JP4505957B2 - 架橋用エラストマー組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、良好なシール性、機械的強度と高温での耐熱性に優れた架橋ゴム成形品を提供することができる架橋用エラストマー組成物、特に架橋用含フッ素エラストマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
含フッ素エラストマー、特にテトラフルオロエチレン(TFE)単位を中心とするパーフルオロエラストマーは、優れた耐薬品性、耐溶剤性、耐熱性を示すことから、過酷な環境下でのシール材などとして広く使用されている。
【0003】
しかし、技術の進歩に伴い要求される特性はさらに厳しくなり、航空宇宙分野や半導体製造装置分野、化学プラント分野では300℃以上の高温環境下におけるシール性が要求されている。
【0004】
かかる要求に対して、架橋系を工夫して耐熱性を向上させる試みが提案されている。それらの一つの方向として、ニトリル基を架橋点として導入した含フッ素エラストマーを使用し、有機スズ化合物によりトリアジン環を形成させるトリアジン架橋系(たとえば特開昭58−152041号公報参照)、同じくニトリル基を架橋点として導入した含フッ素エラストマーを使用し、ビスアミノフェノールによりオキサゾール環を形成させるオキサゾール架橋系(たとえば、特開昭59−109546号公報参照)、テトラミン化合物によりイミダゾール環を形成させるイミダゾール架橋系(たとえば、特開昭59−109546号公報参照)、ビスアミノチオフェノールによりチアゾール環を形成させるチアゾール架橋系(たとえば、特開平8−104789号公報参照)が知られている。
【0005】
これらの架橋系のうち、ニトリル基含有パーフルオロエラストマーをテトラミン化合物で架橋した場合、得られる架橋ゴム成形品の耐熱性は従来よりも向上するものの、300℃を超える高温ではトリアジン架橋系やオキサゾール架橋系に比べて劣化が激しい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、機械的強度および高温での耐熱性が特に改善された架橋ゴム成形品を与える架橋用エラストマー組成物を提供することを目的とする。
【0007】
また本発明は、新規な架橋剤を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、(A)式(I):
【0009】
【化14】
【0010】
で示される架橋性反応基(I)を少なくとも2個含む化合物、および(B)該架橋性反応基(I)と反応可能な架橋部位を有するエラストマーからなる架橋用エラストマー組成物に関する。
【0011】
この化合物(A)は架橋剤としての作用は知られておらず、新規な架橋剤である。
【0012】
化合物(A)としては、式(II):
【0013】
【化15】
【0014】
(式中、R1は置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよいアリーレン基または式(III):
【0015】
【化16】
【0016】
(式中、R2は−SO2−、−O−、−CO−、置換されていてもよいアルキレン基、
【0017】
【化17】
【0018】
または単結合手である))で示される化合物が好ましくあげられる。
【0019】
前記エラストマー(B)としては、架橋部位としてニトリル基、カルボキシル基および/またはアルコキシカルボニル基を有する含フッ素エラストマー、特にパーフルオロエラストマーが好ましく使用できる。
【0020】
前記化合物(A)のうち、式(IV):
【0021】
【化18】
【0022】
(式中、R3は
【0023】
【化19】
【0024】
または
【0025】
【化20】
【0026】
)で示される化合物は新規化合物であり、本発明の対象である。
【0027】
本発明はまた、本発明の架橋用エラストマー組成物を架橋して得られる架橋ゴム成形品にも関する。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の架橋用エラストマー組成物を架橋させた場合の架橋系はイミダゾール架橋系に類似するものである。すなわち、従来のイミダゾール架橋では、たとえば
【0029】
【化21】
【0030】
という架橋構造を形成するが、本発明では
【0031】
【化22】
【0032】
のように、H−N結合をもたないベンズイミダゾール環形成が耐熱性の向上に大きく寄与しているものと考えられる。したがって本発明において架橋剤として働く化合物(A)が重要な要素となる。以下、化合物(A)について説明する。
【0033】
化合物(A)は、架橋構造を形成するために式(I)で示される架橋性反応基(I)を少なくとも2個、好ましくは2〜3個、特に好ましくは2個有する。
【0034】
化合物(A)として、架橋性反応基(I)を2個有する式(II):
【0035】
【化23】
【0036】
で示される化合物が合成が容易な点から好ましい。式中、R1およびR2は前記に例示したものである。
【0037】
式(III)おいて、R2は−SO2−、−O−、−CO−、置換されていてもよいアルキレン基、
【0038】
【化24】
【0039】
または単結合手である。
【0040】
R1の置換されていてもよいアルキレン基としては、たとえばメチレン、エチレン、ブチレン、
【0041】
【化25】
【0042】
などがあげられる。
【0043】
また、R1の置換されていてもよいアリーレン基としては、たとえばフェニレン、
【0044】
【化26】
【0045】
などがあげられる。
【0046】
式(III)のR2の置換されていてもよいアルキレン基の好ましい具体例としては、限定的ではないが、たとえば炭素数1〜6の非置換アルキレン基または炭素数1〜10のフルオロアルキレン基などであり、フルオロアルキレン基としては
【0047】
【化27】
【0048】
などがあげられる。なお、これらのR2は、特公平2−59177号公報、特開平8−120146号公報などでビスジアミノフェニル化合物の例示として知られているものである。
【0049】
R2は左右のベンゼン環のいずれの位置に結合していてもよいが、合成が容易で架橋反応が容易に進行することから、−NH−基とパラ位またはメタ位になるように結合していることが好ましい。
【0050】
好ましい化合物(A)としては、式(IV):
【0051】
【化28】
【0052】
(式中、Rは−SO−、−O−、−CO−、置換されていてもよいアルキレン基または式
【0053】
【化29】
【0054】
)で示される化合物である。
【0055】
具体例としては、限定的ではないが、たとえば2,2−ビス−[N−(2−アミノフェニル)−(4−アミノフェニル)]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−[N−(2−アミノフェニル)−3−(3−アミノフェニル)]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−[N−(2−アミノフェニル)−{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}]ヘキサフルオロプロパン、N,N’−ジ(2−アミノフェニル)−4,4’−ジアミノジフェニル、N,N’−ジ(2−アミノフェニル)−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、N,N’−ジ(2−アミノフェニル)−p−フェニレンジアミンなどがあげられる。
【0056】
以上に説明した化合物(A)は新規な架橋剤であり、機械的強度、耐熱性、耐薬品性に優れ、特に耐熱性と耐薬品性にバランスよく優れた架橋物を与えるものである。
【0057】
さらに、化合物(A)のうち、式(IV):
【0058】
【化30】
【0059】
(式中、R3は
【0060】
【化31】
【0061】
または
【0062】
【化32】
【0063】
である)で示される化合物は新規化合物である。
【0064】
これらの新規化合物は、たとえばそれぞれ対応する2,2−ビス−(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンに、o−フルオロニトロベンゼンなどによりニトロ基を導入し、これをパラジウムカーボンなどの存在下に還元することにより製造できる。
【0065】
なお、残余の式(II)で示される化合物に含まれる化合物は米国特許第3,708,439号明細書に記載されており、精製法は若干異なるものもあるが、基本的には前記式(IV)の化合物の合成法をそのまま適用できる。
【0066】
つぎに(B)成分である架橋性エラストマーについて説明する。
【0067】
架橋性エラストマー(B)としては架橋性反応基(I)と反応しうる架橋部位を有し、かつ耐熱性に優れるエラストマーであればよく、たとえば含フッ素エラストマーが例示できる。
【0068】
架橋性反応基(I)と反応しうる架橋部位としてはニトリル基(−CN基)、カルボキシル基(−COOH基)、アルコキシカルボニル基(−COOR基。Rは炭素数1〜3のアルキル基)があげられる。
【0069】
この含フッ素エラストマーとしては、式(V):
X1−[A−(Y)p]q−X2 (V)
または式(VI):
X1−[A−(Y1)p]q−[B−(Y2)r]s−X2 (VI)
(式中、X1およびX2は重合時の開始剤や連鎖移動剤を変えることにより、また末端基を修飾することにより任意に変えることができ、特に限定されるものではないが、たとえば、同じかまたは異なり、いずれもカルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ニトリル基、ヨウ素原子、臭素原子またはスルホン酸基などがあげられる。Y、Y1およびY2は同じかまたは異なり、いずれも側鎖にカルボキシル基、アルコキシカルボニル基またはニトリル基を有する2価の有機基、Aはエラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメント(以下、「エラストマー性セグメントA」という、Bは非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメント(以下、「非エラストマー性セグメントB」という)、pは0〜50の整数、qは1〜5の整数、rは0〜10の整数、sは1〜3の整数である、ただしX1、X2、Y、Y1またはY2のいずれか一つはニトリル基、カルボキシル基またはアルコキシカルボニル基であり、Y、Y1およびY2はAまたはBのセグメント中にランダムに入っていてもよい)で示され、架橋部位としてカルボキシル基、ニトリル基および/またはアルコキシカルボニル基を主鎖の末端および/または分岐鎖に有する架橋可能な含フッ素エラストマーが好ましい。
【0070】
エラストマー性セグメントAとしては、たとえば式(1):
【0071】
【化33】
【0072】
(式中、m/n=95〜50/5〜50(モル%)、Rfは炭素数1〜20のフルオロポリオキシアルキル基または炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基)で示される2元共重合体ゴム、もしくは
式(2):
【0073】
【化34】
【0074】
(式中、l/m/n=95〜35/0〜30/5〜35(モル%)、Rfは炭素数1〜20のフルオロポリオキシアルキル基または炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基)で示される3元共重合体ゴムなどのパーフルオロエラストマーセグメント、または
式(3):
【0075】
【化35】
【0076】
(式中、m/n=85〜60/15〜40(モル%))で示される2元共重合体ゴム、
式(4):
【0077】
【化36】
【0078】
(式中、l/m/n=85〜20/0〜40/15〜40(モル%))で示される3元共重合体ゴム、
式(5):
【0079】
【化37】
【0080】
(式中、l/m/n=95〜45/0〜10/5〜45(モル%)、Z1、Z2およびZ3はそれぞれ独立してフッ素原子または水素原子、Rfは炭素数1〜20のフルオロポリオキシアルキル基または炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基)で示される3元共重合体ゴム、もしくは
【0081】
【化38】
【0082】
(l/m/n=1〜80/0〜80/10〜50(モル%)、Rfは前記と同じ)などの非パーフルオロエラストマーセグメントであってもよい。
【0083】
また、分岐鎖に架橋点を導入するためのY、Y1、Y2としては、たとえば
【0084】
【化39】
【0085】
で示されるニトリル基含有単量体、カルボキシル基含有単量体、アルコキシカルボニル基含有単量体などがあげられ、通常、ニトリル基含有単量体、カルボキシル基含有単量体などが好適である。
【0086】
非エラストマー性セグメントBとしては、フッ素原子を含み前記エラストマー性を有していなければ基本的には限定されず、非エラストマー性セグメントBをブロック共重合することによりえようとする特性・機能に合わせて選択すればよい。なかでも、機械的物性を付与するためには結晶融点が150℃以上である結晶性ポリマー鎖セグメントであることが好ましい。
【0087】
非エラストマー性セグメントBを構成しうる単量体のうち含フッ素単量体としては、たとえばTFE、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、CF2=CF(CF2)pX(pは1〜10の整数、XはFまたはCl)、パーフルオロ−2−ブテンなどのパーハロオレフィン類;フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、トリフルオロエチレン、
【0088】
【化40】
【0089】
(X4およびX5はHまたはF、qは1〜10の整数)、CH2=C(CF3)2などの部分フッ素化オレフィン類の1種または2種以上があげられる。また、これらと共重合可能な単量体、たとえばエチレン、プロピレン、塩化ビニル、ビニルエーテル類、カルボン酸ビニルエステル類、アクリル類の1種または2種以上も共重合成分として使用できる。
【0090】
これらのうち、耐薬品性、耐熱性の点から、主成分に用いる単量体としては含フッ素オレフィン単独または含フッ素オレフィン同士の組合せ、エチレンとTFEの組合せ、エチレンとCTFEの組合せが好ましく、特にパーハロオレフィンの単独またはパーハロオレフィン同士の組合せが好ましい。
【0091】
具体的には、
(1)VdF/TFE(0〜100/100〜0)、特にVdF/TFE(70〜99/30〜1)、PTFEまたはPVdF;
(2)エチレン/TFE/HFP(6〜60/40〜81/1〜30)、3,3,3−トリフルオロプロピレン−1,2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピレン−1/PAVE(40〜60/60〜40);
(3)TFE/CF2=CF−Rf 3(非エラストマー性を示す組成範囲、すなわち、CF2=CF−Rf 3が15モル%以下。Rf 3は1個以上のエーテル型酸素原子を有していてもよい直鎖状または分岐鎖状のフルオロ−もしくはパーフルオロアルキル基、またはフルオロ−もしくはパーフルオロオキシアルキル基である。);
(4)VdF/TFE/CTFE(50〜99/30〜0/20〜1);
(5)VdF/TFE/HFP(60〜99/30〜0/10〜1);
(6)エチレン/TFE(30〜60/70〜40);
(7)ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE);
(8)エチレン/CTFE(30〜60/70〜40)
などがあげられる。なお、カッコ内はモル%を示す。これらのうち、耐薬品性と耐熱性の点から、特にPTFEおよびTFE/CF2=CF−Rf 3(Rf 3は前記と同じ)の非エラストマー性の共重合体が好ましい。
【0092】
また、非エラストマー性セグメントBを構成しうる単量体として、各種架橋のために前記した硬化部位を与える単位Y2を5モル%以下、好ましくは2モル%以下導入してもよい。
【0093】
非エラストマー性セグメントBのブロック共重合は、たとえばエラストマー性セグメントAの乳化重合に引き続き、単量体を非エラストマー性セグメントB用に変えることにより行なうことができる。
【0094】
非エラストマー性セグメントBの数平均分子量は、1,000〜1,200,000、好ましくは3,000〜400,000と広い幅で調整できる。
【0095】
また、エラストマー性セグメントAの構成単位の90モル%以上、特に95モル%以上をパーハロオレフィン単位とすることによりエラストマー性セグメントAに確実に非エラストマー性セグメントBをブロック共重合でき、しかも非エラストマー性セグメントBの分子量(重合度)を大きくすることができる。
【0096】
エラストマーの末端基であるX1、X2としては、前記のとおり特に限定されないが、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基またはニトリル基であることが好ましく、末端基にこれらの官能基を導入する方法としては、後述する酸処理法があげられる。
【0097】
前記含フッ素エラストマーは、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法などの重合法により製造することができる。
【0098】
重合開始剤としては、好ましくはカルボキシル基またはカルボキシル基を生成し得る基(たとえば酸フルオライド、酸クロライド、CF2OH。これらはいずれも水の存在下にカルボキシル基を生ずる)をエラストマー末端に存在させ得るものが用いられる。具体例としては、たとえば過硫酸アンモニウム(APS)、過硫酸カリウム(KPS)などがあげられる。
【0099】
また、分子量の調整に通常使用される連鎖移動剤を使用してもよいが、末端に導入されるカルボキシル基を生成し得る基の割合が低下するため、できるだけ使用しない方がよい。ただし、連鎖移動剤が前記基をエラストマー末端に存在させ得るものであれば、この限りではない。連鎖移動剤を使用しない場合、分子量は重合を低圧、たとえば2MPa・G未満、好ましくは1MPa・G以下で行なうことにより調整すればよい。その他の重合条件は、特に制限されないが、カルボキシル基を末端および/または分岐鎖に有する重合生成物を後述する酸処理を経ずに得るためには、重合系のpHを3以下の強酸性とするのが好ましい。
【0100】
かくして得られた重合生成物は重合条件によっては遊離のカルボキシル基が含まれていないものもあるが、それらもつぎの酸処理を施すことにより、遊離のカルボキシル基に変換することができる。
【0101】
本発明で用いる含フッ素エラストマーは、重合生成物を酸処理することにより、重合生成物に存在しているカルボン酸の金属塩やアンモニウム塩などの基をカルボキシル基に変換することが好ましい。酸処理法としては、たとえば塩酸、硫酸、硝酸などにより洗浄するか、これらの酸で重合反応後の混合物の系をpH3以下にする方法が適当である。
【0102】
この酸処理は、重合反応混合物から重合生成物を凝析により単離する際の凝析手段として適用するのが、工程の簡略化の点から好ましい。または、重合混合物を酸処理し、その後凍結乾燥などの手段で重合生成物を単離してもよい。さらに超音波などによる凝析や機械力による凝析などの方法も採用できる。
【0103】
また、ヨウ素や臭素を含有する含フッ素エラストマーを発煙硫酸により酸化してカルボキシル基を導入することもできる。
【0104】
架橋剤である化合物(A)の配合量は、好ましくはエラストマー100重量部に対して0.1〜10重量部である。
【0105】
本発明の組成物において、必要に応じて架橋性エラストマー組成物に配合される通常の添加物、たとえば充填剤、加工助剤、可塑剤、着色剤などを配合することができ、前記のものとは異なる常用の架橋剤や架橋促進剤を1種またはそれ以上配合してもよい。また、本発明の効果を損なわない範囲において、2種以上のエラストマーを混合して使用してもよい。
【0106】
本発明の組成物は、上記の各成分を、通常のゴム用加工機械、たとえば、オープンロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどを用いて混合することにより調製することができる。この他、密閉式混合機を用いる方法やエマルジョン混合から共凝析する方法によっても調製することができる。
【0107】
上記組成物から予備成形体を得る方法は通常の方法でよく、金型にて加熱圧縮する方法、加熱された金型に圧入する方法、押出機で押出す方法など公知の方法で行なうことができる。ホースや電線などの押出製品の場合は押出後も形を保持することが可能なので、架橋剤を使用せずに押出した予備成形体をそのまま用いることができる。もちろん架橋剤を使用してスチームなどによる加熱架橋を施した予備成形体を用いることも可能である。またO−リングなどの型物製品で未架橋状態では離型後も形を保持することが困難な場合は、架橋剤を使用してあらかじめ架橋した予備成形体を用いることにより実施可能となる。
【0108】
架橋温度としては、比較的低い架橋温度(たとえば150〜230℃、好ましくは170〜200℃)で良好な物性をもつ架橋物を与える。
【0109】
得られる架橋物は物質としても新規な物質であり、従来のイミダゾール架橋では得られない高い耐熱性を与え、さらに優れた機械的強度および耐薬品性を与える。
【0110】
新規な架橋物は、式(VII):
【0111】
【化41】
【0112】
(式中、R1は前記と同じ)で示される架橋部分にイミダゾール環を有する超高分子量体である。
【0113】
この架橋物は前記のとおり高い耐熱性と優れた機械的強度および耐薬品性を有しており、特にシール材として不可欠なシール性を評価する基準である圧縮永久歪みの高温での経時変化が小さくなっている。
【0114】
本発明の架橋物はつぎの表1、表2および表3に示す分野の各種成形品として有用である。
【0115】
【表1】
【0116】
【表2】
【0117】
【表3】
【0118】
特に具体的には次のような半導体製造装置に組み込んで用いることができる。
(1)エッチング装置
ドライエッチング装置
プラズマエッチング装置
反応性イオンエッチング装置
反応性イオンビームエッチング装置
スパッタエッチング装置
イオンビームエッチング装置
ウェットエッチング装置
アッシング装置
(2)洗浄装置
乾式エッチング洗浄装置
UV/O3洗浄装置
イオンビーム洗浄装置
レーザービーム洗浄装置
プラズマ洗浄装置
ガスエッチング洗浄装置
抽出洗浄装置
ソックスレー抽出洗浄装置
高温高圧抽出洗浄装置
マイクロウェーブ抽出洗浄装置
超臨界抽出洗浄装置
(3)露光装置
ステッパー
コータ・デベロッパー
(4)研磨装置
CMP装置
(5)成膜装置
CVD装置
スパッタリング装置
(6)拡散・イオン注入装置
酸化拡散装置
イオン注入装置
【0119】
特に自動車用エンジンのO2センサー用シール材、航空宇宙用エンジンのシール材、油田掘削用機器のシール材などといった300℃以上の使用環境で用いられるシール材として適している。
【0120】
【実施例】
つぎに本発明を実施例をあげて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0121】
製造例1(CN基含有エラストマーの合成)
着火源をもたない内容積3リットルのステンレススチール製オートクレーブに、純水1リットルおよび乳化剤として
【0122】
【化42】
【0123】
10g、pH調整剤としてリン酸水素二ナトリウム・12水塩0.09gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換し脱気したのち、600rpmで撹拌しながら、53℃に昇温し、テトラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)の混合ガス(TFE/PMVE=25/75モル比)を、内圧が0.78MPa・Gになるように仕込んだ。ついで、過硫酸アンモニウム(APS)の264mg/mlの濃度の水溶液20mlを窒素圧で圧入して反応を開始した。
【0124】
重合の進行により内圧が、0.69MPa・Gまで降下した時点で、CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2CN(CNVE)1.8gを窒素圧にて圧入した。ついで圧力が0.78MPa・Gになるように、TFEを4.7gおよびPMVE5.3gをそれぞれ自圧にて圧入した。以後、反応の進行にともない同様にTFE、PMVEを圧入し、0.69〜0.78MPa・Gのあいだで、昇圧、降圧を繰り返すと共に、TFEとPMVEの合計量が70gとなった時点でCNVE1.8gを窒素圧で圧入した。
【0125】
重合反応の開始から6時間後、TFEおよびPMVEの合計仕込み量が、130gになった時点で、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出して固形分濃度11.3重量%の水性分散体1150gを得た。
【0126】
この水性分散体のうち1000gを水3000gで希釈し、3.5重量%塩酸水溶液2800g中に、撹拌しながらゆっくりと添加した。添加後5分間撹拌した後、凝析物をろ別し、得られたポリマーをさらに2kgのHCFC−141b中にあけ、5分間撹拌し、再びろ別した。この後このHCFC−141bによる洗浄、ろ別の操作をさらに4回繰り返したのち、60℃で72時間真空乾燥させ、110gのポリマー(ニトリル基含有エラストマー)を得た。
【0127】
19F−NMR分析の結果、この重合体のモノマー単位組成は、TFE/PMVE/CNVE=59.8/39.6/0.6モル%であった。赤外分光分析により測定したところ、図1に示すチャートが得られた。
【0128】
図1のチャートにおいて、ニトリル基の特性吸収が2269.2cm-1付近に、カルボキシル基の特性吸収が1774.5cm-1、1808.4cm-1付近に、OH基の特性吸収が、3556.5cm-1および3095.1cm-1付近に認められる。
【0129】
合成例1
(2,2−ビス[N−(2−ニトロフェニル)−(4−アミノフェニル)]ヘキサフルオロプロパンの合成)
以下の反応はすべて窒素雰囲気下で行ない、用いた試薬および溶媒はすべて脱水したものである。
【0130】
オートクレーブに、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン20g(59.8ミリモル)、o−フルオロニトロベンゼン15.8ml(150.2ミリモル)、酸化マグネシウム13.5g(335ミリモル)および水100mlを仕込み、攪拌しながら250℃に加熱し、同温度で12時間反応を続けた。反応終了後、室温まで冷却し酢酸エチル800mlおよび水300mlを加えた後、生成物が酢酸エチルに溶けるまで充分攪拌した。得られた溶液をセライト濾過し、酢酸エチルで2回抽出し、1N−塩酸、ついで飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ついで溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をエタノールより再結晶することにより、2,2−ビス[N−(2−ニトロフェニル)−(4−アミノフェニル)]ヘキサフルオロプロパン22.4g(収率65%)を赤色結晶として得た。
【0131】
この物質は新規物質であり、つぎの物性を有している。
融点:178.3〜179.4℃
1H−NMR(CDCl3中):δ(ppm)=6.80〜8.25(m,16H)、9.42〜9.55(ブロード、2H)
19F−NMR(CDCl3中):δ(ppm)=−64.3(s、CF3)
IR(KBr):cm-1=3350、1606、1578、1510、1348、1258
MS m/z =576(M+)
HRMS:C27H18F6N4O4(M+)
計算値=576.123
測定値=576.122
【0132】
(2,2−ビス[N−(2−アミノフェニル)−(4−アミノフェニル)]ヘキサフルオロプロパンの合成)
上記で合成した2,2−ビス[N−(2−ニトロフェニル)−(4−アミノフェニル)]ヘキサフルオロプロパン20g(34.7ミリモル)を酢酸エチル200mlに溶かし、触媒として10%パラジウムカーボン1gを加え、水素置換した後、室温下、水素圧1.01MPa(10気圧)下にて18時間激しく攪拌して反応を行なった。得られた反応液をセライトで濾過して触媒を除去した後、酢酸エチルを減圧留去した。クロロホルムとヘキサン混合液ついでエタノールと水混合液より再結晶して、2,2−ビス[N−(2−アミノフェニル)−(4−アミノフェニル)]ヘキサフルオロプロパン(以下、「pNPN−AF」という)17g(収率95%)を白色固体として得た。
【0133】
この物質は新規物質であり、つぎの物性を有している。
融点:150.5〜151.6℃
純度(LCエリア%:シリカゲルカラム、展開溶媒アセトニトリル:0.05%リン酸水溶液=80:20):98%
1H−NMR(CDCl3中):δ(ppm)=6.64〜7.26(m,16H)、3.00〜3.80(ブロード、4H)、5.24〜5.35ppm(ブロード、2H)
19F−NMR(CDCl3中):δ(ppm)=−64.7(s、CF3)
IR(KBr):cm-1=3050、2942、1510、1392、1235
MS m/z =516(M+)
HRMS:C27H22F6N4(M+)
計算値=516.174
測定値=516.175
【0134】
合成例2
(2,2−ビス[N−(2−ニトロフェニル)−{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}]ヘキサフルオロプロパンの合成)
以下の反応はすべて窒素雰囲気下で行ない、用いた試薬および溶媒はすべて脱水したものである。
【0135】
オートクレーブに、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン15g(28.9ミリモル)、o−フルオロニトロベンゼン7.62ml(72.3ミリモル)、酸化マグネシウム6.5g(161ミリモル)および水75mlを仕込み、攪拌しながら250℃に加熱し、同温度で12時間反応を続けた。反応終了後、室温まで冷却し酢酸エチル800mlおよび水300mlを加えた後、生成物が酢酸エチルに溶けるまで充分攪拌した。得られた溶液をセライト濾過し、酢酸エチルで2回抽出し、1N−塩酸、ついで飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ついで溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)により精製した後、エタノールと水の混合液より再結晶することにより、2,2−ビス[N−(2−ニトロフェニル)−{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}]ヘキサフルオロプロパン15g(収率68%)を橙色結晶として得た。
【0136】
この物質は新規物質であり、つぎの物性を有している。
融点:117.5〜118.1℃
1H−NMR(CDCl3中):δ(ppm)=6.74〜8.28(m,24H)、9.41〜9.50(ブロード、2H)
19F−NMR(CDCl3中):δ(ppm)=−64.4(s、CF3)
IR(KBr):cm-1=3346、1612、1577、1501、1349、1248
MS m/z =760(M+)
HRMS:C39H26F6N4O6(M+)
計算値=760.175
測定値=760.176
【0137】
(2,2−ビス[N−(2−アミノフェニル)−{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}]ヘキサフルオロプロパンの合成)
上記で合成した2,2−ビス[N−(2−ニトロフェニル)−{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}]ヘキサフルオロプロパン15g(19.7ミリモル)を酢酸エチル200mlに溶かし、触媒として10%パラジウムカーボン800mgを加え、水素置換した後、室温下、水素圧1.01MPa(10気圧)下にて18時間激しく攪拌して反応を行なった。得られた反応液をセライトで濾過して触媒を除去した後、酢酸エチルを減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により精製した後、クロロホルム/ヘキサン混合液ついでエタノール/水混合液より再結晶して、2,2−ビス[N−(2−アミノフェニル)−{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}]ヘキサフルオロプロパン(以下、「EPNPN」という)12.4g(収率90%)を白色固体として得た。
【0138】
この物質は新規物質であり、つぎの物性を有している。
融点:62.4〜64.1℃
純度(LCエリア%:シリカゲルカラム、展開溶媒アセトニトリル:0.05%リン酸水溶液=80:20):99%
1H−NMR(CDCl3中):δ(ppm)=6.72〜7.32(m,24H)、3.00〜3.85(ブロード、4H)、4.85〜5.25ppm(ブロード、2H)
19F−NMR(CDCl3中):δ(ppm)=−64.8(s、CF3)
IR(KBr):cm-1=3375、3031、1612、1513、1243
MS m/z =700(M+)
HRMS:C39H30F6N4O2(M+)
計算値=700.227
測定値=700.226
【0139】
合成例3
(2,2−ビス[N−(2−ニトロフェニル)−(3−アミノフェニル)]ヘキサフルオロプロパンの合成)
以下の反応はすべて窒素雰囲気下で行ない、用いた試薬および溶媒はすべて脱水したものである。
【0140】
オートクレーブに、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン20g(59.8ミリモル)、o−フルオロニトロベンゼン15.8ml(150.2ミリモル)、酸化マグネシウム13.5g(335ミリモル)および水100mlを仕込み、攪拌しながら250℃に加熱し、同温度で12時間反応を続けた。反応終了後、室温まで冷却し酢酸エチル800mlおよび水300mlを加えた後、生成物が酢酸エチルに溶けるまで充分攪拌した。得られた溶液をセライト濾過し、酢酸エチルで2回抽出し、1N−塩酸、ついで飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ついで溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をエタノールより再結晶することにより、2,2−ビス[N−(2−ニトロフェニル)−(4−アミノフェニル)]ヘキサフルオロプロパン22.4g(収率65%)を橙色結晶として得た。
【0141】
この物質は新規物質であり、つぎの物性を有している。
融点:151.5〜157.1℃
1H−NMR(CDCl3中):δ(ppm)=6.75〜8.25(m,16H)、9.41〜9.50(ブロード、2H)
19F−NMR(CDCl3中):δ(ppm)=−64.4(s、CF3)
IR(KBr):cm-1=3348、1605、1577、1508、1346、1262
MS m/z =576(M+)
HRMS:C27H18F6N4O4(M+)
計算値=576.123
測定値=576.124
【0142】
(2,2−ビス[N−(2−アミノフェニル)−(3−アミノフェニル)]ヘキサフルオロプロパンの合成)
上記で合成した2,2−ビス[N−(2−ニトロフェニル)−(3−アミノフェニル)]ヘキサフルオロプロパン20g(34.7ミリモル)を酢酸エチル200mlに溶かし、触媒として10%パラジウムカーボン1gを加え、水素置換した後、室温下、水素圧1.01MPa(10気圧)下にて18時間激しく攪拌して反応を行なった。得られた反応液をセライトで濾過して触媒を除去した後、酢酸エチルを減圧留去した。クロロホルム/ヘキサン混合液ついでエタノール/水混合液より再結晶して、2,2−ビス[N−(2−アミノフェニル)−(3−アミノフェニル)]ヘキサフルオロプロパン(以下、「mNPN−AF」という)17g(収率95%)を白色固体として得た。
【0143】
この物質は新規物質であり、つぎの物性を有している。
融点:175.7〜176.4℃
純度(LCエリア%:シリカゲルカラム、展開溶媒アセトニトリル:0.05%リン酸水溶液=80:20):98%
1H−NMR(CDCl3中):δ(ppm)=6.73〜7.27(m,16H)、3.65〜3.90(ブロード、4H)、5.25〜5.35ppm(ブロード、2H)
19F−NMR(CDCl3中):δ(ppm)=−64.8(s、CF3)
IR(KBr):cm-1=3050、2942、1510、1392、1238
MS m/z =516(M+)
HRMS:C27H22F6N4(M+)
計算値=516.174
測定値=516.174
【0144】
実施例1
製造例1で得られた末端にカルボキシル基を有するニトリル基含有含フッ素エラストマーと合成例1で得られた新規架橋剤(pNPN−AF)と充填材であるカーボンブラック(Cancarb社製 Thermax N−990)とを重量比100/2.83/20で混合し、オープンロールにて混練して架橋可能なフッ素ゴム組成物を調製した。
【0145】
このフッ素ゴム組成物を200℃で10分間プレスして架橋を行なったのち、さらにオーブン中で表4に記載の条件で2段階のオーブン架橋を施し、厚さ2mmの架橋物およびO−リング(AS−568A−214)の被験サンプルを作製した。この架橋物の架橋性、常態物性および圧縮永久歪みについて測定した結果を表4に示す。
【0146】
(架橋性)
各架橋用組成物についてJSR型キュラストメーターII型により、表4に記載の温度にて加硫曲線を求め、最低粘度(νmin)、最高粘度(νmax)、誘導時間(T10)および最適加硫時間(T90)を求める、
【0147】
(常態物性)
JIS K6301に準じて厚さ2mmの架橋物の常態(25℃)での100%モジュラス、引張強度、引張伸びおよび硬度(JIS A硬度)を測定する。
【0148】
(圧縮永久歪み)
JIS K6301に準じてO−リング(AS−568A−214)の300℃×70時間および300℃×168時間後の圧縮永久歪みを測定する。
【0149】
実施例2
実施例1において、架橋剤として合成例3で得られたmNPN−AFを使用し、ニトリル基含有含フッ素エラストマー/mNPN−AF/カーボンブラックの配合比を100/2.83/20(重量比)として混練し、プレス架橋を200℃で15分間行なったほかは実施例1と同様にしてO−リングを製造し、実施例1と同様にして各物性を測定した。結果を表4に示す。
【0150】
実施例3
実施例1において、架橋剤として合成例2で得られたEPNPNを使用し、ニトリル基含有含フッ素エラストマー/EPNPN/カーボンブラックの配合比を100/3.84/20(重量比)として混練し、プレス架橋を200℃で60分間行なったほかは実施例1と同様にしてO−リングを製造し、実施例1と同様にして各物性を測定した。結果を表4に示す。
【0151】
【表4】
【0152】
表4に示すように、本発明の架橋剤を用いた場合、耐熱性および圧縮永久歪みに優れた架橋物が得られる。
【0153】
【発明の効果】
本発明によれば、耐薬品性、機械的強度に優れ、さらに耐熱性が向上した架橋物を与える新たな架橋用エラストマー組成物、および架橋剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造例1で得られたCN基含有含フッ素エラストマーの赤外分光分析のチャートである。
Claims (7)
- 前記エラストマー(B)が、架橋部位としてニトリル基、カルボキシル基および/またはアルコキシカルボニル基を有する請求項1記載の組成物。
- 前記エラストマー(B)が、含フッ素エラストマーである請求項1または2記載の組成物。
- 含フッ素エラストマー(B)が、パーフルオロエラストマーである請求項3記載の組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の架橋用エラストマー組成物を架橋して得られる架橋ゴム成形品。
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