第1の形態による処理動作を説明するためのフローチャートである。
図5において、ラベル紙112は、長尺状(帯状)のセパレータ112a上に複数のラベル112bが互いに間隔を開けて仮着され、図示しない駆動機構によって所定速度で搬送される。ラベル112bは内部に記録媒体112fを備える。
記録装置1は、ラベル紙112の搬送方向に沿って、記録ヘッド2、書き込み部4,センサ6を配置して備える。
書き込み部4は、記憶制御部5からの制御に基づいてラベル112b中に内蔵する無線通信記憶媒体112fと無線通信によりデータ書き込みを行う。センサ6は前記した透過型のセンサである。
記録装置1は、センサ6からの出力電圧Vと閾値Vthとを比較する比較器7を備える。比較器7は、比較結果を記録制御部3に送ることによって、ラベル112bの所定位置に印刷による記録を行い、また、比較結果を記憶(書き込み)制御部5に送ることによって、ラベル112b内の無線通信記憶媒体112fと無線通信し、データの書き込みを行う。
比較器7の比較に用いる閾値電圧Vthは閾値電圧出力部8から送られ、さらに、この閾値電圧出力部8の閾値電圧は閾値電圧設定部10によって、ラベル状態に応じて設定される。
閾値電圧設定部10は、センサ出力記憶制御部11と、記憶部12と、閾値電圧算出部13を備える。
センサ出力記憶制御部11は、比較器7の比較結果に基づいてセンサ6からの出力電圧の記憶を制御する。
記憶部12は、センサ出力記憶制御部11で記憶制御されたセンサの出力電圧(Va,Vb)を記憶するセンサ出力記憶部12aと、閾値電圧算出部13で算出した閾値電圧Vthを記憶する閾値電圧記憶部12bを備える。閾値電圧算出部13は、センサ出力記憶部12aに記憶する出力電圧VaとVbとを用いて、閾値電圧Vthを算出する。
センサ出力記憶制御部11は、比較器7から、センサ6の出力電圧が降下して閾値Vthを下方に越えた比較結果が得られた場合には、ラベル112bの先端部分が検出されたとして、ラベル112b部分を表す出力電圧Vaをセンサ出力記憶部12aに送る。
また、センサ出力記憶制御部11は、センサ6の出力電圧が閾値Vthを下回った後に、出力電圧が大きく降下した場合には、無線通信記憶媒体112fの部分を検出しているものと判断して、このときセンサ6から出力される出力電圧の記憶部への記憶を無効とし、閾値電圧の形成に関与しないようにする。
ここで、出力電圧が大きく降下したか否かの判断は、例えば、センサ6の出力電圧がそのとき設定されている閾値電圧Vthよりも大きく降下したことを検出することによって、あるいは、センサ6の出力電圧が、予め予測しておいた無線通信記憶媒体112fの部分での出力電圧Vcと同程度であることを検出すること等によって行うことができる。なお、センサ6の出力電圧が閾値電圧Vthよりも大きく降下したことの検出は、センサ6の出力電圧の降下分が予め設定された値を越えたか否かによって判定することができる。
上記処理によって、センサ6が無線通信記憶媒体部分を検出する際に得られる出力電圧Vcが閾値電圧Vthの設定に係わらないようにすることができる。
この後、センサ出力記憶制御部11は、比較器7から、センサ6の出力電圧が上昇して閾値Vthを上方に越えた比較結果が得られた場合には、ラベル112bの後端部分が検出されたとして、ラベル間ギャップ112bを表す出力電圧Vbをセンサ出力記憶部12aに送る。
これによって、センサ出力記憶部12aには、閾値電圧Vthの形成に要する出力電圧VaとVbとが用意されることになる。閾値電圧算出部13は、センサ出力記憶部12aからこの出力電圧VaとVbを読み出して、閾値電圧Vthを算出する。閾値電圧Vthの算出は、出力電圧VaとVbとの間で任意に設定することができ、出力電圧VaとVbとの間を任意の比率で内挿することで求めることができる。例えば、出力電圧VaとVbの平均電圧を、閾値電圧Vthとすることができる。このときには、Vth=(Va+Vb)/2の演算により求めることができる。
閾値電圧記憶部12bは、それまで記憶していた閾値電圧に代えて、閾値電圧算出部13で算出された閾値電圧Vthで更新する。これによって、閾値電圧はラベルの状態に応じて逐次補正されることになる。
この閾値電圧の更新により補正は、セパレータ112a上に配列されたラベル112b毎や複数枚のラベル毎に行うほかに、一つのラベル紙112を単位として行ってもよい。
一つのラベル紙112を単位として閾値電圧を設定する場合には、そのラベル紙112の先頭のラベル112bについて、既設定の閾値電圧Vthを用いて前記したVa,Vbを求め、この電圧Va、Vbを用いて算出した閾値電圧Vthによって更新を行い、以後のラベル112bについてはその更新した閾値電圧Vthを用いる。
以下、図6のフローチャートを用いて第1の形態による記録装置の動作例を説明する。
記録動作を開始(S1)し、ラベルの記録動作を計数するためのカウンタ値Nの“0”に設定する(S2)。
CPU201は、前回あるいは以前の記録(印刷)動作で用いられた閾値電圧をEEPROM205から読み出してDAコンバータ215に書き込み、閾値電圧Vthを比較器216に供給する(S3)。
記録動作を行うラベルの枚数を1枚増やし(N=N+1)て、以下のS5〜S14の動作を行う(S4)。はじめに、搬送機構の駆動によってラベル紙を搬送することにより、センサをラベルに対して走査させ出力電圧を得る。このセンサの出力電圧は、セパレータ部分、ラベル部分、無線通信記憶媒体部分、ラベル間ギャップ部分等によって変化する。例えば、はじめの状態においては、セパレータ部分に対応する出力電圧Vbに続いて、記録すべき先頭ラベル部分に対応した出力電圧Vaが得られ、続いてICチップ部分およびアンテナ部分等の無線通信記憶媒体に対応した出力電圧Vcが得られる。
この出力電圧VbからVaの変化を、出力電圧Vと閾値電圧Vthとの比較によって検出し、この検出によりラベル検出を行う(S5)。得られた出力電圧Vaを記憶する(S6)。
この後、ラベル間のギャップが検知されるか、あるいは無線通信記憶媒体部分が検知されるまで、S5,S6を繰り返す。無線通信記憶媒体の検出は、無線通信記憶媒体を透過した透過光の出力は大きく低下することを利用し、センサ出力が出力電圧Vaよりも大きく電圧降下したことを捕らえることで行うことができる。例えば、出力電圧Vaからの電圧の降下分が予め設定された降下電圧分よりも大きい場合を検出することで行うことができる。
なお、S5のラベル検出の後、S7の記憶媒体を検出するまでの間に、出力電圧が変動した場合には、その変動で得られるセンサの出力電圧をS5〜S7の動作周期毎に記憶して更新してもよいし、あるいは、この間に得られるセンサの出力電圧の平均を求めてもよい。平均電圧を求める場合には、S5〜S7の各周期で得られる出力電圧を積算し、S7において記憶媒体が検出された際に、積算回数で除算することで求めることができる(S7)。
無線通信記憶媒体を検出した後、その後得られるセンサ出力は無線通信記憶媒体部分で得られる出力電圧と判断し、閾値電圧の設定に係わらないようにするために、センサ出力の記憶を停止する(S8)。
上記したS5〜S8は、最初のラベルを検出する場合を例として説明しているが、ラベル間nギャップ部分においても同様である。
ラベル間ギャップ(セパレータ)部分の出力電圧Vbからラベル部分の出力電圧Vaに変化すると(S5)、比較器の出力は入力ポート209へ「ラベル間ギャップ」(=H)から「ラベル部分」(=L)へ変化する。CPU201は、それ以降入力ポート209が「ラベル部分」(=L)を検知している間、ラベル部分の出力電圧Vaよりも低い電圧値(アナログ値)がCPU201のADコンバータ217に加わると(S7)、出力電圧を読み飛ばす制御を行う。
すなわち、CPU201はICチップ部分およびアンテナ部分の出力電圧Vcを読み飛ばすためにセンサ出力の記憶を停止する(S8)。
出力電圧Vbが閾値電圧を越えたら、再びセンサの出力電圧Vbを記憶する(S9,S10)。
CPU201は、出力電圧VaとVbを用いて閾値電圧を算出し、例えば、(Va+Vb)/2に相当するデジタル値をDAコンバータ215を介して書き込み閾値電圧Vthを更新する。この閾値電圧の更新によって、より適切にラベルを検知することができる(S11)。
不揮発性のEEPROM205に記憶する閾値電圧を得られたVthに更新する(S12)。
記録動作を行い(S13)、予め設定された回数の記憶動作が完了したかをカウンタ値Nを用いて判定し(S14)、所定回数の記憶動作が完了していない場合には、S4に戻って前記工程を繰り返す。
これによって、ラベルを検出する閾値電圧はVTHは1枚毎に適切な値に更新される。指定枚数の記録が完了することで処理は終了する。
また、最初の1枚のラベルについてのみ閾値電圧を設定する処理を実行し、後続するラベルについては、最初のラベルで設定した閾値電圧を用いる構成としてもよい。
なお、これらのフローチャートの処理は、CPUがフラッシュROM内に格納された各種プログラムを読み出して実行することにより実現される。
次に、図7、図8、図9を用いて第2の形態について説明する。図7は本発明の記録装置の第2の形態の概要を説明するための図であり、図8は本発明の記録装置の第2の形態による概略構成図であり、図9は本発明の記録装置の第2の形態による処理動作を説明するためのフローチャートである。
本発明の第2の形態は、ラベル中における記憶媒体(RF-IDタグ部分)の配置位置に基づいて、その位置から得られる出力電圧を読み飛ばす制御を行う。
プリンタドライバ等を用いて記録データを記録装置に送る場合、記録装置には記録動作を開始する前に、予めラベルのICチップやアンテナ112eの配置の情報を送ることが可能である。図7(a)に示す構成では、ICチップやアンテナ等の無線通信記憶媒体のラベル上の位置情報を、プリンタドライバを備えたPC200等から記録装置100へ送る。この位置情報は、例えば、ラベルの端部からICチップやアンテナまでの距離や、セパレータ上の配置されるラベルの位置、セパレータ上の所定配置からICチップやアンテナまでの距離等とすることができる。
図7(b)は、プリンタドライバによる設定画面例を示している。設定画面は動作設定の画面例であり、この設定画面200a上でRF−IDタグの取り付け位置を設定することができる。なお、設定画面上では、RF−IDタグの取り付け位置のほかに、RF−IDタグの種類や、給紙モードや、搬送速度等を設定することができる。
図8に示す構成は、前記した第1の形態の図5の構成図と閾値電圧設定部10の構成において相違し、その他の構成はほぼ同様である。以下、閾値電圧設定部10の構成について説明し、共通する構成については説明を省略する。
閾値電圧設定部10は、第1の形態と同様に、センサ出力記憶制御部11と、記憶部12と、閾値電圧算出部13を備えるほかに、距離計測部14と距離比較部15を備える。また、記憶部12は、第1の形態と同様に、センサ出力記憶部12aと閾値記憶部12bのほかに、取り付け位置データ記憶部12cを備える。
センサ出力記憶制御部11は、比較器7の比較結果及び距離比較部15の比較結果に基づいて、センサ6からの出力電圧の記憶を制御する。
記憶部12は、センサ出力記憶制御部11で記憶制御されたセンサの出力電圧(Va,Vb)を記憶するセンサ出力記憶部12aと、閾値電圧算出部13で算出した閾値電圧Vthを記憶する閾値電圧記憶部12bと、外部装置20等から入力される取り付け位置データを記憶する取り付け位置データ記憶部12cを備える。
閾値電圧算出部13は、センサ出力記憶部12aに記憶する出力電圧VaとVbとを用いて、閾値電圧Vthを算出する。
距離計測部14は、ラベル上の無線通信記憶媒体の位置を検出するために、ラベル紙が搬送される距離を計測する。この距離計測部14による計測の開始は、例えば、ラベル紙の端部や予め設けておいたマークの位置を、センサ6の出力電圧を比較部7で比較して検出することで行うことができる。距離比較部15は、距離計測部14で計測した距離が取り付け位置データ記憶部12cに記憶しておいた取り付け位置データとを比較し、ラベル紙の搬送距離が取り付け位置に達したことを検出した場合に、ラベルの先端部分が検出されたとして、ラベル部分を表す出力電圧Vaをセンサ出力記憶部12aに送る。
センサ出力記憶制御部11は、所定距離を計測した後に、出力電圧が大きく降下した場合、あるいは、取り付け位置データと同様に外部装置20から取り込んだ無線通信記憶媒体の寸法に基づいて得られる搬送方向の長さの間は、センサは無線通信記憶媒体112fの部分を検出しているものと判断して、このときセンサ6から出力される出力電圧を無効とし、閾値電圧の形成に関与しないようにする。
ここで、出力電圧が大きく降下したか否かの判断は、例えば、センサ6の出力電圧がそのとき設定されている閾値電圧Vthよりも大きく降下したことを検出することによって、あるいは、センサ6の出力電圧が、予め予測しておいた無線通信記憶媒体112fの部分での出力電圧Vcと同程度であることを検出すること等によって行うことができる。なお、センサ6の出力電圧が閾値電圧Vthよりも大きく降下したことの検出は、センサ6の出力電圧の降下分が予め設定された値を越えたか否かによって判定することができる。
また、無線通信記憶媒体の長さに相当する距離分移動したか否かは、距離計測部14の計測値と取り付け位置データ記憶部12cに記憶しておいた無線通信記憶媒体の長さとを、距離比較部15で比較することで判定することができる。
上記処理によって、センサ6が無線通信記憶媒体部分を検出する際に得られる出力電圧Vcが閾値電圧Vthの設定に係わらないようにすることができる。
この後の処理は前記した処理と同様とすることができ、センサ出力記憶制御部11は、比較器7から、センサ6の出力電圧が上昇して閾値Vthを上方に越えた比較結果が得られた場合には、ラベル112bの後端部分が検出されたとして、ラベル間ギャップ112bを表す出力電圧Vbをセンサ出力記憶部12aに送る。
これによって、センサ出力記憶部12aには、閾値電圧Vthの形成に要する出力電圧VaとVbとが用意されることになる。閾値電圧算出部13は、センサ出力記憶部12aからこの出力電圧VaとVbを読み出して、閾値電圧Vthを算出する。閾値電圧Vthの算出は、出力電圧VaとVbとの間で任意に設定することができ、出力電圧VaとVbとの間を任意の比率で内挿することで求めることができる。例えば、出力電圧VaとVbの平均電圧を、閾値電圧Vthとすることができる。このときには、Vth=(Va+Vb)/2の演算により求めることができる。
閾値電圧記憶部12bは、それまで記憶していた閾値電圧に代えて、閾値電圧算出部13で算出された閾値電圧Vthで更新する。これによって、閾値電圧はラベルの状態に応じて逐次補正されることになる。
この閾値電圧の更新により補正は、セパレータ112a上に配列されたラベル112b毎や複数枚のラベル毎に行うほかに、一つのラベル紙112を単位として行ってもよい。
一つのラベル紙112を単位として閾値電圧を設定する場合には、そのラベル紙112の先頭のラベル112bについて、既設定の閾値電圧Vthを用いて前記したVa,Vbを求め、この電圧Va、Vbを用いて算出した閾値電圧Vthによって更新を行い、以後のラベル112bについてはその更新した閾値電圧Vthを用いる。
以下、図9のフローチャートを用いて第2の形態による記録装置の動作例を説明する。なお、この動作例は、無線通信記憶媒体部分の出力電圧を無効とする手順(S26〜S29)を除いて前記図6のフローチャートとほぼ同様とすることができる。
記録動作を開始(S21)し、ラベルの記録動作を計数するためのカウンタ値Nの“0”に設定する(S22)。
CPU201は、前回あるいは以前の記録(印刷)動作で用いられた閾値電圧をEEPROM205から読み出してDAコンバータ215に書き込み、閾値電圧Vthを比較器216に供給する(S23)。
記録動作を行うラベルの枚数を1枚増やし(N=N+1)て、以下のS25〜S35の動作を行う(S24)。
はじめに、搬送機構の駆動によってラベル紙を搬送することにより、センサをラベルに対して走査させ出力電圧を得る。セパレータ部分に対応する出力電圧Vbから記録すべき先頭ラベル部分に対応した出力電圧Vaの変化を、出力電圧Vと閾値電圧Vthとの比較によって検出し、この検出によりラベル検出を行い(S25)、移動距離の計測を開始する(S26)。得られた出力電圧Vaを記憶する(S27)。
この後、無線通信記憶媒体の設置位置データに基づいて、ラベル内における記憶媒体の先端部分が記憶部に達する時点を検出し(S28)、記憶媒体の先端部分が記憶部に達した時点でセンサ出力の記憶を停止する(S29)。
このセンサ出力の記憶停止は、無線通信記憶媒体の寸法データに基づいて、搬送機構によってラベル紙が所定距離分だけ移動して、記憶媒体の後端部分が記憶部から外れる時点まで行う(S30)。
上記したS25〜S29は、最初のラベルを検出する場合を例として説明しているが、ラベル間nギャップ部分においても同様である。
ラベル間ギャップ(セパレータ)部分に応じた出力電圧Vbが得られると、再びセンサの出力電圧Vbを記憶する(S31)。
CPU201は、出力電圧VaとVbを用いて閾値電圧を算出し、例えば、(Va+Vb)/2に相当するデジタル値をDAコンバータ215を介して書き込み閾値電圧Vthを更新する。この閾値電圧の更新によって、より適切にラベルを検知することができる(S32)。不揮発性のEEPROM205に記憶する閾値電圧を得られたVthに更新する(S33)。
記録動作を行い(S34)、予め設定された回数の記憶動作が完了したかをカウンタ値Nを用いて判定し(S35)、所定回数の記憶動作が完了していない場合には、S24に戻って前記工程を繰り返す。
これによって、ラベルを検出する閾値電圧VTHは1枚毎に適切な値に更新される。定枚数の記録が完了することで処理は終了する。
なお、これらのフローチャートの処理は、CPUがフラッシュROM内に格納された各種プログラムを読み出して実行することにより実現される。
上記した各形態では、ラベル紙は、長尺状(帯状)のセパレータ上にその長さ方向に沿って複数のラベルを配置した例を示しているが、ラベル紙は長尺状(帯状)に限らずシート状とし、複数のラベルを二次元的に配置してもよい。この場合には、記憶部や書き込み部やセンサは、二次元的に配置されたラベルに対して、X,Y方向に相対的に走査可能とすることで同様の動作させることができる。
また、本発明の記録装置は、ラベルのセパレータ上の配置において、ラベル間の距離は等間隔に限らず任意の間隔で配置されたラベルにも適用することができ、また、ラベルの寸法も任意とすることができる。さらに、ラベル内に内蔵するICチップやアンテナの配置位置や寸法も任意とすることができる。
本発明の記録装置は記録装置にRF-IDタグへの書き込み機能を搭載し、媒体表面の印刷と、RF-IDタグに情報を記憶するのを一括して行なうRF-IDタグ書き込み機能付き記録装置などの、生産性の高いラベルプリンタ等、高速の印刷装置に利用可能である。
本発明の実施形態の記録装置を説明するための模式図である。 本発明の記録装置に適用する回路構成の一例を説明するためのブロック図である。 本発明の記録装置に用いることができる用紙検知回路を示す構成図である。 内部に記録媒体を内蔵するラベル紙がセンサを通過したときの出力波形を表す図である。 本発明の記録装置の第1の形態による概略構成図である。 本発明の記録装置の第1の形態による処理動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の記録装置の第2の形態の概要を説明するための図である。 本発明の記録装置の第2の形態による概略構成図である。 本発明の記録装置の第2の形態による処理動作を説明するためのフローチャートである。 無線通信記憶媒体を内蔵したラベル及び用紙の一例を示す図である。 透過センサの出力波形例を示す図である。 無線通信記憶媒体を内蔵したラベルの透過センサの出力波形例を示す図である。 ICチップやアンテナの配置位置を説明するための図である。
符号の説明
1 記録装置
2 記録ヘッド
3 記録制御部
4 書き込み部
5 記憶制御部
6 センサ
7 比較器
8 閾値電圧出力部
10 閾値電圧設定部
11 センサ出力記憶制御部
12 記憶部
12a センサ出力記憶部
12b 閾値電圧記憶部
12c 取り付け位置データ記憶部
13 閾値電圧算出部
20 外部装置
100 記録装置
101 ロールユニット
102〜105 記録ヘッド
106〜109 インクカートリッジ
110 搬送モータ
111 搬送ベルト
112 ラベル紙
112a セパレータ(台紙)
112b ラベル
112c ラベル間ギャップ
112d ICチップ
112e アンテナ
112f 無線通信記憶媒体
113 ロール駆動軸
114 透過型センサ
114a 発光部
114b 受光部
114c 抵抗
200 ホストPC
200a 設定画面
201 CPU
202 インターフェースコントローラ
203 フラッシュROM
204 RAM
205 EEPROM
206 メモリコントローラ
207 VRAM
208 記録ヘッド制御回路
209 入出力ポート
210 モータ駆動部
211 ヘッドU/Dモータ
212 キャッピングモータ
213 給紙モータ
214 ポンプモータ
215 DAコンバータ
216 比較器
217 ADコンバータ
301 出力電圧
302 比較出力

Claims (7)

  1. 無線通信記憶媒体を内蔵する複数のラベル部分が台紙上にギャップ部分を挟んで配列された用紙上の、前記複数のラベル部分を検出し、検出された前記ラベル部分に画像を記録する記録装置において、
    前記用紙を走査するセンサと、
    前記センサの出力を閾値と比較することにより前記ラベル部分と前記ギャップ部分とを判別する判別手段と、
    前記閾値を記憶する記憶手段と、
    前記ラベル部分の内の前記無線通信記憶媒体部分を検出する検出手段と、
    前記判別手段により前記ラベル部分と判定された前記用紙上の領域において前記センサから出力されるセンサ出力と、前記判別手段により前記ギャップ部分と判定された前記用紙上の領域において前記センサから出力されるセンサ出力とに基づいて、前記閾値を算出し、前記記憶手段の記憶内容を算出された閾値に書き替える制御手段とを有し、
    前記制御手段は、前記ラベル部分と判定された前記用紙上の領域において、前記センサから出力されるセンサ出力のうち、前記検出手段により検出される前記無線通信記憶媒体部分において、前記センサから出力される前記センサ出力を除いた前記センサ出力と、前記判別手段により前記ギャップ部分と判定された前記用紙上の領域において前記センサから出力されるセンサ出力とに基づいて前記閾値を算出することを特徴とする記録装置。
  2. 前記検出手段は、前記ラベル部分の端部からの距離に基づき、前記無線通信記憶媒体部分を検出することを特徴とする請求項1記載の記録装置。
  3. 前記検出手段は、前記ラベル部分のセンサ出力からの降下分が予め設定された降下分よりも大きいセンサ出力、または、予め予測しておいた前記無線通信記憶媒体部分でのセンサ出力と同程度のセンサ出力に基づき前記無線通信記憶媒体部分を検出することを特徴とする請求項1記載の記録装置。
  4. 前記制御手段は、用紙の交換後又は同一用紙上に配列されるラベルの走査毎に閾値を算出し、前記記憶手段に記憶することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の記録装置。
  5. 前記制御手段は、前記無線通信記憶媒体部分のセンサ出力を除いたラベル部分のセンサ出力と前記ギャップ部分のセンサ出力の間のセンサ出力を閾値として算出し、前記記憶手段の記憶領域に記憶された閾値を更新することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の記録装置。
  6. 前記用紙は、台紙上に複数のラベルを直線状又は平面状に配列され、当該ラベルは台紙上に仮付けされる、請求項1乃至の何れか1項に記載の記録装置。
  7. 前記センサは、対向配置される発光部と受光部とを備え、
    前記用紙を当該発光部と受光部の間を相対的に走査させ、前記用紙を透過した光を前記受光部で検出する、請求項1乃至の何れか1項に記載の記録装置。
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